コミックマーケット74感想リスト

同人ソフト(ノベル系)は基本的に全て、
それ以外は感想が思い浮かんだもの限定です。

基本的に同人ソフト(ノベル系)はプレイ順(パッチ待ち作品を除き事前の期待順)です。
それ以外はサークル名順です。
ただしおすすめ、期待作品は連続しないようにしているので前後することはあります。
また時間がかかりそうな作品は読むのをある程度後回しにします。
時間がかからなそうな作品は先に読んだりもします。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

作品名が太字になっているものは、非常に個性的な作品です。
このリストでの太字作品はDm7 phase-1 [虚飾]です。

 

同人ソフト
まとめ  完成版  体験版・連作  番外編・その他

同人誌
漫画  小説

 

 

 

コミックマーケット74同人ソフトのまとめ・雑感

おすすめ同人ソフト完成版
とつげき!人間戦車/焼肉万歳
Life School/スタジオ紅憧

おすすめ同人ソフト連作
ABYSS −殺人クラブ−/Festival
うみねこのなく頃に/07th Expansion
三匹の犬の夜/月の水企画
[ Miniature Cast ]/Glasses!
八つ数えろ/TR九石堂/System9
錬電術師 -HexaQuarker-/不機嫌亭ゲーム班

おすすめ同人ソフト番外編
オニトリ+plus/猫丸堂

おすすめ以外で面白かった同人ソフト完成版
いつか夢見た風景で/Arbitrage
月と太陽のラクシャルキ/Ambivalence
TAIHAism - タイハイズム -/GiantAntUnit
Fw:/xion
Wish 〜tale of the sixteenth night of lunar month〜/MIGIHA

期待の同人ソフト以外で完成が楽しみな体験版・連作
あなたへ C74 体験版/It rains Cats and Dogs
牙旗と黒翼と白銀の羽〜惨夜渦中に蠢し漆黒の羽〜/AaR
THE MAN CALLED CRIMSON -Episode III-金色紙幣の騎士と被造の天才/因果堂Type-I.G.
剣の姫君と101本の魔剣 体験版/フォーチュンベル

その他面白かった同人ソフト
Ringlet Fantasy/Project Ringlet

他に完成版では「魔王軍へようこそ2」「MYTH」「変調・幽霊相談室
一子、二狐とも、巫女との狸」「菓子狐憑き」「放課後は鬼退治!」「カンダタ物語
Rubble O'clock 〜Crued Blues〜」「一日千秋」「フルスイング 9th 2/3」「雨ではなく、雪でなく
部分的に完結しているものでは「
TUKUMO・壱」「Dm7 phase-1 [虚飾]
守るべき人 第二部十六夜-IZAYOI- 〜綾音・沙耶〜
しろくろり〜た knot of 1 Open,Closed Circle」が良かったです。
完結はしていないですが章仕立てのものでは「
Goetia ――DUEL WALTZ―― The Second Waltz
「L I N K - the gritty age - 第一章〜第二章
体験版では「
マジカルアイズ - プロローグ」「花神 プレイアブルデモ version 0.1 2008年夏コミ告知配布版
鈴の音が聴こえる 体験版β」「Tiny 〜first volume〜」「われてもすゑに 体験版」が続きを読みたくなりました。
女性向完成版では「
無伴奏組曲」くらいでしょうか。今回は女性向の購入物そのものが少なめでした。

絵では「
魔王軍へようこそ2」「月と太陽のラクシャルキ」「ルーデシア Spidering with Scraping」「Fw:
システム関連では「「
MYTH」「とつげき!人間戦車
体験版では「
ヒメゴト! 〜Another Stage〜 体験版」「マジカルアイズ - プロローグ
演出では「
MYTH」「Fw:」「Wish 〜tale of the sixteenth night of lunar month〜
牙旗と黒翼と白銀の羽〜惨夜渦中に蠢し漆黒の羽〜」が良かったです。

話の構成が印象的なのは「
MYTH」「TAIHAism - タイハイズム -
部分的に完結しているものでは「
[ Miniature Cast ]-preview night-」「錬電術師 -HexaQuarker- 第二章 infinite_routine
ムービーは「
ルーデシア Spidering with Scraping
完成版以外では「
[ Miniature Cast ]-preview night-」「ヒメゴト! 〜Another Stage〜 体験版」「My sister Your sister - Variety gift -

音楽は「
風と光があなたに恵みますように」「MYTH
ルーデシア Spidering with Scraping」「Wish 〜tale of the sixteenth night of lunar month〜」がお気に入り。
完成版以外では「
Dm7 phase-1 [虚飾]」が他と一線を画していました。
歌は「
MYTH」のOP「影、ミツメル、光」とED「神々の歌」
とつげき!人間戦車」のED「LaLaLa」
放課後は鬼退治!」のOP・挿入歌「オレンジ」と挿入歌「RRRhythm」
ルーデシア Spidering with Scraping」のOP「Ludesia」
Wish 〜tale of the sixteenth night of lunar month〜」のED「memories」
一ルート完結ですが「
[ Miniature Cast ]-preview night-」のOP「hallucination」ED「想春花」がお気に入りです。

今回は連作ものに面白い作品が多かったです。それぞれ続きの制作も順調なようでこれからも楽しめそうです。
完成版や体験版も粒ぞろいといった感じでしたし、去年の冬コミと同じくらい良い作品を読むことができて満足です。
制作サークルの皆様、面白い作品をありがとうございました。
(11/25)

 

(同人ソフト完成版)

コーヒーとチョコレートパフェ(18禁)/Stray Moon(1000円)

大学生の笠原莉佳は友人の向坂衣里子から割に合わないバイトを持ちかけられる。
それはチョコレートパフェ一つを報酬に、衣里子の弟とHしてくれないかというものだった。
しかし莉佳はそれを引き受けることとなる。


選択肢なし、三角関係未満、ボイスあり、一時間と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は普通に綺麗なのですが、以前に比べ癖がなくなってしまっていて魅力という点ではマイナス。
あと文中ではグラスに入ったアイスコーヒーとあるのに絵ではコーヒーカップが描かれているのが気になりました。
一枚絵は八枚+差分。

味覚や感情など多くの感覚が希薄な莉佳と、切れ者で女王様な衣里子のちょっとゆがんだ関係が中心で、
そこに引き篭もりの、衣里子の弟の利人が絡んできます。
硬い単語が多めに使われていてちょっと読みにくい部分もありましたが、
莉佳の気持ちと思考の移り変わりが丁寧に描写されていると感じました。
利人がダシにしかされないのが不憫。莉佳と衣里子の物語でした。
それなのにHシーンに衣里子がほとんど絡まなかったのが残念といえば残念です。

過去の作品感想:
不機嫌な妹不機嫌な姉不機嫌な従妹僕の巫女姉さまぬるぬる!!風紀委員会不機嫌ななつみさん少年の国の少女アリス
(8/21)

 

風と光があなたに恵みますように/nuko(1500円)

一両きりの電車は 前方に線路を横たえたまま その動きを止めた
目の前に広がるのは 空っぽの標識と 荒漠とした広がりばかり
ひとり車内に残された少年は小さく溜息を残し 席を立った

果てなく続く線路 出口のないトンネル
時に取り残されたかのような村 消えた人々
そして 願いを叶えるという神の伝承

見知らぬ土地で 出会うはずもない人々と過ごす ひと夏の出来事……

それはまるで 陽炎の見せた 幻のように
(サークルサイトより)


2003年に発表された「風と光があなたに恵みますように」のリメイク。修正パッチあり。
選択肢あり、十一時間と少しで読み終わりました。
システム面はスキップが遅いことが気になりました。
絵はオリジナルよりずっと良くなっていますが、まだ全身絵などで違和感を覚える部分も。一枚絵は二十四枚+差分。
背景は写真で若干加工されていますが鮮やかで作品の舞台をよく表しています。
音楽はちょっと寂れていながらも穏やかな曲が多くとてもお気に入り。

ルートは四つあって読める順番は固定。段々と不思議な出来事の核心へと迫っていきます。
基本的に選択肢が追加される形式ですが、最終ルートだけは他のルートを終えた後に最初から始めると入れます。
nukoさんの三作品の中で物語としては「天に高く 地に深く」が一番良いと思うのですが、一番好きなのはこの作品。
オリジナル版ですでに何度も読んだことがあるにもかかわらず、
読み始めてすぐに今はもう自分の奥底に沈殿してしまった
十代半ば頃が浮かび上がってきたようなぞわぞわと疼く感覚がありました。
しかしオリジナルと同様に後半の不思議関連はそれまでの他では味わえない感覚が薄れてしまいました。
一周目、二周目の自分の与り知らない所で物事が動いていってしまうもどかしさ、
三周目の女の子との甘酸っぱいやりとり、最終ルートの遠出先での会話、それぞれに良くはあったのですが、
有態に言ってしまえば「田舎でのんびりと日々を送る、それがよかったのに……」そんなところです。
とはいえ、唯一無二のものを持っている、とても素晴らしい作品。
それが良かった所はそのままに、そうでないところのいくつかは改善されたリメイクでした。
おすすめです。

過去の作品感想:
風と光があなたに恵みますように天に高く 地に深く彼岸ノ此岸
(8/22)

 

魔王軍へようこそ2(18禁)/ののの通信(1500円)

勇者によってピサロが倒された後、魔物たちは混乱の極みにあった。
そんな中、一人の魔族が立ち上がる。
勇者達を倒し、魔族を一つにまとめるため、彼は自分の研究を実践していくのだった。


選択肢一つだけ、お店経営・部下育成SLG、七時間ほどで終わりました。
ドラゴンクエスト4の二次創作。修正パッチあり。
前作「魔王軍へようこそ」とはすこし繋がりがありますが、未プレイでも問題はないと思います。
システム面は特に問題なし。絵も可愛くて良いです。

お店を経営して売り物の素材を部下に調達させ資金を集め、
同時に戦闘経験を積ませ強い部隊を作り、勇者や敵対する魔族と闘います。
勇者達を倒すとHシーンが見られたり、色々とイベントが読めたりします。
エンディングは四種類+破産エンド。
シナリオは勇者達がただの敵としてでなく、背景やその後も描かれていて嬉しかったです。
ちなみにHシーンは女勇者が一押し。
お店経営パートはカジノとパフパフ屋が強力すぎてそれさえ作れば何とかなってしまうので、
材料を入手して売るといった、経営をしている実感があまりなかったのが気になるところ。
戦闘パートでは終盤になると通常攻撃では四桁ダメージくらい与えられるのに
同じ相手にどんな強力な呪文でも二桁ダメージ程度だったりと魔法系モンスターが不遇で若干バランスが悪いです。
ただ、そうした面がありながらも快適な操作性と
お金が増える、店が大きくなる、部下が強くなりいろいろ特技を覚えるなどといったことに対する達成感があって
起動したらずるずると続けてしまう中毒性がある作品でした。

過去の作品感想:
落日魔王軍へようこそ恋ノ橋
(8/24)

 

いつか夢見た風景で(18禁)/Arbitrage(1000円)

持病を抱えた妹や、口よりも手の早い幼馴染などと過ごす日々。
季節は春。主人公と同じ高校へ入ろうと頑張る妹。
今までどおりの距離で、今までどおりの楽しい日々がこれからも続くと思っていた。


選択肢なし、"壊れた"純愛ビジュアルノベル、最終章は四時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
第一章「夢見草」の感想は
こちら
第二章「Fool on the world」と第三章「死神はコッペンで唄う」の感想は
こちら
第四章「In the Beautiful chaos」の感想は
こちら
今回は最終章「君が生きる世界」が追加されています。
システム面などは第四章までと同じ。一枚絵は全章あわせて二十七枚+差分+あとがきに使用されている一枚。

この最終章では周囲とのコミュニケーションがとれない状態になってしまった主人公の思考と、
夢の中での泣いている子供との会話が主となって進んでいきます。
そこで語られる主人公の過去や第四章までの回想がに、その時点での精一杯が感じられてぐっときましたし、
さらにその結果今の主人公にどう影響を与えたのかといったところもしっかりと描かれていて良かったです。
ただ、「セカイ」がどうしたこうしたという所も多く、
舞台を広げすぎて「人」がどうなのかといった部分が希薄になっているように感じられてしまいました。

ですが、全体を通してみると楽しかった一章、山あり谷あり理不尽ありで印象的な一章の終盤から四章まで、
そしてこの最終章のラストシーン。それぞれ苛烈だったり物悲しかったりしつつも前向きな作品でした。
(8/26)

 

DAYs +1/24+26+98+172/GREEN TEA MILK(400円)

ある日を境に、死んだ人間がゾンビになって動き回るようになってしまった。
ゾンビ達は次第に仲間を増やし、逆に人々は追い詰められていく。
しかしそんな中でも生きていく人はいたのだった。


+172のみ選択肢あり、ゾンビ、オムニバス、全部あわせて二時間半足らずで読み終わりました。
「+1/24 キャンディドロップ」「+26 シーチキン」「+98 パウンドケーキ」「+172 シリアルコーン」の四編と、
導入に当たる「
±0prologue」が収録されています。
「+172 シリアルコーン」の感想は
こちら
システム面ではメニュー画面から右クリックでは戻れないことと、
タイトル画面からロードを選ぶと、「ロード→栞をたどる→栞選択」と一動作余計にかかってしまうのがやや面倒。
絵は+1/24の一枚絵にぞっとしました。一枚絵の数は併せて十五枚。

ゾンビがうろつくようになった世界を舞台にしたオムニバスで、+○○というのはゾンビ発生時から数えた日数。
面白かったのは「+98 パウンドケーキ」
宗教施設で暮らす少女の日々が日記として綴られていきます。
混乱する世界の中で教義に沿った結果難を逃れた人々の日常と、そこに垣間見えるわずかな異常さが興味深かったです。
それ以外の話もしっかりと作られている話なのですが、
全部読んでもゾンビ発生の原因とか宗教団体がどんなことをしていたのかとかがほのめかすだけで作中に描かれていなくて、
それによって真相が気になるというよりも、もやもやして落ち着かない気分になってしまいました。

過去の作品感想:
水の腕Endless Rainいっしょにあるこう。潜雲艇のある風景
(8/27)

 

Abend Eden C74 ABnormalEND Edition/Team Eye mask(300円)

古から存在していた吸血鬼の少女マリスは、自身を死なない運命と評する少年、土岐末或路と出会う。
或路に興味を持ったマリスは、夜明けまでを期限としたゲームを持ちかけたのだった。


選択肢なし、伝奇、二時間足らずで読み終わりました。
システム面はセーブ画面の下のほうがメニューグラフィックとかぶってしまっているのが気になりますが、
他は特に問題なし。「Monotone Eden RR」と同様の文字エフェクトあり。
絵は立ち絵と背景。口を尖らせたマリスが可愛いです。
音楽は重々しい曲がいくつか。あと歌付きのED曲があります。

マリスと或路+αの会話と、或路が垣間見るマリスの過去が交互に挿入されていく構成。
過去のシーンは音楽や背景と相まって、夜や異形といった不気味さと
ある種の高貴さが入り混じった雰囲気のあるものになっていましたが、
現在のシーンは証明できないことを無理に押し通している部分があって納得できない気持ちになります。
また、基本的に落ち着いたトーンの作品ではありますが、
戦闘シーンや山場までそのまま進んでしまい、盛り上がりに欠けるように思えました。

過去の作品感想:
楽園僕の心は雨のち晴れMonotone Eden
(8/28)

 

MYTH(18禁)/Circletempo(1000円)

影がなく、争いがない世界に生きる命人。
それに僅かな疑問を持ちつつ生活する彼の目に、影を持った少女が映る。
なんとなく少女のあとをついていった彼は、影のみが居る世界を目の当たりにする。


選択肢あり、影、違う世界、一部ボイスあり、「Aguni-運命の先-」「奏の事件簿」を同梱。
それら全てあわせて十四時間と少しで読み終わりました。
グロ等あるので苦手な方は注意。
システム面は既読/未読スキップやシナリオジャンプ他、一通り揃っていてとても快適なうえ、
随時更新される人物相関図や主人公が書くノートなど独自の機能もあって便利でした。
絵はバランス悪いものがあったりします。一枚絵は二十二枚+差分。
ただ、視覚的に恐怖を感じさせる演出が秀逸。特に某登場人物の「顔」は総毛立ちました。その上、夢に出ました
音楽も同様に「靴紐を結んだら」のアレンジ、「タノしイオもイデ」など狂った表現が良いですし、
通常曲も「作られた時間」「靴紐を結んだら」「MYTH」「神々の歌」あたりお気に入り。また、OP、ED曲は歌入り

MYTH編、違世界編など色々な世界での話が入り混じりながら進んでいきます。
体験版からシステムデザイン、エピソードなどがかなり変わっていて浦島太郎気分になりました。
それからHシーンはほとんどないのでそこが目的だとかなりがっかりするかも。……ワタシハシテマセンヨ?

話についてはネタバレゆえ詳細は割愛。
ラストはめでたしめでたしというわけではありませんでしたが、
そのもやもやを抱え込むと同時にどこか心地よい充足感を覚える終わり方です。
ただし、そこに至るまではややこしくてよくわからない部分がかなり多い上に、
喜怒哀楽など狂気以外の表現は物足りなく思えました。
色々と凝った部分がある大作ですが、それが読み手に伝わりきらなかったように思える作品でした。

過去の作品感想:
Aguni-運命の先-出張版・奏の事件簿田辺はハイテンション
(8/29)

 

とつげき!人間戦車/焼肉万歳(1000円)

おすすめ

過去の作品感想:
引籠世界の探偵事件簿雛見沢怪奇ナビゲーター 罪穢M2+
(8/31)

 

変調・幽霊相談室/言ノ葉迷宮(100円)

私のもとにとある人物からノベルゲームが送られてくる。
「変調・幽霊相談室」というそのゲームは「幽霊相談室」と同じ設定・素材を使用した二次創作だった。
読み進めていくうちに、私はある違和感を抱く。


選択肢あり、フィクション、推理、三十分と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
システム面は以前の作品と違い最初からセーブ可能だったり黄色いモノがなかったりしますが、
人物リストをクリックでクリップボードにコピーなど便利ですし、読み進めていくのになんら不便は無いです。
絵は「幽霊相談室」と同じ形式。

「変調・幽霊相談室」というノベルゲームを読み進めていくのに併せて、
「変調・幽霊相談室」が送られてきた私の話がアウターストーリーとして追加されていきます。
エンディングは五種類+? エンディングコンプリートしたと思ってももう一捻りあります。
難易度はやや難しめといった印象ですがヒントの出し方というか正解への誘導が上手いので解けないほどではありませんでした。
最初にエンディング01にたどり着いたときはその演出にびくっとしました。
まただんだんとノベルゲームが送られてきた理由がわかっていく流れは薄気味悪さがあって良かったです。
言ノ葉迷宮さんの作品は面白いというよりも上手いという作品が多かったのですが、
この作品は若干奇襲気味ですが面白さと上手さを両立させていると思いました。

そして最後にこれだけは強調しておかなければいけません。
「このゲームはフィクションです。実在の人物等とは一切関係ありません。」

過去の作品感想:
Reason of Detective夏、セミ、少女deep-sea fishes in gloomかげろうは涼風にゆれて幽霊相談室
(9/3)

 

一子、二狐とも、巫女との狸/花を吐く抄女(100円/フリー公開予定)

片田舎に住む栗原一子がバイトを探していると、一枚の紙が飛んできた。
そこには巫女バイト募集の文字が書かれていた。ちなみに日給五千円。
他にバイトも無いこの土地でこれも縁と、彼女は神社へと赴いたのだった。


選択肢なし、現代憂愁御伽話とのこと。巫女、狐、ボイス有、二時間半足らずで読み終わりました。
システム面は文字と文字が重なってしまっていて読みにくいですが、それ以外は問題なし。
フォントは
えれーなが使用されています。
画面構成は「死狐様」とほぼ同じですが、画面上部だけでなく左側にも画像が表示されます。

巫女のバイトをすることになり、巫女二人から色々と説明を受けていたらひょんなことからその二人は狐と判明。
しかしそれはともかくとして四日間+半日のバイトに勤しむのだった、という流れ。
誤字があったり、重複した表現(頭痛が痛い類の)が見受けられるのが気になりましたが、
食い意地が張った狐二人とそれに順応する一子ののほほんとした日々が
芝居がかった言い回しと相まって心地よいです。
加えて一子がとてもいい娘で好感が持てました。
そんな感じで進んでいきながら、終盤話が大きく動きます。
そのギャップにはかなり意表を突かれ、身を乗り出してしまいました。
ただ、その後さらに一捻りあるのですが、結果どうなったのか少なくとも私のとってはよくわからなくなってしまいました。
ラスト直前まで良かったものの、最後の最後でもやもやが残ってしまった作品という感じです。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ
(9/7)

 

菓子狐憑き/花を吐く抄女(100円/フリー公開予定)

中学生になっても変わらず駄菓子屋通いを続ける緒方二菓。
その帰り道、彼女は狐の耳と尻尾を持った幼女と出会う。
駄菓子をあげると、その幼女はとても気に入り本当に幸せそうな顔をするのだった。

選択肢なし、現代憂愁御伽話とのこと。狐、駄菓子、ボイス有、二時間ほどで読み終わりました。
システム面は「一子、二狐とも、巫女との狸」ほどではありませんが
文字と文字が重なってしまっていて読みにくいです。それ以外は問題なし。
フォントは
えれーなが使用されています。
画面構成は「死狐様」とほぼ同じですが、画面上部だけでなく左側にも画像が表示されます。
鈴菜のイメージイラストがちょっと元気良すぎで違和感を覚えました。
あと二菓のイメージイラストは中学生なのにエロくてけしからんですよ。
それから私は基本的にボイスいらない派で、ボイスは全部話し終わる前に飛ばしてしまうことがほとんどなのですが、
花を吐く抄女さんの作品のボイスは何故か最後まで聴いてしまいます
軽妙な言い回しが多くて心地よいから、でしょうか。

話は狐娘の清白、それにその姉と母親と仲良くなって話をしたり家に招かれたりと楽しく過ごすものの、
そこに不穏なものが漂っていた、というもの。
清白は「一子、二狐とも、巫女との狸」にも話題としてですが登場します。時間軸としては今回のほうが過去の話。
狐側にかなり感情移入していたので、山場での人に都合のよい結論には納得できないものがありましたが、
中盤までは暖かく楽しく、後半は悲しくて凄惨なところもある展開でどちらも良かった作品です。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ一子、二狐とも、巫女との狸
(9/8)

 

月と太陽のラクシャルキ(18禁)/Ambivalence(1500円)

ラムルとカリムの兄弟は砂漠を越えて荷を運ぶ交易商人。
あるとき立ち寄ったジャンナという王国でカリムは王様に無礼を働き処刑されかける。
周囲のとりなしで刑の執行はまぬがれたものの、それと引き換えに魔法のランプの探索を命じられる。
人質として幽閉されたラムルを救うため、カリムはランプ探索の旅に出たのだった。


選択肢あり、シルクロード踊り子物語とのこと、十時間ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はヒロイン達の踊りで引き締まった肢体(こういう言い方がこの上なく似合います)がとても魅力的でした。
ただ画面で映えないのはわかりますが日中の砂漠を露出多い服で移動するのは大丈夫なのかと思ってしまいました、
一枚絵は三十九枚。

探索の過程で仲良くなった踊り子達に協力してもらいながら、
魔法のランプを巡り盗賊たちとやりあったりします。
エンディングは踊り子姉妹アシェーナとライラの二種類とバッドエンド一つ。
完全に分岐するわけではなく基本的なストーリーは共通です。
話の中で出てきた情報が、素直に次の展開へ繋がっていくので先が読みやすく大きな驚きはありませんでしたが
それが面白くないかというとそんなことはなく、衒いの無いまっすぐな話で好感が持てました。
Hシーンは雰囲気はあるもののあまりエロくはなく、むしろ踊りとか日常での言動の方に色気を感じました。
そんな踊り子との日常はこちらに対する好意をいつでも秘めずに表してくれていて、
それが明け透けといってもいいくらいに遠慮がないのにまったく嫌ではなく、とても嬉しかったです。
やきもちをやいたりしていじわるしてくるのもカリムに同情しつつも楽しめました。
砂漠やそこに存在する街の雰囲気がよく表現されていて、
そこに生きる踊り子姉妹が本当に魅力的に感じられる作品です。

過去の作品感想:
森の少女と妖精の城森の少女と妖精の城 - Celtic Fair Lady -
(9/9)

 

放課後は鬼退治!/ローズ倶楽部(500円)

陰陽師を養成している国立葛之葉学園に転入することになった主人公は、
縁あって鬼退治の実習をしているグループの内の一つ「ローズ倶楽部」の一員となる。
しかし、活動の内容を知るのもそこそこに、ラップ音現象の解明することになるのだった。


選択肢なし、現代陰陽学園物サウンドノベルとのこと。
いままで一話ごとに発表されていましたが、今回はプロローグから最終話まで全ての話が入っています。
session 0 "Cicadas Overture"、session 1 "Kitchen STOMP"の感想は
こちら
session 2 "Hip Hop Holiday"の感想は
こちら
session 3 "Zig Zag GIG"の感想は
こちら
最終話であるsession 4 "Silent Voice"は一時間半ほどで読み終わりました。
いままでとメニュー画面が変わっていますが、
セーブロードに一手間余計な動作をしなければならなくなってしまったのでやや不便でした。
立ち絵、一枚絵などはなく背景のみ。
サウンド重視とのことなのですが今回無音の場面が多かったことが気になりました。
サブタイトル"Silent Voice"とかけているのかとも思いましたが、
それにしては普通に音楽が流れる場面もあるので中途半端です。
ただ歌はストーリーにうまく絡めてありました。
特に作中でコンサートとして歌われるという設定の「オレンジ」が声の響きとかがライブ仕様になっていて良かったです。

session 4はローズ倶楽部のみならず様々な場所・組織を巻き込んだ事件が起こり、
それを解決するためにある作戦を実行に移します。
主人公の天道凪冴とローズ倶楽部のメンバーである泉舞幌の関係が大きく影響してくるのですが、
第三話までに二人の恋愛的な描写があまりないように感じられたため唐突な印象を受けてしまいました。
しかしさまざまな立場の人たちが協力して行われる最後の作戦は、
そこで流れる「オレンジ」も相まってとても高揚感を覚える場面になっていて、
気持ちよく読み終えることができた作品でした。
(9/13)

 

カンダタ物語(18禁)/inspire(ショップ売り1400円)

ロマリアからきんのかんむりを盗み出したカンダタ。
そのきんのかんむりを取り返すために多くの冒険者が彼の根城とするシャンパーニの塔を目指した。
彼に敗れた者はどうなってしまうのかも知らずに……


選択肢なし、ドラゴンクエスト3二次創作、ボイスあり、二時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽はドラクエ調で凝っていました。
また剣戟の演出が派手でよかったです。
絵は「オレコレ!」と同様。一枚絵は十五枚+差分。Hシーンも十五種類。

主にカンダタ視点で冒険者達を陵辱していく内容。
冒険者は勇者、戦士、僧侶、魔法使い(ロリ)、武道家、賢者、遊び人。ちなみに全員女。
……商人は!?
商人はいないのですか!!
(舞台がSFC版以降ならば盗賊もいないですが)
と、それが不満ではありますが、Hシーンでお気に入りなのは僧侶、魔法使い、武道家。
またその合間にカンダタがきんのかんむりを使って王様ごっこをしたり、
子分のすっとぼけた言動があったりと盗みはしても殺しはしないカンダタ一味の微笑ましい一面が楽しかったです。

過去の作品感想:
愛することは生きていくこと愛することは生きていくこと 〜もうひとつの愛〜オレコレ!
(9/14)

 

ルーデシア Spidering with Scraping/talestune(1500円)

西暦3000年、閉鎖施設ルーデシア。
魂に手を加えた者たちが住まうその場所で、
ヤオとクルスは過去の罪を忘れられずに地を這うように生きていた。


選択肢なし、テクノゴシックとのこと、七時間半と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
テキスト表示関連の演出が効果的でした。
絵は個性的で目を惹きます。作品の雰囲気にも合っていました。一枚絵は百二枚。
音楽も同様に合っていました。OP歌「Ludesia」も良い曲です。全部で三十九曲。

ヤオとクルスが過去の強さを取り戻し、さらにその先へと進む物語。
誤字脱字がかなり多かったり、描写や思想が小難しくてわかりにくかったりして
戦闘シーンの勢いが削がれてしまっているように感じられました。
そのため話に惹き込まれず、長時間読み続けることができずに
ちょっと読んではネットとかつまみ食いをしてまたちょっと読んでの繰り返しでした。
ルーデシアという舞台や、そこで暮らす人々などの世界は、
設定、シナリオ、絵、音楽などが組み合わさってとても魅力的なものになっているだけに
そこに浸りきることができなかったのが残念でした。

過去の作品感想:
収穫の十二月シリーズ
(9/15)

 

Chained Valkyria〜蒼碧のアウグスティ〜(18禁)/銀の星亭(2000円)

天真爛漫ながら怪力を誇る少女エーファは海辺の小さな町に住んでいた。
その町へある日、枢機卿一行が訪れる。
歓迎されるべきその出来事、しかしその裏で不吉なものが近づいてきていたのだった。


選択肢あり、ファンタジー、残虐、成長、五時間足らずで読み終わりました。2006年10月発行の作品。
現在は女性向サークル
ポーキュパインさんのスペースで頒布されております。
「Chained Valkyria〜白砂の追憶〜」とは同じ世界観の話ですが、直接の繋がりはありません。
メインルートが一本あって、選択を誤ると陵辱バッドエンドへ向かいます。
ほとんどの場合は陵辱どころではなく残虐といえるエンディングになってしまうので、苦手な方は注意。
ただ正規ルートを辿ればそういうシーンやHシーンは一切ないので、
ストーリーのみ読みたいという方も気をつければ普通に読んでいけます。

システム面ではバックログから復帰するとき、勝手に次文章へ進んでしまうのが気になりましたが他は問題なし。
絵は同じ方が描かれているはずですが、一年以上前の作品である白砂の追憶の方が良かったです。
ただ妖魔の不気味さはこちらの方が上。一枚絵は五十八枚+差分。

エーファと枢機卿の護衛リオの二人が中心で、妖魔と闘いつつ成長していく話。
一つ山場を終えたらこれから頑張るぞといった感じで長編の序章みたいな構成になっていて
シナリオ量の割にはやや物足りない印象が残ります。
ただ白砂の追憶と比べてかなり自然な文章になったように感じられましたし、
穏やかで楽しい前半と暗く澱んだ雰囲気の後半、そしてそれを打ち破る終盤とメリハリがある作品でした。

過去の作品感想:
Chained Valkyria〜白砂の追憶〜
(9/18)

 

Rubble O'clock 〜Crued Blues〜(18禁)/銀の星亭(2000円)

ミックが経営する「ピギースターダスト」は人でも物でも確実に目的地まで届けるタクシー会社。しかしその料金は安くない。
ある日若い女からアタッシュケースを目的の場所へ運んでくれとの依頼が舞い込む。
しかしそれを担当した相棒のジョニーは大破した車を残し、行方不明になってしまったのだった。


選択肢あり、ファンタジー、ハードボイルド、陵辱、三時間と少しで読み終わりました。2007年8月発行の作品。
現在は女性向サークル
ポーキュパインさんのスペースで頒布されております。
メインルートが一本あって、選択を誤るとバッドエンドへ向かいます。
そこでは陵辱・グロ等の描写があるので苦手な方は注意。
ただ正規ルートを辿ればそういうシーンやHシーンは一切ないので、
ストーリーのみ読みたいという方も気をつければ普通に読んでいけます。

システム面ではバックログから復帰するとき、勝手に次文章へ進んでしまうのが気になりましたが他は問題なし。
絵はくっきりとした塗りでChained Valkyria〜白砂の追憶〜と同じくらいに良いです。一枚絵は五十四枚+差分。

妖魔を倒すことを生業にしている美女と美少女の二人組とともに、
アタッシュケースの中身を狙う者たちをかわしつつ目的地まで向かっていきます。
苦手な方は注意と上に書いている通り、Hシーンはとても人を選ぶシチュエーションになっています。
とりあえず私は「これはこれで」
メインストーリーは軽口を叩きながらピンチを切り抜けていく様が格好よく、
王道ハードボイルドといった感じで楽しめた作品でした。

過去の作品感想:Chained Valkyria
〜白砂の追憶〜〜蒼碧のアウグスティ〜
(9/19)

 

crown/遊牧生活(無料/フリー配布中)

約100年ぶりに目覚めたヒューマノイド。その目の前には日昏氷芽という少女がいた。
エネルギー問題で争いが起こり人口が激減したというこの時代、
二人はシェルターの中で日々を過ごしていく。


選択肢なし、SF、三十五分ほどで読み終わりました。ver1.10をサイトで配布中。
システム面は特に問題なし。
立ち絵あり、背景あり、一枚絵なし。事情により白黒なのが世界観に合っています。

造られてから100年以上経っているためところどころガタがきているヒューマノイドと、
両親が外へ出て行き、祖父は二年前に亡くなってしまった氷芽が話をしたりします。
論語からの引用とかがあって博識そうでいて
北斗○拳を会得しようとしたりするヒューマノイドのポンコツっぷり(生まれつきかも)が笑えました。
特に大きな出来事が起こるわけではなく、でも少しずつの変化があるので、
強く印象には残りませんでしたがすっと沁みるものがある作品でした。

過去の作品感想:
Cafe au lait体験版のこされたあいのゆめ
(9/28)

 

一日千秋/さくらミント(100円)

付き合っていた千秋と仲違いし、一ヶ月会わないと言われたマナブ。
一ヵ月後、待ち合わせ場所へ行く途中、彼は彼女を見かけて声をかけたが…


選択肢なし、一日千秋、恋愛、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はコメディ顔が可愛いです。普通の表情も可愛いですが。

マナブと千秋に、千秋の妹が絡んでくる話。
最初に千秋と会ったときのマナブの決め付けが話を聞いていなくてちょっと好きじゃない応対でしたが、
本来の用途に加えて別の意味が掛けられているタイトルはセンスあるなと思いましたし、
種明かしのシーンは良かった……と思いました。
それに短い中でも過不足なく状況が伝えられていて、しっかりと作られている話でした。

過去の作品感想:
踏切彼と彼女のノスタルジア体験版月照〜ツキノテラス〜:Re>Re
(10/1)

 

もしもし? C74版/TGC(500円)
&メモリーロード。 C74体験版/TGC

「もしもし? C74版」と「メモリーロード。 C74体験版」を同梱。


「もしもし? C74版」

コミックマーケット73版の感想は
こちら
今回のものはそれにエピローグ「貴方とピエロ」が追加されています。
追加部分は十五分ほどで読み終わりました。
同じ一連の言葉でも「貴方」の相槌がある場合とない場合で
受ける印象が変わってくるピエロの物言いは上手いなぁと思いましたが、
ラストは今までの六編の登場人物達を貶めてしまっているように感じられてあまりいい気はしませんでした。


「メモリーロード。」

僕は一ヶ月前に記憶を失った。記憶がないのでよくわからないが、自分には彼女が二人いるらしい。
原因は見当も付かないが、クラスの皆から無視されるようになった。
それでも記憶なんてどうでもいいと思っていたが、ある出会いから過去を思い出そうと頑張ってみることにした。


選択肢なし、記憶喪失、三十分と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は
素材。私この方の絵と漫画昔から好きでした。

僕の現在の行動を基本に、視点や時間軸が変わりながら話が進んでいきます。
最初深刻な雰囲気で始まり、心当たりがないのに無視されていることに訝りを覚えましたが、
彼女が二人いて悪びれていないのを見た時点でああ、仕方ないなという気持ちに。
まあそんな感じでコメディっぽい部分もありますが基本はシリアス。
記憶喪失の主人公なのであまり情報が得られなくてわからない部分が多いですが、
体験版最後の記憶を取り戻そうと思うようになる場面での心の動きには説得力があって良かったです。
(10/3)

 

め・ぐ・る(18禁)/プロジェクトついんてーる(1000円)

大学に通うために父親の知人のもとに下宿することになった出入幸裕。
おとなりが極道さんだったことにもめげず引越し初日を終えようとした道端で、
彼はメイド服を着た少女に遭遇してしまう。


選択肢一つだけ、純愛、責任、女性ボイスあり。三時間足らずで読み終わりました。
システム面は画面切り替えなどが多少遅めですがすごく気になるというほどではありませんでした。
絵はときおり気になる体勢とかがあったりしますが、基本的には可愛いです。
一枚絵は二十七枚+差分。EDに歌あり。


メイド少女のめぐると一つ屋根の下生活。しかし彼女にはある秘密が…という展開。
Hシーンとその前のシーンとの繋がりがやや唐突で
流れが途切れているように感じられてしまいましたし、
主人公がめぐるのことを殴りすぎなのがあまりいい気はしませんでしたが、
アニメや漫画が好きな普通の若者っぽい地の文はよく書かれているなと思いましたし、
二人でのシーンや、彼らを取り巻く人達とのやりとりは暖かかったです。

あとツインテールさんがいない……と思ったら
HシーンでツインテールON/OFF機能があって吹きました。

過去の作品感想:
WITH LOVE序章月と花と
(10/5)

 

TAIHAism - タイハイズム -/GiantAntUnit(1500円)

全てが自動化され、働く必要がなくなった世界に蔓延する病があった。
それはタイハイズムと呼ばれ、生きることに積極的になれずに自殺する人が続出した。
数少ないタイハイズムに罹っていない人間である主人公は、
ある日同じくタイハイズムに罹っていない少女と出会った。


選択肢あり、恋愛、ほとんどのギャルゲーへのほのかなアンチテーゼとのこと。
十七時間ほどで(全てではないようですが)読み終わりました。
システム面では普通は発言者名が出ますがバックログになると消えるので、
どれが誰の発言なのかがわかりにくかったです。
もともと地の文が少なくて会話メインで進んでいくのでなおさら。
あと全部読み終わって、この設定からすると
セーブデータも一個だけのほうが良かったんじゃないかとも思いましたが、
面倒すぎるのでやっぱり今のままでいいです。
絵はたまに同一人物に見えない一枚絵などがありましたが、良いものも多かったです。特に終盤。
一枚絵は差分含め七十五枚前後。EDに歌あり。

恋愛対象は約六人。基本的なことは
体験版感想参照。
各ルートの話そのものはちょっと設定が変わっているというくらいでごく普通に楽しめました。
白い雪ルートがお気に入り。
TAIHAism commentaryを読むとゲーム中考えていたことと合っていることもそれなりにあってちょっと嬉しかったです。
体験版で感じたことと同様、ほのかな、というくらいで後に残るものはあまりありませんでしたが、
それでもプレイ中は他の作品以上に頭を使わされたというか、
「ほとんどのギャルゲーへのほのかなアンチテーゼ」は
とても良いコンセプトでありキャッチフレーズだったと思いました。

(10/7追記)ちなみに、私は久遠でした。
(10/6)

 

Fw:/xion(1000円)
+Fw:イラストブックレット

とある田舎の島、その中でもさらに人気のない灯台で妹は唄い、兄はそれを聴いていた。
そこへ一人の少女がやってくる。
転校してきたという少女は仲良くしたいと言ってきたが、兄は素直にそれを受け入れることができなかった。


選択肢なし、一時間と四十五分ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
ACTミニゲーム「サクヤとキョーコの愛のシーソーゲーム」同梱。こちらはフリー配布中。
システム、絵などは
体験版感想参照。
音楽はBGM・SE共に場面に合っていました。EDに歌、というかスキャットあり。

杵築健・咲耶の兄妹と、谷田恭子との出会い、
それによっていままでのバランスが崩れ、衝突したり成長したりしていきます。
周囲の環境など仕方のない部分はあるものの、健の余裕のなさ、神経質さが目に付きます。
でも、そうしてずうっと(健、読み手共に)抑鬱された気持ちが続くために、
それが開放される終盤に覚える高揚はかなりのものがありました。
体験版ではわかりにくく感じたテキストも続きを読んでみるとそんなことはなかったですし、
反面叙情的な部分はそのままで良さに繋がっていました。多くを語らずに終わるラストもお洒落。
絵や音、テキストをはじめ、全ての要素が調和したスタイリッシュな作品でした。
(10/7)

 

イズナツカイ/ProgressWing(1200円)

ある日高校一年生の神堂弥生が目覚めると頭に狐耳がついていた。
さらに視力や運動能力も大幅アップ。
しかししばらくすると、強烈な喉の渇きを覚えるようになってしまった。


選択肢なし、狐耳っこ伝奇譚とのこと。二時間と十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではウエイトを多用しすぎているように感じました。
それ以外の部分は特に問題なし。
絵は一枚絵の構図が良いです。
ただ敵の鬼が穿いているフンドシがちょっと変で緊迫感が薄れました。

飯綱使いと関わることとなった弥生がいろいろと理不尽に巻き込まれていく話。
でも飯綱使いさんは非常に影が薄いです。
投げっぱなしでもやもやしたままの所もありましたが、
弥生と友人との友情あり、王道ながら勢いがあって熱い戦闘ありの良い作品でした。
(10/8)

 

Life School/スタジオ紅憧(1000円)

おすすめ
(10/9)

 

いちごタルトとアップルパイ/ろくえぬ(500円)

同じ学園に通う藤堂春樹と唯の兄妹はとても仲良し。
しかしある日母親から再婚の話を聞かされる。
そして何故かすぐに同居することになってしまったのだった。


選択肢なし、家族、恋愛、お菓子、一時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではなんとなくレスポンスが良くない感じがします。基本的な機能は問題なし。
絵は違和感を覚えるものもありましたが、山場の一枚絵は良かったです。一枚絵は九枚。

死別した父親のことを引きずっている唯が、
母親や再婚相手、その娘などギクシャクする中を主人公は奔走します。
実妹とくっつくのに倫理とかの葛藤は華麗にスルーされていて、
彼らの将来に一抹の不安を抱いたり抱かなかったり。
でも登場人物皆がやさしさ、思いやりを持っていて、
それがすれ違う場面はやるせなかったですが、暖かい気持ちになれた作品でした。

最後に、誰もが思うことでしょうが……いちごタルトはどこに?
(10/10)

 

HeavensGate -Less Moon-/Outcast(500円)

その学校には「楽園への扉」という噂話があった。
しかしそれを追い求めた者は失踪してしまうという。
月森 陽向と彼女の麻木 美香、その友達の綾瀬 涼子はその扉へあと一歩というところまで迫っていた。


選択肢ありですが一本道、探索、異能、十三時間半足らずで読み終わりました。
体験版の感想は
こちら
システム面は特に問題なし。スキップが速いのが嬉しいです。
絵は立ち絵と背景のみで一枚絵はなし。表情の変化が少なめですが悪くないです。

プロローグの後、Lost Memory編を読むことができ、
読み終わるとLess moon編が読めるようになります。
この二編はプロローグまでが共通で、以降の展開が異なるつくりになっています。
テキストはジョジョや福本作品をはじめとしたパロネタがやや多め。

気が置けない仲間達と暗号を解いていきながら謎に迫っていく、
というプロローグ以前のシチュエーションにはとても興味を惹かれました。
キャラクターも魅力的で、特に美香がお気に入り。
ただ、本編では扉をめぐる各陣営の思惑が交差する中での
陽向や他の登場人物の心理描写がメインであることはわかるのですが、
私が気に入ったみんなで探索という場面がほとんどなく、フラストレーションが溜まります。
また、話の展開にも色々と都合のよさを感じてしまいました。
それに本編でも暗号を解いたりするのですが、前例があるためヒントがたくさん出されたり、
ショートカットしたりしていて試行錯誤する謎解きの醍醐味が味わえませんでした。
そんな中Less moon編で陽向が修行して、
教える側の想定以上にできることが増えていく場面にはわくわくしました。

余談ですが涼子たちは一番最初の暗号を解くのに一ヶ月かかったらしいとのこと。
でもその暗号が明かされたとき、すぐにここだとわかり、まったく難しくなかったです。
で、これに一ヶ月じゃ他の暗号もたいしたことないな……
といい気になっていたら次の暗号はさっぱりわかりませんでした。

とても面白そうに思える部分がありながらも、それをあまり味わうことができなかった作品でしたが、
陽向と美香の馴れ初めシナリオが追加パッチとして予定されているとのこと。ものすごく読んでみたいです。
むしろ陽向達の入学からプロローグまでを描いた「それまでのHeavensGate」を希望します。
絶っっ対に面白いと思うのですが……
(10/17)

 

霊脳警察〜公職心霊処理係〜/Nodens Rob(100円)

心霊事件を専門に扱う部署として警察内に設立された六課。
犬鳴警察署の六課に配属された新人巡査の群雲真は、
配属早々破天荒な先輩と組まされ現場へ赴くこととなった。


選択肢なし、幽霊、一時間半足らずで読み終わりました。
システム面は全体的にレスポンスが遅めな上、
文章表示速度も遅めで変更できないことが気になりました。
絵は良いものもあるのですが、崩れた表情に違和感を覚えました。
ただカットイン演出は効果的に使われていました。

過去に起きた犬鳴峠親子失踪事件という出来事の関係者が幽霊になり、
それがもとで起きてる霊障を霊能力を持った群雲巡査が解決しようとしていきます。
主人公を含め、人物像の説明がほとんどなく(大野女史には結構ありますが)
そのために話を読んでいるとき常に、なんでこの人はこういう言動を取るのだろう?
というひっかかりを覚えてしまい、物語への集中が妨げられてしまっていました。
話そのものも良くも悪くも型通りで、おっと目を引くような所がありませんでした。
(10/23)

 

フルスイング 9th 2/3/Chaparral(無料)

県立青葉台高校野球部に入部したその日、井深実浪は甲子園で優勝すると宣言した。
しかしその年の夏の大会で彼は肘を壊してしまう。
月日は過ぎ、三年生となった実浪の最後の夏が始まった。


選択肢なし、高校野球、一時間と十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。絵は背景のみ。

豊かな才能と向上心を持った井深実浪の挫折と再起が、
彼の視点と、同い年の有力選手、マネージャー、監督からの視点を交えながら語られていきます。
試合のシーンはごくわずかで、ほとんどは過去の回想を交えた三年間の練習の積み重ね。
でもその中でそれぞれの登場人物のことが丹念に描かれていて、派手さはなくとも輝いている作品でした。

蛇足ながら作中で青葉台高校を評して「良く言えば学業でもスポーツでも中位に甘んじる、
悪く言えばどこにでも存在する平々凡々な公立高校」とありますが……
それって良く言ってないですよね?

過去の作品感想:
Cargo Cult 01
(10/25)

 

一瞬の青、蝉時雨の国(BL)/Waltz.(300円)

小学六年生の夏休み。
花火、海辺、朝顔、風鈴の四人は小学生として最後の夏休みを満喫しようとしていた。


選択肢なし、BoysLife、各話五分ほどで、全体では二十分と少しで読み終わりました。
男の子達の話ですがBoysLifeとのことで、ラブはありません。
システム面は特に問題なし。
絵はそれぞれが名前に因んだ装飾品を身につけているので見分けがつけやすかったです。

四人それぞれの視点から語られる四編の夏休みを舞台にしたオムニバス。
泣いたり笑ったりしながら夏休みを過ごす彼らが眩しくもありますが、
肝心のラストシーンでタイトルにもある蝉時雨のBGMがただのノイズに聞こえて、
蝉時雨に聞こえなかったのがかなりマイナスでした。
(10/30)

 

形使いの憂鬱〜l'essentiel est invisible pour les yeux〜/G-Developer(500円)

高校入学と同時に一人暮らしを始めたケージは球形を操る能力を持っていた。
そんな彼にとって最近頻発している不可解な連続殺人事件や、
噂が広がる奇病のことは他人事ではなかった。


選択肢あり、異能、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面では文章表示速度変更がなく、デフォルトで遅めなのが気になりました。
あとメッセージウインドウ左上に表示される発言者名が正確ではないことが多かったです。
背景写真にはきつめの処理がされていますがかえって味が出ていて印象に残りました。

ケージが同じ形使いと闘いながら仲間を作り、事件を起こした人物を倒そうとしていきます。
選択肢を間違うと即バッドエンド直行で、
そのほとんどが脈略なく数十年後の主人公の生活が描かれるので最初の内はあっけにとられました。
最後はこれからさらに黒幕がいそうな感じですが、
今回の事件については一時間半の中にうまくまとめられていました。
ただシステム面や文章などでやや丁寧さに欠ける部分があるように感じられた作品です。
(11/3)

 

無伴奏組曲(BL18禁)/三毛猫らぼらとりー(500円)

正明さんと一緒になって一年、大学を卒業した加東裕樹。
これからも二人一緒に過ごしていけると思っていたが、
正明さんの前にとある人物が現れる。


選択肢なし、年の差恋愛、一時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
システム面はタイトル画面からロードできるようになっていましたが、
バックログが読めないようになったことが不便でした(現在頒布中のver2.1では修正されているとのこと)
画面構成は前作と同じ。今回は中央に文章がかかることはありませんでした。
一枚絵は九枚+差分。EDは歌付き。

「SMOKING CHOCOLATE.」から一年後の日々と、二人の間に波乱の兆しが?という話。
今回は二人の友人・部下がいい味を出していました。
二人のことでは、卒業式のあたりはお互いに遠慮していて、この似たもの同士が!
と叫びたくなりましたし、ラストの演出も良かったです。
ただ、波乱の部分が全体の雰囲気から浮いてしまっているように感じられたのがやや気になりました。

余談ですが私の大学の卒業式はコミケットスペシャル4と同じ日でした。
……ええ両方とも参加しました。スーツで即売会行ったのはあの時だけです。

過去の作品感想:
SMOKING CHOCOLATE.
(11/8)

 

Wish 〜tale of the sixteenth night of lunar month〜 最終章/MIGIHA(セットで1000円)
+Wish設定資料集+Wishオリジナルサウンドトラック+Aoko Aozaki Basics

符術という力を現代に受け継ぐ黒乃家。
しかし養子である黒乃天火はその力を全く使えなかった。
劣等感を持つ彼だったが、ある日、人ならざるモノに襲われてしまう。


選択肢あり、和風伝奇、一章含め全部で十九時間半と少しで読み終わりました。
第一章の感想は
こちら
システム面は特に問題なし。
絵は章を重ねるごとに良くなっているように思えました。一枚絵は百四十枚くらい。
あと画面移動やフォーカス、カットインなどの演出が効果的に使用されていました。
音楽は「旅路」「離別の夜は朧の月下」「白神の風」ED歌「memories」などがお気に入り。

第二章では天火の姉の睦月、第三章では姉の友人、二条稟奈が中心。
最終章はそれを踏まえて第一章のトゥルーエンド、といった感じ。
章によっては一回読み終わると新しい選択肢が追加され違う結末になったりします。
第一章感想で書いた天火のスタンドプレーは第二章以降では影を潜め、
(実力が付いてきたということもありますが)
その行動に目を覆うこともほとんどなくなりました。
第三章の一回目のエンドで、事実だけ書かれてあっさり終わってしまったのが少々気になりましたが、
第二章の二回目エンドはこの作品に対しての視界が広がるラストになっていてはっとしました。
また、ほのぼのするシーンから戦闘、悲しいシーンまで
どれも各々の想いが込められていて楽しめた作品でした。
(11/14)

 

遠く想う-My First Friends-/Hit-Bullet(200円)

高校生の赤山恵司は鬼の子孫と言われる家に生まれ、
自分の意思とは無関係に定期的に鬼に変化する体質だった。
ある日鬼になりその力を発散させていると、突然襲い掛かってくる者がいた。


選択肢なし、伝奇、友情、二十五分ほどで読み終わりました。
システム面はセーブがありません。セーブなしでプレイするには少々長めな気がします。
絵は男と化物のみ。結構好みの絵柄です。

話は高校でつるんでいる三人組が、
なんだかんだで全員異形と闘う世界へ踏み込んでしまい、そして…というもの。
戦闘シーンが結構あるのに、こちらがどう動いて相手がどう動いたかということが
文章を読んでいてイメージできなかったことがかなり問題あるように思いました。
終盤の三人の関係は情感豊かに描かれていたので、伝奇成分がない話を読んでみたかったです。
(11/18)

 

The cores短編集/The cores(200円)

二つの短編を収録。
システム面は短いのであまり気になりませんが不安定なところがあります。
絵は立ち絵のみで差分もありませんが悪くはないです。

「Mare」

選択肢なし、ファンタジー、五分ほどで読み終わりました。
街道で少女の追剥に遭遇し問答する話。
追剥の手負いの獣っぽい反応は可愛かったですが、
両者とも台詞は棒読みですし地の文はピントがずれている印象を受けました。

「トリオ」

選択肢なし、兄妹+α、三分ほどで読み終わりました。
遊園地につれていってと兄にせがむ妹と、そのやりとりにおろおろする友人の話。
素直じゃない妹や内気ながらしたたかな友人との会話が微笑ましくて、
その後遊園地に行く様を想像して楽しい気分になりました。
こちらの話のほうがお気に入りです。
(11/23)

 

雨ではなく、雪でなく/やまいぬワークス(無料/フリー公開中)

ネットワークや機械の保守をしている佐藤令太のもとへイトコの美雪から電話がかかってきた。
仕事やら何やらで忙しかったが会いたいと言われ、
なんとか抜け出して待ち合わせ場所へ向かうのだった。


選択肢なし、三角関係、三十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は登場人物が描写通りの容姿でしっくりきました。
音楽はオリジナルではなくクラシック曲使用で各場面で良いアクセントになっています。

オマケノベル六号に収録された作品のゲーム化で、内容は同じ。
また、「淡雪」という作品のプロローグにあたるとのこと。
オマケノベル版から追加されている絵柄や音楽が話と合っていて、
強く惹き込まれるようなインパクトこそないですが静かに身に沁みていく作品でした。
(11/24)

 

 

(同人ソフト体験版・連作)

ABYSS -殺人クラブ- 爽ルート版(18禁)/Festival(500円)

選択肢あり、爽ルートは三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。幽ルートまでのことは
こちら
システムなどはこれまでと同様。このルート固有の一枚絵は六枚+差分。
数少ない(らしい)爽好きの私としては今回は爽ルート版ということで楽しみにしていたのですが、
ふと考えてみると、多くの場合「○○ルート→○○の出番が多い」ですが、
ことこの作品においては「○○ルート→○○の出番が多い=○○がたくさん酷い目に」だと気づいて複雑な気分に。
とはいえ実際に読んでみると酷い目にもあいますが、珍しく他のルートよりはグッドな終わり方でほっとしました。
ただその分、爽ルートといいつつ爽よりもABYSSのほうが目立っていたのでまた複雑な気分になりましたが。
そんなわけで今回のルートはABYSSメンバーの過去とか動機とかが明かされたりします。
相変わらずこれからどうなるのか気になってどんどんと読み進めてしまう話でした。
おすすめです。

(以下ネタバレ反転)
鬼塚さんがいい人、というか可愛かったですね!

人質を救出後さらにチェックポイント通過も達成しようとする場面で、
人質救出を高槻良子が認めないだろうと思っているなら
チェックポイントもなんだかんだで認めないだろうに何故学校に留まるんだろうと思いました。
残りチェックポイント回っているうちに幽さんを倒したアーチェリーと遭遇か
心変わりした丸沢と遭遇するに違いないと思った私はとことんネガティブ思考になってます。

(8/23)

 

Goetia ――DUEL WALTZ―― The Second Waltz(18禁)/CocytusGarden(1000円)

両親を亡くし、母親の従妹に育てられながらその仕事の都合で各地を転々としていた久我崎竜樹。
そのため、周囲とは必要以上に関わりを持たなかったが、やっと腰を落ち着けた地で良き友を得ていた。
しかし、その街で謎のカードと能力を手にするものが現れ、竜樹は闘いへと身を投じることとなる。


選択肢あり、ソロモンの悪魔、バトル、意思、一時間と少しで読み終わりました。
The First Waltzの感想は
こちら
このThe Second Waltzでは第三章「魔術師」を読むことができます。
システム面は短いので特に気になりませんでした。
絵は前回と同様。一枚絵は差分含め六十枚。
今回もEDは歌付きです。

第三章では魔術師にならなければならないと言われた竜樹が、本物の魔術師と接触します。
前章で一山越えて、次の山へ向けての準備段階といった感じの章でした。
戦闘シーンは相変わらず熱く、コメディシーンも楽しかったのですが、
てっきりThe First Waltzと同じく二話あるものだと思っていたので、
え、もう終わり?と思ってしまいました。

過去の作品感想:
げーてぃああふたーわるつあるまでる!
(8/25)

 

うみねこのなく頃に episode3/07th Expansion(1500円)

選択肢なし、連続殺人幻想、九時間と十五分ほどで読み終わりました。
システム面はEP1から変更なし。
絵や音楽では立ち絵の表情のいくつかにぞっとする豹変がありました。

今回もEP2と同じように舞台の外から魔女の仕業かそうでないかを議論していきます。
(以下ネタバレ)
魔法でバンバン闘ったりするところはあまりに突き抜けすぎててポカーンとなってしまったのですが、
碑文の謎を解いて金塊を発見する場面での高揚感はひしひしと伝わってきました。
と同時にこれで終わるわけがないとビクビク。
なのに終盤はベアトのいままでの所業は知りつつも信じきってしまいました。
そして弱みを見せたベアト可愛い→朱志香守るベアト熱い
→お互いを認め合ってこれからさらに面白くなりそうだ、
と思った末にひっくり返されて呆然。
ここでのワルギリアの豹変怖かったです。

しかし縁寿の現金を露払いにバラ撒く悪癖ってどこの成金様ですか。
終盤の目まぐるしい展開からのスタッフロールという流れに目が離せませんでした。
次回以降も楽しみです。
おすすめ

過去の作品感想:
ひぐらしのなく頃にひぐらしのなく頃に礼
(9/2)

 

TUKUMO・壱/サークルTrain(800円)

日下部和弥は無意味と思いながらも侍になろうという目標を持った高校生。
しかしある日の鍛錬中に人ならざる力を持った殺人鬼と遭遇してしまう。
なすすべも無くやられる彼だったが、そこに掛けられる声があった。


選択肢あり、和風伝奇、九十九神、七時間足らずで読み終わりました。
システム面は文字を消したりできないなど機能は少ないですが、ただ読む分には問題なし。スキップが速いのがありがたいです。
絵はやや病的な感じを受ける絵柄ですが、要所で鮮烈な印象を与えてくる力強さがありました。
あと友人の水野正祥が言動もインパクトありますが容姿も負けず劣らずです。
音楽はフリー素材でオーソドックスな伝奇セレクト。

九十九神同士の争いに巻き込まれた和弥が菊一文字の所有者となり、
他の九十九神と闘ったり協力したりしながら争いを解決する道を探していきます。
エンディングはお菊さん、麻衣、美里先輩の三種類でそれまでの選択肢によって最後の最後だけ分岐します。
後半は安定していましたが、最初の方で地の文のトーンが急に変化したりして不安定に感じられました。
長台詞が多くて読みにくいところも気になります。
またそこかしこに小ネタが挿まれていますが面白さに差がありました。
総じてお菊さん関連は笑えるものが多かったでしょうか。
戦闘シーンはこちら側に当たれば必殺の切り札がありますが、
制約や敵の特殊能力からそれを巡る駆け引きはなかなかに手に汗握るものになっていました。
ただ本来おまけの能力であるはずの菊一文字を持つことで得られる回復力がゾンビ級なので、緊張感が削がれる場面もありました。
戦闘以外では四日目の最後はすがすがしくて良かったですし、最終日のにぎやかな場面は楽しかったです。
後半になるにつれ面白くなっていったので、続きも読んでみたい作品でした。

過去の作品感想:
かきしこきし死神少女 Drei死神少女 Vier神鬼─キキ─舞姫
(9/6)

 

御守のカタチ−プロトタイプ版−/EMBRYO

神永御守は高校三年の三学期になってから大学受験をしないことに決めた。
そんな彼女を心配する先生や友人。
しかし御守は自身が受験しない理由を上手く言葉にすることはできなかった。


選択肢なし、伝奇?一時間ほどで読み終わりました。
システム面はかなりウエイトが多用されています。
ゲームのメニュー画面から行ける作品についてのアンケートページでも
ウエイトに関する欄が設けてあるので、実験的な面があるようです。
実際にプレイしてみた感触としては、自分の読むペースとうまく合えば
リズム良く読んでいけて気持ちいいのですが、逆にリズムが崩されてしまう箇所もありました。
立ち絵は穏やかな顔はよかったのですが、無表情が目とか怖すぎます。
音は効果音、BGMとも場面に合ったセレクトだと感じました。

今回はプロトタイプ版とのことで、場面場面を抜き出したダイジェストになっています。
そのため前後の行動がわからず理解できない部分が多かったです。
でも、人と人との関わりは穏やかな気分になりましたし、
読みやすい文章だったので省略なしで読んでみたいです。

過去の作品感想:
彼方のトケイ
(9/10)

 

ツバキヒメ/Of Four(500円)

翠桜という町に住み、今年から高校生になる小田原陸は入学早々アトレイユというサークルに勧誘される。
町の開発に反対するデモや、町の役に立つボランティアを行っているそのサークルに無理矢理入らされた彼だったが、
メンバーの上原椿姫らと活動していくうちに、その意識は段々と変わっていった。


選択肢なし、開発、反対運動、四時間足らずで読み終わりました。
システム面ではメニュー画面を出すと音楽が消えて、通常画面に戻ると音楽が最初から流れ始めます。
それまで流れていたものが途切れてしまうので、気が削がれました。
また、せっかく立ち絵、一枚絵が綺麗なのに文章を消せないのがもったいないです。
演出では立ち絵の移動が小気味良かったです。

話はアトレイユでデモやボランティアをしながら楽しい日々を送っていたものの、
それに対する圧力があったり、不審な爆発や化け物らしき存在によっていろいろとトラブルが起こります。
そしてこれからどうなる?というところで終わり。今後続きを描いた作品が出るそうです。
地の文がほとんどなくさくさく読めるのですが、
必要以上にテンポが良すぎてどんどん読み進めてしまい、
登場人物の言動に対して共感したり反発したりといった感情を抱く暇がありませんでした。
立ち絵の変化や台詞で微妙な心情は表現されていますし、
場面場面では思わず笑ってしまうシーンや目を惹くシーンもあったので、
もうちょっと歯応えのある文章だったら噛み合ったのにと思いました。
(9/12)

 

あなたへ C74 体験版/It rains Cats and Dogs

1999年7月、人類は消滅した。
ただ一人、彼を除いては。
そして彼は他に生き残った人間がいないのかと探し回った末に、一つのMDを見付けた。


選択肢あり、終末、声、三十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵、一枚絵などは無く背景のみ。音楽もなし。ただある場面で声が流れます。
その声はボリュームを上げてもまだ小さかったのがちょっと気になりました。

なんとなく生きているだけで別に死んでもかまわないと思っていた「僕」が、
人も鳥も猫も虫も一瞬で消え去ってしまった中、一人だけ残されてしまいます。
そこには植物と微生物(食べ物が腐敗するため)のみしか残っておらず、
何故そうなってしまったのかはまったくわからないままです。
そんな世界が僕の一人称と無音でよく表現されていますし、
無音が続いた後で流れる「声」が印象的なものになっていました。
ここでの僕の心境もすごく実感がこもっています。
人が消滅した世界に残された声というギミックが効果的で、
これからどうなるのかが気になる体験版でした。

過去の作品感想:
Summer Mirage
(9/16)

 

牙旗と黒翼と白銀の羽〜惨夜渦中に蠢し漆黒の羽〜/AaR(300円)

紫芭名音は義理の母と二人暮らし。友人達と楽しい日々を送っていた。
街で殺人事件が起きていたが他人事。
だがある夜、名音は異形の男に追いかけられる。
絶体絶命の彼を救ったのは、青い髪をした、懐かしさと悲しみを思い起こさせる少女だった。


選択肢なし、伝奇。
第一章〜変革の時〜
第二章〜夜宴の舞姫〜 
第二.五章〜星屑の月うさぎ〜 
第三章〜惨夜渦中に蠢し漆黒の羽〜
を収録。第二.五章は一時間と少し、第三章は二時間ほどで読み終わりました。
第一章の感想は
こちら
第二章の感想は
こちら

システム面は特に問題なし。
絵はデフォルメ調で可愛いですが、シリアスな表情はちょっと違和感があります。
文字表示の仕方やカットインなど画面演出は効果的に使われていました。
音楽も激しかったりしっとりしていたりと各場面にとても合っていました。

第二.五章は番外編でウサミミ少女るるいの過去がメイン。
とりとめのない印象で全体のまとまりに欠けるように感じられましたが、場面ごとはとても良かったです。
大暴走するコメディシーンは笑えましたし、
悲しい出来事からラストの一枚絵に至る流れも格好良かったです。

第三章は本筋に戻って主人公が修行でパワーアップ。
でもその周囲では……という展開が視点主を変えながら描かれていきます。
第二.五章と同じ出だしに吹きました。霧香さん(義理の母)可愛すぎ。
他の場面・霧香さん以外もいままでに輪をかけてエロかったです。直接的ではなく表情やシチュエーションが。
それはともかく、今回は各々の心情が丁寧に描かれていると思いました。
そしてその積み重ねがあった末のラスト、黒羽(異形)が生まれるシーンには心底ぞっとしました。
コメディシーンは楽しくてシリアスシーンには惹き込まれる作品で、これからどうなってしまうのかが気になります。
(9/17)

 

Onenight Carnival Vol,0/D.O.R(300円)

人はおろか生き物さえ一切存在しない町に集められた十三人の男達。
その町から抜け出すためには自分以外の十二人を殺さなければならない。
一夜限りの狂宴が幕を開けた。


選択肢なし、バトルロイヤル、一時間足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵、一枚絵はなく背景のみ。音楽もありません。

Vol,0では殺し合いが始まる直前の十三人の様子が順番に描かれていて、
性格や一部の能力、境遇などが明かされたりします。
この十三人がもといた世界では魔術や霊力の存在が一般的で、かつ銃火器など近代兵器も存在するようです。
とりあえず顔見せだけで終わってしまうのでわからない部分が多いですが、
バトルロイヤルはハマればすごく面白い題材なのでこれから先も読んでみたいです。

過去の作品感想:
永環
(9/20)

 

THE MAN CALLED CRIMSON -Episode III-金色紙幣の騎士と被造の天才/因果堂Type-I.G.(1500円)

恋人を殺され復讐に生きることを決めたシュヴァルツ・カント・焔。
その相手の手がかりを掴み調査に乗り出した矢先、
彼は発光する立方体を手にした少女、栗須翠と出会った。


選択肢なし、連作フューチャーオペラ第三弾。七時間半ほどで読み終わりました。リバースシナリオ追加パッチ有。
Episode Iの感想は
こちら
Episode IIの感想は
こちら
システム面は以前の作品と変わらず。
絵はエンディングのものがいままでと大きく変わっていました。一枚絵は二十二枚+差分。

今回はマンハッタンを舞台に金融絡みの事件が起こります。
舞台が舞台なのでアメリカンジョークも冴え渡っていました。
前作までと同様に各々の信念、想いがしっかりと描かれていましたが、
その中でも焔にこれからの成長を期待させる思考、葛藤があったので次回以降も楽しみになりました。
また天城運送の「彼」も今後どう関わってくるのか気になります。
いつもながら格好いい作品でした。

過去の作品感想:
夢剣、TWADの物語 Vol.1
(9/21)

 

三匹の犬の夜〜第二夜〜/月の水企画(400円)

『孫派第八訓練所』
超常の力を持つ“使い手”と呼ばれる能力者を育成する施設。
大戦以後、波槽で多く見られるようになった異能力者を戦力として鍛えるべく、
孫派、八犬士の一人である蒼芽(そうが)のもと、多くの使い手が鍛錬に励む場所だった。

が、それも今は昔。
波槽の内乱が激しくなるにつれて、訓練所へ送られる人間は激減。
今やリーダーの蒼芽に加え、数名の訓練生が所属するのみだった。

しかし、そこに突然、新たなメンバーが加わることになる。
それも二人。

一人は、リーダーの背信で瓦解してしまった孫派の部隊の下っ端の少女、月夜(つくよ)
もう一人は孫派に保護された戦災孤児で、アンドロイドに育てられたという青年、タカヤ。
タカヤと一緒にやってきたパーソナルロボットのルイも加え、倍近い人数になった八錬。
さらに近所の住人達や謎の幽霊少女も交え――波槽の戦いは、加速していく。

(サークルHPより)


選択肢あり、異能力バトル、第二夜は七時間半ほどで読み終わりました。
システム面は第一夜より機能が増えていますが、
上部メニューがなくなってしまっていてマウスだと操作が一手間余計にかかってしまうのが気になりました。
絵は一枚絵の使いどころが良かったです。あと放心した表情が効果的でした。一枚絵は第一夜、第二夜共に六枚+差分。
OPムービーあり。
音楽も不穏な空気を醸し出したり、戦闘時の勢いを感じさせたりするセレクトがなされていました。

今回は八練(孫派第八訓練所)ではなく別の部隊の拠点を中心とした話で、
八練メンバー以外にも様々な勢力が登場し、各々の背景が少しずつ明かされていく回でした。
前回が面白かったので期待しつつ読んだのですが、それ以上に面白く時間を忘れて読み進めてしまいました。
普段はおちゃらけていてそれはそれでとても楽しいのですが、
重要なシーンでは真に迫る描写で色々と衝撃を受けました。
あとたまに八練の背景が出てくる場面では懐かしさを感じて、
ああ、第一夜の日々がすごく気に入っていたのだなと再認識しました。
最後とりあえずは一件落着しましたが、またなにか起きそうな第三夜が本当に楽しみです。
おすすめ
(以下ネタバレ)
で、みすみんのラブパワーは本当なのでしょうか?
なんだかすごく気になります……

(9/24)

 

さだめ Ayaka's Fate ver1.00(15推)/チームEffort(300円)

両親を亡くした御調慎平は同じく両親を亡くしている従姉妹の三姉妹の家で生活していた。
なにごともなく日々を過ごし大学生になった彼は、
ある日無理矢理誘われた合コンで小学生のときの同級生、秋元ひかると再開する。


選択肢なし、運命、バトル、四時間足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はちょっと変な構図だったりすることがありましたが重要なシーンでの一枚絵や立ち絵は良かったです。

今回のAyaka's Fateでは三姉妹の長女、綾香が中心となって話が進みます。
このルートは最後まで完結しています。
「たけのこの山」とか「ドットール」とか微妙に変えた固有名詞がこれでもかと出てくるのですが、
話に関係がないのならただの「お菓子」とか「喫茶店」でいいのではと思いました。
我に返ってしまうというか、話の流れを邪魔しているように感じられます。
あと大文字でのツッコミも多用しすぎで、せめてシリアスシーンでは使わないでほしかったです。
話そのものもやや急展開過ぎるように思えました。
場面ごとではにぎやかで楽しかったり手に汗握る出来事があったりと良かっただけに気になりました。

過去の作品感想:
Again〜再会の街かど〜
(9/25)

 

[ Miniature Cast ]-preview night-(やや女性向)/Glasses!(500円)

おすすめ
(9/30)

 

Dm7 phase-1 [虚飾](18禁)/みるきぃ★うぇい(500円)

ショウワ82年、トーキョウの街にはカミマチとシタマチという二つの人種が存在していた。
シタマチの人間は睡眠をとらず、ただ単純労働をして生涯を終えていた。
主人公もそんなシタマチの人間だった。


選択肢なし、ノイズサウンドノベルとのこと、十時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
Hシーンは全くないわけではないですがそういう表現はさらっと流されています。
それよりもグロとか狂気とか色々とよろしくない描写があるため18禁とのこと。
体験版の感想は
こちら
システム面は場面転換後はバックログが消えてしまうことが気になりました。
ただその場面転換でカシャカシャと時間表示が変わる演出は良かったです。
絵や音楽には退廃的な感じが出ていると思います。
特にノイズ音のBGMには背筋がぞわぞわしました。

アキラとカスミという普通とはかけ離れた人間と知り合ってしまったエイジが右往左往する話。
エイジが凡庸なのは最初からわかっていたことですが、
アキラが最後エイジのレベルに付き合ってしまい超越性がなくなってしまったのにちょっと失望しました。
ただ、ノイズ音と共に放たれるむき出しの感情には圧倒されるものがありました。
他にない、この作品だからこそ味わえるものがある作品です。
(10/2)

 

fuh rel#1 Preview DEMO/おちゃわん堂

姉で担任の兵藤由乃と共に暮らしている高校二年生の兵藤兵蔵は
隣の家に住む幼馴染の日向翼らと共に平和な生活を送っていた。


今のところは選択肢なし、学園傷心ラブコメ+すこしふしぎノベルとのこと。
十五分足らずで読み終わりました。
デモ版とのことでシステム面はバックログ(とはちょっと違いますが)以外なし。
特徴的なのは本と同じように一ページずつめくっていく形式という所で、
左側のページに背景や立ち絵、右側のページに文章が書かれています。
普通に読む分には問題ありませんが、
非アクティブでもクリックするとページ送りされてしまうのが気になりました。
立ち絵はなかなか可愛いです。男の脇役は今のところ立ち絵がなく、
代わりに眼鏡やサッカーボールなどその人物を表すアイコンが表示されて笑いました。
音はページをめくる効果音しかありません。

今回のみなのか完成版でもそうなのかはわかりませんが、
場面が変わるとシーン・・○○、日時・・○年○月○日○時○分といった情報が表示されます。
また、発言の頭に人物名が付いていたりと台本のような印象。
話はごく普通の一日を過ごすだけで終わってしまうので良し悪しはわかりませんでした。
とりあえず(すでに読んだシーンなどを一枚一枚めくるのは時間がかかるので)次or前の場面に移動機能や
セーブロードなどシステム面を充実させてほしいです。
(10/4)

 

ヒメゴト! 〜Another Stage〜 体験版/M.O.E.Project

転校初日、超お嬢様の一色真姫から奴隷になれと言い放たれた大原灯。
そのまま萌月祭実行委員会の一員とされた彼を待っていたのは、個性豊かな実行委員たちであった。


選択肢あり、劇中劇、ラブコメ、一時間と少しで読み終わりました。
07年12月に実際に上演された「ヒメゴト!」という演劇のゲーム版とのこと。
というより舞台裏まで含めたゲーム化で、あらすじの話を各役者が演じているという設定で、
ときおり舞台袖での一幕などが描かれたりもします。
システム面は色々と細かく設定できるのが嬉しいです。
絵は陰影、特に女の子が光に照らされている場面の一枚絵が良かったです。
OPムービーも格好いいと感じました。OPには歌もあり。

この体験版では第二話までを読むことができ、
萌月祭実行委員会皆でわいわいやっているシーンと、各々とサシで会話していく場面がほとんど。
真姫を始め女の子達がなにやら抱えているものがあるようなことがこれでもかと仄めかされていますが、
それに大部分をとられすぎていて、女の子との会話の楽しさなどといったラブコメ的な部分が
やや置き去りにされているように感じられてしまいました。
(10/11)

 

L I N K - the gritty age - 第一章〜第二章/Fantastic Dawn(500円)

世界は砂に覆われていた。その砂に触れた者は砂になってしまうという、恐ろしい砂。
アージはそんな世界を保護者の男ハウンドと共に旅する少年。
小さな宿に泊まっていた彼らは、不思議な耳を持つ少女パスカルと関わることとなった。


選択肢なし、サンドパンク・アドベンチャーとのこと、二時間と少しで読み終わりました。
第一章の感想は
こちら
そのとき未実装だった機能からは探索してキーワードを見つけていく
「サルベージ」がさわりだけ追加されていました。
システム面ではスキップがかなり遅いことと、
セーブロードするとき一手間余計にかかってしまうのが難点。
立ち絵、一枚絵はなく背景のみ。
ただタイトル画面でメニューをクリックしたときの波紋が広がる演出などは良かったです。
音楽はフリー素材ですが落ち着いた感じや寂れた感じの曲など、それぞれの場面に合っていました。
中でもラテン風の音楽がお気に入り。

第二章ではアージとパスカルが手に手を取りながら旅をしていく中で、
大人たちと別れたり再開したり新しい出会いがあったりします。
第一章と同様に大人の助けがありながらも精一杯行動する二人が微笑ましく、
それ以上にお互いへの信頼やほのかな恋心が眩しい話でした。
(10/12)

 

laffie route-routeA- 体験版/創攻線

エフィス・ゼロユは訓練騎士志願者。
合格するための試験で森に入ったが、突然現れた獣に襲われてしまう。
何もできずにやられてしまうかと思ったそのとき、一人の女性がその場に現れた。


選択肢なし、ファンタジー、三十分と少しで読み終わりました。
システム面では文章表示速度が変更できず、その上遅いのと、
タイトルへ戻るがないのが気になりました。
絵は可愛い表情などもありましたが、
襲ってきた強そうで大柄な描写がある獣が意外と小さかったりして合っていない部分もありました。

この体験版では試験終了までを読むことができます。
また世界観として全ての人間が魔力持ちで、
鉱物に魔力を通すことでその鉱物固有の効果が生じるとのこと。
登場人物同士のちょっとしたやり取りなどに面白いものがありましたが、
誤字や違和感を覚える表現が多く、もうちょっと見直しをしてほしいと思いました。
(10/13)

 

守るべき人 第一部 CountDownNote vol.5 〜京子・光一〜/茶葉☆姫(500円)

不治の心臓病と宣告された大木光一は空気が綺麗な田舎の病院へと転院することになった。
その先で彼は同じ病を持つ西沢京子と出会う。
そして二人はCountDownNoteと称する交換日記を始めることとなる。


選択肢なし、生と死、恋愛、一時間と少しで読み終わりました。
18禁表記はありませんがHシーンあり。
システム面は章が変わったりするとバックログが消えてしまうこと以外は問題なし。
絵はあまり上手いとは言えませんが、
京子さんなどは文章でのイメージどおりの容姿に描かれていると思いました。
OP、ED共に歌あり。それ以外の曲も穏やかな曲調が多く雰囲気に合っていました。

二人がCountDownNoteを通じて距離を縮めていき、
また生きることを半ば諦めていた主人公の心境の変化も描かれています。
CountDownNoteという名前を始めて聞いたときは不吉な名前だなと感じ、
実際主人公もそう思っていたのですが、由来は逆に退院へのカウントダウンとのこと。
終わりがすぐそこにちらつきながらもゆったりと日々を過ごす穏やかさは良かったですが、
山場での京子さんの心境……というか、
主人公が推測する京子さんの心境にちょっと納得がいかなかったです。
もっとストレートに病と相対したほうが良かったのではと思いました。
(10/14)

 

守るべき人 第二部 十六夜-IZAYOI- 〜綾音・沙耶〜/茶葉☆姫(500円)

時折明晰夢を見ることができる青年、一条沙耶は義理の妹で養護学校に通う綾音に
いつからか独占欲を抱くようになっていた。
その感情に気付き、指摘した父親に、沙耶は殺意を抱いてしまう。


選択肢なし、サスペンス一時間半足らずで読み終わりました。
守るべき人 第一部 CountDownNote vol.5 〜京子・光一〜の感想は
こちら
第一部と同様18禁表記はありませんがHシーンあり。システム面も同様。
絵は過去のシーンで立ち絵が
ウゴツールみたいに動くのがいい演出に感じました。
OP、ED共に歌あり。BGMはメリハリがありましたが
狂気を感じさせる場面で流れる曲がちょっと格好良すぎに思えました。

第一部にも登場した二人がメイン。
時期も回想などで過去の出来事が色々と語られますが、終盤は同時期。
綺麗で純粋な部分がほとんどだった第一部から打って変わって
ドロドロとした狂気、背徳、欲望などが渦巻く話。
着物の少女の存在が沙耶と綾音の物語としてみると蛇足に思えましたが、
それでも、表に出すかどうかはともかく生きていてこういった感情を抱いたことがない、とはいえない
ありのままの汚さが描かれていて惹き込まれました。
また第一部に関係することも明かされていて、
それを踏まえると第一部のラストはあれで良かったのかなとも思えました。
(10/15)

 

守るべき人 第三部 夏の雪 〜雪菜・洋一〜/茶葉☆姫(500円)

かつて幼馴染だった大森洋一と守代雪菜。しかし洋一の都合で離れ離れになっていた。
それから数年。二人は再会する。色々と変わってしまった二人だが、それでも変わらないものもあった。


選択肢なし、恋愛、一時間半足らずで読み終わりました。
守るべき人 第一部 CountDownNote vol.5 〜京子・光一〜の感想は
こちら
守るべき人 第二部 十六夜-IZAYOI- 〜綾音・沙耶〜の感想は
こちら
それらと同様18禁表記はありませんがHシーンあり。システム面も同様。
OP、EDも同じく共に歌ありでしたが、EDにとある仕掛けがありました。

第一部、第二部にも登場した二人がメイン。
両想いなのにすれ違ってしまった二人が、
またすれ違う要因がありながらも想いを伝え合い、しかし…という展開。
一旦途切れながらも積み重ねてきたお互いへの想いの描写はくすぐったくなりましたが、
とんとん拍子というか、なにか問題が起こってもすぐ解決してしまいあっさりした印象を受けました。
第四部も制作中のとことですが、今までの中では第二部が一番面白かったです。
(10/16)

 

奇譚ゼロ式 〜零〜 体験版/トロイメライ。

我々とは異なる歴史を歩んだ日本。
その帝都で巨大企業の闇を追っていた男装の記者、零児は
かつて殺されかけたことがある暗殺者霧夜と再会した。


選択肢なし、大正ロマン風伝奇、三十分ほどで読み終わりました。
システム面では右クリックすると流れているBGMがいったん止まり、
また最初から流れはじめるのが気になりましたがそれ以外は問題なし。
絵はなかなかに綺麗です。
それと剣戟の音が激しくて、闘いの苛烈さが表現されているように感じられました。

この体験版では簡単な世界観の説明とともに零児の素性が仄めかされていき、
そして主人公二人が再び出会うまでが収録されています。
時代がかった世界観ながら読みやすい文章であることには好感が持てましたが、
それ以上に興味を惹かれるようなところはあまりありませんでした。
(10/18)

 

波よせる森の中で(体験版)/フレネゾ

周囲を森に囲まれ、外界との接触が一切ない村に迷い込んだ武頼。
最初は村人達から良くない目で見られていたが、村の掟を覚えていくうちに段々と溶け込んでいった。
しかし村に根付く風習が彼の生活に不穏な影を落としていく。


選択肢なし、因習、一時間足らずで読み終わりました。
システム面ではやや動作が不安定なところがありますが、普通に読む分には問題なし。
絵は巫女服の隙間から覗く脇腹がエロいです。ただパッケージ絵は不気味。

体験版では村の同世代や子供達と打ち解けあっていく過程が描かれていきますが、
後半はなにやら物騒な雰囲気になっていきます。
まだ序盤ゆえか面白いと思えるような展開にはなっていないものの、
普段は冴えないながら肝心な所では長いものに巻かれずに正しいと思ったことを貫く主人公には好感が持てました。
(10/19)

 

マジカルアイズ - プロローグ/Pomeranian Swingers

天河勇は異形を倒す力を持った高校生。
そのため、クラスメイトらとはあまり関わりを持たないようにしていた。
そんな中、街では犯罪が増加していたが、その原因を警察も勇達もつかめていなかった。


場所選択のみ、伝奇、日常と非日常、一時間半足らずで読み終わりました。
システム面ではデザイン・演出が洗練されていて好感が持てます。
特に右クリックメニューが場所固定ではなく、
右クリックしたときのカーソルの場所に出てくるのが嬉しい配慮。
フローチャートで各シナリオの上にカーソルをのせるとあらすじが表示されるのも凝っています。
絵はゲーム中とパッケージで違う人が描かれていたりします。
パッケージの方が好みですが、ゲーム中のものもクセがないので悪くないです。

このプロローグでは二日目までを読むことができます。
これ以降はわかりませんが今のところ基本的にメインシナリオは一本道で、
場所選択時に任意でサブシナリオを読むことができます。
ヒロインが一途過ぎてストーカーと紙一重に感じましたが、
相手にバレなければ/嫌がらなければ犯罪ではないということにしておきます。
実際読んでいても執着というより乙女心という印象が強かったですし。
異形関連はさわりだけで、闘うシーンもなく未知数なところがありますが、
土台がしっかりしているので少なくとも悪い出来にはならなそうな作品に思えました。
(10/20)

 

しろくろり〜た knot of 1 Open,Closed Circle/夢桜(1000円)

幼馴染の伊東梨香の飼っていた犬がいなくなり、探すことになった直江悠人。
しかしその幼馴染には他にも悩みがあり……
そのころ、隣町では通り魔事件が起こっていた。


選択肢あり、白と黒の魔女、幼馴染、四時間ほどで読み終わりました。
体験版の感想は
こちら
システム面はセーブなどのメニューが初見では見つけにくいですが、それ以外は問題なし。
絵は体験版よりくせがなくて、より可愛くなっていました。一枚絵は差分含め十六枚。
また立ち絵を動かした演出も良かったです。

今回は幼馴染の身に起きた出来事を巡る話が中心で、
これからメインになっていきそうな魔女関連はプロローグと最後の方にしか出てきません。
また一週目ではトゥルーエンドへ行けず、もう一度最初からはじめないといけません。
印象に残るのは悠人の純真さと、女性陣の鋭さ。
特に妹のゆかりは家事万能で兄想い(かつ兄弄りが好き)で剣道全国レベルで、
その上とてもカンが鋭い、末恐ろしい小学六年生です。

二週目では事件が一応解決したり、これから悠人がどんなことに巻き込まれるのかが提示されたりしますが、
より面白いと思ったのは一週目で、悠人と梨香の甘酸っぱいやりとりや信頼はくすぐったかったですし、
終盤はちょっと歪な関係になってしまうものの、
悠人の相手を受け入れる深い愛情が感じられてむしろ格好良かったです。
次回以降はこの二人の関係がメインではなさそうなのが残念ではありますが、
それでも続きが読みたい作品になりました。
(10/21)

 

Re:start 体験版/後穂堂

事故に遭い、一年間目を覚まさなかった少女、美智。
やっと目を覚ました彼女を待っていたのは、リハビリだったり、
母親の暴走だったり、妙になつかれてしまった幽霊の少年だったりした。


選択肢なし、病院、幽霊、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は結構私好みで可愛いです。

この体験版では一年ぶりに目覚めてから少し後から始まる二日間を読むことができます。
美智が反抗期というか嫌なことを言われても受け流せない性格というか、で、
すぐ不機嫌になってしまうところはあまりいい印象ではありませんでした。
それ以外の登場人物は色々といいキャラクターな人たちばかりなので、
これから主人公が変わるのか変わらないのか、変わるならどう変わるのかがポイントになる気がします。
(10/22)

 

LUCK&LACK 体験版/いたづんち

大井光太は高校二年生。
同じアパートに住む幼馴染達と日々を過ごしていたが、
夏休みを迎えちょっとした変化もあった。


選択肢なし、恋愛、四十五分足らずで読み終わりました。
完成版では選択肢、立ち絵、イベントCGが追加されるとのこと。
システム面では吉里吉里なのにバックログがありません。逆に貴重というか……
絵は場面に合っていないものがあったりしますが、基本的には可愛いです。

光太と、同い年の屋江島亜季を中心として、
上は高校三年生、下は小学五年生までの幼馴染達と遊んだりします。
体験版ということですが話としては完結しているかもしれません(亜季ルート?)
そのあたりは情報がないので続きがあるのか、
このルートはここまでで別ルートがあるのかは不明ですが、
終盤、夏休みの出来事がほぼ飛ばされている上に山場の展開も唐突で、
もうちょっと書く所と削る所を変えた方がいいのではと思いました。
(10/24)

 

縁−えにし− 体験版/Noisy Crowns

ソルプラン王国という所を舞台にしたファンタジーのようですが、
今回の体験版では登場人物たちによるどんな作品かの説明のみ。
選択肢なし、十分ほどで読み終わりました。
システム面はなにもありません。
一応キーボードからオートモード、スキップ、バックログ。マウスホイールでバックログができますが、
スキップは遅く、バックログは約一行分しか読み返せません。
絵はキャラクターによって描かれている方が異なるようです。
あと溜息とかが目に見えたりと漫画的な表現あり。

世界観説明が主でどんな話になるのかはよくわかりませんでした。
とりあえずシステム面はもっと便利にしてほしいです。
(10/26)

 

アカズノヒトヤ(体験版)/しゃもじワークス

校舎の中と思われる場所で俺は目覚めた。
自分が誰かも、どうしてここにいるのかもわからない。
教室から廊下へと出てみると、この世のものとは思えないほど美しい少女がいた。


選択肢なし、サスペンス?十分ほどで読み終わりました。
システム面は文章表示速度変更がないことが気になります。
絵はパッケージとタイトル画面に使用されている少女の画像はとても雰囲気があって目を惹くのですが、
作中に表示される立ち絵は画質が粗かったりしてあまり良いとは言えませんでした。

この体験版では少女と出会った後に気絶してしまい、
目覚めると目の前に老若男女バラバラな集団がいて、
彼等と会話しているうちに唐突に終わります。
まだサスペンスかどうかさえもわからないので話についてはなんともいえませんが、
タイトル画面のクオリティが作中でも維持できればそれが強みになりそうな作品でした。
(10/27)

 

円卓の戦姫 体験版+α/すなねずみ

明宮臣学園に入学したばかりの神城護はある夜、
公園に入っていく幼馴染の七海悠里を見かけ、気になってついていくと、
そこには魔法で怪物と闘っている彼女がいた。


選択肢なし、魔法バトル、二十分ほどで読み終わりました。
体験版の他に「サクラバレット the Alt-Redemption Memories.」のフルボイス予告編も収録。
システム面ではスキップがすごく速いのが良かったです。
絵はやや表情に乏しいところがありますが悪くないです。

この体験版では悠里の他にも魔法が使える人物と出会い、
さらに転校生がやってきた、というあたりまででおしまい。
主人公の一人称なのですが地の文が非常に淡々としているため、
自身の言動との間で温度差がありすぎて違和感を覚えました。
さらに音が一切ないことも影響していますが、バトルシーンのスピード感にも欠けます。
また、偶然闘っている所に遭遇した最初の戦闘はともかく、
二回目は怪物が現れたことに気付いた悠里がわざわざ何も出来ない護を連れて現場に行っていて、
そうするだけの理由が特に語られないので不自然に思えました。
ラストはなかなかに急展開で続きが気になる……と言いたいのですが、
このままだと起伏があってもそれを感じ取れない作品になりそうで不安です。
(10/28)

 

八つ数えろ 二つ目盤/TR九石堂/System9(500円)

おすすめ
(10/29)

 

冬の夢、雪の願い〜体験版〜/こんにゃくバサミ

片瀬祐人は原因不明の持病を持ちながらも世話を焼いてくれる幼馴染の浅見早香や
友人達と平和な学校生活を送っていた。
しかしある冬の日、ふと立ち寄った小さな公園で、彼は不思議な少女と出会う。


選択肢あり、学校生活、不思議、三十分足らずで読み終わりました。
システム面はどこでセーブしてもロードすると選択肢かその日の最初から始まること以外は特に問題なし。
絵は若干粗いところがありますが、なかなか好みの絵柄です。

この体験版では最初の八日間、二学期の終業式までを読むことができます。
基本的に日常で、最後に波乱を予感させるモノローグでおしまい。
テンポがよくてさくさく読めますし、
これといって悪いところはないのですが、
これらか先に興味を抱かせるような部分もあまりなかったように思えました。
(10/31)

 

MIKIまで96インチ(体験版) /雨四光

学会に参加するために彼女の川嶋美紀に荷物の受け取りを頼んだ大学院生の風見誠。
しかし学会は突然延期になってしまう。
予定がなくなった彼は自宅に戻り彼女を待つことにするが、
ついイタズラ心を出して彼女を驚かせようと企んでしまう。


選択肢なし、恋愛?サスペンス?三十分ほどで読み終わりました。
システム面は効果音が鳴ったりする場面でスキップが遅くなりますが、それ以外は問題なし。
立ち絵は影絵になっています。
音は全体的に音量が小さすぎるように思えました。

この体験版では合間に二人の馴れ初めが語られ、
その後美紀を驚かせようとクローゼットに隠れていると
そのうちやってきた彼女が不審な言動をしはじめ……というところで終わり。
この後怖い展開になるのか、コメディ展開になるのか不明ですが、
彼女の行動にどんな理由があるのだろう、と気になりました。

それとは別でちょっと気になったのが初対面のとき二人でダーツをするシーン。
私は時折Jスポーツでダーツ中継を見てフィル・テイラーすげーと呟く程度のにわかなのですが、
501でブルに九本連続で入れて最後17のトリプルで上がって十投でパーフェクトだねと言われていました。
……ソフトダーツでも九投が最短なのではないのですか?
(11/1)

 

剣の姫君と101本の魔剣 体験版/フォーチュンベル

別の世界から反逆者を追ってきた姫。
ある日彼女は敵に襲われ死んでしまった桜木和孝を秘宝で生き返らせる。
しかし彼の口から出てきたのは罵倒の言葉だった。


選択肢なし、現代ファンタジー、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面はデフォルトでは面倒な部分もありますが、
設定変更できる箇所が多く、自分好みにカスタマイズすれば快適です。
絵は一枚絵などで未実装な部分もあります。
ただ索敵・戦闘中、画面にレーダーやバイタルゲージなどが表示
(そういう兵器を姫が装備している設定)されるのが凝っていました。

この体験版では第一章を読むことができます。
おまけとして登場人物紹介と設定資料あり。
フリガナがたくさん使われていて、固有名詞なども多く、
特徴のあるテキストになっているので好みが別れそうな印象。
ただ私のとっては特に読みにくくありませんでした。
また姫がこちらの世界へきたばかりのことや、
桜木和孝と出会ってから一ヶ月あまりのことなどがほとんど語られず、
出会ってから一ヶ月後からが主なのですが、
直接的に描かれないことで逆に気になり色々と想像したりしましたし、
これから先どうなるのかも楽しみになった作品です。
(11/2)

 

花神 プレイアブルデモ version 0.1 2008年夏コミ告知配布版/Number8

伯父の家に滞在することになった名賀野緋色。
そこには伯父夫婦と二人の娘が住んでいて、
周囲の桜は一年を通して咲き続けているという場所だった。


選択肢なし、桜、三十分足らずで読み終わりました。
バックログ未実装、立ち絵未実装などまだ付いていない機能が多いです。
タイトル画面の舞い散る桜や背景の写真の多くは綺麗なものが多かったです。

この体験版では最初の一日を読むことができますが、
半分くらいのエピソードはカットされているとのこと。
なのでまだ把握できない部分が多いですし、
伯父さんによる式神の講釈が結構長くてややダレました。
ただ、なんとなくですがグラフィック以外でもセンスを感じさせる作りで、
完成したら読んでみたいなと思いました。
(11/4)

 

学園ミステリ(仮) 体験出来ない版/鶏工場

第二新聞部に所属する漆戸陽介。
定期テストが終わった日、彼は取材に出た部長に会いに生徒会の会議室へと向かった。


選択肢なし、ミステリ、十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
体験できない版ということで立ち絵などは未実装。
ただタイトル画面の女の子はなかなか可愛いです。

タイトルにミステリとありますが、今回のものではその欠片も出てきません。
友人や先輩との普通の学園生活のみ。
コメディ部分でくすっと笑える部分はあったものの、
台詞を誰が喋っているのかがわかりにくいところが気になりました。
(11/5)

 

鈴の音が聴こえる 体験版β(18禁)/SCAR

幼い頃の事故で半身を失った織田幹也。
妹のめぐみは同じ事故で魂が人形の中に入り込んでしまった。
それでも二人、何とか暮らしてきたが、ある日を境にその日常は崩れ去ってしまった。


選択肢あり、伝奇、五時間足らずで読み終わりました。
システム面ではバックログに移るときの切り替えが遅いですし、
立ち絵が変化するとき文章が一旦消えて、そのときのタイムラグも結構気になりました。
絵は斜めを向いた立ち絵に良いものが多かったですが、
正面や一枚絵は違和感を覚えるものがありました。

同級生に連れられていった場所で化物に遭遇したことから、
幼い頃の事故で知らず手に入れていた力に覚醒し、化物と闘うことになります。
この体験版では20話まで読むことができますが、
これからラストバトルかもしれないくらいに話が佳境に入ったところで終わります。
最初の内は幹也が自己中心的で一人で背負い込むところがあって好きになれませんでしたが
話が進むにつれあまり気にならなくなりました。
印象に残ったのは委員長こと九条木葉の健気さ。
もう、頑張れ女の子!と応援したくなるくらいに幹也と仲良くなるためあれこれ奔走していて、
幹也の反応に一々一喜一憂するのが可愛かったです。
システムに不便なところがあるものの、
終わり方が終わり方なので生殺しに近くてこれからどうなるのか気になる作品です。
(11/6)

 

錬電術師 -HexaQuarker- 第二章 infinite_routine(18禁)/不機嫌亭ゲーム班(1000円)

あらすじは
おすすめページ参照。
第二章は選択肢あり、一部ボイス有、十五時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
第一章は入っておりませんのでご注意を。
システム面ではCG鑑賞、シーンリプレイが追加されています。
あとバックログがゲームを終了したりしてもセーブデータに保持されるようになったのも有難いです。
一枚絵は差分含め七十一枚。
立ち絵含めデフォルメもシリアスも良かったですが、体つきで一部違和感を覚えるところもありました。
OPムービー二種、歌は三曲あり。
それから第一章からありましたが、要所で入るボイスが印象的でした。
基本的に私はノベルゲームに
ボイスはないほうがいいと思っているのですが、
多用せず重要な場面のみで、あまり長くない台詞ならば、
ストレスなく、かつ強い印象を持たせられるのだなと実感しました。
あとロージィの流暢なアイキャッチボイスもお気に入りです。

話は第一章からの続きから始まります。
詳細は書きませんがそこからの展開が面白いなと思いました。
それにくろえ姉やりんねちゃん、ロージィなど立ち絵初登場のキャラクターも加えて
第一章に負けず劣らず想いを感じさせるシーンがあって嬉しくなりました。
ルートではひまわりルートのらぶらぶと最後の切なさがお気に入りですが、
メインルートも本当にいいところで「続く」になっていて、
最終章への期待がいやがうえにも高まりました。
おすすめです。

ただあまりそういう人はいないかもしれませんし、
実際そういう立場でないので間違っているかもしれませんが、
第一章を読んでいなくて第二章から始めるとわかりにくそうな部分があるので、
(私も忘れていて、これどういうことだっけ?と第一章を読み直すことが何回かありました)
やっぱり順番に読んでいくのが良さそうな気がします。
(11/9)

 

Tiny 〜first volume〜/IndustrySiX(500円)

夏休み最後の日、滅多に人がいない丘の上で黒須寛太はクラスメイトの御島沙織と出会う。
それまでクラスの女子とは接点のない日々を送っていたが、それをきっかけに話をする人が増えていく。
しかしそうした楽しい日常に影を落とす出来事が起こった。


選択肢なし、日常、オカルト、一時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システム面ではスキップが遅めですが、
最後まで読み終えるとシナリオジャンプモードが使えるようになるのでさほど気になりませんでした。
絵は登場人物によって若干差があるように思えました。詠美と佐智子は可愛いです。

この〜first volume〜では基本的に日常で、最後におかしな出来事に遭遇します。
一日の終わりなどにニュース番組が放映されるのが特徴的。
普通のニュースもありますが話に関わってくるものもありました。
文章は言い回しが少し重たいというか硬いというか、でテンポが良くない箇所もありましたが、
最後の出来事の場面ではそれが逆に不気味さを後押ししていて結構怖かったです。
それから主人公は相手への気配りができて、それが遺憾なく発揮されてる修学旅行のシーンを読むと、
こんな皆が笑える日々が続いてほしいと素直に思えました。
前半は退屈でしたが、後半は良いと思える部分が多かったのでこれから先も読んでみたいです。
(11/10)

 

CAIN+α C74版(18禁)/非時

大量児童失踪事件「大神隠し」から唯一生還したもののそれまでの記憶を失ってしまった御菜雨 霙。
それから十四年後。魔女で探偵な幼女からの依頼で調査をしているところを何者かに襲われてしまう。
瀕死ながらその場を逃れた彼を助けたのは、記憶を失う前に関わりがあったらしい少女だった。


選択肢あり、伝奇、二時間足らずで読み終わりました。
システム面は右クリックメニューから通常画面に戻ると表示されていた文章が消えてしまうことや、
ほとんど行ごとではなく一ページごとの表示で、ウエイトが多用されているのが読みにくかったです。
絵はあまり上手いとは言えませんがぷにっとした感じで可愛いです。
あと一枚絵をスクロールさせる演出が良かったと思います。
音は一切なし。

この体験版では少女、外乃宮 丁と出会って二日間を過ごしたところで終わり。
体験版のほかに少し以前の出来事を描いたミニシナリオも収録。
どこかで聞いたことがある設定や用語が多いのが気になりましたが
丁とその家族の暖かさはしっかり伝わってきました。
ただ、それ以前にテキスト表示形式の読みにくさが目立った作品でした。
(11/11)

 

満月の夜にボクハナク 体験版/composition

高校二年生になったばかりの大野修は彼女の芝さゆりに一緒にゲームを作ろうと持ちかけられる。
果たしてコミケまでにゲームは完成するのだろうか。


選択肢あり、学園恋愛、ゲーム制作、十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではチャイム音が鳴っている間は操作不可なのが面倒です。
絵はふわっとした感じの絵柄。ただ全体的に明度が高すぎて眩しいです。

この体験版では二日目の朝、ゲーム制作を持ちかけられるまでを読むことができます。
BLルートもありとのこと。
ゲーム制作という設定は面白そうではありますが、
文章が淡々としすぎていて興味を惹く場面がなく、
機械的にさっと読み進められてしまったことが気になりました。
(11/13)

 

われてもすゑに 体験版/しろくろふくろう

科学の発展で次第に魔法が使われなくなっていった世界。
数少ない魔法教育を主体にしている月草学園に所属する琉緒は
一年間の留学から戻り旧交を温めるのだった。


選択肢なし、学園恋愛、ファンタジー、魔法、十五分足らずで読み終わりました。
システム面では今のところセーブや文章速度変更ができませんが完成版では実装されるとのこと。
絵も今のところアイキャッチを除き写真背景のみ。

この体験版では冒頭部分のみを読め、
その中でも官房長官と総理がなにやら不穏なことを行おうとしているシーンと、
琉緒が月草学園に戻ってくるシーンの二つに分かれています。
それぞれの時間的な繋がりは不明。その他まだよくわからない部分も多いです。
完成版では学園恋愛がメインになりそうで、
そちらのシーンも再開時の感慨が伝わってきて良かったですが、
前者のたくらんでいる感が満載のやりとりは
こちらがメインでも面白くなりそうな印象を受けました。
(11/15)

 

Tears of Soul 第1章/サークルLPF(ローパスフィルタ)(500円)

両親を亡くし、クラスメイトの女の子、翠の親が持っているアパートに住むこととなった大木月樹。
それがきっかけで翠と親しくなり、また振り回されていた彼だが、
街では連続自殺事件や大量失踪事件が起こっていた。


選択肢なし、伝奇?四時間と四十五分ほどで読み終わりました。
システム面はロード時にセーブしたところではなく
かなり前から始まることがあるのがやや気になりました。
絵はややくせがありますが印象に残りました。
ただ立ち絵の縁の処理が甘い所が結構ありました。

今回はプロローグと第一章を読むことができます。
プロローグでは人から人へ感染し、多くの人を死に追いやってしまう現象「感染症候群」を
食い止めようとしている少女、一葉梗の視点で二日目の夜までが読め、
一章では「感染症候群」を引き寄せる体質を持った大木月樹の視点で
一日目から今回の事件の解決までが描かれていきます。
「感染症候群」の理不尽さがたくさん説明・描写されていて、
その原因不明ゆえの不安感、無力感が伝わってくるところは良かったですが、
それだけに根本を解決せず問題を先送りにしただけで
一件落着になってしまったラストは腑に落ちないものが残りました。
(11/16)

 

ぼくらのフィルムノワール夏コミ体験版/フィルムノワールプロジェクト

中学三年生の森下あさみは所属する陸上部の100m走代表の候補に選ばれた。
その日の部活終了後、忘れ物を取りに教室へと戻った彼女は、
教室とトイレでなにやらわけありなクラスメイトと遭遇する。

いまのところ選択肢なし、青春サイコホラーとのこと、二十分足らずで読み終わりました。
システム面ではYuuki!Novel製ですが、完成版では吉里吉里になるとのこと。
絵はあさみの無表情顔と陽菜のたくらみ顔がお気に入り。

この体験版ではあさみがイジメらしき出来事を目の当たりにし、
色々迷いつつも助け舟を出した日の夕方までで終わり。
サイコホラー要素は現時点ではありません。
イジメを受けている久我沼漣は少々頭の弱い子なのですが、
そんな人とある程度の期間クラスメイトでいるのに
あさみの印象に残っていないというのはちょっと違和感を覚えました。
ただ、イジメを受けている側がそれをイジメと受け取っていないことがあるのは
ある意味ホラーだなぁと薄ら寒くなりました。
サイコホラーという面では未知数ですが、体験版内の人間関係の設定や文章は悪くない作品でした。
(11/17)

 

綺麗な死体の作り方 体験版/AGC Wonder Factory

交通事故で死んでしまった樫本裕紀だったがその後見知らぬ場所で目を覚ました。
そしてその場にいたケイと名乗る人物から、
天国へ行くか地獄へ行くかの試験を受けてもらうと言われたのだった。


選択肢なし、死後の世界、二十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は筋肉質でやや濃い目の絵柄。

この体験版では試験を開始するところまで読むことができます。
なので何故試験を受ける必要があるのかと試験の内容の説明がほとんど。
その試験内容も目的だけしか告げられていないのでわからない部分が多いですが、
この先どんなことが待ち受けているのか気になりましたし、
ケイとのやり取りはすんなりと読めました。

過去の作品感想:
視線
(11/19)

 

TearDrop 虹人の思い出 体験版/Timid Limit

神前帝は友人達とごく普通の生活を送っていたが、どこか空虚な思いを抱いていた。
それは三年前に幼馴染が死んだ影響だった。
そんな中、夏休みを迎えた彼は、信じられないものを目の当たりにする。


選択肢あり、幼馴染、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面は選択肢がかなり多いのにセーブ数が少なめなのがやや面倒。
絵はあまり良いとは言えません。
音楽は今のところなし。

この体験版は夏休み前の三日間と夏休み当日までを読むことができます。
今後のことに興味を抱かせるラストは良かったですが、
全体的に説明不足で、登場人物が勝手に話を進めてしまい
読み手に状況が伝わってこないのが気になりました。
あと主人公はともかく、友人の名前がやたら難しくて覚えにくいです。
そういうのはマイナスでしかないと思うのですが……
(鎌祇孜翠(カマギシ スイ)、霞風川淦(カフカワ アカ)等)
(11/20)

 

black history体験版/アイネガティヴ

無職の村上ミノルはかつての同僚から人探しの依頼を受ける。
それには案内役としてスミカというなの小憎たらしい少女がついてきたのだった。


選択肢なし、近未来?三十分ほどで読み終わりました。
システム面ではセーブできず、また既読などの履歴も残りません。あと音楽もなし。
絵は立ち絵のみ。素朴な感じの絵柄です。

巨大な「センター」という建物の中で行方不明になった子供を探索するという話らしく、
この体験版では探索を始める経緯と、探索を開始してから少しを読むことができます。
スミカに翻弄されるミノルの情けなさは可笑しかったですが、
主人公の思考がかなり大量に描写されているわりには
舞台設定などの説明がほとんどなく置いていかれる感がありました。
(11/21)

 

みかんのこっくさん 体験版DISC/fc_megabu

私立リール学園二年生の明神凪のクラスに三人の転校生がやってきた。
三人とも見た目はいいのにちょっと変わった女の子。
しかし、同じクラスで過ごすうちに仲良くなっていくのだった。


現時点では選択肢なし、学園恋愛、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面では色々と設定変更が可能で便利でした。
絵は可愛いものもありますが、ちょっと違和感を覚えるものも。

この体験版ではキャラクター紹介、あらすじ、デモシナリオを読むことができます。
デモは最初からではなく転校生三人とすでに親しい友達になったあとの一幕。
三人と男友達二人の六人でいるときの居心地の良さは伝わってきましたが、
最後唐突に終了してしまってびっくりしました。
また地の文が少なめで会話メインなのにテンポがあまりよくないのも気になりました。
(11/22)

 

 

(同人ソフト番外編・その他)

Ringlet Fantasy/Project Ringlet(700円)

九月のある日、高校二年生の主人公は友人の上路璃瀬やヌワラ セロン、ルフナ セロン兄妹らと日々を送っていた。
文化祭を間近に控えた九月のある日、出し物の準備中に璃瀬が買出しに付き合うように言ってきた。
そこから物語は始まる。


選択肢あり、哲学的雰囲気系ノベル+とのこと、五時間ほどで読み終わりました。
この作品単体でも問題なく読めますが、
Ringlet本編との接点もあるので、Ringletを読んでいればより楽しめます。
システム面は名前入力必須なのですが、「はじめから」を選ぶたびに名前を入力しなければならなかったのがやや面倒でした。
それ以外は特に問題なし。また、Ringletにもありましたがおまけモードが凝っています。
絵は立ち絵と一枚絵を違う方が描かれているため多少違和感を覚えました。一枚絵は六枚+差分。
立ち絵のほうが好みの絵柄ですが、一枚絵は山場で印象に残りました。ただパンツは別に見せる必要ないと思いましたが。
音楽は控えめな曲調のものが良かったです。

バスケ部で行動的な上路璃瀬と、陸上部で引っ込み思案なルフナ セロンの二ルートがあります。
基本的な流れは二つのルート共に同じで数日間の物語。
シーンとシーンの間がぶつっと途切れているように感じられることが気になりました。
もう一言二言次のシーンに繋がる文章がほしかったです。
それから内容に関わることなのでどこがというのは伏せますが、
なにかと都合が良い話なので人によっては納得できないかもしれません。
私としてはその都合の良さや、今回は違いますがかれんルートのような
起伏の無さも徹底すれば長所になると感じているので楽しめました。
特にお店で食材等を吟味するシーンが面白かったです。
また、ヒロインと二人きりでの会話には心地よい雰囲気がありました。
自分もこの世界で彼等と過ごしてみたいと思える作品でした。
(8/19)

 

どヴぉん@マクスウェルの悪魔(18禁)/WoS(100円)

クラスメイトの小池の策略で三浦哲司はどヴぉん大会に巻き込まれる。
途中からさらに参加者が増えたこの大会、勝ち残るのはいったいだれになるのだろうか。


選択肢なし、カードゲーム、ノベル部分は二十分ほどで読み終わりました。
マクスウェルの悪魔の番外編。
システム面は特に問題なし。
絵は勝利時のごほうび一枚絵がありますが、ほとんどが本編などからの流用。
音楽は月下点がやっぱりいい曲です。

カードゲーム部分は、
ドボンにローカルルールを追加したもの。
ストーリーを進めるだけなら最下位にさえならなければいいので、
相手にどヴぉんされないようになにもせずドローだけしていれば
少なくとも三位通過はできるので(張り合いは無いですが)簡単。
しかし、ごほうび絵を見るために積極的に勝ちに行こうとするとかなり難しいです。
短時間での計算や判断力ではAIの足元にも及びませんでした。
とはいえ全く勝てないわけではないので悪くないバランスだと思いますし、
操作性やテンポも良く、さくっと遊べるカードゲームです。

ストーリーは本編の後の話。すぐに終わってしまうので物足りない部分もありますし、
ちょっと真っ当とはいえないかもしれない現状の中でしたが、
それでもみんなが仲良くしているのが嬉しかったです。
(8/20)

 

オニトリ+plus(18禁)/猫丸堂(1000円)

おすすめ

過去の作品感想:
禽ノ哭ク刻やんデレ
(9/23)

 

SecondRestart先行版 −恋の芽生えたとき−/そらのなまえ(500円)

高校一年生で美術部の卯咲織江は今描いている絵が上手くいかず悩んでいた。
そこに的確なアドバイスをしてくれたのが友人の幼馴染である小町拓也。
しかし織江は極度の男性嫌いのためパニックになってしまうのだった。


選択肢なし、恋愛、三時間足らずで読み終わりました。
システムは特に問題なし。
絵はかなり可愛いです。また終盤のカットインを使用した演出も良かったです。一枚絵は八枚+差分。

この先行版ではキャラクター紹介と
本編の八ヶ月前の出来事を描いた「恋の芽生えたとき」を読むことができます。
「恋の芽生えたとき」は本編の主人公とメインヒロインの出会いの話。
織江の引っ込み思案で後ろ向きで上がり症なところがとことん描かれていて、
その細やかさはすごいですし、そういった描写のおかげで山場がよいものになっていました。
ただそれ以上にうっとうしいです。
うじうじして何もしないか逃げ出すか諦めるかの連続で、
山場に辿りつく前に印象が悪くなってしまいました。
小町にも後ろ向きな部分はありましたがこちらはそこまでひどくなくて、
自然に気遣いやフォローをしているので格好良かったです。
ただ本編の冒頭で彼は階段から落ちて記憶喪失になってしまうとのこと。
今回の話はめでたしめでたしでしたが、素直に良かったと言えないところです。

過去の作品感想:
ツンデレをおとす100の法則(仮)
(9/26)

 

My sister Your sister - Variety gift -/リリアンモード(800円)

My Sister Your Sister関連のもろもろを詰め込んだお祭りディスク。
新作ムービー十分を含む約四十分のムービー、ミニシナリオ三本
過去のwebラジオ、ボイス収録時のNG集、ムービー設定資料集などを収録。フルボイス。

体験版のときの次回予告を初めてみたのですが、
完成版と比べるとずいぶんおとなしめで、
ああ制作しているうちにエスカレートしていったんだなぁ、と。

ミニシナリオは全部で四十五分ほどで読み終わりました。
まりんの双子の妹つばさのちょっといい話、
My Sister Your Sister2への前フリ、
本編の隠しキャラと死ね死ねツインズが中心のおバカ話の三本。
一番最後の話が、少々悪ノリしすぎな感はあったものの笑えました。

あと新作ムービー、ミニシナリオ共に主人公のまりんとひかるの出番が皆無でした。
なのでもしかしなくともMy Sister Your Sisterの主人公は悠理だったのかもしれません。
(9/29)

 

 

(漫画)

BERLIN1933-1945/えげつないやん家(B5/18P/?円)

第二次大戦のドイツ本。
エアハルト・ミルヒとハインツ・ブラント中心。
なんだか今回はいつもほど面白くなかったです。
もっとも、笑える箇所はしっかりとあるのですが、
普段が面白すぎるのでどうしてもハードルが高くなってしまいます。

過去の作品感想:
昭和日本軍の本
(8/30)

 

SCHOOL LIFE CASEBOOK blue book/CLOCKWORK HEARTS(B5/42P/500円か600円)

女子校生たちの日常を描いたシリーズの三冊目。
「透明に融ける」と「解熱」の二編を収録。
どちらも同じ高校の弱小野球部を応援している人たちの話。「透明に融ける」はチアと記録係、「解熱」はブラバン。
高校野球の応援をしている女の子ってすごい魅力的ですよね。そんな女の子達が描かれていました。
ただ「透明に融ける」のヒット一本で女の子が大喜びして涙流すシーン、
スコアボードの描写はあれど説明はないので野球をよく知らない人には喜ぶ理由が伝わらないんじゃないかなと気になりました。
(ノーヒットノーランされてて大差負けコールド寸前の2死からのヒットでした)

どうでもいいですが私、関係者でもないのに智弁和歌山の校歌歌えます。
(9/4)

 

(小説)

ハッピー・アクア/Arrow(A5/76P/400円/コピー本)

水野瞳は美人だがオヤジのような性格でいつまでたっても彼氏ができない。そして生きた魚が極度に嫌いだった。
しかし職場の後輩である伊藤美里からアクアリウムを始めたいがどうしたらいいかと相談を受け、
幼馴染でそういったことに詳しい川下武を紹介したのだった。


水槽を設置し、水草や魚を育てるアクアリウムを中心とした話。アクアリウム入門書的な面もあります。
飼育環境を構築していく手順や、注意点なども細かく具体的に書かれているのですが、
そのために説明台詞が長く、くどくなってしまいがちで物語の流れが滞りがちなのが気になるところ。
それに美里がアクアリウムを始めるきっかけは軽い憧れ程度なのに
(実際にはもう一つ理由がありますが、それにしても)初対面から武が膨大な説明をして面倒な作業をさせるので、
普通投げ出すだろう……と思ってしまいました。
ただ自由奔放な瞳、可愛らしい美里、甲斐甲斐しい武の三人の関係、やりとりは面白くて
特に最終章での酔った瞳と美里のやり取りはとても微笑ましかったです。

過去の作品感想:
the One ―ただ、唯一の空の海恒例夏のサンタ狩り冬の向日葵そらのはしご
(8/30)

 

呑気な冒険者たち11 大天幕に響く哀歌/WIND工房(文庫版/340P/400円/コピー本)

エルフなのに精霊を見ることも操ることもできないが凄腕の傭兵リッツ、
見た目は少女、実年齢三十歳でハーフエルフ疑惑あり、魔法と大食いが得意なアンナ、
剣も魔法もまだまだ、特技は節約、傷つきやすい青年フランツたち三人の珍道中。
本編の後日談「突撃!王都の晩ご飯7 誕生日祝いはゴージャスに!?」も収録。
総集編1の感想は
こちら
4〜7巻の感想は
こちら
9巻の感想は
こちら
10巻の感想は
こちら

今回は火の一族に会うため紆余曲折の末に曲芸団の団員になってしまった一行の話。
そしてフランツとその妹コンスタンツェの確執と一行の行く手を邪魔する者との出会いなどが中心。
10巻では高飛車なところが多かったコンスタンツェですが今回はいじらしい面が沢山あって可愛かったです。
そんな彼女につらく当たったり無視するフランツを殴りたくなりました。
まあ、フランツの成長がこのシリーズにおいての重要なファクターでもあるようなので、
彼はその途上な分毎回色々な醜態をさらしてます。
あと後日談ラストの爆弾発言としっかり聞き耳立ててた周囲の場面でその光景が頭に浮かんで笑いました。

……今回せっかく火の国が舞台なのにサラ(ちびサラマンダー)の出番がほとんど無かったのですが、この先活躍はあるのでしょうか?

過去の作品感想:
短編テーマシリーズ総集編1 がらくた箱
(9/4)

 

オマケ・ノベル第七号/オマケ・ノベル準備会(A5/234P/500円/コピー本)

「ラブラブ」をテーマにした小説を
べにたぬきの砥石大樹さん、
サカナ・ノベルの川獺右端さん、
トラウムブルグ7番地のポチくんさん、
半端マニアの木緒なちさん、
キトゥンズの大地こねこさん、
さくらミントの甲二さん、
雲上回廊の秋山真琴さん、
debrisの森皿尚行さん、
ibisのたれたれおさん、
LEANGATEの斎川塔人さん、
やまいぬワークスの広川伊砂緒さん、
以上の各同人ソフトサークルのシナリオライターさんが書かれています。

オマケ・ノベル第四号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第五号の感想は
こちら
オマケ・ノベル第六号の感想は
こちら

各作品の詳細なあらすじは
告知ページ参照。

今回は面白くない作品がなく、逆にすごく面白いと言えるような作品もなかったという印象。
そんな中で一番良かったのは広川伊砂緒さんのオタクな二人の馴れ初めからを描いた作品「三月に架ける橋」
ドキドキして平静ではいられない場面の描写が本当に相手が好きなんだなとひしひし伝わってきて、
ラブラブというテーマを一番素直に直球ど真ん中で表現した作品でした。
ただこの二人遠距離恋愛になったら別れそうな気がします、と身もふたもないことを言ってみたり。

次点は木緒なちさんのテニスの大会で再開した二人の話「0―0(ラブオール)」
こちらは逆にテーマを捻った作品で、過去を経た上での現状が容赦なくさらけだされ、
そんななかで最後にあるちょっとした救いが光りました。
あとさりげなく大崎くんがいい味出してます。
(9/11)

 

人形/天空の遺跡(B6/116P/無料)
人形 巻の弐/天空の遺跡(B6/76P/無料/コピー本)
人形 番外編/天空の遺跡(B6/20P/無料/コピー本)

平和とも戦乱ともいえぬ危うい時代。
召喚と反魂を使う人形師によって造られた人形は、多くの魔法を使いこなすことができ権力者などから重宝されていた。
そんな人形であり、根無し草な生活をしていた丹汀(にの みぎわ)は
ある出来事から見ず知らずの赤ん坊を育てるはめになってしまった。


和風ファンタジー。人形なのに魔法を使いたがらない(理由は面倒くさいから)汀と、
彼に拾われた間直澪(まじか みお)が各国を放浪する中で事件に巻き込まれてしまうという物語。
第一巻では澪が一歳のとき、二人が出会った話、四歳のとき、南の国で大きな声で鳴く化け物を退治する話、
六歳のとき、澪が病に倒れてしまう話の三本。
第二巻では一歳半のとき、立ち寄った国で鳥のような式神が大量に現れた話。
番外編はサブキャラクターの過去の話。

「神無き世には人知れず」のようにまぎらわしい名前はありませんでしたが、
それ以前に人名なら箍深筝乎とか訪呵邑芝とか、国名なら庚嗣とか葉茅とか、
年号なら智貴庚環とか紫戴とか、読みにくいものばかりで戸惑いました。
主人公二人がまだ普通の読み方なのが救い。
そんな感じでもっと一般的な名前をつけてほしいと思ったものの、
お人よしな汀が、最初澪を里子に出してもいい家を探すつもりだったのに、
一緒に旅をするうちに離れがたくなってしまう気持ちの動きや、
澪の汀に対する信頼や気遣いが暖かかったです。

過去の作品感想:
神無き世には人知れず
(9/22)

 

こもれび/ぶらんくのーと23.4ド(文庫版/204P/600円)

宇宙人を信じ宇宙人捜索部を立ち上げた大学生の東条紅葉。
部員一人という現状を打破しようと勧誘をしていたところ、
紆余曲折あって天文部の面々と知り合いになったのだった。


「ひまわり」の過去、大学時代の大吾、明、明香里、それに紅葉を描いた作品。
四人でわいわいやっているシーンが分量は多いものの、
それぞれが内に抱えているものがあるからか本当には楽しめなかったように思えました。
でも語り手である紅葉(と大吾)がその後あのようになってしまうことをわかっているので
楽しかったり、真剣だったりする心理描写がやるせなかったです。
あと結局アリス財団関連のことは謎のままでしたが、続編はないようなことが書かれていてモヤモヤしました。

過去の作品感想:
ひまわり
(9/27)

 

帰れずの娘ヒイラ 3 姫死と舞姫/霊幻樓(A6/82P/600円)

おすすめ
(11/12)

 

 

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