月臥丘書寮
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

八月の殉教地

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2008/2

価格

黒い聖母篇1500円

年齢制限

18禁

特徴

オカルトパンク、悪魔、演出

黒い聖母篇は選択肢あり、エンディングは一つ+バッドエンドいくつか、十六時間半と少しで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、既読/全てスキップ、オートモード、CG閲覧、音楽鑑賞などがあり、
CG閲覧モードの枚数は233枚+差分。
セーブデータは80個まで保存可能です。

 

あらすじ

舞台は悪魔の実在が確認された新世紀。
若き悪魔祓い師である主人公、刑部 士狼は、独逸の異端審問所から生まれ故郷である葦原に帰って来る。
事故に因り記憶を失っていた士狼は其処で、幼い日々を共に過ごした少女、諸星 リューアに『再び』出会う。
死と絶望に囲まれて育った士狼にとって、葦原の平穏な日常は、輝きと安らぎに満ちた大切なものと為ってゆく。
だが、其れも長くは続かない。
士狼の身に宿した影が、リューアの血が引く過去が、其れが宿命であるかの如く悲劇を召び寄せ、やがて葦原は悪魔の跋扈する地獄と化す。
そして世界は徐々に悪意の渦に呑み込まれてゆく。
悪鬼が人を喰らい、悪霊が人を呪い、悪魔が人を堕落させ、人が人を殺す。
地上の何処にも平和は存在しない、そんな絶望の世界で、士狼たちは己の運命と戦い続ける。
残された最後の希望を手にする為に―――。
あなたの選択は、果たして世界に救いを齎すのか、或いは破滅を導くのか。
今、最後の巡礼の旅がはじまる。

(サークルHPより)

 

この作品について

黒い聖母篇は十二章構成で、父親が殺されたことをきっかけに生まれ故郷に戻った主人公が、
その真相を見つけようとする中で周囲を巻き込み事態はより大きなものとなっていきます。

システム面ではスキップ速度が遅いのが気になりましたが、
画面切り替えエフェクトやOP、EDムービーをクリックで飛ばせるのがありがたかったです。
絵はリューアの一枚絵などはとても良いものが多かったですし、
ギャグシーンで表示されるものは笑えるものばかりでした。
しかし他の一枚絵や立ち絵の一部に少々見劣りするものがあり、バラつきが目立ちました。
ムービーや演出は素晴らしかったです。
OP、EDムービーなどはグリグリ動きますし、
必殺技のエフェクトも格好良かったです。特に主人公の「奈落」は熱い。
音楽はコミカルな曲から壮大な曲、それに日常や戦闘など多彩で、それぞれ場面に合っていました。

テキスト面では難しい言い回しが多く、その上ルビにドイツ語が振られている(カタカナですが)所も多く、
雰囲気が出ているとも言えましたが読みにくく感じる場面もありました。
特に第十一話のラストで敵を倒した後、良い余韻があったのに
そのとき起こったことの解説がくどくて素直に浸れませんでした。
ただシナリオは上記場面や第七話、第十二話などでの
各々の心情、信頼がしっかりと描写され、苦難に立ち向かう様が胸を打ちました。
多くの参考文献に裏打ちされたどっしりとした世界観も魅力。

それに、真面目なシーンばかりでなくコメディシーンなどの日常も楽しかったです。
リューアや妹の蘭とのやりとりは楽しいものばかりでしたし、
ラーメンを食べた主人公のリアクションには笑ってしまいました。
音楽や食べ物飲み物に関する薀蓄も本筋とは全く関係ありませんがこだわりが感じられて好印象。

登場人物では思い切りネタバレなので伏せますがリリスがお気に入り。
自分のみならず大事な人までも傷つくと知りながらも
最後まで想いを貫いたシーンがこの作品の中で一番好きな場面です。
名前を出せるキャラでは蘭が好きです。…主にコメディ要員として。
朴念仁な主人公に思いっきり空回りしてますが「え、○○?」という台詞で三段活用するのが可愛い。

長い話でしたが視覚や聴覚を通じて存分に楽しめ、話も面白く、飽きさせないつくりの作品でした。

 

(以下イクスターナル=エニグマズ01の感想です・2008/5/7)

イクスターナル=エニグマズ01(無料)

八月の殉教地 黒い聖母篇の「織女星事件」からしばらくして、刑部士狼の元へ刑事が尋ねてくる。
連続少女失踪事件への協力を依頼された士狼はさっそく調査を開始するのだった。


選択肢なし、オカルト、三十分ほどで読み終わりました。
八月の殉教地 黒い聖母篇の番外編。
システム面は本編と同様。演出は控えめです。

話は士狼の表向きの仕事、教会の番人として怪異を解決する様が描かれています。
派手な戦闘シーンや日常のコメディーシーンはほとんどなく、
足で稼ぐ調査と番人を快く思っていない警察との腹の探りあいが主体。
そのため強く目を惹くような話ではありませんでしたが、
地に足が着いていて読みごたえがありました。

 

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