コミックマーケット76感想リスト

同人ソフト(ノベル系)は基本的に全て、
それ以外は感想が思い浮かんだもの限定です。

基本的に同人ソフト(ノベル系)はプレイ順(パッチ待ち作品を除き事前の期待順)です。
それ以外はサークル名順です。
ただしおすすめ、期待作品は連続しないようにしているので前後することはあります。
また時間がかかりそうな作品は読むのをある程度後回しにします。
時間がかからなそうな作品は先に読んだりもします。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

 

同人ソフト
まとめ  完成版  体験版・連作  番外編・その他

同人誌
漫画  小説

 

 

コミックマーケット76同人ソフトのまとめ・雑感

特におすすめ
trade▼off/The Dungeon In Yarn

おすすめ同人ソフト
完成版
三匹の犬の夜/月の水企画
フリックドロップ/.17
天使郷 −ヘブン−/TRiNE
鷽替真と月夜の×××/ななしの屋本舗
ABYSS −殺人クラブ−/Festival
打撃戦艦アルテミス/circumflex

おすすめ同人ソフト連作
八つ数えろ/TR九石堂/System9
THE MAN CALLED CRIMSON/因果堂Type-I.G.

おすすめ以外で面白かった同人ソフト完成版
ツツジと夏の坂道/半端マニアソフト
あそびめヱロゲに花束を/花を吐く抄女
モンバーバラAS/inspire
厨恋 −処女厨は中古に恋してる−/厨恋制作委員会
不死の14/「アンダーカヴァー」2
シウテクトリ/ふぉらん
銀の魔法陣/須藤ユキヒロ

期待の同人ソフト以外で完成が楽しみな体験版・連作

天使仔猫譚/シモメマイ
月と太陽のラクシャルキ/Ambivalence
灰かぶりと亡霊たち〜凡庸な戦争記録の欄外註/壱九四伍
ほん呪!/荒井小豆
ファントムリム/九字
SkyScape 体験版/雪月
夜の中に浮く花たちの片側 体験版 ver.1.10/人工くらげ
終末症候群 Terminal Syndrome/LEANGATE

その他面白かった同人ソフト
就活DX/a.m.

他に良かった作品は、
完成版では「
わたしには聞こえる」「恋愛家庭教師ルルミ」「親愛なる魔王へ
diskill」「感情線」「PISSENLIT」「1980円の君 〜I am a software〜
ずっと一緒に――」「Noble Blood
一ルート以上完結しているものでは「
あの日の約束 QE
連作では「
TUKUMO・弐」「PNOS Ver2.0
L I N K - the gritty age - 第一巻(第1話〜第3話)」「metropolice. scene02
体験版では「
youth 体験版」「Tomorrow-体験版-
女性向完成版では「
君の隣に僕が生きてる」「高校教師 −Memories of Summer−
体験版では「
Triangular Another World体験版

絵では「
モンバーバラAS」「天使仔猫譚0」「灰かぶりと亡霊たち〜凡庸な戦争記録の欄外註
SkyScape〜体験版」「はぐくみSacrifice 第一話 呪いの代償」などが綺麗でした。
また、「
ファントムリム 魔怪篇 下」「夜の中に浮く花たちの片側 体験版 ver.1.10」の
背景写真が多彩で臨場感がありました。
システム関連では平均が上がっているためか、特に印象に残るものはありませんでした。
演出では「
1980円の君 〜I am a software〜」「invisible
ほん呪! durbbing girls revival fest 第一話」「Tomorrow-体験版-
Triangular Another World体験版」などに目を惹くものがありました。

話の構成が印象的なのは「
厨恋 −処女厨は中古に恋してる−」「フリックドロップ
鷽替真と月夜の×××」「THE MAN CALLED CRIMSON -Episode IV-シスの大地と飛躍の階段

基本ボイスはなくていいと思っていますが、「
あそびめヱロゲに花束を」と「シウテクトリ」は
声が効果的に使われていました。
また、「
CLAVIS」の男キャラの声が渋かったです。
ムービーは「
恋愛家庭教師ルルミ」「CLAVIS」「kaguya 五月の章」がセンスいいなぁと思います。
音楽は「
恋愛家庭教師ルルミ」「CLAVIS」「フリックドロップ」「天使郷 −ヘブン−」「SkyScape〜体験版
完成版以外では「
天使仔猫譚0」「月と太陽のラクシャルキ2 砂漠の国のお姫さま」にもお気に入りの曲がありました。
歌は「
恋愛家庭教師ルルミ」のOP「Kira-Kira Brand-New Days」とED「センチメンタルガール」
CLAVIS」のOP「廻る生命の謳」、「SkyScape〜体験版」の挿入歌がお気に入り。

今回は体験版・連作の入手数が少なかったですが、完成版と共に粒揃いでした。
というか昔と比べて面白い作品の数は確実に増えてます。
どのサークルさんもすごいなぁ。感謝感謝です。
皆もっと同人ゲームやりましょう!
(11/24)

 

(同人ソフト完成版)

三匹の犬の夜/月の水企画(500円)

『孫派第八訓練所』
超常の力を持つ“使い手”と呼ばれる能力者を育成する施設。
大戦以後、波槽で多く見られるようになった異能力者を戦力として鍛えるべく、
孫派、八犬士の一人である蒼芽(そうが)のもと、多くの使い手が鍛錬に励む場所だった。

が、それも今は昔。
波槽の内乱が激しくなるにつれて、訓練所へ送られる人間は激減。
今やリーダーの蒼芽に加え、数名の訓練生が所属するのみだった。

しかし、そこに突然、新たなメンバーが加わることになる。
それも二人。

一人は、リーダーの背信で瓦解してしまった孫派の部隊の下っ端の少女、月夜(つくよ)
もう一人は孫派に保護された戦災孤児で、アンドロイドに育てられたという青年、タカヤ。
タカヤと一緒にやってきたパーソナルロボットのルイも加え、倍近い人数になった八錬。
さらに近所の住人達や謎の幽霊少女も交え――波槽の戦いは、加速していく。
(サークルHPより)


第三夜体験版からの追加部分は選択肢あり、十二時間足らずで読み終わりました。
第一夜から第四夜まで全部(今回収録されていないオマケシナリオ含む)合わせると三十五時間ほど。
システム面は特に問題なし。
音楽は和風な感じの曲がお気に入り。
絵は第三夜体験版から変わっていましたが、今回第二夜までも全編リニューアル。
種類↑、可愛さ↑、胸の大きさ↑(一部を除く)といった感じで好印象。
ただ、モカさんと(ネタバレ反転)
音詠みの立ち絵には差がありすぎて違和感を覚えました。
一枚絵は二十四枚+差分。

今回は波槽の過去を交えながら、物語も大詰めを迎えていきます。
いままでもそうでしたが難しい表現などがなくとても読みやすく、
それでいてシーンごとに緩急があって、ぐっと話に惹きこまれました。
色々な出来事、人間関係の末に現在があると思わせる構成もしっかりと作られているなと感じました。
特に印象に残ったのは過去編の最後とラストバトルのルイ〜蒼芽の場面。
それからエピローグでの瀬夷花とのシーンはそのシチュエーションもあって、
第一夜から続いてきた話がここで一区切り付いたのだな、と感慨深かったです。

波槽を舞台にした戦いの歴史、とても面白く、読み応えがありました。
おすすめです。
それはそれとして番外編の予定もあるとのことなので、どんなものになるのか期待しています。
(8/21)

 

桜仮面/debris.(700円)

一本の掌編と二本の中編を収録。
中編二つは「
オマケ・ノベル」掲載作。
掌編は書き下ろしですが、中編二つと同じ世界の話。全部あわせて二時間足らずで読み終わりました。
システム面や音楽は特に問題なし。シナリオジャンプモードあり。EDに歌あり。
絵はあまり多くないですがイメージイラストといった感じで何枚か。
軍服金髪巨乳少女が非常にけしからんですよ。
あとタイトル画面とかの桜仮面のポーズが妙に格好いいです。

「桜仮面 the first」は中編に出てくる桜仮面の話、というか鎌倉名所案内といった趣が。
ただ話そのもの、特にラストはシュール過ぎてわけがわかりませんでした。

「カマクラ町のヨシロウ」は染井義朗がクラーケン博士率いる秘密結社
わんわん☆こよーて組に関わってしまい、色々と騒動に巻き込まれる話。
クラーケン博士のやるときはやるけれど基本ダメダメなところが可愛かったです。

「温泉ミサキ」は五日辰也と壇ノ浦スミレの仲を取り持つために
旅行を企画した柳生岬が、旅行先で騒動に巻き込まれる話。
壇ノ浦スミレのマゾっぷりが面白かったです。

過去の作品感想:
SARABAPASS遠隔戦区 / remote : OPERAremote:OPERA Episode 2
(8/26)

 

ツツジと夏の坂道/半端マニアソフト(100円)

高校最後の夏休みを前に、「俺」はある挑戦をしようとしていた。
その見届け人として声をかけたのは、偶然通りがかったクラスメイトの甘利ツツジ。
クラスで皆から冷血と言われている彼女は、嫌々ながらもそれを引き受けることになった。


選択肢なし、青春、夏、坂道、三十分ほどで読み終わりました。
システム面では、あまり気になりませんでしたが文章速度変更なし、セーブスロットは一つ。
絵は写真背景のみ、音楽は四種類。

今よりも未来、世界を巻き込んだ戦争が終わってから二十年後。
「俺」の小学生のような挑戦の顛末と、その後の話。
夏、くだらないことに真剣に挑んで、傍らに女の子がいれば勝ったも同然な気がします。
なにに勝ったかはさておき、そんな二人のやりとりがものすごく青春していて羨ましくも心地よかったです。
また、後半、落ち着いた「俺」の地の分がだんだんと昔の勢いに戻っていく様も良かったと思いました。

眩しくて、切なくて、そして走り出したくなるような作品でした。

過去の作品感想:
冬は幻の鏡空の上のおもちゃ男土下座地獄コミックデイズH
(8/27)

 

あそびめヱロゲに花束を(18推)/花を吐く抄女(100円/フリー公開予定)

物書きを目指す天明睦月は「ニーベルング」というゲーム会社に採用される。
しかし実際に配属されたのは「花を吐く遊女」というエロゲーを制作している子会社。
エロゲーのことなどなにもわからない睦月。
その上、与えられた仕事は前任者が逃げたため一切出来ていないメイン(かつただ一人の)シナリオ担当だった。


選択肢なし、エロゲー制作、ボイスあり、八時間四十五分ほどで読み終わりました。
18推でエロはありません。…………ちゅぱ音くらいはありますが。下ネタは多め。
おまけで作中に登場した販売店別特典ドラマCDのうち一種類「ロスヴァイセのラーメン食い倒れ」を収録。

システム面は「やんでれさんのすゝめ」とほぼ同様。ただ画面両端に登場人物が表示されます。
絵はちょっと体勢や体型が不自然なものもあり。
タイトル画面やスタッフロールの処理は二十年ほど前のゲームっぽい感じです。音楽も同様。
ボイスはなんというか……声優さんお疲れ様です。
八時間四十五分のうちほとんどが台詞で、そのうえ長台詞とか早口言葉とか声色変えるとか色々ありました。
ただ漢字の読み間違いとか、誤字脱字をその通りに読んだりとか、
ボイスではちゃんとしているのに誤字脱字のほうは直っていなかったりとか所々ありました。

女ばかりの弱小エロゲーメーカーでの処女作「ワルキューレの遊女」の制作過程がプロット作成から発売まで一通り描かれています。
現代の、一応普通の会社が舞台なので今までの作品と比べ読みやすい文章でした。
睦月が新入社員なうえエロゲーシナリオ初体験で、いくつか悩んだり死相が出たりするシーンはありますが、
それでもかなり順調にいってしまうのが物足りなくはありましたが、
個性豊かな開発メンバー同士のサボりの言い訳、セクハラ発言、悪ノリなどのやりとりは楽しくてゆるゆるで、
ちょっとした気遣いとか、飲みに行ってぐだぐだとかは暖かくもあり、
(過酷な労働条件さえなければ)こんな職場で働いてみたいと思いました。
ティーナを天然発言でやり込める菜種の図、がお気に入り。
後半、段々と作品が形になっていく過程は充実感を感じましたし、ラストも痛快でした。

フィクションとも言い切れない生々しさも詰まっていて、
今までの作風とは異なりますが(挽歌〜がやや近いでしょうか)楽しめた作品でした。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ一子、二狐とも、巫女との狸菓子狐憑き傾城狐の嫁入りなこそ箱入り娘のてるみどぉるやんでれさんのすゝめ
(8/30)

 

わたしには聞こえる/言ノ葉迷宮(100円)

樋上知佳子は自身が体験した「やまひこさま」という言い伝えを信じていた。
その頑なさに手を焼いた父親は探偵に「やまひこさま」が存在しないと娘に納得させてほしいと依頼する。
探偵のアルバイトをしている畑野良吾はその調査を行なうことになった。


選択肢あり、推理、一時間十五分ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
今回は推理方法が文字入力中心で選択肢はあまり意味をなさないためか、セーブ制限などはなし。
登場人物は影絵の立ち姿、音楽は謎解きにはオーソドックスな選曲。

特定の誰かにだけ声のようなもの聞こえて、周囲にいる人には聞こえない「やまひこさま」
その原因に殺人事件が絡んできて、知佳子やその周囲の人物から事情を聞きながら推理していきます。
エンディングは八種類。
手がかりを元に話には出てこない自身の知識やweb検索などで得た単語を入力する箇所もあり。
そのため、作中で出てきた単語を手当たり次第入力といったやり方や
今までの作品と同じ発想では解くのが難しいと思います。
とはいえ間違った答えのうちいくつかはヒントが提示されますし、
きちんと考えれば思いつけるくらいの難易度でした。

ただ、(ネタバレ反転、答えに関わるので注意)
コウモリは普通にその辺を飛んでいるので、
改めてどこ、と聞かれるとなかなか思い浮かびませんでした。


過去の作品感想:
Reason of Detective夏、セミ、少女deep-sea fishes in gloomかげろうは涼風にゆれて幽霊相談室変調・幽霊相談室テオとセァラ
(8/31)

 

モンバーバラAS(18禁)/inspire(1000円)

導かれし者たちが世界を救ってから数年後。ポポロは父親であるトルネコの元、商売を学んでいた。
ある日莫大な借金を背負ってしまったマーニャとミネアがトルネコの頼ってくる。
借金をひとまず肩代わりしたトルネコはポポロに対し、
姉妹にその肩代わり分の返済をきちんとさせるよう監視することを命じたのだった。


選択肢なし、DQ4二次創作、二時間半足らずで読み終わりました。修正パッチあり。
システム、音楽は前作までと同様。
絵は表情がより良くなっていましたが、マーニャが踊るシーンなどで体付きに違和感を覚える部分もありました。
一枚絵は十五枚+差分+背景たくさん。

ポポロとマーニャとミネアが一つ屋根の下で暮らしながら借金を返済していきます。
ポポロがDQ4本編の可愛さからは信じられないような金が全ての人物になっていて、
マーニャも明日から頑張ると言ってばかりの自堕落で、どちらも駄目だこいつ……なのですが、
一見まともなミネアもマーニャを信じてると称してあれこれ世話を焼き、
ニート製造機となっていてさりげなく性質悪いです。
そんな三人ですが、色々な出来事に遭遇していくうちに変わっていく様がいいなと思えました。
特にマーニャの踊りのキレが上がっていくのがありありとわかる描写と、
勇気を持って行動できるようになったポポロが良かったです。
ただ、ミネアについてもうちょっとスポットを当ててほしかったかなと感じました。

あと、ここまで凄みのあるトルネコは珍しいですね。
流石ファミコン版DQ4で私のレギュラーメンバーだっただけあります。ピンク鎧なんて知りません。
ちなみにトルネコ、アリーナ、勇者、クリフトでした。FC版では肉の壁として優秀なのですよ。
他に思い出としては、銀のタロットを攻撃力だけ見て入手直後に売ってしまって後悔したのですが、
五章でトルネコがやつざきアニマルから取り返してくれました。

過去の作品感想:
愛することは生きていくこと愛することは生きていくこと 〜もうひとつの愛〜オレコレ!カンダタ物語天空の花嫁選び
(9/2)

 

魔王を倒す勇者の話/nest kore(200円)

魔王は無抵抗だった。しかしその魔王に傷を付けることは、誰一人できなかった。
仕方なく人間は魔王を辺境の洞窟に幽閉する。
いつしかその洞窟に生贄を捧げる風習ができ、その年はある少年が生贄としてやってきた。


選択肢なし、魔王と勇者、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面では文章速度変更がないのがちょっと不便でした。
文章は縦書きで、時折表示される場所で誰の台詞か区別
(それぞれの人物絵の近くに文章が表示される)したりしていました。
また、台詞の順番によっては左から右に文章が表示されるのが珍しかったです。
立ち絵はなく背景のみで、そこに人物絵が描かれています。
表情をあまり描かず、ぼかした感じの絵柄が話に合っていました。
曲はなく、効果音のみ。

強すぎるがなにも悪さをしない魔王と、生贄の少年が会話を交わし、
少年の受け答えから魔王は一つのことを思いつく、という話。
少年の思想が極端すぎて、それを魔王にまで押し付けようとしてきて、
なんだか薄気味悪いものを感じてしまいました。
対して魔王の言っていることはかなり真っ当で、
そんな二人の歪な間柄が、淡々と進む話の中で印象的です。
ただラストの終わり方は、幕を下ろす場所は良くても下ろし方があまりに突然すぎて、
もう一言二言、締めの言葉が欲しかったなと思いました。

過去の作品感想:夕焼け戦線ギカダイザー
薫編 縁編 千尋編学校にはたどり着けない
(9/7)

 

恋愛家庭教師ルルミ(18禁)/RIFF * RAFF(1000円)

引き篭もりの黒川鮎久のもとへ、ある日突然女の子がやってきた。
彼女、東別院ルルミは若者の引き篭もりと少子化を解消するよう国家の命を受けた恋愛家庭教師なるものだという。
そうして半ば強引に、鮎久はルルミと同居することになる。


選択肢あり、引き篭もり脱却、恋愛、三時間半足らずで読み終わりました。
体験版の感想は
こちら
システムは特に問題なし。
絵は感情表現の演出も含め可愛らしかったです。一枚絵は二十五枚+差分。
音楽はOP歌「Kira-Kira Brand-New Days」ED歌「センチメンタルガール」共になかなかお気に入り。
OPムービーも良かったです。
BGMはいくつかのコーラスが入っている曲が、話の雰囲気に合っていました。

選択肢はありますが一本道で、引き篭もりから真人間になっていく中でのルルミさんとの関わりが描かれています。
体験版の感想で書いた一日目のことはしっかりとフォローされていました。
真人間になるためのレッスンは色々とあるようですが、実際に取り上げられているのはファッション関連。
私もJACK大宮(※)へは入りにくかったので鮎久の気持ちはわかります。
レッスン内容はいたって真っ当。私含め服装に無頓着な人には参考になる……かもしれません。
Hシーンは六つ。ラブラブから攻めたり攻められたりまでバリエーション豊富。
このあたりは好みでしょうが、攻められるシーンがお気に入りでした。

話は鮎久の駄目人間っぷりにルルミさんが突っ込んだり呆れたり怒ったりというのが基本。
終盤、(ネタバレ反転)
ルルミさんを探すシーンで人に聞くことを選択する所が、
成長をしっかりと感じられていいなと思いました。
ただ、鮎久やルルミさんの過去のことはあっさりしているので、あまり印象に残らなかったです。

良くも悪くも肩肘張らずに読める作品でした。

※JACK大宮は大宮駅の近くにあるビル。五階にプラネタリウム(さいたま市宇宙劇場)あり。
今はテナントが入れ替わっていますが昔は一階に若者向けの服屋やアクセサリー屋がいくつかあって、
プラネタリウム目的で行くとまず一階へ入るのに勇気がいりました。

過去の作品感想:
空とキオクの彼方空とキオクの彼方オリジナルサウンドトラックオモイデあ〜かいぶ 体験版
(9/10)

 

ユウレイのいた道/フォーチュンベル(100円/フリー公開予定)

水泳部に所属する高校生の瀬戸典明は幽霊が見える体質だった。
ある日彼は小さな女の子の幽霊と出会う。
彼女は、自分を殺した犯人を見つけてほしいと言ってきた。


選択肢なし、幽霊、一時間ほどで読み終わりました。
システム面は「剣の姫君と101本の魔剣 体験版」と同様。
音楽は特に問題なし。
絵は喜怒哀楽がしっかりと描かれていました。

前半は幽霊の少女との関わり、後半は犯人探しが中心。
幽霊の少女との会話は微笑ましかったですし、
犯人を探す場面は地道だけど頑張っていて好感が持てました。
物悲しくも爽やかな終わり方も良かったです。

ただ、犯人と対峙したときの行動は危険すぎ。
話の中で幽霊の少女や部活の女友達を始めとして色々な縁ができたのに、
自分だけでは手に余ることまで一人で行なってしまうのはちょっとどうかと思いました。

過去の作品感想:
剣の姫君と101本の魔剣 体験版さとりのよる
(9/11)

 

厨恋 −処女厨は中古に恋してる−(18禁)/厨恋制作委員会(1500円)

二年生の真壁航は処女厨という信念を持っていた。
それはそれとして毎日幼馴染の河野環(タマ)と過ごしていた彼だったが、
廊下でぶつかった下級生の細川由奈と段々仲良くなっていくのだった。


選択肢あり、処女、中古、ボイスあり。六時間ほどで読み終わりました。
システム面は恋ノ橋とほぼ同じ。
音楽は特に問題なし。ED歌とテーマソングあり。
絵はタマの笑顔が可愛かったです。あと男性陣が良かったです。

処女しか愛せないという航が処女とか経験済みとかに振り回されつつ恋愛をしたりします。
潔癖すぎる航の信念は病気レベルというか、童貞をこじらせすぎというか、という感じですが、
作中での苦悩の深さを見て、ここまで悩めるのなら本物だよ……と思ってしまいました。
それでも世話焼きな幼馴染がいる時点で(私が)嫉妬確定ですが。
(以下ネタバレ反転)
タマがお気に入りで一周目タマハッピーエンドだった私には処女厨レーダーが備わっていると言わざるを得ないかと。
タマが将来の希望を口にするシーンが可愛すぎます。
由奈はあんまり好きではなかったですが、むしろ本性が魅力的。特に「が」エンド。
あと誠について、可愛い腹黒を屈服させてあんなことやこんなことをしたい……
と思った私はBLゲームのやりすぎでしょうか?
その意味でも「が」エンドは支持したいです。

メタネタがあったりギャルゲーのお約束を逆手にとっていたりするのでどうしても話への没入感は弱めですが、
それ以上に個々のシーンや登場人物が魅力的で、全体の構成も良いアイデアだなと思える、面白い作品でした。

猫丸堂さんの過去作品感想:禽ノ哭ク刻やんデレオニトリ+plus
ののの通信さんの過去作品感想:落日魔王軍へようこそ恋ノ橋魔王軍へようこそ2お使いドラキー
(9/12)

 

CLAVIS(18禁)/幻奏ストラウス(1000円)

エルフを蝕む不治の病「ゲラニス・ヴィダ」が少しずつ広まっていた世界。
カイは妖精のメルティと共に旅をしている途中、カルナバハルという街に立ち寄る。
そこでお金が尽きてしまい仕方なく野宿をしようとしているとき、
魔獣に襲われかけている二人の少女、エナとリンカに出会った。


選択肢あり、ファンタジー、エルフ、ボイスあり。三時間足らずで読み終わりました。修正パッチあり。
体験版の感想は
こちら
システムや絵、ボイスは体験版と同様。一枚絵は二十二枚+差分。
音楽は歌も含め、雄大さを感じさせる曲が多くていいなと思いました。
OPとEDにムービーあり。OPには歌もあり。

ある目的のため旅をしていたカイが、カルナバハルの街で鍵を見つけ、そして……という流れ。
エンディングはエナとリンカのエンディングが一つずつとバッドエンドっぽいものが二つ。
綺麗なグラフィックや雄大な音楽に彩られた世界観は良かったですし、
エナやリンカ、メルティとの日々は楽しかったです。フィリアスも格好いい。
ただ、終盤がかなり駆け足気味に感じました。
中盤までのエナやリンカとの交流はしっかり描かれていますが、
カイの目的がとても大きいので、そこから解決にまで持っていくには尺が足りなさ過ぎるように思えます。

クオリティは非常に高いですが、終わらせ方が気になった作品でした。
(9/13)

 

ノゾミカナエタマエ 〜Daydream Reconstruct〜/VALLEL(1500円)

古本屋の店長代理、真琴は気が付くと雪の降る公園にいた。
そこには真琴を含め、記憶をなくした少女達しかいない世界だった。
元の世界へ戻るため、彼女達は彷徨う。


選択肢あり、不思議の国のアリス、鏡の国のアリス、ループ、ボイスあり。四時間半ほどで読み終わりました。
「古本屋 こほにゃ」「RagnarokIxca」「maiden panic!」のクロスオーバー。
システム面は「maiden panic!」と同様。
音楽や絵も今までの作品と同様。OPにムービーあり、OP歌二曲とED歌あり。一枚絵は四十枚+差分。

序盤の選択肢で分岐しそれぞれのルートに入り、彼女達のいる世界の謎について解き明かそうとしていきます。
不思議の国のアリス、鏡の国のアリスをモチーフにした物語。
花菜やこまりと一緒の場面でのコメディー場面は笑えます。
ただ、他の大部分の場面ではどのルートでも
世界の仕組みについてほとんど説明がないままに不思議なことが起こるのですが、
それが真実への興味をそそられる方へは向かず、
目の前で知らない話題について繰り返し繰り返し話されているかのような
置いてけぼりにされた感じを強く受けてしまいました。
戦闘シーンについても「RagnarokIxca」のように物足りなさがありました。

複数ルートではなく一本道の方が良かったように思えた作品です。

過去の作品感想:
Night's Blood 〜Trial version〜RagnarokIxcamaiden panic!
(9/14)

 

Abyssal Eden - for Windows Edition/Team Eye mask(500円)

大学で民俗学を学ぶ学生、佐田 沖人は嵐の中、乗っていたバイクを壊してしまいある寒村の診療所に転がり込む。
医師と看護師が一人ずつ残っていたその診療所で、彼はその地に残る奇妙な風習の話を聞く。
そんな中、突然停電が起こり、戸を叩く音が聞こえてくる。
風習によると、その音が聞こえても、絶対に戸を開けてはいけないということだった。


選択肢なし、ホラー、サスペンス、幸せ、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム面や音楽は特に問題なし。エンディングに歌あり。
いままでの作品と同様に文字が表示されるエフェクトあり。
(いままでとはちょっと出かたが異なっていて後ろから出てくるようなエフェクトですが)
絵は陰気さがとてもよく伝わってくる、不気味な絵で良かったです。

独自の風習がある地域で起こる奇妙な出来事に、主人公が巻き込まれていきます。
作中で出てきた用語に対する考察コーナーあり。なかなか興味深かったです。
立ち絵がとても不気味なのですが、最初からずっと不気味なままなことに加え、
話もずっと気味が悪いトーンで進むため、いざ何かが起こっても落差がなくてあまり怖いと感じられませんでした。
ただ、エピローグに関してはそれまでと違ってぞくっとしました。

前半はやや単調でしたが、後半は考察が読めたり怖かったりして読み応えがあった作品です。

過去の作品感想:
楽園僕の心は雨のち晴れMonotone EdenAbend EdenSelene-エンディミオンの微睡み
(9/17)

 

フリックドロップ/.17(500円)

おすすめ
(9/20)

 

親愛なる魔王へ/ヒムガシズ(500円)

変人と言われたまま死んだ父の研究を受け継ぎ、パラレルワールドと道を繋げようとしていた橘羽成。
その条件が整うまであとわずかに迫ったある日、ミキと名乗る少女が現れる。
彼女は彼を世界を滅ぼす魔王と呼び、殺そうとしてきたのだった。


選択肢なし、SF、二時間半ほどで読み終わりました。
システムはいままでの作品と比べてかなり便利になっていて、
その上デザインも良くなっていました。
ただ、文章速度固定で進む場面がちょっと長すぎるように思えました。
音楽は特に問題なし。EDに歌あり。
絵は可愛いですが、深咲のアップになった立ち絵のバランスがちょっと気になりました。一枚絵は四枚+差分。

羽成とミキ、それに幼馴染の深咲を交え、ぶつかり合いながら進む四日間の物語
ミキが羽成を狙う理由、魔王と呼ぶ理由に根拠が感じられず、
また、アオリ文の「世界を滅ぼした初恋」というのもちょっと腑に落ちないものがありました。
ですが、羽成の覚悟と深咲の信頼はどちらも強くて、
お互いがお互いのことを大事に思っていることがとても伝わってきましたし、
特にそれがはっきりと現れる山場は印象的でした。

設定の部分で少し気になるところが多かったですが、
登場人物の想いの強さがいいなと思えた作品でした。

過去の作品感想:
死神達の四重奏、亡霊達の円舞曲-誘い- -戯れ-
(9/22)

 

ちびでゅあ/C# dur(300円)

高校二年生の式見陸は親友の朱音美夏と守野孝俊以外には完全に無関心を貫いていた。
二学期のはじめ、彼らのクラスに転校生の青山涼子がやってくる。
開口一番、自分と関わらないようにと宣言した彼女に、陸は珍しく関心を持つのだった。


選択肢あり、恋愛、仲間、三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システム面はページの最後で止まらずに次のページへ勝手に行ってしまう箇所がいくつかあったのが気になりました。
音楽は特に問題なし。
絵はあまり上手いとは言えませんが、ジト目などが可愛かったです。

涼子と出会う秋の話と、それから数ヶ月経った冬の話の二つに分かれていて、
冬の話はさらに選択肢で二つのルートに分岐します。
メタネタやパロディ多め。微妙にえっちい描写もいくつか。陸の母親はっちゃけすぎです。

いくつか重要そうなシーンがごそっと飛ばされてしまっていて肩透かしに感じる部分はありましたが、
陸と仲間達による日常は、確かに他に何もいらないと言ってしまうのも仕方がないと思えるほど心地のいいものでしたし、
分岐後の展開も微笑ましくて良かったです。

以下前作「C's」をプレイした人にしかわからないことですが、
涼子ルートでのお出かけ時にはとても悪い予感がしました。その予感ははずれますが。
あのシチュエーションにあの駅前の背景は前作のあの展開を思い出してしまいます。

過去の作品感想:
C's
(9/24)

 

不死の14(18禁)/「アンダーカヴァー」2(500円)

どんなことをしても死なず、いつまでも同じ容姿の少女はその体質のため一人きりになってしまった。
彼女は日々の糧を得るために、殺され屋を営むようになる。
そうしたある日、彼女はあるメッセージを受け取る。そこには「もうじき会えるよ」と書かれていた。


選択肢なし、不死、記憶、七時間ほどで読み終わりました。
かなり生々しい画像やインモラルな描写があるので、
苦手な方や色々なものの影響を受けやすい方は読まれない方がいいと思います。
システム面は特に問題なし。
音楽は不気味なものが多いですがコミカルなものも。
突然悲鳴が流れたりするので特にヘッドホン着用の場合音量注意。
立ち絵は影絵。背景は写真。時折血や臓器や……など過激な画像が映るので注意。
影絵のセレクトがどの場面でも効果的でした。
ただ、画面が割れ落ちていく演出はちょっとチープ。

前半は殺され屋としての一日を追いながら、過去の個性的な客を回想します。
後半は少女にまだ家族がいたころの回想。
後半の出来事はショッキングなものの、小難しい思索をまじえた自分語りが続き退屈に思えてしまいました。
ですがラストはむずがゆくなるほど幸せを感じる終わり方でしたし、
それ以上に、前半は非常に面白かったです。
内容は少女が客にどうやって殺されたかなので凄惨なのですが、
多種多様な客の奇癖と、少女の対応が笑えて、
その上、回想しながら自分に入れるツッコミのせいでより可笑しく感じてしまいました。
特に笑えたのは「台本」と「ホールインワン」
不死だけどお風呂で口まで沈んでぷくぷくするのが好きとか普通っぽくて、
でもそれなりに年を取っているのでものの例えがオヤジくさかったりするギャップも面白いです。

特に前半、惨殺シーンばかりなのにとても笑える、面白くて稀有な作品でした。
(9/28)

 

rain / final/future extra(500円)

幼馴染を目の前で殺され失意の日々を送る主人公のもとへ親戚の柊から手紙が届く。
それをきっかけに彼女の住む神社を訪れた主人公は、幼馴染を殺したのがアンドロイドだということを知る。
そして彼は、アンドロイドを狩る組織に入ることを決意した。


選択肢あり、異能バトル、追加部分は三時間ほど、全体では十一時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
rain -moment-の感想は
こちら
rain -moment- "Battle of minagi city"の感想は
こちら
システムや音楽は特に問題なし。
一枚絵は五枚+差分。

今回はいままでの展開を受けての結末。
タイトルにある雨のようにしっとりとした雰囲気が良かったですし、
一番最後の追記はうってかわって晴れ渡る空のような気分になりました。
ただ、最後に根本的な解決がなされるものの、
それまでのたかやすの問題解決手段が直接的すぎて、
そうすれば本当にもう悪いことは起こらないの? と思ってしまいました。
また、バトルものとして見るとこの作品での異能力はあまり動きがなくて
盛り上がりに欠けるように感じられました。
(9/30)

 

天使郷 −ヘブン−/TRiNE(1500円)

おすすめ
(10/4)

 

diskill -Episode 4-/Harbest(500円)

長い間入院生活を送っていた御手洗涼一は退院後、周囲とうまく付き合えずにいた。
そんなある日、朝起きると彼は数人を除き誰もいない世界にいた。
そこで始まる「コミュニケーション」というゲーム。数人の中から勝った者は、願いがかなうというものだった。


選択肢なし、話しあい、信じる、ボイスあり、二時間と少しで読み終わりました。
Episode 1の感想は
こちら
Episode 2の感想は
こちら
Episode 3の感想は
こちら
システムはEpisode 1と同様。ムービーや歌なども同様。
終盤で出てくる一枚絵の笑顔がとても綺麗でしたが、
その直後、この服、バストアップだと裸エプロンみたい、と思ってしまいましたごめんなさい。

今回はChapter.EndとChapter.Epilogueを読むことができます。チャプター名は微妙にネタバレなので省略。
四回目の「コミュニケーション」が行なわれ、涼一とフィアがメイン。
全編通じて、「コミュニケーション」は面白そうなルールだったものの、それを生かしきれていない印象でした。
今回はルールなどあってないような変則的な「コミュニケーション」でしたが、
その分純粋に対話をしていて、かえって良かったと感じました。
頑迷なくせに肝心なところでヘタレる涼一にはイライラしましたが。

ゲームの設定に期待すると肩透かしに思える部分もありましたが、
人と人との関係、そこで交わされる言葉は、いいなと感じることができた作品でした。
(10/10)

 

シウテクトリ 新装版/ふぉらん(1500円/イベント価格1000円)

進藤 明は不治の病に侵され冷凍保存された恋人、天野梨奈を治療するため、
最先端、かつ秘密裏な研究施設「シウテクトリ」に所属し研究を行なっていた。
そしてついに治療法が見つかり、梨奈へ処置が行なわれることとなった。


選択肢なし、医療、純愛、ボイスあり、二時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
システムはややウエイトを多用していてテンポが悪くなる箇所がありましたがそれ以外は特に問題なし。
音楽は場面に合っています。OPムービーあり、EDに歌あり。
絵は可愛らしいですし、感情もしっかりと伝わってきました。一枚絵は十七枚+差分。
また、ボイスも特に感情を露わにするシーンでその通りに気持ちが込められていて良かったです。

梨奈に治療を試みてからの話である本編と、
二人の馴れ初めから現在までと、助手の奈緒海を描いた二つのプレストーリーを収録。
秘密の研究施設という割にはシウテクトリは健全で、
人体実験の一つもせずに最初のヒト被験者に梨奈を選んでしまうのは生ぬるいなぁと思ってしまいましたが、
その健全さのおかげで、ストーリーの綺麗さと、登場人物の強く真っ直ぐな想いが衒いなく伝わってきました。
特にメインの登場人物三人はみんな真摯で行動力もあって、三人ともお気に入り。
話では明と梨奈の過去が本当に幸せそうで好きです。このバカップルめ!

秘密の施設で行なわれる未知の治療法という、ややもすると怪しい方向へ進みそうな設定ですが、
話も登場人物も、絵や音も、とても美しく綺麗な作品でした。
(10/11)

 

君の隣に僕が生きてる Version 2.05(乙女)/綾の国(700円)

わけあって親元を離れていた小牧穂多美。しかし居候していた伯母が病に倒れてしまう。
その伯母から届け物を頼まれた穂多美は山奥にある研究所へと向かう。
そこではクローン人間の研究が行なわれていた。


選択肢あり、恋愛、クローン、一部ボイスあり、二時間足らずで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。EDに歌あり。ボイスは重要なシーン中心。
立ち絵はコメディ顔も含めバリエーションがありました。一枚絵は十六枚+差分。
またスタッフロールその2で見ることができるイラストが、話を読み終わってから見るとぐっときました。

お使いを頼まれたことがきっかけで出会いがあり、そしてクローン人間研究の一端に触れていきます。
エンディングは八種類。おまけシナリオも四編あり。
教授関連のわだかまりがあっさり解けてしまうところは少し気になりましたが、
恋愛に関してはたった一日か二日の中で、しっかりと過程が描かれていました。
それにノーマルエンドなどもいい余韻があります。
登場人物ではクールに見えてすぐ情や弱さを見せる鎖衣がお気に入り。
特におまけシナリオでの一枚絵は印象的です。

どのルートも笑いや初々しいむず痒さ混じりで、でも肝心なところでは強い想いが伝わってくる良い話でした。

過去の作品感想:
月代 -SAKAYAKI-総髪 -SOUHATSU-
(10/13)

 

感情線/イッツウ舎(無料)

「僕」はバスに乗り、彼女に会いに行こうとしていた。
しかし何故か彼女の名前が思い出せない。
そうしているうちに、バスは目的地を通り過ぎてしまう。その繰り返しだった。


選択肢なし、感情、環状、十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
闇が広がって文章を覆い隠していく演出が効果的に思えました。
絵は微笑んだり、悪戯っぽく笑ったりしたときの表情が自然で、仲の良さが伝わってきました。

バスに乗る「僕」の回想や独白で話が進んでいきます。
今回のものはダウンロード版を大幅修正したリメイクとのこと。
CD中に短編小説「週末論」を同梱。
ちょっとだけ「僕」の独白がくどく思えましたが、
全編を通じて穏やかですが深い情を感じる話で、
読み終えた後にいい余韻が残った作品でした。
(10/15)

 

銀の魔法陣/須藤ユキヒロ(300円)

妖精の村へやってきたニケとククリ、そしてキタキタおやじ。
恋愛大好きな妖精たちはニケとククリをくっつけるために色々と作戦を実行する。
そして妖精たちに恋の邪魔者と認定されたおやじは色々な目に遭うのだった。


選択肢あり、魔法陣グルグル二次創作、四時間十五分ほどで読み終わりました。
修正パッチあり(半自動アップデート機能あり)
ゲーム「ククリちゃんラブラブ応えん大作戦」とイラスト集を収録。
システムではセーブができないのが面倒。
音楽は特に問題なし。
一枚絵は複数の方が描かれているので絵柄に差があります。
通常シーンで表示される絵では妖精たちが可愛いです。OPムービーあり。
また、画面移動やズーム、特殊効果、原作同様のRPG風ウインドウでのツッコミなどの演出が良かったです。

「ククリちゃんラブラブ応えん大作戦」は魔法陣グルグル単行本四巻の妖精の村でのエピソードを基本として、
魔物を倒しに山へ向かったニケ、ククリ、キタキタおやじに対し、
妖精たちが一合目から九合目までそれぞれニケとククリをくっつける作戦を実行し、
頂上まで辿り着いたときのラブラブ度とおやじの体力でエンディングが変化します。エンディングは五種類。

パロネタやメタネタ多めですが、原作でもそのようなネタはあったので特に気になりませんでした。
もちろん本編に絡めたネタも多数。
複数の方が書かれていますが、どれも原作を髣髴とさせる雰囲気があって楽しかったです。
照れるククリはやっぱりとても可愛い。
それにベームベームが出てくるシーンは盛り上がりました。
原作同様ニケとククリを邪魔するキタキタおやじ、邪魔がなくてもだらけるニケに妄想暴走するククリ、
でも肝心なところでは初々しいやりとりをする二人がいて、グルグル好きならきっと楽しめる作品です。

折角メモしたので作戦の結果とエンディング一覧を載せます。
・見かた
「作戦名(カッコ内は特殊条件)」「ラブラブ度増減(↑:増加、↓:減少、−:変化なし)」
「オヤジ体力増減(同様)」「オヤジ体力増減値」の順番で記載してあります。
同じ作戦が複数あるものは、作戦中の選択肢で結果が変わります(作戦名と選択肢はスペースひとつあけてあります)
間違いがあったらごめんなさい。
増減がランダムな作戦があるかもしれませんが、そこまでは調べていません。
エンディング条件も厳密には調べていないので、
この値のときにこのエンディングだったという形で書いています(以下ネタバレ反転)

・作戦
吊橋− ↓400
花畑↑ −
パンチラお色気↓ ↓200
ダンサーと段差− ↓200手を引っぱる− −
ダンサーと段差− ↓200後ろから押す↑ ↓250
茂みから伸びる謎のヒモ− ↓400
アイテムを拾わせる↑ ↓250
イメチェン どれでも チュリカ− −
イメチェン どれでも イベル↑ −
後ろからククリを押す 同じくらい− ↓100
後ろからククリを押す 弱め− −
後ろからククリを押す 強め− ↓100
相合傘 どれでも どれでも↑ −
嵐の中(相合傘クリア)↑ −魔物↑ −
嵐の中(相合傘クリア)↑ −妖精− −
嵐の中(相合傘クリア)↑ −この山が− −
神のお告げ 大吉↓ ↓350
神のお告げ 凶↑ ↓600
比較的美人↑ ↑300
萌え属性を突く しまパン− ↓250
萌え属性を突く はだし− ↓200
エネ●ーコントローラー ククリ A− ↓200
エネ●ーコントローラー ククリ X− ↓300
エネ●ーコントローラー ククリ ←− −
エネ●ーコントローラー ニケ 6− −
エネ●ーコントローラー ニケ 4− ↓300
エネ●ーコントローラー ニケ R− ↑300
エネ●ーコントローラー オヤジ 23− −
エネ●ーコントローラー オヤジ 21− −
エネ●ーコントローラー オヤジ 弱− ↓400
ドキドキランチ 右↑ −
ドキドキランチ 左− ↓400
わき水− ↓300
茶店 どれでも− ↑300
ストロー あやしくなんか↑ −
ストロー 気づいてた− −
ストロー じつは− ↓200
アルルーコダケ チュリカ− −
アルルーコダケ ルリンダ− ↓200
オヤジを消し去る↓ −
体入れ替え↑ ↓350
星空ロマンチック どれでも↑ −メケメケ↑ −
星空ロマンチック どれでも↑ −腰ミノ− −
星空ロマンチック どれでも↑ −流れ星− ↓500
落石↑ ↓100
フェアリーサークル↓ ↓250
洞窟↑ ↓100
恋のお手本 どれでも ありがとう− −
恋のお手本 どれでも 乱暴しないで↑ ↓300
女の内面を磨け↑ −
かくされたエピソード ニケ↓ −
かくされたエピソード ククリ↑ −
かくされたエピソード オヤジ↑ ↓40
オヤジを逆に利用(オヤジ体力あり)- ↓250 キタキタ- ↓300
オヤジを逆に利用(オヤジ体力あり)- ↓250 虚超- ↓250
オヤジに直接頼む- ↓290
オルゴール大作戦↑ −元気になってもらうように− ↑全回復
オルゴール大作戦↑ −しんみりした空気− ↓100
ボス戦対策- ↓300
太陽にお願い もっと− ↓200
太陽にお願い ほどほど− −
雪渓↑ −
ボス戦前のお約束作戦↑ −オヤジを吹き飛ばす− ↑全回復
ボス戦前のお約束作戦↑ −オヤジを無視− −
オヤジの最後の望み(オヤジ瀕死)− ↓30幸せに↓ ↑500
オヤジの最後の望み(オヤジ瀕死)− ↓30後継者に↑ ↑500

・エンディング
ラブラブ度70(100でも) おやじ体力全快 ベストエンド
ラブラブ度20 おやじ体力全快 温泉
ラブラブ度25 おやじ体力620 ロストテクノロジー
ラブラブ度75 おやじ体力820 探検ツアー
ラブラブ度70 おやじ体力200 パワーアップ


過去の作品感想:
魔方陣グルグル17、魔方陣グルグル18
(10/17)

 

高校教師 −Memories of Summer−(BL18禁)/CyberGeo(800円)

山科史郎は岩清水高校で教師をしていた。
生徒想いで人気がある彼だったが、同性愛者ということを周囲に隠しながら生活していた。
夏休み、新たな恋や、忘れていた過去の記憶を見つけることができるのだろうか……


選択肢あり、教師、記憶、十一時間ほどで読み終わりました。
システムは恋愛シミュレーションツクール製なのでバックログが読めなかったり、
一瞬動作が止まる箇所があったりと不便な箇所があります。
音楽は特に問題なし。
絵は立ち絵の変化が少なめですが、それぞれのキャラクターに合った容姿になっていると感じました。

8月14日から31日までの期間、学校や街へ行き、色々な人と会っていきます。
恋愛対象は十六人。同時に付き合っていくことも可能で、むしろそうしないと見ることができない場面も多いです。
場所移動や会話には一定の時間がかかり、
特定の時間、場所でないと相手に会えないため、いかに効率よくできるかが鍵。
時間を調整するとほとんど寝ずに毎日を過ごすことができ、山科先生スゴイ、と思ったり。
さりげなく待ち合わせ時間に遅れたり早かったりすると台詞が変わるのが細かいです。
基本的に期間が終わったときに誰と一緒になるかを選択し、
条件を満たしていればそのキャラクターのエンディングを見ることができます。
難易度はかなり高く、私の場合一周目はフラグバキバキ折ってしまったため、
最後の方は一人寂しく街をうろついていました。

主人公の山科史郎は完璧超人。色々な人にあわせることができる性格と知識はすごいなと思いました。
誰にでも優しくて誘われれば関係を持ってしまう残酷さがありますが、そこは作中で散々指摘されています。
恋愛対象では真柴がお気に入り。
生徒想いでスポーツマンないい先生なのにどこか頼りなさげなのが好きです。あとタレ目。

生徒よりもそれ以外の人物が関わる話の方がメインで、
そうしたルートは一介の高校教師では考えられないほど大きな話になって呆気にとられてしまう部分がありましたが、
数多い恋愛対象一人一人がきちんと描かれていて、デートしたりHしたりするときに雰囲気が良かったですし、
それでいて、それぞれが関わりあう話になっており、しっかりと作られている作品だなと思いました。

過去の作品感想:
EUREKA Act.1 Olam Atziluth
(10/19)

 

鷽替真と月夜の×××/ななしの屋本舗(2000円/DL版600円)

おすすめ
(10/20)

 

ABYSS -殺人クラブ-(18禁)/Festival(1500円)

―こんな噂がある。

平和なはずの学校で日夜繰り広げられる殺人儀式。殺人鬼たちは学校に生贄を放ち、追い詰め、陵辱し、殺し尽くす。選ばれる生贄にはなんの共通点も無く、ただ殺人鬼たちの目に留まったがために生贄となる。いまだ一人の生還者もおらず。また、これからも現れることは無いだろう。

狙われれば命は無い。
それが―アビスと呼ばれる噂だった。

 

幼い頃より殺人者となるべく育てられた少年がいた。
彼は必死に闇の中を生き抜いた。だがある日彼は失敗作とされ、日本へと送り返されることとなる。人間らしい感情を持たぬ少年は、周りから浮き立ち、自分の家にすら馴染めずに孤立していく。そんな時、少年は一人の少女に出会う。少女は少年に人間らしさを取り戻させた。少年よりもずっと弱いはずの少女は、少年を守った。それはなんとも微笑ましくも儚い、少年の記憶。

少年は成長した。過去の記憶もすっかり色あせ、普通の人間としての生活を続けていた。

 

だが―

笹山晶は生徒会の仕事の最中に居眠りをしたことがきっかけで、とんでもないことに巻き込まれる。出会ったのは白い仮面の殺人者。
噂でしかなかったはずの存在。そう、それはアビスと呼ばれる他愛の無い噂話だった。

この日を境に、晶は再び殺人者たちの世界へ―光から闇の世界へと舞い戻ることとなる。

(サークルHPより)


選択肢あり、今回追加分は八時間と少し、全部で二十九時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
それまでのルートの感想は
こちら
システム面ではシーン回想でムービーを見始めると、
ゲームそのものを終わらせない限り途中で止められないのが少し気になりました。
音楽は「Desperate」がRPGのボス戦っぽい感じでお気に入り。
OPムービーに最終ルート用ムービーあり。歌はOP、挿入歌、EDあわせて五曲。
絵は一枚絵だと若干硬い感じで、立ち絵のほうがいいなと思いました。一枚絵は八十四枚+差分+α。

最終ルートは一番最初に読めるルートの続きで、那美シナリオ。
噂されている「殺人クラブ」をクリアした者のみが参加できる2ndゲームなるものに、晶たちが巻き込まれます。
それまでのルートで提示された謎はかなり真相に期待を持たせるものでしたが、
今回それが明かされてみると、期待に叶うものではない部分もありました。
勝手に期待を大きく膨らませてしまったせいではあるのですが。

ですがそういったところはあるものの、面白いのは間違いなく、
特に鬼塚と聖さん関連のエピソードは二人とも格好良すぎ。
あと温子さん身体能力が一般人なのに2ndゲームで大活躍していて強すぎです。
相変わらず文章が読みやすいところもいいなと思えました。
(ただ、複数ライターさんなので一部難解な表現がされている箇所はありました)
主人公の秘めた力が……という展開ではありながら、
ラスボス戦の決着は晶の境遇を象徴した闘い方で、単純にお約束で終わらなかったところも好印象。

前半での風呂敷の広げ方が上手すぎてそれがネックになってしまったことは否めませんでしたが、
それでも面白くて、
おすすめできる作品です。
(10/23)

 

MIKIまで96インチ/雨四光(300円)

学会に参加するために彼女の川嶋美紀に荷物の受け取りを頼んだ大学院生の風見誠。
しかし学会は突然延期になってしまう。
予定がなくなった彼は自宅に戻り彼女を待つことにするが、
ついイタズラ心を出して彼女を驚かせようと企んでしまう。


選択肢あり、彼女、秘密、一時間ほどで読み終わりました。
体験版の感想は
こちら
システムや音楽は特に問題なし。
絵は写真背景に影絵の立ち絵表示。

タイトルの96インチというのはおそらくソフトダーツの投げるところからボードまでの距離。
これが話に関係してきたりします。
自分の部屋で美紀に見つからないように隠れる場所を移動しつつ、美紀の秘密を探っていくのですが、
見つかってしまうと即バッドエンド。
何が起こったんだ? と思うと同時に真相が気になるので、
正規エンドを見る前に一度は体験してみることを推奨します。
体験版の終わり方も含め、先が気になる作りや、
真相が明らかになった後の美紀とのやりとりはいいなと思えました……が、ラストがものすごく後味悪いです。
それにそこで出てくる人物の名前がメタ入っているのもちょっとどうかと思いました。

エンディングの後に選択肢が追加されたりしていないか探したのですが、見つけられませんでした。
見落としているのかもしれませんし、もしかしたら続編があるのかもしれませんが、
現時点では、これで終わってしまうのはちょっと可哀想すぎる作品でした。
(10/24)

 

PISSENLIT/Physics/Games(無料)

関田隼人は高校で出会った須藤幸代に一目惚れをした。
その後、付き合うようになった二人だが、
ある時を境に幸代の態度がよそよそしくなり、ついには学校にも来なくなってしまう。
そして、隼人の手には彼女が残した十冊の勉強ノートと、そこに書かれた一つの約束が残された。


選択肢なし、純愛、約束、四十分ほどで読み終わりました。
ゲーム、小説が詰め合わされたCDと冊子「Physics/Games 2009 夏 CD」内に収録されています。DL版もあり。
システムは特に問題なし。
音楽はオルゴールの落ち着いた曲が中心で話に合っていました。
立ち絵はなく、写真背景のみ。

出会いと別れ、そして一つの約束だけを頼りに彼女に会おうと努力した末の物語。
派手な展開や印象に強く残るようなシーンこそないものの、
数年間の出来事が淡々と、でも心からの想いを感じさせるように綴られていて、
愛しさと悲しさが混ざったものが穏やかに心に沁みる作品でした。
(10/25)

 

1980円の君 〜I am a software〜/Physics/Games(無料)

友人に自作パソコンを組んでもらい、ウイルス対策ソフトを入れた美坂渉が夜寝ると、
夢の中でオーバーとマフラーを着た女の子と会話していた。
彼女はウイルス対策ソフトだという。名前がないという彼女に、渉は恵菜という名前を付けた。


選択肢なし、ウイルス対策ソフト擬人化、純愛、ボイスあり、一時間半ほどで読み終わりました。
ボイス有り/無し両方のDL版もあり。
夏コミ会場で無料なのか1980円なのか一瞬判断がつかず、まごまごしてしまいました。
普段ならともかくあの場でまともな判断力は……
システムや音楽は特に問題なし。
絵は可愛らしいです。一枚絵は六枚+差分。
画面中にウインドウが出て用語解説されたりする演出がこの設定を補強していると思えました。

夢の中で過ごすうちにやがて二人は惹かれあい、しかし恵菜の過去や現在の状況が問題になります。
エピローグでの展開が、溜めがなくあっさりと上手く行き過ぎてしまっていて、
ちょっと拍子抜けしてしまいましたが、そこに至るまでは積み重ねがしっかりと感じられました。
中盤あたりの仲良くなる二人のシーンも微笑ましかったです。恵菜可愛い。
ただ、ひどく主人公に嫉妬心が湧きました。ずっとパソコンしてる私の前にもこんな娘がきてくれたらいいのに、と。
そう思うくらい恋愛していましたし、ウイルス対策ソフトという設定がきちんと生かされていた作品でした。

過去の作品感想:
PISSENLIT
(10/26)

 

打撃戦艦アルテミス/circumflex(1000円)

おすすめ
(10/28)

 

invisible ver1.7/Wabin project/egg plan(100円)

大学生の御崎光助は飲み会からの帰り道、殺人事件の現場に出くわし、近くで血のついた指輪を見つける。
その日以降、会った覚えのない女の子からメールが届き始める。
不審に思いながらも酔って記憶がないときのことかもと自分を納得させ、
光助はその女の子とメールを交わすようになった。


選択肢あり、リアルヤンデレノベルゲームとのこと、三時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。携帯電話の画面風のメニューや選択肢が凝っていました。
絵は可愛らしいもののやや小さく表示されていて見難い場面がありましたが、
それが逆に笑顔だけれどなにかおかしい、という演出になっている部分もありました。OPにムービーあり。

選択肢次第で容赦なく殺されてしまうため、
そうした目に遭わないように気を遣ったりしながら話を進めていきます。
そんな相手との微妙な距離感を量って付き合っていく所が「リアル」に思えました。
ただ、ちょっとオカルトが入っていて、それを皆が素直に信じてしまうのはちょっと気になります。

全体としては、時折入る過去の回想がいい感じに目晦ましになり最後まで二転三転して、
直球ヤンデレではなく、捻りのある作品でした。

蛇足ながら、とある場面でこんな文章が表示されました。
「人には悟られない形で殺○てきた」
……隠れてない。肝心なところが隠れてないよ!
(11/1)

 

空染め/惑星インコ(フリーソフト)

紺野まゆみは入学早々坂下雪乃という少年に脅され心霊現象研究部に入部させられてしまう。
雪乃は学園の生徒ではなく、自由に敷地内を歩けないため、
まゆみはその代理として心霊現象研究部が関わっていたと思われる過去の事件を探ることとなった。


選択肢あり、サスペンス、幽霊、一時間半と少しで読み終わりました。
フリーソフトですが「Triangular Another World体験版」のCDに同梱。
システムや絵は特に問題なし。
絵は基本不気味ですが、場面によってはその中にコミカルさもあり。
背景写真のセレクトもいい感じ。

心霊現象研究部のメンバーと関わっていく中で、過去の事件のことがだんだんと明かされていきます。
前半はコメディ中心。ルートは三つ。
不気味なギャグ顔の絵でのコメディには妙な可笑しさがありました。
とはいえ油断していると突然怖いシーンになったりするので注意。
それから、第一部といった感じでどのルートも一旦一区切りついてタイトル画面に戻るのですが、
あくまで一区切りとはいえかなり唐突に終わってしまうのが気になりました。
後半は真相シナリオでほぼシリアス。
美しさと狂気を感じさせる雰囲気があっていいなと思いました。

特徴的なグラフィックがコメディ、シリアスどちらのシーンでも生かされていると感じた作品です。
(11/4)

 

DOKI☆DOKIラブパニック(乙女)/惑星インコ(フリーソフト)

通学途中、空から降ってきた「神様」と激突した主人公。
その日を境に、格好いいが一癖ある男の子達と知り合い、
にぎやかでスピーディな学園生活を送ることになったのだった。


選択肢あり、一応学園ラブコメディー。二十分ほどで読み終わりました。
フリーソフトですが「Triangular Another World体験版」のCDに同梱。
システムや音楽は特に問題なし。
絵は男キャラは普通なもののライバルでもある友人や神様がインパクト大。

選択肢次第でお目当ての男の子を友人に取られてしまったり、そうじゃなかったりします。
無駄なイベントは一切なく、非常に展開が速くクライマックスまでまっしぐら。
ラストがオチていなくてもやもやするエンディングもありましたが、
乙女ゲームの王道を明後日の方向に裏切る展開は笑える部分も多く、肩肘張らずに読める作品でした。

過去の作品感想:
空染め
(11/5)

 

ずっと一緒に――/なすびあん(無料/フリー配布中)

八年ぶりに実家へと帰省した山岸悟は
お盆の始めに開かれた宴会に参加していた伊野村果歩子という女性と知り合う。
彼女と日々を過ごすうちに、悟は自分が抱えていたものが軽くなっていたことに気付くのだった。


選択肢なし、過去、幼馴染、三時間ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
音楽は挿入歌など一部の曲が田舎の雰囲気にあまり合っていなかったことが気になりました。
絵は果歩子さん可愛いです。

後悔しながら生きてきた悟が果歩子さんと共に行動する中で心境に変化が起こっていき、しかし……という流れ。
テキストがページをまたがって表示されることがあるのがやや読みにくかったです。
また、スーツのお姉さんが都合のいい説明キャラにしかなっていないのがちょっと残念。
ですが、「田舎で起こる少し不思議な物語」が真っ直ぐに衒いなく書かれていて、
田舎の夏と、楽しい日々と、切ない出来事を満喫できた作品でした。
(11/7)

 

一夜語り/蒼い日(無料)

「私」は故郷へ戻る旅の道中、一人の少年と出会う。
少年は、私の故郷で昔起きた、だが歴史には残っていない戦いがあったという。
興味を持った私は、少年の話を聞くことにした。


選択肢なし、劇中劇、十分ほどで読み終わりました。
システム面や音楽は特に問題なし。
絵はあまり上手いとはいえませんが、両軍の人種の違いがちゃんと描かれていました。

歴史に名を残す二人の人物の、歴史に残っていない出会いが少年によって語られます。
図らずも司令官の立場になってしまったレイ=ルッケンスと敵の司令官で皇女フレデリカ・フォン・ベリアルの用兵戦。
状況を踏まえた指揮は読み応えはありましたが、その戦いに至るまでの約一日間のみしか語られず、
その後少年が続きを言おうとするところでおしまい。
体験版とも連作とも書かれていないのですが、もしこれで完結ならばとても物足りなく、あっけないです。
でも、もし続きがあるのならば、ここで終わってしまうのは物足りないと思うほど、
大陸を巻き込んだ戦争の転換点という壮大な物語の始まりに興味をそそられました。
(11/8)

 

Noble Blood/べるふぇごーる☆そふと(100円)

ヨーロッパの小国、クラインベルクの極秘部隊「公安課資料室第三係」に所属するリヴィアは、
ある日ティアと名乗る少女と出会い、自分の家に住まわせることになる。
街の人々や第三係の同僚とも打ち解け楽しい日々を送るティアだったが、悲劇はすぐ傍まで忍び寄っていたのだった。


選択肢なし、吸血鬼、愛情、十三時間足らずで読み終わりました。
若干グロ、暴力的なシーンなどがあるので苦手な方は注意。
タイトルが媒体により「Noble Blood」「ノーブルブラッド」「ノーブル・ブラッド」
と異なっているので統一してほしいです
システム、音楽は特に問題なし。
絵は男キャラや表情によって気になる箇所もありましたが、読んでいくうちに話に合っているように思えました。
演出では文章の途中で立ち絵変化やエフェクトが入ることがあるのですが、
直前の文章が読みきれないことがあったのであまりいいとは感じられませんでした。
それから文章が表示されず立ち絵の変化のみで何が起きているかを表現している箇所が多め。

吸血鬼と人間の関わり、迫害や友情、愛情の物語。
現在の出来事と過去の出来事が交互綴られていきます。
漫画やアニメネタあり。
文明の利器に感動するティアが微笑ましかったです。
後半色々と活躍するブランシェも素敵。
リヴィアは可哀想すぎます。

話は前半が穏やかで楽しい日々だったので後半の印象がより強くなりました。
ただ、悲劇の引き金が自業自得な部分も多いのでちょっと共感しにくかったです。
あと、人間と吸血鬼の違いによる問題があることで解消されてしまい、最後盛り上がりに欠ける部分がありました。
ですが、そこを除けば寂しさを感じさせる良い終わり方でした。
(以下ネタバレのため反転)
上記感想のより具体的な話になりますが、
引き金は明らかにティア。付き合ったことぐらい自分から言わないと。
あと、人間と吸血鬼の間ならばそれを乗り越える困難があるかもしれませんが、
両方とも吸血鬼になっちゃったらそれがないので愛情の面からするとちょっと。
ただ、そしてメインキャラは二人以外誰もいなくなったという寂しさは良かったです。


人との暮らしを望む吸血鬼とその周りの人々のことが、丹念に描かれている作品でした。
(11/11)

 

鏡夜ノ刻/雪兎。(100円)

隣り合う二つの町には怪異が存在した。霧ヶ丘街には悪霊が、月見町には妖が。
それぞれの町にある高校の生徒会メンバーはそれらを倒す役目を持っていた。
秋から冬へとさしかかる頃、二つの生徒会にはそれぞれ一年生の新メンバーが加入することになった。


選択肢なし、悪霊、妖、バトル、十三時間半と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
霧ヶ丘街を舞台にした[霊の幻]と月見町を舞台にした[妖の嘘]の二本立てで、それぞれスタッフが違います。
また、同じ時期の話のため時折クロスオーバーしたりします。
体験版「鏡夜ノ刻 Summer zodiac」の感想は
こちら

以下[霊の幻]について。
システムや音楽は特に問題なし。
ただ、月牙が変化する場面はもっと演出があっても良かった気がします。
絵はちょっと癖がありますが、陰気な感じが出ている絵柄です。

一年生で霊を見ることができる清水霧斗がメイン主人公で、
悪霊と闘いながら様々な経験をしていきます。
悪霊はムラサキカガミや赤紙青紙、メリーさんなど都市伝説が出自。
誤字脱字や誤用が多かったのが気になりました。
前半の霧斗がうじうじするシーンは時間の進み方がよくわからなかったり、
鬱方向に一本調子で、読んでいて目に留まるところがありませんでした。
また後半、祝園さんやチコとの日々の描写がちょっと少なめで、
それをもっと描いていたら山場はもっと印象的になるのではと思えました。
ですが、それを差し引いても後半の展開は、前半あんなにヘタレだった霧斗の成長ぶりと、
それゆえに選ばざるをえなかった非情な選択が熱く、切なかったです。

以下[妖の嘘]について。
システムは文章速度が遅いことと、文字の色が薄暗くて読みにくかったのが気になりました。
(追記:追加修正パッチで読みやすくなってます)
音楽は特に問題なし。
絵は可愛らしい絵柄です。

一年生で他人と関わろうとしない雨谷廉が何故か生徒会に推薦され、妖と闘うため訓練と実戦を行なっていきます。
妖は天邪鬼や釣瓶落としなど。
頻繁に一人称三人称が変わるところが混乱しました。
また、廉の心境の変化が突然のため、軽く感じられてしまいました。
もうちょっと時間をかけて変わっていっても良かった気がします。
[霊の幻]と比べて起伏が少なく、人による好き嫌いは出にくそうですが、
同じことの繰り返しで盛り上がりに欠ける部分がありました。
面白いことになりそうだった最後の闘いもあっさり終わってしまって、
廉が持つ能力や過去のことがほとんど明かされないままで、消化不良感が大きかったです。
(11/17)

 

ぴんくしょくしゅ(18禁)/月のあくび(500円)

上半身が魚で下半身が人間のお父さんを亡くした少女パテナ。
本当のお父さんがいるとの遺言に従い訪れた地で、
彼女は触手の触村マサルと出会った。


選択肢なし、触手、アニメーション、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
追加パッチ予定有。
システムはシナリオジャンプや各種コンフィグも充実していますし、
誰かが来たときのため別画像を表示する緊急回避機能もあり。
音楽は色々とインパクトのある曲が多いです。
絵は前作と同様にロリでぐりぐり動きます。

話はプロローグとHシーン一つを読むことができます。
いきなり嫌羅西亜(イヤラシア)大陸を三分する疑・誤・触手がどうのこうのという
壮大なストーリーが展開し、その出オチに笑いました。
Hシーンは触手でひたすら。
ちょっと可愛らしい感じな触手なのでエロさはやや物足りない感じ。
追加データが出るとのことですが、エロよりむしろネタをもっと、と思える作品でした。

過去の作品感想:
くるくるぱおーん
(11/20)

 

 

(同人ソフト体験版・連作)

trade▼off ver0.91 相川編(18禁)/The Dungeon In Yarn(500円)

主人公、割下惣二は親の転勤が遅れているせいで一足先に引越し先で一人暮らし。
新しい学校で科学部に見学に行こうとしたら、何故か科学研に連れて行かれてしまう。
そこで主人公は超能力を目撃してしまい…。


選択肢あり、相川編完結。春乃編は収録されていません。
ver0.90相川編からの追加部分は二時間半足らずで読み終わりました。相川編合計すると七時間足らず。
システム面や演出は以前までと同様。音楽も場面に合っています。
絵はとにかく相川さんが可愛いです。

ミニゲームとしてトランプの「うすのろ」を夕子、あすみ姉妹と遊ぶことができます。
ただこれは次の操作に進むのにわざわざOKを押さなければならなかったりしてちょっとテンポが悪かったです。

ver0.90から一件落着ルートとそれに付随するエンディングが追加されています。あとHシーンも。
春乃編ほどではありませんがやっぱり難易度は高め。
超能力関連のゴタゴタはまた新たな問題が出てきて、
次のヒロイン編に持ち越しといった感じで次回に期待が高まります。
割下と相川さんの話としてはおしまい。
今回は春乃編の追加パッチなし版のようなこともなく、納得できる終わり方でした。
そんな中、超能力事件の犯人との出来事も緊張感があって良かったですが、
それ以上に相川さんとの会話が楽しすぎました。特に筆談のシーン。相川さん可愛すぎます。
春乃が下ネタや悪ノリを許容してくれる娘なら、相川さんはそれに付き合ってくれる娘で、
友達、信頼できるパートナー、彼氏彼女、漫才コンビ……などなど
色々な関係が混ざった会話が本当に心地よかったです。

春乃編の気になった箇所も修正されたいま、自信を持って「
特におすすめ」できる作品です。

過去の作品感想:
こうかん☆にっき
(8/22)

 

八つ数えろ 五つ目盤/TR九石堂/System9(1000円/四つ目盤からのアップデート盤は200円)

-あなたの日常が、崩壊してしまう。-
父親の死で帰省した地元。
俺は、少女に出会った。
拾旗衆、捌番旗、八神。
ゆるゆると、世界が塗りつぶされる。
これは、そんな一つの世界の崩壊と再構築の物語。
(サークルサイトより)

選択肢あり、異能バトル、追加部分は八時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽、絵などは前回までと同様。

今回は新キャラ、終音シナリオ。六つ目のシナリオは無料アップデート予定とのこと。
四つ目盤までとは異なり、捌番旗や拾旗衆の外側の立ち位置で話が進みます。
以前と同様に漫画語りがあったりしますが、それ以上に今回はテクノ語りが印象に残ります。
私は全く知らない分野なのでなんのことやらでしたが、筆が乗っていて楽しそうだなというのは強く感じました。
それから、主人公の心境の違いもあり、今までよりたくさん人が死にます。とはいえそこまでキツい描写はないかと。

今回新キャラが一気にたくさん出てきて、
そのうち一部はほとんど活躍しないのでまだ自分の中で顔と名前と能力が一致していません。
六つ目以降のシナリオで活躍してほしいな、と思いました。
あと尽武が、相手が相手とはいえちょっと情けなかったのは残念です。
ただ、やっぱり情報戦を含めた闘いは面白かったですし、
ラストの展開はいままでの中で一番綺麗で良かったと思いました。
おすすめです。

それと、バッドエンドヒントコーナーで
これらことについて触れていただいております。
完全に自己満足で作ったものなので、くすぐったくもありますが、嬉しいものでした。
(8/23)

 

天使仔猫譚 0(やや女性向)/シモメマイ(300円)

地震により衰退した地域。その復興を担ったのは浮動(フードン)と呼ばれる者達だった。
そんな彼らが集う街、雲来籠子(ワンロイロンズ)
雑多なものが溢れるその街には、「天使仔猫」という噂があった。


選択肢なし、近未来ノスタルジックノベル、一時間足らずで読み終わりました。
天使仔猫譚 Aprilfool09の感想は
こちら

まずパッケージが紙を折ってつくられた六角形のもので、綺麗で印象に残りました。
ただプレス版は通常のパッケージとのこと。
システム面や絵、音楽はAprilfool09とほぼ同様ですが、
特に音楽が、効果音に至るまで、その場面を想起させるようで良かったです。EDには歌あり。

今回は「鳥籠子屋、非日常の客」と「bye,bye,"V"ector Flag」の二話を収録。
「鳥籠子屋、非日常の客」は砂糖(しゅがあ)が働く知る人ぞ知る店、鳥籠子屋へ絵描きの青年がやってくる話。
鳥籠子屋のマスターがものすごくうさんくさい風貌で、店のスタイルがこれ以上なく伝わってきました。
絵描きの青年が鳥籠子屋まで辿り着く経緯に、縁を強く感じて、いいなと思いました。
「bye,bye,"V"ector Flag」は浮動の子供が学ぶ船、学房船に浮動ではないながらも入学した少年クリコの話。
ティが可愛かったです。クリコは正面向いてください。
この二人のやりとりが、身悶えしたくなるほど甘酸っぱかったです。

いろいろな要素が混ざって形作られた雰囲気が魅力的な作品でした。

過去の作品感想:
冬のお伽ばなし
(8/24)

 

月と太陽のラクシャルキ2 砂漠の国のお姫さま(18禁)/Ambivalence(1500円)

ジャンナの王から「砂漠のバラ」という香水の入手を依頼された商人カリム。
香水で有名な国シャルミラを訪れるも紆余曲折の末、
シャルミラのお姫様の婿を選ぶ「婿選びの儀」に参加することとなってしまうのだった。


選択肢あり、シルクロード踊り子物語、十一時間ほどで読み終わりました。
「月と太陽のラクシャルキ」の感想は
こちら
「月と太陽のラクシャルキ ダンサーズハレム」の感想は
こちら
システムや絵は前作までと同様。一枚絵は三十五枚。
音楽も同じくシルクロードの雰囲気が感じられる曲で良かったです。

今回は踊り子姉妹や一座の人々ら前回の面々にのほかに、
「砂漠のバラ」探索の過程で知り合った少女プリムを加え話が進みます。
ルートはプリムメインのものとアシェーナ&ライラメインのものの二つ。
魔法のランプ探索のような冒険要素は控えめで、その分日常や心の交流が中心。
最後の結論が、言葉にしてしまうと価値が減じられてしまう類のもので、
実際に行動で示したシャルミラではともかく、
目の当たりにしていないアルド王が納得してしまうものかなと思ってしまいましたが、
踊り子達やプリムとの日々は楽しくて、思考までも尻に敷かれているカリムは可笑しくて、
山場ではこれからどうなるのか身を乗り出してしまうほど緊迫感があって、どのシーンも面白かったです。
特にプリムルートの後日談はとても微笑ましくて良い終わり方でした。

今回も楽しめましたし、これから先の物語も楽しみな作品です。

過去の作品感想:
森の少女と妖精の城森の少女と妖精の城 - Celtic Fair Lady -
(8/29)

 

Goetia ――DUEL WALTZ―― The Third Waltz(18禁)/CocytusGarden(1000円)

両親を亡くし、母親の従妹に育てられながらその仕事の都合で各地を転々としていた久我崎竜樹。
そのため、周囲とは必要以上に関わりを持たなかったが、やっと腰を落ち着けた地で良き友を得ていた。
しかし、その街で謎のカードと能力を手にするものが現れ、竜樹は闘いへと身を投じることとなる。


選択肢あり、ソロモンの悪魔、魔術、一時間半と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
「The First Waltz」の感想は
こちら
「The Second Waltz」の感想は
こちら
「げーてぃああふたーわるつ」の感想は
こちら
「げーてぃああふたーわるつ そのに」の感想は
こちら
システム面や絵、音楽は前回までと同様。
一枚絵はFirst Waltzから今回までの合計で差分を含め百四十枚。OPにムービーと歌あり。

今回は第四話「秘儀参入」を読むことができ、
魔術師になるための修行を竜樹が始め、そんな中新たな出会いがあったりします。
段々Hシーンがサービスシーン程度になっていくのが残念。
それから、今回修行が中心なのでちょっと盛り上がりに欠ける部分がありました。
ただラストは表示される一枚絵も相まって印象的で、次回へのいい引きになっていると思いました。

過去の作品感想:
あるまでる!
(9/1)

 

TUKUMO・弐/サークルTrain(700円)

日下部和弥は無意味と思いながらも侍になろうという目標を持った高校生。
しかしある日の鍛錬中に人ならざる力を持った殺人鬼と遭遇してしまう。
なすすべも無くやられる彼だったが、そこに掛けられる声があった。


選択肢あり、和風伝奇、九十九神、六時間半足らずで読み終わりました。
TUKUMO・壱の感想は
こちら
システム面、絵は前作と同様。一枚絵は十六枚+武器の絵四枚。
音楽は戦闘シーンで流れる曲の一つが和風っぽくなくて違和感を覚えました。

今回は前回ラストの闘いの直後、新たな敵と闘ったり、ドタバタがあったりします。
前回同様ほぼ一本道でラストで三人のルートに分岐。
日常は麻衣と水野正祥と三人での場面が面白かったです。
戦闘では一回勝った相手と何回も闘うことになるのがちょっと食傷気味でしたが、
主人公の回復力が度重なるダメージにより弱体化、
また、切り札より弱くても連発ができる新技が出たりして、
重要な戦闘では前回よりさらに緊迫感がありました。

今回すごく強い敵がいたので、次回以降トーンダウンしてしまわないかが少し気になったものの、
日常、戦闘とも楽しめた作品でした。

過去の作品感想:
かきしこきし死神少女 Drei死神少女 Vier神鬼─キキ─舞姫
(9/4)

 

PNOS Ver2.0/風華ソフト(500円)

2020年以降、東京には夜な夜な迷宮が出現するようになってしまった。
一般人が迷い込むと生きては帰れない迷宮。
しかしそれに挑むハンターという名の人々がいた。


近未来、ダンジョン、今回追加部分の選択肢はなしで二時間と少しで読み終わりました。
Ver1.0の感想は
こちら
システム面は
debris.さんの最近の作品と同じ構成。
絵は話によってはイメージイラストがありますが、基本写真背景のみ。音楽は特に問題なし。

今回はVer1.0の三話に加え、「才城悠輝獅子奮迅」「笹城壮のニートライフ」が収録されています。
今後新たな話が追加される予定とのこと。
「才城悠輝獅子奮迅」は九州から上京してきた才城悠輝が迷宮に挑む話。
それまでの三話ではあまりなかった仲間の死が多いです。
仲間といっても知り合って一日もしないうちに退場していったりもするのですが、
それでも喪失感を覚えてしまうくらい、彼らとの関わりがしっかりと描かれていました。
「笹城壮のニートライフ」はニート生活をしていた笹城壮が迷宮に巻き込まれてしまう話。
笹城壮はニートでヒモで浪費家ですが不思議と格好良くて、ヒモになれるのも納得でした。

相変わらず世界のことはよくわかりません。
起動直後やタイトルに戻るときに画面からコンピューターゲームのような世界っぽい感じですが、
それ以上はなんともかんとも。

過去の作品感想:
竜の見る夢(体験版)さもなくば懐は鉛筆でいっぱいに終わらない放課後でまた逢いましょう
(9/5)

 

灰かぶりと亡霊たち〜凡庸な戦争記録の欄外註(女性向)/壱九四伍(1000円)

その街では死人が普段どおりに行動し、そして三日後に突然死体に戻るという怪談があった。
軍の狙撃手のカレル・イーゲルは敵の攻撃で補佐の少年を亡くしてしまう。
しかしその少年が生き返ってしまったのだった。


選択肢なし、ファンタジー、ミリタリ、五時間半と少しで読み終わりました。修正パッチあり
「サンドリヨンの亡霊たち -前-」の感想は
こちら
システム面では-前-で気になったスキップは速くなっていましたし、タイトル画面のセーブもなかったです。
絵は人物絵も背景の絵も背景の写真も非常に綺麗で、
それに音楽も合わさり繊細な世界観が作り上げられていました。

今回は第一話「サンドリヨンの魔女伝説」を読むことができます。
カレル・イーゲルが体験した魔女の話。
「サンドリヨンの亡霊たち -前-」と大筋では同じ流れでしたが、
エピソードが前後したりしてちょっと違う印象の話になっていて、
そのあたりの部分がやや断片的に過ぎてわかりにくい箇所があったのが少し気になりました。
ただ-前-で気になったパロネタはなくなって、かわりに雰囲気に合った冗談が多くあって可笑しかったです。
カレルとミケシュの関係も同性愛に至らない微妙な好きとか通じ合うものがあって、なんだかいいなと思えました。

そういった人間くささを含んで、厳かで美しい雰囲気がある、とても綺麗な作品でした。
(9/6)

 

黒汁CD vol.5 「H.B.Detective」File 01 "Park in the Dream"/ローズ倶楽部(500円)

陰陽師を養成している国立葛之葉学園がある葛葉市で古本屋を営む少女、花。
彼女は妖弧と人間のハーフで、変身能力を使用し男となった坊城疾風という名の探偵としての顔も持っていた。
一ヶ月ほど前に起きた連続幼児失踪事件の調査を依頼された彼は事件解決のため動き始める。


選択肢なし、探偵、霊力、四十五分ほどで読み終わりました。
「放課後は鬼退治!」と同じ世界の話。
システム面はセーブ画面などで右クリックでキャンセルできないのが少し不便。
音楽は特に問題なし。タイトル画面で歌が流れます。
立ち絵などはなく、背景写真のみ。

心霊現象が絡んだ事件を、花が坊城疾風として、幼馴染の火野守 壬の助けを借りながら解決します。
事件そのものは印象的な出来事があったり、物悲しさを感じさせる幕切れだったりして読ませるものがありましたが、
花の性格がいい加減すぎて、その上坊城疾風に変身しても特になにができるようになるわけでもなく、
こんなのでよく探偵をやっていられるなと思ってしまいました。
というか壬君だけいれば解決できそう。
最後は少しいいところを見せましたが、もうちょっと探偵をしていることへの説得力がほしかったです。

過去の作品感想:
放課後は鬼退治!
(9/8)

 

あかほし 体験版/ColorWorks

1992年、半世紀にわたり南北に分かれていた日本は再統一された。
その間に生まれた文化の差に戸惑いながらも、人々は統一を望んだ。
それはそれとして、これは奨学金を受けている学生達が住む家を舞台にした物語。


選択肢あり、メイド、執事、三十分ほどで読み終わりました。
システムは「dxxv」と同様。ただし今回はノベルパートのみ。
音楽は特に問題なし。絵はデフォルメ強め。

社会主義だった北日本の学生を資本主義に慣れさせるためという目的がメインの制度で、
珍しく南日本出身の今津憲輔を主人公とした学生達の話。
何故か彼らは執事服かメイド服着用が義務になっています。
色々なところに散りばめられた薀蓄に知識欲を刺激されましたし、
文章も読みやすかったですが、場面転換が唐突過ぎるように感じられました。
場面を移るときはもう一言二言加えて、その場面を締めくくってから次に移ってほしかったです。

過去の作品感想:
s.i.p. 〜safety is power !〜s.i.p. TEdxxv
(9/15)

 

L I N K - the gritty age - 第一巻(第1話〜第3話)/Fantastic Dawn(300円)

世界は砂に覆われていた。その砂に触れた者は砂になってしまうという、恐ろしい砂。
アージはそんな世界を保護者の男ハウンドと共に旅する少年。
小さな宿に泊まっていた彼らは、不思議な耳を持つ少女パスカルと関わることとなった。


選択肢ありですが一本道、サンドパンク・アドベンチャーとのこと、
二時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
第一章の感想は
こちら
第二章の感想は
こちら
今回より「章」ではなく「話」表記になったとのこと。
また、用語解説を兼ねたキーワードシステムやそれを利用した調査が実装されています。
(会話していると稀にキーワード選択画面になり、適切なキーワードを選ぶと相手の対応が変わったりします)
絵や音楽は以前までと同様。
システムは相変わらずスキップが遅いのが気になります。

今回はアージがパスカルのためにバウンサーと呼ばれる資格を取ろうとします。
そのために行動するアージが格好いいです。頑張れ男の子!
パスカルも、キャラ絵がないのに仕草が目に浮かぶようで可愛くて健気でした。
ただ、資格のための試験関連はアージの意思とは違うもので決まってしまったのが残念でした。
折角アージが頑張ったのだから、その時点での実力でなんとかしてほしかったです。

ですが、相変わらず過酷な世界のなかで暖かな気持ちになれる話でした。
(9/16)

 

Onenight Carnival Vol,1/D.O.R(500円)

人はおろか生き物さえ一切存在しない町に集められた十三人の男達。
その町から抜け出すためには自分以外の十二人を殺さなければならない。
一夜限りの狂宴が幕を開けた。


選択肢なし、バトルロイヤル、二時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり
Vol,0の感想は
こちら
今回文章中には色が違う単語が時折あり、それをクリックすると単語の解説が読めるようになりました。
システム面はパッチを当てれば特に問題なしですが、
当てる前は一番最初に出てくる色が違う単語の解説を読もうとすると
いきなりエラーになったりとデバッグ不足すぎでした。
立ち絵、一枚絵はなく背景のみ。音楽は効果音のみ。

今回は闘いが本格化してきて、ついには一人目の死者が出ます。
まだ第一話で、Vol,0も同梱されていたのでさほど気になりませんでしたが、
今後同じようにVol,2、Vol,3……と続いていくのならば、
作中で判明した登場人物の情報をreadmeファイルなどでおさらいできるようにしてほしいです。
一気に読むのならばともかく、さすがに半年や一年空くと細かいところまでは覚えていられませんので。

それはともかく、魔術や霊力、魔具、銃器、それに魔術師、陰陽師、異端審問官、殺人鬼などなどの設定が満載。
内容もその通りです。
今回の闘いの多くはちょっと大味な感じでしたが、
闘わずに準備に徹している方々が今後どう動くのか気になりました。
バトルロイヤルならではの駆け引きをもっと読んでみたいです。

過去の作品感想:
永環
(9/18)

 

あの日の約束 QE/都築製作所(無料)

子供の頃に神社に捨てられていた月見里 月之丞はその神社の人々に助けられながら成長し、大学生となっていた。
そんなある日の夜道、彼は自分を神様だという少女と出会う。
人の暮らしを体験してみたいという彼女、夕月を月之丞は自分のアパートに住まわせることにしたのだった。


選択肢あり、伝承、恋愛、追加分は三時間ほどで読み終わりました。
試行錯誤版の感想は
こちら
システムや音楽は特に問題なし。
試行錯誤版で気になった立ち絵の小ささはだいぶ大きくなっていて解消されていました。
また、Yシャツぱんつの一枚絵も実装。素晴らしい!
一枚絵は十二枚+差分。

今回は幼馴染の神社の娘、上社 琴のルートを最後まで読むことができます。
試行錯誤版で省略されていた他の登場人物のイベントもいくつか実装。
主人公がスーパーマンすぎることもあってか、
山場でもあっさりと進んでいってしまい盛り上がりに欠けるように感じてしまいました。
ただ、今回は一番伝承とは関わりが薄いルートだったので、夕月ルートなどではまた違った印象を受けるかもしれません。
それに日常シーンは相変わらず楽しかったですし、その中にお互いへの思いやりがあって、いいなと思えました。

終盤はちょっと物足りなかったですが、道中は楽しめた作品でした。
(9/21)

 

metropolice. scene02/LASKA(300円)

三年前、東京では連続猟奇殺人事件が起こっていた。
その捜査をしている男と付き合っていた宇田川夏姫は事件の謎に迫っていくが……

選択肢あり、超能力、ミステリ、三時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
scene00〜01の感想は
こちら
scene0.5&1.5の感想は
こちら
システム面や音楽はscene0.5&1.5と同様。挿入歌とED歌あり。
絵は三年前の夏姫が可愛かったです。現在の夏姫も綺麗ではありますが。一枚絵は四枚+差分。

今回は夏姫の過去の話。
特に選択肢の箇所で事件に対する推測を真実だとほぼ断定していて、
それに基づき迷いなく事が運びすぎることにちょっと都合のよさを感じてしまいましたが、
相変わらず雰囲気がとても良かったですし、
山場の展開も印象的で夏姫の心情がよく伝わってきました。

今回ことで次回以降どうなるのかがより楽しみになった話でした。
(9/23)

 

ほん呪! durbbing girls revival fest 第一話/小豆クリーニング(300円)

二十四歳でフリーターの安野鉄五郎はバイト先のレンタルビデオ店で借りたビデオに誤って重ね撮りをしてしまう。
そのことを告げられた店長は、怒るどころか「これは呪いのビデオだ」と心配してきた。
見た者は七日後に死ぬというビデオ。今日がその七日目だった。


選択肢なし、コメディ、呪い、四十分ほどで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
音楽は日常の呑気な曲と怖い曲のギャップが良かったです。EDに歌あり。
絵はカットインや動きのある絵が笑えます。あえてかっちりしていない背景にも味がありました。

貞○の呪いに遭遇してしまった鉄五郎の話。
とはいえ怖いシーンも一瞬あるものの、大半はコメディ。
奇人変人非常識人入り乱れる中で鉄五郎が心の中で突っ込んだり、むしろ手が出たりする様は笑えました。
そんな感じでほぼ常時テンション高いためか、その中で時折出てくる重い話が印象的に感じられます。

楽しかったですし、続きが気になる作品でした。
(9/25)

 

ファントムリム 魔怪篇 下/九字(500円)

非常に物忘れが激しい流崎 錬治。
それでも一介の高校生のはずだったが秘められた力があると
御劔神道という組織と魔怪という集団が彼を引き入れようと接触してきた。


選択肢なし、伝奇、三時間足らずで読み終わりました。
「魔怪篇 上」の感想は
こちら
システム面、音楽は特に問題なし。
絵はかなり癖がありますが、佐須良姫の病的な容姿にものすごく嵌っていると思いました。
動きが豊富な戦闘シーンも良かったです。
また、写真背景がすごく豊富で、実際にその場所にいるかのような気分になりました。

今回は錬治が魔怪と共に行動する話の後編。
「魔怪篇 上」で段々真人間になったと書きましたが、今度は足手まとい具合が半端じゃありません。
秘めた力はあれどほとんど秘めたままの一般人なので仕方がないといえば仕方がないのですが、
それでも、足を引っ張るくせに自己主張が激しく、
そのくせ魔怪達から下にも置かないもてなしを受けていてあまりいい印象は持てません。
ラストの展開はそれまでのことががらりと変わってかなり印象的でしたが、
その中には酷い目に会う錬治が見られて嬉しいというサドっ気も幾分ありました。

他にも雪鬼姫の立てる作戦が成功する様は気持ちが良かったですし、個別の闘いも面白かったです。
写真背景と文章で東京めぐりや近畿寺社めぐり気分が味わえるのもポイント高し。

今回の話は「魔怪篇 上」よりさらに面白かったですし、続きの御劔篇が気になる作品になりました。
(9/26)

 

Almia体験版/Grass

人より「ちょっとだけ」背が低い芥川修は突然見知らぬ場所へ飛ばされてしまう。
そこは錬金術が日常に根付いた異世界だった。
元の世界へ戻る方法が見つかるまで、修は錬金術のアカデミーに通うこととなった。


選択肢なし、錬金術、ファンタジー、一時間足らずで読み終わりました。
システム面はオートモードがなかったりとやや機能少なめ。
音楽は特に問題なし。
絵は男性キャラの立ち絵はしっかり描かれていますし、一枚絵の女の子は可愛らしいのですが、
立ち絵の女の子はなんだかのっぺりしていて、他が良いだけに目に付きました。

この体験版ではアカデミーに入ってから一週間ほどを読むことができます。
途中、マップを選択して場所移動する場面あり。
全体的にあっさりとした流れで読みやすくはあるものの印象に残りにくい感じがしましたが、
クラスメイトのミリィが出てくる場面はテンション高くて楽しめました。

とはいえ、とりあえずは女の子の立ち絵とそれ以外の絵とで統一感がほしいです。
(9/29)

 

youth 体験版/future extra

高校を卒業してから一年、特になにもせずに過ごしてきた遠山和行はバンドをやろうと決意する。
高校の友人などを加え四人になった彼らは練習を繰り返し、ライブに出演する。
その日々は以前からは考えられないほど充実したものになっていた。


選択肢あり、バンド、青春、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は服装が違う場面の立ち絵がなかったりしますが、
ドラム担当の祐二の口元がむずむずしている表情がなんだか気に入りました。
あと、獅堂さんはバンドに誘いませんでした。なぜなら立ち絵がなかったから。
結局分岐はしませんでしたが。

この体験版ではバンドを結成して約四ヶ月後、
練習の日々とライブ出演時の出来事などを読むことができます。
月が替わることは表示されるものの、一日単位での経過がわかりにくく、
これは前のシーンからどのくらいあとのことなのだろうと思うことが多かったのが気になりました。
あと、序盤、バイトを直前で休んだのにたいしたことをしていないのはあまりいい印象を持てなかったです。
ですが、色々ありながらも着実に成長していっている様はこちらまで嬉しくなりましたし、
四人でいるときの居心地のよさはとても伝わってきました。
特に練習の合間のやりとりが面白かったです。
(ネタバレ反転)
ソニックブームに四人全員が突っ込むシーンが一番笑えました。

これからの展開が気になる作品です。

過去の作品感想:
rain
(10/1)

 

パレットからこぼれた昨日/Nought

友人二人もろとも高校を留年してしまった咲崎赤名。
クラスメイトから先輩と呼ばれたりするも賑やかな日常を送っていたが、
その日々はいつまでも続くわけではなかった。


選択肢なし、日常、変化、三十分足らずで読み終わりました。
システムや音楽は特に問題なし。
主人公以外の台詞は立ち絵の横にフキダシで表示されます。
絵はなかなか可愛らしかったですし、立ち絵の移動や表情変化も多めでした。
あと、担任教師(女性)のズボンが肌色で一瞬はいてないのかと思いました。

この体験版では一日目、留年からもう二ヶ月経った六月のある日を読むことができます。
服装などの描写が細かいのに、立ち絵がその描写どおりではないことが気になりましたが
お馬鹿な仲間達との日常で、賑やかで楽しい感じがしっかりと伝わってきました。
これからのことはなにかが起こる予感程度でまだまだ未知数ですが、
この日常がベースにあるのならば、変わってしまうことが印象的に描けるのではと思えた作品です。

過去の作品感想:
ショタ調教2Fuck Me
(10/2)

 

とないぬ 〜全猫版〜/TONARINI PROJECT.(1000円)

あるコンビニの前で涼はおなかをすかせている少女、祭と出会う。
ちょっとした気まぐれで食べ物をあげると一心不乱に食べだした。
そのとき、彼女の帽子が落ちてしまい、中から犬のような耳が現れたのだった。


選択肢あり、獣耳、ほのぼの系シリアスドラマADVとのこと、全部で三時間半ほどで読み終わりました。
体験版の感想は
こちら
システム面では相変わらずロード時にかなり前から始まってしまうことが気になります。
また、既読スキップがないのもちょっと面倒。
音楽は特に問題なし。絵は体験版と同様。

今回は狼耳の祭と猫耳の山井の二つのルートを読むことができます。
今後敵方の少女二人のルートも追加予定とのこと。
後半シリアスシーンがメインになりますが、やっぱり文章がくどくて読みにくいです。
逆にコメディシーンは楽しかったです。
今回最後まで読めるようになりましたが、体験版と同様、良いところと気になるところがはっきりしていた作品でした。
(10/5)

 

kaguya 五月の章/N2×K2(500円)

月見一伸は幼馴染の飯塚五月など友人とごく普通の学校生活を送っていた。
しかしある日突然、上から赤ん坊が落ちてきたのだった。


選択肢あり、月、幼馴染、三十分ほどで読み終わりました。
システム面では選択肢でセーブできないことと既読スキップがないことがやや不便。
音楽は特に問題なし。
絵は立ち絵に動きが多くて、一枚絵も二十五枚と豊富にあり目に楽しかったです。
特にラストシーンはなかなかのインパクト。
背景もしっかりと描かれています。
OPムービーもかなり動きますし、EDにも動きがありました。

今回はプロローグと、五月との関わりが中心のある一日を読むことができます。
プロローグはなにやらファンタジーっぽい世界観。
本編は面倒くさがりの主人公と世話焼きの幼馴染という黄金展開。
ですが、主人公のなにかと人のせいにする思考はあまり良く思えませんでした。
それ以外の部分では特に気になるところもなくちょっと羨ましい日常。
ビジュアル面が良かったのでこれから先も見てみたいなと思えた作品でした。
(10/6)

 

diskill -Episode 1-/Harbest(500円)

長い間入院生活を送っていた御手洗涼一は退院後、周囲とうまく付き合えずにいた。
そんなある日、朝起きると彼は数人を除き誰もいない世界にいた。
そこで始まる「コミュニケーション」というゲーム。数人の中から勝った者は、願いがかなうというものだった。


選択肢なし、探りあい、ボイスあり、二時間半と少しで読み終わりました。
システムはセーブスロットが二つしかないのがやや不便ですがそれ以外は問題なし。
ボイスありですが総じて棒読みっぽくてあまりいいとは感じられませんでした。
OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は背景からちょっと浮いているように思えます。

今回はプロローグとChapter1「妹」、Chapter2「希望」を読むことができます。
「コミュニケーション」のルールは色々とあって書くのが面倒なので
650さんの所をご覧ください。
涼一が負けそうになっても助けが入ったり、他の参加者はとことん邪魔されたりして、
一応ルールの範囲内ではありましたが優遇されすぎで、
大部分の結果がそれに流されたものなので駆け引きなどの面白さはあまりありませんでした。
また、健吾が涼一を嫌う理由が小物思考なので拍子抜けしました。
ですが、「コミュニケーション」という設定には心惹かれるものがありました。
それに次々と謎が出てきたり判明したりして、先が気になりどんどん読み進めることができました。
まだまだわからないことが多いので続きを読んでみたいです。
とりあえず今回は模擬ゲームみたいな感があり物足りない部分が多かったので、、
次の「コミュニケーション」はもっとそれぞれの思惑が絡むような展開になってほしいなと思いました。
(10/7)

 

diskill -Episode 2-/Harbest(500円)

長い間入院生活を送っていた御手洗涼一は退院後、周囲とうまく付き合えずにいた。
そんなある日、朝起きると彼は数人を除き誰もいない世界にいた。
そこで始まる「コミュニケーション」というゲーム。数人の中から勝った者は、願いがかなうというものだった。


選択肢なし、探りあい、ボイスあり、三時間半足らずで読み終わりました。
Episode 1の感想は
こちら
システムはEpisode 1と同様。ムービーや歌も同様。
絵は私が慣れたせいか違和感がそれほどなくなりました。
ボイスは相変わらずあまりいいとはいえませんが、士含雄介だけはいいなと思いました。

今回はChapter3「自分」、Chapter4「姉」、Chapter5「あなたの姿」を読むことができ、
Episode 1とはまた別の「コミュニケーション」が開催されます。
そこに涼一も参加するのですが、以前の経験があるため、別の参加者にルールなどを説明し、
その上で「コミュニケーション」を終わらせるため協力を求めます。
…………うさんくさすぎます。
私が参加者ならやけに世界に詳しい上に道徳的に正しい言動ばかりで、
なのに隠し事をしているような人間とは到底組めませんね。
案の定、最初から純粋に協力してくれる人はいませんでした。

でもそのおかげか信じてくれるまでの紆余曲折や腹に一物持った人たちとのやり取りなどは読み応えがあります。
ただ、残り四人になってから残り二人になるまでの展開は
あまり詳しく書かれていなくてどうなっているのかよくわかりませんでした。
とはいえ今回明らかになったこともあり、新たに増えた謎もあり、
その上、結末もこれからどうEpisode 3に繋がるのか気になるもので、続きを読んでみたいなと思いました。

あと、涼一は操作ミスして女の子の携帯の大事な画像を見ます。
……ずいぶんと大いなる意思が働いた操作ミスですね。
(10/8)

 

diskill -Episode 3-/Harbest(500円)

長い間入院生活を送っていた御手洗涼一は退院後、周囲とうまく付き合えずにいた。
そんなある日、朝起きると彼は数人を除き誰もいない世界にいた。
そこで始まる「コミュニケーション」というゲーム。数人の中から勝った者は、願いがかなうというものだった。


選択肢なし、探りあい、ボイスあり、三時間半足らずで読み終わりました。
Episode 1の感想は
こちら
Episode 2の感想は
こちら
システムはEpisode 1と同様。ムービーや歌、絵なども同様。

今回はCHAPTER4「父親」、CHAPTER5「夢」、CHAPTER6「依存」、CHAPTER7「影」を読むことができます
前回からの続き、ではなくEpisode 1からの続きで、Episode 2とはパラレルワールドみたいな扱いとのこと。
ということはEpisode 2、3ともこれで大団円ということでしょうか。
Episode 1からの続きなのにCHAPTER3から始まらないのは何故?
あと暴力行為は三回で失格のはずでしたが、知らないうちに二回に変更されていました。

今回はEpisode 2であまり接点がなかった参加者とのエピソードが中心。
涼一はボケの才能もツッコミの才能もいまひとつでした。真面目にやっている場面は良いのですが……
それから、Episode 2であまり詳しく書かれていないと書いたシーンのフォローがされていて腑に落ちました。

最初Episode 2からの続きではなかったことに拍子抜けしましたし、疑問に思うことも多かったですが
読んでいくうちに前回とは違った観点で登場人物が描かれていて興味深かったです。
(10/9)

 

THE MAN CALLED CRIMSON -Episode IV-シスの大地と飛躍の階段/因果堂Type-I.G.(1500円)

おすすめ

過去の作品感想:
夢剣、TWADの物語 Vol.1 Vol.2
(10/12)

 

SkyScape〜体験版/雪月

有害物質や病原菌の蔓延により11の都市のなかでしか人間が生きられなくなってしまった世界。
そこでは、飛行機などで空を飛ぶことが禁止されていた。
アークシティという都市で暮らすジオルグは、ある日謎の少女と出会った。


選択肢なし、空、SF、四十分ほどで読み終わりました。
システムは画面右にあるメニューボタンが文章が流れる間、光るのがやや気になりましたがそれ以外は問題なし。
音楽は冒頭で流れる歌がとても透き通っていていいなと思いました。それ以外のBGMも良かったです。
絵も同じように透明感ある絵柄で好感が持てました。表情も豊か。

この体験版では、空を飛ぶことができない世界で飛行機を作っているジオルグが
謎の少女と出会った一日を読むことができます。
神秘的な外見ながら三角口になったり得意げな顔をしたり目を輝かせたりする謎の少女が可愛いです。
それに絵や音楽にジオルグと少女の目的が相まって澄み渡った空のような印象を受ける作品でした。
これから先の展開も楽しみです。
(10/14)

 

dicot. C76体験版(18禁)/Hypericum

健は幼馴染で彼女の一ノ瀬知沙とその妹の愛名と旅行に出かけたが、船から落ち見知らぬ島へと漂着してしまう。
その島は周囲との交流がなく、独自の神を信仰していた。
しかし最近、外からの来訪者が増え、同時に謎の病も流行しているのだった。


選択肢なし、因習、ボイスあり、一時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に問題なし。
絵は可愛くて良かったです。

この体験版では三人で島を彷徨った後、女性と出会い家に泊めてもらうも夜に不思議なことが起こります。
知沙ではなく、その女性とのHシーンがあるのですが、
そのシーンで知沙に悪いと一切考えなかったのがなんだかなと思ってしまいました。
話は今のところ因習ある村という設定では王道の展開で、
特に目立つところはありませんでしたが悪いところもなく安定して読むことができました。
絵が良いので、他のヒロインとのHシーンも読んでみたいと思ったり。
(10/16)

 

Tomorrow-体験版-/cielo

高校二年の秋、学園祭を間近に控えた季節。
木崎弘人は幼馴染の柏木光の友人、武里みくりを始めとした何人かの女の子と知り合う。
そうして学園祭の準備に奔走する中、弘人はふと、過去に想いを馳せることが多くなったのだった。


選択肢あり、学園恋愛、過去、一時間半ほどで読み終わりました。
システムでは画面の切り替えがやや遅いことが気になりましたが、
LiveMakerなのにメッセージウインドウ周りにメニューがあって、一工夫されているなと思いました。
音楽は特に問題なし。絵はやや癖があります。

この体験版では四日目までと、それより後のみくりルートのエピソードをいくつか読むことができます。
みくり初登場時の演出が、一枚絵も音楽も文章も可憐さを感じさせるもので印象に残りました。
それ以降もみくりがいるシーンは他のヒロインよりも気合入った音楽と文章で、
さすが(おそらくは)メインヒロインだなと感じました。
他のヒロインとの会話も楽しいのですが、やはりそこまでされているだけあってみくり一押し。
現時点ではストーリーについてはわかりませんが、ヒロインの魅力が伝わってくる作品でした。
(10/27)

 

TRY FACE/Glory Hole(100円)

酒宮霞音(さかみやかのん)と友人の斉藤遥は高校からの帰り道、突然同じ高校の女子生徒に襲われてしまう。
その人並外れた力に遥が殺され、霞音も瀕死の重傷を負ったそのとき、半透明の少年が現れ女子生徒を撃退する。
そのことがきっかけで霞音は少年と体を共有することになったのだった。


選択肢なし、異能力、現代ファンタジー、三時間足らずで読み終わりました。
システムはどこでセーブしてもロードするとタイトル画面から始まるので実質セーブ不可なのがかなり面倒。
また、ページ末まで文章が一気に表示されてしまうのも気になります。
音楽は特に問題なし。
ジャケット絵は綺麗。立ち絵は別の方が描かれていて気になる部分はあるものの、不気味さがよく出ていました。
背景は街のものだけ妙に道路などが歪んでいるのが違和感を覚えました。

周囲の人を巻き込んで霞音を狙ってくる人外の敵を、体を共有することになった者達と共に撃退していきます。
今回は一つの事件が解決するまでを読むことができ、一区切りついたというところまで読むことができます。
今後は新たな敵と闘ったり、少年の抱えているものを解決しようとしたりする模様。
文章が詰め込まれすぎていて読みにくかったり、人称が統一されていなかったり、
描写が何を指して言っていることなのかがわかりにくかったりして、かなり読みにくいです。
ただ、霞音の心根の真っ直ぐさは好感が持てましたし、
霞音の味方をしてくれる人々にも皆、芯の強さがあっていいなと思えました。
体を共有していることを生かした闘い方のスタイルや、心の中で行なう日常のやりとりも面白かったです。

システムとテキストはとても気になる部分が数多くありましたが、ストーリーや設定などには良い部分も多いので、
気になるところが改善されればとても面白い作品になる可能性を持った作品だと感じました。
(10/29)

 

落葉の夏 体験版/E'

村から都会へ引っ越すことになった親友に、つい酷い言葉を言ってしまい会いにくくなってしまった鹿島静。
そんな静の誕生日、高台でうたたねをしてしまった彼女が起きると、
村の様子がなにやらおかしくなっていたのだった。


選択肢なし、現代ファンタジー、五十分ほどで読み終わりました。
システムではバックログが読めないのが不便。
それから、クリックで読み進めるごとに音が鳴るのがちょっと気になりました。
文章は縦書き。
絵は色鉛筆風の塗りで素朴な感じがして好感が持てました。

この体験版では四日目までを読むことができ、
パラレルワールドのような同じ名前の村なのに住んでいる人が全く違う世界に静が迷い込んでしまい、
元の世界に戻る手段を探して奔走します。
真夏の日中、とても暑い村を走り回るシーンからは焦りと孤独感を感じましたし、
夜、知り合った人の家に泊めてもらうシーンからは不安の中にも穏やかさがありました。
そんな舞台で起こった不可解な現象の原因が何なのか、ちょっと気になる作品です。
(10/30)

 

Cynical Eden−flow−体験版/Chord

両親が有名な音楽家である月森梢は高校生。
彼氏である御剣悠や友人達と平和な日々を過ごしていたが、
それが長く続かないという漠然とした不安があった。


選択肢なし、夢、変化、十分ほどで読み終わりました。
体験版のためセーブロードなどが未実装とのこと。
音楽は特に問題なし。絵はなかなか可愛らしいです。

この体験版では普段どおりなある一日を読むことができますが、夢でなにやら変化が示唆されます。
ちょっとだけの期間しか読むことができませんでしたが、
梢と悠のやりとりはとてもほんわかしていて心地よかったです。
このまま変わらないでほしいな、と思いましたが……

それから、最後まで読んでスタッフロールが流れ終わると、
「5秒後に終了します」と出て勝手に終了します。……スパイ映画ですか?
(11/2)

 

たそがれの夏一夜 第一章〜試作体験版〜/甜瓜夢工房

田舎の町で一人暮らしをしている学生の片桐孝平はある日突然従妹と名乗る少女美穂と同居することになる。
始めは疎ましく思いながらも段々と大切な存在となっていった彼女。
そうして向かえた夏休み、二人は色々なことをしようと話し合っていたが……


選択肢なし、夏、不思議、一時間半ほどで読み終わりました。
作品タイトルが「たそがれの夏一夜」なのか「わすれじの夏一夜」なのかはっきりしませんでした。
「たそがれの夏一夜」はジャケット背表紙、ゲームフォルダ名、タイトル画面での表記
「わすれじの夏一夜」はサークルサイト、ジャケット裏の表記。
システムはタイトル画面からロードできないのがやや面倒。
音楽は特に問題なし。絵は次の日へ移るときのアイキャッチのみであとは写真背景。

今回は第一章のおそらく最後まで、もしくは一区切りつくところまで読むことができます。
ただ、物語の流れ(あらすじ)を中心とした「試作」とのこと。
孝平と美穂の日々に、時折別の時間、同じ町での物語は挿まれている形式。
状況描写や孝平の心情描写がやや回りくどくて、頭に入りにくかったです。
状況描写に関してはあらすじを中心としているせいもあるでしょうが。
ですが、女の子の言動は絵がなくてもその仕草が頭に浮かんでくるような、
生き生きとしたものになっていて良かったと感じた作品でした。
(11/3)

 

Triangular Another World体験版(乙女)/惑星インコ

天界、下界、魔界の三つに分かれている世界。そこには滅びが近付いていた。
滅びから世界を救う神の使いとして降臨した主人公は、愛の力で世界を修復していくのだった。


選択肢あり、ファンタジー、予言、十分ほどで読み終わりました。
主人公は名前入力必須。
システムは起動直後やタイトル画面に戻るときに表示されるサークルロゴがスキップ不可でやや面倒でした。
絵や音楽は特に問題なし。
メッセージウインドウの形が変わったり、
天使が出てくるとバックに羽が舞ったりといった演出が多彩で目を惹きます。

ミニゲームをクリアしたり正しい選択をしてミッションをクリアしていき、
世界を救うための愛の力を溜め、世界を救ったり誰かと仲良くなったりします。
この体験版では世界観の説明などのガイダンスが主。
ですがその中で主人公はしれっといい性格していますし、
神の使いをナイスボディなお姉さんだと信じて疑わない天使や、
悪魔に男を取られて恨み骨髄な女天使など、個性的な登場人物が多く、導入から笑えました。
愛で世界を救うというお題目にも面白いことになりそうな胡散臭さが感じらますし、続きを読んでみたい作品です。

過去の作品感想:
空染めDOKI☆DOKIラブパニック
(11/6)

 

ネグロノヒア Ep1 Tri4/r.B.a

王都フェンブルグの葬魔庁に所属しているシェリル・アッカイマーは
同僚達と連続少女失踪事件について調査していた。
ある裏路地を歩いていた彼女とその上司は、そこで人を操ることができる力を持った少年と遭遇する、


選択肢なし、バトル、魔道具、一時間ほどで読み終わりました。
システムでは起動時に毎回フルスクリーンにするかどうか聞いてくるのが面倒。
それから、メニューにカーソルを合わせるたびに効果音が鳴ってちょっとうるさかったです。
絵もあまり上手いとはいえません。

この体験版ではプロローグとEpisode1の途中までを読むことができます。
登場人物の掛け合いはなかなか面白いなと思いましたが、
シーンごとの繋がりがあまりなく、ぶつ切りになってしまっているように感じられました。
システムなども含め、もっと良くなりそうなところが多い作品でした。
(11/9)

 

夜の中に浮く花たちの片側 体験版 ver.1.10/人工くらげ

幽霊のまひるに取り憑かれてしまった大学生の主人公。
成仏させるためには、「五山の送り火」の全ての文字を自分の目で見なければならないという。
そのための効率的なルートを構築する最中、実家から連絡があり、主人公は帰省することとなった。


選択肢なし、現代ファンタジーノベルゲームとのこと、四十分ほどで読み終わりました。
システムはバックログで読み返せる量が少なめなことがやや気になりました。
音楽は特に問題なし。
絵はシンプルな絵柄で目を惹く派手さはないですが姉がお気に入り。
また、背景の写真が多彩、かつ臨場感があって良かったです。

この体験版では「五山の送り火」のそれぞれの文字が見える場所をまひると共に自転車で探す前半と、
帰省して姉とその娘と会う後半に大きく分かれています。
一番最初、何故文字を探しているのかほとんど説明がないままで、
読み進めるにしたがって自然に経緯が明かされる構成が上手いと思いました。
まひると街中を巡るシーンでは、主人公が幽霊に取り憑かれてお互いそれをなんとかしたいと思ってやっていることなのに、
目的とは関係のない雑談、ひとり言も含めたやりとりや下調べしているとはいえその場での感覚重視な探索具合が、
のんびりまったりとしていて心地よかったです。
また、どこでどの文字が見られるからこう行けばルート短縮になる、
といった効率化作業は興味深くてうずうずするものがありました。
後半はそこから打って変わって姉や姪と仲が悪くないのにかみ合わない微妙な息苦しさがあって、
それがひしひしと伝わってきました。
前半は幽霊、後半は人間関係と、今のところ全く関連のない出来事で、
両方とも単独の話として成立しそうですが、それがどう絡んでくるか楽しみな作品です。
(11/12)

 

Trinity 体験版(18禁予定)/Zeal

久瀬京一は親の都合で数ヶ月間、田舎で一人暮らしをすることになった。
新しい家へ向かう途中、彼は眼帯をした少女と出会う。


選択肢なし、田舎、夏、二十分ほどで読み終わりました。
システムはウエイトがちょっと多用されすぎているように思えました。
音楽は特に問題なし。
絵は可愛らしいですが、どこかぎこちない印象を受けました。

この体験版では少女との出会いまでを読むことができます。
なにやら不思議要素もあるような感じ。
会話らしい会話もほとんどないのでまだ面白いかどうかはわかりませんが、
夏の暑さや自然豊かな田舎の情景はしっかりと伝わってきました。
(11/18)

 

はぐくみSacrifice 第0話 Prologue/にゅーエキスパート(100円)

聖ナサギエル学園のオカルト部は学園に1000万円の借金があることが発覚した。
なんとか返済すべく奔走するが、失敗ばかり。
しかし、あるバイトをきっかけに光明が見えてきた。その方法とは……


選択肢なし、学園、魔術、二時間足らずで読み終わりました。
システムはロードするとセーブした地点から戻されることがあることと、
文章が一文字も表示されないページが頻繁にあって、余計にクリックしないといけないのが面倒でした。
音楽は特に問題なし。
絵は通常立ち絵は若干バランスで気になる部分があるものの、イベント絵やSD絵は可愛らしかったです。

第一話以降はHシーンがありますが、今回はプロローグで裸のシーンなどはあるものの性描写はなし。
むしろコメディ中心。メタネタ多め。
お金を稼ぐ手段がキャバクラやマグロ拾いなどなど真っ当なものではないのですが、
第一話以降に採られることになった手段も非常にエロゲー的。
今回ならばともかく、シリアス中心の本編ではどうなのかな、とちょっと思います。
ただ、とりあえず今回は花の女学生や女教師が汚れ役をやるのが見所で、ノリの良い作品でした。
(11/21)

 

はぐくみSacrifice 第一話 呪いの代償(18禁)/にゅーエキスパート(1000円)

聖ナサギエル学園のオカルト部は学園に1000万円の借金があることが発覚した。
なんとか返済すべく奔走するが、失敗ばかり。
しかし、あるバイトをきっかけに光明が見えてきた。その方法とは……


場所選択あり、学園、魔術、ボイスあり、二時間半ほどで読み終わりました。
第0話の感想は
こちら
システムは普通に読む分には問題ありませんが、台詞と違うボイスが再生されたりする箇所がありました。
音楽は特に問題なし。絵はかなり綺麗。

今回はオカルト部にやってきた女の子の依頼に応えるため、主人公の光二と同級生の貴子が奔走します。
基本的に四日間の物語で、一日に三回場所選択をして話を進めていくのですが、
選ぶ順番によっては矛盾した展開があったりして、フラグ管理が甘いです。
バージョンアップ予定有とのことで、修正されていれば良いのですが……
話はサブタイトル通りの王道といった感じで意外性はないものの安心して読めますが、
第0話を読んでいないとわかりにくい部分があるのが少し気になりました。
今回は優香先輩大活躍といった感じで、光二と貴子の二人だと物凄く苦労して依頼を実行しているのに、
優香先輩が同行するだけでサクサク進むのが格好いいと思えました。お笑い担当の第0話とは大違い。
Hシーンも濃くはないですが絵が綺麗なので良かったです。

それにしても主人公はショタで天然にもほどがあります。
(11/22)

 

終末症候群 Terminal Syndrome ver1.5 [the complete](18禁)/LEANGATE(1500円)

異能犯罪の捜査官で執行人でもある相模レンは、
常になく異能者が起こす事件が増えている中、
補佐官の雛代シズクと共に仕事をこなしていた。


選択肢あり、異能、追加部分は七時間半ほどで読み終わりました。
流血、グロ描写あるので苦手な方は注意。
ver0.2の感想は
こちら
ver1.4の感想は
こちら
システム面や絵はver1.4と同様。ただ、第五章から読めるのが嬉しかったです。
EDに歌あり。

今回は第七章まで読むことができます。
どうみてもレンが悪役です。
終末にこだわるのはともかく押し付けすぎだよなぁと思ってしまいました。
でも、相変わらず独特の格好良さがあっていいなと思えました。特に警察の宮森さん。
第三章くらいから続いてきた一連の事件も終わりを向かえ、
最終章でどうまとめられるのか、気になります。

過去の作品感想:
reinVERSE 体験版
(11/23)

 

 

(同人ソフト番外編・その他)

引籠世界の探偵事件簿 0・1・2/焼肉万歳(1000円)

引籠世界の探偵事件簿ZERO〜#02までと、「引籠世界の探偵事件簿 INTERMISSION」を収録。
ZERO〜#02までの感想は
こちら

「引籠世界の探偵事件簿 INTERMISSION」は選択肢なし、三十分足らずで読み終わりました。
システムや音楽、絵はいままでと同様。

INTERMISSIONは#02から少し後の話。
日置小茂朗やほーちゃんをはじめ、ZERO〜#02に登場したキャラクターについての話を数編収録。
今後に関わってきそうな設定もいくつかありました。
#02の本当の結末はトゥルーエンドだったようで、
今回ほーちゃんが関わる話を読んでいるとちょっと寂しくなりました。
あとは南米の人とか優由ちゃんの秘密とか気になります。

いままでとこれからの「引籠世界の探偵事件簿」を繋ぐ、興味深い話でした。

過去の作品感想:
雛見沢怪奇ナビゲーター 罪穢M2+とつげき!人間戦車
(8/25)

 

就活DX(BL15禁)/a.m.(1000円)
+副読本

「僕の就活日記」の後日談「就活EX」「HIRO IN WONDERLAND」
「マスター×マスター」の続き「マスター×マスターR」に加え、
いままで制作された「就活セミナー」を収録。


選択肢なし、就活、一部ボイスあり、二時間と少しで読み終わりました。
システム面や音楽、絵は特に問題なし。EDに歌あり。一枚絵は十五枚+差分。
「HIRO IN WONDERLAND」は一部RPGになっています。

「就活EX」はメイン四人との話が一話ずつ。
勝宮さんのデレて空回りする様が見所。
高槻さん相手の比呂もそうですが、好意的に見ると、好きという気持ちがすごく伝わってきました(見方を変えると挙動不審)
橘家の話は相変わらずほのぼのしていてお気に入り。
「マスター
×マスターR」は新人研修で音理が悶々とする話。
良の気遣いが格好良すぎてこれは惚れるしかないと思いました。
あと副読本の「マスマスができるまで」がセルフ羞恥プレイだと思います。
発想の内容と、それを周囲に語るのは勇者にもほどがあるかと。
「HIRO IN WONDERLAND」は
ファンタジーな世界に飛ばされてしまった比呂達が元の世界に戻ろうとする話。
(一応ネタバレ反転)
比呂子ちゃんがとても可愛いです。
最初勝宮さんを選んだので他のルートも同じ展開なのかと思ったらそんなことはなく。勝宮さん独り占めズルイです。


特に「就活EX」がお気に入りですが、他の話も楽しめた作品でした。

過去の作品感想:
僕の就活日記マスター×マスター 〜××を極めし者〜pure blueウラデラ
(9/9)

 

 

(漫画)

北斗再録/えげつないやん家(B5/30P/?円)

去年の十二月と今年の五月に発行された北斗本から漫画を再録。南斗中心ギャグ。
私は北斗の拳持っていなくて大学の研究室で全巻通して読んだくらいなので
忘れている箇所も多くてネタがわからない箇所があったのが残念でしたが、
聖帝軍のモヒカンさん達がサウザー大好きなのが笑えました。

あと堀江さんは
リボルテック 北斗の拳レボリューションのシュウに
エプロンを着用させて色々なポーズを取らせているそうです。
その様子が巻末漫画として描かれているのですが、
エプロン姿のシュウが似合い過ぎていて、ちょっとこのフィギュア欲しくなりました。

過去の作品感想:
昭和日本軍の本
(8/19)

 

のっちといつきのComics/J-am(B5/24P/?円)

「のっちといつきのWebRadio!」に登場する野口小太郎と弓乃樹が中学生だった二年前の話「←片想い」と、
キャラ設定や裏話などを収録。

「←片想い」を読んだら、いままで思っていた以上にいつきが線が細くて色っぽくてドキドキしました。
これは(ネタバレ反転)
家庭教師が誘惑されてしまうのも仕方がない気がします。
このビジュアルイメージで聴く「のっちといつきのWebRadio!」がより楽しみになりました。
のっちにセクハラしたりとか、逆に照れたりとかするシーンを聴きたいです。
ちなみに公開は今年の夏〜秋とのことです。

過去の作品感想:
僕のこと彼らのこと
(8/19)

 

夕暮チャイム/それーゆ(A5/20P/?円)
なつのほん2009/それーゆ(B5/12P/100円/コピー本)

「夕暮チャイム」は不気味な夕暮チャイムが流れる田舎に住む小学生の少女が見知らぬ少年と出会い、
夕暮チャイムが何故その曲なのかが明かされる話。
少年少女の出会い、夕暮チャイムの理由、危機、解決といった流れが、
20ページ弱のなかできっちりと収められていて、
読み切り漫画のお手本のような作品でした。
あと、両おさげにしていて片方がほどけた状態が色っぽかったです。

「なつのほん2009」はウインドウズ7擬人化四コマや、
次回発行予定の作品に登場するダウジング愛好会に所属する三人娘による短編漫画などを収録。
ウインドウズ7擬人化と見せかけてほとんどウルトラセブン擬人化です。本当に(ry
カプセル怪獣も出てくるのですが、(初音)ミクラスやウイン(ガン)ダムとダジャレ。
ダム分多いなーッというツッコミに笑いました(頭のみウインダムで首から下はガンダム)
アギラは思いつかなかったそうですが……うーん、ドラクエの閃熱呪文くらいでしょうか。
(9/19)

 

ぽらんぽららん 総集編に/ぽらんぽらん(A5/112P/200円)
ぽらんぽららん 総集編そのさん/ぽらんぽらん(A5/180P/200円)
五月の百合 百合部参加総集編/ぽらんぽらん(A5/76P/200円)
ぽらんぽららん ゲスト作品総集編/ぽらんぽらん(A5/72P/200円)

同人活動停止につき全ての本が200円で頒布されていました。
学生時代はこういう、値引き本や総集編(値段は高いけれどページで割るとお買い得)
を探して歩き回ったものです。

「ぽらんぽららん 総集編」はそれまで発行した本の再録。
「五月の百合 百合部参加総集編」は2008年5月コミティアの百合部関連の再録。
「ぽらんぽららん ゲスト作品総集編」は他サークルの本にゲスト参加した作品の再録。

今後商業(少女漫画)で活動されるとのことで、そんな感じの可愛らしい絵柄です。
面白かったのは「総集編そのさん」に収録されている「星に願いを。」
流れ星に願いを三回言うということを、こんな手段で実現するのか、と関心しました。
他には「百合部参加総集編」がどの作品も甘くて、
なかでも両想いの女の子が二人旅をする「遠い遠い空の下。」が、
お互いを好きで好きで仕方がないといった様子がとても伝わってきました。
(10/21)

 

 

(小説)

かまどの女神―エイミィ―/夢桜(A6/130P/?円)

親元を離れて暮らすナオのもとへ、突然エイミィという少女がやってきた。
愛とかまどの女神と名乗る彼女は、とある探し物をしにきたという。
それまで女の子と縁がなかったナオは戸惑いながらも探し物に協力することになる。

女の子と同居して色々なハプニングがあったりするラブコメディ。
裏表紙にハイスピード・ラブコメディとありますが、
ハイスピード過ぎて、もう両想いになったのか、とちょっと戸惑ってしまいました。
でもそれまでの過程や、両想い後の展開などはテンポのよさが感じられ、楽しかったですし読みやすかったです。
特に何回かある寝る前のやりとりがお気に入りでした。

過去の作品感想:
しろくろり〜た knot of 1
(8/18)

 

水色の塔/犬と猫(A6/141P/500円)

イシュワルドへとやってきて一ヶ月。シオは簡単すぎる仕事しかなく退屈していた。
そんなある日、仕事を探しに訪れたギルドで彼女は一つの依頼を見つけた。
それは、何人もの行方不明者を出している「水色の塔」に関する依頼だった。


フリーゲーム「水色の塔」の小説版。
ゲームの晴れたり曇ったりシリーズではシオの天然ボケで流されるような
シオのフィルに対する感情が結構はっきりとした形で描かれていました。
それがくすぐったくもあり、ちょっと寂しくもあり。
塔内での大きなイベントはゲーム版準拠。
その上で独自のアレンジが加わっています。ちょっとえっちなイベントも……
フィルやルヴェルとのやりとりも多く、「晴れたり曇ったり」の世界が小説として楽しめる作品でした。

過去の作品感想:
レミュオールの錬金術師晴れたり曇ったりN水色散歩道海洋レストラン☆海猫亭リミットレスビット 〜王国の勇士たち〜ハーヴェストグリーン
(8/18)

 

帰れずの娘ヒイラ 5 無慈悲な冬/霊幻樓(A6/88P/300円)

魔法が存在する異界と行き来できるようになった世界。
しかし同等の存在と交換でなければ行き来できないため、
現時点では少人数が交換留学として五年間それぞれの世界で生活するだけに留まっていた。
孤児の結花もそんな留学生だったが事故で元の世界へ戻れなくなってしまう。
寄る辺のない彼女は半強制的に大魔導師シュリのもとへ預けられ、ヒイラという名で生活することとなった。

今回は厳しい冬の直前、学校の皆と制作したカードゲームを
販売しようとするヒイラですが、色々と妨害をされてしまいます。
ですが、そんな妨害に対し何十倍返しするヒイラさんが漢前すぎます。
一巻のころからの成長ぶり(悪の策士方向として)には、痛快、かつ末恐ろしく思うと共に、
日々女の子らしくなくなっていくことを嘆くシュリに同情しました。
でも「これ以上、勢いよく自立されてたまるか」という台詞には笑ってしまいましたが。
親心でしょうが、勢いよくって自立ってなかなか言えない台詞です……
ラストのヒイラに対する要求にも吹きました。
笑ったといえば翻訳機能の意訳が意訳しすぎていて面白かったです。スラング使っていい仕事しています。

あとローの暗躍が殺害方面ではなかったのがちょっと気になります。
でも三巻でも二重の策だったので今回のもなにか意味があるのでしょうか?

今回はコメディ成分がいままでと比べて多めでしたが、
イネルとシーラの最後のシーンにはとてもいい余韻があって、印象的でした。

ヒイラが中心になって巻き起こる騒動も、その陰でひっそりと進む人間模様も読み応えがありました。
おすすめです。

過去の作品感想:
縷々日記レッド・カーニバル
(8/20)

 

妖精さんと悪魔の本/霊幻樓(A6/116P/無料)

@ゲームズで撒いた足跡集とのこと。
妖精さんと居候のぐーたら悪魔の日々の生活をメインとして、
悪魔の知り合いの神様や天使や魔王や死神が時折やってきて愚痴を言ったり麻雀をしたりします。

妖精さんと悪魔のゆるめの日常が一シーン(一日)十行程度にまとめられてリズムがよく、
気軽に読めて暖かい気持ちになれます。なにやらそうではない裏設定もあるようですが……
神様のダメっぷりも印象的。
あと、どちらが先かはわかりませんがヒイラにも出てきた台詞があって、笑えました。


過去の作品感想:
縷々日記レッド・カーニバル帰れずの娘ヒイラ
(8/28)

 

妄想彼女/Arrow(A5/52P/300円/コピー本)

中学時代、理想の女性を妄想して日々を過ごしていた鈴木祐二。
高校へと進学した彼はその妄想通りの見た目をしたクラスメイト、平野裕子と出会う。
しかし彼女は時折おかしな言動をすることがあった。


主人公と平野さん、それに主人公の幼馴染を中心とした恋愛と妄想の話。
平野さんの外見・仕草の描写から可憐で美しい少女をありありと思い描け、
こんな女の子なら主人公が目を奪われるのも当然だなと納得できました。
ちょっと平野さんの父親が、いい人なのに諦めが早くて、
山場へ向かうお膳立て役という面が強く出てしまっているように思えたのが気になりましたが、
主人公と平野さんの仲の良さが微笑ましくて、お似合いだなと思えた作品でした。

過去の作品感想:
the One ―ただ、唯一の空の海恒例夏のサンタ狩り冬の向日葵そらのはしごハッピー・アクア冬の日の魔法
(8/28)

 

こいねこ/低温飛行(無料)

おすすめ

過去の作品感想:
四の森学園物語ろけろりっ!!だから世界は終わらない
(9/3)

 

小梅と小雪のチョコレートぱにっく!/低温飛行(B6/24P/100円/コピー本)

四の森学園物語シリーズ。
バレンタインの日、小梅と小雪はなぜかよりちゃんを追い掛け回していて……という話。
よりちゃんがとにかく可愛いです。
「こいねこ」の織部さんといい、健気な娘に弱い私。
ただ、以前お気に入りと書いたくーちゃんもそうですが、
物語クラブの一員ではないので出番が少ないのが寂しいです。

ひのきとよりちゃんのくすぐったくなるようなやり取りが微笑ましかったですし、
これを受けてのホワイトデーの一日も読んでみたいです。おすすめ。

過去の作品感想:
ろけろりっ!!だから世界は終わらないこいねこ
(9/19)

 

呑気な冒険者たち13 憂愁の港の風波/WIND工房(文庫版/338P/400円/コピー本)

エルフなのに精霊を見ることも操ることもできないが凄腕の傭兵リッツ、
見た目は少女、実年齢三十歳でハーフエルフ疑惑あり、魔法と大食いが得意なアンナ、
剣も魔法もまだまだ、特技は節約、傷つきやすい青年フランツたち三人の珍道中。
本編の後日談「突撃!旅路の晩ご飯9 ラッキー7は女神のキス!?」も収録。
総集編1の感想は
こちら
4〜7巻の感想は
こちら
9巻の感想は
こちら
10巻の感想は
こちら
11巻の感想は
こちら
12巻の感想は
こちら

今回はタルニエン共和国スイエンという日本っぽい港町と、水の力を持つ蒼海族の聖地が舞台。
前回から引きずっているすれ違いが、この地でのある人物のおかげもあって悪化の一途。
とにかく話せ、そして聞け、と言いたくなります。
これはリッツも悪いけど、同じくらいアンナも悪いよなぁ……
そしてフランツ空気です。頑張って考えたのにね。
あとテラスとその下の描写が、綺麗な様子が目に浮かぶようで良かったです。

いよいよこの物語も次で最終巻(上下巻予定とのことなので正確には次の次ですが)
楽しみですが、ここまで長い旅路だったので、
一行がどういうルートを辿ったのかがわかるような地図が付録にあるといいなぁと思いました。フランツ作のものとか。

過去の作品感想:
短編テーマシリーズ総集編1 がらくた箱
(9/27)

 

オマケ・ノベル第九号/オマケ・ノベル準備会(A5/184P/500円/自家製本)

「山or川」をテーマにした小説を
さくらミントの甲二さん、
雲上回廊の秋山真琴さん、
サカナ・ノベルの川獺右端さん、
debrisの森皿尚行さん、
やまいぬワークスの広川伊砂緒さん、
以上の各同人ソフトサークルのシナリオライターさんが書かれています。

オマケ・ノベル第四号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第五号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第六号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第七号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第八号の感想は
こちら

各作品のあらすじは
告知ページ参照。

秋山真琴さんの「反理想郷にさよならを/彼女を救え(ない)」は、
○○探検隊を彷彿とさせるような語り口にわくわくしました。
森皿尚行さんの「東河の魔導師EC・CASTER」は、
最後のルタが出てくるシーンでそうだったのか、とびっくりしましたが、
色々投げっ放されているので今回だけの話では楽しみきれなかったなと思えました。
広川伊砂緒さんの「パイプライン」は、相変わらず危うげな雰囲気を描くのが上手いなと感じました。
ただ、パイプラインの例えの持ち出し方がちょっと強引に思えたのと、
冒頭、回想とその時の行動が混ざっていてわかりにくかったのが気になりました。

二番目に面白かったのは甲二さんの「団平さんと私」
「私」の地の文が丁寧な口調で、でも感情を極力排していて、
幕一枚隔てたような印象で最初から最後まで進んでいくのですが、
それがかえって妻への想いの強さを表しているように感じられました。

一番面白かったのは川獺右端さんの「月明かりの道」
三砂さんが闘うシーンでどう動いているのかイメージしにくかったのが気になりましたが、
それ以外のシーンでは三砂さんと他の人たちとの会話のリズムが心地よかったです。
また、合戦の主役達の様子、裏方の準備風景共にしっかりと描かれているので、
お祭りの盛り上がりがこちらにまで伝わってきて高揚しました。

それにしても三砂さんは有能で物腰もスマートで格好いいなぁ。
(10/3)

 

魔法陣グルグル百科事典 〜The Encyclopedia of GURUGURUGU〜 @用語篇/某国諜報部員(B5/116P/700円)

魔法陣グルグル関連の用語を漫画やアニメ、ゲーム、ドラマCDなど幅広い媒体を網羅し収録。
その単語量の多さと出典としてカバーしている媒体の豊富さはただただ圧巻です。

用語の由来(ジミナ村→地味な、等)でいくつか的外れに思えるものがあったことが気になりました。
また、アニメのサブタイトルは一つの項にまとめて一覧にした方が見易かったように思えます。
それから、もっと遊び心やツッコミがほしかったです。
完全に辞書的なものならばなくてもいいですが、そういうわけでもなくいくつか面白い項があったので。

読んでいて感じたのは、「キタ」で始まる単語多いなぁ、ということ。
「キタキタカーニバル」なんてその単語を見ただけで思い出し笑いしてしまいました。
さりげなく挿絵が可愛かったり参考になったりするのも好印象。

グルグル関連用語で気になることがあったらこの事典。
手元に一冊置いておきたい力作です。
(10/18)

 

How to making 同人ノベルゲーム -錬電術師ができ(かけ)るまで-/不機嫌亭ゲーム班(A5/44P/500円)

錬電術師 -HexaQuarker-の開発にまつわるショートストーリー+それに関係した制作お役立ち? メモで、
基本的にノンフィクション。ところどころフィクションとのこと。
内容について感じたことを箇条書きにしてみます。未読の方にはなにがなにやら、かも。

・進行豹さんのハゲます描写が多く、その献身的な自虐具合に涙と笑いが。
・私も綾波派。
・実際に制作にかかる前に作られた企画書が確かに読みやすい。このくらいきっちりやってるんだ……
・錬電術というアイデアは自信を持つに足るアイデアかと。
・私もmixi招待されずらい人に当てはまる。
実際されたことない。(追記:進行豹さんにご招待いただきました!)
・インストーラーは逆になくても……と思うのは
少数派? あるいはこんなサイトの中の人特有のもの?
・第一章タイトル画面の曲はお気に入り。ミステリアスで、不気味で、奥の深さを感じさせる。
・最後の項目、それまでのページとの違いは左下にある【了】だけで、締めという気がしない。
 まだ続くものだと次のページをめくって、あれ? これで終わり? というあっけなさがあって、
 読み終えたという一種の達成感を覚えることができなかった。

と、最後だけ気になりましたが、
ゲーム開発で立ちはだかる困難や注意すべきところ、楽しいところがたくさん書かれていて、
その上、私のようなゲーム制作者でない者でも、読み物としても楽しめる一冊でした。

最後に、巻末付録の「同人ゲーム制作関連お役立ち情報リスト」にウチのことも載せていただきました。
ありがとうございます!
(10/31)

 

 

 

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