2010年同人ソフト感想リスト

プレイ順です。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

まとめ  完成版  体験版  その他

 

2010年同人ソフトのまとめ

おすすめ完成版
ヴィザルの日記/雨傘日傘事務所
無能宣言/ゴリッチュ
午前零時の讃美歌/雨傘日傘事務所
黒曜鏡の魔獣/雨傘日傘事務所
夏仕舞冬仕度/ヲサカナソフト/Breezeway

新規期待の作品
ひな鳥のたつる水の音〜二人きりの水泳部〜/下野流星工房

おすすめ以外で面白かった完成版
いりす症候群! 2.03/いりす症候群! 滅/カタテマ
Normalize Human Communication/むきりょくかん。
この世で最も残酷なキス/agony
終末症候群/LEANGATE
私とあなたといた世界/mur-mur/CALMFLAP
FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-/MUYM
夜空をねがう少女/空と雲と風
人形たちの森/AA工房
空想彼岸/宴
雪神一雫/雨傘日傘事務所
神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜/雨傘日傘事務所
女装少年らぶえっち/サークルおしゃれ
霊刀キザクラ 〜桜花の剣と惑竜章〜/雨傘日傘事務所
雨の日と雨の日の次の日/人工くらげ

他に良かった作品は、
完成版では「
スワンプマンに花束を」「アマイミライ」「ホワイトノイズ」「ゆいのコトノハ
エリュズニールの騎士」「紅湖の皇子」「ぷるぴら 〜 solid situation love comedy.
だれかのかがみ」「無限夜行」「キャバ嬢 A GOGO !!
連作では「
Succu!! 日本編ぷらす」「小此木鶯太郎の事件簿 三つの謎宮」です。

絵では「
アマイミライ」「人形たちの森」が水彩風で綺麗。「私とあなたといた世界」の一枚絵も良かったです。
また、「
ひな鳥のたつる水の音〜二人きりの水泳部〜 体験版」の背景も印象的。
演出では「
ヴィザルの日記」「神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜」「黒曜鏡の魔獣
紅湖の皇子」「霊刀キザクラ〜桜花の剣と惑竜章〜」雨傘日傘事務所さんの作品ばかりだ……
あと「
夏仕舞冬仕度」の詩歌演出がいい感じ。
ムービーは「
なんDAそれ!?」が往年のヒーローものっぽいです。
ボイスは「
ヴィザルの日記」コルク先生の声がハマりすぎです。
話の構成が印象的なのは「
FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」「無能宣言
空想彼岸」「小此木鶯太郎の事件簿 三つの謎宮
音楽は「
夜空をねがう少女」が効果音含め不気味でした。
歌は「
この世で最も残酷なキス」のED「青空の記憶」
FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-」のOP「VAMPIRE」ED「雪景色」
夜空をねがう少女」の挿入歌「yoormoon」とED歌「零れ落ちてく願いの欠片」
人形たちの森」のED「人形(ヒトガタ)たちのみる物語(ユメ)は」
ヴィザルの日記」のED「記憶 ―Memento Mori」がお気に入り。
あと「
無能宣言」はどの歌も良かったです。
(2011/1/29)

 

(完成版)

【One dot contest】第二回エントリー作品感想

第一回の感想はこちら

いつかきっとうまくいく/風華ソフト(フリーソフト)

未成年だけに感染し、致死率二十五パーセントというウィルスが蔓延する世界。
橙雲学園はそのウィルスがいない離島に建てられた教育施設だった。
そこに通う柊子(ノエル)は最近体調不良と記憶の混乱に悩まされていた。


選択肢あり、普通じゃない学園、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
立ち絵は影絵。

柊子を含めた男女五人が、部活と称してとある計画を立ててそれを実行しようとします。
最後に判明する柊子の体のことは、それを想像するとぞっとしました。
あと、エンディングで出てくる画像演出がいいなと思いました。
このシリーズ(といっても単体で完結している話ですが)の中ではかなり希望に満ちた終わり方ですね。
ただ、(ネタバレ反転)
いままで何回も実行されたことなら、なんでいつも船の鍵がそのままなのかが気になりました。
罠だとするならば対処を柊子だけに任せることもないでしょうし。


過去の作品感想:
竜の見る夢(体験版)さもなくば懐は鉛筆でいっぱいに終わらない放課後でまた逢いましょうPNOS五分間事件
(1/23)

空の流刑地/のっぺりや(フリーソフト)

宇宙に浮かぶ刑務所で目覚めた主人公。
そこの所長が言うには、この刑務所にはおばけが出るという。
内部をうろついていた彼は、一人の女の子に出会う。

選択肢ありですが一本道、お互い好きだって何となく分かっているのに告白出来ないままの人達がテーマ。
十五分ほどで読み終わりました。主人公と女の子の名前変更可。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システムは特に問題なし。音楽は山場でかかるものが良かったです。
絵は童話のような可愛らしさがありました。

目覚めたばかりの主人公がきっかけで、女の子や所長達の関係が変化していきます。
主人公や女の子のおろおろする様が微笑ましかったです。
前半は右も左もわからずあまり説明もないのでやや退屈に思えてしまいましたが、
山場は展開と絵柄、音楽がしっかりとかみ合っていて、ぐっとくる作品でした。
(1/23)

世界救済計画/風花の工房(フリーソフト)

双子の天才科学者、神谷慶一、慶二はとある計画を実行に移そうとしていた。
慶二はおかしな実験となるといつも邪魔をしてくる助手のケイ・ダッシュを足止めしようとするが……。


選択肢あり、変態科学者、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システムは特に問題なし。
音楽はおまけモードのノイズが鳴りっぱなしなのがちょっと耳に障ります。OP、EDに歌あり。
立ち絵は背景とあまり合っていないように感じられました。

慶二の対応により世界救済計画が成功したり失敗したりします。
エンディングは五種類。
ラブコメといえなくもない話(※ただし主要人物は全員男)で、文章のみですがあえぎ声とかあり。
本当に(変態方向に)性質の悪い科学者が描かれていて、すごくテーマ通りだと思うとともに、
苦労性のケイ・ダッシュとの会話が笑えました。

過去の作品感想:
真夜中の恋人
(1/24)

彼らの苦悩/七色(フリーソフト)

とある場所にあるとある学園。
そこに通う彼らには、悩みがあった。


選択肢なし、普通じゃない学園、五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
立ち絵は影絵。

とある学園の生徒による愚痴大会。
まず初っ端からインパクトがありました。
その後交わされる愚痴もナンセンスさ満載で可笑しかったですが、
最後まで同じ舞台で突っ走った方が良かったのではと思えました。
最後出てくる人たちの立ち絵もそれまでと同じ方向性ですが、
二度目(途中に出てくる先輩を入れれば三度目)なのでくどく感じてしまいました。
(1/24)

double パニック!/下僕天国(フリーソフト)

幼馴染で想いを寄せている和樹が告白される場面を立ち聞きしてしまったマキ。
それ以降彼を避けていたが、次の日起きると和樹そっくりのアンドロイドが傍にいたのだった。


選択肢あり、変態科学者、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システムはまぜまぜのべる使用でセーブできないことを始め、使い勝手の良くないところがありました。
音楽は特に問題なし。絵はやや画質が荒い感じ。

天才ロボット工学者の娘が空回りする話。
エンディングは二種類。
マキの思い込みがお約束過ぎてある程度どうなるか最初からわかってしまいましたが、
どちらのラストもくすぐったいようなやりとりがいいなと思えました。
(1/25)

RoseRose〜バラ薔薇〜/白桃花-hakutouka-(フリーソフト)

薔薇の香りに誘われた先で洋館を見つけた主人公。
そこにはミーナという可憐な少女がいた。
主人公は彼女目当てで洋館に通い詰めるが……

選択肢あり、お互い好きだって何となく分かっているのに告白出来ないままの人達、
十分ほどで読み終わりました。主人公の名前変更可。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
立ち絵は少女の可憐さと、もう一人の醜さがしっかりと伝わってきました。

少女以外に洋館には怪しげな人々が……というサスペンス。
エンディングは二種類。
主人公と少女がいい人なので、もっと別の終わり方も見てみたかったなとも思いましたが、
むしろこの二つだけしかないおかげで後味の悪さが際立っている気がするので複雑。
上ルートの結末が特に印象的で、洋館、バラ、ドレス等の負のイメージを生かして、
しっかりと雰囲気作りがされている作品でした。

過去の作品感想:
Braver's Tail
(1/25)

G戦場ノ我ラ/月の水企画(フリーソフト)

冬期休暇を迎えた霊峰園女子大学。寮に残る学生も、あと二人を残すのみとなった。
四宝院穏と千薙元子。とある理由で帰省を先延ばしにしていたその二人に、忍び寄る影があった。


選択肢なし、お互い好きだって何となく分かっているのに告白出来ないままの人達、
二十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システムは特に問題なし。
音楽は最初の場面でかかる曲がお気に入り。
絵は最後のシーンの一枚絵がお気に入り。

寮の部屋が戦場と化した一幕+その中で繰り広げられるマニアックお嬢様論争、のち仲良し。
これでコンテストの制約クリアか、と思ったらさらに仕込みがあったのが印象的。
話は最初の静謐さとは打って変わっての戦いは面白かったのですが、
それ以上に終盤のシーンが良かったので、戦いがちょっと長引きすぎに思えてしまいました。
ただ、そう思えるほど二人の儚いけれど穏やかな雰囲気が魅力的に感じられた作品です。

あと、穏(のどか)のあだ名「のどちん」を見た瞬間、
これで済むはずがないと思いましたが、やはり作中でネタにされていました。

過去の作品感想:
三匹の犬の夜月槍譚 -Mind of A Lunatic-
(1/26)

ランチ・アワー/ミニポテト(フリーソフト)

生徒会長のかしゅあと副会長のましゅあ、そして半年前に転校してきた美菜は親友。
しかし一週間くらい前から様子がおかしい美菜を心配して、
かしゅあとましゅあは一緒にお昼を食べるために屋上へと美菜を誘うのだった。


選択肢なし、普通じゃない学園、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
立ち絵はキャラクターなんとか機使用。

かしゅあとましゅあが美菜を元気付けたり恋の相談に乗ったりします。
学園の説明時などでおや、と思うところはありましたが、
それでもなお後半の展開にはびっくりしました。
前半の女の子同士のにぎやかな会話と、後半の展開、一つの作品でどちらも味わえる話でした。

一つ気になったのですが、屋上に出るのはいいのでしょうか。生徒会ならOK?
(1/26)

スワンプマンに花束を/はいぺりよん(フリーソフト)

病院で目覚め、それまでの記憶がない主人公。
目の前には、医者を名乗る白衣の男性と、その娘がいた。
男性は自分達の境遇と現在の苦境を語り、それをなんとかできるのは主人公だけだと言ってくるのだった。


選択肢なし、有名な家族を持つ主人公、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
立ち絵は父親と娘だけ。

父娘の身の上を聞いていくうち、あるきっかけで主人公の記憶が明らかになります。
もうちょっと前半に父娘仲睦まじい描写があれば
より後半が劇的になったかもしれませんが、現状でも十二分に印象的。
特にスタッフロール直前の一言は単体としてもいい台詞でしたが、
さらにコンテストのルールが上手く絡められていてとても格好良かったです。
その上エピローグでも驚きがあって、制約を非常に効果的に生かしている作品でした。
(1/27)

ハイノネウタ〜Song with Gray Sounds./板村唯(フリーソフト)

僕は朝起きて、学校に行って、帰宅する。
その間、幼馴染や同級生や先輩と会う。
そして、一人寂しく眠りにつく。


選択肢なし、普通じゃない学園、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
セーブ機能はありませんがかわりにシナリオジャンプ機能あり。
音楽はなし。
絵は白黒の背景のみ。

主人公が一日を過ごす中で五人の女の子と出会います。
このコンテストの制約は、登場人物五人まで、と姿形が全く同じ人物を登場させること。
では、主人公含め何人なのか、同じ姿形なのは誰なのか、が肝。
そこに重点が置かれているので話そのものは面白いとはいえませんが、
作品を何度も読み込ませる仕掛けは面白いなと思いました。
ただ、よくわからない部分も多かったです。解答編求む。

過去の作品感想:
重奏世界のイデアル
(1/27)

72/小倉ハムスター(フリーソフト)

全ての人間が特定の人物と同じ姿、同じ声に見える機械、ネオビジョンのモニターを頼まれた誠次。
モニターの内容は、そのネオビジョンを付け、ある人物と72時間生活を共にするというものだった。
そしてネオビジョンには、誠次が想いを寄せる静姫に見えるよう設定されていた。


選択肢なし、お互い好きだって何となく分かっているのに告白出来ないままの人達、二十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。ただ絵やスクリプトが暗号化されていません。
ファイル解凍したらいきなり水着立ち絵が出てきてまごまごしてしまいました。

誰かと共に過ごす中で、相手が誰なのかを言動から考えたりしていきます。
結構早い段階から、相手が誰なのか気付いてしまいましたが、
わかっていても山場の展開はぐっときました。
あと水着に見えるようにもできるなんて、このネオビジョンは素晴らしすぎます。
最後にお約束として……六人いる!

過去の作品感想:
CD−LimeCD−Manatsu群青蝶
(1/28)

たとえばこんな七不思議/インコ(フリーソフト)

文化祭の出し物として、学校の七不思議に漏れた没七不思議を調査することになったオカルト研究部の二人。
その内容とは……

選択肢なし、普通じゃない学園、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。おまけで用語解説あり。
立ち絵はなく背景のみ。

没七不思議の内容がことごとくアブノーマルで、
特に一番最初の不思議は心の準備ができていなかったので思いっきり笑ってしまいました。
他にお気に入りは四番目のおぞましい不思議と七番目の他とのコラボ不思議。
没七不思議を全て調査した後しばらくはややトーンダウンしてしまった感がありましたが
そのまま強引に突っ走ったラストは没七不思議とまた違った馬鹿馬鹿しさで笑えました。

過去の作品感想:
フリーソフト制作過程選択肢の無い謎解きノベルフリーソフト怪談余話フリーソフト恋愛忌憚夏休みin宿題日記in言い訳フリーソフト難問奇問フリーソフト質疑応答
(1/28)

第二回【One dot contest】参加全作品を読み終えて
お気に入りは「空の流刑地」「G戦場ノ我ラ」「たとえばこんな七不思議」
しかし他の作品も良作揃いでした。
そんな中、一番のお気に入りは「スワンプマンに花束を」
あの台詞と仕掛けは本当に上手いなぁと思いました。
(1/28)

 

いりす症候群! 2.03/いりす症候群! 滅/カタテマ(フリーソフト)

前のverから若干のバランス変更を加えたver2.03に、
4万点を超えると遊べるようになる「いりす症候群! 滅」を同梱。
前のverの感想は
こちら
ver2.03での主な変更点は、落ちてくるブロックが壁に当たっても実体化しないことと、
実体化したブロックに白いのを何回当てても白いのが残らなくなったこと。
どちらも難易度低下の方向です。おかげで十数回やって十万点超えることができました。
なお、前のverの感想で十万点超えられないと書きましたが、
あのあとまぐれで一回だけ超えられました。一回だけ。

滅は基本的に通常モードと同じルールですが、下から丸いのが浮き上がってきます。
上下両方からブロックが来るのでかなり難しいです。
ただ丸いのを消した時の点数が多めなので、点数は取りやすいです。
気をつけることはなるべく四角ブロックを腐らせないようにすること……なのですが、
色の種類が増える頃からそう簡単にはいかなくなっていきます。
腐った四角ブロックが何層にもなって、丸いのに押されて上に迫ってくるときの絶望感は異常。
現時点では十万点超えは達成しましたが、
LV100は……これからちょこちょこプレイしていつか辿り着きたいと思います。

ストーリーはうーじメイン。
何書いてもネタバレになるので詳細は省きますが、
一定条件で出てくるテキストファイルの文章量が結構あるので、
パズル部分だけでなく話もしっかりと楽しめる作品です。

過去の作品感想:
愛と勇気とかしわもち魔王物語物語いりす症候群!愛と勇気とかしわもち 邂窓の中の宇宙戦争勇者御一行様殺人事件オトツカイタイムアタック!RPG勇者の憂鬱
(2/15)

 

Normalize Human Communication/むきりょくかん。(フリーソフト)

写真を趣味にしている大学生の佐古慎平は
榎町鈴乃という少女に声をかけられ、彼女のポートレートを撮ることになる。
しかし鈴乃は、難病に罹っていたのだった。


選択肢ありですが一本道、遺影、二時間半ほどで読み終わりました。
システムはフラッシュなので巻き戻しと文章を消す機能しかなく、読みやすいとはいえませんが、
セーブ機能がないことはシナリオジャンプモードである程度補われています。
音楽は特に問題なし。EDに歌あり。
絵はタイトル画面の画像が印象的。
鈴乃はどこにでもいそうな娘といった感じでいいなと思えました。

鈴乃の写真を撮りながら、話をしたり旅行したりというコミュニケーションを重ねていきます。
鈴乃が達観しているところがあって、
直接的な悲劇描写がないのがより悲しくなりました。
鈴乃の周囲にいる人々も苦悩しながらそれでも日々を過ごしていて、
佐古は鈴乃の病気を知ってからの、鈴乃との約束を貫こうとする様にぐっときましたし、
店長も佐古をからかう前半と、後半どちらも存在感があって、この話をより印象的なものにしています。

みんな無力で、でもみんな強い、そんな物語でした。

過去の作品感想:
ごがつのそら。
(3/1)

 

ベルリン教室(15禁)/小豆クリーニング(フリーソフト)

夜の教室に天使がいて、片思いの恋を叶えてくれるという噂があった。
その当事者である天使が久しぶりに召喚されて赴いた教室。そこには変質者がいた。


選択肢なし、青春、コメディ、一時間ほどで読み終わりました。
システムは現在のverではsavedataフォルダを手動で作成しないとセーブできませんが、
それ以外の部分は問題なし。EDに歌あり。
絵はラフ絵で、背景まで描かれているものはいいのですが、
写真背景とはちょっと合っていないように思えました。

天使が恋を叶えようと四苦八苦しつつ好き放題する話。
「シナリオの鉄人」に参加予定だった作品とのことで、
女の子の立ち絵は自作ですが「シナリオの鉄人」の二人に似ています。
下ネタは面白かったですし、特訓シーンは楽しそうでしたし、終盤の展開も印象的でした。
ただ、それらの合間にあるシーンがネタ方向としんみり方向のどっちつかずで、
それほど長い話ではないですが冗長に思えてしまいました。

過去の作品感想:
ほん呪! durbbing girls revival fest
(3/11)

 

この世で最も残酷なキス/agony(フリーソフト)

学校でいじめられている「私」はある日、誘拐犯の人質となってしまう。
逃亡生活の同行者となった二人は、各地を転々としていくのだった。


選択肢あり、逃亡生活、ボイスあり。一時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムはいくつかのメニュー画面で右クリックで戻ることができないのがやや面倒。
音楽はEDの歌「青空の記憶」がいい曲。
一枚絵は六枚+差分+デフォルメ色々。

女子高生と中年の共同生活。エンディングは二種類。
誘拐という緊迫した状況なのに最初っ端からずっと、
どこか呑気な言動をする二人が可笑しくてなんだかわくわくしました。
いままでの作品とは違ってさほど(あくまでさほど)鬱展開はないですが、
ラストでの主人公の決意は、そこで流れる歌も相まって強い意志を感じさせるもので、
心地好く読み終えることができた作品でした。

あと本筋とはまったく関係ないですが、
大きい方のことを体の中をリフレッシュと言い換えるのはいいセンスだなと思いました。

過去の作品感想:
さくっとパンダおじさん酷罪を受けるべき者Nと言う名の男、Bと言う名の女キナナキノ森
(3/12)

 

終末症候群 Terminal Syndrome ver1.6 [the end of syndrome](18禁)/LEANGATE(最終章追加パッチ)

異能犯罪の捜査官で執行人でもある相模レンは、
常になく異能者が起こす事件が増えている中、
補佐官の雛代シズクと共に仕事をこなしていた。


追加部分は選択肢なし、二時間足らずで読み終わりました。
流血、グロ描写あるので苦手な方は注意。
ver0.2の感想は
こちら
ver1.4の感想は
こちら
ver1.5の感想は
こちら
システム面や絵はver1.5と同様。
EDに歌あり。

今回は最終章が追加されています。
Hシーンが多めですが、あんまりエロくないなぁと思いました。
琴島やシイと比べ、雛代は純粋すぎて色気がないです。
話としては中盤、レンはたとえそう思っていたとしてもそこで安定するはずが無い、と考えていたら、
最後はやっぱり最初からの目的を叶えていて、この結末しかないと思えました。
わかりにくい部分も多かったですが、ことレンについては一つのことを貫いていて、
その先には終末の美学とでも言うべきものが感じられる作品でした。

過去の作品感想:
reinVERSE 体験版
(3/13)

 

アマイミライ/Fortune Bell -フォーチュンベル-(フリーソフト)

ある天才科学者の青年と、不治の病を患っている婚約者がいた。
彼は治療法ができるまで彼女を冷凍睡眠させることにした。
そうして十年後、ようやく治療法を確立した彼が取った行動とは……


選択肢なし、未来、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は水彩で情感ある絵柄でした。

愛するものの病を治すため全てを懸けた男、というところまでは美談ですが、
そこにちょっとの見栄が入り込んでしまった話。
落ち着いたトーンながら感情はしっかりと伝わってくる文章で、
男の乱高下する有様が残酷なほどまざまざと描かれています。
誰も悪くなく、ただちょっとボタンを掛け違えてしまっただけながらも、
穏やかな悲劇とでもいうような作品でした。

過去の作品感想:
剣の姫君と101本の魔剣 体験版さとりのよるユウレイのいた道恐れていたバリオラ星人の地球侵略作戦
(3/14)

 

ホワイトノイズ Web公開版/イヌビト(フリーソフト)

ごく平凡な高校生活を送っていた榊原瑞希と、一流企業に勤めながら連続殺人を行なっていた上村多加子。
二人はある夜、被害者と加害者として出会う。
その出会いは、被害者のみならず加害者の日常をも壊す出会いだった。


選択肢あり、サスペンス、六時間ほどで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。
絵は鵜飼さんがあまりに適当すぎて山場のシーンで浮いてしまっているのが気になりましたが、
画面に貼りつく血や、動きのある演出は良かったです。
一枚絵は四十八枚。

瑞希と多加子、時折他の人物と視点が入れ替わりながら話が進んでいきます。ルートは三つ。
超常現象も絡んできたりしますが、その原因は明かされないままなのでちょっと消化不良な感じ。
瑞希はいまどき珍しい純朴な娘で、親や友人達との関係もすごく良くて好感が持てましたが、
それだけに日常から外れてしまった後の変わりようは印象的でした。
それにどのルートでも、瑞希と多加子が対峙するシーンなどは緊迫感があって、
どうなるのかハラハラさせてくれた作品でした。
(3/15)

 

星空のCloveR ADV(18禁)/くりたま(1500円)

四葉学園で行なわれる七夕祭の実行委員になってしまった鷲司星夜。
同じく実行委員となった四人の女の子達と共に準備をしつつ、
実行委員が演じることが恒例である七夕伝説に関する劇の練習をしていくのだった。


選択肢あり、恋愛、七夕、ボイスあり、四時間半足らずで読み終わりました。
システムはセーブやスキップが右クリックメニューに無く、
メッセージウインドウ横のクローバーマークをクリックすると出てくる形式なので
最初戸惑いましたが慣れれば問題なし。
OPムービーと、OP、EDに歌あり。
絵は可愛らしいです。一枚絵は十九枚+差分。

序盤で分岐し、七夕祭までで仲良くなりつつ七夕伝説との関連が示唆され、
七夕祭後はそれぞれのヒロインの問題を解決していきます。ルートは四つ+α。
途中、2ショットモードというのがあり、
リアルタイムでヒロインの台詞にリアクションしたりして会話を盛り上げたりできます。
ヒロインの台詞がボイスと同期しているのはいいのですが、
主人公の台詞表示速度も同じくらいなので若干テンポが遅く感じてしまいました。
でも、ヒロインが自分を責める台詞を途中でさえぎったり、
反応を返さないことが良い結果に繋がったりと臨場感があります。
全体としては七夕祭の準備、七夕伝説との関わり、ヒロインの問題を、
それぞれのヒロインごとに描くにはちょっと尺が短すぎて詰め込みすぎに思えてしまいました。
特に藍シナリオの後半は簡単に解決してしまった印象。
もっと重要な場面を選んで、メリハリを付けたほうがいいように思えた作品でした。
(3/17)

 

私とあなたといた世界 有料版/mur-mur/CALMFLAP(1000円)

天文部に所属している中原美世子は学校からの帰り道、向日葵畑の中で一人の少女と出会う。
記憶喪失だった少女、夏美をなんとかするために、
美世子は好意を持っている天文部の先輩、和人に相談することにした。


選択肢なし、心、世界、全員にボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。
ボイス、一部CG,シナリオなどがない無料版もあり。
システムはセーブとバックログ以外ほとんどの機能がないので少々不便。
音楽は場面に合っていました。EDに歌あり。
絵は一枚絵が重要なシーンをより印象的にしてくれていました。

先輩との恋愛と夏美との交流が平行して描かれています。
クリア後に先輩視点でのシナリオあり。
暗い世界がどういうものなのかがわかりにくく思えてしまいましたが、
天文部メンバーとの日常は楽しかったですし、
絵やボイスが心情をよく表現していることも相まって、
終盤はどのシーンも惹き込まれました。
美世子がどれだけ先輩や夏美のことを想っているのかがひしひしと感じられる作品でした。
(3/18)

 

ゆいのコトノハ Ver. 1.1(18禁)/座敷童(1000円)

執行部書記兼剣道部部員の鉢形宏丈は旧校舎で座敷童の少女、ゆいと出会う。
そのまま学園に通うことになったゆいは、
宏丈や執行部部長の板橋玲花と共に日々を送ることになるのだった。


選択肢あり、恋愛、座敷童、雪国、三時間半ほどで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。OPにムービーあり。
絵は可愛らしいです。CGモードに登録される一枚絵は差分含め九十八枚。
(追記:追加されないものも含めたら二百枚になるそうです)

雪国で日々を過ごしながらも、旧校舎の座敷童のことが絡んできます。
ルートは二つ+α。
玲花がとにかく可愛いです。
二人の気持ちが通じる前も、後も、控えめながら無防備に放つ言動がいじらしくてたまりません。
その分、ゆいの印象が薄くなってしまったことと、
山場でもそれまでとあまり変わらない雰囲気で
少々盛り上がりに欠けるように思えたところが良し悪しでしたが、
どちらのヒロインの話も、座敷童を絡めながらお互いの感情をしっかりと描いた、とても真っ直ぐな恋愛物語でした。
(3/27)

 

FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-/MUYM(3000円)(DL版の購入はこちら)

自殺した大企業の跡継ぎ、水島蓮梧と容姿が似ていることから身代わりになった主人公。
それから十年後、突然誘拐されてしまった彼は未来人達の戦いに巻き込まれてしまう。
その戦闘の最中、元恋人が殺される。彼は未来人に復讐を決意するのだった。


選択肢あり、未来、バトル、二十三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
パッケージが商業サイズでちょっと置き場所に困ります。
システムは、毎回タイトル画面でゲームスタート→ニューゲームorロードゲームと選ぶ必要があったり、
ゲーム中でも右クリック二回→READ→オートリードor既読スキップと選ぶ必要があったりして一手間余計にかかることや、
分岐後同じ展開の場面を既読スキップで飛ばせなかったり、
エフェクトをスキップする設定にできなかったりして、
長編ゆえにそれらのことが余計に面倒に思えてしまいました。
音楽はOP歌「VAMPIRE」ED歌「雪景色」を始め良い曲が多かったです。OPにはムービーあり。
絵は立ち絵と一枚絵で印象が違うものや、
目を潰されたり腕を切られたりした描写があるのにそうなっていなかったりする箇所はありましたが、
印象的な場面も多かったです。それに色っぽい場面もたくさんあって素晴らしいです。一枚絵は差分含め百十八枚+α。
あとタイトル画面の枠内でPVが流れる演出が良かったです。

元恋人を殺したのが誰か探っていくうちに、未来人達の戦いの裏側が明らかになっていきます。
ルートは三つ、エンディングは十種類+バッドエンド。
未来人の三勢力が競い合いますが、互いを倒すことではなく鵺というターゲットを倒すことが目的なので、
バトルロイヤル的な駆け引きや戦闘はあまりなかったですが、
読み進めていくにつれ明らかになっていく真相には興味を惹かれましたし、
そうした末の結末はどれも印象的でした。
特に、ほぼ役立たずの蓮梧が優遇され続ける理由は悲しくも素晴らしかったです。
それから暦エンドでの暦の表情は衝撃を受けましたし、
橋でのクリスの行動とその結果には、クリスの能力のことが十二分に理解させられました。
女性キャラでお気に入りはクリス。二週目も可愛かったですが三週目の終盤もあれはあれで。
でもそれ以上に男キャラの長谷川明と重政海月がお気に入り。
二人とも普段は濃いのにヤるときはヤるのが格好良いです。

長編に向かないシステムであることは気になりましたが、
登場人物の魅力と、シナリオの構成が良いと思えた作品でした。
それにまだ明かされていない所があったりして続編希望です。

蛇足ながら、クリア後のミニゲームでリバーシを遊ぶことができます。
ですが最高難度の左京が強すぎ。
ズルして国内最強とも言われている
このソフトに代打ちしてもらいましたが、それでも五分五分の勝率でした。
(3/29)

 

夜空をねがう少女/空と雲と風(900円)

嵐の晩、記憶を失い彷徨っていた少女はとある洋館で雨宿りをさせてもらうことになった。
記憶が戻るまで滞在してもいいと言われた彼女はそこで数日間を過ごす。
しかしその洋館には、不穏な内容の日記が置かれていたり、おかしな噂が流れていたりするのだった。


文章中では選択肢なし、贖罪、シナリオ選択、十六時間半ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できませんが、
一度読んだシーンがスキップできるのが有難いです。
音楽はオリジナルのものと既存のクラシック曲の両方が使用されています。
シナリオ選択画面の効果音と音楽が不気味さと神々しさがあっていい演出でした。
挿入歌「yoormoon」とED歌「零れ落ちてく願いの欠片」が、雰囲気は違いますがどちらもお気に入り。
絵は体型に違和感があるもののありましたが、恥じらいの表情が良かったです。
一枚絵は十七枚+差分。

選択肢はなしですが任意の順番でエピソードを選択していき、
それによって最後のエピソードが変化します。
また、本筋とは別にストーリー進行によって読めるようになるアナザーストーリーもあり。
場面によって視点は変わりますが、基本的に記憶喪失の少女、ゆい(仮名)視点で進みます。
そのためか(笑)などのくだけた表現あり。
エピソードを選んでいく時には手探りで不安感を強く覚えましたし、
アナザーの微妙に正常からズレた気味悪さも印象的でした。
でもそれ以上に、最後のエピソードからエンディングの歌への流れにぞくっとしました。
マニュアルに「途中で止めても、全てのシナリオをコンプリートするも自由」と書かれていて、
確かにいい気分で終えるには他のエンディングの方が良かったですが、
コンプリートした方がずっと、面白かったな、と思える作品だと感じました。
(4/9)

 

人形たちの森(18禁)/AA工房(1000円)

人と人形ともと人形が暮らす「人形の国」の辺境には、悪魔が住むという森があった。
そこで黒い森の悪魔と言われていた人形の少女、ユーリスは、
ある日、その森を彷徨っていたリーゼという少女と出会った。

選択肢はHシーンでニーソを脱ぐか脱がないかのみ、人形、ノーマル・百合恋愛、
十二時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
音楽はEDの歌「人形(ヒトガタ)たちのみる物語(ユメ)は」がお気に入り。
ただ効果音で鐘の音が力が抜けるというか、響きわたるような感じが全く無かったです。
絵はいくつかのHシーンで体つきに違和感を覚えたものの、
照れる立ち絵は可愛いですし、終盤の幻想的な一枚絵は印象的でした。

全部で四つの話があり、それぞれ二つのショートストーリーが付属していて、
基本的にユーリスとリーゼが師弟となってからの話が語られます。
最初の話は三人称丁寧語で昔ばなしといった感じの語り口調。
次の話からは登場人物の視点で話が綴られます。
ユーリスとリーゼ、それに彼女達を取り巻く人々それぞれの会話や行動がとても暖かくて心地好くて、
そんな中で交わされる愛情はくすぐったくなりました。
そうした先の結末も、悲しいものもあれば胸躍るものもありましたが、良かったです。
ただ、三話目までの話が気に入りすぎてもっと読んでいたいと思ってしまったせいか、
一番最後の話はあまり楽しむことができませんでした。
それまでの話と関連はあるものの、いきなり全く違う話が始まったかのようで、
置いていかれたように感じられてしまいましたし、
倫理の厳しい舞台であるという設定も山場になって突然重要視されて唐突さがありました。
主人公の自分勝手な部分も気になるところ。
とりあえず嫌がっているのに中に出すのは止めてあげてください……愛があるならなおさら。

最後の話だけかなり様相が違っていて、そこが私にとっては気になりましたが、
それまでの三つの話はとても楽しくて、心地好かった作品でした。
(4/15)

 

ヴィザルの日記(18禁)/雨傘日傘事務所(パッケージ版2000円/DL版1800円)

おすすめ
(5/6)

 

narcissu 3rd -Die Dritte Welt-/ステージなな(1500円)

「日常・死生観」をテーマにした四つの話を収録。

選択肢あり、ボイスあり、十三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
「ナルキッソス」「ナルキッソス2」を同梱
ナルキッソス2の感想は
こちら
システムや音楽は特に問題なし。挿入歌あり。
絵は基本的に背景のみで、要所で一枚絵が表示されます。

良いと思ったのは「メサイア」
7Fに入院している青年と新米小児科医の交流を描いた話。
周囲全てが信じられなくなっていた青年が変わっていく過程が丁寧に描かれていました。
青年と医師の軽口も、互いに相手を気に入った上でのものであることが窺えていいなと思えました。
逆に「Ci シーラスの高さへ」のコメディ部分のやり取りはややくどかったです。
ですが、こちらはラストの一言が印象的でした。
あと、後書き内にある片岡ともさんの過去話で、
ナルキッソスの内容にも関連している「1993」が興味深い内容でした。
(5/12)

 

無能宣言/ゴリッチュ(1000円)

おすすめ

過去の作品感想:
インボルグの過ごし方
(5/13)

 

空想彼岸/(500円)

四季 巧士が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所で、目の前には狐耳と尻尾を持った少女がいた。
その少女、九家 英里に連れられ妖狐の住む里で暮らすこととなった巧士。
平和に見えたその里だったが、その裏には凄惨な過去と、今も続く現実があった。


選択肢一つだけ、獣耳、戦争、六時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は可愛らしくて好感が持てます。画面演出も効果的。

狐耳と狸耳と兎耳が住む世界のことや妖狐のことを、巧士がだんだんと知っていきます。
話の区切りごとに二つの単語でサブタイトルがつけられているのですが、
その二つの関連が興味深かったです。

いきなり見知らぬ世界に放り出されたのに巧士がはっちゃけすぎているように感じられたことと、
巧士の過去のことが空想世界に比べてかなり少なかったことが気になりました。
これじゃ選択肢は真ん中一択ですよ。
でも分岐後は一番上の話がお気に入り。このルートの娘が一番可愛いと思いました。
また、妖狐の里に住む者たちの秘密や、過去にあった出来事の真相などが後半になって判明する様が鮮やかで、
話全体を通した構成とテキストが上手いなぁと感じました。

獣耳に萌えつつも、それだけに終わらない、面白い作品でした。
(5/14)

 

ラミエルパークのエルフ(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

辺鄙な村のはずれで暮らしていたエルフの母子。
しかしある日を境にその生活は一変してしまうのだった。


選択肢一つだけ、陵辱、ファンタジー、一時間ほどで読み終わりました。
システムはセーブ機能とCGモード以外なし。
音楽もなし。
絵は基本エロエロドロドロのもの多め。
でも上ルートのHシーン以外の一枚絵も印象的でした。
一枚絵は差分含め四十四枚。

七年ほど前の作品ですが、大筋では「ヴィザルの日記」とほぼ同じストーリーをエルフ親子側から描いたもの。
というか「ヴィザルの日記」がこちらの別視点というべきでしょうか。
ただ、母親はセイルという名前で同じですが、息子はエルという名前(ヴィザルではリアン・カード)
下ルートの終わり方が少し唐突な感じがしましたが、
上ルートは綺麗でぞくっとする演出な終わり方でした。

あと、セイル母さんの胸が最初慎ましやかだったのに、
なんで爆乳にするんだ! とラミエルパークの館長に訴えたくなりました。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記
(5/16)

 

2年3組の魔女(18禁)/雨傘日傘事務所(1200円)

事故で重体となり、一年間入院していた八鉱。
休学していたため一つ下の幼馴染、志乃と同じクラスとなり、担任の中村先生とも親しくなっていった。
しかし志乃は時折不審な言動を取るようになっていたのだった。


選択肢あり、異能、陵辱、二時間足らずで読み終わりました。
システムは一通りの機能が揃っていますが、
バックログを読むのに二手間かかったりと細かいところが少し気になります。
音楽は特に問題なし。
絵は中村先生のコメディ顔がお気に入り。
一枚絵は四十六枚+起動時に表示されるもの一枚。

志乃の言動や、彼女に関する噂などから主人公が志乃の身を案じ、
中村先生にからかわれながらも探りを入れていく中で、その原因が明らかになっていきます。
中村先生と主人公の過去が二人の口から語られることのみで当時のシーンの描写が無いため、
そのことが鍵になるシーンで、いまいち実感が持てませんでした。
でも、中村先生とのやりとりは楽しかったですし、
封印エンドはちょっと端折りすぎな感はありますが献身と凄惨さがあってお気に入り。
それに志乃の主人公好きっぷりも微笑ましい作品でした。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ
(5/17)

 

白夜十六(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

妾の息子、亜紀と使用人の上島真由は亜紀の父である屋敷の主に玩具にされていた。
しかし戦争のどさくさで逃げ出した二人。その日から何故か夜が来なくなった。
伝手を頼り夕月荘という場所で暮らすこととなる二人。そこには、怪しげな扉があった。


選択肢一つだけ、同棲、白夜、一時間と少しで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。この作品から吉里吉里が使用されています。
絵は、色々な器具が使用されたもの多数。
一枚絵は二十八枚+差分。

タイトルどおり夜が来ない世界で、十六のHシーンを読むことができます。
真由が屋敷での調教の結果、普通では満足できなくなってしまっているので特殊プレイ多め。
とはいえお互いに好き合っているので酷いものはほとんどなし。
主人公がバイトする古書店があまり絡んでこないのがちょっと拍子抜けに思えましたが、
二人の甘ったるさと少しの不安、それに普通とはどこかズレている街の雰囲気が混ざって、
ほのかに幻想的な印象を受けた作品でした。


過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女
(5/18)

 

エリュズニールの騎士(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

記憶を失い倒れていたところをエルフのガルムに助けられたディール。
傷の癒えた彼はガルムの営む喫茶店で働くこととなった。
そこへ、彼を探しにティタという名の少女が現れる。


選択肢あり、記憶喪失、ファンタジー、二時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
音楽は既存の著作権消滅曲が主。
絵や演出では立ち絵の動きや一枚絵の躍動感など、「ヴィザルの日記」に通じるものが。
一枚絵は四十枚+差分。Hシーンのバリエーションも豊富。

メインキャラで共通する人物はいませんが「ヴィザルの日記」「ラミエルパークのエルフ」から十年ちょっと後の話。
ガルムとティタから熱烈なアプローチを受けつつも、ディールの過去が絡んできます。
日常のドタバタが楽しかったです。それにガルムが健気すぎ。
シリアスな場面もしっかりと描かれていましたし、
それほど長くない話ですが色々なことが詰め込まれている良い作品でした。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六
(5/19)

 

雪神一雫(18禁)/雨傘日傘事務所(1200円)

氏子がいなくなった氏神の狐は各地を転々としたのち、とある少女がきっかけで神社の管理人をすることになる。
それから二十年程が経ち、その少女は親となり、娘である真昼が神社に出入りするようになっていたのだった。
しかし真昼には、ある呪いがかけられていた。


選択肢なし、異能、雪、四時間ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
音楽は「エリュズニールの騎士」と同様既存の著作権消滅曲が主。
絵や演出では色々と動きますが、Hシーンでの画面移動や拡大がややテンポ悪く感じられました。
一枚絵は四十二枚+差分。

狐のコン(人間としての名前は稲成左近)が真昼の呪いを解こうと調べていくうちに、
呪いをかけられることになった理由も明らかになっていきます。
お節介焼きで健気な真昼が可愛いですし、ものぐさながらも思いやりのあるコンは格好良いです。
そしてこんなに初々しいHは雨傘日傘事務所さんの作品では初めてなのではないでしょうか?
そうでないHシーンも多いですが。
話としては一番最初の舞台説明が少々わかりにくかったですが、
昔々のことや親のことも絡めて、真昼の境遇やコンと真昼の繋がりがしっかりと描かれている作品でした。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士
(5/20)

 

午前零時の讃美歌 フルボイス版(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

おすすめ

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫
(5/22)

 

 

神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

バンパリア王国のお姫様、ロゼッタの剣術指南役として雇われた傭兵、ファンガス。
一風変わったこの国の雰囲気に戸惑いつつも、騒がしい日々を送っていた彼だったが、
国を挙げての舞踏会に招待された面々の中に、ありえないはずの名前が書かれているのを知ってしまう。


選択肢ありですが一本道、剣舞、ファンタジー、四時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵はアイキャッチが格好良いです。終盤の動きある演出や、青空も印象的。
一枚絵は五十三枚+差分。

お城で奔放なお姫様達と日々を送るも、ファンガスの過去が絡んできて、という話。
私のお気に入り、近衛兵長アンリエッタさんのHシーンが全部中途半端だったのがちょっと残念。
でもロゼッタのHシーンは良かったです。
日常もロゼッタの奔放さのおかげで毎日が楽しかったです。
爆乳好きでなくともおっぱいばんざいと言いたくなりました。
シリアスになる終盤も、演出、音楽に合わせ徐々に高揚していく描写が効果的で息を呑みます。

日常も戦闘も、弾むようなテンポの、面白い作品でした。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫午前零時の讃美歌
(5/24)

 

隷妃双奏(18禁)/雨傘日傘事務所(1100円)

前回の騒動も一段落し、喫茶店エリュズニールで働く面々は賑やかな日々を過ごしていた。
しかしある日突然、ディールが姿を消してしまう。
その背景には、約二十年ほど前の因縁があった。


選択肢あり、陵辱、ファンタジー、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
「エリュズニールの騎士」の続編。
システム、音楽は特に問題なし。
絵はガルムの耳が頻繁に動くのが楽しいです。
それに戦闘シーンに動きがあって良かったです。
一枚絵は四十五枚+差分。

「エリュズニールの騎士」からしばらく後に起こった出来事が最初と最後に描かれていて、
その真ん中に二十年前の出来事が挿入されています。
二十年前の方はほぼ全編陵辱シーンのみ。
それらはかなり酷いことをされているので好みが分かれそう。
私としては肉体改造までいってしまうとちょっと範囲外。
エリュズニールパートは前作同様賑やかで楽しめましたし、戦闘シーンも格好良かったです。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫午前零時の讃美歌神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜
(5/25)

 

黒曜鏡の魔獣(18禁)/雨傘日傘事務所(1300円)

おすすめ

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫午前零時の讃美歌神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜隷妃双奏
(5/28)

 

女装少年らぶえっち(18禁)/サークルおしゃれ(1000円)

ニートでピザな主人公が夜、食べ物を買いに出かけると、男に絡まれている少女と遭遇した。
機転を利かせ男を追い払った主人公。
しかし少女は実は女装した少年で瑞貴という名前だった。


選択肢ありですが一本道、女装少年、純愛、ボイスあり、一時間半足らずで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。ただしシステムは最低限でCGモードなどもなし。
絵は瑞貴が可愛くて満足。

偶然知り合った二人が、その後何度も会っていくうちにお互いをより必要としていきます。
身もふたもなく直球なタイトルですが中身は誠実なやり取りが多く、
気が利いて健気な瑞貴はもとより、機転が利いて面倒見の良い主人公も格好良かったです。
嬉しそうな表情をしている時の瑞貴も魅力的。
Hシーンも数は少ないものの瑞貴が可愛いですし、二人の気持ちが込められていました。
私のような女装少年好きはもちろん、話が目当ての方も楽しめるであろう作品でした。
(5/31)

 

肛姦魔(18禁)/サークルおしゃれ(1000円)

その男は、少女のお尻に異様な興味を示していた。
それでも今までは気に入った女の子の後をつけるだけで手を出すことは無かった。
しかし、ある日の夕方、人気の無い公園のトイレに少女が入るところを目にしてしまう。


選択肢あり、お尻、少女、ボイスあり、三十分ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。前作「女装少年らぶえっち」になかったCGモード、回想モードを実装。
音楽は陰気な感じの曲調。
絵は少女がショートカットで可愛らしかったです。一枚絵は十三枚+差分。
ただ男の手がスマブラのマスターハンドみたいな感じになっている場面がちょっと違和感。

トイレの個室に女の子を閉じ込めて強姦します。
Hシーンは口、尻、尻(二回目)の三シーン。
最後までしてしまっても選択肢で早めに切り上げても結末は変わらないので最後まで推奨。
特に序盤、少女の怯えようにそそられました。
女の子が最初から最後まで嫌がったり痛がったりしっぱなしなので、
そういう趣味ならばより楽しめると思います。

過去の作品感想:
女装少年らぶえっち
(6/1)

 

女装少年めがえっち(18禁)/サークルおしゃれ(パッケージ版1500円/DL版1200円)

女装写真が掲載されているサイトを見るのが趣味の主人公のもとへ、
この春から大学へ通うため寮の下見に来た従弟の直が泊まることになった。
しかし主人公は子供の頃のある出来事のせいで直に対し気まずさを感じていたのだった。


選択肢あり、女装少年、従兄弟、ボイスあり、一時間半足らずで読み終わりました。
システムは選択肢でセーブできないのがやや不便。
音楽は特に問題なし。
絵はこんな可愛い子が女の子のはずがないと思いました。
一枚絵は二十一枚+差分。

一時的に上京してきた従弟と一つ屋根の下で過ごす数日間が過去を交えて描かれています。
テキストは直の台詞に「w」が、地の分に「!」が多用されています。
「!」はこのサークルさんの他の作品でも多く使用されていますが、
今作では特にカイジばりに使われていて若干気が散りました。
ですが、「女装少年らぶえっち」と同様に甘々なやりとりは
好きだという感情がしっかりと伝わってきました。
あと直が大学に通い始めてからの後日談を読んでみたいです。
この二人なら寮じゃなくて同棲しているはず……!

過去の作品感想:
女装少年らぶえっち肛姦魔
(6/2)

 

ショタえっち(18禁)/サークルおしゃれ(700円)

主人公が住む団地でいたずらをしていた男の子を捕まえ、話を聞いてみると、
両親が蒸発し身寄りが無く、腹をすかせているとのことだった。
祐樹と名乗るその男の子を主人公は自分の部屋に入れ、食事を与えるのだった。


選択肢なし、ショタ、二十分ほどで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。ただしCGモードや回想モードはなし。
絵はよれよれの服が祐樹の境遇を表していました。
あとショタはブリーフですね!

幼い男の子とHなことをします。
私の好みからするとちょっとやんちゃすぎでしたが、
タイトルに違わない内容の作品でした。

過去の作品感想:
女装少年らぶえっち肛姦魔女装少年めがえっち拉致ってハニー東京お尻がマグニチュード
(6/4-1)

 

超電気博士アマモリ/ASTRO PORT(フリーソフト)

「超電気ロボ バルカイザー」の世界を元にしたミニノベルゲーム。
「魔女ボーグメグリロ」のメグリロも出演(どちらもシューティングゲーム)
バルカイザーを開発した天才科学者、天護博士が事件を求めてパトロールに出かけます。


選択肢あり、ロボットヒーロー、マッドサイエンティスト、十分ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
音楽は昔のロボットものを髣髴とさせる曲調で熱いです。
絵はうってかわってゆるい感じの絵柄。

天護博士の行動を選んでいき、その結果ゲームオーバーになったり大団円? になったりします。
躊躇無く一般人を巻き込んだり、隊員を実験台にしたりとやりたいほうだいで、
肩の力を抜いて読める作品でした。
(6/4-2)

 

女装少年らぶえっち2(18禁)/サークルおしゃれ(1000円)

糖尿病のため教育入院をしていた山田と同じ病室に、
女の子のように可愛い楠本瑞貴という少年が入院してくる。
入院生活の先輩として、山田は病院内のことを瑞貴に教えることとなった。


選択肢あり、女装少年、瑞貴編のみボイスあり、一時間足らずで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。ただしCGモードや回想モードはなし。
絵は、相変わらず瑞貴が可愛いです。

病院を舞台にした瑞貴編と、弟の友人とのHを描いたあゆむ編を収録。
あゆむ編は即抜ショートシナリオとのことでストーリー部分は少なめ。
瑞貴編は前作「女装少年らぶえっち」からしばらく後の話ですが、
瑞貴はメインで出てくるものの前作の主人公は話題にしかでてきません。
前作のらぶらぶっぷりがお気に入りなので今回山田と瑞貴がHなことしちゃったら嫌だなぁと思いましたが、
ある意味お約束なものの、らぶとえっちが両立されていて安心しました。
前作主人公と瑞貴のやりとりを読めなかったのは残念でしたが、
相変わらず瑞貴は可愛いなぁと思える作品でした。

過去の作品感想:
女装少年らぶえっち肛姦魔女装少年めがえっち拉致ってハニー東京お尻がマグニチュードショタえっち
(6/5)

 

紅湖の皇子(18禁)/雨傘日傘事務所(1300円)

カナという村で暮らしていたエルフのセイルとその養子でハーフエルフのリアンだったが、
ある日村にやってきた人買いの手によりセイルが連れ去られてしまう。
取り残されたリアンはレヴィアルという名の少女と共にセイルを追っていくのだった。


選択肢一つだけ、調教、ファンタジー、一部ボイスあり、七時間半足らずで読み終わりました。
システムは特にHシーンでウエイト多めな所が気になりました。
音楽は特に問題なし。
絵はセイルがばいんばいんなので私の好みではないですが、
戦闘などの演出は非常に多彩でした。Hシーンの一枚絵は五十枚+差分。通常シーンにも多数あり。

ヴィザルやコルクは出てきませんが「ヴィザルの日記」と同じ出来事がリアン側から語られていきます。
レヴィアル(しゃべれない)によるプラカードでの会話がとても楽しくて、
特にセイルとの嫁姑確執はもっと見ていたいと思いましたが、
リアンとレヴィアルのみのシーンも含めコメディシーンは少なめで物足りなく感じてしまいました。
ストーリーとしても選択肢後の山場の描写があまりなくてあっけなさが残りましたが、
「ヴィザルの日記」ではあまり語られなかったリアンとレヴィアルの心境が興味深かったです。

過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫午前零時の讃美歌神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜隷妃双奏黒曜鏡の魔獣
(6/6)

 

霊刀キザクラ 〜桜花の剣と惑竜章〜/雨傘日傘事務所(2000円)

ニフルヘイム十騎士の零位、ラベンダードラゴンは皇帝エリシアの命で国境近くに出没する獣の討伐に向かう。
その道中、焙煎喫茶エリュズニールへと立ち寄った彼は、魂を宿した刀である姫桜・陽と出会う。
そしてなぜか彼女も、獣退治に同行することとなってしまったのだった。


選択肢なし、ファンタジー、闘い、一部ボイスあり、十二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし、OP歌、挿入歌、ED歌あり、OPにムービーあり。
絵は、「隷妃双奏」でのキザクラさんはぬぼーっとした感じでしたが、今作では凛としていて格好良かったです。
ラベンダードラゴンも無駄に恰好良かったです。
景色なども桜やキザクラさんの衣装、黄金色の草原など鮮やかでした。
演出も相変わらず、というか作を重ねるごとに作り込まれていってます。
あと、ラベンダードラゴンの太陽拳に怯む女性陣の声が色っぽいなと思いました。

「黒曜鏡の魔獣」に登場したラベンダードラゴンと、「隷妃双奏」に登場したキザクラさんが中心となって、
センダムの草原にある廃集落で起こった出来事を解決していきます。
前半はキザクラさんくいだおれ珍道中、時々ディールとティタのきゅんきゅんタイム。
なんでもそつなくこなして知識も豊富なキザクラさんが、珍しいものにうきうきしたり、
悪だくみが上手くいかずに泣きそうになる様と、それに振り回されるラベンダードラゴンが楽しかったです。
後半は戦闘が中心。といってもそこかしこにネタが組み込まれていたりして緩急がありました。
キザクラさんがひたすら尻ごみしていた割りにはいざ戦うと圧倒的だったことが少し納得いきませんでしたが、
桜舞う中を駆けるキザクラさんはとても印象的でした。


過去の作品感想:
ヴィザルの日記ラミエルパークのエルフ2年3組の魔女白夜十六エリュズニールの騎士雪神一雫午前零時の讃美歌神風剣士ロゼッタ3〜屍都の舞姫〜隷妃双奏黒曜鏡の魔獣紅湖の皇子
(6/8)

 

ボクカノ〜僕が男の娘を愛した経緯について(18禁)/モーニングスター(1300円)

良家の子女専門で家庭教師をしている矢部聖人は華族の流れを汲む凡河内家に住み込みで働くことになった。
教える対象は兄の瑞貴と妹の悠生。しかし実際に対面してみると、二人とも可愛い女の子だった。


選択肢あり、男の娘、純愛、凌辱、ボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システムは一通りそろっていますが、セーブ画面などから右クリックで戻れないのがやや不便。
音楽は特に問題なし。ボイスはちょっと女の子すぎるように思えました。
絵はこんな可愛い娘が、女の子のはずはないと思いました。一枚絵は十三枚+差分。

家庭教師に行った先で、教え子に恋心を抱いてしまうも、実はその教え子の性別は……という話。
エンディングは三種類ですが分岐してからすぐに終わってしまうのが少々物足りなかったです。
サンプル画像などで目立っているのは瑞貴ですが、作中ではむしろ悠生の方が重要な役回りでした。
でも、瑞貴も悠生もHシーンでの乱れっぷりはエロかったです。

勝気な妹による責め、もしくは勝気な妹が責められる様を目当てにしてしまうと肩透かしになってしまうでしょうが、
男の娘とのらぶらぶや凌辱が目当てならば満足できる作品になっているなと思いました。
(6/26)

 

雨の日と雨の日の次の日 ver.1.01f/人工くらげ(フリーソフト)

夢の中で、親友から「砂漠のバラ」という言葉を聞いた大学生の西和行。
それからも気になる夢を見た彼は、懇意にしている院生から、
片岡教授という名の先生を紹介される。


選択肢あり、オリジナル現代ファンタジーとのこと、三時間半足らずで読み終わりました。
以前即売会で頒布されていた作品のフリー化。
システムはセーブ、バックログ、オート等最低限ですが普通に読む分には特に問題なし。
音楽や背景写真は場面に合ったものが使用されていると感じました。
絵はシンプルな絵柄。酔った片岡教授が可愛かったです。

不思議なことが起こるも、それが不思議と意識しないまま日々を過ごしていきますが、
梅雨の時期、その原因が明らかになっていきます。
不思議部分についていまいち理解できず、そういうものかで終わってしまうモヤモヤがありましたが、
「夜の中に浮く花たちの片側」と同じく、
些細なシーンからもそこに込められた意図や感情が伝わってきて、作中の雰囲気に浸ることができる作品です。
特に和行とその彼女の奈央子のやりとりが、付き合っているのに友達のようで、
でもその中に重いものが感じられて、よくこんな関係が描けるなぁと思いました。

過去の作品感想:
夜の中に浮く花たちの片側
(7/20)

 

蒸気活劇アドベンタム/ASTRO PORT(1400円)

西暦1890年、ヨーロッパにある小国、ライポーン王国の国王は新兵器を量産し世界征服をしようとしていた。
それに気付いたカシア・フラバルは友人と蒸気鉄車を作り、国王の野望を阻止しようとするのだった。

戦車アクションシューティングとのこと、初回クリアまで一時間十五分ほどかかりました。
リプレイ機能やスクリーンショット機能あり。
システムは一周は短いもののコンティニューがないので、
ラスボスで全滅したりなんかすると気が遠くなります。
あと一時停止が非アクティブにしないとできないのがやや不便。

難易度はEASY〜SUPER HARDの四段階。ステージは六つ。
選べるキャラはカシア固定で、残り四人の中から二人を選んで搭乗させます。
キャラクターによって撃てる弾や体力に違いあり。
また、ステージ間のショートシナリオにも変化あり。
私は初見ではEASYの一面でやられましたが十回ほどやり直した結果、
NOMALをやっとこさクリアできるようになりました。
よく使ったのは7WAY弾を撃てるマデレーンと高威力の榴弾砲を撃てるミレナ。
マデレーンは適当に撃ちまくれば当たってくれるのでザコ敵に使って、ボスは接近して榴弾砲連射でした。
アクションやシューティングが苦手でも、慣れればEASY全クリくらいはできるバランスがいいなと思った作品です。

過去の作品感想:
超電気博士アマモリ
(7/24)

 

お狸様で爆乳まみれin雌狸様に酒池肉林/花を吐く抄女(フリーソフト)

エロゲー「お狸様で爆乳まみれ」のトークイベントの司会進行を任された止水明鏡。
しかしゲストで「お狸様で爆乳まみれ」ヒロイン役の声優が風邪をひき声が出なくなってしまった。
苦肉の策として、ゲームから切り出したボイスを用いてトークすることとなった。


選択肢なし、声優、トラブル、ボイスあり、二十五分ほどで読み終わりました。
エイプリルフール限定ゲーム。
システムは「やんでれさんのすゝめ」とほぼ同様。
音楽は特に問題なし。
絵はエロゲーものらしく、出るもの出ちゃってます。

エロゲー内で使用されたボイスのみを使用してトークイベントをするので、
案の定というか案の定なことが起こります。
新聞記者ゲームのような前後の繋がりのなさ、唐突さがあって、
質問されて脈略なく喘いだり的外れな答えを返すのが笑えました。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ一子、二狐とも、巫女との狸菓子狐憑き傾城狐の嫁入りなこそ箱入り娘のてるみどぉるやんでれさんのすゝめあそびめヱロゲに花束をカムガカリ、子狐丸宗近ワルキューレに口づけを
(7/26)

 

この世で最も淫靡なキス/agony(フリーソフト)

体育教師に弱みを握られてしまった「私」は、
同僚の教師を陥れる計画に協力することとなる。
その方法とは……


選択肢なし、乙女中年騙しノベルとのこと、三十分ほどで読み終わりました。
エイプリルフール記念ノベル。
システムはセーブ画面などから右クリックで戻れないのがやや不便。
音楽は特に問題なし。挿入歌あり。
絵は主人公が邪悪な目をしているとほっとします。だってそういうシーンはまだ平和なんですもの……

脅されて中年教師を騙そうとします。
実際そのシーンは挿入歌が流れることも相まって印象的なシーンなのですが……
そこから先の展開に騙された!
でも過去作品を読んでいればこの程度の展開はよくあること、と気を取り直しましたが……
終わり方に騙された!

……エイプリルフールにふさわしい作品でした。

過去の作品感想:
さくっとパンダおじさん酷罪を受けるべき者Nと言う名の男、Bと言う名の女キナナキノ森この世で最も残酷なキス
(7/27)

 

クイズ 地球人の証明/Fly me to the sky!(フリーソフト)

地球外にあるコロニーで生活するタケルのもとへ、
人気番組「クイズ 地球人の証明」に出演できるという知らせが届く。
その番組では、正解率が高ければ特権階級となっている地球市民になれる権利を獲得できるのだった。


クイズ、SF、二十分ほどで終わりました。
2010エイプリルフール記念ノベル。
システム、音楽は特に問題なし。立ち絵は影絵

四択もしくは二択が計二十五問出題され、二十問以上正解で地球行き、
十問以下の正解で火星入植団入り、それ以外は何もなしという条件のクイズ番組で三通りのEDを迎えます。
私の場合、初回は何も調べずに二十問正解とギリギリ合格ライン。
制限時間はないので検索すれば大体狙い通りの成績を上げることができる……ハズ。

話としては最後にちょっとだけ後日談があるくらいで短めですが、
エイプリルフール作品らしく、一筋縄ではいかない話になっています。

過去の作品感想:
Beyond the summerBegin with you!すべてがウソになる今宵サンタは街角で。ウソと手紙と名探偵Space Freeters! 〜天駆ける宇宙の乙女たち〜夏色のコントラスト
(7/28)

 

サイノネウタ〜What a Colorful World/可算階段(フリーソフト)

僕は朝起きて、学校に行って、帰宅する。
その間、幼馴染や同級生や先輩と会う。
そして、一人寂しく眠りにつく。


選択肢あり、普通じゃない学園、追加部分は十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第二回エントリー作品「ハイノネウタ」に解決編「サイノネウタ」を同梱。
セーブ機能が追加されています。
あとメニューが記憶の改竄(ロード)とか空虚の凝視(文章を消す)とか独特の名前になっています。
音楽や絵は「ハイノネウタ」と同様。

「ハイノネウタ」を最後まで読むと新しい選択肢が出現し、真相ルートに入ることができます。
全部読み終わった後、はじめから読もうとしても真相ルートから始まってしまい、
シナリオジャンプモードも最初の女の子と会うシーン以降しか登録されないので、
冒頭の一シーンを読むことができなくなってしまうのがちょっと気になりました。といっても一ページ分だけなのですが。
(追記:ver1.01では修正されています)
真相は、誰が怪しいかについては「ハイノネウタ」部分のみでもなんとか推理できると思いますが、
この話の舞台がどうなっているか、特に時間関連はそうだったのか、と膝を打つ作品でした。

過去の作品感想:
重奏世界のイデアルハイノネウタ
(7/29)

 

【One dot contest】第三回エントリー作品感想

第一回の感想はこちら
第二回の感想はこちら

Question/半角アットマーク(フリーソフト)

部長の思いつきで不毛な調査をしていた面々。
さて、ここで問題です。


選択肢なし、問題、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムはかなり起動が遅くて、このタイプの作品では余計に不便に感じます。
音楽や絵はなし。

いくつかの問いかけが読み手に対しなされます。
読み手を惑わすような仕掛けがされていて、捻りのある作品でした。
(以下ネタバレになるので反転)
よくよく思い返せばreadmeに一本道って書いてあるじゃないですか!
ちなみにスキップ機能は使用しませんでした。多少連打はしましたが。
(9/4-1)

植木鉢/半角アットマーク(フリーソフト)

幼馴染の二人はいつしか惹かれあうようになり、
ついには彼氏彼女となった。そして……


選択肢なし、彼氏彼女、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムは「Question」と同様。
音楽は二つの曲を同時に流している箇所が気持ち悪くて良かったです。
絵はなく、背景も白と黒のみ。

男の子と女の子の視点で交互に話が綴られていきます。
なにか表面上の出来事以上のことが起こっていそうなのですが、あまり理解でいませんでした。
ですが、全体を通じて上げて落とすの連続で、不気味さをたっぷりと感じることができた作品でした。
(以下ネタバレになるので反転)
気になるところは登校時の歩幅。両者とも相手に合わせていることになっています。
となると同じ場面の別視点ではないのかも……?
あと男の子はいつも見えないところで変なことになっていたのに、
デートのときは直接手にかけていたのが気になりました。


過去の作品感想:
Question
(9/4-2)

しゅうまつほうそうきょく!/半角アットマーク(フリーソフト)

とある終末、電波報道同好会の会長、来須川ハルナと雑用、大多川パルにより
毎週ひっそりと行われている「どきどきしゅうまつほうそうきょく」
今週の放送内容は……


選択肢なし、終末、放送、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムはそれまでの二作と同様。
音楽は勢いのある曲調。
絵はフリー素材が使用されています。
「黒曜鏡の魔獣」や「ヴィザルの日記」のグレイス姐さんが出てきたときには何事かと思いましたが、
フリー素材で公開されていましたね……

女の子二人によるいきあたりばったりラジオ(もしくはテレビ)放送。
核の炎に包まれた舞台ながら、軽いノリで進んでいきます。
若干スベっている気もなきにしもあらずでしたが、
終わり方はこの世界観らしく、かつ潔くていいなと思いました。

過去の作品感想:
Question植木鉢
(9/5-1)

風紀委員 二見美玖里の事件簿 〜湾甲学園 男子生徒溶解事件〜/月の水企画(フリーソフト)

湾甲学園内で怪死している男子生徒が見つかった。
風紀委員 二見美玖里は事件の真相を明らかにするため、
怪しい生徒に聞き込みを開始するのだった。


選択肢なし、探偵、人外、二十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は女の子やツチノコが可愛いですし、制服も湾甲学園オリジナルのものになっています。
でも先生が怖いです。

人外と人間が共に学ぶ学園で起こった事件の話。
どんな謎なのだろうというドキドキや、
犯人が明らかになったときの、そうだったのかー! という驚きはなく、
終盤の盛り上がりには欠ける面もありましたが、
事件解決のためには他のルールを無視することも厭わない無茶っぷりが笑えましたし、
全体的な完成度も高い良い作品だなと思いました。

過去の作品感想:
三匹の犬の夜月槍譚 -Mind of A Lunatic-G戦場ノ我ラ
(9/5-2)

a pincushion/ミニポテト(フリーソフト)

病を患っている女性は昔を思い出しノートへと書き留める。
それは高校時代の出来事だった。


選択肢なし、回想、きっかけ、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は背景のみ。

女性が高校生だったころの、あまり良い思い出ではないことが語られていきます。
淡々と重苦しいことが綴られていて、最後も静かに終わります。
手放しなハッピーエンドになったりせずに一貫していて、
整然とした美しさを感じた作品でした。

過去の作品感想:
ランチ・アワー
(9/6-1)

なんDAそれ!?/白桃花-hakutouka-(フリーソフト)

夜の校舎に忘れ物を取りに来た朱陣 光は誰もいない教室で話し声を耳にする。
それは机に置きっぱなしの携帯電話から発せられていた。
すると携帯電話はまるで光が見えているかのように話かけてきたのだった。


選択肢あり、携帯電話、魔法少女、ボイスあり、二十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。OPにムービー、EDに歌あり。
OPムービーが往年の特撮もののようで格好良かったです。
絵はデフォルメ絵や人間形態が可愛かったです。
魔法少女らしく変身シーンも完備。一枚絵は四枚。


携帯電話を見つけたことから始まる魔法少女もの。
主人公のツッコミがちょっとくどいところが気になりましたが、
常識的な主人公以外、皆イイ性格していて、特に携帯電話の菊菜と使い魔シリンがお気に入り。
一週間ほどの制作期間なのにOP入れてボイス入れて立ち絵や一枚絵描いて……
と、とても手間をかけてしっかりと作られている作品でした。

過去の作品感想:
Braver's TailRoseRose〜バラ薔薇〜
(9/6-2)

有限失効/風華ソフト(フリーソフト)

突如始まった学園の生徒同士で殺し合う《模擬試験》により、日を追うごとに生徒数は半減していった。
そうして一週間後、六千人いた生徒は二百五十六人にまで減っていたのだった。


選択肢あり、異能力バトル、二十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムは文章表示速度が遅めで変えられないのがやや不便。
音楽は特に問題なし。絵は背景のみ。

選択肢によって殺されてしまったり生き残ったり……します。
前半の生徒同士で闘っている場面や生き残った時のやり取りは楽しかったですが、
終盤明かされる殺し合う理由がよくわからなくて、
読み終わったときにもやもやが残りました。

過去の作品感想:
竜の見る夢(体験版)さもなくば懐は鉛筆でいっぱいに終わらない放課後でまた逢いましょうPNOS五分間事件いつかきっとうまくいく
(9/7-1)

うーとまれぐにゃ!/山田沙紀(フリーソフト)

ある日のこと、部室に駆け込んできた部長の夏原夜空は部員に告げた。
部員が五人いないこの部は廃部になるかもしれない。
その部を廃部にしないため、彼らは対策を話し合うのだった。


選択肢なし、学園恋愛、二十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムはマウスホイールからバックログが読めないことがやや不便ですが、
発言者ごとに色違いの枠が表示される演出は良かったです。
音楽は特に問題なし。絵は背景のみ。

廃部の危機を救おうとするも、夜空にとって重要なまた別の問題が発生してしまいます。
その二つに振り回される夜空が可哀想ながら可愛くて、
微笑ましく読むことができた作品でした。

過去の作品感想:
重奏世界のイデアルハイノネウタサイノネウタ〜What a Colorful World
(9/7-2)

ノ\(のスラッシュ)/End of Showa(フリーソフト)

とある学園には伝説を秘めたとあるモノが封印されていた。
新聞部に所属する二人はその真相を明らかにし、校内新聞で発表しようとしていたのだった。


選択肢なし、伝説、十分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は背景とイメージ画像のみ。

最初は伝説の存在による壮大なモノローグから始まり、後半、その存在が明かされます。
存在が明かされる前、「嘘かホントかわかる気がする……」あたりで大体何なのか見当がつきましたが、
それでもバックログを読み返して、おお、と思いました。
前半後半のギャップがいい味出している作品です。
(9/8-1)

2月13日、秘密会議/インコ(フリーソフト)

2月13日、とある教室で秘密会議が行われていた。
その議題とは……?


選択肢なし、会議、決戦前夜、五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システムは特に問題なし。
音楽はなし。絵は背景のみ。

2月13日から容易に連想されるような、一部の男達による会議が行われます。
会議の内容もお約束というかなんというかなのですが、
特にラストは壮大かつ不毛な結末で非常に馬鹿馬鹿しくていい感じでした。

過去の作品感想:
フリーソフト制作過程選択肢の無い謎解きノベルフリーソフト怪談余話フリーソフト恋愛忌憚夏休みin宿題日記in言い訳フリーソフト難問奇問フリーソフト質疑応答たとえばこんな七不思議
(9/8-2)

Black Blind Spot/小倉ハムスター(フリーソフト)

私立湾甲学園の旧校舎には、片方に自分の名前を書き、もう片方に好きな人の名前を書くと、
恋が実ると言い伝えられている大きな二つの黒丸があった。
ある夜、その黒丸の前に男女四人の姿があった。


選択肢なし、伝説、恋愛、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は慌てた表情が可愛らしかったです。

恋のおまじないにまつわる恋愛模様。
ちょっと黒丸の由来が強引すぎるような気もしましたが、
妙にかみ合わない四人の会話が楽しかったですし、
二人になってからの会話も微笑ましかったです

過去の作品感想:
CD−LimeCD−Manatsu群青蝶72
(9/9-1)

ぷるぴら 〜 solid situation love comedy./3 on 10 -サンオントウ-(フリーソフト)

少女が、少年に、ぷるぴられた。
ソリッドシチュエーション系王道学園ラブコメディ。
(コンテストページ、粗筋より)


選択肢なし、ぷるぴら、ラブコメ、十五分ほどで読み終わりました。
【One dot contest】第三回エントリー作品。
色々と動きのある演出がされていて効果的でしたが、
そのせいでスキップがやや遅めになっていました。
音楽は特に問題なし。
絵は少々全身のバランスに違和感を覚えましたが、コロコロ変わる表情が良かったです。

少女が、少年に、ぷるぴられます。
というかあらすじをどう書けば! と悩んだ末引用してしまいました。
冒頭からハイテンションな少女とそれにツッこむ少年のやりとりが、
切れのある演出もあって楽しかったです。
それにラストは、その部分だけを切り取れば少女が突拍子もない言動をしているだけですが、
そこまでの展開と、ラブコメディということを念頭に置くと、ニヤリとするいい終わり方でした。

過去の作品感想:
ツルゲーネフによろしく
(9/9-2)

第三回【One dot contest】参加全作品を読み終えて、
一番のお気に入りは「ぷるぴら」です。
前半のテンポの良さと一見何事もなさそうな終わり方がいい感じ。
次点は「a pincushion」
とことん抑圧されたまま最後まで進んでいくのが印象的でした。
(9/9)

 

あきそらっ!/風華ソフト(フリーソフト)

冥王星セブンスヘブンが起こりその戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
そうして兵士たちの死体が折り重なった中、死体漁りをしていた少年ソラだったが、
目当ての物を見つけたその時、自分に話しかけてくる少女の声を耳にした。


選択肢なし、三題噺、異世界、二十分足らずで読み終わりました。
doujin24内企画、二十四時間でシナリオもしくはゲームを作る
ライブライティング(ライブコーディング)で作成された作品。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなことがやや不便。
音楽は特に問題なし。絵は背景のみ。

「紅玉」「冥王星」「落ち穂拾い」「アキ」「物の怪」「ダミーボカロ」「ガンダム種死」
以上のキーワードを作中に入れる三題噺七題噺。
物の怪なんて言葉使っていたかな……と読みなおして、
使われている場所を見つけた時にはここか! というよくわからない達成感がありました。
キーワードでは「冥王星」と「ガンダム種死」が浮いてたような気がします。
まあオタクものの話にでもしない限りガンダムは浮く気がしますが……
話としては打ち切り漫画のようなラストで投げっぱなしでしたが、
少年と少女(+ボカロ)の会話はテンポ良く読んでいくことができました。

過去の作品感想:
竜の見る夢(体験版)さもなくば懐は鉛筆でいっぱいに終わらない放課後でまた逢いましょうPNOS五分間事件いつかきっとうまくいく有限失効
(9/19-1)

 

ネクバセクテトの部屋/月の水企画(フリーソフト)

男が目覚めると、四方八方を壁で囲まれ、中央に柱のある部屋に閉じ込められていた。
わけがわからず混乱していると、天井に穴が開き少女が降ってきて、謎の言葉で話しかけてきたのだった。


選択肢なし、密室脱出、ぺポロン語、二十五分ほどで読み終わりました。
doujin24内企画、二十四時間でシナリオもしくはゲームを作る
ライブライティング(ライブコーディング)で作成された作品。
システムや音楽は特に問題なし。
絵はおっぱいです。あと雲の風景も綺麗でした。でもおっぱいに目がいきます。

自分言語で話す女の子と共に密室の謎を解いていく話。
主人公の境遇が上手く伏せられているのが良かったです。
ただ、密室の仕掛けも女の子との会話もシュールで面白いですが、
脱出する密室の数がとても多いのでほとんど省略されていてどちらも中途半端な印象。
でもたくさんの積み重ねがないとラストが映えないので難しいなぁと思った作品でした。

過去の作品感想:
三匹の犬の夜月槍譚 -Mind of A Lunatic-G戦場ノ我ラ風紀委員 二見美玖里の事件簿〜湾甲学園 男子生徒溶解事件〜
(9/19-2)

 

スノーレイン 〜空歌編〜/style-零(フリーソフト)

幼少の頃を過ごした雪深い街を十年ぶりに訪れた伊崎春樹。
幼馴染の鈴と街を散歩していると、ゆきと名乗る少女と出会った。


選択肢なし、雪、過去、ボイスあり、四十分ほどで読み終わりました。
シナリオと音楽が同じで、絵だけ変えたらどうなるのか、というコンセプトの作品。
もう片方の「雪歌編」の感想は
こちら
システム面はセーブできるようになっていました。
ただマウスホイールからバックログを読めないのがやや不便。
絵は「雪歌編」が綺麗ならこちらは幼めで可愛いといった印象。
特に正面向きの立ち絵は可愛かったですが、斜めを向いている立ち絵は違和感を覚えるものも。
あとこちらは鈴の服が暖かそうだなと感じました。「雪歌編」ではみんな肩出しているので……
それに鈴と岬さんはこちらのほうが母娘に見えます。

話については「雪歌編」と同じなので改めて言うようなところも少ないですが、
こちらの方が幼い外見なので下ネタへの初々しい反応がいいなと思いました。
逆に過去が関わってくるような場面では、ゆきがより年上に見える「雪歌編」の方が、
過去との対比がより効果的だったように感じられました。

過去の作品感想:
スノーレイン 〜雪歌編〜
(10/24)

 

スノーレイン2 〜 fragment of the heart 〜/style-零(フリーソフト)

前回訪れたときから半年後の夏。伊崎春樹は鈴の待つ街へと帰ってきていた。
半年前にあった出来事を否が応でも思い返してしまうその街では、
新しい出会いと再会が彼を待っていた。


選択肢あり、雪、伝説、ボイスあり、三時間足らずで読み終わりました。
前作「スノーレイン 〜雪歌編〜」の感想は
こちら
同じく前作「スノーレイン 〜空歌編〜」の感想は
こちら
システムはマウスホイールからバックログを読めないことと、
バックログ文章が白めの背景と重なると見難いのが気になりました。
ボイスは同じキャラに二人の声優さんがいて、
開始前にどちらかを選ばないと同じセリフが別の声で同時に再生されてしまいます。
絵はキャラによって違う方が描かれているのでやや統一感に欠けるように思えました。

幼馴染や再会した女の子や新しく出会った女の子と日々を過ごしていきますが、
雪女に関する出来事に巻き込まれていきます、ルートは三つ。
そらルート終盤で主人公がへまばかりやっていて格好悪く、
またそのせいもあってやや強引な展開だったのが気になりましたが、
前作で気になったシーン間の繋がりは解消されていましたし、
相変わらず中身の詰まったシナリオでした。
あと、幼馴染の鈴とは一応くっつくエンドはあれどおまけ程度なのがかなり不憫でした。

過去の作品感想:
スノーレイン 〜雪歌編〜スノーレイン 〜空歌編〜
(10/26)

 

だれかのかがみ/ウミユリクラゲ(フリーソフト)

内気な少女、恵音は紆余曲折の末、遠い親戚の女性、棗と同居することになった。
ぎこちなくも新しい関係を築きあげていく二人だったが、
彼女達が住む家には、奇妙な出来事が頻繁に起こるのだった。


選択肢なし、現代系秘所物語とのこと、二時間ほどで読み終わりました。
システムは非アクティブで動作しないこととマウスホイールからバックログに移れないことが少し不便。
音楽は綺麗でいて不安定な曲調で話に合っていました。挿入歌あり。
絵は基本的に写真背景のみですが、時折イメージイラストのようなものが挿入されます。

ちょっと不気味な家の中で、恵音と棗の交流が描かれています。
通販をしたあたり以降、夢か現か曖昧な描写が多くなってわかりにくく、
それが最後まで変わらないので置いてけぼりにされてしまった感がありました。
ですが恵音と棗がキャッキャウフフ(というには湿っぽいトーンですが)している場面や、
それぞれが一人のときの取る相手に見せられない恥ずかしい言動などに、
微笑ましさと共に仄かな淫靡さが漂っていました。
ジャンルに秘所とある通り、秘め事を覗き見るようないけないドキドキがたっぷりな作品でした。

それにしても一人きりで鏡に向かって決めポーズしたりするのが私の場合ただキモいだけですが、
恵音のような少女がやっていると何故こうも絵になるのか、不公平さを嘆かずにはいられません。
(10/30)

 

だれかのよどみ/ウミユリクラゲ(フリーソフト)

雨音と雛の二人を残し街を出ていた木陰が二十歳を目前にしたある日、帰ってきたが、
活発だった以前とはうって変わってロリヰタ衣装を着た乙女となっていた。
木陰に対し並々ならぬ想いを抱いていた雨音は、戸惑いつつも木陰を理解しようとする……


選択肢なし、思慕とジェラシーによる秘所物語とのこと、五十分ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
フォントは「
しねきゃぷしょん」が使用されていて、文字色が変わる演出あり。
音楽は「だれかのかがみ」と同様、綺麗で不安定で話に合っていました。
絵も繊細さが感じられる絵柄。

靄が覆い、水の流れない川とそこにかかる橋がある街を舞台にした三人の幼馴染の話。
ぼかしたままになっている設定も多く、よくわからないまま終わってしまったと感じた箇所もありましたが、
文章、文字、絵、音楽、さらにはそのわからなさも含めて、
幻想的でいつ消えてしまってもおかしくない印象を醸し出すことに繋がっていました。
曖昧で、危うくも美しいバランスの上で揺れているような作品でした。

過去の作品感想:
だれかのかがみ
(11/1)

 

無限夜行/くらやみ横丁/ウミユリクラゲ(フリーソフト)

夏の日の夕方、田舎へ行くために深川悠太は兄と二人で列車に乗り込んだ。
しかしその列車は「無限夜行」という名の、運転手がいなくてもひとりでに動く列車だった。
その車中で切符泥棒に持っていた切符を盗まれた悠太達は、切符を取り戻すため行動するのだった。


選択肢なし、列車、子供、二時間足らずで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。
絵は背景も含め郷愁を感じさせる絵柄でいいなと思いました。
あと顔に影を落としたり目の色を印象付けたりと不穏さを感じさせる演出が効果的でした。

悠太、兄、それに田舎で仲良くしていた千夏が、
見知らぬ世界を走る列車の中や途中の停車駅で、元の世界へと戻るための方法を探し回ります。
兄や千夏の秘密など人間関係のいざこざが蛇足に思えてしまうくらい、
車中から見える景色の鮮やかさや、烏ノ街の雑多ないかがわしさが魅力的に感じられました。
無限夜行にのってあてもなく旅をするのもいいなと思えた作品です。

過去の作品感想:
だれかのかがみだれかのよどみ
(11/3)

 

夏仕舞冬仕度/ヲサカナソフト/Breezeway(フリーソフト)

おすすめ

過去の作品感想:
homeless, the vagabondブラックオクトウバー
(11/9)

 

黒後家蜘蛛の会贋作集 〜Phony Tales of the Black Widowers〜/黒後家蜘蛛の会贋作集(フリーソフト)

アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」の贋作ノベルゲーム。
七編の贋作他、クイズ、パロディ、分析などを収録。

選択肢なし、二時間ほどで読み終わりました。
サンプル第三版の感想は
こちら
システムや絵はサンプル第三版と同様。
絵は立ち絵が付きました。ヘンリーが素敵なおじ様。あとルービンのイラチっぽさがいい感じでした。

新しく追加された贋作の中では、さる秘密結社の陰謀を探るゲストが出てくる「山のフクロウ」がお洒落なオチでお気に入り。
あと「ヘンリーの休日」は完璧超人ヘンリーの普段とは違う親しみやすさが出ていました。
それから原作の「型」をコースメニューにして表した「原作構成メニュー」がいい発想だなと思いました。

ただ、「あなたは何をもって自身の存在を正当となさいますか?」
という謎に移る前の決まり文句に対する違和感が最後まで拭えませんでした。
日本語にはない言い回しなので……
(11/15)

 

外道狩り/「アンダーカヴァー」2(フリーソフト)

外道という名のモノを狩る桂木紳一郎と、助手の神代優希は、失踪した少年探しの依頼を受ける。
それは桂木の過去にも関わる、大きな事件へと発展していくのだった。


選択肢なし、外道、詩、三時間ほどで読み終わりました。
システムはYuuki! Novel製。デフォルトの機能以外でも起動するたびにフルスクリーンになるのが不便でした。
音楽はクラシック中心。
絵はフリー素材使用で統一感には欠けますが、優希がやたら可愛いです。

外道というこの世の理の外にあるものが関わる事件が描かれています。
優希は立ち絵もそうですが、詩が好きで面倒見がよくて意志も強くて本当に可愛いです。
話も終盤の盛り上がりにドキドキしました。
ですが、頻繁に時と場所が飛んでいつの出来事かわかりにくかったり、
三人以上が喋っているシーンで誰が誰の発言なのかわかりにくかったりして、
特に中盤まではかなり読みにくかったことが気になった作品でした。

過去の作品感想:
不死の14
(12/7)

 

キャバ嬢 A GOGO !!/「アンダーカヴァー」2(フリーソフト)

新米キャバ嬢のさくらは借金を抱えつつも良い同僚に囲まれ日々を送っていた。
しかし借金の原因となった出来事はまだ解決していなかったのだった。


選択肢あり、キャバ嬢、三時間と少しで読み終わりました。
システムはYuuki! Novel製ですが、二週目は場面をスキップできたりと工夫されています。
音楽は特に問題なし。
絵は顔グラフィック中心。

選択肢によって別のキャバ嬢や黒服と仲良くなりつつ、問題を解決していきます。
仲良くなれるのは五人。エンディングは六つ。エンディング後におまけコーナーあり。
後半、いくつかのルートが同じような展開でちょっと単調になってしまった感はありましたが、
色々な場面で交わされる会話がどれも楽しかったです。
百合姉が格好良くて素敵。あと蘭ちゃんルートがいい話でした。
同僚たちとの会話もそうですし、客との会話ももっと読んでみたいと思えた作品でした。

過去の作品感想:
不死の14外道狩り
(12/9)

 

ベルゼブル/「アンダーカヴァー」2(フリーソフト)

普通の人々にはない「能力」を持っている者たちで構成されるプロの仕事屋「ケアトーカーズ」は、
日ごろの活動を労うという名目でその地を治める領主の館に招待されることとなった。
しかしその直前、領主に仕える番兵が殺される事件が発生する。


選択肢あり、推理、コメディ、サスペンス、八時間ほどで読み終わりました。
システムはYuuki! Novel製。音楽は特に問題なし。
絵は動物組が可愛いです。

願いを叶えると言われる秘宝「クリスタル」を巡る出来事に、殺人事件が絡んできます。
それらを終盤に選択肢で推理する形式。
エンディング後におまけコーナーあり。用語解説が興味深かったです。
推理のうち一つは半ばあてずっぽうで正解しましたが、他はわかりませんでした。
ただ正解を示されれば納得できるもので、しっかりと構成されています。
ですが、本筋以外の所を描きすぎて話の進みが遅く、
推理、コメディ、人間関係のどれもが中途半端に感じられてしまったのが残念でした。

過去の作品感想:
不死の14外道狩りキャバ嬢 A GOGO !!
(12/11)

 

Succu!! 日本編ぷらす(18禁)/WILD★COVERS(1000円)

戦争で荒廃し、ウイルスの影響で女性が大多数になってしまった2206年の世界。
技術者のぴあのは所長であるゼラフィーネの命を受け、サイバーダインのミルシェと共に過去へ行き、
男性が少ない問題を解決しようとしていた。その解決法とは……


選択肢あり、タイムトラベル、陰謀、ボイスあり、十時間ほどで読み終わりました。
システムはムービーやスタッフロールをスキップできないのがやや面倒。
音楽は特に問題なし。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は感情表現が野暮ったい感じですが、山場の表情はいいなと思いました。

第一話未来編と第二話日本編、それに第三話火星編の予告を収録。
日本編は選択肢で七つの結末に分岐します。
未来編は話がなかなか進まずにじれったく思えてしまいましたが、
日本編は仙太郎が格好良くて、それに惹かれる未来組の行動にもぐっときました。
七つの結末どれもしっかりと描かれていましたし、そこに至るまでの展開もいいなと思えた作品です。

過去の作品感想:
不死の14外道狩りキャバ嬢 A GOGO !!ベルゼブル
(12/13)

 

Chiristmas Coffee/agony(フリーソフト)

インフルエンザにかかってしまった友人の代理でクリスマスケーキを売るバイトをすることになった私。
しかし慣れないせいで色々とヘマをしてしまう。
そうしてバイトが終わり、落ち込みながら歩く帰り道に、あまり話したことのない学校の先生がいた。


選択肢なし、クリスマス、十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は台詞横の顔グラフィック変化が感情をよく表していました。

クリスマス期間限定公開作品。
「〜〜なキス」シリーズの二人が出演しています。
クリスマスなのに嫌な客の描写が本当に嫌な奴で徹底しています。
それでも後半はちょっといい話でした。……二つのおまけ話を読むまでは!

過去の作品感想:
さくっとパンダおじさん酷罪を受けるべき者Nと言う名の男、Bと言う名の女キナナキノ森この世で最も残酷なキスこの世で最も淫靡なキス
(12/25)

 

 

(体験版・連作)

小さな記事の裏側 1.04/空と雲と風/ステルス(フリーソフト)

メニューにアメリカン珈琲しかないカフェ「小さな記事の裏側」
そこでお茶請けとなるのは給仕が語る「小さなお話」
今日も物語を求め、人々が「小さな記事の裏側」を訪れる。


選択肢なし、オムニバス、二時間ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できませんが、他は特に問題なし。
音楽はカフェのBGMがお気に入りで、絵はクールな感じの表情がお気に入り。

テレビや新聞などでは数十秒や数行でしか報道されない事件が、
実際にはどのような経緯で起きたのかが語られていきます。
現在、読むことができる話は四つ。
良いなと思ったのは第三話「消えゆく小鳥」と第四話「僕と一緒に」
「消えゆく小鳥」は「ちえおくれ」の荒谷ひばりと、彼女と約十年ぶりに再会した浜松純子の話。
最後のやるせなさが印象に残りました。
「僕と一緒に」は夫が認知症で妻が介護をしている、ある老夫婦の話。
ちょっと変則的な終わり方ですが綺麗で、完璧ではないけれども確かな幸せが感じられました。
個人的には自分がボケたら家族の好きにしてくれと思います。
介護してくれてもいいし、特養に放り込んで放置でもいいし、安楽死OKになってたらそうしてもいい。
自分では最後のが一番時間的にも金銭的にも楽なので推奨しますが、まあ世間体とかとの兼ね合いで。
ただ頭まともで身体動かなくなったとしたら、それでもノベルゲームやらせてくれとは思いますが。

第一話、第二話も含め、実際にありそうな現実味を持った作品でした。

過去の作品感想:
夜空をねがう少女
(4/11)

 

断罪アイアンメイデン第参話 ワルプルギスの夜/南極堂(600円)

昭和初期、混沌とした世の中を象徴するかのようにいくつもの事件が起こっていた。
私立探偵の白鴎院理人はある日、尋ね人の依頼を受ける。
捜索を続けるうちに、彼は常識の埒外の世界へ足を踏み入れていくのだった。


選択肢あり、昭和初期、怪人、メイド、三時間半ほどで読み終わりました。
第壱話「怪人蜘蛛男」の感想は
こちら
第弐話「吸血鬼」の感想は
こちら
システムは第壱話と同様。
絵はキリエが格好いいです。一枚絵は背景、アイキャッチ含め三十六枚+差分。

第参話はいくつかのバッドエンドがあるものの基本的に一本道。
春眠病という奇病と夜な夜な現れる百鬼夜行を追っていくうちに、
この二つが互いに関連していることが明らかになっていきます。
戦闘シーンで、こちらがピンチになってからが長くて、だれてしまった感がありました。
無表情冷静なキリエにスポットをあてて、その内面をしっかりと描けていたので、
ただシナリオ量を増やすのではなく、
展開を速くするところ、じっくりと描写するところの緩急があったほうがいいなと思えました。
(5/11)

 

永遠が刻む記憶のカケラ_体験版(エピソード0)/きゃっとろーかす

高校一年から二年へと進級する年の春休み、暇を持て余していた藤堂和真はとりあえず外出してみた。
そんな彼に、同じ学校、同学年の女の子、水瀬唯が声を掛けてきたのだった。


選択肢なし、猫探し、三十分足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は可愛らしい絵柄。

本編の数日前、主人公とヒロイン? が初めて会った日のことが描かれています。
基本的に最初から最後までコメディで、二人ともボケもこなしますし突っ込むこともできます。
ただ、どことなくわざとらしさがあったというか、無理して変な言動をしているような感じを受けてしまいました。
本編のみんな揃ってのやり取りのほうが、ずっと面白かったと思いました。
(6/10-1)

 

魔女アリサの物語 mini版/つきのわっか(フリーソフト)

皆の幸せを願う魔女アリサはホウキ乗りの練習をしている三人組の魔女と出会う。
彼女達には犬猿の仲の魔女三人組がいた。
ホウキ乗りレースで勝負することになった彼女達に、アリサは関わることになる。


場所選択あり、幸せ、魔女、ボイスあり、四時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
ただ細かいことですが折角色々な一枚絵があるので、
メッセージウインドウを消すことが一動作でできればよかったなと思いました。
(メニュー呼び出し→消す、と二動作かかる)
ボイスはキャラクターによってかなり音量差があったことが気になりました。
一枚絵は色々な方が描かれています。

ホウキ乗りの魔女達が中心のメインストーリーと、
短い日常の一コマが描かれたいくつかのサブシナリオが収録されています。
「魔女アリサの物語」本編の体験版も兼ねた作品。
世界観や主人公であるアリサがどういう立場なのかといったことの説明がなく話が進んでいくので、
特にメインストーリーでは置いてけぼりにされてしまった感がありました。
また、アリサがホウキで空を飛ぶことに憧れながらも飛ぶ練習する描写が一切ないので、
実際にホウキで飛んでいる六人に対して言う台詞に、説得力が欠けるように思えてしまいました。
ただ、特にサブシナリオでみんなわいわい賑やかにしているシーンや、
穏やかに過ごしているシーンは微笑ましくて、暖かい気持ちになることができました。
(8/5)

 

ひな鳥のたつる水の音〜二人きりの水泳部〜 体験版 第3回web版(18禁)/下野流星工房

期待
(10/22)

 

あやかしよりまし祓 PC版二話/冒険野郎のトムソーヤ(フリーソフト)

妖を寄せ憑けやすい稲生木綿と仲良くなった九条風太郎。
休みがちだった木綿はそれをきっかけに風太郎の友人たちとも仲良くなる。
しかし、友人の一人、天海蒼には妖が憑いていたのだった


選択肢なし、妖、過去、三十分ほどで読み終わりました。
「あやかしよりまし」の番外編で、携帯電話でのみプレイ可能だった作品の、
ももいろかんづめのゆつきさんによるPC移植版。
第一話の感想は
こちら
システムは文章の途中で切れて、次のページにまでまたがっているのがちょっと気になりました。
音楽、絵は一話と同様。
ただ木綿は白髪verの方が可愛いと思います!

第一話の続きで、今回は件と口裂け犬? が出てきます。
特に後半は重めの雰囲気。
三十分ほどの長さですがもっと長い話を読んでいるかのようで、
でも話の流れがきっちり順序立てて語られているので詰め込み過ぎという感じは受けず、しっかりとした読み応えがありました。
そんな中、特に風太郎と木綿がお互いを微妙に意識しているシーンが微笑ましくていいなと思えました。

過去の作品感想:
ドッジボックル〜各叩呆如あやかしよりましビバキューンミスティQあやかしよりまし逢魔ピクルスパピルスあやかしよりまし祓一話A(C)
(11/11)

 

小此木鶯太郎の事件簿 三つの謎宮(問題編)/安楽椅子犯人(フリーソフト)
小此木鶯太郎の事件簿 三つの謎宮(解答編)/安楽椅子犯人(フリーソフト)

「赤と黒の境界」「完璧なアリバイ、あります。」「ひとひらひらら」
以上三つの事件の問題編と解答編。


選択肢なし、読者への挑戦、推理、
問題編は一時間半と少し、解答編は一時間と少しで読み終わりましたが、
推理しようとすると問題編を何度か読み返す必要があるかと。
第一の事件「湖岸の盲点」の感想は
こちら
システム、音楽は特に問題なし。
タイトルバーに表示される文章に色々なパターンがあって芸が細かいなと思いました。
絵は「完璧なアリバイ、あります。」の犯人のゴテゴテ具合が話の目くらましになっていました。

読み手には犯人や手口がわかっている状態で、
そのことを知らない刑事が犯人を追い詰めるための手がかり
(犯人のミスもしくは別の人間が犯人でない理由)を指摘してください、という問題編と、
その答えあわせの解答編に分かれています。
すでに締め切られていますが、正解者の中から抽選で賞品が当たる企画でした。

「完璧なアリバイ、あります。」が出題編、解答編とも一つのことを徹底していて印象的。
それから「赤と黒の境界」の解答編は勢いがあって、テンポ良く読むことができました。
あと相変わらず鶯太郎はただ推理するだけじゃなくて犯人を慮れるところがいいなと思います。

今回の私は前回とは逆に正解率が高い答えしかわかりませんでした。
そのわからなかった答えのいくつかは、答えを読むと何故気付かなかったのだろうと思える、盲点をついた問題でした。
(11/19)

 

 

 

その他

灰かぶりと亡霊たち〜挿話集/壱九四伍(フリーソフト)

「灰かぶりと亡霊たち」の挿話の第四話「赤いクレヨン」と第五話「白い紙」を収録。
「灰かぶりと亡霊たち」の冒頭と同じように「赤いクレヨン」ではユーリが、
「白い紙」ではローエングリンが体験談を語ります。

選択肢なし、怪談、十分足らずで読み終わりました。
システム、音楽、絵は前作までと同様。

「赤いクレヨン」は怪談「赤いクレヨン」をベースにした話。
怖い方面のオチがないのでぞくっとするような場面はありませんでしたが、
全体を通してぞわぞわとした気味悪さがある話でした。
それにしてもユーリはどういう手段を使ったのでしょうか?
やっぱりゆんゆん?

「白い紙」は4時44分44秒に白い紙に触れると吸い込まれるという話がベースとのこと。
私は4時44分44秒というと合わせ鏡の話しか聞いたことがありませんでした。
怪談というより奇妙な話といった感じ。
とりあえず白い紙には触らないようにしようと思いましたが……
その時間にうっかりコピー用紙をセットしてしまいそうな気がします。

過去の作品感想:
灰かぶりと亡霊たち針鼠城殺人事件・序
(3/8)

 

ゆいのコトノハ 追加シナリオ「ココノハ」(18禁)/座敷童

ゆいのコトノハの追加シナリオ。梢恵さんルート。

選択肢あり、六十分ほどで読み終わりました。
本編の感想は
こちら
システムや音楽は本編と同様。
絵は、ジーンズ+○○や、シーツ越しの乳が破壊力ありました。
CGモードに追加される一枚絵は差分含め三十八枚。

このシナリオの主人公は鉢形宏丈ではなく、
彼が所属する剣道部の副部長、川越陸也(名前変更可)が主人公、なのですが
なんだか宏丈以上に主人公属性というか、ヒーロー属性というか、度量が大きすぎます。

作中で本人がフォローしているものの、
「あの」梢恵さんと両想いになるにしては期間が短いのが物足りなくはありますが、
その後のらぶらぶ具合は微笑ましかったですし、
Hシーンはゆいと玲花以上にエロかったです。
巨乳もいいものですね! 背中越しに見えるのがなんとも。
(5/15)

 

Ringlet Continue+(1009)/Project Ringlet

Ringletの後日談、Ringlet Continueに新しい後日談が追加されたもの。
以前の後日談の感想は上記リンクから。

そのときから新たに追加されたのはKaren Cleveland編「そこにいるかれん」
選択肢無しで十五分ほどで読み終わりました。
冬休みにかれんの祖父がいる国へ行く計画についてあれこれ話し合います。

一瞬垣間見せたかれんの浮かない表情が、
普段一切そんなところ見せないので印象的で、何があるのか気になります。
(10/28-1)

 

Ringlet the Fariytale 1.1st Edition(006)/Project Ringlet(フリーソフト)

かれんからおとぎ話がたくさん載っている本を渡されたエルセ。
明日は祝日。主人公はエルセに、その本を子守歌代わりとして読み聞かせることとなった。


選択肢なし、おとぎ話、一時間足らずで読み終わりました。
Ringletの世界でおとぎ話を読む話。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は話ごとに挿絵が用意されています。

現時点で六つの話が収録されています。
おとぎ話は元ネタがありますが、原作そのままではなくかなりアレンジを加えているとのこと。
原作のことやアレンジの意図などはあとがきで詳細に書かれています。
RingletモードがONになっていると話の途中でエルセと主人公の会話
(この単語どういう意味?とかこの先どうなるのかなぁとかかれんならこの場合こうするよねとか)が挿入され、
OFFにすると話のみを読むことができます。
Ringletシリーズ既読ならばON推奨。
(追記:ONにしていると同じ話をもう一回読んだ時、主人公とエルセの会話が変化します)
六つの話の中では「エインセル」がお気に入り。
最後、妖精を大事にする少年テッドが、嬉し恥ずかしな感じ全開で微笑ましかったです。
(10/28-2)

 

 

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