因果堂Type-I.G.
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

THE MAN CALLED CRIMSON(DL版の購入はこちら)フリーソフト化

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2006/8〜2011/12

価格

1500円

年齢制限

なし

特徴

復讐、近未来、種の限界

バックログ、表示速度変更、既読/全てスキップ、オートモードなどがあり、
セーブデータは20個まで保存可能です。

 

あらすじ

ここは2045年の世界……あり得るかもしれない時の一点。

20世紀人が、電卓の普及からインターネットの日常化を目の当たりにした際のめまぐるしさで。
19世紀人がライト兄弟からジェット機の誕生を知った進歩の凄まじさで。
そして、大正人が平成人といかに似通ったスーツを着ていたかという普遍性で。
世界は変化し、しかし一見変わっていなかった。

家は鉄筋であり、木造であり、食事は陶器の皿と金属のスプーンをもってなされていた。
服の素材は綿であり、ナイロンであり、けれどナノサテンが派手好きには受け入れられていた。
人が持ち歩くのは電話であり、コンピューターであり、紙の紙幣であり、電子マネーであり、
ボールペンでサインを求められるクレジットカードとクォーツ式の腕時計であった。

せいぜい、大きな変革があったとすれば━━
燃料としての石油がほとんど用いられなくなっていること。単一国家間の戦争が消滅したこと。
そんな程度に、世界は激変し、恒常的であった。


彼の名はシュヴァルツ・カント・焔。裏の世界に生きる行動者[エージェント]、下っ端[エージェント]、現場にある者[エージェント]。
復讐の一念を胸に、仇を求めて生きる復讐者[エージェント]である。


そんな彼を取り巻くは面妖奇怪なる秘密組織の数々と、一癖も二癖もある協力者、そして敵……。

それはほんの少しだけの将来。しかし、厳然と異なる姿を見せる異様な未来。
かくして独として、毒として、獨としてたゆたう泥水にも似た混沌という名を持つ写し鏡の如き、世界。


胡蝶の夢は踊り、古鳥は舞い、水鳥は飛ぶ。

彼は戦う者である。己の愛する者のため。
宿願を果たさんとするため、すべてを捨てて無法と不毛と秘宝と魔性の荒野に立つ、たった一人の凡人である。

貴石の代わりに輝く瞳の色は赤。
すべてを染め上げる赤。本来、人にあらざるはずの赤。

マントの代わりに纏うはスーツ。
色は深紅なり。血の色なり。命の色なり。

彼は己をこう称す。
我が名はクリムゾン! 怨敵よ、いずこにありや? いざ合戦つかまつらんと欲す。

連作フューチャーオペラ、ここにいざ。

(サークルHPより)

 

この作品について

まずは以前書いたEpisode IIIまでの感想です。

THE MAN CALLED CRIMSON - Episode I -2000円)

恋人を殺され復讐に生きることを決めたシュヴァルツ・カント・焔。
その相手の手がかりを掴み調査に乗り出した矢先、
彼は発光する立方体を手にした少女、栗須翠と出会った。


選択肢あり、連作フューチャーオペラ第一弾。中編。
体験版感想に書かなかった部分では、
ある地点まで読むとシナリオがロックされて「初めから」が別のものに変わり最初から読めなくなるのですが、
わざわざそうする必要はあるのかなと疑問に思いました。
それと文章表示が強制オートになる場面があり、
それがすぐ次の文章へ移ってしまうので文章の末尾を追いきれないことがありました。

絵はちょっと出来にばらつきがあるように感じましたが、
選択肢がなくなって以降(つまり後半)の一枚絵、特に翠が描かれているものは見せ方も含めてどれも印象的でした。

話は、展開から個々の行動までオーバーアクションの外人さんみたいだと思いました。
とにかく大仰で、非効率的で、芝居のようです。
でも大げさなそれのおかげか、各々の信念や想いが熱く感じられましたし、コミカルなシーンも楽しめました。
絵のところで触れたシーンは特に良かったと思います。

体験版で不満点として挙げた焔の復讐心ですが、
話の後半では狂信的なほど描写されていて逆に引きました。…ままならないなぁ
でも翠やロシア側の四人の芯が通った行動、思想には、とても好感が持てました。

体験版をプレイ後、値段もそこそこするので買おうかどうか夏コミ会場まで迷ったのですが、買ってよかったと思いました。

 

THE MAN CALLED CRIMSON -Episode II-テラトランジスタの巫女(1500円)

恋人を殺され復讐に生きることを決めたシュヴァルツ・カント・焔。
その相手の手がかりを掴み調査に乗り出した矢先、
彼は発光する立方体を手にした少女、栗須翠と出会った。
それからしばらくして、焔の復讐対象「A」の主要人物が日本を訪れていた。


選択肢あり、連作フューチャーオペラ第二弾。七時間足らずで読み終わりました。
EpisodeU体験版の感想は
こちら
システム面で気になる部分は
Episode I と同様。

今回はサブタイトルにある「テラトランジスタの巫女」アスアノと焔、翠の関わりがメイン。
こちらもEpisode I と同様ですがユニークな敵方、大見得を切る焔と翠など楽しめました。
また、純粋な愛情と狂気を孕んだ愛情が対比されていて、どちらも綺麗でした。
それにしてもアスアノさんが可愛いです。ライダーキックをしてもスカートの中が見えないのはお約束。
かわりに主人公二人のヘタレ化が進んでしまっていますが…
夢剣を読んだ人からすればニヤリとする登場人物も出てきますし、
引き続き良い作品になっていました。続きが楽しみです。

 

THE MAN CALLED CRIMSON -Episode III-金色紙幣の騎士と被造の天才(1500円)

選択肢なし、連作フューチャーオペラ第三弾。七時間半ほどで読み終わりました。リバースシナリオ追加パッチ有。
システム面は以前の作品と変わらず。
絵はエンディングのものがいままでと大きく変わっていました。一枚絵は二十二枚+差分。

今回はマンハッタンを舞台に金融絡みの事件が起こります。
舞台が舞台なのでアメリカンジョークも冴え渡っていました。
前作までと同様に各々の信念、想いがしっかりと描かれていましたが、
その中でも焔にこれからの成長を期待させる思考、葛藤があったので次回以降も楽しみになりました。
また天城運送の「彼」も今後どう関わってくるのか気になります。
いつもながら格好いい作品でした。

 

ここまででも充分に面白かったのですが、今回のEpisode IVは重要なターニングポイントかつ面白い展開でした。

THE MAN CALLED CRIMSON -Episode IV-シスの大地と飛躍の階段(1500円)

選択肢なし、八時間ほどで読み終わりました。リバースシナリオ追加パッチ有。
システムや音楽は以前の作品と変わらず。
一枚絵は二十二枚+差分。

今回の舞台はフィンランド。焔の立ち位置を大きく変える出来事が起こります。
いままで敵と定めてきたAのメインノードとの協力をはじめ、
味方だった者が敵にまわったり、同盟を結びながら利敵行為を行なったりと
複雑で状況によって変化していく各勢力の関係が読み応えありました。

また、そんな中でそれぞれが己や目的のため貫き通す行動がとても格好良いです。
特に人を超えた者に恐怖しながらも、効率を突き詰め、その中で打てる手を打つロシアと、
実質今回一番活躍しながら、その理由はひどく個人的なゼップがすごいなと思いました。

今回でやっと焔も舞台に上がり、以前の情けなさが消えて寂しく、そして危うくもありますが、
ついにここからが本番といった感じで次回以降への期待がはね上がりました。
Episode Vが待ち遠しいです。

 

(以下THE MAN CALLED CRIMSON-Episode V-超えゆくヒトと機械と神々の感想です・2011/2/2)

THE MAN CALLED CRIMSON-Episode V-超えゆくヒトと機械と神々(1500円)

選択肢なし、十時間ほどで読み終わりました。リバースシナリオ追加パッチ有。
システムや音楽は以前の作品と変わらず。OPにムービーあり。
絵は焔がとても精悍になりました。一枚絵は二十七枚+差分。

今回の舞台はイタリア。イタリアと言えば、なマフィアや教会が関わってくる中、
次の話で最終回とのことで、地理的にも心情的にもそこへ向けて話が進んでいきます。
とはいえ、今回の話だけ取っても十二分に面白い!
序盤から中盤にかけて各勢力が色々な準備などをしつつある地へと集結していく過程が、
じりじりと熱が溜まっていくようで期待が膨らんでいき、
それが終盤、一気に解放されるような構成には、本当にワクワクしました。
わざとらしいまでに格好つけているテキストがまた話に合っていて癖になります。

次回、もはやただの人間の出る幕はない展開になりそうですが、
どんな埒外の事が為され、どのようにして物語は締められるのか、楽しみです。おすすめ

 

(以下THE MAN CALLED CRIMSON Episode Final - 超絶の奴隷と自由の孤者 -の感想です・2012/2/4)

THE MAN CALLED CRIMSON Episode Final - 超絶の奴隷と自由の孤者 -(1500円)

選択肢なし、五時間半ほどで読み終わりました。
Episode Vまでの感想はこちら
システムや音楽は以前の作品と変わらず。
絵はラストの一枚絵にちょっとインパクトが足りない感じ。一枚絵は十一枚+差分。

今回で最終回。最後の地へ向かう途中から始まり、焔の復讐の行方が描かれています。
BEGINNINGシナリオ追加予定とのこと。
ラストはこれで終わり! というわけではなく煙に巻かれて終わりといった感じでちょっと肩透かしな感じは受けますが、
最後の闘いで焔と翠が自分理論を正しいと信じて疑わずに公言していて、
ここまで突き抜けてしまうと格好いいとしか思えませんでした。
Episode IからEpisode Finalまでを通じて、兵器や世界情勢に関する理屈と、
勢いのある熱情が混ざり合った魅力的な作品です。おすすめ。

 

(以下ALL ABOUT THE MAN CALLED CRIMSONの感想です・2014/9/30)

ALL ABOUT THE MAN CALLED CRIMSON(無料)

THE MAN CALLED CRIMSON-Episode I〜Episode Finalまでの全シナリオを収録。
また、Episode Finalには新たにBEGINNINGシナリオが収録されています。
BEGINNINGシナリオはEpisode Iへと繋がる前日譚。
選択肢なし、三十分足らずで読み終わりました。一枚絵は五枚。

ラストには、これから物語がはじまるんだ、という感慨を覚えました。
あととりあえず失禁が印象に残ります。
本編の戦闘では量子コンピューターシュアルは色々と制約が多くて活躍しきれない場面もありましたが、
戦闘以外の場面での底知れなさにハッとさせられるものがある今回の前日譚でした。

 

 

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