2008年同人ソフト感想リスト

プレイ順です。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

完成版  体験版  その他

 

 

2008年コミティア・その他同人ソフトのまとめ・雑感

2008その他同人ソフト

特におすすめ
ですろり〜イノチ〜/機械式少女

おすすめ
完成版
僕のこと彼らのこと/J-am
悪の教科書/さんだーぼると
黄昏の白い靴/DreamFactory

おすすめ続き物
八月の殉教地 黒い聖母篇(18禁)/月臥丘書寮

おすすめ以外で面白かった完成版
酷罪を受けるべき者/agony
Dear world -the one-/non color
Nと言う名の男、Bと言う名の女/agony
御伽噺食堂/Inverse Kinematics
あやかしよりまし逢魔/冒険野郎のトムソーヤ
リミットレスビット 〜王国の勇士たち〜/犬と猫
ゴス道の乙女たち/01-Torte
[Rensa]/荒磯の巌

期待の同人ソフト以外で完成が楽しみな体験版・続き物
ミッドナイトヴァージン/ミッドナイトヴァージン
ゴスデリ 体験版/PBP
EDEN -最終戦争少女伝説- OVERTURE ver1.00/LAST WHITE
コトノハデカダンス ver6.11/スロウスターター
CD−Manatsu/小倉ハムスター

その他面白かった同人ソフト
HeavensGate -Less Moon- Ver1.20/Outcast

他に完成版では「かのxかの」「真説 雪月夜話[焔連鬼来]
強姦獣 〜狙われた11.1学生〜」「奥様は惨殺少女」「ヒノカケラ」「すべてがウソになる
My Sister Your Sister」「架空の境界 -hallucination-」「DOREAMY」「今宵サンタは街角で。」「くるくるぱおーん
部分的に完結しているものでは「
いのちのシルエット
完結はしていないですが章仕立てのものでは「
都市伝説怪異譚 黄色く踊る救急車」「CD−Lime」が良かったです。
体験版では「
御伽噺食堂 体験版」……もう完成版出てますが。
番外編では「
風雲相討学園ポテト」「聖スミス学園帰宅部活動日誌
女性向完成版では「
誘蛾灯

絵では「
僕のこと彼らのこと」「御伽噺食堂
完結はしていませんが「
ミッドナイトヴァージン」「都市伝説怪異譚 黄色く踊る救急車
絵ではなく写真が印象的なのは「
ほんとにあったかもしれない怖い話「猿夢」」「カイダン実ハ。
システム関連では「
ゴスデリ 体験版」が至れり尽くせりでした。
演出では「
御伽噺食堂」「ゴスデリ 体験版」「八月の殉教地 黒い聖母篇

話の構成が印象的なのは「
ムに。」「ゴス道の乙女たち」「[Rensa]
ムービーは「
My Sister Your Sister」「ゴス道の乙女たち」「くるくるぱおーん」「八月の殉教地 黒い聖母篇」が目を惹きました。

音楽は「
黄昏の白い靴」「八月の殉教地 黒い聖母篇
歌は「
図書室のネヴァジスタ THE FOOL」の挿入歌「月に踊る」がとてもお気に入り。
八月の殉教地 黒い聖母篇」のOP「Requiem」ED「星をみる人〜Seeds of Stars」も良かったです。

今年最後の更新です。完成版で上に名を挙げた作品が多いように、良い話にめぐり合うことが出来ました。
一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
(12/31)

 

(完成版)

僕のこと彼らのこと(BL12推)/J-am(2000円)

おすすめ
(3/18)

 

誘蛾灯(BL)/睡眠忘街(1000円)

昭和初期、有賀(ありが)町で夜燈と幼馴染の少年、姫蝶、
それに大財閥の娘、燐は日々を送っていた。
町では連続猟奇殺人事件が起こっていた。


選択肢あり、昭和ノスタルジック伝奇とのこと。九時間半ほどで読み終わりました。
何回かクリアすると新しい選択肢が追加されて異なるルートへ入れるようになります。
システム面では起動からタイトル画面で操作できるようになるまで結構長いのが気になりましたが、
体験版で書いた既読判定はしっかりとされていましたし、それ以外も特に問題ありませんでした。
絵は水彩っぽくて線が細い独特の絵柄ですが、話に合っています。
フォントは
idfontが使用されています。

話はある出来事から連続殺人事件について調べることになった主人公が、各登場人物と関わっていきます。
恋愛描写はほとんどありません。
伝奇とありますが不思議な出来事などは起こらず伝承が背景にあるといった程度のもの。
また犯人探しなども行われていますが、全て解決しようと推理すると肩透かしになるかもしれません。
ミステリではなく、それぞれへの想いやそれを受けての行動を描くことがおそらくメインなので。
体験版でも感じましたが夜燈に色々問題があります。
それが(愚かなほどの)純粋さとして各人に愛されているのですが、あまり同意できないところでした。
ただ、姫蝶ルートの最後ではそれに物事を受け止める強さが加わっていて、
その夜燈ならば姫蝶が好くのも頷けると感じられました。
樹場さん、揚羽さん、朽葉さんの大人陣営の腹に一物あるやりとりも見所。
文体や絵から醸し出される懐かしくてどこか危うげな雰囲気のもと、
絡み合う想いが丹念に描かれていた作品でした。
(3/19)

 

酷罪を受けるべき者(18禁)/agony(1000円)

恐喝やいじめをし、その被害者を見下していた少女、尾藤あゆりは、
ある日いじめていた相手に橋から突き落とされてしまう。
落下しながら気を失い、そしてふと気付くとそこは異世界だった。


選択肢なし、ファンタジー、残虐、十時間ほどで読み終わりました。
グロ、猟奇な絵、描写があるので苦手な方は注意。
システム面ではバックログデータがすぐに消えてしまって読み返しできないことがあるのが気になりました。
また、誤字脱字誤用などがいくつか見受けられました。
絵は出来にばらつきがあるものの笑顔のてるてこの一枚絵など良いものもありました。

話は異世界に飛ばされた尾藤あゆりがいろいろな目に遭います。
区切りごとに蛇足点と呼ばれる主人公以外の視点から見た一幕が追加されていきます。
「さくっとパンダ」と同じ名前の登場人物がいますが、二作品に繋がりはないとのこと。
現実世界でのあゆりはとにかく嫌な奴で、
突き落とされたのに死なず異世界へいってしまったことを残念に思ってしまうほどでした。
異世界でも最初の方は、色々と悪いことをした人のやむをえない事情を聞いてかばったり、
逆に一切聞かず早く殺せと言ったりその場の感情のみで動くのが気に入りませんでした。
しかし中盤以降は友人や仲間のために力の限り行動していて、
また相手もそれに応えていて好感が持てるようになります。
が、そうなってからの展開はあゆりを打ちのめすものばかり。
確かにいじめなど悪いことはしていたけれど、ここまで酷い目にあうことはないのではないかと思うことしきりでした。
衝撃的なシーンも多く、ラストも容赦がなく、その手を抜かない徹底さが印象に残る良い作品です。

過去の作品感想:
さくっとパンダおじさん
(3/30)

 

かのxかの(18禁)/AMD計画(1000円)

星章学園の二年生になった主人公。
今までどおり友人達と日常を過ごしていたが、
そんな中でもちょっとずつ変化していくこともあった。


選択肢あり、ハイテンション学園恋愛AVGとのこと、ルートは四つ+α、六時間足らずで読み終わりました。
完成版では文章量とそれに伴い選択肢も増えているので
体験版以上にセーブ数の少なさ(10個)が気になりました。
立ち絵は最後まで動き回ります。効果音も多彩で楽しめました。

話は賑やかに毎日を送りながら女の子と仲良くなるも一悶着あって、という流れ。パロネタ結構有。
一悶着の部分やその後の終わり方がややあっさりしていて、起伏が足りないように感じられましたが、
ハイテンションという通りに勢いがあって、笑える部分も多かったです。
体験版で可愛いと思った海奈はやっぱり可愛くて、
基本的に素直になれない分、邪気のない自然な笑顔が破壊力ありました。
あと体験版ではほとんど出番がなかったほたるも仲良くなると色々な言動を見せてくれて可愛かったです。
その他のヒロインにもそれぞれ魅力がありました。

シリアスな部分などでは盛り上がりに欠ける面もありましたが、
その分日常や、ヒロインの可愛さを楽しめる作品でした。
(3/31)

 

ムに。/TRANSPARENCY(フリーソフト)

目が覚めると、浩平は崩壊した世界に佇んでいた。
あてもなく彷徨ううちに、彼はみかという少女と出会う。
たった二人きりの世界。そこに一人の男が現れた。


選択肢一つだけ、終末、幼女、一時間と十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はロリが良いです。主人公含め表情変化は少なめ。

話は記憶を無くした浩平がみかと植物に覆われた世界で暮らすうちに一つの選択をし、それによって世界が変わります。
上のルートは毒のある展開が良かったものの下のルートの方が心情が伝わってきてお気に入り。
ただ下のルートでは植物の形や、その中に入っていたものの意味などがあまり絡まなかったのが気になりました。
とはいえ序盤の突然崩壊した世界に放り出され、色々と知っていく過程は手探りの頼りなさがよく描かれていましたし、
唯一の選択肢によって変化するその後の展開は独自の構成ですごいなと思った作品です。

過去の作品感想:
L正邪闊達竜と人間わたしのせかいぶちころMAGDALELA
(4/7)

 

八目鰻/花を吐く抄女(フリーソフト)

稲荷神社の主である狐様は代わり映えしないお供え物を食べつつ、自堕落な日々を送っていた。
そこへ目刺しを咥えた猫が通りかかる。
お供え物にない魚を見て、狐様は猫にそれが何処で手に入るのかと訊くのだった。


選択肢なし、小噺、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム面は問題なし。
フォントは
しねきゃぷしょんが使用されています。
画面構成は「
死狐様」とほぼ同じですが、今回キャラ絵はタイトルのみで本編には使われていません。
囃子風の音楽が話に合っていました。

話は目刺しよりも上等な魚、八目鰻を求めて狐様が鰻屋と(神様なりの)交渉を行います。
交渉が上手くいかず、ピントのずれた対策を考えて再交渉に臨むことを繰り返すところや、
ラストのオチが落語っぽい印象を受けました。
大笑いするような話ではありませんが、洒落の利いた短編です。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ
(4/8)

 

真説 雪月夜話[焔連鬼来]/Doll's Seraph(1500円)

「神降ろしの儀」の最中に怪異に襲われ、精神を蝕まれてしまった神倉まおを元に戻すため、
修行に出ていた幼馴染、御槌セイシロウが呼び戻される。
しかしその出来事は、大きな陰謀の第一歩に過ぎなかったのだった。


選択肢あり、和風伝奇、十六時間ほどで読み終わりました。エンドはおそらく四つ。
システム面は特に問題なし。
絵は若干ぎこちなく感じるものもありましたが、終盤の一枚絵は良いものが多かったです。

話は闇者と呼ばれる人ならざる者による企みによって狙われるまおを守り、その陰謀を打ち砕くことが目的。
主人公が余計なことを言って事態を悪化させることが何回かあったのにやきもきしましたが、
じわじわと迫ってくる陰謀の緊迫感や、束の間の日常のあたたかさ、
それにそれぞれが持っている信念や想いが伝わってきて、
特に最終決戦はどのルートでも手に汗握りました。

ただ、同じシーンが二回繰り返して表示されてしまう場面が二箇所ほどありました。
また、そのルートでは明かされていないはずの単語を知っていたり、
裏切り者が誰か突き止めた人物が少し後のシーンではその裏切り者に重要な任務を頼んでいたり、
(しかもその後同じ人物が再度裏切り者を突き止めるシーン有)
主人公が天乃建速九重媛命と初めて会った場所や、
十年前の出来事での主人公の行動がルートによって異なっていたり等々、矛盾点が多く見受けられます。
話そのものは面白かったものの、長編すぎて管理しきれていない感がある作品でした。
(4/9)

 

強姦獣 〜狙われた11.1学生〜(18禁)/ベェーカリィー(1000円)

様々な生物へと姿を変えることができる獣がいた。
しかしどうしても人にだけはなれない。
それならば人の雌と交配して人に近い子供を生ませようと、獣は山を下りていったのだった。


選択肢あり、獣姦、戦闘、ロリ多め、六時間ほどで読み終わりました。
虫や爬虫類等も含めた獣姦陵辱があるので苦手な方は注意。
タイトルの11.1はヒロイン十二人中に小さな妖精が一人(一匹?)いるため。
システム面はセーブが一箇所にしかできないことと、文章表示速度が変更できないことが気になりましたが、
既に見たイベントはスキップされたり、任意の時間まで飛ぶことができたりしておおむね快適に読むことができました。
絵は上手いとは言えませんが幼さが伝わる絵柄で良いです。CG枚数は13枚で各CGに4〜7種類の差分有。

ゲームの流れはマップを選択して、そこにヒロインや敵キャラがいたら接近・追跡戦が開始されます。
接近・追跡戦では対象に気付かれずに接近することでその後の展開を有利にすることが目的で、
見つかりそうになったら隠れたり、可愛い演技をして油断させたりして正体を隠したり、一か八か突撃したりします。
その後戦闘シーンに移行し、対象を倒せば経験値が入り、ヒロインの場合はHシーンを読むことができます。
また戦闘に移らず尾行することも可能で、情報を収集したりイベントを見たりすることができます。
相手によって現れやすい場所があったり、戦闘でも好戦的なキャラやすぐ逃げるキャラがいて、
それに応じて行動を変える駆け引きが楽しいです。
ある程度ステータスを引き継ぎ「強くてニューゲーム」もできる親切設計。

Hシーンは全て獣姦なのですが、イルカとかナメクジとかカブトムシとかエロい云々以前に笑ってしまう動物も中には。
ただ鳥に基本的に陰茎はないがダチョウにはあるとか、
蛇の交尾は平均二十四時間とか、タコの生殖器は足で雌の体内で切り離されるとか、
その生物の生態が描かれていて普通に勉強になります。

シナリオは獣姦陵辱するだけに終わらず、しっかりと書かれています。
ヒロイン一人一人の境遇が描かれていますし、
犯されて終わりではなくそれをきっかけにしてその後どうなったかというフォローもされています。
特に姫梨シナリオからトゥルーエンドへの流れは途中やるせなくも最後は心温まるストーリーでした。
あと彩華のボディーガードをしている田中さんの裏表をあけすけに出す性格がいい味出してます。

ただ獣に陵辱されておしまいではなく、切なかったり温かかったりもする作品でした。
(4/13)

 

ブラウン管に恋して/―191→(フリーソフト)

古川英輔に告白して見事玉砕した代々木幸子
傷心の幸子の前に英輔の姉の里美が現れ、英輔はアニオタだがそれでも付き合うかと問うてきた。
半ばヤケクソ気味ながら幸子はブラウン管の中の住人に近づくため、アホ毛を生やすこととなった。


選択肢あり、コメディ、三時間半足らずで読み終わりました。
システム面では文章表示速度変更ができないこと、選択肢でセーブできないこと、
右クリックメニューを出してまた通常画面に戻ると一回文章を読み進めないとメニューが出せなくなること、
構成上何回も見なければならないスタッフロールが飛ばせないことが気になりました。
絵はデフォルメ表情が可愛かったです。

話は幸子が憧れの男の子の好みに近づこうとアホ毛を生やしますが、
里美がそれだけではダメだとアホ毛を鍛え、自由自在に操れるようにする特訓を行います。
特訓は二種類のミニゲーム形式を各五回ほど行います。
クリアするとメインルートを続行できますが、
クリアラインぎりぎり下だとスパイアクションだったりスペースオペラだったりホラーだったり
様々なシチュエーションのネタエンドに突入します。パロディ多め。
また何もせずにほっておいたりわざとマイナス点を取ったりすると説教されるなど芸が細かいです。
ただ、唯一の問題が馬鹿ゲーなのにあまり笑えないこと。
ギャグがメインでない
僕たちの世界の在処体験版のほうが笑えました。
(4/14)

 

悪の教科書/さんだーぼると(フリーソフト)

おすすめ

過去の作品感想:
まじかるブリンガーころな劇場版まじかるブリンガーころな ドキわく!魔界の夏休み
(4/18)

 

Dear world -the one-/non color(ショップ売り1300円)

遅刻、サボりばかりでやる気なく日々を過ごす皆守和哉。
テストが近づいても、生徒が襲われる事件が起きてもいつもどおり。
しかしある日、授業中に眠って起きたとき、世界は変わっていた。


選択肢ありですが一本道、世界、異能。
-half style-の部分は八時間足らず、-the one-の部分は六時間と少しで読み終わりました。
-quarter ver-については
こちら
システム面ではバックログ量が少ないことと、
起動後にquarter、half、the oneのいづれかを選択して各タイトル画面に移動する形式で
総合タイトル画面からはロードできないため、毎回一手間余計にかかってしまうのが気になりました。
絵は上手いのですが若干硬い絵柄で喜怒哀楽の表現は控えめ。
また、サブキャラは違う方が描かれているようで少し違和感を覚えました。
一枚絵は二十五枚あって差分ありのものも。
音楽も絵と同様抑揚が少なく印象に残りにくかったですが、
その単調さが合う場面もあって、そこではとても良い雰囲気を醸し出していました。

話は別の世界で生きるカズヤという人物と入れ替わってしまったことから、
二つの世界でそれぞれの思惑が交差しぶつかり合う中に巻き込まれていきます。
精神世界とか、どちらの世界を選ぶとか、新たな世界とか、
スケールの大きなものが関わってくるのでどうしても抽象的でわかりにくく感じてしまう部分がありました。
それから、多くの登場人物の背景や行動について丹念に描写されているのは良かったのですが、
皆守和哉と入れ替わるカズヤの描写がほとんどなくて、
終盤の山場でカズヤが出てくる場面が唐突に感じられてしまいました。

お気に入りなのは大人数での日常。
-half style-の中盤以降、和哉の周辺にどんどん人が集まってきます。
彼らが一人増えるごとに、日々がより楽しくなっていきました。
それぞれ性格、境遇などの違いが上手く噛み合っていてとても心地よかったです。
残念ながら長くは続かないのですが…
登場人物では委員長の玉置千紗が好き。
-half style-の序盤までは影が薄かったですが、それ以降は諸事情で和哉との関わりがすごく増えて、
照れたり料理得意だったり優しかったりたまに毒吐いたりしてすごく可愛かったです。
あと若干一名病むのが怖かったです。

わかりにくい部分はありましたが、丹念に綴られた物語と穏やかな日々がじんわりと沁みる作品でした。
(4/23)

 

15歳だった――(18禁)/ああかむ(1900円)

猟奇殺人事件が起こった現場で保護された少女。
少女の手記と周囲の証言から少女の行動がだんだんと明らかになっていく。


選択肢一つだけ、少女告白ミステリーとのこと、ボイスあり、三時間と少しで読み終わりました。
システム面ではバックログが読めない箇所があったり、
効果音やエフェクトが多すぎてかえって読みにくかったり、
画面切り替えがもったりしていたりするのがかなり気になりました。
一枚絵は二十二枚+差分。上手いのですが好みが分かれそうな絵柄な気がします。
また、基本的にHシーン一つにつき一枚絵一つしか使用されておらず、
カメラワークや差分で補おうとはされているのですがシチュエーションに追いつけていない部分もありました。
そういうこともあってあまりエロくは感じられなかったです。

話は少女によって書かれた「少女の手記」周囲の人物に聞き込みをした「少女の目撃証言」
少女の身に起きた出来事(Hシーン)「少女の体験」の三つをそれぞれ読みすすめていきます。
多少どれを先に読むか選ぶことはできますが、基本的に話の流れは固定されていて分岐などはなし。
読みすすめていくうちにふと「あれ?」と少女の行動や目撃証言が食い違うことがあるのに気付きます。
それがその後の証言などで辻褄が合いそうな手がかりが出てくる、ということが幾度かあり、
最初少女のひととなりや事件の状況などから自分なりにこういうことなのではないかと思い描いていたことが
どんどんと移り変わっていってしまうのが上手い構成だなと思いました。
最後まで読んでも明かされない部分もありましたが、
それでもラストではそういうことだったのかと目の前が明るくなるような感覚を得られました。
ただ、初見では気付かなかった部分があるからもう一回最初から読み返してみたいな、
という思いを阻むインターフェースの悪さがかなりいただけない部分です。
(5/3)

 

My Sister Your Sister/リリアンモード(1500円)

五人姉妹の真ん中、橘まりんは高校入学に入学してすぐ友里ひかると友達になる。
ひかるを自宅へと招待したまりんだったが、上の姉のせいで正義の戦士エクスフローラなるものにされてしまう。
わけがわからないまま、二人は悪の組織と戦うこととなった。


選択肢あり、百合、変身ヒロイン、ボイスあり。五時間と少しで読み終わりました。ルートは六つ。
システム面では演出をクリックでスキップできるのが嬉しいですが、
調子に乗っていると初見のムービー等まで飛ばしてしまうこともありました。
絵は可愛いのですがやや出来にバラつきがありました。
作中で使用される一枚絵は差分含め八十六枚。
演出はかなり良いです。女の子の変身もので定番の一瞬裸になる変身シーンも完備されていますし、
各話の最後に流れる次回予告ムービーも楽しくて、その上別バージョンがあったりもします。
それらのムービーの中でも一番上の姉、悠理のムービーは
明らかに力の入りようが違うのがわかる作り込みでした。

話は基本的に八話構成で七話目で各ルートに分岐。
エクスフローラとして戦っていく中でそれぞれの登場人物との関わりがあったり陰謀が明かされたりします。
前半は女の子同士のわいわいとしたやりとりをベースに
広範なパロディやボケツッコミがあったりして楽しいのですが、
メインルートの後半は唐突に色々な設定やなにやらが出てきてついていけませんでした。

他の部分は良かったので、前半のノリのままで最後まで行くか、伏線を張っておくかしてほしかったです。
(5/12)

 

すべてがウソになる/Fly me to the sky!(フリーソフト)

エイプリルフールに何かが起こる。一月ごろから広まりだしたそんな噂があった。
果たしてエイプリルフールにはとある事件が起こってしまったのだった。


選択肢なし、ウソ、エイプリルフール記念ノベル、十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
タイトルメニューまでウソ(「はじまらない」とか「おわらない」とか)になっているのが凝っています。
絵や音楽はフリー素材が使われていますが表情も多彩で良かったです。

話は主人公とその彼女のエイプリルフールの一日が描かれています。
その日に起こる事件のアイデアにもおお、と思いましたが、
そんな中で交わされる二人のやりとりが可笑しかったり微笑ましかったりして、
初見のインパクトだけに終わらない良い作品でした。

過去の作品感想:
Beyond the summerBegin with you!
(5/18)

 

Nと言う名の男、Bと言う名の女/agony(フリーソフト)

ふとしたことからイジメを受けるようになった少女てあみは、
落ち込んでいたところを新任教師の中村に優しくされる。
そうして言葉を交わしていたある日、てあみは中村の家を訪れることとなった。


選択肢なし、携帯小説風スイーツノベルとのこと、二時間半足らずで読み終わりました。
「酷罪を受けるべき者」と同じ名前・容姿の登場人物がほとんどですがパラレルで関わりはないとのこと。
ジャンルからして怪しさ満点ですが、主人公がてあみで、その好きな相手が中村ということも嫌な予感を煽ります。
もっとも、このサークルさんの作品は誰が主人公になったところで嫌な予感はするのですが。
システム面は特に問題なし。話が進むごとに変わっていくタイトル画面が凝っています。
ただ、後半になるにつれ誤字脱字が増えていくのが気になりました。
絵はラフがほとんどで丁寧とは言えませんが、それが迫力になっているものもありました。特に目のアップが強烈。
一枚絵は三十枚+差分(というには全く違う絵もありましたが)
音楽は少ないながらも使い方が上手いと思いました。

話はてあみと中村の関係に、やってきた転校生が一石を投じます。
ただ内にこもるてあみの性格は少しイライラしましたが、
幸せなシーンがあったと思ったらそれがひっくり返されることの連続で、
毎回何かある何かあると思いながら読んでいたのに、その上を行く展開も多くありました。
そんな容赦ない展開に目が離せませんでしたし、それでいて読後感は良い、面白い作品でした。

過去の作品感想:
さくっとパンダおじさん酷罪を受けるべき者
(5/20)

 

254番の問題/ほ〜むる〜む(500円)

ごく普通の成績でごく普通の日々を過ごしていた大学生の麻生周は新しく塾講師のバイトを始めることにした。
教える参考にと高校時代の問題集を手にとって見ると、254番の問題のところにある文章が書かれていた。
それは高校時代に仲が良かった女の子からのものだった。


選択肢なし、ノスタルジックなビジュアルノベルとのこと、四十五分ほどで読み終わりました
システム面では二周目以降も場面切り替えエフェクトが飛ばせないことや、
その切り替え時にスキップが止まることが気になりました。
また、誤字脱字や食い違う情報があったりしてややチェック不足。
絵は上手いとは言えませんが、高校時代の担任はインパクトあって笑いました。
一枚絵は差分含め四枚。
背景はフリー写真で基本的に強めの処理がかかっていますが、要所で鮮やかなものが使われているのが印象的。
音楽もフリーですが場面に合った良い曲が使用されていました。

話は254番の問題に書かれていた文章のことで葛藤する現在の場面と、過去の回想からなっています。
盛り上がる場面もなく、とことん郷愁を感じさせるわけでもなく中途半端に感じました。
ただ、過去になにがあったのかをあえて多くは語らなかったことは、
全体の雰囲気をやわらかくしていて良かったと思いました。
(5/22)

 

Sword(BL)/女女園(フリーソフト)

国々を統括する王を決める試合に使う武器を打つため、
鍛冶屋のフェムトはとある国へ赴いた。
そこで彼は一年をかけて武器を作ることとなる。


選択肢あり、育成、四時間と少しで読み終わりました。
ルートは四つ、エンディングは九種類。
システム面はやたらと文章ウエイトが多用されているのが気になりました。画面切り替えも遅いですし。
あとセーブロード画面から右クリックで通常画面に戻れないのも不便。
絵は若干硬いですが細かな表情変化が良いです。

武器製作のための六つのパラメーターを上げつつ、好感度も上げ、その結果によってエンディングが変化します。
パラメーター上昇値や分岐条件が書かれたものが同梱されているため
それを参考にすればさほど難しくありませんでした。
話は最初説明不足で状況がよくわかりませんでしたが、
ガロンルートや最終ルートで色々と明かされていきました。
好感度が一定以上のときに行ける二種類のラストの雰囲気がどちらも、どのルートでも良い読後感がありました。
ただ、そこに行くまでにシステム面での読みにくさがかなりあって、そこが残念でした。
(5/25)

 

料理/たぶんおそらくきっと(フリーソフト)

気が付くと男は白い部屋で椅子に縛られていた。
そこに別居中の妻が現れ、自分の料理を食べてほしいと言ってきた。


選択肢あり、グロテスク、ホラー、十五分ほどで読み終わりました。エンディングは三種類。
猟奇描写等もあるので苦手な方は注意。
システム面はウインドウサイズがやけに小さく、またフルスクリーンにすると画質が荒くなるのが気になりました。
立ち絵はなく、一枚絵は十枚。基本的に白黒で、他には赤色だけが使われているので血や肉が強調されていました。

話は選択肢によって出てくる料理が変わります。
また全部のエンディングを見ると妻視点での話が追加され、
こちらも本編に対応して選択肢で三つに分かれます。
最初から監禁されているので碌な料理が出てこないのはすぐにわかるのですが、
それぞれにバリエーションがあって、短い中にも色々な狂気が読める話でした。
(5/27)

 

奥様は惨殺少女/たぶんおそらくきっと(フリーソフト)

将来有望なサラリーマンの大志は今日も妻の待つ自宅へと帰ってきた。
妻のさゆりは中学生。いつも制服を着ていて、いつも包丁を持っている。
果たして二人はこれからの一週間、何事もなく過ごすことができるのだろうか。


選択肢あり、新婚、ほのぼの、グロホラー、二時間と少しで読み終わりました。
エンディングは五種類+バッドエンド二十一種類。
料理」の続編。前作ほどではありませんが猟奇描写もあるので注意。
システム面では選択肢でセーブできないのが不便。
あと誤字等が若干気になりました。
絵は上手くはありませんが可愛らしい絵柄。一枚絵は三十六枚+差分。
OPムービーが妙にさわやかなのが逆に不気味でした。

話は二人の新婚生活が描かれています…が、
選択肢の全てに赤字で「みゆき」なる名前や浮気を仄めかすものが入っています。
で、赤字を選択するとバッドエンド確定。
あからさまに地雷な選択肢を毎回入れるというアイデアはとても良かったです。
ただバッドエンドのほとんどが味気なく終わってしまうのがやや物足りないところ。
本筋では、前作は純粋な狂気に絞って描かれていたのですが、
今回色々な背景が提示され、一概に誰がおかしかったともいえなくなり、
ハッピーエンドやワーストエンド等に物悲しい余韻が残りました。
正規エンドに到達すると追加されるオマケシナリオの上二つも軽いノリのなかに黒さがあって笑えました。

他の作品にはない、独自の魅力がある作品です。
(5/28)

 

第二保健室/上京ペキニーズ(フリーソフト)

第二保健室という閑職に追いやられた教師、蟹山ヒデキは有り余る時間を利用して生徒の相談に乗っていた。
そんな彼のもとへ総合演劇部に所属する塚原さなぎが訪ねてきた。
彼女の悩みとは…


選択肢あり、学園、シュール、一時間半と少しで読み終わりました。
エンディングリストがないので正確にはわかりませんが、十個くらいのエンドがあります。
システム面は特に問題なし。
絵は上手いわけではありませんが、話に合っていると思いました。

話はさなぎの相談に対する蟹山の受け答えで
正統派解決ルートやコメディ、ダークな展開など様々に分岐します。
そんな話ですが、作品全体を貫いているのは妙なシュールさ。
登場人物の行動やらその結果起こる出来事やらが微妙にずれています。
そんな多彩でありながら統一感があるところは良かったですが、
それで面白いと感じるようなところもあまりなく、シリアスとしても説得力が弱くてどっちつかずに感じてしまいました。
(5/29)

 

葉露〜西の国の物語(18禁)/えるふみみ魔法王国植民地(パッケージ版1900円)

攻略?(※プレイした人でないとわからないと思います)
(6/10)

 

Dream talker/BRANDK(フリーソフト)

眠っている最中、ふと気づくと知らない場所にいて、目の前に女の子がいた。なんでもここは夢の中の国だという。
よくわからないまま、彼女の言うとおりにクイズで遊ぶこととなった。


選択肢なし、三択クイズ。
合格するとおまけシナリオ「Reversal Love Pattern」が読めるようになり、そちらは一時間ほどで読み終わりました。
システム面はクイズパートは横書き、ノベルパートは縦書きなのが特徴的。
文章速度変更ができないのがやや不便でした。
絵は明るい感じの絵柄。ただしノベルパートは背景のみ。

クイズパートは一般問題初級、アニメ・ゲーム・漫画、総合の三段階で制限時間五秒。
一定以上正解すればおまけシナリオやおまけ画像が見られるようになります。
難易度は丁度いいくらいだと思いました。
三択の候補が同じで問題文が違うひっかけ問題があるのが小憎らしくて良いです。
あと降参ボタンがあるのも気が利いてます。

おまけシナリオは一言で言えばすれちがいおふぃすらぶ。
有能な女性社員とそれを妬む若い上司が紆余曲折あって勘違いしたりしながら距離が縮まっていく話。
上司が仕事はできても人間的にどうかという奴なので嫌な気分になりました。
序盤は嫌がらせばかりですし中盤はそれを棚にあげて何を言っているんだという感じ。
ただ女性社員が健気で可愛いので彼女が幸せならまあいいかなという気持ちになりました。

過去の作品感想:
相対幻影
(6/26)

 

A source of the magic/BRANDK(フリーソフト)

ずぼらな魔術師、ホークスアイに弟子入りしている少女サフィリン。
彼女は今日も師匠に振り回されながら修行に励んでいた。

選択肢なし、タイピング、三十分ほどで読み終わりました。
「相対幻影」の登場人物の一人、サフィリンの小さい頃の話。
システム面は特に問題なし。
絵はいままでよりすっきりした印象。
タイピングクリアのご褒美はゲスト絵師さんの一枚絵。全部で十一枚+イメージイラスト一枚。

メインシナリオは五話+OP、EDで一話ごとにタイピングゲームが入ります。
全部クリアすると番外編五話追加。こちらもタイピングあり。
私のタイプ速度がやや遅めなのもあるでしょうが、二話目でいっぱいいっぱいでした。かなり難易度は高いように思います。
ミスタイプは何回しても大丈夫ですが時間切れで即終了なうえ、
英字をタイプするのに、その上に大きく日本語訳が表示されるのでそっちに目が行ってしまい、余計に大変でした。
話そのものは短いですが気軽に読める内容で、
「相対幻影」での師弟のやりとりを楽しめた方ならばこちらも楽しめると思います。

過去の作品感想:
相対幻影Dream talker
(6/27)

 

架空の境界 -hallucination-(18禁)/ソフトさーくるクレージュ(1800円)

相手に幻覚を見せる能力で女生徒達を集め淫らな会合を開いていた主人公。
そのことを知り、主人公に止めるように警告してきた少女に対しても
会合に参加させ快楽に溺れさせようとするのだった。


選択肢あり、触手、ぶっかけ、ボイスあり。エンディング三種類見るのにかかったのは三時間足らず。
主人公とヒロインの名前変更可。
触手で陵辱で一部ふたなり等もあるので苦手な方は注意。
システム面は既読スキップが別のシーンに移ると止まってしまうのが気になりましたが他は問題なし。
絵はやや安定感に欠けるところがありましたが、エロい表情のものもたくさんあって良かったです。
一枚絵は十九枚+差分たくさん+コンプリート絵一枚。

幻覚の触手を操って少女に快感を与え、得た経験値で触手の太さなどをパワーアップさせたり、
アイテムを手に入れたりして、より激しいプレイを行っていきます。
エンディングを見るだけならさほど難しくなく、コンプリート目指すと大変というつくりで、
ライトユーザーにもこだわる人にも対応した難易度設定だと思いました。
しかしゲーム期間が最長で約二ヶ月とちょっと長すぎて、
一回もエンディング見ないうちからすでに作業ゲーになってしまうのがマイナス。
それに快楽に溺れていた直後のシーンでまだ陵辱に不慣れな描写があったりとつじつまが合わない部分もありました。
ただ汁描写とそれにまみれる表情がエロくて、
その上触手でふたなり責めととても好みのシチュエーションもあったのでかなり使えて楽しめた作品でした。

過去の作品感想:
DISCODE−2 二律背反Sな彼女呼びだし!さぶじぇくとMay Queen秘密のカンケイ−渚と桜−Exhibitionism 露出性癖DISCODE−1  異常性愛DISCODE surfaceMay Reason
(6/28)

 

MATERIAL(18禁)/ソフトさーくるクレージュ(1500円)

ふとしたことから金髪碧眼のお嬢様フレイアを助けた主人公。
お礼にと屋敷へ招待されると、そこにはメイドさん、綾乃がいた。
その晩、引き止められ屋敷に泊まることとなった主人公はある光景を目撃する。


選択肢あり、ふたなり、洋館、ボイスあり。
一時間と少しで読み終わりました。エンディングはおそらく四つ。
主人公の名前変更可。ふたなりなので苦手な方は注意。
システム面はバックログが読めなかったり、起動するたびにフルスクリーンで始まることが不便。
スキップが早いのは助かりました。
絵はなかなかに可愛いですが、ポチ加藤さんはもっと後の作品の絵柄のほうが好みです。一枚絵は二十一枚+差分。

期間は五日間で、その中でフレイアや綾乃と会話をしたりHをしたりします。
ふたなり好きなので一つ一つのHシーンは良かったですが、
エロのバリエーション、端的に言うなら挿入シーンが少なかったのが不満でした。
ただ最近のクレージュさんの作品と比べてHシーン以外のストーリーがしっかりしていて、
特に綾乃さんエンドは切なかったです。
エロメインの作品でHシーンにいくまで一時間以上かかるようなものはどうかと思いますが、
十分や十五分くらいの話ならば逆に気分を盛り上げてくれて良いと思います。

過去の作品感想:
DISCODE−2 二律背反Sな彼女呼びだし!さぶじぇくとMay Queen秘密のカンケイ−渚と桜−Exhibitionism 露出性癖DISCODE−1  異常性愛DISCODE surfaceMay Reason架空の境界 -hallucination-
(6/29)

 

御伽噺食堂/Inverse Kinematics(2000円)

とある商店街にある安倍食堂。
そこで働く四人は妖怪や霊に関する事件を解決する対妖魔便利屋でもあった。


選択肢あり、伝奇コメディとのこと、九時間ほどで読み終わりました。
ルートは二つ、エンディングは視点主が違うものも含め十二。
システム面では
体験版で挙げた部分は全て良くなっていました。
ただウインドウサイズを拡大縮小できる機能で、終了すると初期設定サイズに戻ってしまうことが面倒でした。
もっともこの拡大縮小機能自体は便利で、ウインドウモードでもフルスクリーンに近い臨場感を得られます。
今は画面解像度も大きい設定が可能になっていて昔のゲームは小さな画面になりがちなので、
この機能は一般的に普及してほしいですね。
絵は一枚絵の一部に若干違和感あるものがありましたが、特に動きのある絵は良いものが多かったです。
一枚絵は百六十九枚+差分。

五日間という期間の全七話の中で話ごとに視点主を選び、
その言動を決めることで各々の好感度を増減させたり必要な行動をさせたりして、
牛鬼編と宿鬼編の二つのルートのどちらに誰が行くかを誘導していきます。詳細は公式サイトを参照。
前半五話は御伽噺食堂の社員旅行を目前に控えた日常がメイン。後半二話は妖怪退治がメイン。
同じ出来事を違う視点から読める妙があって、お互いの認識が食い違っていたりするのが面白かったです。
また好感度による行動の変化が別視点でもしっかりと描かれていて、非常に作り込みが細かいなと感心しました。
コメディ部分は亨と神楽のネタに対する波長の合いっぷりが笑えます。

話は一応完結してはいるものの、公式ブログでも書かれているようにプロローグといった感じで、
妖怪退治が少ししか苦戦することなくあっさり解決してしまうのが物足りない印象。
ただ神楽&里子の宿鬼編は信頼するようになった二人のやりとりや山場の包丁で切るシーンなど、とても良いものでした。
それに物足りないとはいえ、これでこの物語が終わりではない(らしい)と思うと、続きが楽しみになる作品です。
(6/30)

 

あやかしよりまし逢魔/冒険野郎のトムソーヤ(フリーソフト)

座敷わらしの一件から数週間後、修一郎は頻繁に過去の夢を見るようになり、その中でよく遊んだ子供がいた。
そして現在、その子供と同じ名前をした同級生が話しかけてきて、妙に突っかかってきたのだった。


選択肢なし、妖、過去、七時間半ほどで読み終わりました。
あやかしよりまし」の続編。
システム面では特に問題なし。
絵は多彩でその使い方など良かったものの、
立ち絵と描写があっていない部分がいくつか見受けられました。

夢を見ることで段々と思い出してくる過去と、
それにつられるようにして不穏さが増してくる現在が交互に描かれながら進んでいきます。
どんでん返しというような展開があるものの徹底して真実が隠されているわけではないので
明らかになったときの驚きはあまり感じられませんでした。
また頻繁なエフェクトが若干テンポを悪くしていて、
そのため戦闘シーンが勢いに欠けるように感じられました。
ですが段々とおかしくなってくる街の様子などに言い知れぬ不安感を受けましたし、
対照的に友人達と談笑している場面はとても微笑ましかったです。特に四人で昼食をとるシーン。
妖との関わり、人との関わり、どちらもしっかりと描かれている作品でした。

過去の作品感想:
ドッジボックル〜各叩呆如あやかしよりましビバキューンミスティQ
(7/1)

 

リミットレスビット 〜王国の勇士たち〜/犬と猫(1000円)

イシュワルドの警備隊に新たな部隊が誕生することとなった。
その隊長に任命されたヘルシンキは強い警備隊を目指し、隊員たちを集め鍛えるのだった。


鍛えて戦うシミュレーションゲームとのこと。一回目のエンディングまで二十三時間ほどでたどり着きました。
操作性はまずまず。ただアイテムを売るときに一個のみか全て売却しかないので、五個売却とか半分売却とかほしかったです。
絵はほぼ顔グラフィックのみですが可愛いです。音楽も晴れ曇シリーズのメインテーマを始め良い曲が多いです。

広告スポンサーと契約し、そのお金で隊員を集め、モンスターを倒したり大会に出場して経験を積み、強くしていくという流れ。
レミュオールの錬金術師や海洋レストラン☆海猫亭は夏魚定食やアルハン山菜健康定食系に長くお世話になりましたし、
晴れたり曇ったりNでは牙突や燕斬りをよく使っていたのですが、
今作では隊員の在籍期間が二〜三年ほどしかないため、すぐいなくなってしまい愛着が沸きにくいのが気になりました。
また、勝ち続けるとすぐに賃金が膨れ上がってしまうので、
わざと負けたり窓際に追いやったり早めに解雇したりしないとやりくりが厳しくなってしまうのもストレスになります。
それでも、今回初登場の警備隊のキャラクター達の会話は面白かったですし、
なによりやり始めると軽く数時間が飛んでしまう中毒性は健在で楽しめました。

あとタイトルを始め競馬好きならニヤリとできるネーミングが各所にあったりします。

過去の作品感想:
レミュオールの錬金術師晴れたり曇ったりN水色散歩道海洋レストラン☆海猫亭
(7/25)

 

柵の淵/Project Ekusia(フリーソフト)

念願の車を購入し各地をドライブをしていた忍は偶然誰もいないとても綺麗な浜辺を見つけた。
そこで出会った芹華という女性と意気投合した彼は彼女の家に招待される。
案内されたどり着いた先は、山奥にある大きな洋館だった。


選択肢あり、ホラー、愛憎、六時間ほどで読み終わりました。
起動してはじめからを選んだらいきなり止まったのですが互換モードで実行したら動きました。
それでも動作は不安定で突然エラーが出たりしましたが。
プレイ中のシステムに関しては一通り揃っていて、普通に読むことができました。
絵はやや癖がある…というか時代を感じさせますが、陰鬱な洋館モノという雰囲気には合っているように感じられました。
演出は血に関するものが不気味さを醸しだしていて良かったです。
また文章速度を変える演出の使いどころが効果的に感じられましたが、
文章速度が普通と瞬間の二種類しかなく、瞬間ではその演出がスキップされてしまうのが難点。
音楽はフリー素材が主ですが良い曲が多く、使いどころも合っていました。

身分が高い家の出である芹華、その姉で洋館の主人の涼華、
二人の使用人である玲奈の三人のシナリオがあり、エンディングは十五種類。
ホラーものとしてはさほど怖くなかったことと、玲奈ハッピーエンドの展開がかなり都合が良かったことが気になりましたが、
芹華が必要以上に偉そうに振舞う理由など後半で明らかになる真相に関わることが
最初のほうからさりげなくほのめかされていて感心しました。
…前半、会話が棒読みでぎこちなく感じられる部分があったことも意図的なのでしょうか?
それはともかく、バッドエンドまで含めしっかりと練られている良い作品なのですが、
不安定な動作に水を差されてしまったのが残念でした。
(7/26)

 

きみいろサンタ〜わたしのハートをプレゼント〜(18禁)/ミニスカサンタプロジェクト(フリーソフト)

メイド喫茶が目の前にできたために売り上げが落ち込んでいるケーキ屋。
そこの息子である富士葉介は売り上げ回復のため、
バイトの女の子にミニスカサンタ服を着せて巻き返しをはかるのだった。


選択肢あり、ミニスカサンタ、六時間半ほどで読み終わりました。
2ch内ニュース速報VIP板に立ったスレッド「安西先生、エロゲが作りたいです」内で
企画された内容を元に制作された作品とのこと。
システム面ではメニュー画面から右クリックでは戻れなかったり、
場面が変わるとバックログが消えてしまったり、たまに文字が重なって読めなくなったり、
セーブスロットが百個あるのに一個ずつスクロールしていく形式だったりするのがやや不便でした。
でも、スキップが速いことと、メニュー画面の出方とかシステム演出が良かったです。
絵は立ち絵は可愛いですが環と真奈美のHシーンで肝心のところでブラックアウトしてしまうのが非常に!許せません。
あとセーラシナリオの途中で出てくる一枚絵が雰囲気を壊してしまっています。ただセーラのラストシーンの絵は綺麗でした。
一枚絵はゲーム中使用されたのが十三枚。ほかにラフ画等おまけ画像も見ることができます。

ver1.07時点では同級生の御神楽環、妹のような存在の香坂真奈美、関西弁を喋る神社の娘の牙城院千里、
突然家に転がり込んできた雪上桃美、シスターでメイド喫茶店員のセーラの五人のシナリオがあります。
全体としては今、いつの出来事が語られているのかがわかりにくく思えました。

環シナリオは一番長く、メイド喫茶との関わりや主人公や環自身のこと、恋愛など色々と詰め込まれていました。
クリスマスイブの日、それまでの流れもあってせっかくみんなでやるぞという雰囲気になっているのに、
音楽がいつもどおりでいまひとつ盛り上がりきらないように感じられてしまったのが気になりましたが、
それでもこのシナリオが一番良かったと思います。
真奈美シナリオは恋愛メイン。主人公が情けなくてイライラしました。
大きな出来事もなくあっさり終わってしまいましたし、物足りなかったです。
千里シナリオも恋愛がメインであっさり終わりますが、両思いになった後のラブラブ会話が楽しかったです。
桃美シナリオはメイド喫茶との争いがメイン。ケーキ屋をほっぽってしまっていて本末転倒な気がしましたし、
それに桃美と主人公との関わりもちょっと不足しているように思えました。
セーラシナリオは環シナリオから派生します。
セーラの過去からくる負い目を主人公がなんとかしようとする話で、
周囲も含めちょっとずつセーラと打ち解けていく過程が丁寧に描かれているので、
ラストシーンがより感慨深くなりました。環シナリオの次に好きな話です。

良いところと気になるところがはっきりとしている作品でした。
(7/27)

 

ほんとにあったかもしれない怖い話「猿夢」/頽廃(フリーソフト)

ある日私は夢を見た。その夢の中で、これから来る電車に乗ると恐い目に遇うと言われた。
所詮夢の中と思った私は、どんな恐いことが起きるのかと電車に乗ってみることにした。


選択肢なし、怪談、五分ほどで読み終わりました。
2ちゃんねるオカルト超常現象板、死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?スレの
まとめサイトに掲載されている「猿夢」という怪談に加筆、修正したものとのこと。
システム面はバックログ以外の機能がありませんが、短いので気になりませんでした。
立ち絵、一枚絵などはなく、写真の背景のみが使用されています。
相変わらず鮮やかで目を惹く写真が多いです。タイトル画面の揺らめく蝋燭も秀逸。
夢の中の声、悲鳴にはボイスが付いていますが、男の悲鳴に緊迫感がないのが気になりました。
ただ突然声が聞こえるとびくっとしました。

あからさまに酷い目にあったり、最後どんでん返しがあったりということはなく、じわじわ不安感をあおる話といった印象。
そのためすごく恐いというわけではありませんでしたが、終始背筋がぞわぞわしっぱなしでした。
短いので気軽に読め、涼しくなれる作品です。

過去の作品感想:
頽廃ノスタルジア
(7/28)

 

黄昏の白い靴/DreamFactory(フリーソフト)

おすすめ
(7/30)

 

カイダン実ハ。/トラベルミン(フリーソフト)

×××日某県某所にて。
雑誌に載った村のことについて話を聞くため、そこに住むとある人物に会っていた。


選択肢ひとつだけ、ホラー、一時間足らずで読み終わりました。
システム面はスキップが遅いことが気になりましたが、それ以外は特に問題なし。
立ち絵、一枚絵などはなく、背景写真のみが使用されています。
写真はフリー素材のようですが、どれも鮮やかでありながら陰のあるものが使用されていて不気味でした。
また散る花や裂かれた果物の写真を人に見立てた比喩も怖かったです。
音は曲と呼べるようなものはなく、効果音のみの使用。
効果音そのものはなかなかに迫真のものが多かったですが、
例えばずっと叫び続けていたとあるのに一瞬叫び声が聞こえるだけといった箇所はちょっと違和感を覚えました。

「私」という一人称の、独特な口調で話す人物の語りをずっと聞いていき、
最後六択が出てきて、それぞれ違った結末へと向かっていきます。
選んだものによってそれまでに語られたことに対する解釈ががらりと変わってしまうので
最初に書いたあらすじも場合によっては間違っているのかもしれません。
そうした作りは良かったと思いますが、台詞のみで進んでいく上に最後まで状況説明がほとんどないので
「よくわからない話」で終ってしまう結末がほとんどだったのが難点に思えました。
ただ、わけがわからない中でも狂気はひしひしと伝わってきて、ぞっとする作品でした。
(7/31)

 

本当の願い事(12推)/NOSTALGIC GARDEN(フリーソフト)

浅井悠一は遅刻ばかりしていた罰として図書室の整理をすることになる。
同じクラスの図書委員である渡辺渚にあれこれ皮肉を言われつつ仕事の指図を受ける中、
ふと彼女から「願いが叶う本」の話を聞かされたのだった。


選択肢あり、学園青春、サスペンス、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵はなく、基本的に背景のみで進み、要所で一枚絵が表示されます。一枚絵は八枚+クリア後のおまけ一枚。
クラシック曲などが使用されたBGMと背景の画像処理が良く合っていて、
優雅なところがありながらどことなく空虚な雰囲気が作り出されていました。

最初は浅井悠一編として彼の視点で話を読み進めていきます。こちらのエンディングは二種類。
それを読み終わると渡辺渚編が読めるようになり、彼女の視点から話が進んでいきます。こちらのエンディングは三種類。
浅井くんが特に理由なく遅刻してばかりで、そのため彼のことは好きになれませんでした。
一学期ほぼ全て遅刻なんてどういう性格してたらできるのでしょうか?
それはともかく、乱暴な口調だったりするものの、音楽や背景もあってかどことなく抑え目に進んでいく印象を受けました。
それでいてしれっと爆弾発言が出てきたりして、その緩急が面白いなと感じました。
エンド5がハッピーエンドとのことですが、
願いが叶う本のせいで渡辺さんの想いが変わったという可能性も捨てきれず、引っかかるものが残りました。
(以下ネタバレ反転)
最初にエンド1を読んだ時点で、ああ渡辺さんは菊池さんのことが好きで自分のものにしたいんだなと思っていましたが、
渡辺渚編を読んでいくとさらにその上を行く感情を抱いていて、いい趣味してるなぁとニヤリとしました。
なので、それが全開な

エンド4が私のお気に入りです。エンド1の渡辺さん視点で、渡辺さんが生き生きとしていて魅力的でした。
(8/1)

 

クラスメイトが自殺しました。/トラベルミン(フリーソフト)

クラスメイトが自殺しました。
同じクラスの人たちに話を聞くことにします。


選択肢なし、陰々滅々青春ノベルとのこと、一分ほどで読み終わりました。
システムはセーブのみ。短いのでセーブさえもいらないくらいです。
画面はとても小さいです。作品ページの画像そのままの大きさ。
立ち絵、一枚絵などはなく背景のみです。音楽も効果音のみ。

自殺した人のクラスメイトの証言が出席番号順に表示されます。
証言も一言ずつで、すぐに読み終わってしまいました。
クラスの変な雰囲気は伝わってきましたが、それ以外は何がなんだかという感じでした。

過去の作品感想:
カイダン実ハ。
(8/2)

 

Unimela/まのちゃアニメーション(フリーソフト)

川へ遊びに来た女の子三人。
とりとめもなく会話をして時間が過ぎていくのだった。


選択肢なし、コメディ、三分ほどで読み終わりました。
システム面はセーブがありませんが短いので気になりませんでした。
絵はちょっとバランス悪い感じがしますがなかなか可愛いです。

二話あり、どちらも三人の会話のみで進んでいきます。
途中の畳み掛けるような台詞の応酬にくすっと笑う部分もありましたが、
最後にオチがなくてもやもやした読後感でした。
(8/2)

 

ポケベル/SUPER RANDOM(フリーソフト)

ふとバッグの中から出てきたポケベル。
それは昔の彼がくれたものだった。


選択肢なし、大人の女性のための5分間ノンストップサウンドノベルとのこと、その通り五分ほどで読み終わりました。
システム面は何の機能もなく、オートで読み進められていきます。
使用されている画像は背景とポケベルのみ。

ポケベルが流行っていた頃のことなどを織り交ぜつつ、ちょっとしたおとぎ話のような物語になっています。
最後はややありきたりな感もありましたが、
今を生きることと過去が混ざり合っていてなんだかちょっとこみ上げてくるものがありました。

ももいろかんづめさんと久住女中本舗さんがこの作品のことを書かれていますが、文通の経験はないものの
女の子の自宅へ電話してその子の家族が出て、馬鹿丁寧に素性を名乗って替わってもらうというのはものすごく身に覚えがあります。
日常茶飯事ってほど多くはなかったですけどね!
あと家の電話が子機付きのものになる前は玄関先で家族の耳を気にしながら電話していたものです。
(8/3)

 

I Love America./DreamFactory(フリーソフト)

二十一世紀前半のニューヨーク。
機密情報を持ち出す者を暗殺するためにCIAが組織した
「治安協力士」の一員デイビット・テイラーは二十年に渡りこの仕事を行ってきた。
しかし彼は最近、人を殺した後に襲ってくる得体の知れない気持ちに悩まされていた。


選択肢あり、ハードボイルド、アクション、三時間半ほどで読み終わりました。
システム面で気になるところは「黄昏の白い靴」と同じ。
ただバックログ不可なのを利用した選択肢があったり、
ゲームオーバーになったら直前からやり直せたりといった仕掛けや配慮は良かったです。
立ち絵や一枚絵はなく背景のみ。

ニューヨークを舞台にデイビットとその周囲の人々を通してアメリカという国が抱えるものを描いた作品。
バッドエンドはありますが一本道。
主人公は二枚目半といったところでコメディシーンもたびたび入ります。
メタネタがいくつかあったことと、誤字脱字が多かったり簡単な単語がひらがなになっていたりして
雰囲気が壊れてしまっている場面があることが残念。
終盤に人を殺すことの是非やアメリカの問題点が語られる所もかなりくどく感じられました。
それに主人公も含め味方が何度も囚われの身になったり、
敵がそれを何度も簡単に逃がしてしまったりするので、そのたびにまたかと思ってしまいました。
そういったところ以外の部分では、銃の装弾の有無を利用したギミックなどがあって話を盛り上げていましたし
ニューヨークでハードボイルドという魅力ある設定に負けない雰囲気作りがなされていた作品でした。

過去の作品感想:
黄昏の白い靴
(8/4)

 

DOREAMY/雨転結構(フリーソフト)

秋山友里は盲目の上に不治の病にかかり、病院でずっと過ごしている少女。
日々外の世界のことを空想・想像していた彼女の元に、あるときから新人医師のカズマが頻繁にやってくるようになる。
始めは警戒されていた彼だったが、二人は徐々に打ち解けていった。


選択肢なし、病院、夢、三十分足らずで読み終わりました。
I Love America.」「黄昏の白い靴」のDreamFactoryさんのサイトで発表されました(メインの制作者さんは別)が、
今は上記のサイトで配布されているとのこと。
システムはYuuki! Novel使用。あまり長くないので不便に感じることはそれほどありませんでした。
立ち絵はなくイメージイラスト程度ですが場面に合っていました。一枚絵は二枚+タイトル画面一枚。
音楽はフリー素材。優しくて懐かしさを感じる曲が使用されています。

二人の関わりと友里が抱く夢を中心に進んでいきます。
他愛もないやりとりが微笑ましくて良かったですが、
終盤、カズマがどうして友里に関わるようになったのかが明らかになる場面があり、
それを知った上で二人のやりとりを思い返すと切なくなりました。
でも、その上で暖かい気持ちにもなれる、良い作品でした。
(8/5)

 

夢から覚めて/雨転結構(フリーソフト)

梅雨の時期、僕はとある夢を見た。そこで僕は引っ込み思案な女の子になっていた。
嫌われるかもしれないと人との会話を躊躇うなんてこと僕は考えたことすらなかったのに、
どうして夢でそういう気持ちになったのだろう?


選択肢なし、夢、サスペンス、五分ほどで読み終わりました。
システムは「DOREAMY」と同様。
立ち絵や一枚絵はなく、写真背景のみ。

夢を見た小学三年生の「僕」がある出来事に遭遇します。
そのときの描写が不気味でした。
ただラストの展開が、サスペンスにも教訓話にも中途半端に感じられてしまいました。

過去の作品感想:
DOREAMY
(8/6)

 

SAKANA/P.o.l.c.(フリーソフト)

大学二年の小早川誠はごく普通の日々を送っていた。
そんなある日、帰宅直後から彼は不思議な体験をすることになる。


選択肢なし、生きることとか、一時間ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は写真背景のみ。EDは歌付き。

このまま日々を過ごしていいのかという漠然とした不安を持っていた誠が、
不思議な体験を通じてほんの少しだけすっきりとする話。
後半の誠(仮)の言動は可愛くて微笑ましかったですが、
結構な割合で出てくるコメディシーンはあまり面白くなかったです。
(8/7)

 

手紙/P.o.l.c.(フリーソフト)

渡辺貴宏は幼い頃に貰った手紙を見つけたことがきっかけで、久しぶりに帰省することになった。
そこで待っていたのは年を重ねた母親と、ある不思議な体験だった。


選択肢あり、手紙、家族、三十分ほどで読み終わりました。
NScripter版をプレイしましたがシステム面は特に問題なし。
絵は手紙と写真背景のみ。音楽はフリー素材で十六曲とこの長さの話としてはかなりの数が使用されています。
ほとんどは場面に合った使い方をされていましたが、
唯一つ最後の階段で悪戦苦闘するシーンの曲は激しすぎてそれまでの流れを壊していました。

選択肢はあれど一本道で、貴宏が手紙を手にすることになった経緯が主に描かれています。
主人公も含め、登場人物にとても好感が持てました。
母親は暖かくてちょっぴり可愛いですし、父親は穏やかで格好いいですし、幼い頃の貴宏も元気で微笑ましいです。
山場の後に上記音楽のシーンが出てくるのがもったいないですが、
良い人達のやりとりに感じるものがある作品でした。

過去の作品感想:
SAKANA
(8/8)

 

夏の余韻の中で/P.o.l.c.(フリーソフト)

大学生活に馴染めなかった敏明は夏の終わりに祖母の家で静養することとなった。
健康的な暮らしを送り元気を取り戻した彼はある日、着物の女の子と出会うのだった。


選択肢なし、田舎、夏、ボイスあり、二十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
立ち絵はなく一枚絵と写真背景のみ。一枚絵は八枚+差分。

田舎で出会った明里とのひと夏の出来事が描かれています。
日が昇るころに起きて野良仕事をして夕方家に戻るという暮らしが魅力的に書かれているのは良かったですが、
明里と仲良くなっていく過程がかなり端折られてしまっているので、
山場の盛り上がりに欠ける部分があったことが残念でした。

過去の作品感想:
手紙SAKANA
(8/9)

 

透明な優しさ/P.o.l.c.(フリーソフト)

高校生の畑口凛は過去の出来事から唯一の身内である兄の明範とどこか壁を作って過ごしていた。
しかし夏休みのある日、その兄が倒れ入院することになってしまう。
二人きりの病室で色々と話をしていくうち、だんだんと壁はなくなっていったのだが…


選択肢あり、家族、音楽、二時間半足らずで読み終わりました。
システム面では普通に読んでいく分には問題ないのですが、
選択肢の後すぐに分岐するわけではなく最後に分岐する形式なので既読スキップがないのがやや面倒でした。
絵は立ち絵と一枚絵に差があったり、ややバランスが悪い感じを受けましたが、凛は可愛いです。一枚絵は十七枚。
音楽は悪くないものの、ストーリーのカギになっていることを考えると印象不足に思えました。EDは歌付き。

鳥取を舞台に二人や、すでに亡くなっている家族との過去の話などを交えつつ、
凛の心境が変化していく様子と兄の病状が描かれています。エンディングは四種類。
二人で会話しているときの穏やかな時間は心地よかったです。
逆に兄の呼吸が苦しくなっているときの擬音語はぞっとしました。
でも、肝心のトゥルーエンドの展開がとってつけたように感じられてしまって
説得力に欠ける部分があったことが気になりました。

過去の作品感想:
手紙SAKANA夏の余韻の中で
(8/10)

 

秋人−AKIBITO−/P.o.l.c.(フリーソフト)

鈴原広訓は思ったことが口に出てしまう浪人生。
にもかかわらず、秋休みと称して幼少の頃を過ごした高千穂村を訪れる。
その村はずっと秋のままという不思議な所だった。そこで彼は三人の少年少女と出会う。


選択肢ありですが一本道、秋、夢、一時間半と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵はやや癖がありますが話に合っていて良いです。特に子供達。一枚絵は十八枚。
音楽も同様に話に合っていました。EDは歌付き。

広訓と子供達との交流を通じて、村に秋が続く理由や各々の目指すものなどが語られていきます。
主人公の思ったことが口に出てしまう癖は話に絡んでくるのですが、
それを差し引いても何度も何度も何度も相手から口に出ていたと指摘されるのはテンポが悪く、
またその癖で相手に本音が伝わってしまい問い詰められるというネタをはじめとした
前半に多いギャグもあまり面白いと思えませんでした。
そのためちょっと読んで集中が途切れ中断ということの繰り返しでなかなか読み進められなかったです。
あともともと舞台が秋なので、秋しかないという異常を感じさせるシーンなどがあまりなく、
終盤に村の謎が明らかになる場面で唐突さを感じてしまいました。
ただ、終盤はそこを除けば惹き込まれました。
ままならない出来事の中で四人がお互いを大事に思いながら交わすやり取りはとても良かったです。
最初は読み進めるのも疲れましたが、最後は心地よく終われた作品でした。

過去の作品感想:
手紙SAKANA夏の余韻の中で透明な優しさ
(8/11)

 

明日香 〜キミを好きなたったひとつの魂〜/P.o.l.c.(フリーソフト)

医大生の神谷賢一はある日、大学へ行く途中に角矢明日香と出会う。
明日香に惹かれる賢一。そんな穏やかな日々がずっと続いていくはずだった。


選択肢ありですが一本道、普通の恋愛、一時間ほどで読み終わりました。
「透明な優しさ」の十年前の話とのこと。
システム面は特に問題なし。
絵は若干粗いところがありますが、表情が多彩でした。一枚絵は九枚+差分。

賢一と明日香が仲良くなっていく様子、そしてさらにその後に起こる出来事が描かれています。
友人と馬鹿やっている場面はあまり面白くなかったですが、
賢一と明日香の関わりはどのシーンも穏やかで優しくて、その時間の大切さが伝わってきました。

これでP.o.l.c.さんの作品を一通り読みましたが、その中では「手紙」「秋人−AKIBITO−」
そしてこの「明日香 〜キミを好きなたったひとつの魂〜」の三作品が同じくらい良かったです。

過去の作品感想:
手紙SAKANA夏の余韻の中で透明な優しさ秋人−AKIBITO−
(8/12)

 

あの夏祭りで誰が死ぬ?/河童ボーナス(フリーソフト)

五年前の夏祭りではぐれ、死体で発見された弟の翔太。
真由美はそのことをずっと気に病んでいた。
しかしある日突然死神が現れ、彼女を五年前のあの日へ連れて行ったのだった。


選択肢なし、サスペンス、家族、三十分足らずで読み終わりました。
システム面では文章が一気に表示されてしまうのがやや気になりましたが他は問題なし。
絵は右側のスペースのみに表示され、立ち絵が無く背景がほとんど。最後の一枚絵が良かったです。

貧乏な家庭で育ち、五年前に弟を殺された真由美が体験する不思議な出来事の話。
真由美は中学生で、五年前を見せられるだけでなく高校生や二十歳過ぎの生活も垣間見るのですが、
死神が色々手をまわす割にはそこで終わってしまって三十歳以降が出てこないのは片手落ちに感じられてしまいました。
とはいえそうなるとややこしくなってしまいますが。
それ以外の部分は不思議な出来事と死神、それに五年前の事件にぞっとするような不気味さを感じましたし、
逆に中学生組の純粋さは気持ちよく、ラストもほっとする良い読後感の作品でした。
(8/18)

 

Monster/河童ボーナス(フリーソフト)

貧乏な母子家庭の姉、陽子が夜に起きて鏡を見ると、そこには緑色の化け物の姿があった。
朝には元に戻ったものの、それ以降夜になると化け物に変身してしまうようになった。


選択肢なし、化け物、貧乏、三十分足らずで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は「あの夏祭りで誰が死ぬ?」と同様に右側のみ。
音楽はほぼずっとクリスマスの浮かれた曲が流れ続けていて、
内容とのギャップに薄ら寒くなりました。

陽子は化け物になってしまった原因を金遣いが荒い妹のせいだと思い、
嘘をついてまで母親から金をせびる妹を化け物の姿で殺してしまおうと考えるようになります。
この妹や、その友人の憎たらしいことといったらないです。
陽子は何もしていないどころか、とてもいい娘なので余計に化け物になってしまったことがやるせなくなりました。
音楽との不協和、何も解決しないラストと、いびつな作りが印象的な作品でした。

過去の作品感想:
あの夏祭りで誰が死ぬ?
(9/5)

 

SMOKING CHOCOLATE.(BL18禁)/三毛猫らぼらとりー(500円)

大学生の加東裕樹は就職も決まらず、ただ日々を過ごしていた。
そうしてやってきた文化祭で文芸部の店番をしていると、
見知らぬ中年男性が現れ、加東が書いたものが載っている本を全種類買っていったのだった。


選択肢なし、年の差恋愛、四十五分足らずで読み終わりました。
同人誌にゲームCDが封入されていて、同人誌の内容はゲームの後日談。
2008年夏コミ購入の「
無伴奏組曲」がこの作品の続編だと知ってあわてて買いました。
システム面ではタイトル画面からロードできず、
はじめからにするとスキップ不可のモノローグから始まるので再開時は面倒でした。
立ち絵はなく、開いた本の中に背景と縦書きの文章が表示される形式。
中央の綴じられている暗い部分に文章がかからないように大部分は配慮されていましたが、
それでもたまにかかってしまっていて読みにくい箇所がありました。
EDは歌付き。

話は大学生の加東裕樹と社会人の加登正明の二人が出会うところから始まり、
色々とありながら仲良くなっていきます。
加東が正明さんのことを気になっていく心情がちょっと端折りすぎに思えましたが、
抑え目な文体と本をかたどった画面構成には瀟洒な雰囲気が感じられた作品でした。
あと赤面するオヤジが可愛かったです。
(11/7)

 

ゆとり教育/トラベルミン(フリーソフト)

そのマンションには霊が出るという噂があった。
私は友達とそのマンションに行くことになった。


選択肢なし、ゆとり、二〜三分ほどで読み終わりました。
2chの死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?Part83に投稿された話をゲーム化したものとのこと。
システム面は特に問題なし。

不気味な背景写真、音楽にぞわぞわしながら読み進めていくと、
案の定怖い出来事が起こ……あれ?
と何か引っかかるものを感じ、もう一度最初から読み直してみると、
タイトルの由来にとても納得しました。
元々の話に演出が加わって、より良くなっている作品だと感じました。

過去の作品感想:
カイダン実ハ。クラスメイトが自殺しました。
(12/11)

 

真夏の青、銀色の君 ver.1.01(BL15推)/TEAM HATSUSHIBA(フリーソフト)

夏休み、両親が離婚調停中のため祖父母が暮らす離島で過ごすこととなった有川学
彼はその島で銀色をした少年と出会う。
しかし島では同時に不気味な事件が起こっていた。


選択肢あり、セカイ系ADVとのこと、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は祖父母はそうでもありませんが、レンは癖がある絵柄です。一枚絵は三枚。EDは歌付き。

夏休みに浮世離れした少年と遊ぶ話。
選択肢を間違えるとバッドエンド直行。
セカイ系の部分はそういう設定なんだ、と特に何か思うこともなく流してしまいましたが
少年らしからぬ思考をする主人公と、
明るいけれど当たり前のことすら知らないレンの前半のやりとりは楽しく、
ラストはああ良かったなと素直に思うことができました。

過去の作品感想:
Knight of Trust
(12/12)

 

眼痕葬祭/non color(フリーソフト)

貫太郎という男が切り盛りしているホテル・サルビアに眼帯をした少女がやってきた。
霧島ロヌカと名乗った彼女を家出と思った貫太郎は帰るように言うが、
ロヌカはかたくなにそれを拒否するのだった。


選択肢なし、不思議なホテル、親子、四十五分ほどで読み終わりました。
夏コミ頒布同人誌に書かれていたURLから入手できる作品。
システム面は特に問題なし。
絵はあまりよいとは言えませんが、糸目になったときの表情は味がありました。
音楽は通常シーンでよく流れる曲が結構お気に入りになりました。

なにやら事情があるロヌカに貫太郎が振り回される話。
台本のように地の文が動作の解説だったり台詞の前に発言者が付いたりするのが特徴的。
そのため事務的に過ぎる部分はありましたが、
ラスト、それまでモノクロだった背景に色が付く演出とそのときの展開は情感があって良かったです。
あとあまり語られませんがホテル・サルビアは普通のホテルとは違うようで、
そこを舞台にしたシリーズものにしても面白いんじゃないかなと思いました。

過去の作品感想:
Dear world -the one-
(12/13)

 

秋風夜空〜BOY MEETS UFO〜 ver1.41/Glasses!(フリーソフト)

秋の夜に一人道を歩いていた主人公は途中の空き地でUFOを目の当たりにする。
その傍らにいた男からある要求をされ、頭を抱える主人公。
さらには文化祭を前にして色々と周囲の環境も変化していくのだった。


選択肢あり、恋愛、宇宙人、一部ボイス有、四時間ほどで読み終わりました。
システム面はセーブポイントが決められていて、任意のタイミングではできないことが時々気になりました。
とはいえ場所選択の直前などではセーブできるのですごく面倒というわけではありません。
絵は多少違和感を覚える部分がありましたが、
この作品と比較して[ Miniature Cast ]での上達っぷりが印象に残りました。
一枚絵は差分なしの十四枚。OPムービーとED歌あり。
音楽はボイスと比較してBGMの音量がやや小さめで聞き取りにくかったです。
あとボイスで、有香シナリオラストの笑い声が全然怖いシーンではないのにビクッとしました。
台詞混じりならばともかく、笑い声だけが突然流れるというのは心臓に悪いです。ホラーになったのかと。

放課後に場所選択をして女の子達と会っていく形式で、
シナリオがあるのは地球人の女の子三人と宇宙人の男女二人の計五つ。
それぞれにハッピーエンドとノーマルエンドがあります。
特定の一人を追っかけているだけではハッピーエンドには行けず、皆と良好な関係を築かないといけないのですが、
目的のキャラクターとの重要なイベントの途中で別のキャラクターのイベントをこなさなければならない場合があるので、
話がぶつ切りになってしまっているように思えました。
面白かったのは有香シナリオ。後半仲良くなったあとの言動が可愛かったです。
あとシェレストが主人公をからかう場面が微笑ましいというか、いいコンビだと思いました。

過去の作品感想:
[ Miniature Cast ]
(12/14)

 

今宵サンタは街角で。/Fly me to the sky!(フリーソフト)

「おやすみ、サンタ」「サンタの約束」「サンタ・コール」「風邪をひいたサンタ」
以上クリスマスイブを舞台にした四つの短編を収録。

選択肢なし、2008クリスマス記念デジタルノベル短編集とのこと。三十分と少しで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
何話か読むとタイトル画面左下にアイコンが表示され、
クリックすると夜になったり雪が降ったりサンタが降ったりします。
ちなみにサンタを降らせたままあとがきを読むと文字よりサンタが前面に表示されます。サンタ邪魔。
絵は写真背景のみ。

一つの話を読み終えると次の話が読めるようになる形式。
それぞれ同じ日の出来事で、ある話の登場人物が別の話にも登場したりと関連があります。
面白かったのは最後の二つ「サンタ・コール」と「風邪をひいたサンタ」
「サンタ・コール」は彼女のいない大学生の話で、
同じゼミの女の子に絡み酒されつつ諭された後、
すぐに恋愛展開に行かず身近な行動を取ったところに好感が持てました。
「風邪をひいたサンタ」は気合入れて準備したのに風邪をひいてしまった彼氏とその彼女の話。
二人の関係が自然で、ああいいな、と思えました。

過去の作品感想:
Beyond the summerBegin with you!すべてがウソになる
(12/16)

 

pure blue ver 1.00/a.m.(フリーソフト)

難病のために入院してばかりのぼくには、一人のともだちがいた。
頻繁にお見舞いにきてくれる彼は、ある日、したいことはないかと聞いてきた。
それにぼくは海が見たいと答えた。


選択肢なし、友人、病気、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではコンフィグの文字速度や音量バーを
どちらに動かせば大きく(小さく)なるのかわかりにくかったです。
立ち絵はなく、一枚絵を中心に進んでいきます。一枚絵は十三枚+差分。
画面を動かす演出が効果的でした。
フォントには
あずきフォントが使用されています。
音楽は小さな冒険といった感じの曲や穏やかな曲など、数は四曲だけと少ないですが良い曲ばかりでした。

ぼくとともだちのやりとりが中心で、そこにちょっと不思議なことが起こったりします。
オフィシャルサイトに(微BL?)とありますが、
本当に仲の良い友達といった感じで表立ってのそういう描写はなし。
ぼくとともだちのお互いへの気遣いや、ふざけあう様子が微笑ましかったです。
ただ、その部分が良かっただけに不思議要素はなくてもいいのではと思ってしまいました。

過去の作品感想:
僕の就活日記マスター×マスター 〜××を極めし者〜
(12/17)

 

ゴス道の乙女たち(18禁)/01-Torte(1500円)

ゴスロリを着た少女が襲われる「ゴス狩り」が何回も起こっている町。
二宮直都は義父から依頼を受けその事件を調査していた。
その過程で彼は、鋏を持ち歩くゴスロリ少女エリカと出会う。


選択肢あり、ゴスロリ、因習、十三時間半足らずで読み終わりました。
暴力やグロテスクな描写があるので苦手な方は注意。
システム面ではセーブロード画面から右クリックで抜けられないのがやや面倒でしたがそれ以外は特に問題なし。
絵は違和感を覚えるものもありましたが、エリカの猫口が可愛かったです。
あとミサとアンリが抱き合うシーンで、立ち絵を接近させているだけなのに
密着している感じにジャストフィットなのがとてもお似合いでした。一枚絵は八十枚+差分+α。
OPをはじめとして随所にムービーが挿入されています。
なかでもトイレ→校舎→車内と視点が移動していくムービーが秀逸。

ルートは三つでエリカのみトゥルー、ハッピー二種のエンド有。
エリカ、アンリルートで相手を好きになるシーンがやや唐突に感じられました。
エリカトゥルーではフォローされている部分もありましたが、
それでももうちょっと過程があったほうがと思いました。
ただ、全体的に読みやすい文章でしたし、
メインのエリカルートの構成も練られていておお、と思いました。
ミサ、アンリルートはメインからの分岐時にはダークな話一直線かと思いましたが
直後にブラックコメディーになって噴きました。
共通部分でも様々なネタが散りばめられていて面白かったです。
特に直人とエリカのコンビネーションがお気に入り。

細かいところでは同人ソフトネタもあってくすっと笑いました。
気付いたのは「
蝶葬」「愛することは生きていくこと」「僕はキミだけを見つめる
の三作品ですが……他にもあるのでしょうか?
それからエリカがHシーンでもゴスロリ服に対する執着のようなものがあるのが良かったです。
全裸になるにしても、そこに逡巡がなければわざわざゴスロリを着ている意味がありません。
……ちょっと言いすぎでしょうか。ミサやアンリはそうでもないですし(ゴスロリとしてのレベルの違い?)

ともかく、全体のシナリオが良い上に各所のネタも面白く、楽しめた作品でした。

蛇足ながら作中での一幕にて。
一也「直都、今日が何の日か知ってるか?」
5月24日……なんだろう。
直都「誰かの誕生日か?」

私の誕生日です!
(12/18)

 

くるくるぱおーん(18禁)/月のあくび(DL版1300円、パッケージ版1500円)

幼い頃、記憶を失いさまよっていたところを堀江田ころもに発見され、堀江田家の子として育った伊澄。
ある日、頭を強打し生死の境をさまよっているところを自称神様にとりつかれてしまう。
それ以降、神様の力で色々とエッチなことが起こるように…


選択肢あり、アニメ、コメディ、ボイス有、二時間半ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
誰かが来たときのため別画像を表示する緊急回避機能が付いているのですが、
出てくるのが阿部さんなのでむしろ逆効果というかなんというか。
絵はぷにっとした感じ。そしてぐりぐり動きます。Hシーンだけでなく立ち絵も動きます。
私としては3Dアニメーションはなまじ現実に近いだけにかえって違和感を感じてしまうのですが
立ち絵の動きは可愛く思えました。Hシーンはやっぱりちょっと違和感が……
動画再生モードの多重音声やショートカット割り当てなどは良い機能だと思いました。
音楽はDQやFFのアレンジが使用されていたり、自作曲があったり、
フリーのものが使用されていたりしますが、変に思うところはなかったです。

神様がとり憑いたことで起こるエッチな出来事、
しかしやがて物語は宇宙規模に、という流れですがその大半はコメディー。
あとがきなどで言われていますが後半の展開とオチは前半ほどのキレがなかったのが残念ですが、
ただし魔法は尻から出る!なんて言葉を連想するような尻へのこだわりとか、
他にも色々とバカバカしいネタがたくさんあって楽しめました。
あとヒロインの中では一番不遇な雉歌さん(義理の母)ですが一番お気に入りでした。可愛いです。
本編以外にタイトル画面やスタッフロールでも色々はっちゃけていてにぎやかな作品でした。
(12/19)

 

ショタ調教2(18禁)/Nought(500円)

他人の目がある場所で女装でショタな結城は数人の少年から様々な命令を受けていた。
電車、トイレ、道端、コンビニ。
そしてそれはエスカレートしていって…


選択肢なし、ショタ、露出調教、四十分ほどで読み終わりました。
陵辱などがあるので苦手な方は注意。
システム面は特に問題ないものの、
文章が表示される場所が狭くて時折一つの文章が二ページにまたがって表示されるのが読みにくかったです。
絵はバラつきがありますが良いものは色っぽかったです。一枚絵は差分含め二十四枚。

結城が命令によって不特定多数の男達から陵辱されます。
前作「ショタ調教」部分も全音楽・全CG一新で再録とのこと。
誤字脱字がやや多めなのが気になりました。
それに終わり方があっけなかったです。
あと途中から圧迫されて射精を止められていて、それが最後までそのままなのですが、
私にとってショタもののメインイベントは射精なのでちょっと物足りなかったです。
最初から最後までHシーンで、さっと読めるのは良かったですが、気になるところも多い作品でした。
(12/20)

 

Fuck Me(18禁)/Nought(500円)

陸上部の綾はある日下駄箱に一つの封筒が入っているのを見つける。
そこに入っていたのは自分の万引き写真だった。
同封されていた手紙に従い、彼女は旧校舎へと向かった。


選択肢なし、脅迫調教、四十分ほどで読み終わりました。
コミックマーケット74頒布のものには修正パッチあり。
陵辱や獣姦などがあるので苦手な方は注意。
システム面は特に問題なし。前作のように文章が二ページにまたがることもなかったです。
絵も前作よりよくなっていて可愛かったです。一枚絵は差分含め十八枚。

話は脅されて輪姦、露出等。わりとすぐ快楽に溺れます。
輪姦シーンや獣姦シーンなどがさわりだけでその後省略されることが多く、物足りない部分がありましたが、
前作同様さっと読める上、前作で気になったところは改善されている作品でした。

過去の作品感想:
ショタ調教2
(12/21)

 

パレット(フリーソフト)

ある夜、有名な精神科医、シアノス・B・シアンの診療所に女がやってくる。
彼女は銃で脅し、B.Dと名乗る少女の記憶を回復させるように言った。
そして電話を通じて、シアンとB.Dのカウンセリングが始まった。


選択肢なし、サスペンス、二時間半ほどで読み終わりました。
「第4回アスキー エンタテインメント ソフトウェア コンテスト」グランプリ作品。
RPGツクール95で作成されています。
そのためバックログがないのがやや不便。とはいえ大体のイベントは何度でも見ることができます。
また、色関連で不安定なところがあり、重要な部分が背景と同化して見えなくなったりすることもあり。
正規の色使いではモノクロの画面に赤だけ色付いているのが印象的でしたし、
流れ続けるノイズや電話の音など効果音も話を盛り上げていました。

B.Dの精神世界を探索して記憶の断片を見つけていき、
B.Dの身になにが起こったのかを探っていきます。
ぞわぞわするような演出が良かったです。
記憶探し部分は進行具合によって行ける所行けない所が緻密に作り上げられていますが、
ノーヒントのところがほとんどなので攻略を見ないとしらみつぶしの作業になりがちでした。
それに終盤があっけなくて、その上わかりにくかったので、
もう終わり?という気持ちになってしまいました。
(12/22)

 

鳩ヶ丘高校女子ぐろ〜部 Gleam of Force/フランスパン春風亭工房(2500円)

小鳩ヶ丘町内で行われる拳闘大会GOF。
その女子部門で無敵を誇った木下ねがいだったが大会中の事故で行方不明になってしまう。
それから数年。妹のかなえの元へ姉のグローブが届いた。
かなえは姉のさらなる手がかりを求めてGOFに参加するのだった。


選択肢なし、対戦格闘風ACTゲームとのこと。
ストーリーモードはバトルパート含め一時間足らずで終わりました。修正パッチ有。
システム面は格闘ゲームなのでバックログ等なし。
歌付きOPムービー有、それ以外でもステージ曲の多くが歌付き。

私の格闘ゲームの腕前は
以前も書きましたが、
今回もNormalのCOMにギリギリで負ける(三回に一回くらいは勝てますが)程度です。
なので良さを味わえきれない所が多分にあるかとは思います。

この作品の特徴は相手の攻撃をガードする以外にも流してカウンターが基本動作に入っていることや、
体力ゲージが減るほどどんどん強くなって、
瀕死状態のときに超必殺技を完全に当てると相手が体力満タンでも一撃必殺だったりすることでしょうか。
プロレス的な相手にあえて攻撃させるとか、土壇場で逆転とかが味わえて爽快感がありました。
……逆にやられると理不尽な気分になりますが。
(12/23)

 

[Rensa]ver3.01(15禁)/荒磯の巌(500円〜600円/フリー版あり)

高校二年生の夏目有生が過ごすごく普通の日々。
その中で生まれる人と人との繋がり。
それは良い方に向かうのか、それとも…


選択肢あり、恋愛、繋がり、奇跡、十一時間半ほどで読み終わりました。
暴力・性関連の描写があるので15禁とのこと。
それほどあからさまなのはありませんが、泥沼にはまっていく描写はかなり重いです。
フリー版は一部エンディング・シナリオ・グラフィックと
アフターシナリオがありませんが、基本的なシナリオは共通。
システム面は特に問題なし。
絵は目を惹くようなものではありませんが、
読んでいくと表情変化が効果的な演出になっています。

ルートは四つ+α、エンディングは五十五種類。
あるエンドを読んでからでないと辿り着けないルートや、好感度以外にも隠しパラメーターが存在しているため、
同じ選択肢を辿っても同じ結果にならないこともあり、難易度はかなり高め。
また、目的のヒロイン以外ともかなり仲良くしないとルートに入れないことも多いので、
普通の恋愛ものの感覚で進めていくと詰まります。

どのルートでもトゥルーエンドへ行く過程にはこれでもかというほど悪いことが重なり、
人の負の面がかなりえげつなく描かれています。
そうなる以前に良い状態のまま終わるエンディングや、
奇跡が起きて都合よく解決するエンディングもありますが
それらはすごくあっけなくて、表面だけを上滑りしているような終わり方です。
でも、そういったエンディングがあるために
トゥルーエンドへ至る過程での人と人との繋がりがより暖かく、大切に思えました。
そのためメインの四ルートはどれも良かったです。
ただ、シェア版のみ収録のこの作品の裏側で動いていることが描かれている五番目のルート(駅前ルート)は
その裏側が明かされるほど踏み込んでいるわけではなくあっさり終わってしまい、中途半端に感じられました。
また共通の前半部分は少々退屈で、導入としては印象不足な部分があるように思えましたし、
難易度が高いため何度もやり直すうちに話への没入感が薄れてしまう面もありました。

四ルートの中では沢田ルートがお気に入り。
他のルートでも他人のために泥をかぶることができ、好感が持てる主人公ですが、
このルートでの主人公は解決へ持っていくための論理、それを成し遂げるための努力、相手への気遣い、
逆に相手の気持ちを知り、傷つけるとわかった上であえて行動する決意など、本当に格好いいです。
沢田もいい娘ですし、問題が起こる前後の妹も含めたやりとりが微笑ましいです。
(ネタバレ反転)
(あまり突き放すと目の前で自殺してくれちゃいますが)
ただヒロインで一番お気に入りなのは朝。
(ネタバレ反転)
展開によっては容易に病み、デレずに刺し殺しにきますが
別ヒロインルートで腹を割って助けを求めると
主人公への気持ちを押し殺して全力で協力してくれるのが健気でした。
あと穂摘のまっすぐな元気も別ヒロインルートの悪い展開中であっても発揮されて一服の清涼剤でした。

どのシナリオでも、良くない流れになると次々と悪いことが起こり、
またそれを良い方向へ持っていくのも繋がりの力で、タイトルどおり連鎖の物語でした。
(12/24)

 

ミノカワリ/河童ボーナス(フリーソフト)

中学に入ってからイジメをうけていた泰治は
小学校の頃の友人で別の学区になってしまった剛に身代わりを頼みにいく。
しかしそこで剛から、家族を殺したと告白されてしまう。


選択肢なし、身代わり、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は背景が上部に表示され、右下に流し雛の絵が描かれていますが立ち絵や一枚絵などはなし。

かつて容姿が似ていると言われながら、その後のイジメのストレスで太ってしまった泰治と、
貧乏で周囲の住人からも蔑まれてきた剛がひさびさに一緒に行動します。
鬱屈とした調子でずっと続いていきますが、
成長してしがらみが増える中、それでも小学生の頃のように笑いあうラストには開放感を覚えました。
(ネタバレ反転)
穴を段々深く掘っていくところで、最後は泰治が埋められるのではとビクビクしてしまいました。

過去の作品感想:
あの夏祭りで誰が死ぬ?Monster
(12/25)

 

アンダーブルー(BL)/銀灯(フリーソフト)

青空の下に長くいることができない症状を持った人たちを集めた学校。
草間宗一郎と遠野凛太はその学校の寮から青空の下、買い物に出かけていた。


選択肢あり、青空、十分と少しで読み終わりました。
システム面は微妙にレスポンスが遅めなことが気になりました。
立ち絵はありますが一枚絵はなし。

いつもどおりの買い物帰りが決定的な亀裂になったり、
今のところはやっぱりいつもどおりだったり、ちょっと変わったりします。
エンディングは五種類。
設定ありきで話の流れとしては唐突に感じられるところがありましたが、
白と黒がはっきりと分かたれ、頭上に青空が広がる背景と、単調に無機質に流れ続けるBGMが印象的で、
彼らの見ている景色はこんな感じなのかなぁと思いました。
(12/29)

 

 

(体験版)

homeless, the vagabond 第一章 正式公開版/ヲサカナソフト(フリーソフト)

二年四ヶ月、各地を放浪しバーや喫茶店で演奏をしていた津田啓。
しかし、電車の中で財布をなくしてしまう。
途方にくれる彼だったが、小田原塔子という同い年の女の子に声をかけられ、
なりゆきで共に演奏をすることになる。

その演奏で感銘を受けたという塔子の一緒に連れて行ってくれという願いを聞き入れることとなった啓。
その日の夜に同じような経緯でショパンコンクールで準優勝した経歴を持つ六深菜を仲間に加え、
彼らは北へと向かうこととなった。


以前におすすめとして紹介したhomeless, the vagabond(β版)の正式公開版。
六時間ほどで読み終わりました。
β版と基本的な流れ、結末は変わりませんが、エピソードの追加、
ルート選定サポート機能(どちらの選択肢がどちらのヒロイン寄りのものかわかる)
TIPS機能(色の違う単語クリックで用語解説)の追加、立ち絵の一新、
システム、演出の強化などがされています。

システム面ではエフェクトが飛ばせるようになりより快適になりました。
演出ではヒロインの立ち絵が小刻みに震える箇所がコミカルな場面をより効果的にしていました。
ただ、文章中で色を変えて強調表示しているところがTIPSと紛らわしかったのがやや気になります。

シナリオはラスト手前の仙台でのシーンがやや改善されたもののまだ唐突に思えましたが、
何回読んでも笑えましたし高揚させられましたしぐっときました。
お気に入りのネタはテント組み立て説明書。好きな土地は新潟。
第二章も楽しみにしています。
おすすめ
(2/22)

 

Deep onE 〜prototype edition〜(18推予定)/☆☆☆☆☆☆☆《なな・スタ》

1982年、「不釣り合いな過剰技術」と称されるものが存在する世界。
斎野尚哉と九花の兄妹は両親を亡くしながらも日常を過ごしていた。
しかし、ある日突然、その日々は崩れ去ってしまった。


選択肢ありですがこの体験版では一本道、異能力、伝奇、五時間ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。シナリオジャンプモードが実装されているのがありがたかったです。
絵は若干ぎこちない印象を受けました。

話はプロローグの後、尚哉を中心とした日常が描かれますが、最後異形に襲われて、というところで続く。
この体験版では三日目まで読むことができます。
固有名詞や難しめの漢字にルビが結構多く使用されているものの、読みにくいというほどではなかったです。
悪友とのコメディシーンは私には合わず、面白く感じられませんでしたが、
妹やクラスメイトとの穏やかで思いやりのある日々は和みました。
主人公は恋愛的には鈍感にもほどがありますが、
なにが大事かを意識し、それを守るために行動しているところが好印象。
この主人公だったら、これから先の物語も悪いようにはならない、そんな気がしました。
(4/6)

 

ミッドナイトヴァージン第1話〜第25話/ミッドナイトヴァージン(フリーソフト)

特務機関のエージェント御神楽優作は赤羽珠の護衛を命じられ国立神与学園に潜入する。
そこはヴァージン・ダイバーと呼ばれる特殊能力を持った少女達が夜毎闘いを繰り広げていた。


選択肢なし、能力バトル、一部ボイスあり。
一話十分前後、二十五話まで三時間四十五分ほどで読み終わりました。
フラッシュで作成されていてセーブ機能はありませんが一話一話が短いのでさほど気になりませんでした。
絵は少しくせがありますが上手いです。
一枚絵をそのまま使ったり一部をズームしたりと遠近を使った演出が良かったです。
ただ赤羽珠の友人達の初登場時、
複数のキャラが描かれた一枚絵が表示されたので誰が誰だかしばらく顔と名前が一致しませんでした。
音楽は戦闘時にかかるラテン系の曲がお気に入り。

話は赤羽珠を始めとする少女達の闘いを描きながら神与学園やヴァージン・ダイバーのことが明かされていきます。
闘いの成績等に応じて変動するヴァージンランキングや、
謎のゲームマスターによって決められるマッチメイク、
そして各自の能力を生かしての戦闘が燃えます。
一人一人の背景もしっかりと描かれていて、その場面での感情がしっかりと伝わってきました。
当分連載休止とのことですが、続きが楽しみです。
(4/15)

 

御伽噺食堂 体験版/Inverse Kinematics

とある商店街にある安倍食堂。
そこで働く四人は妖怪や霊に関する事件を解決する対妖魔便利屋でもあった。


選択肢あり、伝奇コメディとのこと、一時間半ほどで読み終わりました。
システム面では画面の切り替えやメニュー表示のときのレスポンスが若干遅いことが気になりました。
またセーブ時に確認メッセージが二回出ますが、これは製品版では一回になるとのこと。
コンフィグ関連は一通り揃っています。
「背後霊システム」については説明が面倒くさい長くなってしまうので公式サイトを参照。
体験版でも何箇所か好感度で変化する反応を実感できる箇所がありますが、
その違いを見るためには何回かの試行が必要なので、
最初の方で書いた反応のわずかな遅さが繰り返すことで無視できないものになってしまっていました。
絵は喜怒哀楽の表現が上手いなと思いました。
それから和紙に描いたような質感の背景も味があります。
演出ではプロローグが刃物の軌跡や術の光などが印象的で、さらに動きもあって惹かれました。

この体験版ではチュートリアルとプロローグ、それに本編の二日目途中までを読むことができます。
プロローグは戦闘シーン、本編は日常シーンメイン。
一回最後まで読むとコメディ色の強い選択肢が追加される箇所もあり。
本編はまだほとんどなにも起こらないので話に関してはなんともいえませんが、
登場人物では里子のころころ変わる表情や明るい言動がお気に入り。
中でもキャラ選択画面などでののぞき込むようなポーズの立ち絵がすごく可愛いです。

視覚的な面ではかなり良いものがあり、テキストもなかなか読みやすかったので、
「背後霊システム」を扱いやすいような下地が整備できればより楽しめる作品になりそうです。
(4/16)

 

ゴスデリ 体験版/PBP

うだつのあがらない小学校教師、不可咲貴路はある日の帰り道、ローと名乗る幼女と出会う。
子供が一人でいることを不審に思い貴路は一緒に交番へと赴くが、
そんなローを狙う者達がいたのだった。


選択肢なし、異能力、学校、一時間と少しで読み終わりました。
コンフィグにCV音量設定があるので完成版では声が付くかもしれません。
システム面は既読/全てスキップ切り替えや右クリック時の動作を選択できたりと至れり尽くせり。
また、シナリオジャンプモードが常時選択可能なのもありがたいです。
絵はローやスミスが可愛い。

話はなにやら人外っぽい幼女ローと、
彼女に自分から近づいていった結果巻き込まれてしまった貴路の二人がメイン。
特筆すべきは演出。
各グラフィックの切り替えのタイミングが本当にスムーズで不自然さがなく、目に楽しかったです。
特に第一章三話「チキチキカバンモウレース」のスピード感は凄すぎます。
シナリオは悪くないものの演出からするとやや物足りない感がありますが、
まだ序盤ですし、盛り上がったところで演出と噛み合えばとても素晴らしいものになりそうだと思わせられました。

過去の作品感想:
タリナイモノ体験版
(4/17)

 

EDEN -最終戦争少女伝説- OVERTURE ver1.00(18禁予定)/LAST WHITE

数秒後に確実な死。そんな状況に見舞われた市之倉隆達。
どうしてこんなことになってしまったのか、
なすすべなくそれまでの出来事を振り返ることしかできなかった。


選択肢なし、ファンタジーアクションとのこと、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題なし。
絵は若干塗りが濃くくせがありますが、仮面の女のデザインが秀逸。
演出は文字をも塗りつぶすほど血がどばっと出るのが生々しかったですし、
文字の動きや魔法陣の出現の仕方がセンスあるなと感じました。

この序章では、大部分が主人公の回想という形で進みます。
いきなりインパクトある山場を見せられたので、
どうやってそこまで到るのかという興味を持ちながら読んでいきましたが、
道中も山場に負けず劣らず容赦ない展開でどんどん読み進めることができました。
ただ、栗栖花濡に付きまとう面々の図々しさや、
契約とか大層なことを心に決めつつ幼い頃はおろか今になっても
それを実行できていない主人公に強い不快感を感じました。
とはいえつまらなかったらそういう感情を抱くこともないので、良くも悪くも話に入りこめたということですし、
現時点でも楽しめ、また続きが気になるという序章としての役割は十二分に果たせているものになっていると思いました。
(4/19)

 

ヒノカケラver 3.00/Reddish Region(1500円)

十年前より昔の記憶がなく、「死蝕」という能力を持つ何でも屋レイヴン。
ある日持ちかけられた依頼はその能力を敵視する法院に潜入し、とある少女を奪還することだった。
そこで目的の少女アヤと出会ったことで、彼の運命は大きく動き始めたのだった。


選択肢なし、3D格闘。
ストーリーモードは途中のバトル含め七時間半ほどで終わりました。現時点ではレイヴンシナリオのみ実装。
ちなみに私のこの作品における腕前は(難易度はEasy、Normal、Hard、Nightmareの四段階で)
NormalのCOMにギリギリで負ける程度です。
なので格闘ゲームとしての感想はおいておいて、以下ストーリーモードのみの感想です。

システム面はバックログ関連で不具合がいくつかありましたが、それ以外は特に問題なし。
絵は女性陣がなかなか可愛いですし、ノベルパート中でのバトル演出も多彩で良かったです。

話はアヤを奪還しとある場所まで送り届けるよう依頼されたレイヴン。
しかしアヤは特殊な能力を持っていて、二人を追う法院、レイヴンの記憶と能力などが絡み進んでいきます。
終盤が少し駆け足になってしまったように感じられたことが残念でしたが、
お祭りなどのシーンは楽しく、凄惨なシーンは徹底的に描かれていて、
格闘ゲームのストーリーモードとは思えないほどに楽しめた作品でした。
(4/25)

 

八月の殉教地 黒い聖母篇(18禁)/月臥丘書寮(1500円)

おすすめ
(5/1)

 

Fw:(体験版)/xion

とある田舎の島、その中でもさらに人気のない灯台で妹は唄い、兄はそれを聴いていた。
そこへ一人の少女がやってくる。
転校してきたという少女は仲良くしたいと言ってきたが、兄は素直にそれを受け入れることができなかった。


選択肢なし、三十分ほどで読み終わりました。
システム面は特に問題ありませんが、
セーブ画面や本文のルビが潰れていてかなり読みにくかったです。
人物絵は今風な印象。寂寥とした背景が良かったです。
カメラワーク等の演出もなかなかでした。

この体験版では最初の一日目、
兄の杵築健と妹の咲耶が灯台で谷田恭子と出会い、別れるまでを読むことができます。
詩的な文章が特徴的で叙情的ではありますが、反面言葉足らずでわかりにくくも感じてしまいました。
話はなにやら仲良くなることを拒む理由があるようなのですが、
現時点ではただ三人ですこし会話しただけで、興味を持つところまでいきませんでした。
(5/2)

 

都市伝説怪異譚 貴方の後ろのメリーさん(18禁)/幻上楼閣(1000円)

高校生作家の秋村高志の携帯電話にはメリーさんと名乗る人物からメールが届くようになっていた。
始めのうちは他愛もない自分の行動を書いてくるだけだったが、
次第に高志の身に実際に起こる不幸を送ってくるようになっていた。


選択肢あり、都市伝説、一時間半足らずで読み終わりました。
ルートは二つ+ノーマル、バッドいくつか。
システム面は特に問題なし。
絵はかなり好み。というか
Goetia ―DUEL WALTZ―と同じ方。
あと怖い表情にぞっとしました。一枚絵は差分含め二十九枚。

話はメリーさんからくるメールと同じことが起こるようになり、
最終的に学校で色々な怪異と出会います。
二つのルートで展開ががらりと変わるのですが、
過程の段階ではなく結果がある程度決まってしまってから分岐するので
片方のルートを読んだあともう片方を読むとかなり強引な印象を受けてしまいました。
ただ、メリーさんルートはなかなかに気の利いた嬉しくなるような結末で良かったと思いました。
(5/23)

 

都市伝説怪異譚 黄色く踊る救急車(18禁)/幻上楼閣(1000円)

葉山修は知人の紹介で不気味な病院の黄色い救急車の運転手をしていた。
ある日、救急車で運んだのは幼馴染の美樹本恵だった。
いままでは病院側の行っていることに見て見ぬふりしていた彼だったが、
彼女を助けるために病院に潜入することを決意した。


選択肢あり、都市伝説、一時間と少しで読み終わりました。
前作「
貴方の後ろのメリーさん」と同じシリーズですが話のつながりはなし。
一本道で途中バッドエンドいくつか。
システム、絵などは前作と同様。一枚絵は差分含め二十三枚。

話は精神を病んだ者を黄色い救急車で黄色い服の医師が待つ黄色塗りの病院まで運ぶ仕事をしていた主人公が、
過去に紆余曲折あった幼馴染と再会するも、その幼馴染が黄色い救急車に乗せられ、
後でそのことに気付いた主人公は病院へ潜入するというもの。
実際には患者よりも医師たちのほうがよっぼど狂っていて、
そんな奴らがうろつく病院内をさまよう場面は前作よりもずっと怖かったです。
あと過去の回想もぞっとしました。
差別したいわけではありませんが、理屈抜きに狂人には恐怖を感じてしまうので。
ただ、医師たちが意外と弱いのと、結末がやや拍子抜けだったことが気になりました。

とはいえ、真っ黄色が基調の画面や理解不能の言動にはかなり強い印象を受けた作品です。
(5/24)

 

コープスパーティーブラッドカバー1・2(15推)/Team Gris Gris(1800円)

文化祭の後片付けをしながら怪談話に興じていた持田哲志達如月学園高等部の面々。
それによると如月学園がある場所にはもともと天神小学校という学校があり、そこで事件が起こったらしい。
そうしているうちに突然地震が起こり、気が付くと彼らは天神小学校の校舎内にいた。


選択肢あり、ホラーアドベンチャー、二時間と少しで読み終わりました。
RPGツクールで制作された「コープスパーティー」のリメイク。
基本的に一本道で間違った行動をすると死亡エンド。
暴力シーンやグロテスクな表現があるため苦手な方は注意。
システム面ではノベルゲームのようにバックログや文章速度変更やマウス操作はできませんが、
アドベンチャーなため仕方のないところでしょうか。既読文章が決定ボタンで瞬間表示されるのがありがたかったです。
絵はすっきりとした好感の持てる絵。
マップでのドット絵は細かな動きがあるのが良かったですが、
人物の周囲が完全に透明ではなくて、頭の上などに線が入ってしまっていました。
それから効果音が文字通り効果的に使われているように感じました。

現時点では第二話まで読むことができます。
天神小学校には登場人物がバラバラに飛ばされていて、
一話ごとに違うキャラクターがメインとなって話が進み、いろいろと怖い目に遭います。
二話までで主人公の持田哲志の出番はほとんどなし。
各話で起こったことが別の話にも影響を及ぼしていて、上手いなと思いました。
また閉じ込められたりわけのわからないものに追いかけられたりしてかなり怖い場面もありました。
特に二話のラストにぞっとしました。第一話のアレはこれだったのかと。

ただ、全体としてはすぐに終わってしまい物足りなさが残りました。
(5/26)

 

コトノハデカダンス ver6.11/スロウスターター

高校のクラスメイト全員が参加した卒業旅行から帰ってきた南悠樹。
しかし我が家にたどり着いた彼を残酷な現実が襲う。
それから一年四ヵ月後…


選択肢なし、ジュブナイル、伝奇、ver6.11では第七章「コトノハセレモニアル」まで読むことができ、
全部で十四時間半足らずで読み終わりました。
システム面では好きな章から読めるのが嬉しかったです。
絵は登場人物の描き分けというか、バリエーションがやや少ないように感じましたが悪くない絵ですし、
演出も遠近や軌跡の使い方が良かったです。

話は日常を望みながらも非日常にたびたび足を踏み入れてしまう主人公を中心とした異能力戦が描かれています。
文章が次のページにまたがって表示されることがあることが気になりました。
また主人公が身内に対して過保護すぎて蚊帳の外に追いやってしまうことがちょっと好きになれませんでした。
しかし予想を裏切ったり、かと思えばど真ん中を突いてきたりする展開など、予定調和に終わらない面白さがあります。
またストーリーに関わってくる登場人物でもあっさりと、時にはその描写さえもなく死んでしまう無常さも話に良い味を出しています。
特に第七章はこれだけで六章までと同じくらいの長さがあるのですが、
視点や時間軸を変えて綴られる事件の推移と、解決に至るまでの流れにカタルシスを感じました。
回を追うごとに面白くなっていて、これから先が楽しみです。
(6/12)

 

あるまでる!〜ベルペオールと不思議の国のアリス〜(18禁)/CocytusGarden(900円)

魔術師でもないのに悪魔っ娘の召喚に成功した竹中遊馬。
彼女に叶えられることならば、どんな願いでも叶えると言われ、アニメやゲームの女の子の召喚を願った。
しかし著作権の関係で無理といわれ、仕方がないので童話や古典の女の子を召喚してもらうことになった。


選択肢なし、童話っ娘召喚陵辱短編ノベルとのこと、三十分ほどで読み終わりました。
システム面、絵などに関しては「Goetia ―DUEL WALTZ―」と同様。一枚絵は差分含め三十一枚。

話は悪魔っ娘ベルペオールとは仲良く和姦、不思議の国のアリスのアリスに対しては無理やり陵辱します。
アニメ・ゲームキャラの召喚ができない理由が著作権というのはメタすぎてちょっとどうかと思いました。
あとアリスがアリスたるためにはドレスが重要なのに脱がせちゃダメです(断言)
でももともと絵が好みなのでベルペオールとのHシーンは良かったですし、
それ以外でのベルペオールの言動も可愛かったです。

それから次回以降に出してほしい童話・古典文学のキャラも募集中とのこと。
ヴァンパイアセイヴァーをプレイしたことが無いのに東まゆみさんの「ヴァンパイア セイヴァー 〜魂の迷い子〜」読んで
バレッタ可愛いなぁと思っている私の意見としては赤ずきんちゃんなんかいいんじゃないかなぁと思ってます。

過去の作品感想:
Goetia ―DUEL WALTZ―The First Waltzげーてぃああふたーわるつそのいちそのに
(6/13)

 

ですろり〜イノチ〜(18禁)/機械式少女(1500円)

命には、価値がない。

人は孤立している。
ひとり。
この残酷な世界で、ひとり孤立している。

絶対の自分以外は無いに等しく、それらに本来価値はない。

99%の人間とはわかりあえない。
1%の人間とはわかりあえた気がするだけ。

命には本来何の価値もありえない。

でも、

それでも、

(サークルサイトより)


選択肢なし、残酷、四章構成の第二章まで収録。二章は十九時間ほどで読み終わりました。
流血、グロ等残酷描写があるので注意。
システム面では第一章とほとんど変更ありません。
音楽は主題歌「Ishtar」のインストが使われるシーンもあって切ないですが、
魏、中佐登場時の音楽もこれが流れると各組織首脳の講義が聴ける!とわくわくしました。
…カメドカンはちょっと印象薄いですが。

第二章では卑屈な少女、麻昼がフィッシャー&ハンターと韓香林たちパンダ隊を中心とした闘いに巻き込まれます。
一章から引き続き悪ふざけがかなり多いのが気になるものの、
それさえも味だと思えてしまうほどとにかく話が面白いです。
常識、倫理、道徳で思考停止せずにそこから一歩も二歩も踏み込んだ「イノチ」について。
戦略、戦術、言葉、動作、様々に及ぶ虚実織り交ぜた駆け引き。
各人の死に様、生き様、生き残り様もそれぞれ特徴的で、なかでも大場弓とパンダ隊が印象に残りました。

第二章だけでも大満足。第三章も楽しみ。文句無く「
特におすすめ」な作品です。
(6/14)

 

CD−Lime(18推)/小倉ハムスター(フリーソフト)

みなしごになってしまった僕を親戚が引き取ってくれることになった。
しかしその家にいた従姉のライムちゃんは突飛な行動ばかり。
それでもそんな彼女に慣れてしまったある日、二人は一枚のCDを発見した。


選択肢あり、魔法少女、猟奇、一時間半と少しで読み終わりました。
動物虐待、人間の首チョンパなどあるので苦手な方は注意。
システム面は特に問題なし。
絵は可愛くて好感の持てる絵柄です。

ライムちゃんが動物殺したり黒魔術を行ったりしますが、あるとき魔法少女に目覚め…やっぱり殺したりします。
エンディングは三種類。
主人公が地の文や台詞でまくし立てているのにその勢いがあまり感じられない箇所があったことと、
メタネタがいくつかあることが気になりましたが、
ぶっとんだライムちゃんの言動は印象的でしたし、終盤語られる彼女の胸の内には不覚(?)にもぐっときました。
ライムちゃんの奇行に驚くもののすぐ順応して仕方ないかと達観する主人公も良い味出しています。
あと「人」魔法陣が最初に出たときは思わず噴出して笑ってしまいました。
可愛い絵柄に奇行やグロがふんだんに含まれた話が妙にハマってクセになる作品です。
続編も完成間近とのことで、読んでみたいです。
(7/29)

 

CD−Manatsu(18推)/小倉ハムスター(フリーソフト)

ライムちゃんが家出して以来、僕はもやもやしたものを抱えながらもライムちゃんの家族と上手くやっていた。
そして明日は中学校の入学式。そんな日に窓の外から魔法少女の真夏さんがやってきた。
彼女に頼まれ、僕は真夏さんの探し物を見つける手助けをすることになる。


選択肢なし、魔法少女、探し物、二時間半足らずで読み終わりました。
残酷なシーン等もあるので注意。
システム、絵柄は「CD−Lime」と同様。
音楽もほぼ同じものが使用されていますが場面に合わせた使い方が良かったです。

「CD−Lime」に登場した真夏さんと僕の関わりが中心。
でも真夏さんは死んでいる上に首が無かったのです!
前作の感想でまくし立てる場面が気になったのですが、
今回は真夏さんとのボケツッコミの応酬に勢いがあって面白かったです。
メタネタも要所に絞って使われていて気になりませんでした。

そして話が進むうちに首なし真夏さんが滅茶苦茶可愛く思えてくる不思議。
この気持ちは是非実際に読んでみて味わってほしいです。
なんだかんだいって真夏さんのためなら本気になれる主人公とお似合いの二人ですし
コメディ多めの前半は面白く、話が動く後半はぐいぐい読ませられる展開でした。
(以下ネタバレ)
とりあえずキリの魔法は魔法を奪って自分のものにする魔法っぽいですね。
前作の気になるところは無くなって、それ以上に面白さも増した話で、次回もより楽しみになりました。

過去の作品感想:
CD−Lime
(8/17)

 

いのちのシルエット ver1.1 -April-/Glasses!(フリーソフト)

山盛山高等学校には生徒によって何匹かの犬や猫が連れてこられていた。
彼らは今日も校舎裏で会話に花を咲かせる。


選択肢なし、どうぶつもえもえノベルとのこと、一時間ほどで読み終わりました。
2007年エイプリルフール公開作品。
最初に読める「がっこうのざつだん」に出てくる太字のキーワードを入力することで十個+αの話を読むことができます。
一回目で全てのキーワードが太字で表示されるわけではないので
何度か読み直さなければならないのが少しだけ面倒でした。
あと最初の内はヒントをろくに読まずにすすめてしまい、
「がっこうのざつだん」以外の話の太字をキーワードかもと思って、
ただの叫び声である「チョモホラァッ!!」とか「あじょぶぼけら!!」とかを入力したのは完全に私が悪いです。
犬や猫は基本的にシルエット表示。人間に立ち絵などはありません。挿入歌、ED歌あり。

今回のものだけでもまとまってはいますが、続編があるかもとのこと。
ぐだぐだトークあり、ちくわの歌あり、ボイス付き決め台詞あり、
重い過去あり、愛らしいぬこ画像あり、飼い主との愛情あり、
などなど非常にカオスな作品で楽しめました。
それから、ミヤ(メスの猫)の方言に思わずトキメいてしまいました……

過去の作品感想:
[ Miniature Cast ]秋風夜空〜BOY MEETS UFO〜
(12/15)

 

 

その他

風雲相討学園ポテト/相討ちネガティブギャング(フリーソフト)

ふとしたことからレジャー施設「風雲ランド」のペアチケットを入手した主人公。
しかし、一緒に行ってくれそうな人はおらず落ち込んでしまう。
そのとき教室に、宮本キンバリーの妹、ポテトがやってきた。


選択肢あり、恋愛、一時間と少しで読み終わりました。
恋愛対象は一人、エンドは三つ。
システム面は特に問題なし。
絵は可愛いです。中には微妙にエロい一枚絵も。

「風雲相討学園フラット」のIFシナリオで、本編の直後が舞台。
週末にポテトと風雲ランドへ行くことになり、そこでの出来事を通して仲良くなっていきます。
本編同様たたみかけモードに好感度グラフもあり、受け答えで上下する好感度に一喜一憂できます。
そしてはしゃいだり照れたりするポテトが可愛いです。
実際にこんな人の話を聞かない女の子がいるとムカつきそうですがそれでも可愛いです。
ストーリーの起伏やコミカルさは本編に譲りますが(それでもトゥルーエンドは笑えました)
その分恋愛をしっかり描けている作品だと感じました。

過去の作品感想:
風雲相討学園フラットReal intention 〜ココロのクサリ〜
(4/5)

 

田辺はハイテンション 第二話「田辺はびっくり!」/circletempo(フリーソフト)

格闘ゲーム「ぜろすりー」に夢中になった田辺たち一行。
ナガサキ屋で特売があることを知り、朝早くから買いに出かけるのだった。


選択肢なし、十分ほどで読み終わりました。
Mythの登場人物が出演した短編。
第一話は
こちら
セーブ機能などはありませんが、短いのでさほど気になりませんでした。
ドタバタは第一話同様なかなか楽しかったですし、終盤は思いがけずちょっと怖かったです。

過去の作品感想:
Aguni-運命の先-出張版・奏の事件簿
(5/14)

 

Ringlet Continue+(0710)/Project Ringlet

Ringletの後日談、Ringlet Continueに新しい後日談が追加されたもの。
奈緒編「親娘」とガーデン編「Mi ami? Ti amo.」の感想は上記リンクから。

そのときから新たに追加されたのは彰人(主人公の友人)編「これから」
選択肢無しで五分ほどで読み終わりました。
彰人編とありますがRinglet Extraに出てくるエルセ関連のことを主人公と彰人が語るので彰人メインというわけではありません。
今回の話とは直接関係ありませんが去年の冬コミで無料配布されていた
「Ringlet the Inside Story」にRinglet世界と現実との違いが書かれていて、
いままで架空の国はあれど現実世界と同じ舞台での話だと思っていただけにちょっとびっくりしました。
(5/14)

 

アナザーサイドオブ街痛〜耳田編〜/猫ノ事ム所(フリーソフト)

街痛〜運命の導火線〜」のサブキャラクターで、
本編の主役の一人、宇賀神と関わりのある耳田聞作をメインにした番外編。
選択肢なし、二十分足らずで読み終わりました。

タイトル画面から番外編開始をクリックしたあと、
サブタイトル画面が出てもう一回開始をクリックしなければならず
一手間余計にかかってしまうのが少し気になりましたが、後半の大立ち回りは笑えました。
(5/16)

 

鴉の断音符ver2.01/飼育小屋製作委員会(フリーソフト)

鴉のヤタは高い知能を持ち、人間の言葉を話すことができた。
ある日ヤタは殺人が行われているところに遭遇する。
なぜ人は人を殺せるのかと疑問を持ったヤタ。
とはいえ彼は自由で、その答えを出そうとすることも、
いつもどおり日々を過ごすことも、事件を解決することも、なんだってできるのだ。


人気があった三つのエンディングのその後が描かれたシナリオがVer 2.00では追加されています。
本編の感想は
こちら
選択肢なしでどれも五分以下で読み終わりました。
面白かったのは#18と#19。
#18はヤタと早苗のどっちもどっちなやりとりが楽しかったですし、
#19は本気を出したヤタが怖くも格好良かったです。
(5/16)

 

げーてぃああふたーわるつ/CocytusGarden(フリーソフト)

Goetia ―DUEL WALTZ―の概要と登場人物紹介。
主人公のクラスメイト、鮎原昴と先輩、鮎原織姫姉妹の掛け合いで進みます。
質問等募集中とのこと。

選択肢なし、五分ほどで読み終わりました。
The First Waltz」を読み終えた状態では真新しい情報はなく、未プレイの人向けの紹介といったところ。
私は体験版を読まずにいきなり本編を読みましたが、体験版ではルーティアの出番がほとんどないそうです。
ルーティアが登場してからが面白いのに…
体験版を読むならいっそのこと「The First Waltz」を買ってそちらを読んでみてほしいです。
(5/18)

 

図書室のネヴァジスタ THE FOOL/タース・エンターテインメント(フリーソフト)

ドラッグジャンキーが集まるチャットの管理人、ネヴァジスタはそこの住人達を集めゲームを開催した。
賞品は五キロの覚醒剤。勝利条件は全員のハンドルネームを最初に当てること。
しかしそこにはマフィアの手先や警察の捜査官も潜入していた。


選択肢なし、推理、一時間ほどで読み終わりました。
「図書室のネヴァジスタ」の立ち絵を流用したエイプリルフール企画エコロジー・ノベルで本編との関連はないとのこと
システム面は起動直後のサークルロゴがスキップできないことと、
バックログを読むときに誰がどの発言をしているのかがわからないのが気になりました。
また最後の登場人物紹介でのHN入力の記録が一回ゲームを終了させると消えてしまうのも不便でした。
絵は悪くないですが年相応に見えないキャラがいて紛らわしかったです。
音楽では挿入歌の「月に踊る」がとても良い曲で終盤を盛り上げていました。

話は登場人物視点、第三者視点、チャットログの三つを順番に読んでいき、
最後まで読み終わるとそれぞれのハンドルネームを入力し、全員正解するとエピローグを読むことができます。
本編の体験版を読んでいても読んでいなくても大丈夫とのことですが、
私は未読だったので先入観に惑わされず、すんなりと正解することができました。
ただ二周目を読んでこれはこういうことだったのかと思うようなつくりはとても良かったのですが、
それ以上に一周目が説明不足で何が起こっているのがよくわからないまま読みすすめてしまいました。
体験版プレイ後に読んだ方がずっと楽しめる作品だったと思います。
(5/21)

 

肖像の七月/Talestune(フリーソフト)

六式島を訪れることになった柾木たち。
その下準備の水着選びをするという蒼に無理矢理付き合わされることとなった。


選択肢なし、女装、写真、三十分足らずで読み終わりました。
収穫の十二月シリーズ「蒼」追加ショートシナリオ。
「収穫の十二月〜冬」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜春」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜夏」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜秋」の感想は
こちら
「収斂の十二月」の感想は
こちら
システム面は特に問題なし。
絵は新キャラやら水着立ち絵やら微笑ましい一枚絵やら追加されて力入っています。

話は「神学の七月」と「祝祭の八月」の間のエピソードで、
蒼やその取り巻きなどに柾木が振り回されます。
「収穫の十二月〜秋」や「収斂の十二月」を読んだあとにプレイすると
そのドタバタぶりが無性に懐かしくて、とても微笑ましい気分になりました。
(5/30)

 

げーてぃああふたーわるつ そのに/CocytusGarden(フリーソフト)

Goetia ―DUEL WALTZ―の登場人物紹介と魔術についての説明、同じサークルの別作品の紹介など。
主人公のクラスメイト、鮎原昴と先輩、鮎原織姫姉妹の掛け合いで進みます。
質問等募集中とのこと。

選択肢なし、十分足らずで読み終わりました。
「Goetia ―DUEL WALTZ―The First Waltz」の感想は
こちら
「げーてぃああふたーわるつ」そのいちの感想は
こちら
登場人物で人気なのは織姫、ルーティア、ナナ(犬)とのこと。まあ妥当なところでしょうか。
委員長(昴)がんばれ。私も影薄いと思ってましたが。
魔術の説明は土台の基礎の設計段階というくらいにまだこれからといったところまでしか語られず。
展開によっては
錬電術師が出てくるかもといった話が5月コミティアのサークルさん間であったとのことで、そうなったら楽しみです。

あと、新作はエロエロ抜きゲーだそうですが、ちょっと紹介で卑下しすぎに感じました。
そこまで言うなら作らなければいいのに、と思うほどに。
少なくともここに一人買おうとしている奴がいるので、もうちょっと売りも挙げてほしかったです。
(5/31)

 

御伽噺食堂〜コストコンビニエンス編〜/Inverse Kinematics

ある日、梢が安倍食堂で神楽と遊んでいるところに亨の友人、朝顔が怒鳴り込んでくる。
なんでも依頼したお祓い料が高すぎるとのこと。
同情した梢だったが、それだけに収まらずお祓い料減額のため何故かオセロの代打ちをすることになってしまった。


選択肢なし、オセロ、テキストだけならば十五分ほどで読み終わりました。
御伽噺食堂のおまけシナリオ。
オセロは頻繁に台詞が入るので若干テンポがよくなかったです。
あとレイアウト的なことというか、オセロ中の安倍さんの腕、邪魔。
絵はシナリオモードの対戦前に表示される一枚絵が追加されています。
本編とかなりタッチが違いますがこれはこれで格好いいです。

シナリオモードは本編通り、綾乃ちゃん突っ走ってました。
オセロに関しては、私の腕前は今は
普通くらいですが、安倍さんを一回で倒すことができました。
……油断してその前の亨さんで一回負けましたが。
あと強化版の安倍さんにはかなり苦戦しました。
シナリオもオセロも楽しめる、良いおまけでした。
(12/8)

 

漂泊の八月/Talestune(フリーソフト)

多紙町を離れていた蒼が久々に戻ってきた。
町は変わらずそこにあり、しかし確実に変化していた。
そんな中、蒼は一人の少年と出会う。


選択肢なし、その後、十五分ほどで読み終わりました。
収穫の十二月シリーズ「蒼」追加ショートシナリオ。
「収穫の十二月〜冬」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜春」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜夏」の感想は
こちら
「収穫の十二月〜秋」の感想は
こちら
「収斂の十二月」の感想は
こちら
追加ショートシナリオその一「肖像の七月」の感想は
こちら
システム面は特に問題なし。新しい立ち絵や一枚絵などあり。

「収斂の十二月」の後、蒼の再開と出会いの話。
それまでの収穫の十二月シリーズとは毛色の違う話で、
終盤に明かされることと、それを受けての蒼の反応が物悲しい気持ちになりました。

過去の作品感想:
ルーデシア Spidering with Scraping
(12/9)

 

聖スミス学園帰宅部活動日誌/NUS(フリーソフト)

聖スミス学園帰宅部戦記のサイドストーリー。
選択肢なし、四十五分ほどで読み終わりました。
システム面ではタイトル画面が帰宅部員達によって書かれていくという演出は面白かったのですが、
スキップができないため二回目以降の起動ではやや面倒でした。
絵や音楽は本編と同様。

宝探し編と平和な日常編、二つの話が収録されています。両方ともタイトルどおりの展開。
どちらも本編で面白いと思った所を描いているので楽しめましたし、
読み終わるのがもったいなく思えました。
ただし、本編の核心に関するネタバレはありませんが、
核心以外の、けれどわりと重要なネタバレが盛大にされているので本編未読の方は注意。
(12/10)

 

HeavensGate -Less Moon- Ver1.20/Outcast

Ver1.20では
HeavensGate -Less Moon-より前、月森 陽向と麻木 美香の馴れ初めが書かれたおまけシナリオが追加されています。
追加部分は選択肢なし、三時間足らずで読み終わりました。
システム面は変更なし、立ち絵や一枚絵はなく背景のみ。

美香の視点で扉探索の開始から一年間が描かれています。
本編ではわりと完璧超人なところがある美香が、
彼女の視点で読むと意外と普通の女の子しているのが新鮮で、より好ましくなりました。
それに涼子を含めた三人ともお互いにお互いを尊敬というか、自分にできないことができると感じていて、
その補い合う関係がとても良いなと思えました。
また、以前面白そうと感じたように探索をしている場面は読んでいて楽しかったですし、
それ以外のことをしている日々も同じように楽しめました。
中でもテストの点で勝負するくだりと、終盤の陽向の教室での出来事がお気に入り。

これでHeavensGateはおしまいとのことですが、
美香に今まで(おまけシナリオの一年間)以上に充実していたと言わせる
プロローグまでの約半年間を読めないのはとても名残惜しいです。
(12/30)

 

 

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