コミックマーケット73感想リスト

同人ソフト(ノベル系)は基本的に全て、
それ以外は感想が思い浮かんだもの限定です。

基本的に同人ソフト(ノベル系)はプレイ順(パッチ待ち作品を除き事前の期待順)です。
それ以外はサークル名順です。
ただしおすすめ、期待作品は優先的に紹介しているので日付(感想アップ日)と並び順が前後することはあります。
また時間がかかりそうな作品は読むのをある程度後回しにします。
時間がかからなそうな作品は先に読んだりもします。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

作品名が太字になっているものは、非常に個性的な作品です。
このリストでの太字作品はBye -INTEGRAL-です。

 

同人ソフト
まとめ  完成版  体験版・続き物  番外編・その他

同人誌
漫画  小説

 

コミックマーケット73同人ソフトのまとめ・雑感

おすすめ同人ソフト完成版
ひまわり/ぶらんくのーと
恋ノ橋/ののの通信

おすすめ同人ソフト続き物
錬電術師 -HexaQuarker- 第一章 gate_way/不機嫌亭ゲーム班
三匹の犬の夜 〜第一夜 花〜/月の水企画

新規期待の同人ソフト
王園のデルタ 体験版/RE:PRAY

おすすめ以外で面白かった同人ソフト完成版
収斂の十二月/Talestune
雪月の星霜/VODALES
黄昏の姉妹、終末のマリアージュ−the world of a parakeet cage−/花を吐く抄女
彼方のトケイ/EMBRYO
Hurtbreak Wonderland/なつこん
あした晴れたら/ティルドーン
冬のお伽ばなし/シモメマイ
stray witch /hito no tane/うげ屋
Monotone Eden RR/Team Eye mask

期待の同人ソフト以外で完成が楽しみな体験版・続き物
いつか夢見た風景で 〜 In the Beautiful chaos 〜/Arbitrage
ヴェクサシオン #1〜#3/ロンドンロボット
彩花〜誓い〜/華子鹿
僕たちの世界の在処 体験版/―191→
ついん☆ているず 体験版ver1.00/extra plesent

その他面白かった同人ソフト
僕はキミだけを見つめる 外伝 サーベルタイガー編/れいんどっぐ

他に完成版では「潜雲艇のある風景」「オレコレ!
猫色のエデン」「学校にはたどり着けない」「サンク・リュピアン
Duplicate Sky わがいもうとにぎたいちゅう」「Chained Valkyria〜白砂の追憶〜
部分的に完結しているものでは「
森の少女と妖精の城 - Celtic Fair Lady -」「Mystic
体験版では「
平坂」「フリックドロップ
女性向完成版では「
うちパパ」「黄昏る空、だけになく。」が良かったです。

絵では「
収穫の十二月シリーズ」「少年の国の少女アリス」「猫色のエデン
それと「
Bye」「ついん☆ているず」の背景が良かったです。

システム関連では「
ひまわり」のかゆいところまで手が届く作りが有難かったです。
演出では「
彩花〜誓い〜」体験版では「平坂」がぐりぐり動きます。
また「
潜雲艇のある風景」「あした晴れたら」のカットイン等の演出も見ごたえがありました。
ムービーは「
雪月の星霜」の沙雪ED、「めぐみくみっくす Remix」のOPが良かったです。

音楽は「
My Sweet Home」「収穫の十二月シリーズ」に良い曲が多いです。
歌は「
収穫の十二月シリーズ」のテーマ曲「収穫の十二月」
雪月の星霜」のOP「粉雪の恋歌」が良い曲でした。
それから「
めぐみくみっくす Remix」のOP「全力全身!はぁとMIXしちゃお!」は中毒性強いです。

今回は過去最高と言ってもいいくらい良作が多かったです。
息つく間もなく楽しめました。制作サークルの皆様、ありがとうございました。
(4/12)

 

(同人ソフト完成版)

My Sweet Home(18禁)/よかれとおもってやったのに+chocoBOX(3000円)
+オリジナルサウンドトラック・マウスパッド

幼い頃。
少年は望む望まざるに関わらず、この場所で暮らすこととなった。

頑なに目を逸らそうとする父親と、
いつもどこか遠くを見つめている妹と、そして、少年と。
血の繋がらない三人の共同生活は、噛み合わないながらも、
それでもほのかに交じり合いながら続いてきた。

このまま変わらないでいられたなら。
でも、変わってゆけるのなら。

曖昧な関係に訪れた小さな転機。
少年と少女は成長し、そしてそれぞれの恋をした。

(サークルHPより)


選択肢あり、家族、ボイスあり、五時間と四十五分ほどで読み終わりました。
2003年4月に発表された作品のリメイク。ルートは二つ。
システムは一通り揃っていて問題なし。
ただしマウスオーバーしたときやクリックしたときに効果音が鳴る箇所が結構あるのですが、
ボイスリピートを選択したときも鳴るのはどうかと思いました。
この機能はボイスを聞きたくて使うはずなのに、そのボイスの最初の方が邪魔されます。

こんなことを書いているように、私はこの作品のオリジナル版を特別視している部分が多分にあるため、
ここから先はそれを踏まえた上で読んでください。
リメイクということで、どうしてもオリジナルと比べてしまうことがいくつかありました。
細かいところは書きませんが、一番気になったのは背景。
3Dのはっきりとした背景に変わっているのですが、
それがこの作品の持つ空気にそぐわないように感じられてしまいました。

絵はちょっと胸が大きすぎるんじゃないかと思いましたが良かったです。
特に布団に包まっている皆樹の一枚絵がお気に入り。
音楽はいくつか曲が入れ替わっただけ。
新しい曲も場面に合っていました。
ただオリジナルOP「curtain」が使われなかったのはちょっと寂しいです。
文章はほとんどそのままなので言いたいことはオリジナル版で書きましたし詳細は割愛。
もう何回読んだか覚えていませんが、それでもやっぱり素晴らしかったです。
おすすめ

それだけにネックとなるのは値段。
サウンドトラックやマウスパッド付で3000円なのですが、
リメイクなのですしもっと手に取りやすい値段にしてもらいたかったなと思いました。
(1/2)

 

ひまわり(18禁)/ぶらんくのーと(1000円)

おすすめ
(1/9)

 

収斂の十二月/Talestune(1000円)

ばらばらになってしまった人々。
それを理想の姿へ収斂するため、柾木は手を尽くす。


選択肢なし、収斂、収穫の十二月シリーズ最終話、二時間と四十五分ほどで読み終わりました。
「収穫の十二月〜冬」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜春」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜夏」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜秋」の感想は
こちら

システム面は特に問題なし。
絵は森野母娘の表情が壮絶で圧倒されました。
それに最後のしろの一枚絵も良かったです。
音楽は最後まで読んだ後にシリーズに使用された全曲が聴けるのが嬉しいです。
中でも「収穫の十二月」とその関連曲「開幕」「ふたたびのなつ」「収穫」がお気に入り。
あとは「雪のある町」「Spring,Blue」「はじまりの秋」も好きです。

話はいままでのタイトルが章ごとの名前になっていて、
それにちなんだ話が展開されていきつつ収斂されていきます。
「婚儀」での茅原さんの締めの台詞がいい。
前半は秋から引き続き重苦しく、折れることをしない登場人物たちにイライラしましたが、
宴会以降は思わず笑みを浮かべてしまうような出来事ばかりでした。
「Perfect December」という英字タイトル通りにしっかりと締めくくられた作品です。
(1/10)

 

少年の国の少女アリス(18禁)/Stray Moon(1000円)

少年しかいない世界のお城に住んでいる王子様は、ある日アリスと名乗る少女と出会う。
自分と違う身体をしているアリスに戸惑う王子様だったが…


選択肢なし、リリカルショートジュブナイルとのこと、ボイスあり、一時間と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は最後のHシーンでのアリスの表情が良かったです。

話はアリスと身体を重ねていくうちに王子様の独占欲は強くなって、そして、という流れ。
最後どうなってしまったのか、結局この世界はなんだったのかというところがよく理解できませんでしたが、
この長さの話としては充分な数のHシーンがあってなかなか使えました。

過去の作品感想:
不機嫌な姉不機嫌な従妹僕の巫女姉さまぬるぬる!!風紀委員会不機嫌ななつみさん
(1/11)

 

雪月の星霜/VODALES(2500円)

時折予知夢を見る久坂宗丞が冬休みに訪れた「雪月町」
そこでは12月になると、幽霊が現れたり、神隠しが起こると言われていた。
その通りに、宗丞は不思議な出来事と遭遇する。


選択肢あり、異能力、時、主人公以外ボイスあり、ルートは三つ、七時間ほどで読み終わりました。
体験版については
こちら
制作期間五年以上の末、完成とのこと。
ちなみに私が体験版プレイしたのは2003年夏コミのときでした。
で、今回の冬コミで購入したわけですが、ケースが普通のCDやDVDケースと違い
薄くてやわらかいケースだったので帰宅するまで潰れないか不安でした。

システム面は特に問題なし。
絵は横顔が別人に見える箇所があるものの、それ以外は良い表情のものが多かったです。
沙雪ルートエンディングムービーの声優紹介の場面で出てくる各キャラクターの絵が特に良いと思いました。
音楽はOPの歌「粉雪の恋歌」が体験版時点からお気に入り。
あと携帯電話から聞こえる声が普段の会話の声と若干違っているのが細かいと思いました。

話は「雪月の星霜」と呼ばれる曰くつきの森を中心にルートごとにそれぞれの展開をみせていきます。
沙雪ルートで登場する女性キャラクターや真実華ルートで語られることが唐突で突拍子もなく思えてしまうところがありました。
ですがルートによって明かされる部分が異なるのでマンネリにならずに読めましたし、
どのルートでも相手への押し付けにならない思いやりが感じられて良い気持ちになれる作品でした。
(1/14)

 

潜雲艇のある風景/GREEN TEA MILK(600円)

海のかわりに雲に囲まれ、島や大陸は精霊石の力でそこに浮かんでいる世界。
軍人で潜雲艇乗りのウィノとその相棒で人口妖精のクシィは航行中、敵艦に見つかってしまう。
追われて逃げ回った雲海の中で、彼女達は巨大な建造物と遭遇する。


選択肢あり、ファンタジー、冒険、カットイン。
エンディングは七つ。百分ほどで読み終わりました。
システム面ではマウスホイールからバックログへ移れないのがやや不便。
ただ音楽鑑賞モードで曲が流れているときのクシィの動きが可愛らしかったです。
絵はカットインが多用されていて良いのですが、ほぼウインドウ全てに画像が表示されているので
メッセージウインドウに隠れて見えにくくなってしまう箇所があるのが残念。

話は駐屯地へ帰る道中、いらぬ冒険心を出したウィノにクシィが振り回されつつ、
敵艦と交戦したり遺跡に足を踏み入れたりします。
数ある冒険のうちのひとつといった感じで、
遺跡を見つけたからといって大きく何かが変わるようなこともなく終わります。
かなりあっさりとしていて物足りなくはあるのですが、想像の余地があるとも言えますし、
なにより雲に潜るという誰しも一度は夢見るようなことが行われている世界というのは魅力です。

過去の作品感想:
水の腕Endless Rainいっしょにあるこう。シリアルコーン DAYs +172
(1/16)

 

オレコレ!(18禁)/inspire(1000円)

大学受験を控え、模擬テストで目標の大学へ入るのは難しいとの評価をされ落ち込む主人公。
その上幼馴染の美沙にHなDVDが見つかり没収されてしまう。
テストの好成績を条件にDVDを返してもらう約束をするが、
隣に引っ越してきた亜紀子さんの魅力的なボディに早速勉強が手に付かなくなってしまう。


選択肢一つだけ、クイズ、恋愛、ボイスあり。
ルートは二つ。三時間と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はかなり目が大きいのが特徴的な絵柄ですが可愛いです。

ところで私はボイスありのゲームはほとんどやらないのですが、
もしかして電話やインターホンで声の処理変えるのは常識なのでしょうか?
雪月の星霜でも書きましたが、この作品でもそういった箇所があります。

話はクイズに答えてDVDを取り返しつつ、
なんで大学受験をするのかを悩みながらヒロイン二人と関わっていきます。
クイズは四択形式で本編中では国数理社英あたりから出題されます。
クリア後に挑戦できるモードではアニメ問題などもあり。
直前でセーブできますし、基礎的な問題がほとんどなのでさほど難しくはないです。
ただ歴史上の出来事が起こった年を答える問題はほとんど覚えていなかったので苦戦しました。
ご褒美のDVDはタイトル画面から見ることができ、ゲームやアニメのキャラクターのHシーンが鑑賞できます。
シナリオは亜紀子さんルートのラストがそれでめでたしめでたしなのか?と思えたのが気になりましたが
どちらのルートでも公園での美沙の台詞にぐっときました。
あと幼馴染に勉強見てもらったり隣のお姉さんの家にお邪魔したりする主人公うらやましすぎ。
クイズあり二次創作エロありな上にメインシナリオも楽しめて、この一本で二度三度おいしい作品でした。

過去の作品感想:
愛することは生きていくこと愛することは生きていくこと 〜もうひとつの愛〜
(1/17)

 

黄昏の姉妹、終末のマリアージュ−the world of a parakeet cage−/花を吐く抄女(100円?)

成人前の一卵性双生児にだけは感染しにくい「黄昏の姉妹」という不治の病が流行した。
それから二十数年後、周囲から人間がいなくなった世界でただ二人残された姉妹は日々を送っていた。


選択肢なし、姉妹、終末、百合風味、ボイスあり、二時間と少しで読み終わりました。
システム面では問題なし。
フォントは
しねきゃぷしょんが使用されています。
画面構成は「
死狐様」とほぼ同じ。

話はある程度緩やかに人々が死に絶えていったために
先人によって食べられる植物が多く植えられていたりと最低限の生活は保障されている中で
ゆるゆると日々が進んでいく本編と、ビデオカメラを妹が設置して記録した幕間を交互に読んでいきます。
全体的に誤字脱字があるのですが、特に冒頭で世界観が説明されたときに多かったのが残念。
ものぐさでひねくれもので要領のいい姉と、
働き者なのにいつも餌をあげている動物にさえ下に見られる不憫な妹の日常が大部分。
朝起きて、朝食を食べて、暇をつぶして、お茶を飲んで、夜寝る。
ただそれだけなのですが、姉妹の軽妙な会話やゆったりとした雰囲気、
それに一握りの不安によって心地よい時間を過ごすことができた作品でした。

余談ですが貨幣価値がゼロの世界なので、妹は賽銭箱にこれでもかとお金を投入したそうで。
後で回収できるのならば是非、やってみたい行為ではあります。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は
(1/19)

 

猫色のエデン/MURAKUMO(1500円)

父親に不満を持って家出した小太郎は、猫がたくさん住んでいる「うたたね島」へとやってきていた。
その島の歩いているうち、不注意で崖から転落してしまう。
気が付くと目の前にネコミミとシッポを持った少女がいた。
小太郎は彼女に連れられ「エデン」いう名の街を訪れるのだった。


選択肢あり、ネコの街観光、ジュベナイル、二時間半ほどで読み終わりました。
一枚絵があるエンディングは四種類ですがトゥルーとバッドを見るのはかなり難易度が高いです。
システム面は特に問題なし。
絵は立ち絵と一枚絵の印象がかなり違うのが気になりましたが、
エデンの背景はどれも魅力的で、音楽もそれと合っている曲が多かったです。

話は最初に出会った少女ユキやその友達の少年たちとエデンを満喫しているところに、
ある出来事が起こってそれをなんとかするために奮戦する、といった流れ。
後半の展開、特に聖域内でのことが型通りな上、性急に進みすぎていて、
猫の楽園という設定や背景などの雰囲気を生かしきれていないように感じました。
ですがその雰囲気はとても良く、前半部分ではエデンの街とそこに住むネコ達との交流を存分に楽しむことができました。

過去の作品感想:
Juvenile Graffiti 完全版
(1/21)

 

幽霊相談室/言ノ葉迷宮(100円)

霊を観ることができる菜月は、以前つい手助けをしてしまったことからその筋では有名になってしまっていた。
ある日菜月が学校から帰ってくると家には幽霊がいて、自分を殺した「犯人」と「動機」が知りたいと言ってきた。


選択肢あり、推理、幽霊、話そのものは十五分ほどの分量ですが、
全四種のエンディングを見るまでに三十分ほど試行錯誤しました。
夏コミ頒布の「かげろうは涼風にゆれて」が同梱されています。
システム面では推理で単語を打ち込む箇所があるのですが、
人物リストがあってそこで人名などをクリックするとクリップボードにコピーされて
テキストボックスに貼り付けられるようになるのが嬉しい配慮でした。
ただ「deep-sea fishes in gloom」などにあった「黄色いモノ」が
一回ゲームを終了させてもう一度起動しないと出てこないので
それを知らずどうやったら解けるのかとあれこれやっていたので少々時間を喰いました。
絵はおそらくフリー素材でメッセージウインドウ横に顔グラフィック。
事件関連の人物は影絵の立ち姿です。

「黄色いモノ」に注目すればなんとか解けたので、私にとっては丁度良い難易度といったところでしょうか。
エンド3がなかなか背筋が冷える終わり方でしたし、
言われてみればあちこちに散りばめられている事件のヒントが上手いなぁと思いました。

過去の作品感想:
Reason of Detective夏、セミ、少女deep-sea fishes in gloomかげろうは涼風にゆれて
(1/22)

 

恋ノ橋(18禁)/ののの通信(1800円)

おすすめ

過去の作品感想:
魔王軍へようこそ
(1/24)

 

彼方のトケイ C73版/EMBRYO(500円)

「ねえ、時を止められたら、って思わない?」という妹の問いに否定を返す。
時が止まっても思い通りにいかないことのほうが多いだろうし、
それ以前に妹は朝ずっと寝ていたいからそう思っているだけのこと。
実際に妹が時を止められるようになっても、ままならないことばかりだった。


選択肢なし、SF(スコシフシギ)、第三章は二時間、第四章は三十分、エピローグは十五分で読み終わりました。
第一章(C70版)の感想は
こちら
第二章(C71版)の感想は
こちら
現在、第一章がまるまる収録された体験版が公開中です。
システム面では好きな章から開始できるのが有難いです。
絵は背景のみ。音楽はフリーですが日常曲が合っていてお気に入り。

話は主人公の彼方が手に入れた時間を操作できる時計を巡るスコシフシギな物語、
なのですが、第四章は壮大すぎてちょっとどうなのかなと感じました。
全部終えてみて一番バランスが良かったのは第三章。
ギャグの混じった前半、息が詰まるような後半共に良かったです。
でも、一番印象深いのは第一章、妹の遥の独白シーン。
また、それを受けたエピローグ、遥との食堂でのやりとりには暖かい気持ちになりましたし、
最後の最後、朝のやりとりはこの作品を締めるのに相応しいやりとりだったと思いました。
(1/25)

 

Hurtbreak Wonderland/なつこん(1000円)

交通事故に遭い、美咲は恋人を残して死んでしまったはずだった。
しかし彼女は自宅のベッドで目覚める。
奇跡的に助かったのかと安堵するが、そこにはいるはずの人間がおらず、いないはずの人間がいた。


選択肢なし、幸せ、現代ファンタジー、六時間ほどで読み終わりました。
システム面では文章表示速度を細かく決められるのが良かったです。

全五章構成で各章ごとに視点が変わり、時を越えたりと不思議なことが起こりつつも
幸せとは何かということを軸に進んでいきます。
体験版感想で二章は途中まで?と書きましたがそうではなく十五分ほどの短い話でした。
第一章と最終章の悲しみに暮れる場面や不可解な場面、
それに相手を大切に思う場面などそれぞれで登場人物の感情が伝わってきました。
ただ海と列車の一枚絵が妙にシュールで、最終章の締めの場面直前なのに思わず笑ってしまいました。
でも一番良かったのは第四章。噛み合わないのにとても暖かな会話が交わされていて、
そのくすぐったさがずっとこの会話を聞いていたいと思うくらい心地よかったです。

なにもかも明かされてすっきり解決、とはいかない話でしたが、そんな曖昧さも魅力な作品です。
(1/26)

 

Bye -INTEGRAL-/トラウムブルグ7番地(500円)

三年前に古館家に引き取られた麗奈、半年前に引き取られた総人。
二人は打ち解け、彼らなりに兄妹としての関係を築いていた。
そこへ、総人より一つ年上の杏が引き取られてくることになった。


選択肢なし、幸せとか過去の悲しみとか、生きることとか。
Byeにシナリオ「∫(INTEGRAL)」や主題歌・ムービーが追加されています。
∫は一時間と四十五分ほどで読み終わりました。
CGモード、シナリオジャンプ、オリジナル曲・ムービー鑑賞等もあって、
特にシナリオジャンプは有難かったです。
絵は相変わらず背景がすごく良いです。

∫は第五章の後半を瑠璃視点で描いたもの。
瑠璃が痛みでのたうつ場面やそれによって気持ちが沈んでいくところが描写されていて目を背けたくなり、
そうしたことを経た上での決意に周囲との繋がりが生み出す強さや暖かさを感じました。
だた、五章までと同様それら全てを受け取れたかというと…
やはり私にとっては噛み合わない部分があるということでしょうか。
とはいえ、そうであっても他の作品とは一線を画すものがあるということはわかるので、
Byeの感想でも書きましたが興味がある方はこの -INTEGRAL-なりフリー版なりを読んでみてほしいと思います。
(1/28)

 

学校にはたどり着けない/nest kore(500円)

超能力が存在する世界。
超能力者である月ヶ瀬周平の能力は五感を操作し、本物と区別が付かない幻覚を見せるというもの。
現在それは、何故か登校中だけ、周平と幼馴染の坂口美弥を対象に発現しているのだった。


選択肢なし、閉塞系登校ビジュアルノベルとのこと。百分ほどで読み終わりました。
システム面では文章表示速度変更がなく、デフォルトの表示速度も遅めなのが気になりました。
絵では毎日変わる幻覚の背景が多彩で良かったです。特に初日の大通りはシュールで壮観。

話は登校中だけ通学路が水没したり凍ったり嵐になったりして学校へ行く障害になっている毎日。
しかしある日を境にその幻覚は学校へたどり着けないほど険しくなってしまう。その原因は…というもの。
日々の登校中はお気楽な会話メイン。
美弥が上げる七色の奇声に笑いましたし、照れたりするところは可愛かったです。
美弥と二人でいるとき以外や終盤はかなり深刻になります。
幻覚の原因はわりあい早い段階で察しがついたので驚きなどはありませんでした。
しかしラスト、主人公の選択は一般的な常識からしたら間違っているといえるものなのですが、
それでも彼らのこれからにエールを送りたくなるような、覚悟を秘めたすがすがしいくらいの終わり方でした。

過去の作品感想:夕焼け戦線ギカダイザー
薫編 縁編 千尋編
(1/31)

 

月照〜ツキノテラス〜:Re>Re/さくらミント(500円)

体調を崩して会社を辞めさせられた主人公はしばらくしてシャンティという店でバイトをすることになる。
そこで知り合った”女の子”のマイ。休憩時間に話をすることで二人は親しくなっていった。
ある日、マイは主人公に次の定休日に一緒に遊びたいと切り出してきた。


選択肢なし、恋愛、ボイスあり。
本編は一時間、サイドストーリーなどを含め全体では二時間ほどで読み終わりました。
このパッケージ版では追加シナリオ一本と
トラウムブルグ7番地のポチくんさん、
あおぞら幼稚園の雪双葉さんによるゲストシナリオなどが収録されています。
システム面はとても快適。既読/全てスキップやシナリオジャンプモードが嬉しい配慮です。
絵はマイが可愛くて、特に一枚絵はどれも良かったです。

話は二人が仲良くなっていくなかで主人公の想いとマイの決意が描かれているものの、
序盤、店で人気があるマイが主人公に話しかけ、やがて二人きりで話をするようになる所で、
マイが話しかけた理由は語らなくてもいいかもしれませんが、
主人公が何故自分に好感を持ってくれるのかということをほとんど考えないことが気になりました。
それにマイが”女の子”であることの葛藤が主人公になく、すんなりと行きすぎる感があります。
また、(ストーリー後半ネタバレ)
マイから別れを告げられたときに、実行するかはともかく
一緒に行くとか黙ってオレに付いてこいとか、そんなことを主人公が一切思わないのが不思議でした。

あとマイの夢も、自作の歌の方が最初から最後まで目立っていて、
そうまでして目指さなければならないものだということがちょっと伝わってこなかったです。

ですが、前半から中盤にかけての二人で居るシーンでは、
ゆったりとした居心地のいい雰囲気が漂っていて心地よかったですし、
ラストはとても良い余韻が残る終わり方でした。
短い話のため語りきれていない部分もあるように感じましたが、
アクセントが利いた設定と綺麗な描写が上手く合わさった作品でした。

過去の作品感想:
踏切
(2/2)

 

愛娘☆ 〜昨日の従妹は明日のフィアンセ〜(18禁)/Vippersoft(CD版200円、Web版無料)

フリーターとして気ままな一人暮らしを送っていた主人公だったが、突然父親に許嫁を選んだから結婚しろと言われる。
許嫁になったのはなんと従妹だった。戸惑う主人公。
それから一ヵ月後、その従妹は主人公のもとへ押しかけてきた。


選択肢あり、恋愛、ルートは三つ。七時間と少しで読み終わりました。
2chの「親父に呼ばれて実家に戻ったら許嫁が決まってた」スレッドをもとにした話とのこと。
システム面は
体験版同様問題なし。
絵はメインヒロインと他のヒロインを別の方が描かれていますが、それほど違和感はありませんでした。
ただ、着替えたと書かれているのに立ち絵が変わらなかったり、
夜のシーンなのに青空の背景だったりする場面が結構ありました。
音楽はOP、EDの歌がなかなかお気に入り。

話は許嫁の従妹と同棲することから始まり、主人公が自分の想いや家を継ぐことを悩んだりします。
サブタイトルにもなっている従妹、雅ルートは全員からお膳立てされても
最後の最後まで自分からは動かない主人公にイライラさせられましたが、
その分最後の盛り上がりはなかなかでした。
唯ルートはなかなかダークな話。
唯がかかえているものが事件解決後の独白だけで済んだことにされてしまったのがやや気になったものの、
手に汗握る展開でラストの一枚絵のシーンも良かったですし、一番お気に入りです。
雛ルートがほかと比べやや短く、毛色も違う…というか正統派恋愛ルート。
でも他のルートと遜色なく、楽しめました。
全体としては突出したものはないものの各要素の出来が良い作品といった印象。それに無料ですし。
(2/3)

 

亡霊達の円舞曲 -戯れ-/ヒムガシズ(500円)

中学時代の友人に会いに赤上居町を訪れた主人公は、
ひょんなことから怪談サークルのオフ会に参加することになってしまう。
町には独自の伝承があり、その登場人物を呼び出す儀式が存在した。


選択肢あり、サスペンス、ホラー、二時間足らずで読み終わりました。
システム面では
前編からほとんど改善されていません。
一応バックログは読めるようになってますがかなり不安定です。

今回は亡霊達の円舞曲-誘い-に収録されている前編と、新たに収録された後編を読むことができます。
後編といっても前編の続きではなく、前編と同じように儀式が進んでいく別ルートといった感じ。
最初の方は友人、赤目るいの章と主人公、高坂進の章が交互に進み、
怪談サークルの過去のオフ会の話や伝承のもととなった時代の話などが語られていきます。
後半は現在で起きた不可解なことの真相が明らかになります。
ホラーとして怖い部分や不安感を煽る部分はありましたが主人公が真相に気づいた後がかなり駆け足で、
システム面で気になる箇所と併せ、全体として足並みがそろわなかった作品という印象を受けました。

過去の作品感想:
死神達の四重奏
(2/4)

 

サンク・リュピアン/fornicon(500円)

魔女の力で世界中を支配した国が滅びた年。
ある孤児の少女はマリアと名づけられ伯爵家の使用人として働くこととなる。
それから十年。マリアが最初から持っていた首飾りが伝説の宝石ではないかという話が持ち上がってきた。


選択肢なし、ファンタジー、三時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システム面では時たま二回クリックしないと次のページへ移れない箇所があることや、
タイトル画面に「はじめから」しかない(右クリックでロードはできます)ところが気になりました。
絵は伯爵が完璧に悪役顔だったことに吹きましたが、
力ある絵も多く、ラグナルの最後のシーンや二人乗り飛行機で飛ぶ各シーンの一枚絵などが良かったです。
音楽は無音のシーンが多かったのが残念。

話は伯爵の娘と仲良く穏やかな生活を送っていたマリアにある出来事を境に魔女だと噂され、
その力を巡る色々な勢力の争いに巻き込まれていきます。
テキストは地の分がですます調なのが特徴的。
全体としては一応少しずつ波乱の予兆が起きてはいるのですが、
それでもあるときを境に各勢力が一気に登場してくるので、話から取り残されてしまった印象を受けました。
でも、前半の女の子同士の仲睦まじいやりとりはとても微笑ましかったです。
特に伯爵の下の娘、ピアは元気いっぱいでノリがいいながらも機微に聡くてその上優しい、とてもいい娘でした。
あとマリアの後輩使用人、ロシェも最後だいぶ生き生きとしてきて面白発言も飛び出していい感じです。
ピアとマリアが二人でいる所を、もっとずっと見ていたかったと思わせる作品でした。
(2/8)

 

うちパパ(BL18禁)/アキハチ(600円)

大学へ通うためにアパートで一人暮らしをすることになった岸田あきら。
そのお隣さんは未婚の父、佐伯友春さんと幼稚園児のみどりちゃんの父子家庭。
初対面では良い人たちだと感じていたが、そのお父さんはあきらにエロいことをしてくるのだった。


選択肢あり、ほのぼのエロコメディとのこと、エンドは三つ、二時間足らずで読み終わりました。
システム面ではスキップが頻繁に止まってしまうのが気になりました。
また、メガネスイッチというものがあり、これを押すとお父さんが眼鏡を着脱します。
絵は男性は男くささがありつつ可愛らしさも感じられました。みどりちゃんは可愛いです。

話は主人公がお隣の幼女に癒されたりお父さんに翻弄されたりします。
後半部分がややあっさりしているように感じられましたが、
前半の三人、または二人での場面はどれも微笑ましかったです。
幼女並みに可愛らしい男共というのもどうかとは思いますが…ま、楽しめたので問題なしです。
(2/15)

 

恋してるからっ!!(18禁)/イグザミニー(500円)

学園祭を控えたある日、両親が旅行へ出かけている巴光輝の家に、
最近付き合い始めた幼馴染の彼女、芹沢若葉が料理を作りに訪れることとなった。

選択肢なし、恋愛、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。文章が縦書き表示なのが特徴的です。
絵はなかなかに可愛いです。

エロゲーのHシーンとその直前を抜き取ったような話。
仕草とか髪の毛や肌に触れたときの描写は良かったと思いましたが、
何分、作中では前後の積み重ねがほとんど書かれていないので(readmeファイルにはあらすじがあります)
話に惹き込まれるような所はありませんでした。
(2/16)

 

あした晴れたら/ティルドーン(500円)

交通事故で付き合っていた朋哉を亡くした七夕佳のもとへ、その本人からメールが届く。
その内容は成仏するために協力してほしいというものだった。


選択肢なし、ドラマチックショートノベルとのこと、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではセーブがありませんが短くて読みやすかったので特に気になりませんでした。
絵は中盤とそれ以外で描かれている方が異なっているのでやや統一感に欠ける印象。
序盤終盤の絵の方が良いですが、中盤の絵も味があるのでどちらかに固定してほしかったです。
立ち絵はなくカットイン中心で進んでいき、スッと流れるように表示されるカットインが話の流れを邪魔することなく、
むしろ後押しするように効果的に使われていました。

話は気が強い七夕佳とマイペースな朋哉のやりとりがメイン。
この二人はすごく自然にお互いのそばに居たんだなぁと思える会話や七夕佳のモノローグが心地よかったです。
また、終盤は夕焼け、七夕佳の仕草、台詞の間、セミの声…など
どれもがその場面に親和していて、とても綺麗なシーンでした。
ただ、それだけに絵が途中で変わってしまうことが
この各要素が一体となった作品の中で画竜点睛を欠いていて本当に残念でした。
(2/17)

 

もしもし?/TGC(500円)

受話器を通して日常と非日常が会話する六本のオムニバス。社会派サウンドノベルとのこと。
選択肢ひとつだけ、各話約三十分、全体で三時間ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は背景のみで立ち絵イベント絵はなし。ただし一部影絵の立ち絵はあります。

基本的に会話のみで進んでいきます。
面白かったのは第三話「非行少年と幽霊」
前半のコミカルな展開が面白かったですし、そこからの転換も印象に残りました。
あとラストがありきたりなものの第四話「絶叫少女と切り裂きジャック」のすっとぼけたやりとりもお気に入り。
ただ、第五話、第六話では説教臭さが先に立っているように感じられてしまい、
全部終わっての読後感がちょっと削られてしまったのが残念でした。
(2/19)

 

LUCKY STAR - 星に願いが届くなら/Psychedelic Artist[s](500円)

十年前、祖父は突然自分は魔法使いだと言った。
それから十年後、高校に入学したときから「とーさん」とは仲良くするようになった。
でもボクは、十年前から彼女のことを見続けていた。


選択肢あり、魔法、一時間三十分足らずで読み終わりました。エンディングは二種類。
システムは表示速度変更ができない所や
スキップがなく、エンターでスキップ時には画面の切り替えに時間がかかること、
それにロードがセーブしたその地点ではなくそこを含むシーンの最初からなのが気になりました。

絵は背景の木や葉っぱ、地面などが写真かと思ってしまうくらいよくできていますが、
それに比べて人工物はやや見劣りします。
立ち絵はとーさん始め男性キャラも可愛くて良いです。

…ここまでほとんど
体験版感想のコピーだったりします。

話はとーさんこと佐藤さんと一悶着があったボクに藤堂京一という男子生徒が接触してきて、そして…という流れ。
とーさんとボクの問題なのに二人ともほっておかれて、
ほぼ藤堂くんの思考と行動で解決までいってしまうので、
読み終えた後あれっ?と呆気にとられてしまいました。
私はとーさんがかなりお気に入りなので出番が少なかったのも残念。
それでも数少ないボクととーさんの会話は、二人してズレているのが楽しかったです。

過去の作品感想:
英れたるもの 雄々しく
(2/20)

 

黄昏る空、だけになく。(BL18禁)/Flora-Float(1200円)

幼馴染のめぐむに誘われて舞台を観に行った主人公は、
幼馴染の家庭教師をしているという役者、夕日に一目惚れしてしまう。
どうにかして仲良くなれないか悩んでいたが、ひょんなことから主人公は学園の演劇祭で主役をやることとなる。
その劇にはめぐむも出演することとなり、その伝手で憧れの夕日にも出演してもらうこととなった。


選択肢あり、恋愛、演劇、八時間半ほどで読み終わりました。恋愛対象は二人。
システム面では
体験版になかったセーブも実装されましたし
(現在サイトで公開中の体験版にはセーブ機能あります)特に問題なし。
スキップが早めなのが嬉しいです。
絵は夕日さんが綺麗でしたしめぐむは可愛かったです。

話は演劇祭に向けて練習をするうちに三人の関係がおかしくなっていき、
あるきっかけで劇の内容とそっくりの世界に迷い込んでしまいます。
体験版感想でざっくりと端折られていると書いた箇所は
体験版の尺で劇の世界まで進めるための意図的な省略だったようです。

劇の世界は黄昏が続く世界なのですが、せっかく幻想的な舞台なのに情景描写や心情描写があまりなく、
淡々と進んでいってしまうのが少々残念でした。
でも、一目惚れの場面を始め、夕日さんの綺麗さは絵からも文章描写からもしっかりと伝わってきて、
それゆえに夕日さんの周囲にいる人たちの行動に説得力が出ていたところが良かった作品です。
(2/24)

 

紅い雪−CrimsonSnow−/RF2E(200円:豪華版500円)

大学の同じサークルに所属している男三人、女二はたびたび飲み会を行ったりと仲良く日々を送っていた。
しかし、その関係はだんだんと壊れていくのだった。


選択肢なし、サスペンス、二時間足らずで読み終わりました。
豪華版はケース入りDVD。200円のは保護袋入りCD。内容は同じとのこと。
システム面ではバックログがないのが厳しかったです。改行コマンドなどが表示されてしまう箇所もいくつか。
あと台詞の前に表示される発言者名と仲間内での呼び名が違うのでなかなか頭の中で一致しませんでした。
立ち絵と一枚絵は違う方が描かれていてタッチもかなり異なるのですが、さほど違和感はありませんでした。
クライマックスでは歌が流れます。

話は不可解なことが起きていく様が視点主を変えながら描かれていきます。
飲み会シーンは和気藹々として楽しかったですし、
山場の華美視点のシーンはそこでの描写と流れる歌でなかなかに印象的な場面でした。
しかしその後の推理もどきは短絡的で根拠に乏しく、
「あらゆる状況が犯人だと告げている」と言われても
その盲目的な狂気を感じるよりもまず苦笑いするしかありませんでした。
真相もまったくわからず終わってしまって消化不良ですし、色々と足りない点が目立った作品でした。
(2/25)

 

冬のお伽ばなし(BL18禁)/シモメマイ(1900円)

冬山を彷徨っていた主人公がふと気付くと、そこはけもの達が住むあやかしの村だった。
現世へ戻る道が雪で閉ざされ、春まで帰れない上に、
記憶をなくし魂魄が離れ存在が希薄になっていると告げられた主人公は、
冬の間、村に滞在して魂魄を集めることとなった。


選択肢あり、和風、けもの、二十一時間半ほどで読み終わりました。恋愛対象は六人+α。
システム面ではかなり動作が重いです。吉里吉里のエンジン設定を変更してやっとまともにプレイできるようになりました。
色の違う文字にカーソルを合わせるとその説明が表示される機能が面白かったです。
またランダムメッセージを自分でカスタムできる機能や、
選択肢で上下する想いの偏りで受けと攻めが変わるリバーシブル機能も搭載。
その他基本的な機能は揃っていますが、画面の切り替えが遅めなので二周目以降やや面倒でした。
絵は場面によってやや印象の違うものもありましたが
冬のけもの達の村という雰囲気が良く出ていました。音楽も同様。
あと雪を踏む音とか効果音に臨場感がありました。

話は村の人たちと会話したりお手伝いをしたりしながら魂(心)と魄(体)を溜め、
記憶を取り戻し、登場人物と恋愛したりします。
登場人物では無骨ながらやさしい銀狼の雪牙が好き。
あと兎の黒寿と鷹の疾風もお気に入り。
魂魄を溜めるためには基本的にお手伝いをするのですが、
一日二回、約一ヵ月半にわたってそれを繰り返すのを恋愛対象の人数分やらなくてはならず、
とても単調で作業感が強かったです。これがなければおそらくプレイ時間は半分くらいになっていたでしょう。
話自体は村での素朴なふれあいが暖かかく、ことあるごとに理由をつけて酒盛りをしているのが楽しく、
山場では春の雪のようにとても儚く切なく、絵や音楽と相まって幻想的ながらもしっかりと存在を感じられる作品でした。
魂魄集めの過程がもっと短いか、各ストーリーにちゃんと絡んでくるようならもっと楽しめたと思うので、そこが残念です。
(2/28)

 

Echinacea 〜エキナセア〜/Monochro Antenna(100円)

両親と離れ一人暮らしをしている清水修一は退屈な日々を送っていた。
ある日彼はクラスメイトの雨宮鈴音が人間離れした闘いをしているところを目撃してしまう。
彼女は自分をアンドロイドだといい、協力を求めてきたのだった。


選択肢なし、学園SFとのこと、二時間ほどで読み終わりました。主人公以外ボイスあり。
以前に別の作品のところで二回くらい書きましたが、
自動カーソル移動でタイトルからロードするときも「ロードしますか?」に
「いいえ」へとカーソルが合ってしまうのが地味に面倒くさいです。
カーソル移動なしにもできますがそれはそれでセーブデータを選択してから
離れた位置にあるロードボタン押して中央に出る確認メッセージをクリックと手間がかかります。
あとセーブロード画面から右クリックで戻れないのも面倒。
絵は悪くないです。OP・EDムービーも付いていますが特にOPムービーはなめらかさがなくて
「これからどんな物語が読めるのだろう」というわくわく感が薄められてしまいました。
音に関しては音量が一定していなくてやけに小さい声や音楽が時折ありました。

話は敵対する組織と闘ったりするうちに別の陰謀が浮かび上がってきたりします。
全体的にメリハリがないので感情がぶつかったりするシーンなどでもどこかしら軽く感じてしまいました。
また特に終盤、説明台詞が多かったのも気になりました。
おまけモードの各登場人物による独白・お礼コメントは良かったものが多かったです。
あとゲーム起動直後やセーブ時などにシステムボイスが流れるのですが、
「ゲームをプレイするときは部屋を明るくして、現実から離れてお楽しみください。」とか
「ずっと俺のターン!」とか遊んでて、くすりと笑ってしまいました。
(2/29)

 

Duplicate Sky わがいもうとにぎたいちゅう/Punpuku Software(500円)

数年前まで女学院だった私立そらしま学院に転入してきた笹塚巳月はそこで妹の沙弥と再会する。
しかし学院では女学院派と共学派が対立していて、妹と普通に会話することも難しい状況だった。
そんな中、とある事情で巳月は女子寮に住むことを余儀なくされてしまう。


選択肢なし、ごきげんよう、女装、二時間ほどで読み終わりました。
システム面では特に問題なし。
文字には
みかちゃんフォントが使用されています。
立ち絵はデフォルメキャラの全身表示。一枚絵は(ゲーム絵として)普通の等身。みや子が可愛かったです。
音楽はフリーの有名どころですが良い学校だなという気分になる曲選択です。

話はとある事情で家に住めなくなってしまった巳月に特例として女子寮での生活が許可されます。
しかしそれでは騒ぎになるためバレないように女装してみたら妹そっくり。
そして起こる騒動や妹を始め学院生との交流、という感じ。
テキスト面で擬音の直後に普通の文章が入る(コンコン沙弥の部屋は、こないだと〜、など改行されていない)
場面が多かったのが気になったことや、
前半家に住めなくなる所やそれで女子寮に住むことになって女装するという流れ、
それに後半の展開など各所で都合よさを感じてしまいましたが、
妹との距離感の変化や、両派閥の戦略戦術信念、女装で起こる騒動など
ほんわかしたり熱かったり笑えたり切なかったりちょっぴり背徳感があったりして、
いろんな面白さが味わえる作品でした。

過去の作品感想:
鄙の雨
(3/1)

 

Chained Valkyria〜白砂の追憶〜(18禁)/銀の星亭(2000円)

ダークエルフの一族で構成された盗賊団「月の風」は、
その容姿から迫害を受けながらも、義賊として名を馳せていた。
悪徳商人たちはそんな彼らに復讐すべく、罠を用意していたのだった。


選択肢あり、ファンタジー、触手、六時間半ほどで読み終わりました。2005年8月に発行された作品です。
メインルートが一本あって、選択を誤ると陵辱バッドエンドへ向かいます。
システム面ではバックログから復帰するとき、勝手に次文章へ進んでしまうのが気になりましたが他は問題なし。
Hシーン中の選択肢にはマークがついていて、でも感じちゃう…展開かハードな展開かを選ぶことができます。
そんなわけで選択肢によってはエログロ方面もあるので苦手な方は注意。
絵は通常シーン、Hシーン共に良いです。

この作品、女性向ジャンルで何の気なしに買ったのですが、
インストール時に説明書を読んでいるとモンスター紹介のページにあからさまな触手モンスターが…
女性向けらしくない絵柄と塗りでパッケージ裏のサンプル画像がごく普通のものだったので、
一般向けかもしれないとは思っていましたがエロエロでびっくりしました。
よく見ると一応パッケージに18禁と書いてあります。全然気付きませんでした。
こうなった経緯は、銀の星亭さんの活動が休止になったものの、
このシリーズの制作が女性向サークル
ポーキュパインさんで引き続き行われているかららしいです。
ちなみに作品間に明確なつながりはなく、世界観を同じにする一話完結のシリーズとのこと。

話は「月の風」の首領ニュイと身寄りがなくて彼らに拾われたイオ、二人の少女を確執や陰謀が襲います。
エロエロな展開も数多いのですが、メインルートはそういったものはほとんどなく進んでいきます。
地の文で説明をしすぎていて、ややくどく感じてしまったのが気になりましたが、
追い詰められていく様はじりじりとした焦燥がよく感じられましたし、
山場のシーンは挿入される一枚絵からそのときの感情が強く伝わってきて、
その上で綴られる出来事に胸が踊りました。
Hシーンも使えましたし、その二つの両立ができている作品でした。
(3/2)

 

魔女の遺言(乙女全年齢/15禁)/easel(フリーソフト/CD版は100円)

「本物の魔女」ペリテは亡くなる直前、孫である主人公に自分の力を受け渡した。
しかしその力は全く発現せず、主人公は今までどおりだった。
ある日、そんな彼女を探しにきた者たちが現れた。


選択肢あり、恋愛、魔女、恋愛対象は四人+α、五時間半ほどで読み終わりました。
全年齢版と15禁版の二種類がありますが基本的なストーリーは同じです。
システム面は特に問題なし。
絵は肩幅がやけに広いところが気になりますが悪くないです。
音楽はフリーながらも良い選曲。

話は主人公が騎士に言い寄られつつ魔女の力をめぐって旅をしていきます。
色々な条件で変わるイベントを全部見ないとコンプリートにならないので結構手間がかかりました。
やりごたえがあるととるかは人それぞれでしょうが。
主人公が言い寄られるといっても受身ではなく軽くあしらってしまったりしていて、
行動的なところと併せてその男前っぷりが格好良かったです。
かなり大きな陰謀がある割にはすっとぼけたやりとりも多く、肩肘張らずに楽しめた作品です。
(3/6)

 

stray witch /hito no tane(18禁)/うげ屋(500円)

既にボスが倒された迷宮に、再び魔族が棲み付いていないかを調査しにきた調査員のコルヌとその護衛バーナード。
魔族はいなかったものの、そこは盗賊団がたむろしていて、二人は囚われの身となってしまうのだった。


選択肢あり、ファンタジー、異種陵辱、生えてない、五時間半ほどで読み終わりました。
基本的に一本道で間違った選択肢はバッドエンド直行。
システム面は特に問題なし。
絵は可愛くて良いです。音楽はダンジョンの雰囲気作り程度で控えめ。

話はコルヌが盗賊とか魔族に陵辱されます。バッドエンドではロリエルフのプレッセも色々されます。後半は純愛基調。
Hシーンは輪姦とか快楽攻めとか触手とか出産とか様々あるので苦手な方は注意。
個人的にはとことん快楽に堕ちるコルヌよりも高潔さをだんだん穢されていくプレッセのほうが好み。
そんなHシーンとその最中や事後に絶望に浸る様が惹きこまれますが、
通常場面も読ませる文章で、アーティファクトの能力や魔術、世界観がすっと頭に入ってきましたし、
ヒトを超えた存在の強大さ、能力を振るったときの凄まじさの描写も良かったです。
いじらしいコルヌや偉そうでいて抜けているプレッセ、
それから冷静にノリがいい三人目の少女との会話も楽しい。
全体としても前半の出来事がうまく後半に繋げられていてしっかりと作られています。
Hシーン数が多く、かつ良質なファンタジー作品でした。
(3/8)

 

ねがいろ 〜七色町怪奇譚〜/DRIVE-Z.S(500円)

坂巻竜一は友人の誘いで数年前に焼身自殺があった現場を訪れる。
しかし、その日を境に友人がおかしな言動をするようになっていった。


選択肢あり、ホラー、二時間ほどで読み終わりました。
ルートは三つ+どのルートにも入れなかった場合のバッドエンド。
システム面では文章表示速度の変更ができないことがやや不便。
立ち絵はあまり上手いとはいえませんが、一枚絵にはなかなか良いものがありました。
音楽はフリー素材使用なのですが、何故かスロー再生されていたり、
音量に差があったりするのが気になりました。

話は三人のヒロインと共におかしな出来事と遭遇して脅えたり苛立ったり解決したりします。
神社やお寺でお払いをしてもらったりもするのですが、
あまりに効果がなくて真面目なシーンなのに思わず笑ってしまいました。
とはいえ普通にコメディシーンもあって、主人公・ヒロインの親達がお茶目で楽しかったです。
また、ラストの山場は一枚絵や音楽も相まってなかなか良い場面になっていました。
ただ、全体を通じて文章が断片的で前後の脈絡がないことが多く、読みにくく感じてしまった作品でした。
(3/9)

 

Novel!xNovel!!xNovel!!!/ねこえじ工房

掌編三本を収録。
選択肢、セーブ機能、音楽はありません。

「川瀬愛美」

偶然知り合った女の子達と一夜限りの関係を持つことを繰り返していた主人公。
ある日街で生徒会長の川瀬愛美が雨に打たれているところを見かけた。

五分足らずで読み終わりました。恋愛、一枚絵あり。
文字が妙に縦長で読みにくかったです。
とりあえず生徒会長可愛かったですが、
主人公は恵まれすぎてて憎たらしいです。

「もしも願いが叶うなら」

恋人が突然倒れ、病院へ担ぎ込まれた。
無事を祈る主人公に語りかけてくる声があった。

二、三分で読み終わりました。画像は背景写真のみ。
現代が舞台の御伽噺といった感じ。
完全なハッピーエンドでは終わらず苦味が入った話でした。

「とある国の王と騎士の物語」

十五歳の女王が治める国に敵国が攻め込んできた。
幼馴染で親衛隊に所属する主人公は少数で奇襲をかけることを提案する。

二、三分で読み終わりました。画像は右下にタイトルロゴのみ。
歴史では語られない一幕を描いた話。
その後の趨勢も含めて、ちょっと出来すぎかなという印象を受けてしまいました。
(3/12)

 

ダブルトリガー/TriggeR-Project(1000円)

とある実験の失敗によって起きた事態の収拾のため、
一つの体に二つの魂を持つ二枝ジンと二枝トツが派遣される。
いつもどおり行えばいいと思っていたその仕事が、彼に大きな変化をもたらすのだった。


選択肢なし、戦闘、在り方、八時間ほどで読み終わりました。
システム面では表示速度変更がないところが気になりましたが他は問題なし。
絵は女の子はまずまず可愛いですが全身のバランスに違和感を覚えました。

話は魔術の類は扱えないながらも純粋な身体能力・戦闘技術に特化したジンとトツが、
敵と戦いながらもその街で出会った人々と関わっていきます。
「排除」と書いて「ひてい」と読ませるなど、
随所に実際の読みとは違うルビが振られているテキストは観念的で小難しくて、
読んでいて眠たくなってしまいました。
でも、そういったところがあまりない戦闘シーン(相変わらずルビはあるのですが)
特にジンとトツが協力して闘う場面は勢いがあって良かったと思いました。
(3/22)

 

Monotone Eden RR/Team Eye mask(300円)

いつしかこの世界には、世界の全ての情報を持った生命体「幻想種」が現れるようになった。
「僕」が率いる研究チームはその幻想種とのコンタクトを試みていた。
量子コンピューターが作り出した仮想空間の中で、僕は彼女、クァレと対話していく。


選択肢なし、SF、一時間半と少しで読み終わりました。
Pilot versionからの変更点は、システム周り・文章エフェクトの変更、
人物絵の追加、音楽の変更・追加、二周目の追加、など。一周目のストーリーはPilot versionと同じ。
システム面は残念ながら不便になっています。
セーブは一箇所にしかできませんし、文章表示速度は変更できませんし、バックログも読めません。
ただ、上手い表現が見つかりませんが左側から流れてきて展開される文章エフェクトは作品に合っていました。

画面構成はこのサークルさんの他の作品と同じで、
Windows/PSP Hybrid Mini-novel SeriesとあるようにPSP対応の横長のウインドウで、
左側に人物などの絵、右側に文章というレイアウト。
絵はくるくると表情や体勢が移り変わるクァレが可愛い。
音楽はやや単調で、Pilot versionのほうが良い使われ方をしていたように思えました。
また、OPとEDの歌が追加されまています。

話は「僕」とクァレが対話をしていく中でだんだんと彼女がどういう存在なのか、
そして幻想種とはどうして存在するようになったのかということが明らかになっていきます。
Pilot versionでは独立していた用語解説がこちらでは文章中に通常と色が異なるTIPSとして配置されていて、
そこをクリックするとその場で解説を読むことができます。
解説の中にさらにTIPSがあったりして、TIPSからTIPSへとどんどん派生しながら読んでいけてしまうのですが、
わざと無限ループさせない限りはこのあたりの処理は快適。
また最後まで読み終わると、流れは同じながらエピソードや入手できる情報が増え、
結末も異なる二周目を続けて読むことができます。
二周目の結末は少々突飛過ぎるようにも思えましたが、追加情報はなかなか興味深いものばかりでした。

不便な部分もありましたが、エフェクトや構成などと物語の雰囲気が合うように作られている良い作品でした。

過去の作品感想:
楽園僕の心は雨のち晴れ
(4/10)

 

(同人ソフト体験版・続き物)

trade▼off ver0.90 相川編(18禁)/The Dungeon In Yarn(300円)

主人公、割下惣二は親の転勤が遅れているせいで一足先に引越し先で一人暮らし。
新しい学校で科学部に見学に行こうとしたら、何故か科学研に連れて行かれてしまう。
そこで主人公は超能力を目撃してしまい…。


選択肢あり、相川編のデッドエンドを含めると三種類の結末を収録。
別の結末へ向かう箇所は選べないようになっています。春乃編は収録されていません。
四時間半足らずで読み終わりました。
システム面は春乃編と変更なし。
演出は相変わらずとても凝っています。
今回面白いなと思ったのは四人で下校中、二人ずつに分かれて別々の会話をしている場面で、
テキストウインドウで主人公側の会話が表示されると同時に、
もう一組の会話は立ち絵横にフキダシで表示されていました。
フキダシのほうは視点を移動してそちらに注意を向けないと全て聞き取ることは出来ず、
実際にあるあたりまえの日常会話のような雰囲気がよく出ていました。

今回も春乃編と同様に主人公もヒロインも超能力を使えないので、蚊帳の外な部分があります。
でも犯人の正体が判明したりと真相には近づいてきましたので肩透かしという感じはしませんでした。
それからこのバージョンでは直接的なHシーンはなし。しかしそういう場面がないわけではありません。
また、難易度は春乃編ほどではありませんがそれでも八日目は何回か試行錯誤が必要でした。

今回は相川編ということで相川さん(主人公は違う呼び方していますが私はなんとなくさん付け)
との会話が多く、主人公へのツッコミや悪態のつきあいなどすごく楽しかったですし、
なんら特別な能力や容姿は持っていませんがとても良い娘で芯が強くて可愛かったです。
それだけに後半の展開は理不尽で悲しくて犯人が許せませんでした。
まだメインであろうルートが未収録で一件落着とはいえないエンドだけの段階で
これだけ胸を打つ話だったので、相川編の完成が楽しみです。
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過去の作品感想:
こうかん☆にっき
(1/3)

 

うみねこのなく頃に episode2(1500円)/07th Expansion

選択肢なし、連続殺人幻想、八時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システム面はEP1と変更なし。
絵や音楽ではコンサートの歌や三人目の魔女の立ち絵がインパクトありました。

今回は六軒島大量殺人事件を劇中劇として、
それを戦人と魔女ベアトリーチェが観賞しながら魔女の仕業かそうでないかを議論していきます。
六軒島大量殺人事件でもベアトリーチェは積極的に干渉してきて、
二日目以降の殺人は殺すときの描写まであります。
細部に関してはまだ魔法を否定できますが、
すべて説明できるようなものは思い浮かびませんでした。
話としてはベアトリーチェの関与が多すぎて悲劇的な部分などは薄れてしまった感がありますが、
その分ベアトリーチェの所業に圧倒されました。
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過去の作品感想:
ひぐらしのなく頃にひぐらしのなく頃に礼
(1/4)

 

ABYSS -殺人クラブ- 幽ルート版(18禁)/Festival(500円)

選択肢あり、幽ルートは四時間ほどで読み終わりました。温子さんルートまでのことは
こちら
パッチを当てた現時点(+patch1)では幽のメインHシーンは読むことができないようです。
また、温子さんルートにHシーンが二箇所追加されていて、そちらは計四十五分ほどの分量です。
システムや音楽等は変更無し。音楽ではタイトル画面の曲がお気に入りだったりします。

話の流れについてはネタバレになりそうなので詳しくは書きませんが、
ABYSSのことや主人公の過去がだんだんと明かされてきます。
今回の見所はマイペース幽さんオンステージ。クールな外見とのギャップが色々とあって可愛かったです。
それとラストシーン。共通ルートや温子さんルートにわずかなりともあった達成感が皆無で薄ら寒くなる終わり方でした。
途中のシーンもこれまで同様に濃密で面白かったです。
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以下余談というか蛇足というか笑ったネタ。
作中、「
ですろり」に喧嘩売っているような文章があったりしてニヤリとしました。
もちろんパロディとかオマージュとか、そんな感じの悪意のないシャレですが。
あと主人公が女の子の家に勝手にこっそり入ってしまって、そこから気付かれずに抜け出そうとするシーン。
「それじゃあとりあえず、ドアの指紋を拭き取るところから―」さすがストー…元暗殺者ですね!
(1/5)

 

いつか夢見た風景で 〜 In the Beautiful chaos 〜(18禁)/Arbitrage(500円)

持病を抱えた妹や、口よりも手の早い幼馴染などと過ごす日々。
季節は春。主人公と同じ高校へ入ろうと頑張る妹。
今までどおりの距離で、今までどおりの楽しい日々がこれからも続くと思っていた。


選択肢なし、サスペンス、恋愛、六時間半ほどで読み終わりました。
第一章「夢見草」の感想は
こちら
第二章「Fool on the world」と第三章「死神はコッペンで唄う」の感想は
こちら
システム面では前回書いた処理が一瞬滞ることということもなく読めました。

話は第二章、第三章を踏まえた上で主人公が何事もなく幸せな日々を模索していきます。
…スミマセン、四章までくると何を書いてもネタバレっぽいのでかなりぼかしています。
今回で完結の予定でしたが、分量が多いので二つに分けたとのこと。なので次回が最終章です。
テキストに関してはいままでに比べて誤字脱字が多かったように思います
また、難しい漢字を使ってその後に括弧書きで読み仮名を振っているところがいくつかあったのですが、
それだったら最初から平仮名にしてしまったほうがよかったのではと思いました。

シナリオ前半は無理矢理物事を解決しようとした場合の話。
主人公がとった手段は褒められることではないですし、実際周囲の人間にも批判されるのですが、
経緯を知らない周囲と違い第三章までを読んできたプレイヤーにとっては
主人公の気持ちがわずかなりともわかるだけにその手段を全面的に否定することは出来ず、
むしろ肩入れする気持ちもあっただけにその後の経緯にはやるせなくなりました。
後半はそういった手段をとらず前向きに解決しようとした場合の話。
前半とは打って変わってほとんどが楽しい日々で、
いままでも書いてきましたがそれ以上に瑞乃ちゃんが可愛くて可愛くて。
尋常じゃない照れ方がすごく微笑ましかったです。
あと主人公には力の限り鈍感!と叫びたいです。
ただ、やはりというかなんというか、悲しくなるくらい理不尽。

一つ気になった点は、冒頭などで抽象的な文章が長い間続く箇所があること。
現時点の情報では理解することが難しい思考や問答を十分や二十分読ませられるのはかなり退屈でした。
ですが本編は、"壊れた"純愛ビジュアルノベルの名に恥じず容赦のない展開で面白かったです。
最終章がどうなるのか、さらに楽しみになりました。
(1/18)

 

TWADの物語 Vol.1/因果堂Type-I.G.(1000円)

ホームレスをしていた主人公はクリスマスの日に交通事故で死亡した。
気が付くと草原にいた彼の前にカラと名乗るが立っていた。
そして告げた。ここはTWADと呼ばれる死後の世界であると。


選択肢なし、死後の世界、恋愛、二時間ほどで読み終わりました。
今回の物語はこれで完結といったところですが、
Vol.1とのことで今後もTWADを舞台にした別の話が発表されるようです。
システム面は
THE MAN CALLED CRIMSON- Episode I - 体験版と変わらず。
絵はカラ以外の立ち絵はなくて、他キャラクターとの会話シーンでは一枚絵が表示されたりします。

話はTWADを訪れてすぐで記憶があいまいな主人公に対してカラが恨みがあると言い、
その原因となる出来事を巡って紆余曲折があります。
TWADでは痛みや空腹などがなく、何もしなくても再び死ぬことはなく、
人間のほかに動植物は存在せず、電気などのかわりに精神の力が唯一のエネルギー源な世界です。
登場人物の台詞中でもこの期におよんでではなく死の期におよんでとか、
現実ではなく死実といった言葉が使われています。

そういった世界を舞台に主人公とカラの関係が描かれているのですが、
主人公は一言で言って犬。カラは二言で言って寂しがりな女王様。
どちらも弱い人間なものの、お互いがお互いの存在がなければ駄目だという関係が良く描かれていて、
この上なくお似合いな二人だと感じました。
ただし、話全体としてはあっさりとしていて味気ない感じや、
筋書き通りにポンポン進みすぎているような印象を受けました。

過去の作品感想:
夢剣、THE MAN CALLED CRIMSON-Episode I--Episode II-
(1/20)

 

ヴェクサシオン #1〜#3/ロンドンロボット(300円)

朝、クラスメイトに告白された主人公。
しかしその日転校してきた少女から、断らないと後悔すると言われる。
気になりながらも放課後にOKの返事をした主人公だったが…


選択肢あり、現代ファンタジー、運命、#2は五十分、#3は七十分くらいで読み終わりました。
#1の感想は
こちら
システム面ではバックログデータが消えてしまうことと、
タイトル画面からロードするときのカーソル移動が改善されていました。
演出は相変わらず多彩。OPも一新されてその上、歌が付きました。
あと前回は書きませんでしたが一話ごとに次回予告が入るのも凝っています。

#2は#1の続きで、#3は独立したエピソード。
過去から未来までが定められた運命(アカシャ)の歪みを転校生の雪と共に修正していきます。
アカシャは歪みきってしまうと世界が滅びるとのこと。
その過程で主人公が持っている特殊能力を巡って紆余曲折があります。
主人公の特殊能力や、雪が行っているアカシャ修正などの詳細をこちらが知らないのに、
彼らは当然のこととして行動するので置いてけぼりにされた思いがありましたが、
#3が終わってやっと追いつけてきたかなといった感触。
それから、スラ○ムとス○イムベスとホイミ○ライムのぬいぐるみとイリヤス○ィールのフィギュアの間で逆転裁判もどきが繰り広げられたり、
ことあるごとに銃を乱射する婦警さんが出てきたりと時折カオス。
そんな場面もありましたが、#2も#3もラストの一枚絵が表示されるシーンが良かったですし、
色々と明かされてきて各々の言動について理解できるところが増えてきたので、これからさらに面白くなりそうな気がします。
(1/23)

 

彩花〜誓い〜/華子鹿(1000円)

年末を除き一年中色とりどりの花をつける彩花に囲まれた彩華国。
その国の最高権力者の妹である葉月は年始に彩花が再び花をつけるための儀式、「花宴」の主役「花乙女」に任命される。
しかし新しい年に彩花は咲かず、それを解決するため葉月は街で必要な人材を探すこととなった。


選択肢はありますが一本道、和風ファンタスティックノベルとのこと、六時間足らずで読み終わりました。
登場人物達の絵は綺麗で、彼らを中心として色々と動く多彩な演出も素晴らしかったです。
特に重大な事実発覚の後にバタンと幕が下りて暗転するのが効果的に感じました。
コンフィグでエフェクトカットしてもスキップが遅いのが玉に瑕ではありますが、
クリア後にシナリオジャンプモードが出現するので軽減されています。
また、誤字脱字が少なくとも私には見つけられなかったのも好印象。
主題歌も良い歌でした。

話は彩華国の暦(一年が白月、金月…無月の九つに分かれています)に合わせた九章+序章の構成で、
葉月が仲間を集める過程で気付いた陰謀に立ち向かってゆきます。
葉月が箱入り娘のため、彼女が意識的に何かをしていくといった場面は少なくて、
物事が勝手に進んでいってしまうところが気になりましたが、
本人が無力なことを自覚した上で行動しているのでイライラするようなことはありませんでした。
また最終決戦ではこちら側が完全にやり込められてしまっていて良くも悪くもラスボスの独壇場でした。
シナリオ全体では一年にわたる話を描いているだけに
途中途中のシーンが端折られてやや薄まってしまっているように感じられてしまいました。
でも要所では素晴らしい演出と相まって良いシーンになっていましたし、
第二部「彩花〜想い〜」で補完されるようなので、今後を楽しみにしたいと思っています。
…ただ二部紹介ページを見ると今回以上に葉月が空気になりそうな感じですが。
(1/29)

 

森の少女と妖精の城 - Celtic Fair Lady -/Ambivalence(1000円)

とある村で暮らすミルトは、森の奥にひっそりと佇むお城を発見する。
中に入ると、そこには小さな少女がいた。


選択肢なし、ケルティックADV、四本の短編が収録されていて、各話三十分前後。
全体としては二時間と少しで読み終わりました。オマケ本付き。
システム面ではバックログ量が少なめなことと、
文章ウエイト、強制表示速度固定を使いすぎなところが気になりました。
絵は相変わらず好みの絵柄なのですが、
イシルの爺ちゃんの姿が怖すぎる!と考えていた時期が私にもありました。
オマケ本によると本人ではなく森の戦士のイメージ絵だそうで。

今回は前作「
森の少女と妖精の城」からしばらくして冬を目前に控えた時期の話。
森の周囲の村が話し合う民会とそれに続くサーウィンの祭りという二つの行事が行われるので
その準備に追われる村を舞台にした「森の聖母のはなし」「森の戦士のはなし」「森の乙女のはなし」
それと森の中の城での「森の王国のはなし」の四つが語られます。
あくまで準備といった感じで、これからを匂わせる部分はあるものの大きな事件が起こったりはせず日常の延長といったところ。
続編は2008年冬予定とのことです。
面白かったのは「森の戦士のはなし」での赤ちゃんは何処から来るの?論争。
コミカルなSD絵をバックに繰り広げられる純粋な言い争いとそれを楽しむオラウ(村の長)に笑いました。
是非とも彼らはこのまま成長していってほしいものです…
(1/30)

 

Mystic -magician of fate- 第一章「嫉妬」&第二章「覚醒」/北通り稲荷堂

通り魔事件が起きている町に住む近藤彰は陸上部。
大会を間近に控えるもやる気は無し。
そんな中、間藤麗花という女の子が同じクラスに転校してきた。


選択肢あり、異能力、第二章は三時間と少しで読み終わりました。
システム面では文章ウエイト、強制表示速度固定がかなり多いことが気になりましたが、
最初から第一章を飛ばして第二章を読めるようにできたり、
任意の日付から読めるシナリオジャンプモードがあったりと
既に
第一章をプレイした身としては嬉しい機能もありました。
立ち絵は一年前に発表されたものから一新。
一章をやり直してみたら間藤さんがさらに可愛くなっていました。
あと彩も仕草が大きくなって可愛い。
ただ二人とも二章ではそれぞれの事情から上記のように感じた立ち絵はほとんど使われていないのでした。残念。
あと終盤で出てくる異形の立ち絵に文章で描写されたほどの不気味さ、禍々しさがなかったのが難点。
音楽はフリーですが不安や恐怖を煽る使い方が上手いです。

第二章では時間的には第一章のラストから続けて日々が描かれていきますが
対異能組織やらも出てきて普通の学園生活はかなり少なくなっています。
一つのシーンの印象では一章終盤の方が強かったですが、
全体を通しては二章も負けず劣らず面白かったです。
特に自分だけは覚えているのに周囲の記憶がじわじわとなくなっていってしまうところが怖かったです。
闘いのシーンもありましたが、それよりも異能に関わってしまった人々の感情の描写が良いと感じたので、
これから先そちらの方面を中心とした展開になってほしいなと思いました。

あと第一章でもそうでしたが全部読むと出現する開発者の部屋で語られていることにうなずけるものが多くて、
自分の作品の良い所、不足している所、ツッコミどころをちゃんと把握しているんだなと感じました。
(2/1)

 

空に落ちる はなみの章(18禁)/R.A.Soft.House(2000円)

強制的に天文部に参加させられた主人公だったが、それでも楽しい日々を過ごしていた。
しかしある日突然、その世界は変わってしまった。


選択肢あり、観念破壊ADVとのこと、四時間ほどで読み終わりました。
はなみの章ということで、主人公の従姉、佐々木はなみルートを収録。
システム面では
体験版で挙げたバックログも画像のみ表示もできるようになっていました。
絵はかなり良いです。特に口をちょこっとだけ開いた女の子の表情が目を惹きます。
ただ十年前の一枚絵で、同じ時間・場所を俯瞰したものとそうでない視点から描いたものがあるのですが
いろいろと食い違っている箇所がありました。
音楽はタイトル画面で流れる歌がお気に入り。

話は体験版の最後に起こった出来事を解決しようとしていきます。
とはいえ主人公はあまり積極的に関わろうとせず平穏を望むのですが、
陰謀やらはなみとの関係やらで渦中の人とならざるをえなくなります。
その出来事やら登場人物やらの設定がどこかで聞いたことがあるようなもので、
それがずっと引っかかってしまったため基本的なところでだいぶ損をしているなぁ、と思いました。
ただ、敵方の策略の見事さには感嘆しました。
主人公達の心理や立場などを完璧に読みきっていて、
こうされたらもう敵方の思惑通りに動かざるを得ないなと心底納得しました。
値段などネックも多いですが、良い所も色々とあった作品でした。
(2/5)

 

空下 第一部/Light-Hearted(700円)

幼い頃に両親を事件で亡くした藤井和真だが、
現在は従妹や友人達とごく普通の日々を送っていた。
しかし、彼らの周囲に怪しい人物が出没するようになる。


選択肢あり、異能、ルートは一つ、六時間半ほどで読み終わりました。
システム面ではサーチストックというものがあり、
これは既に知っている人物や場所を選択する(気にする)ことにより、
それに関連するイベントが発生したり、選択肢が増えたりします。
あらかじめ使用ポイントを知らせてくれるのが嬉しいです。
他にはバックログにホイールから移行できなかったり、文章表示速度変更ができないことが少々気になりました。
絵は可愛い絵柄。あと誤字脱字がやや多かったように思いました。
中にはシリアスシーンでジョナサン・ジョースターのあの誤植みたいな笑えるものもあったり。

和真はもともと触ったものの場所がわかる能力を持っているのですが、
それが勝手に反応してしまう人々が現れ、彼らと闘ったりしつつ新たな能力を使えるようになったりします。
そうして巻き込まれていく中で過去の事件のことや和真の能力のことなどが明かされていきます。
最後は平和な日常?と思いきや意味深に終わって第二部に続く。
和真が自分本位だったり、考え事があると人の話を聞かないことにイライラしました。
それもあって全体的に話に入り込めなかった印象。
ただ、危険が迫っているシーンはなかなかにハラハラさせられました。
(2/7)

 

めぐみくみっくす Remix(18禁)/サークルFanta(2000円)

友人の家をはじめて訪れた木崎ひろみは、そこで友人の妹、めぐみちゃんのとんでもない姿を目にしてしまう。
それからなし崩し的に毎日めぐみちゃんと会うことになるが、
そんな中クラスメイトの吉岡さんとも仲良くなって…


選択肢なし、恋愛?一時間半ほどで読み終わりました。
四年ほど前に発表された「めぐみくみっくす 前編」のリメイクとのことで、
ストーリーは同じで絵が変わったりOPムービーが付いたりしています。
システム面ではバックログが右クリック→前文章の表示を選んでも一ページしか読めず、
もっと読むにはそれをひたすら繰り返していかなくてはいけませんでした。
キーボードからならショートカットキー連打でだいぶ楽ですが、
それでも過去方向に一方通行で、通り過ぎたログを読むには
一回解除してもう一度バックログを読んでいかないといけないので不便でした。
絵は女の子のネガティブな表情であまり可愛くないものがありましたが、それ以外の表情は可愛いです。
オープニングムービーはゲーム中ではなく別ファイルで同梱されています。
これがしっかりとアニメーションしていて目に楽しいです。
しかも使用している素材はほぼ同じなものの構成が違う二パターンのムービーがあり、
サイトのギャラリーにはさらに別バージョンがあります。こちらにはCD収録のものに使用されていない素材も結構使われていました。
またそこで流れる歌「全力全身!はぁとMIXしちゃお!」もなかなかの中毒性で
つい洗脳されて普段から口ずさむようになってしまいました。

話はちょっと普通の女の子と違うめぐみと複数の意味で仲良くしていきます。
前編ですがめぐみに関してはこれで終わっても違和感ないくらいには一区切りついています。
吉岡さんはまだ半分脇役といった感じでこれからといったところ。
Hシーンは寸止めが多くてなかなかに欲求不満でした。
あとひろみの友人がおちゃらけていながら決めるところは決めるおいしい奴。
特に最後の場面は格好良かったです。

シナリオに関しては他の作品と一線を画すようなものではありませんでしたが、
テンポが良くてさくさく読めるなかなかに楽しい話で、ムービーや歌は印象的な作品でした。
(2/9)

 

僕たちの世界の在処 体験版/―191→

児童養護施設で問題を起こしたケイは杜の家へと移され、そこで生活することとなる。
かなり変わっているが暖かい人々ばかりに思えたその場所だったが、
あるときを境に魔法のような力が行使される非日常を目の当たりにしてしまうのだった。


選択肢あり、論理、七時間足らずで読み終わりました。
システム面ではセーブしようとするとセーブ名入力を求められます。
あらかじめデフォルト名が入っているためそのままOKを押せばいいのですが、
それでもセーブするたびに一手間余計にかかるのが面倒です。
絵はなかなか可愛いですし、たまに入るコミカルな一枚絵・カットインが良いアクセント。
音楽はそれぞれの場面に合っていました。

話は杜の家という孤児達が共同生活を送っている場所に住むことになったケイが、
「概念存在」という能力と出会い、それを巡る組織の思惑やらに巻き込まれていきます。
途中、主人公以外の視点を読むことができます(読まずに進めることもできます)
「概念存在」とは論理を用いて自分や相手の認識を変える能力で、
例えば「自分は臆病なので武器を持っている」と言えば武器が出現します。
ぶっちゃけてしまえば屁理屈こねて自分の主張を信じさせること…というと乱暴すぎるかもしれませんが。
とにかく言葉でもって闘ったりします。
作中で説明を受けた主人公がわかったようなわからないようなと言っているのですが、
(あるいはどこの中学二年生が考えたんだ、とも)
読んでいても同じような感じで、置いていかれ気味でした。
あと次回予告の悪ノリは正直面白くなかったです。
ただ、それ以外のシーンは面白い場面が多かったです。
冒頭のぶっとんだカーチェイスや夕飯争奪戦、罰ゲームなど笑えましたし、
盲目のエロヒロインや理不尽なようで筋は通す警官など登場人物も味があり、
ラストのシーンも情感があって良かったです。
あと、さよちゃん(5さい)に和みました。

しかしこれだけ充実していて物語も動きつつまだプロローグも終わっていないらしいです。
完成するとどれだけの長さになるやら…怖くもあり、楽しみでもある作品です。
(2/11)

 

春、咲きました☆ 体験版Ver0.1(18禁予定)/RABBIT-GARDEN

新学期、二年生になった志法院辰也は隣に住む春川奈々緒や友人と引き続き同じクラスとなり、
今までどおりの日々になるものと思っていた。
しかし今年は押しかけてきた義理の妹、新しいクラスメイト、先輩、後輩と、
やけに女の子との出会いや再会が多い春だった。


選択肢ありですが体験版では一本道、恋愛、二時間半足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。絵は可愛らしい絵柄。
完成版では立ち絵があるキャラ全員にボイスが付くとようです。

この体験版では誰のルートにも入れなかったエンドへ行きそうなくらいに各ヒロインと満遍なく会話をしていきます。
で、ラブコメで王道なシチュエーションの修羅場っぽくなりそうなところで続く。
主人公は一位にはなれないもののなんでもそつなくこなす上、実家がすごい金持ち。
まあそれはコンプレックスでもあるらしいのでさておき、
最初からほぼ全員のヒロインに好かれているというのは許せません。
あと記憶力なさすぎ。ただ、嫌な奴というわけではありませんでした。
所々これから深刻になりそうなほのめかしはありましたが基本的ににぎやかな日々。
思わず笑ってしまうようなところも随所にあって、楽しめました。
完成版では分岐が多く、それで変わる箇所も多く、やりこみ度が高いとのことですが、
それが作業に感じないようなものになるならば、プレイしてみたいと思いました。
(2/12)

 

ついん☆ているず 体験版ver1.00(18禁予定)/extra plesent

卒業を間近に控えた11月、池上太樹は幼馴染の鷹取愛華を思い出の場所へ呼び出し、告白しようとしていた。
その思い出とは、十年前に二人で埋めたタイムカプセル。
それを開けて告白しようと掘り出してみると、中から裸の女の子が出てきて太樹に告白してきたのだった。


選択肢あり、ついんてーる、恋愛、一時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は立ち絵も可愛いですがそれ以上に背景が凄く綺麗。

話はタイムカプセルから出てきた女の子、ねここと一つ屋根の下で過ごすことになってしまいいろいろと誤解され、
その後ねここが何者なのかということの一端が明かされたところで続く。
古今押しかけ女房モノは色々とありますが、土中のタイムカプセルから出現というのは
その場面の一枚絵の良さもあってかなりインパクトある出だしでした。
さらにヒロイン全員ついんてーる(一人だけナナメを向いた立ち絵だけしかない男の娘なので確認できませんが)なうえ、
ついんてーるに誇りを持っていたりついんてーるを偏愛していたり
ライバルのついんてーるに液体窒素かけて粉砕しようとしたりと
ついんてーるに対してものすごいこだわりが感じられます。
超展開に振り回されるおあつらえ向きにツッコミ体質の太樹とヒロイン達のやりとりも楽しいですし、
サイトの作品紹介、ストーリーの最後にあるくだりも洒落ていてお気に入りで、完成が楽しみな作品です。
(2/13)

 

白詰草 体験版/サークルみつば

地元で働く彼女、地元の大学へ進学しようという友人に囲まれた高松圭吾は、
何故だか都会の大学へ進学して何かを見つけなければという想いを抱えていた。
そんな中、三年生の夏休みが始まったのだった。


選択肢なし、将来、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は別のシーンへ移るとバックログが消えるのがやや不便。
絵はすっきりとしていて好感が持てる絵柄なのですが、
立ち絵の輪郭が白くギザギザ…どころではなく、
むしろ狙ってオーラを纏っているように表現しているんじゃないかと思うくらいに白く迸っています。
また真夜中なのに背景の空が夕方みたいだったり、
西日が差しているとあるのに真っ暗だったりするところも気になりました。

話は自分の将来これでいいのだろうかと情緒不安定になったりしつつ続く。
男女一人ずつの友人は出てきますが彼女は体験版では出てきません。
こういう都会へ出たいという思いは私にはよくわからないです。
奈良の大学受けたり鹿児島の会社受けたりしましたし。あととにかく近い所とかも。
それはともかく、父親がお茶目で楽しかったり、ラストに結構じんわりくるシーンがあったりしました。
でも、もっと丁寧に作ってほしいなと思った作品です。
(2/14)

 

錬電術師 -HexaQuarker- 第一章 gate_way(18禁)/不機嫌亭ゲーム班(500円)

おすすめ
(2/18)

 

平坂〜prologue〜ver0.4/Sprout!

両親を亡くし、その知り合いのもとで妹と共に暮らしていた立花絖は、
この春から平坂市にある平坂学園に通うために一人暮らしをすることになった。
そこで彼は一人の女の子と出会った。


選択肢なし、儀式、恋愛、二時間半足らずで読み終わりました。
システム面では一部自動カーソル移動があるのですが、
タイトル画面からロードするときの「ロードしますか?」という確認メッセージに
おおむね「Yes」と選択するはずなのに「No」にカーソルが合ってしまうのがやや面倒。
絵はのぞきこんでにっこり笑う淵見さんが可愛い。
それに遠くに立っていたりだんだん近づいてきたり、ガクガク震えたりなど立ち絵に動きがあって楽しいです。
また、それ以上に冒頭のシーンではダイナミックなカメラワークが目を惹いて、作品に対する興味をかき立てられました。

話は冒頭で儀式シーンがあるものの、ほとんどが楽しい学園生活。
校舎の配置がどうなっているかなどの説明が一読しただけではわかりにくいことや、
場面の切り替えが唐突でぶつ切り感があるところがやや気になりましたが、
ヒロインや友人達との日常は笑えるところも多くて楽しかったです。

ただ、まだまだ日常がほとんどで話が動くのはこれからといったところ。
平坂というと黄泉平坂を思い浮かべますがそういった生死をめぐる話になるのでしょうか?
あと学園生活初日のちこくちこく〜>激突>パンツの様式美には感動しました。
(2/21)

 

NewfrontiaSoftware CD-ROM Vol3/NewfrontiaSoftware(300円)

「クラ☆バス」「DreamProject」「全てが終わるまで…」の三作品を収録…しているのですが、
「クラ☆バス」は「CLANNAD」と「リトルバスターズ!」の二次創作、
「全てが終わるまで…」は「
ごがつのそら。」の二次創作「終わらない10月。」と「一月の雨。」の続き、
ということで前提となる作品を読んでいないためプレイしていません。

「DreamProject」

文芸部の向坂利奈はファンタジーものを書こうとしてスランプになっていた。
そんなとき、部室にあった一冊の本を手に取ったことで変な世界に飛ばされる。
そこで出会った妖精のルースと契約し、彼女は魔法使いとなったのだった。


選択肢ありですが一本道、魔法、コマンドバトル、一時間半と少しで読み終わりました。
システム面では動作がもったりしていることと、
背景の指定文など内部メッセージが消されていない箇所がいくつかあったのが気になりました。
でも、各章の始めから読めるのがありがたかったです。何回も同じ敵とバトルしなくて済むので。
コマンドバトルはランダムで攻撃、補助、回復などのコマンドが四つ表示され、
そのどれかを選ぶことで敵と戦います。10ターン以上かかるかこちらのHPが0になると負け。
ヒントでは補助をかけてから攻撃してほうがいいと書かれていますが、
毎回都合のいい補助コマンドが出ることはまずないので、
命中率が高くて威力は普通の攻撃を地道に当てていくのが現実的。
ちょっと強い攻撃は命中率アップの補助かけないと全然当たらないのにイライラしますが、
毎回負ける可能性がありつつも手も足もでないことはないバランス調整は良かったです。

話は利奈が別の妖精が洗脳した友人達と闘います。ただ、完結はせずに続く。
進めていくうちに主人公や友人達の過去を描いたエクストラストーリーが追加されます。
友人達との関わり(特に主人公が好きな男の子と)がほとんどないままに本題に入ってしまうので、
仲が良かった人と闘わなければいけないつらさがやや伝わりにくかったように感じました。
(2/23)

 

――というユメをみた。 体験版(18禁予定)/てんぺすと。

下水流拓男は周囲全てを拒絶していた。
しかし朝、目が覚めてみると恋人も友人もいるごく普通の生活。
あの自分は、なんだったのだろうか。


選択肢なし、ユメオチ恋愛ノベルとのこと、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではメニューを常時画面上に表示するか消すか右クリックで切り替えられ、
表示していると微妙に文章に被ってしまうのがやや気になるもののそれは消せばいいだけの話で、
それ以外は特に問題なかったです。
絵は可愛く、特にセーラー服からおなかや背中がちらりと見えるときが実に素晴らしいです。

話は自ら殺伐とした雰囲気にしている世界と楽しい世界、どちらが本当?という感じで両方の世界が出てきます。
前者は主人公が自分ルールに酔っている感じで実に嫌な奴。
後者も現時点では特筆するところのない普通の生活でした。
でも、その二つが関わってくると面白くなりそうな…あくまで予感ですがそんな気がしました。
文章は読みやすかったですし、完成版を買ってみたいと思います。
(2/26)

 

三匹の犬の夜 〜第一夜 花〜/月の水企画(300円)

おすすめ
(3/3)

 

とないぬ 体験版 3rd/TONARINI PROJECT.

あるコンビニの前で涼はおなかをすかせている少女、祭と出会う。
ちょっとした気まぐれで食べ物をあげると一心不乱に食べだした。
そのとき、彼女の帽子が落ちてしまい、中から犬のような耳が現れたのだった。


選択肢あり、獣耳、ほのぼの系シリアスドラマADVとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
システム面ではロードするときにセーブした箇所のかなり前から始まってしまうことがあるのが気になりました。
絵は可愛いです。特に祭の表情が多彩。
音楽は場面に合っていないところも見受けられました。

話は耳と尻尾つき少女と一緒に住むことになるが、彼女は追われていた、というもの。
日常パートではいくつかのエピソードから選択して読んでいく形式でコメディ調。
それをいくつか読むと、祭たちを追う者との話が挿入されます。こちらはかなり重い話。
日常パート以外でも選択肢はあるようですが、この体験版では片方しか選べないようになっています。
シリアスシーンでは文字数を調整して末尾を揃えたり階段状にしたりと文章レイアウトが考慮されているのですが、
カタカナとか小難しい表現とかと相まってかなりクセのある文章になっています。
日常シーンはどのエピソードも楽しいです。
特に祭のツッコミの鋭さが、普段無邪気なだけにギャップがあって良かったです。
日常は文句ないので、シリアスシーンがもう少し読みやすくなればと思った作品でした。
(3/4)

 

凪の止むころ 体験版(18禁予定)/Arch.

宮薙木島という島では、二つしかない学校のどちらかと本土にある大学での提携話が持ち上がっていた。
選ばれなかった方の学校は廃校となってしまう。
過熱する争いに、ただ平穏を望む椎堂晃一は釈然としないものを感じていた。

いまのところは選択肢なし、王道恋愛学園ラブコメディーとのこと、ボイスあり、一時間と少しで読み終わりました。
システム面は問題なし。
絵はまずまず可愛いです。特に悪巧み顔が良かったです。
それから立ち絵に色々と動きの演出がされていて楽しめました。
ただ、幼馴染の結衣の声があまり好きになれませんでした。

この体験版では最初の四日間を読むことができます。
幼馴染や転校生と過去になにやらあったことが示唆されますが現時点で詳細は明かされません。
日常シーンでパロディネタを始め悪ノリが結構あるので人によっては気になるかも。
とりあえず悪くはないですが、まだまだわからない部分が多い作品といった感じでした。
(3/5)

 

王園のデルタ 体験版/Team DELTA

期待
(3/10)

 

零の色 体験版(BL18禁)/粋屋

ごく普通の日常を送っていた黒磯祐一郎のクラスに転校生の赤羽樹がやってきた。
隣同士の席となった二人だが、赤羽は周囲から距離をとって過ごしていた。
黒磯とも例外ではなく、たまに会話を交わす程度だったのだが…


選択肢あり、学園恋愛、、二十分ほどで読み終わりました。
体験版のため機能が制限されているとのことですが、
それでも選択肢が複数あるのにセーブできないのは不便。
また、文章ウエイトが多めであまりテンポが良くなかったです。
絵はまずまず良かったです。

この体験版では登場人物の顔見せと個別ルートの一部?とHシーンが少し読めます。
地の文が説明的でややくどかったのが気になりましたが、
それ以外では今のところ特に悪いといえるところはありませんでした。
(3/11)

 

真夜中の残照〜神と妖の村で〜 体験版Rev.2(18禁)/他人の代表

二つの勢力が対立している鈴皇寺グループの次期総帥を決めるため、
鈴皇寺康司と空賀咲来はグループ創始者鈴皇寺吉之助が住む田舎で夏を過ごすこととなる。
そこは、神隠しが噂される村だった。


現時点では選択肢一つだけ、ミステリ、ホラー、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵が体勢まで含めてころころ変わります。
タイトル画面では歌が流れますが和風な感じでなかなか作品の雰囲気に合っています。

この体験版では田舎で数日過ごすうちに奇妙な出来事に遭遇、というところまで読めます。
最後分岐で二種類のHシーンが読めますがどちらも軽め。
こういう田舎で不思議な目に遭うとき、
ヒロインは従姉妹とか疎遠になっていた幼馴染とかが多いようなイメージがありますが、
この作品ではメインヒロイン?が次期総帥を巡るライバルで、
田舎を訪れる理由も総帥のための教育と見極めとなっています。
そのあたりが謎に絡んでくるのでしょうか?
そうでないとわざわざこの設定にした意義も薄くなってしまいそうです。
とりあえず体験版を読んだ限りでは謎も怖い部分もまだこれからといった感じでした。
(3/13)

 

漆黒ノ月【体験版】(女性向15禁)/水桜月

人とヴァンパイアが争う世界。
人間側の組織、鏡団の若き鏡皇アリスはヴァンパイアが悪だという考えに疑問を抱くようになっていた。


選択肢あり、ファンタジー、一時間足らずで読み終わりました。
女性向で男主人公ですが同性との恋愛描写はないとのこと。
システム面は特に問題なし。
絵はかなり良いです。背景やシステムデザイン等もまずまず。

この体験版では登場人物の顔見せをしつつ世界観を説明しつつ、
最後アリスがヴァンパイアと接触するところまで読めます。
世界観の説明がアリスに対する講義という形をとってなされるのですが、
主人公が能動的に動くわけではないので実感に乏しく感じてしまいました。
この説明は読まないで飛ばすことができるのですがそれではわからないまま進んでいってしまいますし。
(実際登場人物で役職名などだけ出てそれがどういう立場なのか言及されないことも多かったですし)
シナリオはやや退屈に感じてしまうところがありましたが、グラフィック関連は良かった作品です。
(3/14)

 

非日常生活 体験版(BL18禁予定)/clown#

高校三年生の月宮昇は進路をどうするかまだ決められなかった。
そんなある日、友人で暴走族の総長をしている山根猟からある相談事を持ちかけられる。


選択肢なし、恋愛、一時間半ほどで読み終わりました。
readmeに色々と制限があると書かれている通り、
現時点ではシステムや演出関連でいくつか気になるところがありました。
絵は出来にバラつきがあるものの、不敵な表情はよく描けていると思いました。

話は友人の相談事のために情報を集めたりして、三日目まで読むことができます。
地の文が説明的で「〜と思った」とか「〜だった。」とかが多いためかなり単調に感じてしまいました。
システム含め、もう少し改良の余地があると思えた作品です。
(3/15)

 

キセキ/Gamble Party

山間にある珠洲ヶ岳町に移り住むことになった木之代光輝。
新しい場所で、新たな友人達と楽しい日々を送っていたが、
そこに忍び寄ってくる非日常があった。


選択肢なし、伝奇ミステリー、二十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はあまり上手いとは言えませんが喜怒哀楽は表現されています。

今回はプロモーションとのことで登場人物たちが掛け合いをしつつ舞台設定などを紹介していきます。
その会話や説明はまずまず楽しめたのですが…一つ問題が。
サークルサイトのProductを読んでいただければ何が言いたいのかご理解いただけるかと。
これが「パロディ」ならば問題はないと思うのですが、そうした記述は見つけられませんでしたし、
「オマージュ」「リスペクト」でこういう作品を発表しても、読み手にマイナス方向の先入観を植え付けるだけな気がします。
そんな、気になるところが目立ちました。
(3/16)

 

一つ願いが叶うなら 体験版(18禁予定)/ねこでんわ

ごく普通の日々を送り三年生となった秋山拓実。
しかし入学式の実行委員を務め、新入生と知り合ったことから少しずつ日常は変化していくのだった。


選択肢あり、学園恋愛?、四十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は少々荒削りといった印象。

この体験版では入学式の日とその次の日を読むことができます。
ゲーム起動直後のサークルロゴムービー(猫)と、後輩の瑠菜ちゃんが可愛かったです。
ですが台詞がただ台本に書かれているものを読み上げただけといった感じで、
テンポが悪く感じられたのが気になりました。
(3/17)

 

幻葬のトリステッツァ体験版(乙女)/Leverie

行方不明の兄を探すため、男に変装して月森島にある男子校に潜入した主人公。
しかしその島は突然の大地震によって死人が跋扈する場となってしまった。


選択肢あり、恋愛、サスペンス、十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は人物絵も背景も色々なタッチのものがあって、やや統一感に欠けるように感じられました。
でも、時折出てくるSD絵はセンスを感じさせる絵柄でした。

ゲーム開始するとまず何者かに追われつつも局面を打開する力を手にする場面から始まります。
そうして山場の一部を読ませた後、プロローグとして島へ向かう場面になります。
どうやってその山場へと向かい、そしてその後どうなるのか期待が膨らむ構成…の、はずなのですが、
主人公を追っている者の台詞が

???
  きしゃー

……萎えました。
それはともかく、短いのでまだわからない部分が多いですが、
一緒にいただいたペーパーを見るとなかなか雰囲気がありそうな世界観の作品でした。
(3/20)

 

コドクノ 1日目/世界のクモヒトデ

旗隆総真(キリュウソウマ)は成績、外見、性格全てにおいて申し分のない学生だった。
唯一つ、鈍感なことを除いては。
そんな彼を好きになった五人の女の子。彼をめぐって、争いが始まった。


現時点では選択肢なし、ジェラシックコロコロシミュレーションとのこと、三十分足らずで読み終わりました。
システム面は体験版のためセーブ機能などが実装されていなかったのがやや不便でした。
場面転換時に幕が上下から降りる演出は、話の切り替えを意識させて良かったです。
反面、その箇所でスキップが遅くなるのが気になるところ。
絵はヒロインたちが普通の状態でも黒目の縁や瞳孔などが真円を描いているのが怖いです。

この体験版では最初の一日目を読むことができます。
ジェラシックコロ(殺)コロ(殺)シミュレーションとは、
あるヒロインと仲良くすると他のヒロインが嫉妬し、その気持ちが抑えきれなくなると……サクッと。あるいはブスッと。
なので一人だけを優遇せずに上手く立ち回りつつも目的のヒロインとのエンドを目指す、というシステムのようです。
とりあえず現時点では病みの片鱗が見えるのは一人だけで、まだまだこれからといった感じ。
漫画、テレビ、ゲーム等のパロ台詞が多めでした。
私としてはヒロインの中ではヘタレ高飛車な姫景がお気に入り。
まだ実際に体験できていませんが面白そうな作りなので、
たとえ流行が終わっても(パッケージ封入紙にもう流行が廃れはじめてる?から
初音ミクものでも作ろうか、という示唆あり。冗談交じりですが)完成させてほしいです。
(3/21)

 

ホシのヒカリと満月の夜 〜魔王編〜/星光(500円)

村の腕相撲大会で優勝したバスは皆に乗せられお城で行われる魔王討伐メンバー選考試験を受けることになる。
その試験で自分の実力のなさを痛感した彼だったが何故か合格し、
問題児の女の子だらけのパーティに組み込まれ魔王を倒す旅に出ることになってしまった。


選択肢なし、冒険、三十分足らずで読み終わりました。
システム面ではスキップするとエラーが出るところや、
場面が切り替わって最初に文章が表示されるとき、
何も操作していないのに勝手に次のページへ移ってしまうことが気になりました。
絵は正面向きはなかなか可愛いですが斜めの表情に違和感があります。

話は最初に立ち寄った村でイベントをこなしたあとはなんやかんや
(本当に「なんやかんや」の一文で済まされます)で魔王城へたどり着き、
魔王を追い詰めるもののそこに現れた人物が、というところで続く。
もはやそっけないとまでいえるような展開のスピーディさと、説明的な地の文が気になりましたが、
そこで終わるなよ!という場面でぶっつり終わっていて、妙に続きが気になってしまいました。
(3/23)

 

SIXFRAGMENTS体験版 Ver1.0/黒猫くりえぃと

記憶をなくし無人島へ放り出された主人公。
そこで出会った少女、田中理沙と共に、島を脱出することを決意する。


選択肢なし、無人島脱出、十五分ほどで読み終わりました。
システム面では右クリックメニューから戻るときに文章送りされてしまうところが気になりました。
絵はなかなか可愛いです。

話は死に瀕した男の心情を描いたプロローグと、
無人島で目覚め田中理沙と出会う本編という構成。
これからさらに二人、仲間が増えるようです。
とりあえずおおまかな現状を理沙から聞かされるだけで終わってしまうのでわからない部分が多いですが、
プロローグは情感ありましたし、本編終了後に読める制作者コメントで気になる謎も提示されていて、
興味をひかれる部分もあった作品でした。
(3/24)

 

TRANSMIGRATION Trial ver1.00(18禁予定)/TERRA ROSA

親の仕事の都合で一人暮らしをしている篠崎透は、
そこに転校してきた沢村紫鶴を加えた仲の良い友人達と日々を過ごしていた。
しかし、彼らが暮らす星山市では、殺人事件が多発しているのだった。


選択肢なし、様式美伝奇ヴィジュアルノベルとのこと、二時間半と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
システムメニューのデザインや、それが出るときに動きがあるのが良かったです。
絵は笑顔が可愛かったですが表情や仕草のいくつかでオリジナリティに欠けるものがあったのが気になりました。

話は日常を過ごしていたものの、ふとしたはずみで非日常に足を踏み入れてしまいます。
この体験版で読むことができるのは四日目まで。
主人公にはなにやら本人も知らない力が眠っていたり、メインヒロインがなにやら隠していることがあったりします。
「様式美伝奇」という通り、驚くような出来事はありませんでしたが、
読みやすい文章でスッと話に入りこんでいけたところが良かったです。
伝奇モノが好きならば少なくともハズレにはならない作品になりそうな気がしました。
(3/25)

 

lycorisβ 体験版/つよきソフトウェア

黄葉ヶ丘学園に通う二年生の冬継雅樹は、
秋に行われる文化祭のクラス出し物である劇の主役に選ばれてしまう。
しかししばらくして、同じくヒロインに選ばれた一条彼方が何者かから嫌がらせを受けてしまった。


選択肢なし、学園、吸血鬼、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面では表示速度変更がないところが気になりましたが他は問題なし。
絵は表情や体型がやや硬くてぎこちない印象を受けました。

話は「天守物語」を演じることになった主人公達。
しかし幼馴染や後輩の女の子は何故かそのヒロイン役と仲良くしないよう忠告してきて、
それがエスカレートして、というもの。三日目まで読むことができます。
授業で「駆者」という吸血鬼のようなものの解説をしていたりして、
この世界では人と違う「駆者」が公に認識されているとのこと。
ただそれ以外は現実と変わらないようです。
狂気を感じさせる嫌がらせや中傷の場面はなかなか怖かったですが、
全体的に描写が不足していて、登場人物が今どういう行動を取っているのかイメージしづらかったのが気になりました。
(3/26)

 

千円ポッキリのネクロマンス体験版 Version1.00/青色666号

愛犬を目の前で亡くし、悲嘆に暮れる沙織。
そんな彼女の耳に、死んだものを格安で生き返らせることができる女生徒の噂が飛び込んできた。


選択肢なし、蘇生、十五分ほどで読み終わりました。
システム面は頻繁に文章ウエイトがかかることが気になりましたが他は特に問題なし。
絵は荒いところがあるものの不敵な表情が良かったです。

話はそんな上手い話はないと思いながらも女生徒と接触し、
その指示で愛犬の死体を墓から掘り出すところで終わり。
周囲すべてを拒絶し、何もかも悪い方に取る沙織の見苦しいまでの悲しみはよく描けていましたが、
本筋はまだほんのさわりだけなので良し悪しはわかりませんでした。
(3/27)

 

Cargo Cult 01/Chaparral(無料)

妹からの手紙で八年ぶりに実家へ帰省しようとした岩兎新宮朗。
しかし道中、森の中に迷い込んでしまい、化物に襲われ、謎の女に助けられる。
実家で目を覚まし、そのことが夢であったと思う彼だったが、そこには謎の女が当たり前の顔で居座っていた。


選択肢なし、夢、一時間と十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵は悪くないものの変化が少ないです。
具体的には、何故妹が着替えている場面にばったり出くわしたのに妹の服装が普通なんだ!と。
あと幼馴染の響子さんの表情が穏やかなもの一種類しかなくて、文章と合っていない箇所がありました。
反面、古いフィルム風の場面や立ち絵を動かしたりと演出面は色々あって良かったです。

話は化物に襲われたところを謎の女、エリヤに助けられたものの、
トドメをさせるのは主人公しかいないといわれ、そんなこと出来ないと戸惑います。
そこに実家とその周辺の古い体質や、何かを隠している妹といったところも絡んできます。
また、タイトルに01とあるようにこれから続きそうな終わり方。
エリヤの名前が明かされないうちから主人公視点の地の文で名前を読んでしまっていたり、
登場人物の中だけで完結した言動が多くて置いてけぼりにされた感があるところが気になりましたが、
一時間ほどの話にしっかりと起承転結が収められている作品でした。
(3/28)

 

昨日の用事は殺人仕様 体験版/Riddle Magick

二人目の貴方より、と書かれた妙な手紙を知り合いから見せられた七夕 凪。
その後かかってきた電話に出ると、相手は一人目と彼のことを呼んできた。


選択肢なし、ミステリ、十分ほどで読み終わりました。
システム面ではバックログの記録がすぐに消えてしまうことが気になりました。
立ち絵や一枚絵はなく背景のみ。

緋密館殺人事件の三年後を描いた話、とのことですが、
スタッフルームやサークルサイトの制作日記に書かれている通り、
断片的過ぎるので全くわからず、興味を持てませんでした。
ただ、タイトルはなかなか気になるネーミングだと思います。
(3/29)

 

揺リ篭- Extra edition -/+9/Pla-Nine(500円)

執事として石神家に勤める桐生達也。
ある台風が近づいていた日、彼は突然気を失ってしまう。
気が付くと他の使用人やお嬢様と共に閉ざされた屋敷の中に居り、
スピーカーから命を賭けてゲームしろという声が聞こえてきたのだった。


選択肢なし、サスペンス、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
ただ、時計の鐘が鳴るのと共に文章が表示される演出があり、
初見では効果的でしたが二周目以降は飛ばせなくて面倒でした。
絵は若干硬い印象を受けましたが悪くない絵です。
効果音では爆発の音が派手でなくて、それが逆に生々しかったです。

話は閉じ込められた六人の男女が生き残るためにゲームを行っていきます。
人がよく死にますが過激な描写はほとんどなし。それでもそれなりにそれなりなので苦手な方は注意。
クリア後には五本のミニシナリオが追加され、こちらは完全にギャグ。

ゲームを行う前にいくつかのルールの提示があるのですが、
最後のルールが「このルールの中に一つだけ嘘のルールがある」というもの。
こういうひねくれた設定は燃えます。
ただ、ルールは一回しか話されないので、一旦ゲームを終了してしまったりすると
もう一度読み直さないとルールの確認ができなくなってしまいます。
メニュー画面等から全てのルールを常に確認できる機能があればもっと良かったと思いました。

シナリオでは一通り人物紹介が終わってすぐにゲームに突入してしまうので、
誰かが死んでもあまり強い感情を抱けなかったのが気になりました。
ただラストの展開はなかなかに悪趣味で洒落ていて良かったです。
この作品は次回作の序章に当たるとのことなので、それに興味を持たせる終わり方でした。
(4/1)

 

消せない過去(仮)C73版 ver1.00/MCC

高校三年生の志水ユウトは友人達とごく普通の日々を送っていた。
しかし、それは突然終わりを告げたのだった。


選択肢あり、異能力、十分ほどで読み終わりました。
システム面は一通り揃っていますが、デバッグ不足なところも。
絵は画像が荒いのが気になりました。

話は残留思念を読み取ることができる主人公が非日常に巻き込まれます。
いま誰の視点なのかわかり難かったり、台詞が棒読みに感じられたり、
地の文がただ起こったことを羅列しているだけだったりしてとても読みにくかったです。
制作したものを時間を置いて見る、あるいは他人に見せて意見を聞くことがまず必要な作品だと思いました。
(4/2)

 

フリックドロップ体験版αVer/.17

隕石が落ち、人類が滅亡しかけてから百年。
その隕石を利用することで、新たな科学が発展していた。
そんな時代、隕石を掃除することが仕事な青年と、一番高い塔に監禁された少年の物語。


選択肢なし、SF、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は一部立ち絵が影絵の登場人物がいますが、綺麗な絵柄です。
あとフリー素材らしいですが隕石から見る街の景色が良かったです。

話はフリックと呼ばれる隕石を掃除する青年、ユウガが最高の性能を持ったヒューマノイド、イロハと出会うAside、
監禁された少年、ハルトのもとへアマネという少女が忍び込んでくるBsideが交互に進んでいきます。
Asideの登場人物それぞれとの会話がどれも穏やかさというか善良さというか、
安心できるものがお互いの根底にあって心地よく感じられました。
Bsideはハルトの特性やアマネと会ったばかりということもあってややぎこちない印象。
まだこれからといったところでしょうか。
外側は綺麗、だけど内側では…という世界観の中で、
それでも想いや心といったものを描いてくれそうな作品に思えました。
(4/3)

 

病院怪談 体験版/アルケミスト・ラボ

恋人の金沢芳子を不可解な事故で亡くした主人公。
病院の怪談を追っていたという彼女の死の謎を解明するため、彼は夜の病院に忍び込んだ。


ストーリーに関わる選択肢はなし、ホラー、三十分足らずで読み終わりました。
システム面では一通り揃っていますが、文章が必ずページ末まで一気に表示されるのが気になりました。
絵は背景のみ。音楽はタイトル画面の曲が不安感を煽るものでした。

話は恋人が怪談話を聞いていたという人物と接触し同じ怪談を教えてもらい、
それが恋人の死と繋がるか体験するということを繰り返します。
また、その後任意で怪談話そのものを読むこともできます。
この体験版では二つ目の怪談までで続く。
一話目から霊の仕業としか思えない展開で、
死の謎もなにもただ悪霊に祟り殺されたのでは?と思ってしまいましたが、
二話目はちゃんと理由ある怪奇現象でした。
ただどちらに転ぶのか気になる部分もあるものの、ホラーとしてはやや怖さ不足に感じました。
(4/4)

 

(同人ソフト番外編・その他)

僕はキミだけを見つめる 外伝 サーベルタイガー編(18禁)/れいんどっぐ(1000円)

連続して発生した闇金業者の自殺について調べるよう日本最大の暴力団から命じられた
佐原拓実、カズ、ヒサら少年ギャンググループ「サーベルタイガー」の面々。
その事件を追ううちに拓実は様々なことを知るようになる。


選択肢なし、バイオレンス、八時間足らずで読み終わりました。
僕はキミだけを見つめるの数年前を描いた外伝。
システム面では右クリックメニューから右クリックで抜けられないのが気になりましたが他は問題なし。
絵は表情豊かで良かったです。

話は暴力団や警察関係者、ごく普通?の少女など色々な人物と関わりながら、
事件の解決を目指しつつ暴力団にトカゲの尻尾きりをされないように立ち回っていきます。
本編エンディング後、拓実が風早永遠に昔話をするという形の導入から始まるのですが、
Hシーンまでわざわざ語ってくれていて、永遠相手にそんな話するなよ、と突っ込んでしまいました。
もしどうしても語る必要があるシーンだったとしても、
語り終わった後に永遠が皮肉なり嫉妬なりの反応を示さないのは不自然だと感じました。
またほとんどの女性キャラに暗い過去や事情があって作中でそれらが語られるのですが、
色々ありすぎて逆にひとりひとりのことが薄まってしまった感があります。
それから拓実、カズ、ヒサも暴力団の組織力や銃が出てくるとほとんど歯が立たなくて、
現実的に描かれているという面では良いことなものの、
大暴れを期待していた部分もあったのでやや鬱憤がたまりました。
そういった気になる箇所が目についた部分はありましたが、
それ以上にそれぞれの行動や様々な思惑が絡み合ったシナリオはとても上手いと思いましたし、
各シーンごとでも笑いやほのかな青春あり切なさありハラハラドキドキありで楽しめた作品でした。
(1/15)

 

人読み師(乙女)/easel(フリーソフト/CD版は100円)

ある村で「人読み」という占いを行う師匠と弟子が、
婚姻に際しての「祝いの占」をするために都を訪れた。
そこには半年前に村から旅立ったまま戻らない弟子の親友がいて…


選択肢あり、恋愛、占い、恋愛対象は二人、四時間ほどで読み終わりました。
前作「
魔女の遺言」の番外編で(正確には魔女の遺言の続編の番外編だそうです)
プレイするためにはそのクリアデータが必要になります。
システム面は特に問題なし。
絵や音楽も前作と同様。

話は弟子が恋愛対象の人物にまとわりつきつつ、人読みとして一人前になっていきます。
例によってエンディングを見るのは簡単ですがコンプリートは結構手間がかかります。
前作の主人公もいい性格していましたがこちらもなかなかのもので、
特に隠者のお供である虫二匹とのトリオは面白かったです。
…感想がほとんど前作と同じになってしまいました。
それだけに前作が楽しめた方はこの番外編もきっと楽しめると思います。
(3/7)

 

 

(漫画)

StillEmotions#5/FuniFuniFesta!(B5/32P/300円)

田舎の高校でただ二人郷土部に所属している少年少女の話。
総集編の感想は
こちら
所信表明と題して舞台設定とかこぼれ話とかが箇条書きにされているページがあるのですが、
何度読んでも最後にぽつんと書かれている「これはもう、終わった物語。」が切なすぎです。
作中の二人が過ごしている日常が本当になんてことのない日常だけになおさら。

それはさておき今回はちびっこ書道部長登場の巻と他一本+おまけ漫画を収録。
ポニーテールの先輩もいいなぁ…とか。
おまけ漫画はコミティア81のPush&Reviewで郷土部に入っていいですかというコメントがあったことを受けてのもの。
そりゃあ、私だって郷土部に入りたいですよ。
(2/27)

 

 

(小説)

呑気な冒険者たち9 ニセ精霊使いの祝福/WIND工房(文庫版/312P/400円/コピー本)

エルフなのに精霊を見ることも操ることもできないが凄腕の傭兵リッツ、
見た目は少女、実年齢三十歳でハーフエルフ疑惑あり、魔法と大食いが得意なアンナ、
剣も魔法もまだまだ、特技は節約、傷つきやすい青年フランツたち三人の珍道中。
本編の後日談「突撃!王都の晩ご飯5 別れの晩餐は命がけ」も収録。
総集編1の感想は
こちら
4〜7巻の感想は
こちら

これだけページ数があってホチキス留め。すごい…
今回は諸事情からリッツが精霊使いのフリをすることになります。
しかし周りのサポートに加え本人が芸達者でもあることから大事にもならずソツなくこなしてしまいます。
それよりも今回のメインはフランツがこれから成長するための切欠だったのではないでしょうか。
今まであった甘えがなんだか他人事とは思えないのですが、
ともかくフランツがこれからどう変わっていくかが楽しみです。
でも次回はリッツの故郷が舞台でかなり暗い話になるとのことで今からちょっと憂鬱だったり。

過去の作品感想:
短編テーマシリーズ総集編1 がらくた箱
(1/27)

 

 

オマケ・ノベル第六号/オマケ・ノベル準備会(A5/172P/500円/コピー本)

「鍋」をテーマにした小説を
LEANGATEの斎川塔人さん、
雲上回廊の秋山真琴さん、
トラウムブルグ7番地のポチくんさん、
The SOTSの樹原 新さん、
Circletempoのナカオボウシさん、
サカナ・ノベルの川獺右端さん、
サークルVALLELのK弥生さん、
機械式少女のチャーさん、
やまいぬワークスの広川伊砂緒さん、
debrisの森皿尚行さん、
以上の各同人ソフトサークルのシナリオライターさんが書かれています。

オマケ・ノベル第四号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第五号の感想は
こちら

各作品の詳細なあらすじは
告知ページ参照。

今回はいままでのオマケ・ノベルの中でも屈指の作品揃いでした。
その中でも二番目に面白かったのはポチくんさんの「きりたんぽ鍋」
雪深い田舎を出て都会に住む男の少年時代と帰省した時の話。
方言台詞の多さと細かく区切られた段落が特徴的な作品で、
少年時代の暖かさと時が経ってなくしたものの寂しさ、生まれた郷愁、
そういったものが穏やかな調子で綴られている話でした。

他にも斎川塔人さんの「魔女の小鍋」はイサカが可愛かったですし、
K弥生さんの「Therefore ―― I love you.」は後半の仲睦まじさが微笑ましかったです。
チャーさんの「偏執狂たち」もニコニコどうぶつ村などといったネーミングとは裏腹に熱い展開で、またラストの哀愁も良かったですし、
広川伊砂緒さんの「雨ではなく雪でなく」もやりとりに情感が溢れていました。

秋山真琴さんの「FAREWELL DYSTOPIA / Boy meets World's End Girlfriend」は、
雰囲気はあるものの分量が少なすぎて説明が足りず話に入っていけませんでした。
樹原 新さんの「妹の『はやり鍋』」はネタのピンポイントさが笑えますが、
話の面白さという点ではもう一歩といった印象。
ナカオボウシさんの「一つの例」と森皿尚行さんの「オールスター家族対抗鍋合戦」は
私のとっては難解にすぎるもので、こんがらがって楽しめませんでした。

で、今回一番のお気に入りが川獺右端さんの「ロシア鍋」
なんとなく自殺未遂をしてしまった緑川やや子がふとネットで見つけた「自殺から生還する掲示板」
そこには自殺を思いとどまった人たちがオフで集まって鍋を囲む行事があって…という話。
お馬鹿な言動をしつつシニカル思考のやや子が魅力的なうえ
重大なことでさえテンポよくポンポンと進んでしまうブレーキの壊れっぷりも中毒性が高く、
常にこの先どうなるのかが気になる面白い話でした。
(1/27)

 

かっぱ革命/かっぱ革命(A5/28P/無料/コピー本)

中学生の水上綾乃は登校中、道端でうずくまる女性を見かけた。
体調が悪いのかと慌てて声をかけると、どう見ても人間である彼女は自分のことをカッパだと言い、
さらにお皿を探しているのだとしょんぼりしながら綾乃に告げるのだった。


朝カッパの人に会って、学校に行って、夕方またカッパの人と会って、続く。
というわけで完結している話ではないのですが、
天然で辛辣だけど優しい綾乃に呑気ながら無自覚に女たらしな言動をするカッパのお姉さん、
ノリがよくハイテンションな藤澤さんに真面目で正直者なバカ、香坂くんのクラスメイト二人、
どの登場人物も面白くて、そんな彼らがお互い会話している場面はさらに楽しかったです。

あとがきで一度コミックマーケットに参加したくて本を作ったけれど、
続くにしてしまったからにはまた参加しなければと書かれていて、
そのときには完成した作品を読んでみたいなと思いました。
(2/6)

 

メルクリウスの青い砂 設定資料集/Studio F#(A5/316P/1800円)

同人ソフト「
メルクリウスの青い砂」の設定資料集。
キャラクター、モンスター、世界設定やストーリープレイバック、
RPGパートのダンジョン内で読めるメッセージ、コメント一覧、
MIND/FRAGMENTSの全設問&回答集など収録。
付録にガイア連邦共和国年表。

攻略に使えるデータはあまりないとのことですが、
せっかくモンスター設定でHPや弱点が書かれているのですから
もう一声、攻撃方法(特殊攻撃の効果)とかもあると嬉しかったです。

興味深く読めたのは世界設定関連。仔細にわたって組み上げられた内容は圧巻。
ゲーム中には名前しか出てこないタウラビアやコルン(南北アメリカ大陸)についても知ることができましたし、
各自地区の位置関係や体制をちゃんと把握した上で本編を思い返すとまた新しい発見がありました。
「メルクリウスの青い砂」の世界をより深く知るためには必読の一冊です。
おすすめ
(2/6)

 

鳴鳳高校放送部/St.Lite(A5/34P/無料/コピー本)

高校入学直後、会田福助は局所的に有名なボケコンビ、深山宗八と樫悠一郎から放送部へと誘われる。
戸惑う福助に、二人は自分達が深夜無断で放送しているラジオを聞いてみるように言ってきたのだった。

コメディ連作。今回は第一話「鳴鳳通信」と第二話「魔法少年」を収録。
ツッコミ体質の福助がボケ二人にスカウトされておかしな会話を繰り広げます。
テンポが良くてかなり笑えました。
ただ、今回はツッコミ役がいなくてボケ倒しメインだった第一話のほうが面白かったので、
ツッコミ標準装備になりそうな次回以降でそれより笑えるものになるかどうかが気になるところです。
(2/27)

 

帰れずの娘ヒイラ2 あやかし狩り/霊幻樓(A6/94P/600円)

魔法が存在する異界と行き来できるようになった世界。
しかし同等の存在と交換でなければ行き来できないため、
現時点では少人数が交換留学として五年間それぞれの世界で生活するだけに留まっていた。
孤児の結花もそんな留学生だったが事故で元の世界へ戻れなくなってしまう。
寄る辺のない彼女は半強制的に大魔導師シュリのもとへ預けられ、ヒイラという名で生活することとなった。


今回はシュリやその部下の魔導師達と共に妖を狩りに出かけますが、
ヒイラはその周辺にいるという皇帝トドを見てみたいという観光気分。
しかし偶然が重なって思わぬ体験をすることに、という話。
第一話の感想は
こちら
人間以外にも魔法(魔導)を使える(むしろ人間より上手の)生物が登場します。
第一話同様、人間側での温かいシーンも良かったですが、
その生物のヒイラとの対話や、種族としての生き方・決まりごとについての話も興味深く読めました。

これから先、ヒイラに起こることの示唆もされていて、
その内容が冒険心を刺激されるもので続きがより気になるようになりました。


レッド・カーニバル(BL)/霊幻樓(A6/228P/1000円)

罰ゲームで勝為が翔に告白したことをきっかけに付き合うことになってしまった二人。
勝為はもとから翔のことを気に入っていて、しばらくすると翔もその熱意にほだされかけていた。
しかし罰ゲームだったことを知った翔は勝為に別れを持ちかける。


18禁表記はありませんが性描写やSM描写がかなりあるので苦手な方は注意。
物静かな外見ながらどこか歪んだ翔と、彼をとことん好きになってしまった勝為が、
紆余曲折ありながらも共に歩んでいきます。
と書くと前向きそうですが、色々と最後までダークな面も出てきたりします。
そんな中にもとことんラブラブな場面もあってにやけてしまったのですが、
それ以上に好きすぎて自分も相手も傷つけてしまう様が描かれていて惹かれるものがあった作品でした。

過去の作品感想:
縷々日記
(4/11)

 

 

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