Festival
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

ABYSS -殺人クラブ-(DL版の購入はこちら)

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2007/5〜

価格

温子編300円

年齢制限

18禁

特徴

殺人クラブ、暗殺者、学園サスペンス

2007/2の体験版時点では選択肢なし、四時間半ほどで読み終わりました。
2007/8の温子編時点ではバックログ、表示速度変更、既読/全てスキップ、オートモードなどがあり、
セーブデータは50個まで保存可能です。

 

あらすじ

――こんな噂がある。

平和なはずの学校で日夜繰り広げられる殺人儀式。殺人鬼たちは学校に生贄を放ち、追い詰め、陵辱し、殺し尽くす。選ばれる生贄にはなんの共通点も無く、ただ殺人鬼たちの目に留まったがために生贄となる。いまだ一人の生還者もおらず。また、これからも現れることは無いだろう。

狙われれば命は無い。
それが――アビスと呼ばれる噂だった。

 

幼い頃より殺人者となるべく育てられた少年がいた。
彼は必死に闇の中を生き抜いた。だがある日彼は失敗作とされ、日本へと送り返されることとなる。人間らしい感情を持たぬ少年は、周りから浮き立ち、自分の家にすら馴染めずに孤立していく。そんな時、少年は一人の少女に出会う。少女は少年に人間らしさを取り戻させた。少年よりもずっと弱いはずの少女は、少年を守った。それはなんとも微笑ましくも儚い、少年の記憶。

少年は成長した。過去の記憶もすっかり色あせ、普通の人間としての生活を続けていた。

 

だが――

笹山晶は生徒会の仕事の最中に居眠りをしたことがきっかけで、とんでもないことに巻き込まれる。出会ったのは白い仮面の殺人者。
噂でしかなかったはずの存在。そう、それはアビスと呼ばれる他愛の無い噂話だった。

この日を境に、晶は再び殺人者たちの世界へ――光から闇の世界へと舞い戻ることとなる。

(サークルHPより)

 

この作品について

絵担当の方が変わる前の体験版をプレイして楽しみにしてはいたのですが、
今回、追加された部分を読んでその気持ちがずっと強くなりました。

システム面では殆ど問題はありません。
分岐が入ってくるとセーブ数が10個じゃちょっと少ないかなというくらい。

話はアビスの活動に巻き込まれた(もしくは意図的に関わらされた)主人公が、
周囲を巻き込まないためにアビスが何者かを探ろうとする、というもの。
その過程であらすじにある少女とのすれ違いなども絡んできます。

昼は日常、夜はアビスとだいたい分かれていますが、
そんななか日常の象徴、朝霧 爽の暴走振りに
なんだか波長が合って(私はこんなはっちゃけませんが)お気に入りです。
もし彼女がアビスのメンバーだったらがっくりです。ていうか是非ヒロインに!

しかし話が進むにつれだんだんと昼が侵食されていきます。
夜は最初から非日常の雰囲気があるため心構えができますが、
平和だった昼に突然現れる非日常が怖く、また天を仰ぎたくなるくらいに理不尽で悔しいです。

アビスの正体は?そして結末はどのようになるのか?とても楽しみな作品です。

 

(ここより C72版プレイ後の文章です・2007/12/1)

ABYSS -殺人クラブ- C72版(300円)

選択肢あり、2007/2の体験版時点から追加された部分は七時間ほどで読み終わりました。
今回のものには共通ルートと温子ルートが最後まで収録されています。
諸事情により温子Hシーンが冬コミ後に配布予定ということでまだ入っていないのですが、
その部分で二人が両想いになる場面があるらしく、現時点のものでは唐突に気持ちが通じてしまった印象がありました。
ただ気になるのはその程度で話としてはとても面白かったです。
色々な出来事が起こって体感的には実際に読んでいる時間よりもずっと長く感じられ、それでいて各シーンが非常に濃密でした。
また、特にABYSS側の台詞で漫画やゲームネタが出てくるのですが、
そういったところでこの殺人クラブがゲーム感覚というか、遊びで人を殺しているという印象を強く感じました。

共通ルート、温子ルートでは時折挿入される本来の殺人儀式から見るとイレギュラーな面が多々存在していて、
それらがどういう風に解明されていくのか、とても気になりました。今後のルートも期待しています。おすすめ。

 

(以下幽ルート版についてです・2008/1/5)

ABYSS -殺人クラブ- 幽ルート版(18禁)/(500円)

選択肢あり、幽ルートは四時間ほどで読み終わりました。
パッチを当てた現時点(+patch1)では幽のメインHシーンは読むことができないようです。
また、温子さんルートにHシーンが二箇所追加されていて、そちらは計四十五分ほどの分量です。
システムや音楽等は変更無し。音楽ではタイトル画面の曲がお気に入りだったりします。

話の流れについてはネタバレになりそうなので詳しくは書きませんが、
ABYSSのことや主人公の過去がだんだんと明かされてきます。
今回の見所はマイペース幽さんオンステージ。クールな外見とのギャップが色々とあって可愛かったです。
それとラストシーン。共通ルートや温子さんルートにわずかなりともあった達成感が皆無で薄ら寒くなる終わり方でした。
途中のシーンもこれまで同様に濃密で面白かったです。おすすめ。

以下余談というか蛇足というか笑ったネタ。
作中、「
ですろり」に喧嘩売っているような文章があったりしてニヤリとしました。
もちろんパロディとかオマージュとか、そんな感じの悪意のないシャレですが。
あと主人公が女の子の家に勝手にこっそり入ってしまって、そこから気付かれずに抜け出そうとするシーン。
「それじゃあとりあえず、ドアの指紋を拭き取るところから―」さすがストー…元暗殺者ですね!

 

(以下爽ルート版についてです・2008/8/23)

ABYSS -殺人クラブ- 爽ルート版(18禁)/(500円)

選択肢あり、爽ルートは三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムなどはこれまでと同様。このルート固有の一枚絵は六枚+差分。
数少ない(らしい)爽好きの私としては今回は爽ルート版ということで楽しみにしていたのですが、
ふと考えてみると、多くの場合「○○ルート→○○の出番が多い」ですが、
ことこの作品においては「○○ルート→○○の出番が多い=○○がたくさん酷い目に」だと気づいて複雑な気分に。
とはいえ実際に読んでみると酷い目にもあいますが、珍しく他のルートよりはグッドな終わり方でほっとしました。
ただその分、爽ルートといいつつ爽よりもABYSSのほうが目立っていたのでまた複雑な気分になりましたが。
そんなわけで今回のルートはABYSSメンバーの過去とか動機とかが明かされたりします。
相変わらずこれからどうなるのか気になってどんどんと読み進めてしまう話でした。おすすめ。

(以下ネタバレ反転)
鬼塚さんがいい人、というか可愛かったですね!

人質を救出後さらにチェックポイント通過も達成しようとする場面で、
人質救出を高槻良子が認めないだろうと思っているなら
チェックポイントもなんだかんだで認めないだろうに何故学校に留まるんだろうと思いました。
残りチェックポイント回っているうちに幽さんを倒したアーチェリーと遭遇か
心変わりした丸沢と遭遇するに違いないと思った私はとことんネガティブ思考になってます。

 

(以下琴子ルート版についてです・2009/1/7)

ABYSS -殺人クラブ- 琴子ルート版(18禁)/(500円)

選択肢あり、琴子ルートは二時間半足らずで読み終わりました。
システムなどはこれまでと同様。このルート固有の一枚絵は十二枚+差分。
お玉を持った琴子が可愛かったです。
今回は晶の過去関連が中心。ただ全部明かされるわけではありませんでした。

(ネタバレ反転)
明らかにここから18禁シーンですよーというところですっ飛ばされたのは残念。陵辱どんとこい!
色々な目に遭う琴子が不憫ではありますが、
ラストはほんの少しずれたら壊れそうながらも良かったと思える終わり方でした。

御堂アキラが意外と弱めでしたね。
温子さんルートで高槻良子を圧倒していたのはまた別要因があるのでしょうか。


あと残すは最終ルートのみとのことで、現状から収拾つくのかとちょっぴり不安ですが、
今回も楽しめましたし、那美ルートも楽しみです。おすすめ。

 

(以下佐賀島ルート版についてです・2009/5/17)

ABYSS -殺人クラブ- 佐賀島ルート(ABYSS -さがしまでぃすく-)(300円)
+ABYSS -殺人クラブ- material collection PROTOTYPE(設定資料集)

選択肢なし、「ABYSS -殺人クラブ-」の番外編、三十分ほどで読み終わりました。
ニコニコ動画で公開されている話を収録。
システムなどはこれまでと同様。

本編の二週間ほど前、朱雀学園三大変人の一人、
佐賀島美咲が学園祭の出し物の一つとして調べていたABYSSの噂に関する話。
今回佐賀島さんは弱みを見せることが多くて、それはそれで可愛らしいのですが、
もっと変人たる所以をたくさん見てみたかったです。
とはいえ本編との関連が興味深かったので、
本編未読の方は共通ルートだけでも読んでからプレイするとより楽しめると思います。

あと、実際にその場面の描写はないものの佐賀島さんと爽と関わるシーンがあるのですが、
佐賀島さんが完敗していて三大変人といえど所詮は一年、我らが爽には敵わないか、と思いました。

設定資料集はABYSSのルール等の紹介、用語集、キャラ相関図、登場人物紹介を収録。
キャラ相関図はちょっとごちゃごちゃしていて見難かったです。
それと御堂は「ごどう」と読むのですね。今までプレイ中「みどう」と読んでいました。

 

(以下完成版についてです・2009/10/23)

ABYSS -殺人クラブ-(18禁)/(1500円)

選択肢あり、今回追加分は八時間と少し、全部で二十九時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システム面ではシーン回想でムービーを見始めると、
ゲームそのものを終わらせない限り途中で止められないのが少し気になりました。
音楽は「Desperate」がRPGのボス戦っぽい感じでお気に入り。
OPムービーに最終ルート用ムービーあり。歌はOP、挿入歌、EDあわせて五曲。
絵は一枚絵だと若干硬い感じで、立ち絵のほうがいいなと思いました。一枚絵は八十四枚+差分+α。

最終ルートは一番最初に読めるルートの続きで、那美シナリオ。
噂されている「殺人クラブ」をクリアした者のみが参加できる2ndゲームなるものに、晶たちが巻き込まれます。
それまでのルートで提示された謎はかなり真相に期待を持たせるものでしたが、
今回それが明かされてみると、期待に叶うものではない部分もありました。
勝手に期待を大きく膨らませてしまったせいではあるのですが。

ですがそういったところはあるものの、面白いのは間違いなく、
特に鬼塚と聖さん関連のエピソードは二人とも格好良すぎ。
あと温子さん身体能力が一般人なのに2ndゲームで大活躍していて強すぎです。
相変わらず文章が読みやすいところもいいなと思えました。
(ただ、複数ライターさんなので一部難解な表現がされている箇所はありました)
主人公の秘めた力が……という展開ではありながら、
ラスボス戦の決着は晶の境遇を象徴した闘い方で、単純にお約束で終わらなかったところも好印象。

前半での風呂敷の広げ方が上手すぎてそれがネックになってしまったことは否めませんでしたが、
それでも面白くて、おすすめできる作品です。

 

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