低温飛行
HP

サークルについて

北島 夏さんの個人サークルでオリジナル小説を中心に活動されています。
その文体とページ数の多いオフセット本以外は無料というのがとても魅力的です。

作品

四の森学園物語

概要

ジャンル

オリジナル/小説

発売年月

2001/10〜

価格

無料〜200円

年齢制限

なし

特徴

なんてことのない日常、不思議、ひらがな

サイズはB6、ページ数は16〜88ページです。

あらすじ

ふしぎなできごとが、あたりまえのようにおきてしまう美浜町(みはまちょう)。
この町の近くには七つの森があって、そのまんなかの森、
四ノ森(しのもり)には、四の森学園(しのもりがくえん)という寄宿舎のある学校があります。
四の森学園物語は、この寄宿舎に住む少年少女たちの物語です。
とくに事件という事件が起きるわけでもないけど、
ただワイワイと毎日過ごしているだけで楽しい、そんなまったりのんびりのコメディです。

(サークルHPより)

 

この作品について

学園でも寄宿舎でもいつも通りの生活。不思議なことがあってもいつも通り。
でもその中のちょっとしたことに一喜一憂。とても幸せです。
私はひのきとくーちゃんのコンビが好きですね。

本のサイズがB6なのですが持ち運びに場所をとらない、寝物語に最適、
2つ合体させてB5本として保管可能となかなか便利です。
また、HPでもいくつか作品が公開されていますが、
可能ならばイベントで入手されることをおすすめします。
HPにない話も読めますし、やっぱり紙媒体というのは良いものですよ。

(ここよりたからものの文章です・2006/3/16)

たからもの(四の森学園物語より)/(44P/100円)

ひのきちゃんが風邪でダウン。
櫻荘と四の森学園のみんなは普段どおりの生活を送りながらもどこか落ち着かないのでした。
…一部、盛大に大騒ぎしたり、大真面目にはた迷惑な看病をしようとする人達もいるとかいないとか。


四の森学園シリーズのほぼオールキャラ出演の一作。
そのきっかけが主人公の風邪というのはとてもこの作品らしいです。
特別めずらしいことがあるわけではないけれども、なんだかいつもと違う。
そんなみんなの繋がりがとても心地良いです。思わず頬が緩みました。おすすめ。

 

(以下小梅と小雪のチョコレートぱにっく!についての文章です・2009/9/19)

小梅と小雪のチョコレートぱにっく!(B6/24P/100円/コピー本)

四の森学園物語シリーズ。
バレンタインの日、小梅と小雪はなぜかよりちゃんを追い掛け回していて……という話。
よりちゃんがとにかく可愛いです。
「こいねこ」の織部さんといい、健気な娘に弱い私。
ただ、以前お気に入りと書いたくーちゃんもそうですが、
物語クラブの一員ではないので出番が少ないのが寂しいです。

ひのきとよりちゃんのくすぐったくなるようなやり取りが微笑ましかったですし、
これを受けてのホワイトデーの一日も読んでみたいです。おすすめ。

 

作品

ろけろりっ!!

ちーさな恋のメロディ?
あるいは
ロケット・ロリータ☆ア・ゴー・ゴー!!

 

概要

ジャンル

オリジナル/小説

発売年月

2005/8

価格

350円

年齢制限

なし

特徴

ロケット、小学生

サイズはB6、ページ数は104ページです。

あらすじ

「おまえ、もっとつよくなれ。あんなやつらになかされるな。そうしたらおよめさんにしてやる」

幼いころの約束を守り続けたリカは強くなりました。
でも、肝心の約束をした本人、ハルオちゃんはそのことを忘れてしまっていました。
それに怒ったリカはハルオちゃんをボコボコにしてしまいます。
それ以来、ことあるごとにボコボコにしてしまいます。

あるとき、ハルオちゃんの家が引っ越すことになりました。
といっても、近所に新しくできるマンションにです。
ハルオちゃんはリカにこう言います。

「お前と離れたくて頼んだんだよ」

さらにリカは、ハルオちゃんと可愛い女の子が仲良くしているのを目撃してしまい、もう不幸のどん底です。

でも…

 

小学生の女の子だって、ちゃんと恋して愛して守るのだ!

(一部本文より)

 

この作品について

がんばれオンナノコ!めげるなオトコノコ!なお話。
相手がハルオちゃんのときだけ空回りしっぱなしのリカがとにかく可愛くて、ほほえましいです。

体いっぱいに好きという想いをこめてぶつかってくる女の子と、
それに戸惑いながらも決めるときはビシッときめる男の子が切なくも爽快です。

 

 

作品

だから世界は終わらない
〜chinatsu & kana〜

 

概要

ジャンル

オリジナル/小説

発売年月

2007/8

価格

400円

年齢制限

なし

特徴

終末、ほんのり百合風味、しあわせ

サイズはB6、ページ数は116ページです。

あらすじ

親しい友達をひとりもつくらず、それでいてクラスに波風を立てることもなく、毎日をただただすぎさるままにすごしている高校生の江藤千夏は、ある日、屋上でひとり昼食をとっているときに、クラスメートのひとり――おとなしく、日陰に咲く白い花のような少女――山内加奈に話しかけられる。いままで特に言葉を交わした記憶もなく、戸惑う千夏に、加奈はいきなり、「一緒に世界を救ってくれませんか」ととんでもないことを持ちかける。千夏は気持ち悪く思い拒絶するが、去り際に残した加奈の不思議なセリフは、その後、千夏の窮地を救うことになり――。

(サークルHPより)

 

この作品について

女の子は砂糖にスパイス、ステキなものでできている。
あるいは、女の子はだれだってしあわせになれる。そんなお話。

序盤は加奈が接触してくることに苦痛を覚えつつ、
友達を作らない原因となった過去について描かれています。
身につまされるというか、もし自分に降りかかったらと思うと、周囲を遠ざけるのもうなずける過去でした。
終盤も切なさと温かさが入り混じってとても良いものでした。

また、あらすじの後、紆余曲折あり千夏は加奈と共に世界を救おうとします。
それまでに加奈が世界を救うためにとっていた手段は「人を不幸にすること」
何故そうなのかは本編を参照、なのですが、後ろ向きな手段です。
でも、その後二人で考えて考えて、そして千夏が思いついた手段は、この上なく前向きなもの。
そのため、それを実行していく彼女達は世界を救うことさえ隅に追いやってしまい、
こちらまで楽しくなってしまうくらいに生き生きと縦横無尽に行動していてとても魅力的でした。
千夏と加奈のらぶらぶっぷりと併せて、幸せないっぱいな女の子は無敵だと思い知らされる、素晴らしい話でした。

 

 

 

作品

こいねこ

 

概要

ジャンル

オリジナル/小説

発表年月

2009/7〜8

価格

web公開/アナザーエンド無料

年齢制限

なし

特徴

ねこ、願い、クリスマス

本編はサークルHPで公開中。
アナザーエンド「流れ星の夜に」はB6、30ページです。

あらすじ

幼いころに両親を失い、いつもふたりきりで過ごしてきたナオとみなも。
ある日突然、みなもの手が、猫の手に変わってしまいます。
あわてるナオとは反対に、みなもはというと、かわいいかわいいとのんきなもの。
ためいきをつくナオですが、そんなナオにも驚くことが起きます。
片思いの女の子にいきなり告白をされたのです。
クリスマスが近づく冬の日々を舞台にした、淡い恋物語です。

(サークルHPより)

 

この作品について

2009年7月1日から20日間サークルHPで連載された作品。
それだけでも完結していますが、2009年の夏コミでアナザーエンド「流れ星の夜に」が配布されました。
なお、連載された分(以下本編)はサークルHPで読めるので流れ星の夜に」には掲載されていません。

ナオがみなもの猫化と、片思いの女の子、織部さんからの告白という二つの出来事に戸惑う中、
ナオとみなもの境遇や、ナオと織部さんとの縁などが徐々に明かされていきます。

ナオとみなもが二人でいるときはとても仲の良い家族のように自然に寄り添っていて、
そんな場面を読んでいると、とても穏やかな気持ちになれました。
また、ナオと織部さんが二人でいるときは二人とも照れ照れしていて、
こちらまでドキドキしてしまうくらい初々しく、幸せな気持ちになれました。
そんな三人ともお気に入りですが、特に好きなのは織部さん。
特に本編の(8)と(9)は織部さん好きにはたまりません。いい娘すぎです。

本編のラストはみなもの想いが切なくて、寂しい余韻が残る終わり方でとても印象的でしたが、
織部さんに関してはほとんどフォローがなかったのが不憫でした。
ナオとみなもの繋がりは本当に強くて、そこに織部さんが入るのはちょっと難しいかも、
と思ってしまいましたが、どうか幸せになってほしい……というのが本編を読み終えた後の想いでした。

対してアナザーエンドは織部さんがメインの話。本編と異なり、最後まで織部さんが関わってきます。
相変わらず相手のことを第一に考える織部さんがとても健気でした。
それから、本編の(20)と関連している最後のシーンは、みなももやっぱりとてもいい娘だなぁと再認識しました。

終わり方としては寂しくも綺麗な本編の終わり方を推しますが、
アナザーエンドのこれからの出来事を思い描きたくなるラストも幸せな気持ちになれて甲乙付け難いです。
ですが、どちらにしてもナオとみなもと織部さん、それぞれの関係が心地よい、素晴らしい作品でした。

 

 

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