スタジオ紅憧
HP

サークルについて

18禁のゲームやグッズを作成されているスタジオ赤憧さんの全年齢ブランドで、
オリジナルノベルゲームを制作されています。

 

作品

Life School(DL版の購入はこちら)

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2008/8

価格

1000円

年齢制限

なし

特徴

命の学校、廃村、過去

選択肢あり、ルートは四つ。エンディングは七つ。九時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
バックログ、表示速度変更、既読/全てスキップ、オートモードなどがあり、
パッチを当てればCG閲覧ができるようになります。カットインは八十六枚+差分、一枚絵は十枚+差分。
セーブデータは90個まで保存可能です。

 

あらすじ

仕事がうまくいかなくても、受験に失敗しても、人生に挫折しても、人は生きて行かねばならない――
場所はとある自殺の名所となっている樹海。
そこでたびたび目撃される、金髪碧眼にショットガンを持った少女の幽霊。
会社をリストラされた元派遣社員、学校教師になる夢を捨てきれない青年、直村達貴は
興味本位も相まって、そんな少女の幽霊に会い、恋に落ちるという妄想を実現するために樹海を訪れる。
しかし、そこで出会ったのは死にきれずに生き延びてしまった自殺志願者達。
彼はそこで、生きることとは何かを共に学び、彼らの自殺を止めようと頑張る事に。
思い切り笑って、思い切り泣いて、誰かを愛して、時に傷付いて。

少しだけ悲しくて少しだけ温かい。
樹海の中にある、誰も知らない小さな学校の夏物語。
ライフ・スクールが始まる――

(サークルHPより)

 

この作品について

本当に死にたいとは思っていないけれど生きていく気力がなくなってしまった人々を、
馬鹿で馬鹿正直で弱くてまっすぐな達貴が先生として生きようとさせる話。

システム面は選択肢でセーブできません。
ただ作中で生きていくことはリセットが効かないとかやり直せないとか
書かれている箇所がいくつかあるので意図的なのかもしれません。
絵は立ち絵にカットインが挿入され、要所では一枚絵という形式。
好感の持てる絵柄で話に合っているように感じられました。カットインも多彩で目に楽しいです。
また身長差がかなりあって、全員揃うとメッセージウインドウに隠れたり、画面上にはみ出たりする人が出てきます。
そういう場合はフキダシで画面中にその人の表情が出るので問題ないのですが、
メッセージウインドウで丁度半分に顔が切れてしまう人の表情はフキダシが出なくてわかりにくかったです。
あと特徴的なのはカットインが全てCGモードで見ることができることと、後姿の立ち絵が結構あることでしょうか。
音楽は目立たないですがどのシーンにも合っていて良かったです。

生死に関わっている話なものの、日常シーンはかなりコメディ色強め。
時事ネタやネットスラングネタも結構あって、時期や人を選ぶ部分はありましたが、
廃村の学校でのドタバタはとても楽しかったです。

そうしたノリの多くを担っているのが主人公の達貴で、
冒頭のリストラされるシーンでのふざけっぷりはかなり印象が悪かったですが、
読んでいくにつれてそれを塗りつぶすくらいの馬鹿さとまっすぐさに好感が持てるようになりました。
また、ただ正論を吐くだけでなくそれを実行したり、状況によっては非情になったり、人前で弱音や涙を素直に出せたりして、
とても弱いけれどすごく強い、本当に魅力的な主人公でした。

自殺志願者達が抱えている過去は、回想という形で明かされます。
それぞれ千差万別でどれも説得力のある話でしたが、拓也、朋香、春名の過去にぐっときました。
特に拓也さんの覚悟を決めて心の内で謝りながら勝負に臨むシーンが良かったです。
シナリオでは朋香ルートがお気に入り。回想の入るタイミングが一番話の流れに合っているように感じられました。
また他のシナリオでも恋愛シーンはとても甘いですが、朋香ルートはそれに輪をかけて甘いです。
二十六歳であんな過去がありながらにゃんにゃん♪とか可愛すぎる……!

楽しい日々、それと対照的な辛酸を嘗めた過去。でもそれでも生きていく。
作中にあるように「哀れで、惨めで、けれど最高に格好いい」作品でした。

 

 

トップへ戻る      一つ前に戻る