コミックマーケット102感想リスト

同人ソフト(ノベル系)は基本的に全て、
それ以外は感想が思い浮かんだもの限定です。

基本的に同人ソフト(ノベル系)はプレイ順です。
それ以外はサークル名順です。
ただしおすすめ、期待作品は連続しないようにしているので前後することはあります。また、時間がかかりそうな作品は読むのをある程度後回しにします。時間がかからなそうな作品は先に読んだりもします。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。
作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

同人ソフト
まとめ  
完成版  体験版・連作  番外編・その他

 

コミックマーケット102同人ソフトまとめ

おすすめ同人ソフト完成版
電子カルテと木曜日/みやこそふと

面白かった同人ソフト完成版
廃遊園地のメメントメモリア/アサノハ製作所
黄昏トロイメライ -Twilight with U-/OverFlowers
嘘から始まる恋の夏/LYCORIS
あまつそらに咲く/studio aila
Create Blossom Colors/SEED&PRESS

完成が楽しみな体験版・続き物
ボク達をつなぐモノ/seL project

他に完成版では「/marginal」「KUMA Mercy the Bear.」「終涯のサナトリウム***
ブルーレジスター」「platypus」「ぽんぽんランド」「天のゆくるる」「人生はつづくよ、どこまでも
Child of Doppelgänger-Prequel-」「ガ珍ポ!」が良いなと思いました。

 

 

(同人ソフト完成版)

/marginal 1.0.0(18禁)/koreishi(300円)

ちょっとひねくれた中学生、日下部雅也はクラスメイトで本の虫、神楽坂海月と親しくなる。
しかし神楽坂海月はクラスで浮いた存在で、雅也の友人は彼女と親しくしないように忠告するが、雅也は反発する。
結果、二人は排斥されるようになるのだった。


選択肢なし、青春、友達、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽はよく流れる曲に音飛びのような箇所があって、順風満帆ではない中学生活を思わせました。
絵は海月の体が貧相で、それがむしろ生々しかったです。

主人公が気の合う存在である神楽坂海月と仲良くなりますが、周囲からは煙たがられます。
分岐しそうな場面がいくつかありましたが、少なくとも現時点では一本道。
周囲の存在を見下して人付き合いをおろそかにしたり、
本の知識のみで会話したり、激高しても自分の言葉ではなく引用を言ったり、
後から思い返すとのたうち回りたくなりそうな痛い青春がこれでもかと描かれていました。
その未熟な痛々しさが多かれ少なかれ通ってきた自分の過去を想起させられ、
どこかにありそうな真実味を感じながら読み進めることができます。
暗く、痛々しく、恥ずかしいけれども、まさしく青春の物語でした。
あと最後の場面……選択によってはBLルートもありうる物語だったんですかね!?
(2023/8/15)

 

KUMA Mercy the Bear./non color(1000円)

北にあるウカという名の極楽街を目指していた作家のゴボウは物資が尽きてとある村へとたどり着く。
村の公民館で働く女性に惚れた彼は、村に逗留することになる。
日々の糧を得るために魚釣りをしていたところ、釣った魚をクマと名乗る女性に横取りされてしまうのだった。

選択肢なし、熊、サスペンスコメディ、一時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないこと、セーブが一か所にしかできないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はクマの一枚絵がきわどくてえっちでした。
公民館ちゃんは影絵ですが素朴な可愛さが見えました(あっ、はい)

雪に覆われた村で体の一部が発見されたり、死者が出て、ゴボウとクマが犯人捜しをします。
自覚なしに空気読まなかったり気持ち悪い言動をするゴボウと、
それに対して表面上は愛想よくて一切心がこもっていない返事をする公民館ちゃんのやりとりが可笑しかったです。
終盤は誰かの気がちょっとでも変わったら惨事になってしまう展開でハラハラしましたが、
最終的にはゴボウがメンタルぼこぼこにされていて……良かった、と思えました!

過去の作品感想:
Dear world -the one-眼痕葬祭Dear world -Re.-彼と彼女と彼女の忠義ムラタクHumanityダブリーな彼女びんビンッ!!わーすと☆コンタクトぼんボンッ!! 〜ランプの魔人が叶えたくないと言い出したので〜
(2023/8/17)

 

殺し屋に狙われたけなげな後輩を助けていちゃいちゃHするゲーム(仮)(18禁)/シトラスソフト(500円)

政府の特務機関での任務に失敗して負傷した情報屋の瀬名は、療養と任務を兼ねてとある学校の寮に入る。
そこには問題を抱えた少女たちが生活していた。
ある日、少女たちの一人、後輩の琴葉(ことは)が街で殺し屋に狙われてしまうのだった。


選択肢あり、任務、寮生活、一時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は女の子が朗らかな絵柄で可愛らしかったです。

タイトル通りのストーリーではありますが、そうなるのは終盤。
そこまでには主人公の挫折や、寮生活と言ったパートもあります。
今回は後輩の琴葉がメインヒロインでしたが、今後他の寮生の悩みも解決していきそうな内容でした。
エンディングはおそらく一種類。最後に琴葉の好感度が表示されますが……Bランクまでしか行けませんでした。
展開が早めで、もう少し琴葉が主人公を慕う過程を読んでみたかったと思ってしまいましたが、
冒頭のエピソードや殺し屋に襲われる場面は血生臭くて、
タイトル名のようにイチャイチャしているだけではない内容でした。
(2023/8/21)

 

On the day,someday/F.T.W.(無料)

一人暮らしのアパートが火事になった。
焼けたのは妹にプレゼントするはずだったブーツと、妹にプレゼントされたピアス。
火事を聞きつけた妹が電話をかけてきた。


選択肢なし、恋愛、十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はスマホの持ち方が違うことが細かかったです。

火事に遭った主人公が妹と会話する中で、好きだった先輩のことを思い浮かべます。
主人公が思うほど妹は庇護される存在じゃなくて自分で折り合いを付けられて、
その姿に、結構引きずっていた主人公の心境がちょっと変わるのが晴れやかな話でした。

そして彼女は、私が書いた手紙を丁寧にしまった。/F.T.W.(無料)

授業中、彼女から手紙が届いた。
そこに書かれていた内容は……。

選択肢なし、百合、十五分ほどで読み終わりました
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は「私」の吹っ切れた笑顔が印象的でした。

女の子二人が授業中の手紙のやり取りをしていきます。
冒頭の手紙がセンセーショナルで、
でもやり取りが進んでいくとその手紙を書いた方がやり込められるのが可笑しかったです。
二人が末永く楽しく過ごせばいいのに!

蝉と黒ギャル/F.T.W.(無料)

十三夏(とみか)は派手な格好でたびたびバイトをクビになっていた。
彼女はセミの抜け殻を家に持ち帰りリビングのカーテンに並べていた。
父と弟はちゃっかりそれを利用していたが母はいい顔をしてなかった。


選択肢なし、夏、中身、十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は小学生勢が賢そうでした。

外見で判断される主人公がセミの抜け殻を集めます。
犯人はおまえなのか! と思いました。
最終的には皆収まる所に収まったという感じでほっとする話でした。

過去の作品感想:黒白痴死埋葬柘榴草紙サンダガ!!狂痛忌死埋葬 -U-死埋葬 -V-『    』
(2023/8/23)

 

おきつねリラクゼーション・ゆきの ver1.0(18禁)/花を吐く抄女(100円)

仕事帰り、鳥海山斗は狐耳の女性ゆきのに声を掛けられる。
彼女は「リラクゼーション」のお店を始めたという。
強引に連れ込まれた山斗は、卑猥な雑誌知識での「リラクゼーション」を受けさせられるのだった。


選択肢なし、奉仕、ボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は全イベント鉛筆モノクロ画。
ゆきののむっちり爆乳に負けず劣らず山斗が巨根で似た者同士でした。
ボイスは按摩しているときの息の入れ方が細かいです。あと下品なオホ声が満載でした。

狐娘からの「リラクゼーション」がだんだんエスカレートしていく様が濃厚な描写で書かれています。
三つのコースから一つずつ選んでいって、最後にオチという昔話的な構成でした。
主人公が毎回、捕まってしまった的な反応ですが最中はしっかり楽しんでますよね。
まあ代償として体力とお尻の穴を差し出した結果ではありますが。
他の人間には逃げられるというゆきのの言があったので……やっぱり好きなんでしょうね!

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ一子、二狐とも、巫女との狸菓子狐憑き傾城狐の嫁入りなこそ箱入り娘のてるみどぉるやんでれさんのすゝめあそびめヱロゲに花束をカムガカリ、子狐丸宗近ワルキューレに口づけをお狸様で爆乳まみれin雌狸様に酒池肉林遙か異空の鎮守狐火王子の狸とカツ丼とそも、お狐様に夜這われて!。ぱんぱにえれ佐藤と鈴木と田中、ときどき山本狐日和に格子を覗けば、廓に狸と寝入りましょう。彼女は散乱している『お狐様はショコラピストルでジプシーダンスをグーテンターク(仮)』レディオお狐様は極太がお好き!メロンソーダちゃんの秘め事徒咲く乙女の決闘状 〜ラブレター〜ごふよう据え膳、捨て狐様!お姫様のスカートの中の秘密の……世界は彼女と彼女の一人だけお狐様の参拝繁盛講座エロゲ ツ・クーレ
(2023/8/25)

 

砂漠のステラン ver1.0(18禁)/花を吐く抄女(300円)

格安パックに申込みとある国を訪れた大学生の札幌九郎。
しかしガイドさんに置いていかれ、砂漠で遭難してしまう。
やっとの思いで辿り着いたオアシスには、ステランという踊り子がいた。

選択肢なし、砂漠、子作り、ボイスあり、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はとても肉感的。体勢がアクロバティックでした。あと主人公が巨根。
ボイスは下品なオホ声が満載でした。

砂漠のオアシスで踊り子から子作りを迫られる様が濃厚な描写で書かれています。
あと前作と同様マッサージをされたりします。
ステランが強引で積極的ながら後半は主人公の巨根に敗北していてちょっと溜飲が下がりました。
でも結局主人公は女性陣に振り回されるんですよね……。

過去の作品感想:
死狐様挽歌の候、如何お過ごしでしょうか早瀬に案山子は黄昏の姉妹、終末のマリアージュ八目鰻黄昏の姉妹、終末のラジオ一子、二狐とも、巫女との狸菓子狐憑き傾城狐の嫁入りなこそ箱入り娘のてるみどぉるやんでれさんのすゝめあそびめヱロゲに花束をカムガカリ、子狐丸宗近ワルキューレに口づけをお狸様で爆乳まみれin雌狸様に酒池肉林遙か異空の鎮守狐火王子の狸とカツ丼とそも、お狐様に夜這われて!。ぱんぱにえれ佐藤と鈴木と田中、ときどき山本狐日和に格子を覗けば、廓に狸と寝入りましょう。彼女は散乱している『お狐様はショコラピストルでジプシーダンスをグーテンターク(仮)』レディオお狐様は極太がお好き!メロンソーダちゃんの秘め事徒咲く乙女の決闘状 〜ラブレター〜ごふよう据え膳、捨て狐様!お姫様のスカートの中の秘密の……世界は彼女と彼女の一人だけお狐様の参拝繁盛講座エロゲ ツ・クーレおきつねリラクゼーション・ゆきの
(2023/8/27)

 

廃遊園地のメメントメモリア パッケージ版 Ver1.0/アサノハ製作所(1000円)

大戦が起こり荒廃した世界。疎開したため生き残った子供たちは、ラグーンと呼ばれるようになった疎開先で生活をしていた。
廃遊園地のラグーンに住むカイは傭兵として赴いた戦場でミオという銀髪の少女と出会う。
彼女はとある事情を抱えていて、協力することにしたカイはミオを自宅に住まわせることになるのだった。


選択肢あり、ボーイミーツガール、記憶、三時間ほどで読み終わりました。
体験版の感想はこちら
システムは体験版と同様。
音楽はそれぞれの場面に合っていましたし、歌も切ない歌詞と歌声でした。OPとEDに歌あり。
絵はとても綺麗でしたし、登場人物の感情が伝わってきました。一枚絵は十二枚+差分。

ミオがカイの家で暮らすことになり廃遊園地に住む少年少女と仲良くなりますが、
彼女の事情からその生活は長くは続かないことが明らかになります。
エンディングは二種類。
前半はラグーンでの日々。寄り添って過ごす子供たちの気安さが感じられ、とても居心地が良かったです。
後半はカイとミオがミオを事情を何とかしようと行動します。

体験版の感想で、ミオが様々な体験をすることで「彼女の事情が悪化するのではないかと読んでいて気が気じゃなかった」と書きましたが……
体験版後にかなり迅速に悪化していて体験するしない以前の短いタイムリミットで悲しい方向に杞憂でした。制作者は悪魔か! もっとやれ!
エンディングはスタッフロールが流れる上のルートが、手放しでは喜べないものの二人が幸せそうで、
中途半端に上手くいくよりもわだかまりが残らない晴れやかで未来に思いを馳せることができる結末でした。
その分下のルートは悲しかったです……。
あとカイの幼馴染である博士がどちらのエンディングでも、カイのことを知ったらと思うと不憫でした。
その上、終盤全く一切出番がないことも不憫でした! ミオがヒロインとして強すぎた……。
(2023/8/29)

 

残響地帯 ver 1.0.0+サウンドトラック/パラドラスト(1500円/DL販売1100円)(DL版の購入はこちら)

受験を控えた高校三年生、渋川 エイジ (しぶかわ えいじ)の家に、中学時代に人知れず村を離れていた御座入 ホタカ (みざのり ほたか)が現れる。
かつて秘かに想いを寄せていたホタカは、しばらくエイジの家に泊めてほしいと言ってきた。
しかし彼女は見る影もないほど暴力的になっており、その上、何者かから狙われていたのだった。


選択肢あり、探索、サスペンス、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は重たい曲が多めで話に合っていました。
絵はホタカが怖いくらいに綺麗でした。実際怖いのですが。一枚絵は六枚。

主人公の家や、村の各地を巡ってホタカの目的のための調査をします。
選べる場所が多いうえに特定の時間に行く必要がありますが、
基本的には主人公たちが時間や場所を言ってくれるためそれに従えはおおむね進めることができます。
そうでないところも筋道立てて考えればクリア可能でした。最後だけは総当たりしましたが!
ホタカの身の上や今何が起こっているかと言ったことが断片的に語られ、主人公も巻き込まれることが多いため、
大体の流れは把握できるものの当事者になり切れないまま終わってしまったと感じてしまいました。
ですがホタカさんが突然主人公に暴力を振るう場面がどれも理不尽過ぎるがゆえにインパクトがありました。
ホタカさんに「今までごめんなさい。私は、人の心を失っていた。」と言われた場面では、
「確かに人の心がない行動ばかりだった」と心から頷いてしまいました!

過去の作品感想:神楽祭りの日のことアオハルディストーション
(2023/8/31)

 

あなたに言えないヒミツの記念日/Luciolize(500円)

人付き合いが苦手なカヨは恋人のノゾミと、付き合って一周年の記念日を祝おうとしていた。
しかしノゾミは用事があると断る。
放課後、カヨはノゾミが別の女の子と親しく話していることを目撃してしまうのだった。


選択肢あり、百合、複数視点、四十分ほどで読み終わりました。
「あなたに言えないヒミツの望み」の感想はこちら
「あなたに言えないヒミツの想い」の感想はこちら
「あなたに言えないヒミツの居場所」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はミサキが常時痣だらけで痛々しかったです。

ノゾミが他の女の子と仲良くしている所を目撃したカヨが茫然自失となる中、
メグルはミサキとの関係に疑問を抱くようになります。
読み終わった後にはSDEモード(すぺしゃるデッドアイモード)が追加され、
SDEモードをONにすると全ての立ち絵で目から光が消えます。
登場人物皆短絡的で、もっと確認したり後のことを考えたりしないと……とハラハラさせられましたが、
それだけみんな満たされていないのだということを思うと悲しいです。
今回一番割を食ったのはメグルでしたが……悪だくみをした結果なので仕方ないですね!

過去の作品感想:Lunatically Cage -Prelude版δ-あなたに言えないヒミツの望みおねえちゃんとゆんちゃんあなたに言えないヒミツの想いあなたに言えないヒミツの居場所
(2023/9/2)

 

終涯のサナトリウム*** ver.1.0/ますみソフト(1000円)

夢と、それに伴う原因不明の右手の痛みに悩まされていた女性は、
藁にも縋る思いで「救済のサナトリウム」と呼ばれるペンションに逗留する。
そこでガイドさんと名乗る美女から、できる範囲であれば何でもすると言われるのだった。


選択肢なし、救済、オムニバス、追加部分は一時間四十五分ほどで読み終わりました。
「終涯のサナトリウム*」の感想はこちら
「終涯のサナトリウム**」の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はサナトリウムの優雅さとガイドさんの叶わない願いが感じられました。
絵はガイドさんがミステリアスでした。

「終涯のサナトリウム*」に収録されている第一話、
「終涯のサナトリウム**」に収録されている第二話〜第四話と「終ノ幕」に、
第五話〜第八話と最終話が追加されています。
第五話はもっと未来が無い理由がほしいと思ってしまいました。
また、終盤はミステリ部分の印象が強すぎてガイドさん本人のことがちょっと物足りなく感じてしまいました。
ですがそのミステリ部分、ガイドさんは何者なのかというのが気になるストーリーでしたし、
過去編の温かくも終わりが明らかな交流も、これぞ百合の醍醐味という感じで堪能することができました。

過去の作品感想:りかラバ! -REKINDLING LOVERS!-りかラバ!FDりかメア!-RE;KINDLING NIGHTMARE!-終涯のサナトリウム***羊たちの失楽
(2023/9/4)

 

ブルーレジスター(18禁)/蒼天suffre(1500円)

三年生の柏木愁のクラスには、クラスの誰とも、先生とすら関わりを持たない泉零香という少女がいた。
何度か関わりを持つことになった愁は、段々彼女と会話ができるようになっていく。
しかし彼女には抱えている問題があった。


選択肢あり、恋愛、青春、ボイスあり、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は零香の瞳の輝きが印象的でした。気を許した零香の表情も可愛かったです。

誰も寄せ付けない少女と仲良くなっていきます。
エンディングは二種類。
零香の問題が胸糞悪いものでしたが、
主人公も零香も肝心な時にしっかり行動して言うことは言ってくれて好感が持てました。
それにしても当面の解決方法は一歩間違えれば主人公も変質者確定のものでしたが、
その時点で零香の好感度がほぼ上がり切っていたようで……事案にならず良かったです!
(2023/9/10)

 

platypus(18禁)/IDEAL Software(1500円)(DL版の購入はこちら)

隕石が落下し寒冷化下世界。遺伝情報が変異し死に至る銀脈病が流行したが、銀脈病に罹った一部の者にはギフトと呼ばれる超能力が発現した。
藍園蒼人(あいぞのあおと)はギフト犯罪をギフト能力者によって捕らえる組織「アースホスピタル」の監視官となる。
彼か監視するのは白城呂彩(しろきろあ)という義手義足の少女と、銀脈病になったばかりの黒原稟檎(くろはらりんご)という少女だった。


選択肢あり、近未来、異能力、四時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌あり。
絵は呂彩のたぬき顔が可愛かったです。一枚絵は十一枚。

主人公が呂彩や稟檎とギフト犯罪を調査・解決していく中で、主人公自身のことが明らかになっていきます。
エンディングは二種類。
気取った台詞多めでハードボイルドな雰囲気。
銀脈病に対する差別が何度も描かれていましたし、
どちらの結末も手放しでは喜べないビターなもので、
コメディシーンはあれど全体的に重苦しい内容でした。
お気に入りは呂彩の過去回想。
それを知ったうえで現在の関係を見ると、呂彩の苦しさと健気さが感じられました。
あと呂彩がお嬢様の格好して関西弁のイントネーションで「ですわ」を言うのですが、
最初ボイス無しで肝心な場面でボイスを入れるとインパクトありそうな設定だなあと思いました。

過去の作品感想:放課後のガーネット
(2023/9/12)

 

ぽんぽんランド Version1.0/えるりんご(無料)

亡き父親の大きなお腹が忘れられない谷村隆三(たにむらりゅうぞう)は、他人の大きなお腹を触りたいと思いつつも自制していた。
ある日、母親から再婚相手の尾仲大伍郎(おなかだいごろう)と、その息子である兄の望(のぞむ)と弟の均(ひとし)を紹介される。
三人はとても大きなお腹の持ち主だったが、お腹フェチであることがバレて望と均からドン引きされてしまうのだった。


選択肢あり、お腹、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は冒頭のお腹がワイド画面をとても効果的に使っていて印象的でした。
あと尾仲家の三人並んだお腹もインパクトあります。一枚絵は九枚+差分。

母親の再婚相手の子どもにお腹好きなことがバレて嫌われかけ、何とか仲直りしようとしていきます。
エンディングは二種類。
主人公のお腹好きっぷりが筋金入りで圧倒されっぱなしでしたし、
お腹を揉む場面の描写が……えっちでした。
均ルートは努力友情勝利と王道展開で盛り上がりました。
望ルートはおまけシナリオがあまりにも主人公らしすぎましたし、
オチが、わかっていても案の定過ぎて可笑しかったです。

過去の作品感想:夏の終わりの雨上がり(体験版)君がいた夏(体験版)一人ぼっちの夜想曲(体験版)今日から漢!神絵師養成所神絵師養成所 -noa side-
(2023/9/14)

 

天のゆくるる 1.04(18禁)/凸凹ぱわーず(2000円/全年齢版1900円)

高校一年生の岩本慧(いわもとさとし)は幼馴染の星宮華凛(ほしみやかりん)と共に天文部に入ろうとする。
しかしそこは部ですらない、落ちこぼれのたまり場だった。
その上、所属する三年生の天津美香(あまつみか)、二年生の三鷹高輝(みたかこうき)は何かを隠しているようで……。


選択肢あり、いとしく切ない、反青春ADVとのこと、九時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はクラシックや童謡が多く使用されていました。
絵は立ち絵が可愛くて一枚絵はゆるい感じ。
一枚絵は九十七枚+差分。

前半は天文部を正式な部活にしようと奮闘したり、皆で遊びに行ったりします。
後半はある事実を天津先輩から告げられてどう過ごすか。
幼馴染の星宮華凛ルート、二年生の三鷹高輝ルート(主人公と高輝のラブラブルートではありません)、
三年生の天津美香ルートの三つで、最初は華凛ルートしか読めず順番に開放されていきます。
メタネタやパロディ多め。
視点変更もありますが誰の視点なのかがわかりにくい所や、話が唐突に飛ぶことがある所がやや気になりました。

お気に入りは華凛ルート。
幼馴染から恋人になった時の嬉し恥ずかしなやり取りが可愛かったですし、
終わり方も悲しいですが綺麗で、二人だけで完結するならばこの終わり方でしょう! と全力で頷けるラストでした。

どのルートでも後半に明かされる問題を解決することはできず、他にも上手くいかないことばかりで、
そんな中、全力……とはいかず躊躇ったり迷ったりしながら、それでも精一杯現在を生きる彼らが愛おしかったです。
特に美香ルートのバイクで走ったエピソードが、
切羽詰まっていたとはいえ衝動的な行動で、結果後悔することになって、
利口な考え方とは決して言えませんが、その不合理が彼ららしくて印象に残りました。
(2023/9/19)

 

黄昏トロイメライ -Twilight with U-/OverFlowers(1000円)

数年ぶりに故郷を訪れた逢崎昏斗(あいざきくれと)は幼馴染の紫藤夕哉(しどうゆうや)、河島茉莉(かわしままつり)と旧交を温める。
ある日、一人で散歩をしていた彼は黄昏時の河原で黄間汐雫(おうましずく)という幼い少女と出会う。
彼女は昏斗のことを知っているようだった。


選択肢あり、愛、永遠、ボイスあり、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
銀の少女だけボイスがない事とかフォントが違う事で異質さが表現されていました。
音楽はそれぞれの場面に合った曲が使用されていました。
絵は汐雫の夏の田舎で白ワンピースがずるい! です。
茉莉のビジュアルも好み。一枚絵は三枚+差分。

主人公が黄昏時だけ会うことができる少女に心惹かれていきます。
エンディングは二種類。
一回エンディングを見ると、新たなテキストと選択肢が追加されます。
追加部分で汐雫の心情をしっかりと感じることができました。
二周目ラストでは二人が単に別れるのでも、一緒になるのでもなく、
どちらも提示したうえでさらに踏み込んだやり取りが交わされるのが納得いくと共に胸を打つものがあります。
また、茉莉の一途さが(多少ヤンデレ気味ながら)いじらしかったですが、
汐雫に勝てないのが不憫……なものの、勝てないのも仕方がないという話なのがより不憫でした。
夏の田舎を舞台に、ちょっと仄暗く、しかし混じりけのない愛を感じられる作品でした。

過去の作品感想:だいすきトリカゴセヴンデイズ
(2023/9/21)

 

黒キ霧ノ世界ヲ君と/CREO(1000円)(DL版の購入はこちら)

突如現れた黒い霧によって地上は人の住めない世界となった。
人類はそれぞれの地域で地下のコロニーへ移り住み、それから数百年が経過した。
何故か黒い霧の影響を受けないカイトは、アンドロイドのシオンと共に地上を旅し、世界中のコロニーを見て回っていたのだった。


選択肢なし、近未来SF、稀人、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は異なるコロニーでも背景の使いまわしが多いため、差が実感しにくいと感じてしまいました。
ミリセントの部屋なんかはいっそのこと真っ白な背景でも良かったと思います!
また、パッケージ表側のシオンと、CDを外した時に見えるシオンの差が印象的でした。

カイトとシオンが色々なコロニーを訪れ、それぞれに特有の問題に首を突っ込んだりします。
なお、黒霧や主人公の体質といった謎は解決せず、
コロニーでの考え方や立場の違いによる人同士の対立にカイトたちがどう関わり、皆が何を思うかがメイン。
カイトが人を殺さないで済ませようとするのですが、
その後もコロニーの人たちによる闘いはある程度続いていて犠牲も出ているはずで、
あまりその信念を良く思うことができませんでした。
ですが、荒廃した世界を可愛いアンドロイドと旅するというのはとてもワクワクするシチュエーションでしたし、
新しく訪れたコロニーはどんな所なのだろうと移動するたびに興味を引かれた作品でした。

過去の作品感想:
LOOTBeHindKillerLimitedMemories〜あの日あの場所で〜こちら夕闇町 夕凪高校脇怪談部!!GreenTale瞳の中AngelVoice道しるべRougeハールート君の姿、僕の思い学園弁記Phantom-星見の丘の幻視痛-きたくぶのひととき小春日和と冬景色体験版その運命を越えて桜が咲くときまで惨狂ブレイズ-サブリミナルクライムエッジ-スカイブルー冬知らずの少女ヤンデレボリューション赫奕のエクソシストRito Fin僕たちのタイムカプセル装甲傀儡ハボックぼくとようじょの1ヵ月
(2023/9/23)

 

虚のカ我ミ/てらふぉーみんぐ(500円)

父親と二人暮らしの少女、水里岬は夏休みに祖母の家を訪れる。
連れてきた猫と共に散歩をしていると、どこか見覚えのある社と鏡を見つける。
その場所で岬は、幼い頃に遊んでいた杏と再会するが……。


選択肢あり、伝奇、鏡、四十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は岬が幼女時代も成長しても可愛らしかったです。

主人公が田舎で不思議な出来事に遭遇します。
エンディングは二種類。
主人公に双子の姉がいるのですがその設定が話に関わってこなくて、どのような意図があるのかと思ってしまいました。
裏設定があるのかもしれませんが……。
(祖母の様子から杏が姉ではないでしょうし、母親に不在はもっとシンプルに理由が付けられるのではと思えました)
ですがちょっと怖くて、でも温かい少女二人の交流が微笑ましかったです。

過去の作品感想:海楼のほとり 体験版
(2023/9/25)

 

次元接続/ヴァンマキ(500円)

生まれてすぐに埋め込むと超能力が使えるようになる装置が開発された世界。
氷室静久(ひむろしずく)は幼いころの記憶がなく、生まれた時期が装置が希少だったころのため超能力者ではないと思いながら日々を送っていた。
ある日、彼のもとに装置を販売する企業から、両親のことを教えるという手紙が届いたのだった。


選択肢なし、超能力、バトルロイヤル、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は下半身が描かれていない状態で立ち絵が表示されます。それならばウインドウを非透過・消去不可にしたほうが……。
ヒロインの帯張奏楽(おびはりそら)が神秘的な風貌でした。

主人公が両親の情報と引き換えに超能力者たちのゲームに参加させられます。
初戦からラスボスまでがすぐであっさりめな印象でしたが、
主人公とヒロインの信頼と、戦闘での阿吽の呼吸が良かったです。
あと、ラスボスが権力あるのに非合理な行動をしていて、
もっとゲーム開催せずに暗躍すればいいのにと思ってしまいました。身もふたもない!
ラスボスにももっと偉い人に命令されたとか好き勝手出来ない縛りがあるんですかね……?
(2023/9/27)

 

人生はつづくよ、どこまでも/未来色原石(無料)

幼い頃に母親を亡くし、父親にの手で育てられた中学三年生の白沢絢斗(しらさわあやと)は、
ボランティアで行った病院で花見心春(はなみこはる)という少女と出会う。
仲良くなった二人は恋人同士になるが、心春の病状は悪化していくのだった。


選択肢なし、繋がり、死、ボイスあり、五十分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。コンフィグの花がお洒落でした。
音楽は切ない曲が多めでした。EDに歌あり。
絵は笑顔が可愛かったです。一枚絵は七枚。

父子家庭で育った主人公が重病の少女と付き合うことになります。
明るく接してくれる心春に好感が持てましたが、彼女は……。
そんな、どんなに頑張ってもどうしようもないことはあるという無力さと同時に、
それでも残るもの、変えられるもの、続いていくものはあるということが丁寧に描かれていました。
特にスタッフロール直前のシーンは、「繋がった」と思える印象的な終わり方でした。
(2023/9/29)

 

朧月夜に言の葉を/さばねくすと(300円)

志望校に落ち、滄海高校に入学した相上論理は、
現代文(あきつよふみ)という名の同級生の少女と知り合う。
彼女は学校の裏山で探し物をしているらしかった。


選択肢あり、探索、伝奇、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽はタイトル画面の曲が神秘的でした。
絵は立ち絵がアニメーションします。
髪の毛は若干堅そうに感じてしまいましたが動く現代さんが可愛かったです。

現代さんの願いを叶えるために画面をクリックして探索し、
アイテムを入手して仕掛けを解いていきます。
探索パートは一通り探索したうえで少し考えて解けるほどよい難易度でした。
話は独自の固有名詞満載の伝奇。
過去の出来事からちょっと消極的なものの献身的で茶目っ気のある現代さんが魅力的で、
彼女の役に立てるのが嬉しかったです。

過去の作品感想:有機戦機
(2023/10/1)

 

嘘から始まる恋の夏/LYCORIS3000円)(DL版の購入はこちら)

高校二年生の橘薫(たちばなかおる)は中学時代の担任で初恋の人、霜月深玲(しもつきみれい)に振られてしまう。
その様子を見ていたクラスメイト御凪栞里(みなぎしおり)は、大切な人の記憶を上書きすることができるかと聞いてきた。
その問いに答えた薫に、栞里は兄を忘れさせてほしいと言い、二人は栞里の思い出の地巡りをすることになるのだった。


選択肢なし、百合、嘘、ボイスあり、九時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムはアニメーションが多いためかNOW LOADING画面も多めでした。
音楽はタイトル画面のBGM兼OP歌のお洒落さを始め良い曲が多かったです。
OPにムービーと歌あり。
絵もとても綺麗で、立ち絵も一枚絵もアニメーションします。
服のバリエーションが多いのも凝っていました。一枚絵アニメーション三十六枚。

初恋の人に振られた薫と、兄に囚われている栞里が仲良くなっていきます。
立ち絵の切り替えが多いことや、
自分の環境のせいかもしれませんが、回想が入るたびにNOW LOADING画面になってしまい
読んでいてテンポが良くないと感じてしまうことが頻繁にありました。
話は序盤、栞里のマイペースさとか、薫の軽薄さをあまり良く思えませんでしたが、
中盤以降はそこから変化、成長したと思えて好感を抱くようになりました。
そして終盤の展開は栞里の事情に対して現実的な対応をしつつ
その中にしっかりと薫の気持ちが感じられて納得できましたし、二人を祝福したくなりました。
飲食店で最初は対面で座っていたのに、最後は隣に座るようになった所がお気に入りです。

でも何よりお気に入りは二人の友人、猪ノ原莉久(いのはらりく)
中学時代から栞里のことが好きなのですがその願いが叶うことはなく、
その上で二人の恋を応援してくれるのが健気でした。
日常シーンで薫にからかわれてうろたえる莉久も、とっても可愛かったです。
ただ、真っ直ぐ健全に育ったからこそ栞里を助けることができないのが不憫です……。
さらに上記の隣に座る場面で一人側の席になってしまっているのが不憫すぎました!!

過去の作品感想:しずくのおとFATAL TWELVE
(2023/10/3)

 

あまつそらに咲く/studio aila(1000円)

夏向(かなた)は幼馴染の相良楓(さがらかえで)に巻き込まれ、友人である五十嵐萌那(いがらしもな)、
冨上沙希(とがみさき)、宮田貴久(みやたたかひさ)と高校最後の夏休みに思い出作りを始める。
海水浴、夏祭り、天体観測、ゲーム、自由研究や、喫茶店で働いたり、様々なことをしていく彼ら。
そんな中、ここではないどこかの光景が夏向の脳裏によぎるのだった。


選択肢あり、青春、離島、夏、六時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
爽やかな曲やお洒落な曲、切ない曲などそれぞれの場面に合っていました。
絵はヒロインみんな可愛いのですが、
特に二人きりで星空を見る場面の楓と、
ヒロインではないですが萌那の妹で九歳の雛那(ひな)が可愛かったです!
一枚絵は十四枚+差分。

夏休みを友人たちと楽しく過ごしていきますが、どこか違和感を抱くようになっていきます。
ルートは三種類+最終シナリオ。エンディングは四つ。
萌那ルートはとにかく妹で九歳の雛那が可愛かったです!!
ほんわかしつつ高校生で車を運転する萌那も一緒にいて楽しくて、萌那と雛那と過ごす日々が幸せでした。
ラストはほのめかされはするものの多くは語られないもので、
二人がどのように行動して最後のシーンになったのか想像力をかき立てられました。
沙希ルートは一番恋愛していて甘酸っぱかったですし、
主人公が沙希の気持ちをしっかり察して行動していて格好いいと思えました。
ストーリーも物語の秘密に迫るもので沙希も可愛くて、全部ひっくるめて一番お気に入りのルートです。
楓ルートとそれを受けての最終ルートは、共通ルートも含めて彼らが過ごした日々が楽しくて、
そんな夢のような夏に意味があったと思える内容で、良い読後感を味わうことができました。

過去の作品感想:after grow
(2023/10/5)

 

あくまり短編集/あくまり(無料)

立ち絵は共通なものの舞台設定が異なるA面、B面の二つの話を収録。


選択肢あり、死生観、友達、一時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。B面は効果音が多用されていました。
絵は、A面のはしゃぐ彩羽が可愛かったです。
また、B面のラスト画像がショッキングでした。

A面は親に反抗したり学校をさぼったりしている立花海鈴(たちばなみすず)が、
不気味な家に住む暁鳥彩羽(あけがらすいろは)と仲良くなりますが奇妙なことが色々と起こります。
最初人形のように登場した彩羽が意外とノリが良くて、
彼女と関わったのであれば海鈴も変わるよなあと納得できました。
また、海鈴の母親の茜が、娘に邪険にされても世話を焼き、
娘にいいことがあればパーティを開き、娘の危機に駆けつけて体を張ってくれて格好良かったです。
B面は死にたいと願う少女と、生きるために生きると言う少女が出会って三日間を過ごします。
危ういながらもどこか心地良い問答が続き、一見正反対に見える二人の少女が打ち解けていく……と思ったら最後急展開でした。
(2023/10/7)

 

咲きもせず散りもせずただそこに立つ/ラテポップ(無料)

高校二年生で人見知りの藤野桃香(とうのももか)は、
二歳年下の何でもできて特に水泳で全国区の妹、蘭香(らんか)に劣等感を抱いていた。
しかし蘭香は最近怪我がきっかけで引きこもるようになってしまう。そんな妹から、お出かけの誘いがあった。


選択肢あり、姉妹、コンプレックス、ボイスあり、三十分と少しで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はずっと前髪おろしてポニーテールだった蘭香(中学生)が、
水着を着た時にスイミングキャップ被ってオデコ出すのがギャップでドキッとさせられました。

お互いのことが大好きながらすれ違っている姉妹がお出かけします。
エンディングは二種類。クリア後におまけシナリオ三つあり。
桃香が八百国海岸のいわれを口に出す場面がやや唐突で、事前にもう少し伏線がほしいと感じてしまいました。
(家族で行った場所、や蘭香の二つ名との関連はありますが現実の場所ではないため、ときメモ冒頭の「伝説の樹」のような説明が事前にほしいです)
ですが幼い頃の出来事も交えて、お互いのことが大好きで、
だからこそすれ違ってしまったことが描かれていて、微笑ましさともどかしさを味わえました。
お気に入りは蘭香に自分(桃香)の好きな所を聞いたにも関わらず、
答えが返ってくる前に妹の好きな所を話し出す桃香のシーン。
妹大好きっぷりがあふれていました。

過去の作品感想:ウブな二人の恋愛事情
(2023/10/9)

 

残余の羊(15推)/cream△(1500円)(DL版の購入はこちら)

未護村で不審な死亡事件が多発し、住人たちは不安に駆られていた。
精神を病み休職していた警察官、牧裕介は人手不足のため復職し、生存者三神(みかみ)さよ子(さよこ)の事情聴取をすることになる。
話を聞くうちに牧はミマモリサマの祟りではないかという疑念を抱いていく。


選択肢あり、サイコホラーミステリーADVとのこと、一部ボイスあり、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度を変えても速度が変わらないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり
絵は血を吐く場面がどれも怖かったです。一枚絵は十四枚+差分。

主人公が不審死と三神さよ子に関わる中で精神的に不安定になっていきます。
エンディングは一種類。
論理的に真相が明かされるわけではないため、ミステリーとして読むと少々物足りなく思ってしまいました。
ですがその分、事件に対してとらえどころのない不気味さがありましたし、
ラストの急展開にも理不尽な恐ろしさを感じることができました。

過去の作品感想:つばさヘブンかみさまの棺powdergray消灯コーヒーアイシテルゲーム。〜彼女たんとイチャコラお家デート〜トラウマーメイド女中浮世の怪談家出少年ほころくん恋廃トンネル8番目のアリスメモリーガール
(2023/10/11)

 

Child of Doppelgänger-Prequel- Ver1.10(18禁)/万年筆と神経毒(1500円)

自閉スペクトラムの妹、くるみと二人暮らしをしている柊理香子は、
性行為を嫌悪しながらも不特定多数の男たちとの性行為を止めることができなかった。
彼女は崇拝する精神科医の先生から、大切な人を殺すことになると告げられるのだった。


選択肢なし、宗教、障碍、修正パッチあり、五時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は多くの場面でトリップしているかのような酩酊感を抱きました。
立ち絵はなく、ほとんどの場面では背景のみで進みます。一枚絵は八枚。

柊理香子がどんどん追い込まれていく様子が描かれています。
「Child of Doppelganger」の前日譚とのことですが、今回の話のみでも完結しています。
主人公の両親がどちらも酷い奴で、そんな両親に酷いことをされて育ったという理由が多分にありますが、
主人公もまた、酷い言動ばかりでした。
自分の苦しい境遇に酔っていて、周囲の苦しさに無頓着で周囲を傷つけ翻弄して、
多くの人を乏しめながらもその内容が自身にも当てはまっていて、
自閉スペクトラムのくるみは自分が感じるような悩みがなくていいねとうらやむ。
最初から最後まで、読んでいる私の癇に障る主人公でした。
しかし、そう思わせるほどに主人公のことを深く描いているということであり、
文学、宗教から物理学、料理といった幅広い内容に絡めた内面の徹底した描写は、
冗長に感じられる部分もありましたが同時に圧倒される作品でした。
あと一瞬しか登場しませんがマエダさんの「他人の不幸は蜜の味」っぷりが印象的でした。
少なからず物語を読む人は、そういうところありますよね?
(2023/10/13)

 

ガ珍ポ!/信太派制作委員会(500円)

大学三年生で文学部の金棒(かねぼう)たまはうるさい隣人を黙らせるために壁を叩いた結果、破壊し多額の修繕費が必要になってしまう。
友人の新戸(にいと)りんから賞金二百万円のノベルゲームコンテストがあると知らされたたまは、
りん、隣人のマッチョ、梅原修造(うめはらしゅうぞう)、ずぼらな配信者、小俣奈央(おまたなお)と共にゲーム制作をすることになる。
しかしコンテストはガ珍ポ(ガチ珍スポーツ)であるゲームクリエイトリフティングで優勝を決める形式だった。


選択肢あり、ゲーム制作、コメディ、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPムービーあり。
効果音でマッチョがトレーニングするときの息など声が使用されています。
絵は女の子が可愛くてきわどい格好ですが、変顔もたくさんします。
他にもタイトル画面が格好良かったり、珍ポ部部長定田(ていだ)の卑猥なシルエットだったり、
コンフィグ画面のゲージが格ゲーだったり、熱血シーンでは画風が変わったり盛り沢山でした。
一枚絵は九枚+差分。数えてみたら女の子よりも梅原の一枚絵が一番多いという結果でした。

同じ大学の四人でノベルゲームを制作することになりますが、
たまがなかなかシナリオを書こうとしないことを始め、様々な問題が発生します。
過去作「もよりの駅子さん」制作時のエピソード等を拡大解釈して練りこんでいるとのこと。
エンディングは四種類。
アニメ、ゲームなどのパロディ多め。
珍ポ部(珍スポーツ部)やガ珍ポ(ガチ珍スポーツ)というネーミングや、
使用ゲームエンジンと異なるゲームエンジンの制作講座が作中で始まったり、
メイン四人が全員大きな欠点(でも傍から見ている分には可笑しい)を持っていたとやりたい放題で賑やかでした。
また、肝心な所ではド根性を見せてくれます。
ゲーム制作や大学生活の中で堕落するときもあれば、友情や全力で打ち込むこともあり、
そんな彼らの充実した時間を見届けることができる作品でした。

過去の作品感想:もよりの駅子さん桜あんみつ
(2023/10/15)

 

碧天のラピスラズリ/ImaginaryBlue(500円)

風光明媚な水の都ながら、スラム街も抱えているラピスでは、頼りにならない警察組織を補う民間の警護団が存在していた。
警護団にヘッドハンティングされ日本からやってきた軍隊崩れ、オクナミアキトは、
その街で警護団に所属する少女、ヒナや、父親の仇など、様々な者と出会うのだった。


選択肢なし、ボーイミーツガール、バトル、四時間ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり
絵は3Dの立ち絵でジャギーが気になりましたが、ヒナの戦闘シーンが格好良かったですし、
ストーリー上特に意味のないグラビアショットも可愛くて可笑しかったです。

主人公がヒナと仲良くしたり、警護団の活動をしたり、一人で突っ走って危険な目に遭ったりします。
冒頭の主人公は歴戦の傭兵感がありますが、よく負けたりしくじったりしておや……? と思っていたら、
過去回想で意外と軍隊経験短めで、ああ……とちょっと生暖かい目で見てしまいました!
ラストバトルよく勝てましたね……。
そんなちょっと危うい主人公ですが、ヒナのために動いていて応援したくなりましたし、
主人公以外の登場人物もそれぞれに格好良いところがありました。
ストーリーも平和な序盤からどんどん雲行きが怪しくなって緊張感がありましたし、
最後、ヒナとの関係がそこに落ち着くのか! といい意味で裏切られました。
(2023/10/17)

 

電子カルテと木曜日 ver.1.00/みやこそふと(1000円)

おすすめ
(2023/10/19)

 

Create Blossom Colors/SEED&PRESS(2000円)(DL版の購入はこちら)

高校生作家、佐賀美海輝(さがみかいき)は処女作が大きく評価されるも、
幼馴染、渡良瀬花梨(わたらせかりん)の死がきっかけで物語を書くことができなくなっていた。
高校二年生の春。彼は六年前に出会い、今は有名画家となった華桜藍(かざくらあい)と再会する。
彼女は海輝に、一緒に創ろうと呼びかけるのだった。


選択肢あり、学園恋愛、創作、一部ボイスあり、八時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌あり。ムービーは舞い散る桜が華やかでした。
絵は日常の笑った表情でも涙を流していることがあるのが気になりました。
ですがヒロインみんな可愛いなあと思えました。一枚絵は十三枚+差分。

物語を書くことができなくなった主人公が、ヒロインたちと仲良くなっていきます。
ルートは桜の絵を描き続ける姉のような画家、華桜藍、
もう一人の幼馴染で主人公をずっと見守ってきた椎遥(しいはるか)、
後輩で藍の妹でイラストレーターの華桜朱(あかね)の三ルート。
全年齢ではありますが18禁シーンがカットされた全年齢版という感じでした。

共通ルートでは主人公がヒロインという印象で、彼を救うために行動する三人が格好良かったです。
個別ルートでは朱ルートがお気に入り。
朱は主人公が書けるようになった最終的なきっかけをくれましたし、一途なところが本当に可愛かったです。
それに両想いなことは分かり切っているのになかなか関係が進展せず、
微笑ましい気持ちと早くくっつけという気持ちでいっぱいでした。
藍ルートはタイトルや作中に出てくる言葉が盛り込まれたメインルートという印象。
最後綺麗に終わるかと思ったら主人公が締まらなかったですが、そのままならなさも創作だと思えました。
遥ルートは健気な遥がないがしろにされる場面が多くて可哀想でしたが、
主人公の過去が詳しく語られるルートで、主人公の抱えているものの一端を感じられました。
それにしてもこの主人公絶対今後も同じことやらかしますよ!(作中で実際にそのような意味のこと言ってました)

創作に魅入られた者とその周囲の人々の苦しみと、それでも創らずにはいられない情熱を感じられる作品でした。
(2023/10/21)
 

 

(同人ソフト体験版・連作)

アキゾラのメモリーズ─運命の地平線─(18禁)/GALEX SOFT(2000円)(DL版の購入はこちら)

ある病気に罹った者たちが通う全寮制の高校で、新太(あらた)は西戸崎千早(さいとざき ちはや)を始めとした友人たちと日々を送っていた。
文化祭を控えたある日、津奈木羽椛 (つなぎ わかば)という少女が転入してくる。
時を同じくして、高校では病が悪化する者が増加していた。


選択肢あり、恋愛、SF、ボイスあり、修正パッチあり(パッケージ版)、三時間ほどで読み終わりました。
「ハルイロのセツナ-Complete Edition-」の感想はこちら
「ハルイロのセツナ2」の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
OPにムービーと歌あり。
絵は羽椛がハルイロのセツナ2とは全く違っておとなしそうな容姿でした。

友人たちや転入してきた羽椛と文化祭へ向けて準備をしていきます。
二部構成の第一部とのこと。
羽椛の様子から「ハルイロのセツナ」「ハルイロのセツナ2」よりも前の話のように思えますが、
学年的には「ハルイロのセツナ2」では羽椛が一年生、「アキゾラのメモリーズ」では羽椛が三年生で……そう単純ではない模様。
ルートは二種類。
吉塚先生がぶっつけ本番で安全性未確認のことを、やらなきゃ後悔するよと半ば強制するのがあまり印象よくありませんでした。
主人公が尻込みするのは当然だと思います!
ですが盛り上がってきたところで後編に続く、という構成で続きが気になりました。
同時に羽椛ルートはHシーンがいいところで中断して生殺し状態です!!

あと分岐時の空気……修羅場過ぎませんか?
皆がいる所で言い出す主人公も主人公ですが、それに重ねてさらに空気を張り詰めさせる千早に戦慄しました!

過去の作品感想:ハルイロのセツナ-Complete Edition-ハルイロのセツナ2
(2023/9/6)

 

黒汁CD vol.17 「H.B.Detective 6」File 06 "Peach Pop Poison"/ローズ倶楽部(500円)

陰陽師を養成している国立葛之葉学園がある葛葉市で古本屋を営む少女、花。
彼女は妖弧と人間のハーフで、変身能力を使用し男となった坊城疾風という名の探偵としての顔も持っていた。
とある中毒症状を治す方法を探す花達は霊薬を研究してる人に会いに行く。そこではアイドルのプロデュースが行われていたのだった。


選択肢なし、探偵、霊力、アイドル、五十分ほどで読み終わりました。
「放課後は鬼退治!」「暴食のクラウナー」と時代が異なることはあれど同じ世界の話。
File 01の感想はこちら
File 02の感想はこちら
File 03の感想はこちら
File 04の感想はこちら
File 05の感想はこちら
システムはいままでの作品と同様。
音楽はタイトル画面と挿入歌、ED歌の三曲あり。
頒布に間に合わなかった場合、挿入歌、ED歌をおっさんが歌う予定だったとのことですが、
どちらの歌も電波アイドルぶりっ子ソングだったので、間に合って良かった……と胸をなでおろしました。
立ち絵などはなく、背景写真のみ。

香港編での懸念事項解決回……と思いきや、アイドルプロデュースされます。
今回は壬君にあんまりいいところが無くて可哀想でした。
また、怪盗さんが格好いいので(コメディ担当の一員である)花との落差が際立ちました。
今後怪盗さんもコメディ要員になってしまうのでしょうか……。

過去の作品感想:
放課後は鬼退治!、H.B.DetectiveFile 01File 02File 03File 04File 05、暴食のクラウナーStage.1Stage.2Stage.3Stage.4Stage.5Stage.6Stage.7
(2023/9/8)

 

ボク達をつなぐモノ -暁天の章 前編-/seL project(無料)

毎年必ず奇跡が起こる島、伍和島に住む古河 睦(ふるかわあつし)は友人たちとご飯をたくさん食べる日々を送っていた。
彼は七年前のある期間の記憶を失っており、記憶を失った後におかしな力が宿っていた。
彼は学園の理事長、五丈原(ごじょうげん)さつきの過去を垣間見ることになるのだった。


選択肢あり、伝奇、島、過去、六時間十五分ほどで読み終わりました。
蒼天の章の感想はこちら
旻天の章の感想はこちら
上天の章の感想はこちら
システム、音楽は「蒼天の章」と同様。
絵は新キャラの立ち絵があって、既存キャラも一部立ち絵一新されていて手間暇かけていると感じられました。

今回は序盤以外は最後まで過去編。一代前の護人、繋人達の物語。
選択肢は一つありますが一本道。
味方達の課題を明らかにして、信頼を得て、協力して戦えるようになっていく、という流れに、
さつきと一緒にやりがいを感じることができました。
(信頼を得た後でもわりと欲望のままに醜い争いを繰り広げてくれますがそれもまた可笑しかったです)
あと女の子たちが遠慮なくゲロ吐いてくれるのが素晴らしいです!
最後まで色々あれどしっかり協力関係を築いていましたがこれは前編。そして過去編。
全てが上手くいっているのであれば現代の島に何事も起こらないはずなので……後編を読みたいような怖いような気持ちです!
(2023/9/17)

 


 

 

 

(同人ソフト番外編・その他)


 


 

 

 

 

 

 

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