Studio F#
HP

サークルについて

オリジナルの同人ソフトを制作されています。

 

作品

メルクリウスの青い砂

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベル・RPG

発売年月

2006/12

価格

2000円 

年齢制限

なし

特徴

SF、女の子主人公、RPG

選択肢あり、ルートは六つ+ノーマルルート。
全部で五十時間ほどで読み終わりました。
主人公の名前変更(デフォルト名はユノ)、スキップ、シーンスキップ、バックログ、
文章速度変更、オートモード、RPGをスキップできる早解きモード、シーン回想などがあり、
セーブデータは48箇所まで保存可能です。

 

あらすじ

ガイアポリスに暮らしはじめてそろそろ5年。
最近、少女は割の良い仕事にありつけるようになった。
ウェイトレスの仕事は嫌いじゃなかったけれど、誰にでも出来るぶんそう大した稼ぎは期待できない。
いつまでも誰かの同情に甘えて生きていくわけにはいかないし、第一もうそんな子供じゃない。

少女は新米の【Ωダイバー】。
危険な方法で廃棄ネットワークの奥深くに潜り、そこに眠るデータを持ち帰る。
ここ十年ほどで確立されたばかりのその技術は、【1-bit diving】 と呼ばれていた。

あるはずのないSリンク
百年前の日付が刻まれた不思議なメッセージ

「教えてジュピター、私たちはどこへいくの?」
答は多分、あの広大な情報の海の中に。

(サークルHPより)

 

この作品について

一周目RPGパート一通りクリアして28時間かかりました。
二周目以降早解きモードでさらに共通部分をスキップしつつ進めると
一シナリオ二時間半〜三時間かかります。
それに各シナリオへ入るための試行錯誤や
洩らしたイベント回収を合わせると五十時間くらいかかる大作です。

 

RPGモードは「ダイブ」しているという感覚を味わえるという部分では良かったと思いますが、
色々と不便な所がありましたし、なにより分岐条件が整わなかったり別ルートに入ろうとしたときに、
もう一回同じ所をクリアしなければならないというのは非常に面倒でした。
なので早解きモードはすごくありがたかったです。
欲を言えば途中でも早解きON/OFFを切り替えられればもっと良かったですが。

戦闘のシステムは行動コマンドを打ち込むというもので、主人公の素早さ(入力速度)が速ければ
「睡眠攻撃+攻撃力アップ+防御力アップ+攻撃+攻撃+防御」
などのように一ターンで複数行動が取れるようになっています。
しかし雑魚敵との戦闘でいちいち複数コマンド入力は面倒です。
スクリプトカプセルというあらかじめいくつかのコマンドが入力されたアイテムもあるのですが、
いくつかといっても二〜三コマンドだけなのでとても弱いです。
自分で好きなコマンドを入れられるカプセルがあればなあと思いました。
その点イサのサポートスキル「インターセプター」がすごく便利でした。
(自分よりレベルの低い敵には即勝利。要するに経験値の入るトヘロス
また、アイテムショップでは一個ずつしか売り買い出来ないのが不便でした。
あと高レベルでないと使えないので普通に進める分にはいいですがサポートスキル「リターン」強すぎ。
(ダメージ反射、状態異常無効、自分のコマンド入力は普通に出来る)

 

音楽はものすごい数(99曲だそうです)あります。
もっとも一場面でしか使われていないものもあるそうですが。
作中で、シナリオの進み具合に応じて聴ける曲が入れ替わるお店はありますが、
常時全曲聴けるサウンドモードがないのが残念ですね。
私としてはウィルとジェラルドのテーマ曲が好き。
あとOP「Far From Eden」とED「JUNO」も良い曲です。
グラフィックは人物絵がやや癖があるものの、特に主人公の多彩な表情、
それにイベント絵や背景、動的な演出など印象的なものが多かったです。
雑多なガイアポリスや近未来的なネオポリスも良いですが、
五章や八章で舞台となる場所がお気に入りです。

 

シナリオの大まかな流れは、仕事でデータサルベージをしているときに偶然持ち帰ったデータをきっかけに、
百年前に破棄された政策判断コンピュータ「JUPITER」をめぐる争いに巻き込まれていくというもの。
このメインシナリオは全ルート共通で、その途中に個別シナリオが挿入されています。
そのためラストシーンはどのシナリオでも最後ほぼ同じ話に収束するため、今ひとつ新鮮味に欠けます。
加えてそのラストシーンそのものの流れやそこで明かされる真相なども、
王道的なもので驚くようなものではありませんでした。

また、基本的に街を場所移動選択して散策やダイビングするパートと、シナリオパートに分かれているのですが、
シナリオがちょっと進むたびに街散策が入るため流れが途切れてしまっている印象を受けました。
一週間後にメテオ落ちてくるけど実際には何回だって宿屋泊まれるよシステム」でもありますし。
それにイベント数が膨大で、その中には見るのが大変なものも多いので、
何回も試行錯誤するうちにどうしても話への没入感が薄れてしまいます。

しかし、街散策が少なくて個別シナリオが連続して発生する六章〜八章あたりがとても良いです。
ルートシナリオでは特にそう感じましたが主人公が健気で、
なんでもないときにはすごくいい娘で問題ないのですが
つらいことがあったときにはそれでも平気なふりをしているのがすごく痛々しいです。
どのシナリオでもそんな主人公と問題を抱えるそれぞれとの絵的な演出を加えたやりとりに惹きこまれました。

レインシナリオではそこまで大きな問題を抱えているわけではありませんでしたが、
主人公と同じくらいにいい人でそれ以上に明るくてすごく楽しかったです。

ただ、ウィルシナリオではウィルがどうしようもなくて
この甲斐性なし!ヘタレ!駄目人間!眼鏡!お前のせいでエピローグ集め大変なんだ!と罵倒してました。
なんだかんだいって九章ラストなどのシーンを読むと憎めないですけどね。

上でマイナス点として書いている街散策も、
シナリオが進んでいる途中に入ってくる所が問題なのであって、
各キャラクターとの会話はとても楽しめました。

 

気になる所はたくさんありましたがとても作り込まれていて、
この世界とそこで生きる人達の物語を存分に楽しめる作品です。

 

(ここよりメルクリウスの青い砂 追加データの感想です・2007/7/2)

「メルクリウスの青い砂」のイベント、会話、ダンジョンなどの追加パッチ。
パッチを当ててから現時点までで22時間超プレイしましたが、
会話、ダンジョンはともかくイベントがまだまだ回収できていません。
一応公式サイトにちょっとしたヒントがありますがそれだけでは…
それに何処で出るかわかってもそこまで進むのにかなり時間かかります。
でも、改めて登場人物と会話とかしてみるとやっぱりいいなぁと再確認できました。楽しい。
これからプレイされる方はこのパッチを当ててからにしましょう。

以下RPGパートのことを徒然と。
おそらくプレイした人にしかわからないことなのでご注意ください。
とりあえず全ホスト攻略しました。
ちなみに2から13のうちでは最後に残ったのはスペードの2(一番簡単)
イベントダンジョンだと信じ込んでいました。まさかボスがいるとは!
レベルはユノ66、ルート30、ウィル29、ディアス27、ジェラルド34、
イサ55、レイン32、マリカ30、アンジェラ1、アルビエラ1。
特にレベル上げはしていませんが例のはぐれメタル的存在を狩れるように調整
(素早さアップ多数装備)してたので結構高レベルなのではないでしょうか。
女の子二人は10章で出てこないので初期レベル。

戦闘コマンドでは眠り以外の状態異常攻撃とホルト(敵を高確率で一撃死)が使えませんでした。
状態異常は普通に殴った方が早いですし、ホルトはミスしたときにノーダメージなうえ、
ミスでもダメージを与える下位コマンドのスナイプの一撃死確率もそう低くないのでスナイプがあれば充分です。

アイテムではアンチウイルス(感染を治療)とレディオシェイカー(敵出現率低下)を良く使いました。
感染防御アイテム装備してても移動中の感染トラップを防げないのが理不尽。
あとデフォルトの敵出現率がやや高めなのもかなり面倒でした。

戦闘系サポートスキルでは以前書いたようにリターン強すぎ。それ以外が霞みます。
あとはフォーカス(敵のステータスを表示)がコレクター的な観点から使えます。

探索系では、インターセプター(自動で弱い敵を排除)、ループホール(すでに訪れたことのあるフロアに移動できる)、
フィールドホッパー(扉などのロックを解除)が便利。
特にループホールは間違えたSリンク踏んで最初からやりなおしになったときに復帰が楽ですし、
その上フロートアウェイ(ダンジョンから脱出)の代わりとしても使えて良いです。
インターセプターは追加会話でウィルとイサから横着するなと言われましたが、
後述の状況になる前はかなり時間短縮になるので重宝します。
マグネティック(そのフロアのアイテムを全て回収)も便利ですが、
アイテムを回収してもダイバーと話したりメッセージストーンを読むために
結局ほとんどの部屋を回るので使いどころはたまにしかありませんでした。

逆に使えないのはワールドビジョン(そのダンジョンの全マップがわかる)
難しいダンジョンになるほど別の場所へ飛ぶ仕掛けが多くなるのですが、
ワールドビジョンを使っているとどの仕掛けをまだ踏んでいないのかわからなくなってしまいます。
(訪れていない部屋は暗く表示されるので、行っていない部屋がわかる)
あとシースルー(宝箱の中身がわかる)もどうせ中にモンスターが潜んでいようが
お構い無しに宝箱開けるので(むしろトラップモンスターの経験値・お金は魅力)使いませんでした。

最初メインサポーターはインターセプター、マグネティック持ちのイサでしたが、
スプリクトカプセル「レオポルド(強攻撃+防御)」でダメージ250位(ほとんどの雑魚敵を一撃で倒せる)
出せるようになったらそんなに戦闘に時間かからなくなったので
主にレイン(ループホール持ち)、たまにルートorウィル(フィールドホッパー持ち)を使っていました。

とまあこんな感じでRPGパートあれこれでした。

 

(ここよりメルクリウスの青い砂 MIND/FRAGMENTSの感想です・2007/8/27)

メルクリウスの青い砂 MIND/FRAGMENTS(500円)

メルクリウスの青い砂に関するクイズ。クリアすると…
ノベル部分は一時間半と少しで読み終わりました。
ノベル部分の構成やクイズという形式上セーブはなしですが、
クイズをやろうとするたびに前置き話を読まなければならないので、
せめてクイズだけできるモードはほしかったです。

クイズは四ステージあって、それぞれ十問中八問以上正解でクリア。時間制限あり。
四択ですがなかなかマニアックな問題も多く、
何回かコンティニューできるとはいえ初見でクリアは結構厳しいです。

ノベル部分は今回地の文あり。そのかわり本編と違ってイベント絵は多用されていません。
本編では描かれていなかった部分の話で、特にジェラルド関連の所が良かったです。

 

(以下Halloween Night in GaiaPolisの感想です・2008/1/8)

Halloween Night in GaiaPolis(フリーソフト)

ハロウィンのお祭りが行われているガイアポリス。今年は花火もあるらしい。
しかしユノは一人きり。とりあえずみんなを探して歩き回ってみることに。


選択肢あり、メルクリウスの青い砂二章後のあたりを舞台にした番外編。
すでに公開終了になっています。
三十分と少しで読み終わりました。
ハロウィンということで登場人物が仮装をした立ち絵なのですが、
せっかくの衣装なのにメッセージが消せないので下の方が隠れてしまっているのが残念。

話は選択肢によって誰と花火を見るのかが変わります。
いじめっこオーラを纏って冷めたものをユノに食わせるイサの満面の笑みが笑えました。
ただURC男性陣の出番が他と比べて少なめなのにちょっとがっかりです。

 

(以下7番目の月の感想です・2008/1/12)

7番目の月(フリーソフト)

禅野市にある明松学園に通うユノは友人や先生達と日々を過ごしていた。
繰り返し繰り返し、日常を過ごしていた。


選択肢あり、ループ、メルクリウスの青い砂番外編。
一周は三十分ほどで全体では三時間半ほどで読み終わりました。
システム面ではセーブ画面などから右クリックで戻れないことが不便でした。
絵は制服がなかなか新鮮で女性陣が可愛かったです。

話は三日間が過ぎると最初の日に戻ってしまう世界が繰り返されます。
最終日の夜やバッドエンドルートなどは背筋が冷えました。
それから寮母さんがエイプリルさんだったのには笑いました。
ただ、能動的に事態を解決しようという場面はほとんどなく、
最終周で一気に話が進んでしまうので置いていかれたように感じてしまいました。

あと明松学園のことをあけまつとずっと読んでいましたが、後書きを読んだら違ったようで。
ゼンノ市のメイショウ学園なのですね。私の好きな分野じゃないですか(得意分野ではない)
もっとも名前だけで本編でなにか関連があるというわけではありませんが。

 

(以下メルクリウスの青い砂 設定資料集の感想です・2008/2/6)

メルクリウスの青い砂 設定資料集(A5/316P/1800円)

同人ソフト「
メルクリウスの青い砂」の設定資料集。
キャラクター、モンスター、世界設定やストーリープレイバック、
RPGパートのダンジョン内で読めるメッセージ、コメント一覧、
MIND/FRAGMENTSの全設問&回答集など収録。
付録にガイア連邦共和国年表。

攻略に使えるデータはあまりないとのことですが、
せっかくモンスター設定でHPや弱点が書かれているのですから
もう一声、攻撃方法(特殊攻撃の効果)とかもあると嬉しかったです。

興味深く読めたのは世界設定関連。仔細にわたって組み上げられた内容は圧巻。
ゲーム中には名前しか出てこないタウラビアやコルン(南北アメリカ大陸)についても知ることができましたし、
各自地区の位置関係や体制をちゃんと把握した上で本編を思い返すとまた新しい発見がありました。
「メルクリウスの青い砂」の世界をより深く知るためには必読の一冊です。

 

(以下メルクリウスの青い砂 1(漫画版)の感想です・2008/2/6)

メルクリウスの青い砂 1(A5/170P/900円)

メルクリウスの青い砂のコミカライズ版。
webで公開されているのを単行本化したもの。
同人ソフト版とストーリーはほぼ同じとのこと。

web版はビューワの使い勝手はまずまずだったのですが読み込みに少し時間がかかるので本になってから読みました。
ゲームではカラーでしたがこちらは冒頭を除き白黒なので、
髪の毛や目の色のことを言われても実感が薄いのではというところが気になりましたが、
反面ゲームでは触れられていなかった生活感が描かれているのが良かったです。
それにしても、まだ第一章(ゲームでは全十章)も終わっていないのにこのページ数…
一体完結したらどれだけの量になるのでしょうか。

 

(以下渡り鳥の門は遠く 体験版の感想です・2009/1/10)

渡り鳥の門は遠く 体験版 ver 0.9b
+PREVIEW小冊子(A5/20P)

上流家庭の子供達が日々を過ごす男子寄宿舎学校ペトルシキム・ギムナジア。
その生徒であるロディスとユリウスは庭師として働くジルと友達になる。
しかしあることがきっかけでジルは学校に姿を見せなくなってしまった。


選択肢あり、寄宿舎、ジュブナイル、三時間ほどで読み終わりました。
「メルクリウスの青い砂」と同じ舞台で、それよりも以前の話。
システム面はセーブ画面などから右クリックで戻れないこと、
メッセージウインドウが消せないこと、
マウスホイールからバックログを呼び出せないことが不便でした。
あとストーリーマップというそれぞれのシーンが時系列順に並べられていて、
任意のシーンを読める機能があるのですが、一画面に表示されるシーン数が少なく、
読みたいシーンまでひたすらボタン連打でスクロールさせていかなければならないので手間がかかりました。
絵はロディスが可愛かったです。女の子みたいで!
「メルクリウスの青い砂」でのあの活躍が嘘のよう…
OPにムービー、歌あり。


この体験版ではトッカル(旧ロシア)にある学校での生活の中で
ロディスが生まれ故郷のエウロ(旧ヨーロッパ)の困窮や政治体制のことで思い悩み、
またその周囲ではなにやら不穏な出来事が起こりそうな気配が伺えます。
ロディスもそうですがユリウスも「メルクリウスの青い砂」とは違い
色々と手玉に取られたり情けないところを見せたりしていてそのギャップが面白かったです。
そうして笑える部分もありましたが全体的なトーンとしては
十代前半の頃の話なためか儘ならないことが多く、抑鬱とした印象を受けました。

アドベンチャーRPGであった「メルクリウスの青い砂」と違ってノベルなので、
もっと文章を読みやすいシステムにしてほしいと思いました。

 

(以下2月15日のタンジェント・アーク ver 1.1の感想です・2009/6/26)

2月15日のタンジェント・アーク ver 1.1(フリーソフト)

バレンタインデーを寝過ごしてすっぽかしてしまったユノ。
慌てて一日遅れのチョコを渡しに行くが、
その先で目撃したタンジェント・アークによって、不思議な体験をしてしまう。


選択肢あり、過去・未来、一時間と少しで読み終わりました。
「メルクリウスの青い砂」本編後の番外編。
バレンタイン&エイプリルフールネタのミニゲーム。
システムは「
渡り鳥の門は遠く 体験版」とほぼ同様。
音楽は「メルクリウスの青い砂」本編で使用されたものやフリー素材が使用されています。
EDに書き下ろしの歌あり。
絵は立ち絵が夏服仕様(南半球の二月なので)になっていましたが、
表情変化が一切なく、楽しいシーンでも深刻なシーンでも同じなのがかなり違和感ありました。

アンケートで上位だったイサ、レイン、ジェラルド、それぞれのルートを読むことができます。
レインルートはレインがとにかく可哀想でした。そしてユノはレインの心をもてあそびすぎです……
ジェラルドは「渡り鳥の門は遠く」のようなバッドエンドあり。
レインルートの「アレ」もそうですが、
「メルクリウスの青い砂」の世界であまりそういう直接的な描写は読みたくないなぁと思いました。
直接的でなければ、むしろ世界観に深みが出て大歓迎なのですが。
それはさておき、ジェラルドは紳士っぷりにさらに磨きがかかっていて惚れてしまいそうです。
イサルートはそこで登場する人物との会話が本編とも大きく関わってきてとても興味深かったです。

話はイサルートをはじめとして楽しめたのですが、
立ち絵が「メルクリウスの青い砂」本編の多彩さを思えば今作はかなり物足りなく、
素材が足りないならばあえて表示させなくてもよかったのではと思いました。

 

 

(以下渡り鳥の門は遠くの感想です・2009/7/29)

渡り鳥の門は遠く(1500円)

上流家庭の子供達が日々を過ごす男子寄宿舎学校ペトルシキム・ギムナジア。
その生徒であるロディスとユリウスは庭師として働くジルと友達になる。
しかしあることがきっかけでジルは学校に姿を見せなくなってしまった。


選択肢あり、寄宿舎、ジュブナイル、全部で十一時間半と少しで読み終わりました。
「メルクリウスの青い砂」と同じ舞台で、それよりも以前の話。
体験版の感想はこちら
システム面は体験版で気になったことが全て修正されていました。
体験版のセーブデータが引き継げるのも有難かったです。
ただ場面の切り替えなどのときの動作がややもっさりしている印象。
音楽や絵は体験版と同様。OPにムービーと歌、EDにも歌あり。一枚絵は差分含め二百三十二枚。

ルートはロディス編、ユリウス編、真ルートの三つ。
クリスマス前後あたりの場面で、まだ危機は去っていないかもしれないのに
ほとんど手を打たずに日々を過ごしていて、ちょっと悠長に過ぎるように思えました。
ですが、真っ直ぐさや友情、淡い想い、成長、世界の狭さ、力のなさなど、
少年らしい良い所、それに至らない所が両方とも丁寧に描かれていて、切なくも眩しい話でした。

あとトッカル大統領夫妻がお気に入り。いい親です。

 

 

(以下シュガードロップ・ブレイクアウトの感想です・2011/9/25)

シュガードロップ・ブレイクアウト(乙女15推)/(1000円)

今は亡きエウロ前皇帝を母に持つマーゴットは十二歳の誕生日を機に人知れず育った別邸を離れ、
父親のいるアヴァロン城へと十二年ぶりに戻ってきた。
それまで純粋培養で育てられた彼女は、そこで権力闘争と愛憎渦巻く貴族社会を目の当たりにする。


選択肢あり、貴族、恋愛、九時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
一部に暗い性的表現を含むため注意とのこと。
システムは「渡り鳥の門は遠く」とほぼ同じ。
音楽は特に問題なし。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は画面を動かしていく演出が効果的に思えました。

「渡り鳥の門は遠く」よりも後、「メルクリウスの青い砂」よりも前が舞台。
将来は皇帝になるか暗殺されるか、な立場のマーゴットとその周囲の人々の物語。
前編終盤の展開が重苦しくて、惹き込まれました。
ただ後編終盤はそれに比べてあっさりとしていて物足りない印象。
とはいえ、条件を満たすと読むことができるようになる、
舞台裏を描いたサイドストーリーと合わせて、しがらみや愛憎たっぷりの読み応えのある作品でした。

 

以下リ・エンゲイジの感想です・2012/5/2

リ・エンゲイジ(1000円)

ロディスが直轄区へ赴任してから一年。久々にエウロへと帰ってくると聞いたマーゴットは歓迎の準備を整える。
しかしいざ再会してみると、嬉しさと同時に不安も感じてしまうのだった。


選択肢あり、恋愛、後日談、三時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽はいままでの作品と同様。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は、「渡り鳥の門は遠く」のアリサがずいぶん変わったなーと思いました。
あとヤコフさん髭似合ってなさすぎ。一枚絵は差分含め六十四枚。

「シュガードロップ・ブレイクアウト」から一年後の話。
選択肢で場所を移動したり会話したりしていきます。
音楽CDとしても歌や新規曲を聴くことができます。
「シュガードロップ・ブレイクアウト」から引き摺っていることはあれど、基本的に穏やか&楽しい日々でほっとしました。
後半、車内でのマーゴットとロディスの会話が初々しくてお気に入り。
あと、とりあえずお父様はとことんいぢめられればいいと思います。

 

以下天使の証の感想です・2013/1/16)

天使の証(1000円/特装版1600円)

次期大統領で大学生のユリウスは久しぶりに再会した叔父から羽が生えたハーピーの少女、ユキノを紹介される。
本来違法とされる人工生物であるハーピーとの対面に戸惑うユリウス。
しかし会話を重ねるうち、彼女に惹かれていくのだった。


選択肢あり、恋愛、未来、五時間ほどで読み終わりました。
「渡り鳥の門は遠く」の後の物語。
作中の曲は音楽CDとしても再生可能。
特装版にはフルカラー同人誌付属。
システム、音楽はいままでの作品と同様。OPにムービーと歌、挿入歌、ED歌あり。
絵は一枚絵でのユキノの瞳が綺麗でした。一枚絵は差分含め九十六枚。

ユキノと会話したり、大学に行ったり、街を探索したりして、ユキノとのことを悩んだりしていきます。
ユキノのところに通い詰めると話す話題がなくなってしまうのが、一人ヒロインのせいか妙にさびしかったです。
ですが、ユキノの明るさと、その立場からくる秘めやかな部分とが混じった二人の会話は、
綺麗で儚い雪のようで印象的なやりとりでした。

 

(以下姫君のトアル一日の感想です・2013/2/22)

姫君のトアル一日(フリーソフト)

「シュガードロップ・ブレイクアウト」のスピンアウト
マーゴット姫の誕生日に起こったあれこれの話。

選択肢あり、一時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽はいままでの作品と同様。EDに歌あり。
絵はエリンが目立ってるなあという印象、一枚絵は八枚。

姫様の行動によって八種類の結末に分岐します。
ゲオルグの大人げなさが治っていない……もうだめだこいつ。特にエリンへの暴言に笑いました。
叔父様は今回振り回されてばかりで親しみを持てました。
あとロディスがもはや渡り鳥のころのロディの可愛げがなく……ニムロデと呼びたくなるくらいでした。いやらしい!

 

(以下渡り鳥の門は遠く sing again/鍵のない箱の感想です・2014/10/27)

渡り鳥の門は遠く sing again(12推)(1800円/フリー版あり)(DL版の購入はこちら)
鍵のない箱(15推)

「渡り鳥の門は遠く sing again」は「渡り鳥の門は遠く」から立ち絵・イベント絵を一新し、
後述の「鍵のない箱」や他作品に繋がるいくつかのエピソードを追加したリメイク版。
「渡り鳥の門は遠く」の感想はこちら
シュガードロップ・ブレイクアウト」や「紫灰の日時計」でエウロの事情を知ってから読み直すと、
このシーンはこういう背景があってこういう行動になったんだ、というような新しい発見がありました。

「鍵のない箱」は「渡り鳥の門は遠く sing again」に同梱されている後日談。
本編で暗躍していた集団のその後が中心。

選択肢あり、四時間半ほどで読み終わりました。
システム面では育成ゲーム風味で、何度も選択をするのですが画面切り替えが遅めでやや面倒に感じました。
音楽はEDの歌がすがすがしくも寂しい曲でいいなと思いました。あとネオポリスの曲が懐かしい!
絵はミミの細さが彼女の生活を良く表わしていると思いました。一枚絵は差分含め百二十八枚。

本編の後に残された二人が一応の目的を持ちつつも寄り道したりし、選択肢によって十三のエンディングに分岐します。
「渡り鳥の門は遠く」の主人公サイドの後日談もあり。
ラフィータ何やらせても成功してて育てがいがあります。……悠長にしてるとだめですが。
スタッフロールが流れるエンディングは二つで、どちらもミミが軽率ながら最後の一線では慎ましやかで、
そんな彼女が幸せになるところを見れて良かったなあと思いました。

 

(以下シュガードロップ・ブレイクアウト SPECIAL EDITION/消えたライジング・パープルの感想です・2014/10/28)

シュガードロップ・ブレイクアウト SPECIAL EDITION(乙女15推)(1200円/フリー版あり)(DL版の購入はこちら)

「シュガードロップ・ブレイクアウト」から新規ルートやエピソードを追加、CG修正した新装版。
「シュガードロップ・ブレイクアウト」の感想はこちら

新しく追加された影の剣ルートは選択肢あり、一時間半ほどで読み終わりました。
本編中盤から分岐するエリン先生ルートで、ネタバレ多すぎるため話の内容については伏せます。
が、私はゲオルグとニムロデを一生許さない! と決めているので、
(もちろん「シュガードロップ・ブレイクアウト」及び「メルクリウスの青い砂」での所業のため)
むしろ影の剣ルートが正史でいいんじゃ? と思わなくもなかったりしました(ちなみにベネディクトはわりと好き)
ジェラルドは可哀想ですけどね……


消えたライジング・パープル(フリーソフト)

とある事情により、宝物庫の指輪を盗むため予告状を父親に送ったマーゴット。
しかし決行するより前に、指輪が盗まれていたことを知らされる。
マーゴットは聞き込みを行い、犯人を推理するのだった。


選択肢あり、推理、四十五分ほどで読み終わりました。
2014年夏コミ女性向け同人ゲームシールラリーの景品ゲームをフリー配布したもので、
シュガードロップ・ブレイクアウト」のスピンアウト。
システム、音楽、絵は特に不便や合わないような箇所なし。

お城の中を歩き回って聞き込みをしたり隠れて様子を伺ったりしながら情報を集めていきます。
時折即ゲームオーバーの選択肢がありますが、それを除けばさほど迷わずに解決まで持っていくことができました。
真相は暖かい気持ちにさせられる心地良いものでほっこりさせられました。

なお2014年10月31日までハロウィンパッチ同梱版がダウンロード可能で、パッチを当てると立ち絵がハロウィン仕様になります。
初っ端からマーゴットが可愛すぎて悶えました。是非配布終了までにダウンロードすることを推奨いたします。


(以下聖夜の檻の感想です・2015/1/5)

聖夜の檻(フリーソフト)

檻にとらわれたあなたはどこからともなく聞こえてくる声に導かれ、鍵を使用し檻から出る。
そこには、同じように檻にとらわれた五人の者達がいた。
声は五人の中からサンタを見つけろというのだった。


選択肢あり、論理パズル、十分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
「メルクリウスの青い砂」登場人物の出演あり。
システム、音楽、絵は今までの作品と同様。

一人の正直者とそれ以外の嘘つきの発言からサンタを特定していきます。
サンタ探し部分はわりとわかりやすい発言をしてくれるのでそれほど難しいとは感じませんでした。
「メルクリウスの青い砂」面々のやりとりを見ることができて懐かしくも嬉しかったです。
特に司会さんが意外と(?)やさしくてニヤリとできました。
あと、ほとんどの登場人物が「あなた」のことを呼び捨てにしてくるので、
名前を「ゴミムシ」とか「(自粛)」にしてユノに罵られている……!! なんて歪んだプレイをしたりしていました。

 

(以下Lie-Leiの感想です・2015/10/24)

Lie-Lei(フリーソフト)

シュガードロップ・ブレイクアウトSPECIAL EDITION追加ルート「影の剣編」の後日譚。
選択肢あり、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は夕焼けの二人が綺麗で印象的でした。
一枚絵は差分含め二十五枚。

マーゴットとエリンがすれ違って行きます。
エンディングは二種類。
どちらも強情でもどかしくなりました。
特にマーゴットが、あと一言伝えれば……という場面が多くて……!
でも、ラストはどちらも良かったなあと思えるもので……やっぱり影の剣編が正史でいいんじゃないですかね!

 

 

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