2023年同人ソフト感想リスト プレイ順です。 女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、 値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。
けもみみユーフォリア〜complete!!〜(女性向12推)/けもみみプロジェクト(フリーソフト)
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運命のひと。(乙女)/Amicitia(フリーソフト)
立石綾乃は占い師に「最近優しくしてくれた人が運命の相手」だと告げられ、
一回手助けをしてくれただけでほとんど面識のない先輩、姫田鳴海に告白するが……。
選択肢なし、学園恋愛、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は最初戸惑っていたのに絆されていく先輩が可愛かったです。
主人公が断られても断られても先輩に会いに行きます。
無表情で強引にもほどがある主人公ですが、
そんなそっけなくも強引な言葉や行動の端々から先輩が好きだということが漏れ出ているので微笑ましさしかありませんでした。
そんな主人公の強引さがだんだん気になってしまい、たまにそっけない対応をされるとそわそわしてしまう先輩も微笑ましくて……
微笑ましさしかない作品でした。
過去の作品感想:けもみみユーフォリア〜complete!!〜
(2023/2/16)
雨宿る束の間のこと(乙女)/ty(フリーソフト)
女子大生のちやこは男友達と遊んだ帰り、雨に降られてしまう。
雨宿りに選んだ場所は……!
そして雨宿り中の話題は……!!
選択肢あり、ラブコメ、雨宿り、ボイスあり、三十分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
「キサハロ!」の感想はこちら
「キサキサ!」の感想はこちら
「キサヘヤ!」の感想はこちら
「キサホカ!」の感想はこちら
「キサナツ!」の感想はこちら
システムはいつでも前の選択肢に戻れたり、細かくコンフィグ変えられたりと至れり尽くせりでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はサネちゃん細目なだけでうさん臭さ倍増してました。実際は世話焼きで誠実で不器用すぎるのに……。
立ち絵に目パチ口パクアニメーションあり。
女遊びが激しい友人スーくん、苦労人で世話焼きなサネちゃん、
美形で幼馴染な後輩ムツのうち一人と雨宿りします。
別称は……なさそうです……
何の話題を出すかで分岐し、エンディングは六種類。
本編で雨宿りする場所と人物は固定(喫茶店を選んだらスーくんルート、のように)されていますが、
おまけシナリオで別の組み合わせが読めて満足です。
サネちゃんの上エンドでそこまで動揺を表に出していないのを見て、
サネちゃん……すっかり成長して……と親戚目線になってしまいました。
そして告白しても本気に取られないちやこの人柄(?)いいですよね!
過去の作品感想:ハミヅキ、キサハロ!、キサキサ!、キサヘヤ!、キサホカ!、キサナツ!
(2023/2/18)
灰色の夜が明けたとき/白砂庵(フリーソフト)
かつて悪魔狩りと称して聖魔法使いによる闇魔法使い殺害があった世界。
小さな村に住む少年ティノ(マルティーノ)は、闇魔法使いの少女シルヴィアと出会い、行動を共にすることになる。
魔法に憧れるティノは、「影」という現象を調査しているシルヴィアを通じて様々な魔法使いと関わることになるのだった。
選択肢あり、ファンタジー、ミステリー、六時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌あり、EDに歌あり。
絵は中央教会で聖職者をしているモニカさんが綺麗で、同じ聖職者、グイードが一目惚れするのもわかる……! と思えました。
ティノとシルヴィアが村や街を訪れていく中で、
悪魔狩りの真実や、現在秘密裏に進んでいる計画に関わることになります。
エンディングは二種類。
物語で重要な位置を占める「悪魔狩り」の回数や人数が小規模であることをはじめ、距離や人数、(敵の)魔法の力等について控えめな描写であることが多く、
誠実に地に足の着いた表現がされているということではあるものの、もっとハッタリをきかせて盛ってもいいのではないかと思ってしまいました。
(もちろん悪魔狩りの被害者にとっては規模の大小ではありませんが)
ですが好奇心旺盛で魔法使い達に可愛がられるティノと腹ペコシルヴィアのコンビが微笑ましかったです。
そしてなにより、モニカさんが成したことはとても大変で困難なことで、しかもその目的が自分よりも他人のためであり、
この上ない優しさと聡明さと忍耐強さにただただ感嘆しました。
その分中盤以降はティノとシルヴィアはかなり影が薄くなっていて……モニカさんがヒロイン兼スーパーヒーローになっていました!
モニカさん最高です!
(2023/2/22)
燕に餞 -10 minutes to airplane fall- 1.01/スーパー担々麺ワールド(フリーソフト)
過去に家族全員を亡くしている津原大介(つはらだいすけ)は、北海道へ向かう飛行機の中で、墜落しそうになっていることに気付く。
騒然とする周囲を尻目に、隣に座っていた糸洲涼子(いとすりょうこ)という女性が話しかけてきた。
大介は彼女と、最期の会話を交わすことにした。
絵は糸洲さんの底知れなさが伝わってきました。
選択肢あり、サスペンス、生死、二十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
糸洲涼子との会話中にどのような反応をするかで分岐します。
エンディングは五種類+最終エンド。
どう転んでも墜落は避けられません。
そんな状況下で墜落の原因が少し明らかになることもあれば、
原因には触れられずに主人公の心境が変化する結末もあり、
サスペンスと、死生観や生き方の両方が描かれていました。
最終エンドを読むと、墜落の原因は(ネタバレ反転)狂信者による生贄だったんですかね……?
そうだとしたら主人公ただ一人じゃなく機長も逃れていたりして……でも糸洲さん(仮)の関心を引けなかったからダメかな?
など読み終えた後も色々と想像することができる作品でした。
(2023/2/24)
誰でもいいから私の話を聞け(15推)/Ghost
Friend(フリーソフト)
黒田黒男は同級生の白川白雪(しろかわしらゆき)に告白する。
彼女は自分と付き合った人は一週間以内に死ぬと言ってきた。
それでも黒男は、白川さんに積極的に話しかけていくのだった。
選択肢あり、恋愛、サスペンス、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は動揺する白川さんが可愛らしかったです。
また、黒田黒男の父親の話だけピクトグラムで、
父親が属性や押し付けばかりで相手のことを見ていないことが伝わってきました。
最初は「白川白雪の話」で、その後も「○○の話」という名前の話が順番に解放されていきます。
話は全部で五つ。
最初の白川白雪の話は、塩対応の白川さんに主人公がぐいぐいと話しかけていくラブコメで微笑ましかったです……が、
そこかしこに不穏な内容もあり、その理由や詳細が後の話で語られます。
一番最後の話で色々なことが解決する可能性が提示されるのですが、
その選択をしてしまうと「白川白雪の話」のやり取りは起こらないのか……とちょっと寂しく感じてしまいました。
とはいえ、あからさまに言動があやしくてうさんくさい灰村灰音も交えて、
明るさと重苦しさの両方を味わえる作品でした。
(2023/2/26)
回顧、来ぬ Ver1.03(13推)/らいてうファミリー(フリーソフト)
養蚕が盛んな八種(はたね)町では、オシラヒメという女神が崇められていた。
町の有力者の家に生まれた中学二年生、志戸田紗羅紗(しとださらさ)は夏に行われる白絹祭(しらきぬさい)でオシラヒメ役に選ばれる。
ある日、彼女は怪物に襲われる。神社の跡取りである大学生、馬門賢治郎(まかどけんじろう)によると、それは「おくろもっけの呪い」によるものらしかった。
選択肢あり、ホラーミステリー、因習、六時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなこと、ボタン押しっぱなしでしかスキップができないことがやや不便でした。
また、アイキャッチ後の多くでセーブ画面が強制で表示されるのですが、上書き確認がないため慣れないうちは誤って上書きしてしまうことがありました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は一部の登場人物が人間なのに人間じゃない立ち絵なことや、異能を発揮する場面のビジュアルにびっくりしました。
そしてなぜそこでコブラツイストを掛けるのか……! 蛇だからか!
「おくろもっけの呪い」を解決しようと調査するため、紗羅紗が呪われた者の過去(回顧)を見て意図を取り出していくなかで、
新たなことを知ったり、クラスメイトと仲良くなったりしていきます。
エンディングはトゥルーエンド一種類、バッドエンド五種類。
回顧と蚕、意図と糸と養蚕が話に関わってきます。
田舎であることや、紗羅紗の家系などから、常にどこか息苦しさを覚えましたが、
そんな中にちょくちょくおかしな行動や発言があって、そのギャップが面白かったです。
前半は呪われた者にやられっぱなしで、後半は後半で色々な目に遭う賢治郎ちゃんが不憫で……もっとやれ! となりました。
紗羅紗は序盤では主体性なく暗い印象でしたが後半でその理由が明かされますし、
呪われた者の回顧を見ることで成長して……権力者の血を発揮して周囲を従えるようになるのが可笑しかったです。
クラスメイトや大人たちもみんな良いキャラクターで、
特にオタクっぽい見た目や言動ながら熱血行動派なクラスメイト、日野(ひの)くにおが格好良かったです。
それまでの推理をひっくり返すような展開や、様々な人間模様、興味深い伝承や異能など盛りだくさんで、
印象的なビジュアルも相まって強く印象に残る作品でした。
(2023/2/28)
輪状スターゲイザー/大きな樹の下(フリーソフト)
幼い頃に暮らした「星鳴村」に十年ぶりに帰ってきた佐咲千花子(ささきちかこ)は、
幼馴染の淡口明里(あわぐちあかり)、加賀山夏姫(かがやまなつき)、儀部正子(ぎぶしょうこ)と再会する。
星空が有名なその村で旧交を温めている中、殺人事件が発生するのだった。
選択肢あり、星の巡りを断ち切るSF(すこしふしぎ)サスペンスADVとのこと、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵はとても可愛らしいだけに血生臭い場面のギャップが印象的です。
アイキャッチのアニメーションは可愛くて平和。
殺人事件と不思議な出来事に巻き込まれながら、原因を調査し解決しようとしていきます。
エンディングは一種類。
最後の解決方法があっさりではありましたが、
そこに至るまでに理不尽に負けなかったり、負けたとしても立ち上がってみんなが頑張っていて、
最後は良かった……と思うことができました。
あと女の子たちの仲の良さが微笑ましかったです。
それにしてもレイナさんはさくっと情報開示するか、もう二〜三人信頼できる人を作っていてほしかったです!
(それだとこの物語が始まりませんが)
過去の作品感想:アブノーマルハァト
(2023/3/2)
ナニシテモイイコ Version1.04(15推)/桃
実女子(フリーソフト)
ある男から「店」を紹介された主人公。
その店は「人形」と呼ばれるヒューマノイドに何をしてもいい場所だった。
主人公は年端も行かぬように見える少女「イチコ」を指名するのだった。
選択肢あり、お触り""陰鬱""ADVとのこと、ボイスあり、一時間と少しで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は色鉛筆のような塗りで、怪しげな店の非現実感と温かみの両方を感じられました。
一枚絵は二十三枚+差分。
イチコに対しどの程度「話す」か「触る」か「殴る」かで結末か変わります。
エンディングは六種類。END1のみ、END2を見ることで選択肢が追加されます。
時には幼く、時には妖艶に、時には冷たく、時には包み込むようなイチコのボイスがとても印象的でした。
そんなイチコとの関わりは、どのラストもハッピーエンドではありませんでしたが、
END2とEND1は褒められないかもしれないけれどもどこか救いがある結末でした。
それにしても何をしてもいいけれど頭だけは壊れたら直せないから絶対に殴らないでと言われるのですが……
そんなこと言われたら一回はやってみたくなってしまいますよね。
案の定な結末になってしまいますが!
(2023/3/4)
私立!!黒髪学園 ver1.06(女性向)/土偶帝国(フリーソフト)
様々な髪色の人が存在する世界。田村ひまりは私立玄上(げんじょう)学園に転入する。
そこは黒髪の生徒ばかりが在籍していることで有名な学園。
転入早々、彼女は生徒会長から黒髪ではないことを咎められてしまうのだった。
選択肢あり、学園恋愛、黒髪、五時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは上部メニューが常時表示状態にできるとより良かったと感じました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はみんな可愛くて格好良くて好感が持てます。一枚絵は二十四枚+差分。
黒髪ではない主人公が黒髪ばかりの学園で過ごしていきます。
ルートは三種類、エンディングは六種類。
恋愛対象は堅物生徒会長の橘栄太郎(たちばなえいたろう)、
先輩で女子生徒から絶大な人気を誇る永瀬司(ながせつかさ)、
クラスメイトで陸上部の三木大翔(みきたいが)の三人。
生徒会長はチョロいにもほどがありました……。司先輩はめんどくさいです!
もしかして恋愛対象のなかで真っ当に良い子が三木君しかいない……?
とはいえどのルートも悩んだり恋したりな青春を味わえました。主人公の芯の強さも好きです!
なお、今後幼馴染の花見友幸(はなみともゆき)ルートなどを追加予定とのことですが、彼は黒髪ではありません。
タイトルの存在意義が……!!
過去の作品感想:君は夜明けの星になる
(2023/3/6)
キツネ耳つくも神に何故か付きっきりで看病される話 ver.1.02/個人宇宙(フリーソフト)
主人公が目を覚ますと、キツネ耳つくも神がいた。
体調が思わしくない主人公のために、何故か彼女は甲斐甲斐しく看病してくれるのだった。
選択肢あり、和風ファンタジー、けもみみ、五十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は狐娘ちゃんの困り顔が可愛らしかったです。一枚絵は十八枚+差分
キツネ耳つくも神から何故か至れり尽くせりな看病を受けます。
エンディングは四種類+バッドエンド。
二つの結末を見ることで残り二つのエンディングが解放されるのですが、
そこに辿り着くことなくバッドエンドや、すでに読んだ結末になってしまうことが多く狐に化かされているかのような不安を感じました。
同時に最後まで読み終えたときには、狐娘ちゃんつらかったんだね……頑張ったんだね……と思う理由にもなりました。
おまけシナリオも含め、悲しく、でも温かい話でした。
過去の作品感想:初恋は年齢天秤の中で、パーソナル・スペース、トキゴエ列車からの脱出
(2023/3/8)
おそ咲きの花 ver 0.01(乙女18禁)/サキュレント(DL販売2200円)(DL版の購入はこちら)
28歳で友人がおらず、恋人もできたことがなく、コンプレックスまみれの葛野水姫(かどのみずき)。
数年前から定期的に男性の局部画像メールを何者からか受け取っていたが、突如そのメールが途絶えてしまう。
何故送らなくなったのかを聞くと結婚するという返信があり、水姫は激情に駆られ探偵にメール送信者を特定してほしいと依頼する。
それが探偵所所長の浪坂紫雨(なさかしぐれ)と唯一の調査員、箕面(みのお)ユウキとの出会いだった。
選択肢あり、恋愛、引け目、ボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は拗らせまくった水姫が主人公とは思えないようなお洒落さでした。紫雨さん効果!
EDに歌あり。歌は爽やかで伸びやかなのに歌詞が後ろ向き……でも幸せならよかったです……。
絵は水姫の可愛くないわけじゃないけれど綺麗とか美人とかではないという絶妙なものでした。
キービジュアルから変化するスタッフロールもお気に入りです。一枚絵は十枚+差分。
人生で一度も恋人ができたことが無い水姫が探偵と親しくなっていきます。
エンディングは二種類。
冒頭からチ○コ画像が送られてくるというシチュエーションに笑い、
その後もチ○コ画像を送ってこなくなったら日々の張り合いがなくなったり、
紫雨たちと食事しながら面倒くささを発揮したりする水姫が可笑しかったです。
水姫の卑屈さ、こじらせっぷりは半分くらい自分もそうだと思えて、
半分くらい「ねーよ」と笑えて(少なくとも私にとっては)良いバランスでした。
でもチ○コ画像送信者を特定しようとしたり、探偵さんとの食事中に拗らせを爆発させるような行動力はすごいです!
水姫の印象通り不信感が漏れ出ているユウキの、やったこととは裏腹の身勝手で未成熟すぎる滑稽さや、
紫雨の水姫を気遣ったりからかったりという余裕がありながらも善良で、
でもそれゆえに簡単には幸せになり切れないどうしようもなさといった男性陣の性質も一筋縄ではいかなくて印象的でした。
経験や人付き合いで変わること、変わらないことの両方が描かれていましたし、
紫雨エンドの状況になったからこそ二人が一緒になれたというのも筋が通っていると思えました。
過去の作品感想:慰愛の詩、とも鳴りの舟、ドブ川に散りぬ初恋の、痴者の夢、芙蓉の浄土に安き給う、ざくろの事
(2023/3/10)
さよセン(さようならセンター試験)完結編/ゴールドレリーフ(フリーソフト)
高校三年のセンター試験で失敗し、以降山あり谷ありの(谷多め)の人生を歩んできた主人公は、
世帯収入が低い場合、東大の授業料が免除になることを知り、センター試験、そして東大受験を決意する。
しかしそこまで甘くはなく、数年に渡りセンター試験を受け続けるが、その過程で様々な人と出会っていくのだった。
追加部分は選択肢なし、センター試験、人生、一時間と少しで読み終わりました。
「さよセン(さようならセンター試験)」の感想はこちら
「さよセン1.5」の感想はこちら
システム、音楽は「さよセン(さようならセンター試験)」と同様。
背景にコミケで私も書いたセンター試験への寄せ書きが表示される場面は嬉しかったです。
制作者様の実体験をもとにしたフィクションで、
紆余曲折ありながら大学入学共通テストと東大受験に臨んでいきます。
年齢を重ねて脳も身体もガタが来ている描写が多く他人ごとではありません……。
給付金や税金の免除等で状況を改善する場面では知は力であることが実感できましたし、
途中だらける場面もありながらも勉強・試験に挑む場面は熱いものがありました。
また、過去に交流があった人と再会することが多く、
それだけたくさんの人と関わり、たくさんの人に覚えてもらっていることがすごいと思えます。
主人公を通して、人の繋がりと目標に向かうことの大切さを感じられました。
(2023/3/12)
異種間エンパシー ver2022/10/14/深山宵(フリーソフト)
加賀見亜子(かがみあこ)は溺愛している弟の一織(かおる)が口論の末、家出してしまった。
彼女は弟の代わりを求め、バイオノイドをレンタルする。
訪れたバイオノイドを弟として扱ううちに、彼の存在が大切になっていくのだった。
選択肢あり、バイオノイド、感情、四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は全エンドクリア後のタイトル画面が……後味悪いです!
弟の代わりとしてレンタルしたバイオノイドとのやりとりが描かれていきます。
エンディングは三種類。それぞれにアフターストーリーあり。
主人公が弟離れできないヤバい人でした……。
エンド3はハッピーに見えて依存先が変わっただけでは? とハラハラしていたら、
アフターストーリーで成長が見られてほっとしました。
弟のパートナーが得体の知れない感じで安心できませんが!
エンド2はかなり後味悪くそれゆえ印象的で、エンド1も後悔をしたくなる行く末で、
異種間の難しさを思い知らされました。
過去の作品感想:ヤドカリ、ヤドカリ1.5、暗がりビオトープ
(2023/3/14)
おじさんと遊ぼう/茶碗蒸し(フリーソフト)
※2022/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
多くのフォロワーを抱えるインフルエンサー、あずさに見知らぬおじさんからDMが届いた。
あずさは気まぐれに返信してみるが……。
選択肢あり、SNS、おじさん構文、十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は婦警コス自撮りの差分を見てみたかったです……もちろん真エンドバージョン。一枚絵は二枚。
おじさん構文でDMしてくるおじさんの相手をします。
三十九歳でおじさんかあ……と三十九歳が年下になった私は複雑な気分になりました。
エンディングは四種類+α。
おじさん構文の気持ち悪さとおじさんの図々しさがこれでもかと描かれています。
こんなおじさんにならないように自戒せねば……という気持ちになる、おじさんしかいない作品でした。
(2023/3/15)
不香の花 - Snow Flower/斜塔ソンブレロ(フリーソフト)
※2022/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
都会でデザイン会社のバイトをしていた竹崎タケルは、有名なデザイナーである母の名前が付きまとうことに複雑な心境だった。
しかし卒業間近になって母がデザイナーを辞め、故郷へ移ることとなりタケルも同行を余儀なくされる。
母の故郷は雪に覆われた山奥で、住民も保守的。
その地で幼馴染の山田風花(やまだふうか)は、地元の鉄道存続のため頑張っていたのだった。
選択肢なし、雪、繋がり、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーあり。
絵は山田風花が野暮ったいメガネヒロインの完成形と言っても差し支えないほどの野暮ったいメガネヒロイン姿でした。
大学でもこのままでいてほしい……!! 一枚絵は五十七枚+差分+α。
最初は余所者に冷たかったり、無償労働当たり前な山の住人に辟易していたタケルが、
住人と接することで考えを変えていきます。
登場人物それぞれに、至らない所や合理的でない所があって、
でも現実問題として完璧に生きることは無理で、自然の中ではなおさらで、
だからコミュニティを作って生きていく、そうした山の暮らしが丁寧に描かれていました。
また、雪に覆われた背景と描写から読んでいて冷たさが伝わってきて、
だからこそ人の思いやりがより暖かく感じられる作品でした。
余談ですが、恥ずかしながら「不香の花」の読み方を知らず、
「ふこう」読みと勘違いしてこの可愛いメガネヒロインがどんな酷い目に……とビクビクしながらダウンロードしました!
過去の作品感想:日陰の日葵 - sun in the shade
(2023/3/17)
真愛しの束縛/Bee-Soft(2100円)
※2022/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
靴職人のエディは、熊に襲われて左手を負傷し雑用しかできなくなり塞ぎ込む生活を送っていた。
ある日、彼は森でリズという名の少女と出会う。
彼女は吸血鬼で、人の血を吸わずにはいられない習性を持っていた。
選択肢あり、吸血鬼、恋愛、ボイスあり、一時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は立ち絵素材集使用。
エディがリズと暮らすうちにお互いを大切に思うようになりますが、
吸血鬼の習性を始めとした種族の違いで問題が発生します。
結末リストがないですが、スタッフロールをスキップできない結末がメインエンドでよかった……でしょうか?
メインエンドは時間としては長い時間が経ってますが、描写はあっさりめでもう少し二人の日々を見たいと思ってしまいました。
バッドエンドは人のか弱さと血を求めずにはいられない吸血鬼の習性によってうまくいかない結末が多く、
ままならなさを感じさせられました。
過去の作品感想:虎鶫の子守唄〜白キ追憶〜
(2023/3/19)
触れたくないけど、そばにいて。(15推)/タカスガタイキ(フリーソフト)
旭邦彦は夜の公園で倒れていた少女、工藤とも子を介抱する。
彼女は殴られ屋をしていて怪我をしたらしい。
邦彦はそんな彼女に誘拐されてみないかと持ち掛け、二人は二人暮らしをすることになるのだった。
選択肢あり、一つ屋根の下、共犯者、四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は傷だらけの工藤さんが痛々しかったですし、ドヤ顔やラストシーンも印象的でした。
また、アイキャッチで表示される冷蔵庫のやり取りメモから二人の暮らしっぷりが想像できました。
誘拐して誰かを家に住まわせたい男と、殴られ屋を頑なにやめようとしない少女が共同生活を送っていきます。
夜にしか外出できなくなってしまった男と、自分のことを語らない少女、
訳ありゆえにいつ壊れたり無くなったりしてもおかしくない危うさ、陰鬱さがありながらも、
二人の、お互いに踏み込まないと協定を結んだ上での共同生活の距離感に心地よさを感じました、
ラストの後先考えない行動も痛快で、
恋愛ではない二人の共犯関係がうらやましいくらいまぶしかったです。
過去の作品感想:発掘少女、拾われた夏のエデン、schoolLifeCool、等速運動の君へ、藪の中は、夏
(2023/3/21)
怪事戯話 -アヤシゴトバナシ- R ver.1.42/6045*(フリーソフト)
古霊北中学校美術部では一年生たちによって毎日のように怪談が行われていた。
そのメンバーである烏貝乙瓜(カラスガイイツカ)と黒梅魔鬼(クロウメマキ)はある日、本物の怪異、草萼火遠(ソウガクカノン)と出会う。
火遠は、怪談話のせいで解けてしまった大霊道の封印を再度封じるよう二人に言ってきたのだった。
選択肢あり、伝奇、中学校、追加部分は三時間ほどで読み終わりました。
「怪事戯話 -アヤシゴトバナシ- R ver.1.1」の感想はこちら
システムはバックログへの仕込みや、読めなくなるエピソード等様々な仕掛けがされていました。
音楽はOPの歌でタイトル画面でもインストが流れる「キミノハナシ」。
OPにムービーと歌あり。EDにムービーと歌あり。
絵は魔鬼が夏服になって髪を後ろでまとめるのをやめてしまって絶望したのですが、
夏私服の乙瓜が代わりに後ろで髪をまとめてくれました(髪を後ろでまとめた女の子好き)
あと乙瓜と魔鬼が手を繋いでいるシーンがエモいです。いいなあ女子中学生! 一枚絵は六十九枚(くらい?)+α。
小説「怪事戯話」をサウンドノベル化した作品……のはずが第四怪からかなり起こる出来事が変わります。
「ver.1.42」では第六怪までを収録。
第四怪、第五怪では、ちょっと選択肢を間違うと命を落としてしまう殺伐さにぞっとさせられますが、
同時に解決できた時の達成感も味わえました。
第六怪は乙瓜が誰かを選んで水族館に行く話でかなり平穏。
どのルートも良いですが特に魔鬼とのルートが、女子中学生(ちょっと違いますが)の友情いいよね! と思えてお気に入り。
乙瓜と魔鬼の怪事解決の裏では様々な人々が介入してきて今後の展開も楽しみですし、
より楽しむために……完成前に小説の怪事シリーズ読みます!
過去の作品感想:誰が為に鴉は啼く、遠国送歌Requiem、雪見桜
Ende des Traums、わはたれ、花は誰そ彼に死折れる子。、末枯れるひがんのかたわれの、奏葬のラプソディア、壊葬のメロディア
(2023/2/20)
(その他・番外編)