半端マニアソフト
HP

サークルについて

批評同人誌「半端マニア」から派生したサークルさんで、
オリジナルノベルゲームを中心に活動されています。
ネタサークルとのことでイベントでもライン引きや跳躍板、
持参すると完成版が3倍の値段で入手できるうちわ(しかも冬に)を売るなど
バカバカしい(褒め言葉)ことをされています。

 

作品

冬は幻の鏡

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2003/8

価格

2000円

年齢制限

18禁

特徴

複数視点、下品、幽霊

長編ノベルゲームで、パッケージはCDケースです。
バックログ、スキップ、オートモード(スピード可変)
CG閲覧、サウンドモードなどがあり、
セーブデータは20個まで保存可能です。

 

あらすじ

真っ白な雪に包まれた世界にもし鏡が落ちていたとして、
さわらずに、自分を写さずに、その鏡を見つけることができる?
もし、できるならその方法をおしえて。
たしかめたいことがあるの。

北海道の東側にある野別市の野別市立南陽高校では、四年前からある噂が流れていた。
それは、四階の女子トイレに交通事故で死んだ留学生の幽霊が出るというものだった。
留学生の幽霊、というのが珍しいと言えば珍しいが、どこの学校にもあるような噂の一つでしかない、とみんなが思っていた。

北海道の長い冬がやっと終わりに近づいた三月の終わり。
冬の最後のあがきのように、朝から大粒の雪がゆっくりと降っていた日の放課後、
御堂道明は廃屋を隠れ家にしている登校拒否児の長池小月の頭を撫でていた。
和泉和歌奈は友人の立花鈴夫と一緒に幽霊を探しに夜の校舎に忍びこむ準備をしていた。
田之上小太郎は風俗の割引チケットを持って風俗店「フェランス革命」の前に立っていた。
それぞれが、これから出会うことを知らずに。

今は静かに眠っている虚ろな存在の浸食に、彼らはまだ気づいていない。
ゆっくりと回転しながら沈んでいく、誰かの夢をまだ知らない。
七人の主人公たちが織りなす、冬の終わりの、七つで一つの物語。

(サークルHPより)

 

この作品について

デザインや音楽、効果音の澄んだ感じとは裏腹に
どこまでも下品な「高校時代のバカ騒ぎ」がとても楽しく、
またそれがすれ違っていく様は悲しかったです。

ルート間でのフォローがしっかりとされていて、
一つの物語を複数の視点でというコンセプトが生かされています。

ロード時に読めるあらすじがだんだんあらすじじゃなくなっていく所も好きです。

個人的には3年生が在籍していたときのエピソードが読みたいですね。
絶対、面白いに決まってます。

 

(以下カクリカ -CASE:証明写真-についての文章です・2014/8/22)

カクリカ -CASE:証明写真-(500円)

女子大生の硯子は質屋で手に入れたライカのカメラを手に、廃墟巡りへと赴く。
しかしそこで、あまりにも鮮明な心霊写真を撮影してしまう。
混乱する彼女に、話しかけてくる男がいた。


選択肢なし、幽霊、カメラ、ボイスあり、四十分ほどで読み終わりました。
「冬は幻の鏡」のスピンオフ作品とのこと。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はタイトル画面でいきなり「冬は幻の鏡」メインテーマアレンジが流れて高まります。
絵は背景で、素敵な廃墟と言いつつ落書きがしてあったり、
インディゴな空の時間なのに真昼間だったり文章と合っていない個所がありました。一枚絵は八枚+差分。

「-CASE:証明写真-」では硯子が雫や月之という幽霊関係の人物と出会うまでが描かれています。
物語は始まったばかり、というところでお終いになってしまうので物足りなくはありますが、
知らず知らずのうちに幽霊に関わってしまい、
その常識はずれさに全力で混乱する硯子が哀れに感じつつも空回りっぷりを楽しめました。

 

 

 

 

作品

空の上のおもちゃ

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2005/8

価格

2500円

年齢制限

18禁

特徴

下品ボイス、しっぽ

DVDケースで女性のみフルボイス。
バックログ、既読スキップ、オートモード、過去ボイス再生、
CG閲覧、シーンリプレイ、サウンドモードなどがあり、
セーブデータは100個まで保存可能です。

 

あらすじ

せっかくの夏休みなのに、僕はとある事情で寮に残ることになってしまった。
同じく寮に残った乱暴な天文部の先輩と天体観測をしたり殴り合ったり、
29歳独身女性の寮監に虐められたり顎でこき使われたり、と忙しい毎日を送っていた。
そんなある日の夜。何気なく部屋から窓の外を見た僕は、異様な存在を発見してしまった。
月のスポットとカエルと虫の合唱に合わせて、グラウンドで女子が踊っているのだ。
それだけなら、夜になってもなかなか冷めない暑さのせいで頭のネジが数本、飛んでしまったんだろうと思うだけ。
全寮制の清潮高校では、そんな具合におかしくなっちゃった奴をたまに見る。
同質の先輩がそんな具合におかしくなっちゃった奴の筆頭だから、この程度じゃ驚かない。

…だけど。だけど、僕は呆然としてしまった。
だって、ゆったりと踊っている女子のおしりから、絵本に出てくる悪魔みたいな、
大きなヘビみたいな、立派なしっぽが生えているんだもん。
しっぽは女子の動きに合わせて、一緒にふらふらと不思議なリズムで踊っていた。
唖然としてしまい何も考えられなくなってしまった僕がふと正気に返った時、もう、女子の姿はなかった。
…いったいアレは何だったんだろう? コスプレにしてはリアルすぎたけど…。
もやもやとした疑問は翌朝、鮮烈な疑問となって襲いかかってきた。
なぜなら、目覚めた時に僕のおしりから、しっぽがはえているのに気づいたから…。

(サークルHPより)

 

この作品について

私にとってボイス有というのはマイナス要素でしかありませんでした。
全部聞くと読むテンポが崩れますし、飛ばすとなんだか損した気分になります。

しかし、この「空の上のおもちゃ」はボイス有で本当に良かったと思いました。
乱れ飛ぶ猥談、放送禁止用語。
テキストのみでもおもしろいのにボイスが入ると破壊力が何倍にもなります。
もしかして、声優さんに対して羞恥プレイがしたかったんじゃないかと
勘ぐってしまうような、そんな台詞がかなりの数を占めます。

現在サークルHPにて体験版がダウンロードできます。
このゲームをプレイする時には女性陣の台詞を最後まで聞くのが義務ですよ。

(ここより完成版終了後の文章)

びっくりした、びっくりした、」つーかカッコイイ!(原文ママ)

なんだか頭悪そうですが感想書くためにメモをしていたうちの一文です。
この場面の演出はとても良かったです。

システム面も音楽も絵も文章も良いですし、
総合力では同人ソフト随一と言っても過言ではないと思います。

ただ、突き抜ける所までは行ってないかな…と。
こんなこと言うのは期待していて、かつ実際に良い出来だったからなのですが、
贅沢なものでそれ以上を望んでしまいます。

しかし、間違いなく下品で青臭くて格好いい、とても楽しめる作品です。

 

 

 

 

 

 

作品

Indigo

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2010/8

価格

3000円

年齢制限

なし

特徴

藍色、殺人、恋愛

選択肢あり、三十六時間半ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読/全てスキップ、CGモード、音楽鑑賞などがあり、
セーブデータは63個まで保存可能です。

 

あらすじ

千四百年前の西域。
天山北路のオアシス国家で、天竺に向かう途中の玄奘は幼い殺人鬼と出会う。

七百年前の日本。
紀伊国の山中で、修行僧の明恵は、西行に教わった反魂法を行う。

五百年前のトランシルヴァニア。
人文学会に参加するために、その地を訪れたパラケルススは、人のようなモノに出会う。

十八年前の日本。
ヘルメスの心臓と呼ばれるモノを巡って、大勢の人と、大勢の人のようなモノ達が殺しあう。

十年前の日本。
十峰町に現れた殺人鬼が六歳の少年に殺される。

そして現代。
過去から積み重ねた全てが、十峰町で一つに重なる。

殺人鬼達が集まってしまった街で、
過去の因縁に導かれた人々と、人でないモノ達が、争いを始める。
曖昧な藍色の中で、夢と希望と死体を積み重ねていく。
生きるために。
死ぬために。

(パッケージ裏より)

 

この作品について

海保一樹、桜野真菜、小野瀬霧の三人をそれぞれ中心とした三つのストーリーが同時並行で、
お互いの話に干渉したりしつつ進んでいきます。
合間に過去の出来事などが語られる番外編あり。

システムは全画面に文章が表示されるシーンでページ送りに二回クリックしないといけないことと、
既読スキップで未読もスキップしてしまうことがあるのがやや不便。
ですが右クリックメニューがカーソルを囲むように出現するのは便利だなと思いました。
音楽は特に問題なし。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵はインディゴスーパースターの男くささとヒールさんの呆れた顔がいい味出してました。

かなり長い話ですが、笑いあり、変態あり、闘いありで飽きることなく読むことができました。
特にPhase2の後半とPhase5の中盤は引き込まれます。
ただそれだけに、Phase5の終盤であっさり解決してしまったのが肩透かしに思えてしまいました。

話も読みごたえありましたが、それ以上に登場人物が魅力的。
お気に入りなのはマボー、スーパースター、ヒール、岡井さん、高尾君、西居さん。
……あれ? 女性陣がいない…………
針子さんとか可愛いですけどね!
それはともかく、ユーモアや余裕がありながらも決める所は決めてくれるのがたまらなく格好良かったです。

たくさんの人々が登場しながらも、それぞれに見せ場がある作品でした。

 

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