蛸 ver1.2(乙女)/JACK IN THE [BOX](フリーソフト)
夏休み、親友と男友達のこじれた恋愛に巻き込まれ、投げ出すように母の故郷を訪れた女子高生の大崎真美。
毎年訪れているその地には、過剰なほど真美を慕う従弟の竜彦が住んでいた。
彼が二年前の夏祭りで、友人だった佐原遼太を海に突き落としたらしいという話を聞いたことを思い出した真美はその真相を探ろうとする。
選択肢あり、執着、居場所、三時間半ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可(一旦決めたら変更不可)
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は調子が不安定なジムノペディが話に合っていました。
絵はほとんどの場面で右端以外が真っ黒で、右端に背景で、
それゆえに背景が全面に表示される場面で目の前が開けるような思いがしました。
母の故郷に住む年下の男の子たちと関わっていく中で、友人たちとのことについても気持ちの整理をしていきます。
エンディングは八種類。おまけで主人公以外の視点もあり。
主人公が、大体のことに対して自分が悪いと思う性格で、色々良くないことが重なっていて、
それが巧みな心情描写で書かれていて読んでいてどんどん滅入っていきました。
そうした鬱屈とした場面も良かったですが、
そんな中で最初は邪険にしてくるものの真っ直ぐでいい子な佐原君が癒し……
佐原君相手だと主人公もお姉さんっぽさを出していて(従弟に対してはあまり姉っぽくない……)気分が晴れます。
また、主人公視点では当然ながら主人公自身の容姿や仕草が描かれず、あとがきによると普通の容姿とのことなのですが、
主人公以外の視点から主人公を見た時の主人公がとっても可愛くて魅力的に描かれていて、
恋は盲目という言葉を実感できました。特に竜彦視点での主人公は惚れざるを得ない!
過去の作品感想:鉛の心臓
(2019/1/7)
DollyGirl ver1.4(乙女18禁)/JACK IN THE [BOX](フリーソフト)
松崎奈々は太陽の光に当たることができない病気だと告げられる。
過保護な長男の奏、口数の少ない三男の澪、聡く優しい四男の恒に大切にされながら外部との関わりを断ち、過ごす日々。
しかし次男の明だけは、奈々のことを酷く扱うのだった。
選択肢あり、近親、束縛、七時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可(一旦決めたら変更不可)
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はオルゴール曲など人形のように着飾られている主人公の状態に合っていました。
文章が表示される部分は白く、その上下に花などが表示される画面構成。
兄弟から守られ、愛でられる存在となっている主人公が、
このままでいいのか不安になったり、兄弟の誰かと特に親しくなったりします。
エンディングは十一種類。
主人公の兄弟が四人いて最初は誰が誰だかちょっと混乱してしまいましたが、
読み進めていくうちにちゃんと見分けられるようになりました。
特に奏と恒からお人形さんのように可愛がられて、主人公も兄弟のことが大好きな平穏な日々が続きますが、
冒頭から隠しきれないほど不穏さが漏れ出ていて、
甘ったるさと共にいつ問題が噴出するのだろうとハラハラさせられます。
その原因である兄弟はみんなどこかしらおかしな所がありますが、
奏の主人公が好きなことをさらけ出す言動が強烈で、こいつヤバい……と思いっぱなしでした。
過去の作品感想:鉛の心臓、蛸
(2019/1/11)
ヤンデレ的×日常ごっこ ver1.0(乙女12推)/へもへも(フリーソフト)
「私」は同じ学校の田中からストーカー行為を受けていた。
何度嫌がっても、彼はめげずに付きまとってくるのだった。
選択肢なし、ヤンデレ、恋愛?、十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は田中が色々な表情をしてくれました。一枚絵は七枚。
田中からストーカーを受け邪険にするも、なんだかんだ会話を交わしてしまいます。
田中が明るく犯罪行為をしていて、
主人公もなんだかんだ反応してツッコミ(物理含む)を入れていて、
ストーカーやヤンデレながらも明るい気持ちで読み進めることができました。
同時に主人公が変なことに詳しかったり、兄と含みのあるやり取りをしたりしていて引っかかる部分があり、
その真相が二周目に明らかになるので一筋縄ではいきません。
あと主人公の兄怖すぎます……。
過去の作品感想:ororor!、モタモタバレンタイン、××をください!、MerryMerry、はしばみ色の瞳の中は、ドライエック、ポチとご主人と、まい、ルーム、問、主人に軟禁されたから家捜しすることにした、ルート
ルート ルート、秘密の魔法少女パソティちゃん〜正体はオレサマな先輩♂〜
(2019/1/16)
あなたは呪われてしまいました 1.03/アトハ(フリーソフト)
※2018/12/25の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
身に覚えのない呪いを受けてしまった「あなた」は
呪いを解こうと試行錯誤するのだった。
選択肢なし、ホラー、メタ、三十分ほどで終わりました。
システムはWOLF RPGエディター製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はなくテキストのみ。
ただ読み進めるだけでは進行不能となってしまい、
フォルダ内のファイルを変更するなどして解呪を試みていきます。
難易度はちょっと悩んで解けるくらいのほどよいものでした。
相手のキャラクターに沿ったことなのかもしれませんが、
暗号の問題が可愛らしいためホラーとしてはあまり怖さを感じられませんでした。
ですがゲーム内だけでなくテキストファイル等を用いて話が進んでいく作りに感心させられました。
(2019/1/17)
白い小人/鶏唐雑炊(フリーソフト)
白い小人2/鶏唐雑炊(フリーソフト)
※2018/10/23の拍手でヒエロ様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
主人公が白い小人と出会い、
白い小人から色々なことを語りかけられたり、
白い小人を食べたり燃やしたりします。
選択肢あり、心、思索、「白い小人」は二十分、「白い小人2」は四十分ほどで読み終わりました。
「白い小人」はWOLF RPGエディター、「白い小人2」は吉里吉里製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は白い小人がシンプルな造形で、癒される気持ちも乱暴に扱いたくなる気持ちも湧いてきました。
白い小人のシンプルさとは裏腹に「白い小人2」で主人公が煙草を吸う手元は現実味を感じました。
「白い小人」は真っ白になった部屋の中を歩き回り、
白い小人の話を聞いたり、白い小人を食べたりします。
エンディングは四種類。
白い小人が話すことが難しく、主人公の境遇もよくわからないまま読み終えましたが、
END1にぞわっとさせられましたし、妙にパンツ推しなところが可笑しかったです。
「白い小人2」は夜の森を歩く主人公が白い小人の話を聞いたり、白い小人を燃やしたりします。
エンディングは六種類。
各エンディングは状況が明確ですが、白い小人の話は相変わらず難解でした。
作中で提示された、他の人がいないけれど白い小人がいて願いを叶えてくれる世界ほしいです……
(2019/1/21)
ホシナガルソラ Version1.00(BL15推)/Monochrome Cat(フリーソフト)
※2018/12/25の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
ヨーロッパに留学しているソラは、見知らぬ男を車で轢きそうになってしまう。
顔に傷がありながらも美しいその男、ルティシオはかくまってくれと言い、
半ば無理やりソラの家で同居生活が始まるのだった。
選択肢なし、恋愛、四時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はフリー素材使用で、情感ある曲が多く使用されていました。
絵はシリアスなものからコミカルなものまで多彩で、
特に星や花をバックにした絵が印象的でした。一枚絵は四十枚+差分
また、メッセージウインドウがいったん消えて立ち絵の表情が変わる演出が
ここぞというシーンで使用されていて効果的に感じました。
ソラがルティシオに振り回されながらもその日々を心地よく感じますが、
ルティシオの境遇のため、障害が待ち受けています。
ソラの思考に分析するようなものが多く(恋愛経験の少なさからか
分析しきれない所もたくさんたくさんありましたが)研究者っぽいなあと思えます。
ルティシオのコロコロと変わったり矛盾するような言動や、
ソラの友人、アベルがソラと友人で居る理由も筋が通ったものでした。
そのようにとても丁寧にしっかりと心境や行動が描かれているため、
登場人物みんなを好きになることができ、また一喜一憂することができました。
……ソラが文化・価値観の違いを感じる場面、ほとんどでソラに同意です。
木石と呼ばれようがルティシオの奔放さ、積極さに振り回されるのは仕方がないと思います!
(2019/2/2)
さよなら、白百合 Ver1.09(15推)/kmt(フリーソフト)
※2018/12/25の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
大正時代、高等女学校四年生の黒川はるは、親友の三代 八重子(みしろ やえこ)が心中未遂をしたという噂を聞く。
心配したはるは、八重子の家を訪ねる。
そこで親友の身に起きた悲劇と真実を目の当たりにするのだった。
選択肢あり、恋愛、サスペンス、一時間四十五分ほどで読みおわりました。
流血・暴力的描写などがあるため苦手な方はプレイをおひかえくださいとのこと。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵ははるの純朴さと、八重子の母親の狂気がよく伝わってきました。
CGモードに登録される絵は十枚。
はるが八重子の家で八重子の秘密を知ってしまいます。
エンディングは二種類+バッドエンド二つ。
途中、脱出や探索要素あり。
脱出や探索の難易度は易しめでした。
話ははるが善良すぎるくらい善良で、でも肝心な時には心のままに動くこともできて好ましく思えましたし、
八重子の境遇には(同情になってしまいますが)痛ましいものを感じました。
なのでトゥルーエンドでは、やってしまったことはさておき、良かった……という気持ちになれました。
(2019/2/3)
未完のエリザ Ver1.09/ゴリラの隠れ宿(フリーソフト)
※2019/1/6の拍手でSIGH様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
豪華客船の中で、演奏したものが死ぬという
いわくつきの楽譜を見つけたピアニストのマリンは、見知らぬ世界へと飛ばされてしまう。
脱出しようとする中で、楽譜にまつわる出来事を垣間見ていくのだった。
選択肢あり、探索、音楽、二時間ほどで読み終わりました。
システムはWOLF RPGエディター。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は冒頭のマリン紹介エフェクトと楽章を振り返るトゥルーエンドの一枚絵が印象的でした。
マップ上で主人公のマリンを操作して、序章から第四楽章までの五つのステージをクリアしていきます。
エンディングは二種類+バッドエンド。
探索部分はアクション多めで難易度は低め……というか多少ダメージ受けても
ごり押しで行けてちょっと単調に感じてしまいました。
ですが心理テストのような第三楽章はいい試みだなと思えました。
また、マリンの歩行速度が速めなことが有難かったです。
話は不気味な中にあたたかさを感じる道中(だからより不気味になる部分もあるのですが)を
全部クリアすることで楽譜ができた経緯をおぼろげに知り、
その後マリンが資料を当たって過去の記録で補完したことで、
よりトゥルーエンドに達成感を覚えることができました。
(2019/2/4)
My VitrioL Version 1.2/spleen(フリーソフト)
※2019/1/6の拍手でSIGH様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
竜と人が存在する大陸ユーティリス。竜を滅ぼそうとする暴君を竜から与えられた魔法で討伐した四人の英雄がいた。
それから二十年。ある事情から竜殺しの毒を手に入れたデルーカは、竜の血を引く少女ハイネと出会う。
己の出自や幼馴染との違いに悩んでいたデルーカは、ハイネにかかわる決断を迫られるのだった。
選択肢あり、ファンタジーRPG、二時間半ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
システムはWOLF RPGエディター。
文章がやや多めなためバックログ機能が欲しかったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は世界観に合っている絵柄だと感じました。
デルーカや幼馴染の近衛騎士が王の命令や竜との制約に関わっていきます。
RPGパートは序盤で遠出して強い敵が出るところに行かなければボス含めて難易度は低め。
ただ敵から入手できるお金が増える女神の祝福(非永続)があるのですが、
祝福に失敗することがあり、でも失敗してもすぐやり直せるのが無駄なことをしているという気分になってしまいました。
他にも敵に武装解除を使われるとその戦闘中に武器を装備できないことや、
武器と防具と装飾品と薬が(終盤除き)別の所(2マス隣)で売られていることなど、
ちょっとしたストレスを感じてしまうことが多かったです。
話は登場人物の心情が丹念に語られており、
それぞれの葛藤や信念を強く感じられました。
それだけに終盤の闘いはどれもやるせないです
あと今作を読む限りでは「王様が悪い」としか思えないので、
王様視点で過去に何があったのかも知りたくなりました。
(2019/2/8)
AN EARTH −SpecialEdition-/SUPAI03(フリーソフト)
※2019/1/6の拍手でSIGH様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
とある地球の街に住むドープェルと友達のプリスは、周囲の人間がロボットになる所に遭遇してしまう。
その原因を探るため、様々な街を訪れ、様々な人々と出会っていくのだった。
愛と狂気のオススメRPGとのこと、三時間足らずで読み終わりました。
名前入力あり。
システムはWOLF RPGエディター。
絵と音楽はドット絵やチップチューン風でレトロゲーっぽさたっぷりでした。
サイケデリックにアニメーションする戦闘背景も豊富。EDに歌あり。
敵を倒したり、探索したりしながら事件を解明しようとしていきます。
戦闘は仲間の一人、デッカーの不意打ち(コマンドを選んだ時点で攻撃しターン数が経過しない)と国家権力(技ゲージ回復)に
ドープェルやプリスの相手の行動妨害系の組み合わせがとても強くて、デッカーが離脱した時は苦戦しました。
またマップ探索中、RPGゲーマーの習性をおちょくるような仕掛けもあって楽しめましたし、
戦闘や回復、セーブのテンポも良くてサクサク進めました。
話はパロディや支離滅裂な言動をする敵キャラなどがいっぱいで「狂気」を感じられましたが、
随所に伏線があって、終盤それらが回収されていく怒涛の展開に引き込まれました。プリス好きにならざるを得ない!
あと、爆破装置でビルごと爆破しようとするシーンが特にお気に入りで……笑えました。
(2019/2/11)
AN EARTH 2 3つの地球と未来ドロボウ LV10/SUPAI03(フリーソフト)
※2019/1/6の拍手でSIGH様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
とある地球のとある州に住むキッパーは核爆弾で人を吹き飛ばし、空に穴をあけてしまう。
その穴から彼が好きな小説のキャラクター、バニラが落ちてきた。
キッパーは空の穴とバニラの謎を探るため、冒険に出るのだった。
愛と狂気のオススメRPGとのこと、六時間半ほどで終わりました。
名前入力、好きな食べ物入力あり。
前作「AN EARTH −SpecialEdition-」の感想はこちら
システムはWOLF RPGエディター。
絵や音楽は前作と同様ですが、より女の子が可愛くなった印象。挿入歌あり。
Cキーでキックして街の人にケンカを売ったり、看板などを破壊したりできます。
戦闘はボスにまでおおむね状態異常系が効くのでそんな技を持つキャラクターがいると簡単に進められましたが、
難易度を上げる(セーブポイントで回復不可にする)と結構きつい……というか面倒くさそうです。
探索は半オープンワールドとのことである程度行くところの順番を好きにできます
前作同様、戦闘や回復、セーブのテンポが良いのですが、
その分世界が広がったことで(ショートカット等で極力抑えてはいますが)
マップ移動に時間が掛かることにわずらわしさを感じる部分がありました。
終盤もイベント中、場所移動や続きは翌日に、という移動時間や待ち時間の長さがあって、
もう少し勢いのまま進行したほうが良かったように感じてしまいました。
ですが前作同様パロディたっぷりの狂人達がひしめく世界観や、
前作との関係、ヒロイン二人の行動など良いなと思えました。
それにしてもすでに開けた宝箱を調べたときに「からっぽ」って言うバニラちゃん可愛すぎませんか……?
過去の作品感想:AN EARTH −SpecialEdition-
(2019/2/12)
おじいちゃん、お見舞いに来たよ/The Mysterious Clan(フリーソフト)
入院しているおじいちゃんに、孫がお見舞いに来た。
でも、なにやら不穏な気配が……
選択肢あり、命乞い、三分ほどで生還できました。
システムはスキップしかありませんが、一周一分ほどなので気になりませんでした。
音楽はほのぼのだったり勢いがあったりロシア風だったりおよそ状況と合っていなくて笑えました。
絵は孫が可愛いです。最初は。最初以外は恐怖しかありません。
四つの選択肢から行動を選んで、おじいちゃんの危機を切り抜けようとしていきます。
私は幸運にも二周目でクリアできました。
とにかくわけがわからないまま生命の危機に立たされるのが理不尽で、
おじいちゃんが感じているであろう恐怖にシンクロすることができました。
それに孫がしゃべるセリフにもバリエーションがあって、
この家族崩壊寸前だな……と戦慄させられます。
シンプルながらインパクト抜群の作品でした。
(2019/2/14)
今日は恋するひなまつり Ver.3.01(乙女)/N/P PROJECT(フリーソフト)
とある家でひなまつりの準備が行われていた。しかし男雛がいないことに気付く。
男雛が見つかるまで隣に座る者を誰にするか委ねられた女雛は、
左大臣、右大臣、五人囃子から暫定で男雛の席に座る者を選ぶのだった。……もしくはおひとりさま貫徹!
選択肢あり、ひなまつり、人形、一時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
画面上部をクリックすると英語テキストが表示されます。
絵はひなまつりの人形たちが主役なので華やかでしたし、人形たちの表情が微笑ましかったです。
漫符での感情表現や、頻繁に変わるタイトルバー、動きのある演出などが豊富で目に楽しいですが、その分動作はやや重めでした。
ひなまつりの飾りつけをする家族視点もありますが、
女雛が三人官女に相談したり、左大臣、右大臣、五人囃子とひな壇の一番上で会話したりが中心で話が進んでいき、
それによって家族の行く末も変化していきます。エンディングは五種類。
人形たちもオフの日は現代的な活動をしていたかと思えば、
さらっと薫物(香)の話が出てきたり、とっつきやすさと雅さの両方ともを味わうことができました。
それにしても三人官女の三宝さん強すぎます……。
(2019/2/16)
おシャ☆るな Version1.04/ゆめみのやまい(フリーソフト)
女子高生の穂志村(ほしむら)るな子は気になる彼と初めてデートすることになり、
彼に気に入られる衣装は何なのか、悩みに悩んで決断する。
以降もデートのたびにどんな服を着ようか迷うのだった。
選択肢あり、恋愛、着せ替え、パートボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
恋愛対象(男)の名前変更可。デフォルト名が一郎二郎三郎と適当です……。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はどの服を着ようか迷っている場面のるな子が下着姿でありがとうございます!
るな子が着る衣装は二十一種類+α。他のサークルさん作品からのゲスト衣装もあり。
また、恋愛相手によってるな子の容姿や口調が変わるのが細かかったです。
最初に気になる人を三人+隠しキャラの中から選び、
春夏秋冬それぞれ一回、デートでどの服を着るか選択し、
服が彼の好みかどうかでエンディングが分岐します。
るな子が色々頑張っておしゃれしているのに彼の方は春夏秋冬全てでデート服が同じで、
彼もおしゃれしろや! とツッコミをいれてしまいました。るな子ほんとに彼でいいの……?
それから相手の一人に「真面目でお堅い大人の」先生がいて、
本当に真面目でお堅い大人の先生なら教え子とデートなんてしないだろと思っていたら作中でしっかり指摘されていて安心しました。
あと一郎君のクリスマスプレゼント……正直キモいです。
そんな感じでいろいろツッコミしながら、るな子の衣装も色々堪能できる作品でした。
過去の作品感想:白いプリンター
(2019/2/18)
To Myself 〜記録の私と記憶のわたし〜(フリーソフト)
祖父と二人で暮らすサフィアは、祖父の部屋で大きな屋敷の写真と地図を見つけ、既視感を覚える。
その屋敷を訪れると、中にソフィアと同じ容姿で同じ名前を名乗る少女がいた。
彼女は頼みごとを聞いたら自分のことを話すと持ち掛けてきて……
選択肢なし、場所選択・文字入力あり、謎解き、友達、三十分と少しで読み終わりました。
システムはバックログのフォントサイズがちょっと小さいと思ってしまいました。
音楽は特に合わないような箇所なし。ページ送りごとに本をめくるような効果音があります。
絵はサフィアが「お嬢様」といった容姿でした。
同じ容姿で同じ名前を名乗る少女から、
屋敷内にあるという日記のページを探し、その裏に書かれている謎も解いてほしいと頼まれます。
謎解きは一か所だけヒント機能を使ってしまいましたがそれ以外はノーヒントで解くことができました。
話は少々あっさり気味ながら短くまとまっていて読みやすかったです。
ところで父親はどうなったのでしょうか……?
(2019/2/19)
妖精組曲 炎のじゃんけんバトル(15推)/studio
N(フリーソフト)
魔女同士の抗争に妖精のムラサキとモモが駆り出され、じゃんけんバトルをすることに。
しかも脱衣。しかし脱ぐのは言葉巧みに丸め込まれた人間だった。
選択肢あり、野球拳、妖精、一時間ほどで何とか勝てました。
システムは文章表示速度変更ができないことがやや不便でした。
音楽は定番のちょっとだけよ風の曲もあり。。
絵は魔女が……化け物でした。脱衣はR15まで。
ムラサキが人間を(脱衣担当として)スカウトして、同じく人間を連れたモモとじゃんけんバトルをします。
スカウトできるのは男と女の計二人。結末は十七種類。
じゃんけんバトルはバトルというだけあって人間の脱衣枚数以外に妖精のHPが設定されており、
勝つと相手に拳や掌底を叩き込め、あいこでは相打ちになります。
HPを削りきっても勝敗としては勝ちですが、脱衣勝利エンドに入ることはできません。
私はわりと必殺技出し惜しみをしてしまったので脱衣勝利までに一時間かかりましたが、
開幕から必殺技三連叩き込めばもっと短い時間でコンプリートできそうです。
それでもランダムな上あいこでも駄目なこともあるので、
あと一勝という所であいこ連続などでゲームオーバーになるとちょっとストレスたまりました。
ですがそれを吹き飛ばすほど妖精さんのじゃんけんテンションが高く、
人間だけが理不尽に脱衣で割を喰うかと思いきや
バトルの末どんどん見た目が満身創痍になっていく妖精さんに立て! 立つんだムラサキ!! と声援を送りたくなりました。
(2019/2/20)
イロカミ/リコピン(フリーソフト)
モノクロの世界で、何かから「わたしを、たすけて」と告げられる。
了承すると何かから三種類の色を与えられ、
雨が降り続く村で生け贄として差し出されようとしている少女「シキ」の最期の一日を見届けるのだった。
選択肢あり、色、選択、四十五分ほどで読み終わりました。 システムは文章表示速度変更ができないことがやや不便でした。
音楽は物悲しくて少し神聖さを感じる曲と、鳴り続ける雨の効果音が使用されていました。
絵は後ろにドット絵画像、前に太めのシンプルな線で描かれた立ち絵という構成。
選ぶ色によってシキがシアン、マゼンタ、イエローそれぞれを基調とした服になります。
シアン、マゼンタ、イエローの色を選び、それによってシキが最期の一日に何をするかが変化し、
さらにその中でも選択肢で最後の展開が変わっていきます。
何回か繰り返し条件を満たすことでエンディングへ。
シアンルートの狂信者シキが他二つのシナリオとはかなり違っていてインパクトありました。
各シナリオのラストは展開が変わってもほんの少しなのですが、
でもそれがシキと残されたものの救いになればいいなと願わずにはいられない作品でした。
(2019/2/21)
221Bふたりの探偵 ワトソン役からの脱出/スタジオ こんぺいとう(フリーソフト)
現世(うつしよ)のホームズと呼ばれている名探偵、小鳥遊 明人(たかなし あきと)は助手の青年を「ワトソン」と呼んでいた。
ある日彼らの元へ一台のタブレットが届く。そのタブレットは密室に閉じ込められた少女、観月瞳と繋がっており、
脱出に失敗すれば双方のタブレットが爆発するという。
ワトソンは小鳥遊から、少女と二人だけで協力して爆発を回避するよう告げられるのだった。
場所選択や文字入力あり、脱出、推理、三時間ほどで終わりました。
システムは文章表示速度変更ができないこと、スキップ機能がないことが不便でした。
音楽はシックな曲調のものが使用されていました。
絵は立ち絵差分少なめですが要所で効果的な使われ方をされていました。
いままで助手だったワトソンが推理に挑みます。
離れたところにいる少女からの報告とタブレットに表示される情報で事件を解決していく……これも安楽椅子探偵になるのでしょうか?
公式サイトで情報メモ用フォーマットが配布されているので印刷して、全部書き込んで解いていくこと推奨。
謎解きは想像力が必要で公式サイトのヒントにだいぶ頼ってしまいましたが、どれもしっかり作りこまれていて、
特に一回解いたものを別の問題で違った用途に使用するというのに感心させられました。
また、メモに地道に書き込んで解いていく問題も多い中、
最終問題は閃きが重要になっていて(無事閃ければ、ではありますが)解けた! という勢いのまま
事件解決、エピローグという流れに大きな達成感を得られました。
話は観月ちゃんの報告がなかなかにバイオレンスで楽しめましたし、小鳥遊のワトソンへの信頼も感じられ、
どちらともいいコンビ、という感じで、この三人で挑む別の事件もまた味わってみたいなと思えました。
(2019/2/22)
幸福のラルカ/LibrettoRondo(フリーソフト)
カフェ・エスタシオンを訪れた主人公。
店をたびたび訪れるうち、従業員達の話を聞く機会が訪れる。
話を聞いて、主人公の心境に変化が起こるのだった。
選択肢あり、カフェ、心、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は落ち着いた曲や切ない曲が使用されていました。EDに歌有。
絵は綺麗でE-moteで動きますし、カメラワークなどの演出も凝っていましたが、その分動作は重め。
ボイスはそれぞれのキャラクターに合っていました。
カフェで従業員達の話を聞き、どのような意見を言うかで結末は変化します。
エンディングは三種類。
冒頭濡れた体を拭く場面の前後でおおむね予想がついていたので終盤は驚きではなく納得がありました。
また、時間の流れや従業員の過去がかなり端折られていて駆け足気味に感じてしまいましたが、
その分語られなかった余白を想像する余地があり、
綺麗なグラフィックや音楽のなかで色々なことに思いを馳せることができる作品でした。
(2019/2/23)
空似 ver1.0(やや女性向)/しぐれいん(フリーソフト)
性別が違うものの似た顔立ちをしているナツキとイナオは巣立村という田舎を訪れる。
そこは大ヒット映画の舞台となった場所で、撮影した監督の出身地だという。
二人は監督が進めるご当地ラーメンを食べるため、とあるお店に入るが……
選択肢なし、他人の空似、聖地巡礼、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はイナオ君の表情に味がありました。
映画フィルムをイメージしたテキストウインドウも話に合っています。
ナツキとイナオが会話しながら村を巡っていく中で、二人の過去が明かされていきます。
芸能界は作中のようにそんな簡単に忘れてくれるのかな……? と思う部分もありましたが、
調子のいいことを言うイナオとそれをバッサリ切り捨てるナツキの会話がテンポ良く、楽しく読み進めることができます。
終盤少々重苦しくなるものの、ラストのレトロなオチがいい起伏になっていて、すっきりした読後感を味わえました。
(2019/2/25)
風のリュート 〜恋人未満の戦士たち〜(12推)/Moon☆Wind(フリーソフト)
隻眼の自由戦士リュート=グレイに助けられてから、旅を共にするようになったティリス=ラーファルト。
ある日二人はささいなことで喧嘩をしてしまい、森ではぐれてしまう。
二人は喧嘩したことを後悔し相手を見つけようと行動するが……
選択肢あり、ファンタジー、恋愛、一時間十五分ほどで読み終わりました。
システムはバトルパートが長期戦になりがちなため、
ちょっとしたウェイトやエフェクトの待ち時間をじれったく感じてしまいました。
音楽は良い曲が多く、特にタイトル曲がおまけの曲解説の通り哀愁漂っていてお気に入り。
絵は二人の体格差もあり、リュートは頼りに、ティリスは可憐に(でも強い)感じられました。一枚絵は十枚+差分。
また、口パクや日の光などの演出が多く、中でも滝が流れ落ちている背景は目を引かれました。
旅の中の一幕といった感じで、リュートとティリスの関わりや敵との闘いが描かれています。
ゲーム以外にweb上の漫画や小説でも出会いや旅の中のエピソードが展開されています。
エンディングは四種類。そのうちノーマルエンドは本当にすぐ終わってしまいました。
バトルパートはコマンド選択式で、ちょっと油断すると負けてしまう緊張感がありました。
リュートは普通の生き方ができない流浪の戦士……という頼りになるものの孤高の存在、
という印象を受けましたが、リュート視点では思いのほか思春期男子なコメディ描写が多かったです。
ティリスも健気で、守られるだけではない強さがあって好感が持てます。
サブタイトルに恋人未満とありますがおまけモードで言及されている通り、
どう見ても両想いじゃないかというやりとりが多く、ニヤニヤさせられました。
過去の作品感想:空色幻想曲-風のリュートAnotherWorld- Trial3
(2019/2/28)
そして星辰は結びを辿る Version1.03/shizuka(フリーソフト)
父親が死に、遺言状が公開されるために一族が所有する孤島へ集められた五人の兄弟。
しかし通信設備が故障し、島から出ることができなくなってしまう。
五男の星辰結太(せいしんゆうた)は兄達と同行し、屋敷内を調べるが……
選択肢あり、オカルトサスペンス風アドベンチャーノベルとのこと、探索、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度変更ができず遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は一瞬だけ表示させる演出が効果的に使用されていました。
孤島の屋敷で起こる事件を四人の兄達の行動を追っていき、
全て見た後に最終ルートを読むことができるようになります。
どの兄から知るかは任意で選べますがそれによる最終ルートの変化はありません。
親のエピソードがあまり語られておらず、終盤、親のシーンをちょっと他人事に感じてしまいましたが、
その分兄達についてはしっかり描かれていて、特に長男聡万(そうま)の理解されない苦労が印象的。
また、結太の意思が感じられない地の文が結太の状態をよく表していて、丁寧に作られている作品でした。
(2019/3/1)
999,Victory ver1.9(女性向)/spice+(フリーソフト)
突然魔王城へ連れてこられ、魔王の花嫁になれと言われてしまった修道女のマフィン。
挙式は明日。マフィンそれまでになんとかして魔王を倒そうと魔王城をうろつくのだった。
ファンタジーRPG風AVGとのこと、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクールVXAce製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はとても綺麗、表情も豊かで目を引きました。一枚絵は十七枚。
魔王城の中で装備ガチャしたりドーピングしたりツボの中身をいただいたりしながら魔王を倒そうとします。
エンディングは九種類。
弱いうちに魔王に挑んだりしなければそのうちクリア可能ですが、特殊条件エンドもあり。
設定上どうしても作業感を伴ってしまう作りながらできる限りそれが軽減される配慮がされていました。
私はまんまと当たりがなかなか出ないガチャにつぎ込んで時間がかかってしまいました……。
途中から薄々感づいていたのですが……これがコンコルド効果か!
時間をかけずに攻略するには運(リアルラックではなく運の良さパラメータ)重視が良さそうです。
また、ちょこちょこやさぐれた言動をする主人公がいい味出していて、
ツボを割りまくったりトラップをこともなげに受け止める様も納得してしまうキャラクターでした。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-
(2019/3/2)
999,Victory -Return- ver1.6(女性向)/spice+(フリーソフト)
魔王となるも酒浸りの生活を送っていたマフィンは、第一王子ダルトから招待されとある小城へ赴く。
そこであらゆる酒を集めたもてなしをされるが、王子にはなにやら企みがあるようで……
ファンタジーRPG風AVGとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
「999,Victory」の感想はこちら。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクールVXAce製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はとても綺麗で、今回ややダークっぽいのが多め。同時に主人公の崩れたコメディ顔も多め。
それから見渡す限り配置された酒樽に笑ってしまいました。一枚絵は二十一枚+α。
「999,Victory」エンド9の続編で、酒を飲んだり断酒したり城の人間を酔い潰したり貢がせたりします。
エンディングは九種類。
戦闘ではなく飲酒で回っていくため、パラメーターが威厳とか可憐とか清廉のため、
慣れるまではこれどの行動に影響するんだっけ……? と少し戸惑ってしまいました。
前作では魔物やツボが不思議な力で復活していましたが、
今作は人間の城が舞台のため、ダウンした人間は復活しませんし、壊したり飲んだりした酒樽は元に戻りません。
そのため重要なのは一貫した行動をとること。
私は一周目滅茶苦茶一貫していない行動をしてしまいました……。
ですが周回もさほど手間ではありませんでしたし、ガチャも100連できるようになっていて助かりました。
ストーリーは……ロリショタ最高という結論でしょうか?
それ以外にも禁酒成功するかとことん飲むかでガラッと変わった展開になって、色々な結末を味わえました。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory
(2019/3/3)
SweetSpiceSummoner! ver1.3(女性向)/spice+(フリーソフト)
召喚士見習いのアニスはいままで人型の召喚魔を召喚したことがなかった。
バレンタイン前日、彼女はリア充に憧れ、バレンタイン前日にイケメン男を召喚しようとするのだった。
選択肢あり、召喚、バレンタイン、四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクールVXAce製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は立ち絵は格好良くて、デフォルメ絵は可愛らしかったです。
素材を七つ選んで、その組み合わせで何が召喚できるかが決まり、
三回のチャンスで何を召喚したかでエンディングが変化します。
エンディングは七種類。
どの素材を選べば召喚できるかはヒントがありますが、全員当てるのは結構難しいと感じました(公式に攻略あり)
ですが一周が短いため色々試すことが出来ましたし、
ごく一部を除いて召喚魔はみんないい人なので、気軽にプレイすることができました。
あとフォルツさんの名前が表示欄に入り切っていないのに笑いました。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-
(2019/3/4)
SummerSpiceSummoner! ver1.4(女性向)/spice+(フリーソフト)
相棒の召喚魔ブニャーンと共に異世界へ召喚されてしまった主人公。
そこには病で暴走したブニャーン達がいた。
主人公は仲間を召喚し、原因を解決しようとするのだった。
夏のリア充バカンスRPGとのこと、クリアまで二時間半、トロフィーコンプリートまでさらに一時間半ほどかかりました。
「SweetSpiceSummoner!」のアナザー続編ストーリーとのこと。
主人公名前変更可。
システムはSMILE GAME BUILDERで3D見下ろし型のRPG。
音楽は夏っぽさたっぷりでした。
「SweetSpiceSummoner!」では作中三体までしか召喚魔と知り合えませんが、全員知り合った状態での後日談。
敵と戦ってレベルを上げたりイベントをこなしたりしながら事態の解決を目指していきます。
難易度は低めですがあまり極端なチョーカー類(パラメータと魔法耐性どちらかが上がってどちらかが下がる)
を装備するとさくっと全滅してしまったりもします。
3Dで視点の方向を回転させることが可能で、デフォルトでは見えない所にアイテムや罠があったりするのですが、
視点回転にも時間と手間がかかるので少々面倒に感じてしまいました。
話は全員集合、それも夏の島という舞台だけあって明るく賑やかに進めることができました。
「SweetSpiceSummoner!」ではチャラオ(召喚魔の名前)ちょっと苦手でしたが、
今回の舞台のせいかかなり好きになってしまいました……。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-、SweetSpiceSummoner!
(2019/3/5)
サマーナイトミラクルミッション ver1.0(女性向)/spice+(フリーソフト)
根暗な少女、黒森夏夜(くろもりかよ)は林間学校の肝試しで
女子に人気がある蘇芳夏来(すおうなつき)とペアになる。
夏夜も夏来のことが気になっていて、仲良くなるために九つのミッションを自分に課すのだった。
選択肢あり、恋愛、オカルト、四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクールVXAce製。
音楽は効果音で猫の鳴き声が鳴ります。
絵は主人公の根暗っぽさが出つつ、甘酸っぱさも感じられました。一枚絵は九枚。
肝試し中に仲良くなるためのミッションをクリアできるように行動を選んでいきます。
選択肢を一度でも間違えるとゲームオーバー。
前半は主人公の奇行と奇跡的にミッションをクリアする様を生暖かく見ていましたが、
中盤以降はがらっとと様相が変わります。
おまけシナリオまで含めて、重たいけれどもホッとすることができました。
でも……主人公よりももう一人出てくる男の子、夜凪秋良(よなぎあきら)と夏来の方が
強い絆で結ばれているような気が!
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-、SweetSpiceSummoner!、SummerSpiceSummoner!
(2019/3/6)
シノビハリセンボ ver1.2(女性向)/spice+(フリーソフト)
戦国時代、大名家の三女として生まれた四月朔日ほむらは、嫁いだ国が滅び出戻ることを三度繰り返していた。
そんな彼女の前に、千度嘘を吐くと針で刺し殺してくるという妖怪ハリセンボが現れる。
お付きの忍、狐蛇(こだ)は解決方法を提示するが……
選択肢あり、恋愛、戦国時代、十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はお姫様らしく華やかで、かと思えば顔芸もしてくれていました。一枚絵は二枚。
また、次の場面に移るときに画面ごと入れ替わる演出が小気味よかったです。
妖怪から助かるために狐蛇の言うとおりにするかで二種類の結末に分岐します。
どちらの結末も主人公の願いがおおむね叶って、ちょっと叶いませんが、
私は言うとおりにする結末のほうがやっぱり二人とも幸せそうでお気に入り。
また、途中の二人のやり取りも長い付き合いを感じられ、テンポよく読んでいくことができました。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-、SweetSpiceSummoner!、SummerSpiceSummoner!、サマーナイトミラクルミッション
(2019/3/7)
Lovelydoll/Wildmachine ver1.5(女性向)/spice+/offoffo(フリーソフト)
発明家ノルディックは過去の贖罪のため、女性型機械人形を制作する。
しかしその中に、風の精霊が宿り、勝手に動き出してしまう。
風の精霊は幼い頃からノルディックのことを見守っており、彼の笑顔を取り戻すため人形の体で奮闘するのだった。
選択肢あり、ほのぼのファンタジー×お人形ライフ3DADVとのこと、四時間四十五分ほどでトロフィーコンプリートできました。
主人公名前変更可。
システムはSMILE GAME BUILDERで3D見下ろし型。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
立ち絵では特に衣装が華やかでした。3Dキャラでは主人公の仕草が豊富でどれも可愛らしかったです。
また、街の作り込みや街を見せるカメラワークも目を引きます。
風の精霊が宿った人形を操作し、制作者やその友人、街の人々と親交を深めたり、困っていることを解決したりしていきます。
各イベントは同時並行で進めることも一つに絞って進めることも可能で、
七人のキーキャラクターのイベントをクリアするとエンディングですが、
エンディング後もそのまま街で生活することができます。
エンディング時のエピローグは三種類。
敵と戦うこともありますが難易度は低め。
特に回復アイテムさえあれば攻撃力二倍スキルをターン数経過させずに十回まで重ね掛け(二の十乗!)できるので大ダメージを与えられます。
探索もくまなく(視点も回転させて)人や物を調べればなんとかなりますし序盤以外は日数制限もないため、焦らずに進めることができました。
ただ、最初にお金を1000G集めないといけないのですが、
その時点でできるカードゲームで次の目標である1000000G以上も容易に稼げてしまい(稼いだ時の専用台詞があるのが細かいですが)
強い装備やドーピングアイテムもすぐ買い集めることができてしまいます。
そのためカードゲームだけは稼げる上限を設定するか終盤でプレイできるようにした方がいいのではと思ってしまいました。
ですが、イベントを進めるために街を歩き回る必要があるため段々街の人や街自体に愛着が湧いてきますし、
街の人の困り事を解決したことがエンディングの展開に繋がっていて温かい気持ちになれました。
(街の外はなにやら不穏ですが)元気いっぱい走り回る主人公と、
そんな主人公を見守ったりからかったりする人がいる街が心地よくて、ゆったりまったり街の生活を楽しむことができる作品でした。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-、SweetSpiceSummoner!、SummerSpiceSummoner!、サマーナイトミラクルミッション、シノビハリセンボ
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜、Rotate180°コンバータ、Reset→Move
-Mobius loop-、サイコカリエス
(2019/3/8)
らんだむダンジョン Ver.1.70/はむすた(フリーソフト)
おすすめ
過去の作品感想:ざくざくアクターズ
(2019/3/9)
脳と手の仲介者は心でなくてはならない ver1.00(12推)/substitute(フリーソフト)
天国の警察を辞め、殺し屋を営むブロンディは警察の知人シルビイから依頼を受ける。
報酬は神様に一つ願いを叶えてもらえるというもの。
ブロンディは嫌々ながらも報酬のため、ターゲットの女、イブの元へ向かうのだった。
選択肢なし、天国、四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できずに遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は単眼ちゃんと神様が存在感ありました。
天国でブロンディが辞めた警察からの依頼を受け、人間の組織へ向かいます。
危機を相手の情けや詰めの甘さで切り抜けることが多く、少々拍子抜けに感じてしまう部分がありました。
あと、イブだけやたら特別扱いされていますが何か理由があるのでしょうか……?
あのラストではさらに上位存在がいない限りもはや意味のないことのように思えますが……。
天国なのに普通に食べられるのが工場産の魚で、死ぬこともあって、警察もいてという天国っぽくない世界観と、
そこで繰り広げられる血生臭くハードな展開がマッチしていて、
緊迫感を持って読み進めることができました。
それにしても天国へ行く人間が増えたとのことで、でも天国へ来ると軋轢を発生させていて、
人間も随分上辺を完璧に取り繕えるようになったんですね! あまりそこでは暮らしたくはないですが!
過去の作品感想:動脈と静脈
(2019/3/11)
眠れない夜に ver1.04/九州壇氏のノベル工房(フリーソフト)
淳と茜、香澄の姉妹は幼馴染。
淳は茜のことが好きだった。
眠れない夜に淳は彼女とドライブに出かけるが……
選択肢なし、思い出、夜、姉妹、一時間十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
立ち絵は素材サイトの立ち絵素材。
深夜、彼女と一緒にドライブをしていく中で、違和感がつのっていきます。
キンモクセイについてせっかく話題に出ているので終盤もキンモクセイを絡めたほうがいいような気しましたが、
付き合いが長い二人のとりとめのない会話が表現されているのかなとも思えました。
また、違和感の原因が明かされた後にそれまでのやりとりを思い返すとぞわっとさせられます。
その上で、これから少しずつでも良い方向に向かっていくことを思わせるラストでいい読後感を得られました。
(2019/3/13)
細胞神曲 -Cell of Empireo-COMPLETE EDITION【完成版-2.7-】(17推)/鱶尾工業(フリーソフト)
※2018/12/23の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
探偵、阿藤春樹は失踪した事務所の後輩、信濃を探すため宗教団体「至高天研究所」を訪れるが襲われ監禁されてしまう。
その「至高天研究所」では人体実験が行われていた。
脱出をもくろむ阿藤だったが、研究所内に異変が起こっていたのだった。
探索×情報収集型 生還及び真相解明目的SFサスペンスとのこと、ルートSまで十五時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクール2003製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は画面を動き回るドット絵キャラが様々な動作や表情をしてくれてとても細かかったです。
マップを探索して鍵やアイテムを入手したり、資料を読んだりして生還を試みつつ至高天研究所の真相を探っていきます。
ルートは六種類+バッドエンド。
難易度はかなり高めに感じました。公式サイトに攻略あり。
特に序盤の地下パートがどの部屋から調査すればいいかの情報少な目でしらみつぶしに探す必要がありながらも、
調べるとダメージを喰らう個所があって、攻略なしで進めるとストレス溜まりました。
また、一部すでに見たイベントのスキップはあるもののルート分岐してからも同じ展開が長く続くため、ルート回収しようとするとかなり大変です。
ですがフラグ管理が細かくされていて作り込まれていると感じられました。
ストーリーは前半が化け物の徘徊する場所から脱出するサスペンスメインで、
後半は阿藤や至高天研究所の過去を解明していくなかでバトルや推理もありという展開。
ルートSでほとんどの真相が明かされた状態でのバトルや二択の連続、元凶との対話がそれまでの集大成で熱かったです。
また、それぞれに間違ったり弱かったりする登場人物への愛着も抱くことができました。
エピローグも清々しく、それまでに経験した色々な出来事を思って感慨深い気持ちになれる作品でした。
(2019/3/17)
SwordGirlAlice(ソードガールアリス) DL版(2017年09月11日ver)/Rectangle(DL販売1296円)(DL版の購入はこちら)
※2017/8/20の拍手でがまぐちあな様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
増殖するロボット軍団にじりじりと生存圏を奪われ続けている人類。
とある人類の地下要塞でアリスフレームという少女型アンドロイドが開発された。
主人公は彼女と日常生活を共にしながら、近接戦闘の教示を行っていくのだった。
選択肢あり、3DアクションRPG + 育成ADVとのこと、十五時間ほどで終わりました。
システムはテキスト量が多めなためバックログ機能がないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
一週間に一回、戦闘試験をクリアしながらそれ以外の日には買い物したり資料室に通いつめたりして
アリスフレームのパラメータを上げることでアリスフレームが成長し
運動能力や受け答えのスムーズさ、性格などが変化していきますが、
五週間が経つか試験をクリアできないとでリセットされ、それまでの記憶や一部を除いた性能が初期化されてしまいます。
リセットを繰り返しアリスフレームと共に様々な経験をすることで最終ルートに進むことができます。
アクションパートはリセットを何度も繰り返すゲームシステムでアクションパートをスキップできないため、
九ステージ×五回(五週間)あるとはいえ少々飽きてしまいました。
でも何度やっても普通のヘリコプター敵は苦手……ボスヘリコプターは当たり判定大きくて楽なのですが。
また、運動性能を強化すると目に見えてアリスフレームの動きが良くなるため強くなったという実感を持てました。
育成パートは運動性能以上に性格や言葉遣いが変わって、色々なアリスフレームの姿を見ることができ愛着がわきました。
また、その色々な姿で体験した出来事が最終ルートに関わっていく構成も巧みで、
彼女の境遇に心苦しさを覚え、それ以上に彼女と共に過ごす日々を大切に感じられました。
(2019/3/25)
マリー将軍の触手ラボ ver1.0(18禁)/TOUCHABLE/劇團近未来(DL販売1296円)(DL版の購入はこちら)
勇者の出現が予言された魔王軍。
魔王十将軍の一人、無尽のマリーことマリー将軍は参謀に新たな魔物の開発を命じる。
しかし自らがテストを行うと称して触手の快楽にハマってしまうのだった。
選択肢あり、触手、猟奇、ボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は触手(スライム含む)づくし。つるぺたなマリー将軍と巨乳な村娘で差別化が図られていました。一枚絵は十四枚+差分。
参謀としてマリー将軍を被験者にして快楽を感じてもらうか、
不死の呪いにかかった村娘に凶悪な触手を差し向け真剣に強い魔物を開発するかで結末が変化します。
村娘相手では本当に容赦がないので残酷表現が苦手な方は注意。
触手の形状は違えどある程度シチュエーションや反応が似ていてややワンパターンに感じてしまいましたが、
マリー将軍の触手にハマっている様と、あくまでテストと体裁を整えようとする面子、ネーミングセンスに親しみやすさを覚えました。
口癖の「よきに計らいなさい」は実際に使ってみたい……!
でもお気に入りのHシーンは村娘のムスタング。私、妊娠の危機で嫌がるシチュエーション好きなんですよね。
過去の作品感想:女子校生とごはんですよ!、女子肛校生芸能アナルクラブ〜現役JKアイドル枕営業の実態〜、風俗島からの脱出、十川良衣菜のトイレで神様、募集中、売春リアル、家出した俺の娘が公衆トイレで神様を募集しているらしい!?、つかおう! 地域淫行券!!〜このマークをつけた地元の女の子に中出しできます〜、新人監督と処女女優、寝取られ痴漢電車〜環状線〜、おまたゆるめはままならない、娘マネジ! イキます!!〜SEX
a GAME2017〜、ピチふぇち! でべろっぷ、泡風呂エクスペリエンス、MAJIで没落5秒前、全裸・ローラ・ラン
(2019/3/27)
Resurrect Moon ver1.07(女性向15禁)/瓶づめ(フリーソフト)
梟という組織に所属している異能力者、井川草(いがわそう)はパートナーのスカイと共に命令を受けたものを殺していた。
ある日、殺人ではなく捜索と保護の命令を受けるが、発見直後に味方から攻撃されてしまう。
保護対象の男、終夜(しゅうや)と三人で何とか逃げ出し、以前草達の教育係だった水沢十時(みずさわととき)の家に身を寄せることになる。
選択肢あり、異能、恋愛、二十七時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌二曲、ED歌二曲あり。
絵は立ち絵のみ。終夜が描写通りの美形でした。
人を殺してばかりで一般常識に欠ける草とスカイが十時の家で生活していくなかで
色々な人と関わったり、知ったり、思い出したりしていきます。
ルートは五種類。
状況説明や可能性の話があまりにも事細かに、あるいは重複して書かれていて、少々くどいと感じてしまいましたが、
草の世間知らずっぷりやズレた心遣いには笑えるものが多かったです。
また草の過去は痛々しくて息を呑みました。そんな草がこんなボケキャラに……。
お気に入りの登場人物は終夜。とにかく草のこと優先を徹底していて、
草がどう思っているかはともかくプレイヤーとしては安心できました。
ルートでは市川沙央(いちかわさお)ルート。
沙央の性質から完全に解決しないまま終わるのがふさわしいと思えました。
過去の作品感想:水平線のファントム、終焉ヴァニタス
(2019/3/29)
Follow me, please ver1.0/sayuki(フリーソフト)
※2019/3/22の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
記憶が無い主人公は脱出を促す謎の少女に従い謎の施設を進んでいくが、謎の仕掛けが作動しはぐれてしまう。
そこでデビルと名乗る謎のアンドロイド少女と出会う。
主人公はデビルにおちょくられながらも彼女の出す謎を解いていくのだった。
選択肢あり、SF脱出、二時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMV製でバックログなし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はデビルが怜悧な印象で、綺麗で、罵倒されてもご褒美でした。
アンドロイド少女デビルが出すひっかけ問題にまんまと引っかかって罵倒されていきます。
エンディングは六種類。
マリア以外のアンドロイドのエピソードが音声のみで実際に見ていないので、
誰が誰でどんな関係か何をしたのかというのが分かりにくく感じてしまいました。
ですがデビルが出してくる問題の半分以上はそもそも正解がなく、
なすすべなく失敗し罵倒されるのがいっそ気持ちいいくらいでした。
それだけに嘘つきを一発で当てられたのは自慢したいです!
また、デビルの問題中にも感じられた不穏さが露になる後半は、
前半を罵倒された問題の舞台をなぞるように真相が語られ、感慨深いものを覚えるました。
(2019/3/31)
エロゲ ツ・クーレ ver1.0/花を吐く抄女(フリーソフト)
ゲーム会社にグラフィッカーとして就職が決まった長野鳩子は入社前日の夜、突然会社に呼び出され、
社員の曽根つぐみから、今日中にエイプリルフール用のエロゲーを制作する必要があると言われる。
その上つぐみ以外の社員は全員不在で、鳩子は絵以外の作業も押し付けられるのだった。
選択肢なし、エロゲー制作、エイプリルフール、ボイスあり、四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はイメージイラストと背景のみ。イメージイラストがやたらとむっちりしています。
鳩子がつぐみから色々と無茶ぶりをされていきます。
過去作「あそびめヱロゲに花束を」や「『お狐様はショコラピストルでジプシーダンスをグーテンターク(仮)』レディオ」から続く
エロゲーの仕事を全部押し付けられた可哀想な人シリーズといった趣きで、
最初から明らかに完成するはずもないエロゲー制作が、
つぐみの駄目人間さとツッコミを入れながらもなんだかんだやろうとしてしまう鳩子のによってさらにより一層やることが増えて完成が遠のいていく様を他人事ゆえに可笑しく眺めることができました。
つぐみみたいに仕事できたら楽しいだろうなあ……。
それにしても鳩子のアドリブ下手には失望しました……
美人(予想)絵師によるエロゲー朗読なんて絶対バズるネタを台無しにしやがって……!
過去の作品感想:死狐様、挽歌の候、如何お過ごしでしょうか、早瀬に案山子は、黄昏の姉妹、終末のマリアージュ、八目鰻、黄昏の姉妹、終末のラジオ、一子、二狐とも、巫女との狸、菓子狐憑き、傾城狐の嫁入りなこそ、箱入り娘のてるみどぉる、やんでれさんのすゝめ、あそびめヱロゲに花束を、カムガカリ、子狐丸宗近、ワルキューレに口づけを、お狸様で爆乳まみれin雌狸様に酒池肉林、遙か異空の鎮守狐火、王子の狸とカツ丼と、そも、お狐様に夜這われて!。、ぱんぱにえれ、佐藤と鈴木と田中、ときどき山本、狐日和に格子を覗けば、廓に狸と寝入りましょう。、彼女は散乱している、『お狐様はショコラピストルでジプシーダンスをグーテンターク(仮)』レディオ、お狐様は極太がお好き!、メロンソーダちゃんの秘め事、徒咲く乙女の決闘状
〜ラブレター〜、ごふよう据え膳、捨て狐様!、お姫様のスカートの中の秘密の……、世界は彼女と彼女の一人だけ、お狐様の参拝繁盛講座
(2019/4/2)
IQuest Version1.03/KOPAR(フリーソフト)
※2019/3/22の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
見知らぬ遺跡で記憶を失い目を覚ました獣人の少年は、世界遺産調査団の獣人少女テクシーと出会う。
持っていた杖に刻まれていた文字からエッセと名乗ることとなった少年は記憶を取り戻すため調査団に同行することになる。
その中で、かつて世界の危機を救った勇者との関わりに気付くのだった。
クイズゲーム、ケモノ、一時間半ほどで終わりました。
システムはWOLF RPGエディター製でバックログなし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は登場人物のほとんどが獣人で、
クイズパートでアニメーションしていて格好良かったり可愛らしかったりしました。
四択のクイズに正解すると相手にダメージを与えることができ、
ライフをゼロにしたら勝ちというクイズバトルで話が進んでいきます。
エンディングは一種類。
ストーリーは王道といった感じで安心して読むことができました。
クイズはジャンルが幅広いので難しい問題もありますが、制限時間がないので調べれば何とでもなりますが、
四択のうち間違いを一つ消してくれるなどの能力を持ったサポートキャラもいて、
彼らに助けてもらえば調べなくてもクリアできました。
私のよく使ったサポートキャラはルーカ(連続正解時にダメージ+1)、
アーソン(ライフ半分以下で間違えた場合相手にもダメージ)、ユティ(ライフ半分以下で一回だけ全回復)です。
アーソンとユティの能力が競合(ユティが優先される)しますが、
あと一問正解で勝てるのに不正解連発して負けという事態をなんとしても避けたい組み合わせにしました。
(2019/4/4)
約束の軌跡 ver1.00/ミカヅキ茂(フリーソフト)
※2019/3/22の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
奏多と真琴は恋人同士。共に東京に出ようと決めていた。
しかし突然、真琴が地元に残ると言い出す。
それだけでなく、別れようと言ってきたのだった。
選択肢なし、恋愛、約束、ボイスあり、十分ほどで読み終わりました。
システムは若干読み込みに時間がかかりますが短めの話なのでそこまで気になりませんでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は終盤の奏多の表情が印象的でした。
前半は別れることになって最後のデート、後半はその二年後が描かれています。
別れる理由はある程度予感されるものでしたが、
終盤に明かされる真琴の気持ちがボイスと相まって気持ちがこもっていて、
その後の奏多の言動と共に悲しくも前向きな気持ちになれました。
(2019/4/6)
あいからの鎖 version 1.01(15推)/鳥那狐蘭(フリーソフト)
彼氏を作りすぐ振られることを繰り返していた笹音浪榎(ささね なみか)は、いつも通りに死にたくなり学校の屋上を目指す。
その途中で自分のことを連続通り魔事件の犯人だというクラスメイトの葦阿瑛(いくま えい)に声を掛けられる。
殺人衝動があるという瑛に、自殺するくらいならと殺されかけた浪榎は死にたくないと感じる。
以降、定期的に殺されかけることで浪榎の死にたいという気持ちと瑛の殺人衝動の両方を抑えようとするのだった。
選択肢あり、依存、理解、四時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は浪榎の友人、宮川亜美のエンディングでの笑顔がお気に入りです。私服立ち絵の表情も印象的。
また、エンディング後タイトル画面の晴れやかさや、瑛の感情が顔に出ない怖さも印象に残りました。一枚絵は十一枚+差分。
殺人衝動があるという葦阿瑛と、彼に殺されかけることで死にたくないことを実感したい笹音浪榎が会話を交わしていきます。
エンディングは二種類。
浪榎があまりにもあることを信じ込んでいて疑いもしないのですが、
読んでいる私としては最初から最後まで疑い続けていたことだったのでちょっともやもやしてしまいました。
浪榎の視野の狭さによるもので妥当かとも思うのですが……終盤ちょっと成長しても変わらずでしたし。
ですが浪榎の後ろ向きさが取り繕うことなくありありと描かれていました。
特に終盤での亜美に対する気持ちの変化が醜くて、弱い人間らしかったです。
また、葦阿くんが下校時に話すことはどれも一理あると思えて……
彼の人生観やものの見方とそれを言語化してくれるところ、素晴らしいと思います。
そんな葦阿くんと接することで、浪榎が冒頭のように死のうとしたりやたらと彼氏を作ろうとしたりではなく、
現状をちょっとでも変えようと思えるようになったその小さな変化が大切に感じられました。
(2019/4/8)
トワイライトは反転する Ver1.01/物置の中の骸骨(フリーソフト)
2120年、貧富の差が大きくなった世界。貧民の一部は路上パフォーマンスで生計を立て、ロージーと呼ばれていた。
ダンス系ロージーの網浜哲郎と瀬戸晴歌は破格の報酬に釣られ、とある仕事を請け負う。
同じようなロージー達と共にトワイライトランドという所に集められた二人は、シャドウという敵と闘うよう指示されるのだった。
選択肢あり、近未来、ダンス、ボイスあり、九時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは一回クリアしたミニゲームはスキップできることが有難かったです。
音楽やボイスは抑揚があまりなく不気味な印象。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は違和感を覚える箇所もありましたが、最後の対シャドウ時のものは印象的でした。一枚絵は七十六枚+差分。
トワイライトランドでシャドウという謎の敵と闘わされることになり、
最初のルートでは言われるがまま闘いますが、その真相を探ることになっていきます。
エンディングはメインが五種類でバッドエンドを含めると三十二種類。
聞き込みや探索ゲームにおいてピンポイントで整然と情報が集まっていく所が
プレイヤーとしては有難いですが都合良すぎるとも感じてしまいました。
最後の扉パスワードがトワイライトエランドやキムラヨウ無関係なアルファベットがあるのもなんでそれを設定したのか気になります。
メインキャラクター達がそこまで根拠なく断定することがあるのももやもやしてしまいました。
ですがそうしたところも含めてシュールな笑いに繋がっているところもありました。
それに最後の対シャドウ解決方法が彼ららしくてこれしかないと思えるもので、
その選択肢が出た時と実際に行動している場面には高揚させられました。
……まあそれ以外の選択肢を先に選んでバッドエンド確認してしまうんですけどね!
過去の作品感想:廃工場と死とラセツ
(2019/4/14)
TS魔法少女なお! 高解像度版(18禁)/CrookedNavel(DL販売1944円)(DL版の購入はこちら)
TS魔法少女なお!BunnyS!! 高解像度版(18禁)/CrookedNavel(DL販売324円)(DL版の購入はこちら)
魔力が存在し、モンスターが襲来し、ごく一部の女性だけアーティギアという道具で「魔法少女」になっていた世界。
天城直は幼馴染の春風舞衣が魔法少女となり、支援しかできない状況を歯がゆく感じていた。
新しいアーティギアの適合試験で直は適合するが、変身すると女の子「アーティ・フレア」になってしまったのだった。
選択肢なし(戦闘有無選択あり)、性転換、魔法少女、発情、
ヒロイン(主人公性転換時含め)ボイスあり、七時間ほどで読み終わりました。
「TS魔法少女なお!BunnyS!!」は選択肢なし(容姿選択あり)、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は魔法少女コスチュームが華やかで、それを着た女の子が乱れるのに興奮しました。一枚絵は二十枚+差分。
最初は天城直視点で読むことができ、その後同じ期間の出来事をもう一人の視点で読むことができるようになります。
「TS魔法少女なお!BunnyS!!」は本編(別視点)後の話でバニーガールのヒロインがエロいことをします。
「TS魔法少女なお!2nd!!」も制作中とのことで、
いくつかの闘いを経てアーティ・フレアななんとか魔力を制御できるようになるまでが収録されており、未解決の内容も多々あります。
直視点ではHシーンで自慰や寸止めばかりで、ストーリーもまだまだこれからという感じで物足りなさが残りました。
その分別視点では濃いHシーンが多く、直視点での不自然な行動の真相が明かされていました。
特にイグニスが本編の凛々しさとのギャップがあり、乱れた時の淫語ボイスも気持ちがこもっていてお気に入りです。
今回軽めのHシーンしかなかったキャラクターにも濃いのがあるかと思うと……続編読みたいです!
(2019/4/16)
死んだ恋の話。 Ver1.00/奈落兎(フリーソフト)
彼女が死んだ。
私は部屋でそれを見下ろしていた。
選択肢なし、創作、十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は背景のみ。
小説家になろうで公開されている「僕と魔女の終わった話。」に関連している内容とのこと。
私は「僕と魔女の終わった話。」より後の話であるように受け取ったのですが、
そうであるならば「僕と魔女の終わった話。」ではそれなりに楽しそうにしていたのにこうなってしまったのか……とやるせなくなります。
逆であれば前向きな内容になるのですが……。
あるいはさらにこれが創作だったということも……?
過去の作品感想:隕石に怯えながら、僕たちは。、青空を引き裂くように、僕らは。、白い箱。
(2019/4/20)
少女病的恋愛中 Ver1.00(女性向15推)/子犬の軍進(500円/DL販売648円)(DL版の購入はこちら)
小川
舞子は通っている書道教室の明谷源太(みょうたにげんた)先生のことが大好き。
進学した舞子は恩師である熱海祐里香(あたみゆぅりか)の兄、実射(みぃる)の家に下宿することになる。
毎日源太先生のもとへ通おうとするが、下宿先から生活費代わりの店番をしつつ、成績も落とさないよう要求されるのだった。
選択肢あり、恋愛、下宿、育成SLG、六時間半ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
少女病的恋愛前の続編。
2018夏コミ体験版の感想はこちら
2018冬コミ体験版の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は育成時のデフォルメ主人公が可愛らしいです。
一枚絵は八枚+差分で半分以上は作中作の挿絵や絵画で、それに合わせたタッチで描かれています。
「少女病的恋愛前」の約半年後が舞台で、勉強や休息、下宿先の店番、書道教室などのスケジュールを組んで
ステータスを上げたりノルマをこなしたりして過ごしていきます。
エンディングは六種類。
育成パートは2018冬コミ体験版をプレイしてから三か月ではさすがに強化パスワードを忘れていなかったので!
ボーナスポイント付きで開始したためあまり苦労することなくクリアすることができました。
ただエンディングコンプリートは公式の攻略を参考にさせていただきました。
話はメインの源太先生関連以外に、勉強や手伝いをすることで読めるようになっていく作中作やサブキャラのストーリーもありますが、
メインストーリーと関わりのないものが多く、
また連作の一部だったり、要約だったり、傍観者かつ一部しか目の当たりにしていない主人公を通してのものだったりして、
ちょっと中途半端な内容になってしまっているように感じてしまいました。
ですが作中作の中には過去の作品を連想させるものもあり、ニヤリとできました。
そして少女病的恋愛前から引き続きとにかく源太先生大好きで一途な主人公が魅力的で、
周囲の人々が彼女に影響を受けていくことが自然に感じられます。
源太先生はヘタレ! と言うようなムーブでしたが、より主人公の愛情と行動力を感じることができました。
過去の作品感想:逃獄之記、ラブキャッチャー、君のために咲き君のために散る、ラブコースター、You
Are Soldier、少女病的恋愛前
(2019/4/22)
世界一、受けたい虚○を。 - Really, Another Imaginary. - ver.1.00(18禁)/3 on 10 -サンオントウ-(1200円)
二年生の三月。ちょっぴり不真面目な少女、井上の前の席は、一年間会田という少年だった。
彼は彼女に、万人受けする、みんなが受けたいウソはないかと質問する。
彼女は、また変なことを言い出したと思いながらも彼の質問に付き合うのだった。
選択肢あり、ウソ、学園恋愛、ボイスあり、三時間半ほどで読み終わりました。
「世界一、受けたい虚○を。」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌あり。
絵は相変わらず井上さんが可愛いです。私服の井上さん!
一枚絵は十四枚で猫耳ver含め差分たくさん。
「世界一、受けたい虚○を。」及びその続きで、
夢見がちな渡会綾瀬がウソノートなるものを手に入れたことから始まる「- Really, Another Imaginary. -」
それに後日談「井上アフター」を収録。
恋に恋して挙動不審ながら意外とウソノートやたとえ話をしっかり理解している渡会綾瀬も可笑しいのですが、
やっぱり井上さんの可愛さが強すぎて井上さんに会えないと気分が下がってしまいました……。
それだけに井上アフターの真相が明らかになるところでは、井上さんと会えて良かったと心底感じられました。
過去の作品感想:ツルゲーネフによろしく、ぷるぴら、Might、ツルゲーネフとよろしく!、川の流れを留めてみたい、もっとツルゲーネフとよろしく!、永遠に美しき冬よりも、妹アプリケーション!、メロウイヱロウ、マフラーな彼女、マフラーな彼女「あるウソの話
- Crush On You! -」、世界一、受けたい虚○を。、ジャッジメントあいらんど、変態な俺は紳士にならざるを得ない
(2019/4/24)
夜底奇劇・星空物語 ver2.02(12推)/喜劇上演団体B(フリーソフト)
※2019/3/8のメールでご紹介いただきました。ありがとうございます!
五年前、何者かに祖父を殺された白河詩織はストーカーに襲われて気を失い、目を覚ますと見知らぬ場所にいた。
そこは今まで暮らしていた「表世」と異なり呪術の類が発展している「裏世」だった。
「裏世」に祖父殺害の手掛かりがあることを知った詩織は革命に身を投じることになる。
RPG、革命、劇、十時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMV製。バックログなし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は陰気さを感じるもので話に合っていました。
ただドット絵の歩行グラフィックによっては歩いているというより滑っているように見えてしまいました。
支配者層に対抗する反逆組織に白河詩織が協力し、祖父の敵を見つけようとしていきます。
RPGパートは難易度が五段階に設定でき、一番簡単なものは本当に楽勝で、一番難しいものは鬼難度でした。
真ん中の難易度でも難しい印象があり、
脱出手段がなく通常攻撃が弱いキャラをパーティに入れざるを得ない序盤ダンジョンでは特に式力(MP)が足りなくなりがちでした。
ただ、終盤のボスにも魅了(混乱)が効いてしまう(しかも義姉による魅了!)ので
毎ターン魅了して他のキャラがちまちま攻撃という情けないことになっていました。
また詩織の敵勢力(もう一人の主人公)を操作することができるのですが、
詩織が闘った時はとても強いのに操作時は雑魚敵にも苦戦する程度の強さなこと、
勝っても負けても進む戦闘でどちらの結果になっても完敗したように扱われること、
アイテムが両陣営で共通な上に装備を引っぺがして詩織側に装備させられるということが不自然な仕様になっていました。
それから、探索時に鍵がかかっている部屋はおとなしく引き下がるしかなく、
ストーリー進行に必要なものは鍵のかかっていない(もしくは鍵を手に入れられる)部屋にあることに都合よさを感じてしまいました。
ストーリーは中盤の山場で、全員捕まりそうな所を一人が自分の身を犠牲にして見逃してくれという場面があるのですが、
敵陣営にも確執があるので結果的に切り抜けられることはまだしも、
敵陣営の最終目標が目の前にあり簡単に手に入れられるはずなのに両陣営の全員が聞き入れてもらえる可能性があるように振舞っていて、
読んでいて登場人物達との乖離を感じてしまいました。
ですが章タイトルや幕間のテキスト、敵や街のグラフィックなどレトロな世界観で統一されていて、
その中で詩織の復讐心の強さや心境の移り変わり、仲間それぞれの抱えているものが描かれていました。
詩織達の敵となる陣営ももう一人の主人公というだけあって同じくらい丁寧に描かれており
……というか詩織の写し鏡であり、終盤それが交わっていく所が盛り上がりました。
(2019/4/26)
Hello, Good-bye Fairyland ver1.03(女性向)/瓶づめ(フリーソフト)
アイドルグループ「フェアリー×フェアリー」の夢ヶ崎可憐(ゆめがさきかれん)(本名:鈴木十和子)と
星咲愛流(ほしさきあいる)(本名川野なずな)は気が付くと妖精の国のお姫様という設定通りのメルヘンな場所にいた。
混乱した末、日頃の鬱憤が爆発した二人は仲違いしてしまい、別行動をすることになるが……
選択肢なし(どちらの話を先に読むかの選択はあり)、アイドル、SF、十時間十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌、EDに歌あり。
絵は立ち絵のみで一枚絵なし。描写通りのビジュアルや表情であると感じました。
アイドルユニットの二人が不思議空間で喧嘩した後、どちらの視点を読むか選択します。
そしてそれぞれが別の人物と出会い、不思議空間を脱出しようとしていきます。
……というのが全て読み終えてみると序盤も序盤で、そこから様々な展開が待ち受けていて、
途中で話の構造に気付いたときはそういうことか! と合点がいきました。
SF成分が多いのでそんなのあり? と思うような部分もあるものの、
それ以上に彼女達の身に降りかかる色々に一喜一憂することができましたし、彼女達の生き様に引き込まれます。
特に「Good-bye Fairyland」編は常識とは異なる環境が盛りだくさんで
彼女たちがそれに困惑しつつしっかりアイドルとして高みを目指していくのが可笑しくもワクワクすることができました。
だから終盤が(良い意味で)つらいのですが……
その結果、彼女達の歩んだ道はとても壮大ながら実際にできたことはちっぽけで、
でもそれに圧倒され、そして敬意を表したくなるものでした。
過去の作品感想:水平線のファントム、終焉ヴァニタス、Resurrect
Moon
(2019/4/30)
こわいへや ver 2.00(15推)/NUMBER7(フリーソフト)
とある部屋に新しく入居した主人公。
しかしその部屋では家具たちが喋っていた。
その上、なにやら生臭いにおいもして……
選択肢あり、探索、ホラーサスペンス、三十分ほどで読み終わりました。
残酷・グロテスクな表現があるため苦手な方は注意。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は洋風ホラーな雰囲気たっぷりでした。
クリックして周囲を調べながら、家具が話しかけてくる不気味な部屋で夜を明かします。
エンディングは四種類。
探索の難易度は、各エンディングの条件自体をクリアするのは難しくないですが、
どれが分岐に関わるのかを発見できずに公式の攻略に頼ってしまいました。
多くの家具が不穏なことを喋り、それ以外に身の危険を感じることもあり、
ぞわぞわしつつもこの家具はどんな反応をするんだろうと気になって調べることができました。
各エンディングもストレートにバッドエンドなものから、ひとかけらの不穏さを残すものまであり、
グラフィックや音楽と併せて、統一された世界観がある作品でした。
(2019/5/6)
夢もすがら花嵐 ver 1.02/NUMBER7(フリーソフト)
書生の「僕」は夢の中であてもなくたゆたっていた。
そこへ声を掛けてきたのは、夢を食べる獏と名乗る少女。
少女に手を取られ、書生は夢の世界を巡っていく。
選択肢あり、探索、文学、夢、一時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵はレトロで鮮やかな色使いでとてもお洒落でした。
また、花びらが舞ったり雨が降ったりという演出もあり。ただ、その分やや動作が重めでした。
獏の少女と共に掛け軸から木が生えていたり、部屋の中に雨が降っていたりする夢の世界を訪れ、
クリックで探索し謎解きをして出口を探していきます。
エンディングは二種類(ノーマルエンドは途中の行動で一部変化あり)
謎解き要素は一部公式の攻略を参考にしなんとか解くことができました。
ただ、一番詰まったところが単純に自分が左右勘違いしていた
(左に入れろと言われた数字を右に入れていた)のは、自分でもどうかと思います……。
夢らしく現実では見ることができない華やかなで奇妙な世界を渡り歩き、
特に時間制限なく気になる所を調べて文学にまつわることの多い謎に挑んで、
新しいものを見つけたり詰まったりしたら獏に話しかけて、また頑張る、というのが心地良かったです。
ただトゥルーエンドを読むと、一周目で良かったねと思っていたノーマルエンドが怖くなってしまいました……。
過去の作品感想:こわいへや
(2019/5/8)
すっぽんクエスト 〜人類最後の失恋劇〜(完全版) Version2.0.2/えりやぬす(フリーソフト)
※2019/1/6の拍手でSIGH様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
世界に広がる汚染を避けるため十年間冷凍睡眠をするはずが百五十年放置されてしまい、多く目覚めぬまま死亡した中、
冷凍睡眠計画を主導したシュンリは百五十年ぶりに目を覚ました。
百五十年後の人類は寿命が短くなり、食糧不足からゲテモノ生物を主に食べるようになっていた。
冷凍睡眠の後遺症で眠気や記憶障害を抱えるシュンリは療養生活を送っていたが、段々と記憶を取り戻していくのだった。
選択肢あり、終末SFADVとのこと、十三時間ほどで読み終わりました。
システムはWOLF RPGエディター製。
音楽はマップによって足音が異なったり、海に近付くと波の音が聞こえてきたりと効果音が細かかったです。
ただ、本当にシリアスな場面でも気の抜けた効果音がなることがあるのが少々気になってしまいました。挿入歌あり。
絵は精神的に欠けたところがあるシュンリの酷薄さのようなものが伝わってきました。
また、現在と過去がオーバーラップする演出が良いなと思いました。
百五十年後に冷凍睡眠シェルターを管理していた学者ヤールと、その義理の娘で人造人間ミオ、
シュンリと同じく冷凍睡眠から目覚めた少女ダナと田舎で暮らしますが、
シュンリが忘れていた記憶を取り戻していくのと時を同じくして、不穏な出来事が進行していきます。
エンディングは三種類+バッドエンド。
探索・バトルパートはいくつかの場所を何回も行き来する必要があるのですが結構広いマップでちょっと大変でした。
話は終盤、汚染の性質を都合よく感じてしまいましたが、
前半のゲテモノ食にシュンリとダナが辟易したりといったコメディと、
シリアスな過去や後半部分のギャップが効果的に感じました。
プレイヤーの与り知らぬところで酷いことをしていたシュンリが好きです。
なのでエンド1の憂き目を見るのも仕方ないというか、納得できました。いい気味だ!
(2019/5/10)
オレンジアワーグラス パッケージ版 ver1.00/Nice Net Neat(1000円)
両親もかつて通った明葉学園高等部に入学した榎戸悠(えのきどはるか)はカフェ部に入部することになる。
カフェ部では飲食の提供以外にもう一つ活動があった。
またある日、悠は学園にある橋で不思議な出来事に遭遇する。
選択肢あり、学園紅茶ファンタジーノベルゲームとのこと、
追加部分は一時間四十五分ほど、合計四時間ほどで読み終わりました。
オレンジアワーグラス第1章〜第4章(フリーソフト)の感想はこちら
システム、音楽はフリー版と同様。各章ごとに別のOPムービーと主題歌あり。
絵は追加ルートラストのキャサリンが親に似すぎていて、
こんなにやつれて苦労したんだなと悲しくなってしまいました(ただ単に似ているだけなのかもしれませんが)
あと幕間2で男女とも大体ローライズ水着で鼠径部たくさん見えていてこだわりを感じます。
一枚絵は三十三枚+差分+タイトル画面等七枚。
カフェ部の活動をするかたわら、悠だけにしか起こらない不思議な出来事にも関わっていきます。
フリー版から四章のエンディング分岐と、各章毎二つのサイドストーリーが追加されています。
追加された方のエンディングはアナザー扱いで、
やっぱりフリー版からあるエンディングの方が好みで、悠の選択は間違いじゃない……と改めて思えました。
フリー版で書いた(反転部)は願望とは違う方でしたね……それはそれでカフェ部の一員になれたようで嬉しいのですが!
サイドストーリーでお気に入りは現在の主要キャラほぼ全員登場して賑やかな幕間2。
悠と幼馴染の礼の仲も良いですし(おおむねいつも良いですが)……決して水着イベントだからではありません!
(2019/5/14)
霊流れ ver1.02/紺青色鳥-ろいやるぶるーばーど-(フリーソフト)
「私」は燈籠が流れる川の畔に立ち、燈籠を流そうとしていた。
そこへ対岸から、二匹の蝶が飛んできて……
選択肢なし、燈籠流し、蝶、三分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は効果音のみ。
絵は「私」の着物も、蝶も、燈籠も綺麗でした。
川に燈籠が流れていく中、揚羽蝶と大紫、二匹の蝶が近づいてきます。
そんなシチュエーションに加えテキストが古風で美しく、
それが風流だな……と思っていたら途中で可哀想なことになって思わずヒィと声を漏らしてしまいました。
さらに最後の最後でももう一つ奇妙なことが明らかになって、美しくもぞっとさせられる作品でした。
(2019/5/16)
死線間の友人 ver1.00(12推)/疑似集団X(フリーソフト)
その世界には、大部分の人が知らない死線という現象があった。
死線に囚われると切り抜けられない者は死に、切り抜けても精神崩壊する者がおり、
そうでなくともいままでの自分ではいられなくなるが、代わりに特殊な能力を手に入れる。
三年前に死線を切り抜けた金本義人は、同学年の高室つるから死線について教えるよう迫られるが、それは語りたくないことだった。
選択肢あり、死線、異能、人間関係、四時間ほどで読み終わりました。
システムは実績(トロフィー)や重要そうな発言をメモするといった機能あり。
雪が降ったりする動きのある演出があるためかやや重め。
システムは特に不便な箇所なし。
絵は死線を切り抜けた者が不気味に描かれていて、
特に目があきらかに異常だとわかる演出でインパクトありました。
一枚絵は十五枚+差分。
金本義人視点と高室つる視点で進み、つるが死線について調査していくなかで、
死線で歪んでしまった義人とその周囲の人間関係に関わっていきます。
エンディングは五種類。
一つの文章内でも一人称と三人称が混在したり、
いまどのような状況や動作をしているのかわかりにくい部分がありました。
ですが、例え話が多くされていて、
中でも義人に好意を寄せてくる後輩を「公園の水道」と例えたのはとてもわかりやすかったです。
また、つるや義人をはじめとして登場人物が現実ではあまりしないような考え方や振る舞いをしていて、
それが死線という現象が存在するゆえの得も言われぬ気味の悪い世界観の表現に貢献していると感じられました。
死線という現象そのものやそれに翻弄される人たち、死線を切り抜けた者の異常さが伝わるビジュアルなど後ろ向きな内容がほとんどですが、
そんな中にも一部エンドの終盤は前向きな行動もあり、ネガティブなだけではない読後感を味わえました。
(2019/5/18)
妹がエロゲー声優だったんだが(18禁)/やきうぶ(DL販売540円)(DL版の購入はこちら)
エロゲー好きの主人公は、妹からエロゲー声優をしていると告げられる。
それは主人公が最近気になっている人気声優だった。
妹は主人公に協力してほしいことがあるらしく……
選択肢なし、妹、声優、ボイスあり、一時間半ほどで読み終わりました。
ヒロインの名前及びニックネーム変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は妹の肌や水着の質感とか触りたくなりました。
ただ、初挿入と最後の場面という重要なHシーン二つで主人公のケツが滅茶苦茶自己主張してきます……。
一枚絵は八枚+差分+α。
声優をやっていた妹とエロいことになります。
妹が引っ込み思案で主人公のことが好きでエロいことに興味津々で主人公が何しても感じてくれて声優で、
という誰の妄想だよ……というような娘なのですが、そのことに作中でも主人公がツッコミを入れています。
そんな都合の良い設定ではありますが、その分、思う存分声優の妹とのHを堪能できました。
それにしても妹のデフォルトニックネームから某声優さんを連想せざるを得ない……
(2019/5/20)
偏狂変人恋愛論 ver1.5(女性向15推)/アト(フリーソフト)
高校二年生の柊美夜斗(ヒイラギ ミヤト)は友人の六路星幸(ロクロ ホシユキ)から毎日のように愛を叫ばれていた。
不良だった過去のせいで普通の学校生活が送れていない美夜斗は彼女が欲しいと星幸にこぼす。
星幸は誕生日プレゼントにと美夜斗に好意を寄せる三人の女の子を紹介し、試しに一週間付き合ってみればいいと言ってきたのだった。
選択肢あり、BLノベルズADVとのこと、二時間半ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は全体的にピンク・紫色主体の色遣いで登場人物たちの色ボケを表……いえ、なんでもないです。
美夜斗が外出するときはメイクするお洒落さんなのがなんだかいいなと思います。
おまけ漫画やカットイン、アイキャッチといった演出もあり。
美夜斗への好意を隠そうともしない星幸から、美夜斗が喜ぶならと三人の彼女候補を紹介され、
そのうち一人とお試しで一週間付き合うことになります。
エンディングは一週間後に付き合うか付き合わないかで分岐する二種類が各女の子ごとにあり、計六種類。
星幸エンドは今後追加予定? のようです。
美夜斗と星幸がメイン(のはず)なので星幸エンドがない現状では少し物足りなく感じてしまいました。
女の子は左から選んでいったのですが、
最初の娘はなんだか可愛くていい子じゃないかと思いつつ最後、
あ、これ無理だ、と躊躇なく付き合わない方を選びたくなるヤバさがありました。
そしてそれがピークではなく、二人目、三人目と右に行くにつれ、よりヤバい娘になっていって、
もはや付き合う付き合わないの選択肢が出ること自体おかしい! と思うような恋愛論を目の当たりにすることになりました。
星幸も愛が重すぎてたいがいなのですが、美夜斗のことを何よりも一番に尊重していますし、
美夜斗も星幸を友人以上に想っていることが明らかなので、
美夜斗と星幸には是非くっついてほしい(女の子は三人ともヤバすぎる!)と思えます。
ストーリーとしては女の子と付き合ってみるというもので(現時点の作中では)星幸とは付き合わないのですが、
それでもこれはBLだ、と断言できる作品でした。
(2019/5/22)
白緋ト云フ名ノ傾城 ver.1.0/Jeliko(フリーソフト)
明治二十一年、吉原に白緋という名の花魁がいた。
時折彼女にひどく入れ込む客がいて、そんなときは必ず厄介な事態になっていた。
子爵家の放蕩次男坊、鷹野誠二はそんな彼女に興味を抱く。
白緋の遊郭で二階廻しを務める弥一は、またかと思いながら接していたが……
選択肢なし、遊郭、欠落、本編は地の文含めフルボイス、
ボイスをほぼ全て最後まで聞いて一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は色気がありとても美しかったです。
ボイスは男性が全員の台詞+地の文全てを一人で担当していて、
落ち着いた声で、しかし情感を込めて朗読されていて、
これはボイスを途中で飛ばしてはいけない。すべて聞くべきだと強く思えました。
鷹野誠二と弥一それぞれの視点から、白緋との関わりが語られていきます。
誠二視点では育ちの良さと満たされなさを感じ、弥一視点ではちょっと乱暴ながら聡明さを感じ、
また各人の台詞が廓言葉など場所と時代に合っていて、
そのテキストが余すところなく朗読されることで明治、吉原という舞台と物語に浸ることができました。
ストーリーも起こったことだけを見れば一言で済ませることができるかもしれませんが、
白緋に関わった二人の男の熱望、歯がゆさ、茫然自失など様々な胸中が吐露されていて、
ままならなさが悲しくてもどかしくも、美しい作品でした。
(2019/5/24)
Little my Mother Version1.00/TimidLimit(フリーソフト)
男だけれどもぬいぐるみが好きな子供だった「私」はクマのぬいぐるみを大切にしていたが、
祖母の家の押し入れにあった人形には恐怖を感じていた。
それは、母が大切にしていた人形だった。
選択肢なし、人形、親子、三分ほどで読み終わりました。
システムは文章速度変更がないなど機能少な目ですが短い話なのであまり気になりませんでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は人形のこと私も怖いと感じました……。
ただ、一部の場面でテキストと背景の色が似ていて見難かったです。
「私」の視点でクマのぬいぐるみや母の人形との関わりが語られていきます。
それを通じて母親とのことを思い、そして今度は自分が母親の立場になるという
世代の移り変わりを感じ、暖かい気持ちになることができました。
過去の作品感想:ThanatoFobia〜ひとりぼっちのかげぼうし〜第壱章体験版、TearDrop〜虹人の思い出〜Re:birth
(2019/5/28)
ぼくのかんがえた きみの終末 Ver.1.2(女性向)/Huwahira(フリーソフト)
四季聡(しき さとる)は落ち着きがないけれども明るい咲凪小太郎(さなぎ こたろう)と親友。
母親が教育熱心な聡をいつも小太郎は遊びに連れ出し、そのたび小太郎は聡の母から嫌味を言われていた。
ある日、彼は電車に轢かれて亡くなってしまう。しかし彼は足のない幽霊? として目の前に現れたのだった。
選択肢あり、親友、幽霊、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は元気な表情を先に見ているだけに、憔悴した表情がよりつらく感じられました。一枚絵は六枚+差分。
幽霊になってしまった親友が、自分が死んでいると気付くといなくなってしまうかもしれないと思い、
死んでいると気付かれないようにあれこれ行動していきます。
エンディングは六種類。
聡の夢について小太郎が一切気付いていなかったため仕方がないかもしれませんし、
見る方ならば中盤以降言及されるものの、やる方については明かされる場面で唐突に感じてしまいました。
ですがお互いがお互いのために一生懸命になっていていい関係でしたし、
だからこそ一緒に居られないとわかってしまう所がより切なかったです。
なので「もしも」にならないEND4からのEND1がお気に入り。
あと、小太郎の台詞が奔放な性格にしてもちょっと大げさすぎるのでは……と思いつつ、
読み進めるうちにこれは無理をしている結果こうなのかな……? と思いつつ、
過去でも同じような言い回しをしていたみたいで……素なんですよね? 愉快な子だな!
(2019/5/31)
僕の可愛いお人形 Ver1.00(15推)/代替蛇口(フリーソフト)
理想の可愛い人形を作ろうとしている人形師の糸堂紬と、
彼をマスターと呼び慕うアメリアは共に暮らしていた。
ある日、紬の父親と縁がある綺麗な女性、エマが話しかけてきて……
選択肢あり、ヤンデレ、人形、四十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は女の子が可愛くて服も綺麗でした。お色気シーンもあり。
アメリアに世話をされながら可愛い人形を作っている紬の日常に変わったことが起こります。
エンディングは二種類。
エマに関してはほとんど二人の添え物のような扱いでちょっと可哀想でした。
ですがアメリアに関する選択肢が……とても可愛かったです。
また、エンディングの一番最後に表示される文章がタイトルと関係があっておお! と思えました。
(2019/6/4)
BOYS IN MY HOUSE Version 1.01(女性向)/deli(フリーソフト)
大学院生の錦山咲の家に突然、カイトとフレンという名の二人の少年が現れる。
彼らは宇宙人に侵略されかけ、戦いに明け暮れる百年以上未来から誤って現代にタイムスリップしてきたという。
四週間後にならないと元の時代に戻れないという二人を、咲は自分の家に住まわせることにするのだった。
選択肢あり、一つ屋根の下、タイムスリップ、四時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は二人ルートの最終日前日、三人の笑顔の一枚絵が、それまでの生活が良いものであったことが伺えてお気に入りです。
あとベランダの背景画像でブラジャーの存在感がありました。一枚絵は差分含め二十四枚。
未来からやってきた少年二人と四週間同居生活をすることになります。
ルートは三つ。
ルート分岐後の選択肢が結構真逆のように感じるのですが、
どちらを選んでも(おそらく)ストーリーに変化がないことが少し残念でした。
ですが、四週間が一日毎に必要な場面に絞って描かれていて、ダレずに仲良くなっていく積み重ねを感じることができました。
特に主人公は一人でも生活できる上にカイトとフレンを気遣うこともできるほどパワフルなのですが、
その上で二人のことが大切で重要な存在になっていく様がわかり、いい関係だなと思えました。
あと色々押し付けてくる主人公の大学の教授殴りたいです……
(2019/6/6)
BOYS IN MY HOUSE-after the memory- Version 1.00(女性向)/deli(フリーソフト)
大学院生の咲は妙な機械のせいで見知らぬ場所に移動してしまう。
そこはかつて一つ屋根の下で四週間暮らしたカイトとフレンが暮らす荒廃した百年以上未来だった。
しかし二人はかつてよりもずっと大人になっていて……。
選択肢あり、恋愛、近未来SF、五時間十五分ほどで読み終わりました。
「BOYS
IN MY HOUSE」の感想はこちら
システムは一旦ルートが分岐するとその後同じ文章が出てきても既読スキップできないようになっていて、
そうした箇所が結構あるのがちょっと不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はカイトとフレンがすごく成長している! と嬉しくもちょっぴり寂しさも覚えました。
また、状況によって立ち絵の傷などが変化するのが細かかったです。一枚絵は差分含め三十一枚。
「BOYS IN MY HOUSE」の続編で、今度は主人公の方がタイプスリップして未来の世界で暮らすことになります。
一番最初にカイトとフレンどちらのルートを読むか選択し、エンディングは合計八種類。
平和な現代とは異なりハードな出来事もある中で、
主人公が、カイトとフレンと共に過ごしつつ想いを交わしていく過程と、大きな決断が描かれていました。
今回は「BOYS IN MY HOUSE」とは逆に主人公の方が不慣れな生活をすることになりますが、
色々と戸惑いつつもやっぱりパワフルで好感が持てましたし、
彼女の決断に複雑ながら喜んだり、応援しながらも寂しさを隠し切れなかったりするカイトとフレンの愛情も印象的でした。
(2019/6/8)
Rot im Wald ver1.02(15推)/Paper Moon(フリーソフト)
美しい少女、ガブリエラは森を彷徨う。
自分の身に何が起こったのかを求めて。
選択肢なし、赤ずきん、ホラー、四十五分ほどで読み終わりました。
システムはバックログがないこと、後半セーブできないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はテキスト描写通りにガブリエラが美しかったです。
童話「赤ずきん」をモチーフにしたホラーゲーム。
前半はマップを移動して断片的な記憶(映像と音)を辿っていき、
後半はノベルパートとして真相が明かされます。
言い伝えが書かれた本ががめちゃくちゃ正確で少々強引に思うのですが、
これは伏線回収を目的に書かれた本だ! と逆になんだか嬉しくなってしまいました。
あとそんな正確な本だから最後まで読んで!!
話は真相パート途中からどんどん不穏になっていって、そっちも駄目か……とガブリエラがより可哀想でした。
ガブリエラの○○が生きていれば……と何度思ったことか!
過去の作品感想:霧と太陽の王、ゴッデスリトルラビット!、虚ろ町ののばら
(2019/6/16)
ムートン・ノワール ver 1.0(15推)/羊おじさん倶楽部(フリーソフト)
誘拐されたアドルフは似たような境遇の子供たちと共に、
最高水準の教育を受けられるが些細なことで殺されてしまう環境に放り込まれる。
日を追うごとに子供たちが殺されていく中、アドルフは異常なまでに淡々と生き残っていくのだった。
選択肢なし、スプラッターホラーとのこと、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はほとんどエリック・サティの曲。
絵は背景のみ。
子供が簡単に殺される環境でも動揺しないアドルフが孤立する中、
唯一カフカという名の少年だけが話しかけてきます。
スプラッターという点では話が進むにつれ描写が省略、
あるいはスプラッターではない死に方が多くなっているので後半ちょっと物足りなさを感じてしまいました。
ですが前半の死に様はグロさたっぷりに描かれていましたし、
そんな子供たちが死んでいく環境の異常さに順応してしまうアドルフの異様さが際立っていました。
そして最後の一言、悪趣味ですが……心底同意いたします。
過去の作品感想:さよなら、うつつ。、等間隔の黒い透明、音無き世界その代わり、彼女は時のねじを逆向きに回した
(2019/6/19)
冒険者4人が挑む愚者の石 Ver1.06(やや乙女)/すばら3(DL販売1080円)(DL版の購入はこちら)
※2019/5/21の拍手でのもて様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
何でも治すと言われている「愚者の石」がある塔に、四人の冒険者が集まった。
代闘士のギルダイン、エルフのヘリオン、神殿騎士のアーテル、そしてダンジョンマスターが送り込んだ使い魔で吸血鬼のミトラ。
四人とも愚者の石を必要とする理由があるが、使い魔ミトラは自身では愚者の石に触れられないため、不審がられない程度に三人を導こうとするのだった。
選択肢あり、TRPGリプレイ風ノベルアドベンチャーとのこと、四時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは未読スキップOFFにしても未読部分がスキップされてしまうことがあるのが不便でした。
音楽はダイスロール効果音が頻繁に使用されていました。
絵は防具を脱いだ時の印象が結構変わるのが面白かったです。
ギルダインが塔に挑む理由の人の容姿が、納得できるくらい綺麗でした。
四人の冒険者がお互いやダンジョンマスターとコミュニケーションをしながら塔を登っていきます。
TRPGリプレイ風とのことで場所を移動するたびにダンジョンマスターが状況説明をしたり、
色々な行動をするときにダイスを振って成功失敗判定をしたり、あるあるネタを言い合ったり、
別の場所にいる(ことになっている)人がツッコミを入れたりします。
エンディングは七種類で、そのうち一つのエンドには三パターンの派生あり。
分岐条件が好感度よりも鍵となる選択肢によるものが多く(そもそも好感度があるかは不明ですが)、
色々試す必要があるにも関わらず既読までスキップされてしまうことがあり全エンド見るのはちょっと大変でした。
基本的に会話のテンポがよくて、段々とお互いのことを知った上でのやりとりになっていくのがいいセッションだなと思えましたし、
その中でも序盤の言動を蒸し返したり、言い間違いをしてからかわれたりするところが臨場感ありました。
四人が迎える結末は良くないものもありますが、機転と連携で何とかするエンドでは達成感を味わえます。
融通何それ? で押し通すアーテルも、無頼漢っぽいけれども塔に挑む理由が滅茶苦茶ピュアなギルダインもいいキャラでしたが、
ヘリオンとミトラの頭脳派トークする関係が特にお気に入りで、四人で冒険できて良かったなと思えました。
(2019/6/25)
俺の生死を決めるゲームがパリピ感パない件 ver1.01/グロッケンシュピール(フリーソフト)
※2019/6/10の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
パチンコ好きで借金まみれの根暗満太郎(ねくらまんたろう)は借金取りに捕まり、強制労働をさせられそうになってしまう。
しかし彼を含む一部の者は別の場所に連れていかれ、ゲームをクリアしたら借金はチャラだと言われる。
そのゲームの内容とは……?
選択肢あり、コメディ、推理、十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めでしたが、あまり長い話ではないためさほど気になりませんでした。
音楽は焦らせるような激しめの曲が使用されていました。
絵はそのあらすじからアゴが出ているかどうかが気になってしまいます。……ちょっと出てました。ざわ・・
最後の態勢はロマンチック……。
また、角ばった選択肢や上部の増加するバー、背景の動きで音楽同様焦らされました。
タイトル通りのことが起こり、選択肢で推理・決断しクリアを目指していきます。
ゲームの内容や推理はかなりコメディ調なものの、ゲームのシチュエーションや音楽、演出が急かされるものになっていて、
特に時間制限はないのですが思わず、早く選ばなきゃ! という気持ちにさせられてしまいました。
そのせいでセーブできることを忘れて即死選択肢を間違え、生死を決めるゲームの最初からやり直す羽目になりました。
それも二回! ……学習しろ自分。
(2019/6/27)
ハンスとグライフ ver.1.0(BL18禁)/水中庭園(フリーソフト)
ヴァルターの憂鬱 ver.2.0/水中庭園(フリーソフト)
ハンスとグライフは仲が良い兄弟。
しかし困窮した両親により、別々の場所に売られてしまうことになる。
ハンスは体の弱いグライフを連れ、森の中に逃げ込むことにした。
選択肢あり、ダークファンタジー、兄弟、一時間半ほどで読み終わりました。
「ヴァルターの憂鬱」は「ハンスとグライフ」のハンス視点では知る由もなかった出来事が
別視点で描かれており五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は序盤からは考えられないほどに終盤のグライフに色気が感じられました。一枚絵は八枚+差分。
童話「ヘンゼルとグレーテル」をベースとした話で。
「残酷なシーンやグロテスクで非道徳的な表現が含まれています」とのこと。
火薬の多寡を選択肢(適切な量より多かった/少なかった)にしてしまうのは少々メタっぽくて話への没入感が薄れてしまいました。
せめて「〇kg」や「何かの容器〇杯分」など、登場人物が決めているような選択肢の方がいい気がします。
とはいえ「咎の森」と両方読んでいると、どちらも火薬はもうちょっと慎重に使おうよ……
とツッコミを入れつつ共通点がなんだか嬉しかったです。
それから、体が弱く優しいと言われているグライフがさらっと盗みを肯定する所が
現代と違う価値観を感じられましたし、その後の有様への示唆となってい(る気がし)て、
「ヴァルターの憂鬱」と併せて、グライフのしたたかさや執着を思い知らされます。
また、序盤に兄弟の仲睦まじさと過酷な家庭環境が描かれているため、
中盤以降の依存や執着にも納得することができました。
過去の作品感想:咎の森
(2019/6/29)
人形は檻の中で君を見る ver1.02(乙女17推)/Achromatic color(フリーソフト)
アキは社長の甥で、仕事も人付き合いも完璧にこなす、主人公の恋人。
主人公に対してもとても優しく接してくれていた。
しかし、ちょっと独占欲が強い所があるのだった。
選択肢あり、ヤンデレ、恋人、ボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はアキの目つきが鋭くて、いかにも仕事ができそうな印象を受けました。一枚絵は六枚+α。
ボイスは余裕のないアキの声音がよく表現されていました。
アキと主人公は完全に相思相愛ですが、他の男の同僚と親しげに接してアキの独占欲を掻き立ててしまいます。
エンディングは三種類で、後日談まで読むと本編内に何か所かアキのモノローグが追加されます。
付き合っていないのに異性に抱き着いてくる同僚の能天気さや、
それに強く言えず、言おうと思っても引き延ばしてしまう主人公の八方美人さがアキを追い詰めていて、
アキがヤンデレるわけですがアキの方に同情したくなりました。
追加されるアキのモノローグを読むとより一層アキが可哀想に思えます。
ヤンデレでありながらそのことをできる限り抑えようとしていましたし、
主人公に低俗で卑猥な行為をさせてめちゃくちゃ感動するところも可愛かったです。
そんな感じでアキの主人公への深い愛情や、できるかぎり主人公を尊重するところ、心のうちに秘めていることから、
…………主人公も、優しさやアキへの愛情が平和なうちは好ましく思えるのですが、
アキを追い詰めるな! とたびたび主人公よりもアキに肩入れしたくなりました。
(2019/7/1)
水の星、世界を手に入れる男 Version1.00/A.N.P.(フリーソフト)
不変の空、囚われの令嬢/A.N.P.(フリーソフト)
世界のほとんどが海に覆われ、限られた陸地を艦船と魔術と王のみが持つ魔法で争う世界。
カーライル王国第二王子のエルバートは怠惰な日々を送り、周囲から駄目王子と言われていた。
王と第一王子が遠征中、軍神と呼ばれる隣国の女王レイラが攻め込んできたため、エルバートは重い腰を上げるのだった。
選択肢あり、ファンタジー、海戦、五時間ほどで読み終わりました。
システムはバックログが瞬間表示でなく、遡るのに時間がかかることが気になりました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はやや幼めな絵柄で可愛らしかったです。
怠け者のエルバートが様々な危機に本気を出します。
ある人物の恐ろしさ、手強さがこれでもかと描写されていました。
しかし勝ったとき、殺せる状況なのに殺さず、読んでいてそれでいいのかと思っている中で、
殺さなかったことで良くない事態になるのでもやもやを感じてしまいました。
ですがその末の二章ラストは容赦ない展開で印象的でした。
また、登場人物が有能、もしくは無能であることがわかりやすく伝わってきて、特に戦姫ベアトリスが魅力的です。
話も、政治的な意図を踏まえて歴史の転換点が描かれていて、今後にも思いを馳せる楽しみがある作品でした。
「不変の空、囚われの令嬢」は貴族令嬢が奴隷にされてしまう話。
選択肢なし、三十分ほどで読み終わりました。
システムはバックログがないことが不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は立ち絵素材集が使用されています。
「水の星、世界を手に入れる男」と同じ世界、(最初の方は)同じ国が舞台ですが、
直接の繋がりはないためこの話だけでも問題なく読むことができます。
特に奴隷として売られるために運ばれている船内での出来事が過酷で、
それまで何不自由なく育てられた令嬢が肉体や尊厳を傷付けられていくのが痛々しかったです。
(2019/7/3)
直情径行アルハラゲーム ver1.01(乙女18禁)/offoffo(DL販売540円)(DL版の購入はこちら)
大学二年生の執行 海里 (シギョウ カイリ)は同じサークルの先輩である主人公に惚れていた。
サークルの飲み会で隣同士になった二人。
主人公は海里にセクハラやアルハラを仕掛けるのだった。
選択肢あり、ハラスメント、後輩いじり、三十分と少しで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はお洒落な曲が使用されています……が、
ガヤガヤした居酒屋の音も一緒に流れていて、低俗さもあってお洒落さ半減(悪い意味ではなく)
絵は目や口の表情変化が細かかったです。頬が机に押し付けられている海里がお気に入り。
慕ってくる後輩にセクハラやアルハラをするか、普通に接するかで結末が分岐します。
エンディングはバッドエンド含め四種類。
トゥルーエンドの展開は海里の苗字がこの字面だからなのでしょうか……?
アルハラゲームというタイトルからするとバッドエンド3のほうがふさわしい気がします。
文章が一行ずつしか表示されないことが、
飲み会という場のとりとめなさや、後輩のぎこちなさを表しているように感じられました。
また、主人公の名前をオリジナルのものにすることが半ば必須
(デフォルトで入力されているのが「名前」という名前)で私はHNを入力したのですが、
主人公がサークルのマドンナ的存在で後輩からも無条件に好かれているので
みんなからチヤホヤされることになり……とってもいい気分でした。
最後に……絶対に主人公の真似をしてはいけません!
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜、Rotate180°コンバータ、Reset→Move
-Mobius loop-、サイコカリエス
(2019/7/5)
朝焼けのブルーX - Fortissimo episode - Ver 1.00/君の音。(フリーソフト)
「朝焼けのブルー」〜「朝焼けのブルーW」に登場する海小屋で暮らしている加藤衛治(かとうえいじ)の過去、
従姉の都が加藤一家に居候していたときの話。
選択肢なし、海、朝焼け、四十五分と少しで読み終わりました。
「朝焼けのブルー」の感想はこちら
「朝焼けのブルーU」の感想はこちら
「朝焼けのブルーV」の感想はこちら
「朝焼けのブルーW」の感想はこちら
システムは文章表示速度が変更できないことがやや不便でした。
音楽は今までと同様、ピアノ曲が物語に寄り添っていました。EDに歌あり。
絵は背景のみ。エンディングは実写。
「朝焼けのブルー」〜「朝焼けのブルーW」の主人公たちと関わって(見守って?)きた加藤さんの話。
モブキャラ達が登場するシーンが、いままでの「朝焼けのブルー」シリーズとは趣きを異にする展開で、
直接的な暴力性に唐突、かつ異物感を強く覚えてしまいました。
しかしそれは同時に、そこまでのまぶしくてゆったりと進む物語と音楽にどっぷりと浸れていたからでした。
というか明るくて優しくてちょっと無防備な従姉のお姉さんとか男子には刺激が強すぎます!
そんな都姉さんと朝焼けを見たりお祭りに行ったりするのが甘酸っぱくて幸せな気持ちになれましたし、
加藤の過去から「朝焼けのブルー」〜「朝焼けのブルーW」を経ての
ラストシーンとスタッフロールの動画は、寂しくも前向きな余韻がある作品でした。
過去の作品感想:朝焼けのブルー、U、V、W
(2019/7/7)
チョロイズム ver1.0/飼育小屋製作委員会(DL販売972円)(DL版の購入はこちら)
私立環探学園に入学した只野忠士は自称普通の人間。
彼は幼馴染の緒良衣子から猛烈に好かれていて、ことあるごとに結婚を迫られていた。
それに流される未来を予想していたが、入学を機に他の女の子とも知り合うこととなり……。
選択肢あり、チョロイン攻略ADVもしくは美少女即落ちADVとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は立ち絵の差分が少なくて合っていない場面が一部ありましたが、
可愛らしくてエンディングの一枚絵も印象的でした。
主人公含め登場人物全員チョロく、ほとんどのの選択肢において、
ヒロインに好意的なことを言うと付き合うもしくは結婚エンドに直行します。
ヒロインは五人。スポーツ系ボクっ娘の皆川れいながお気に入りです。
全員チョロくて主人公に好意的という設定上、
最初はインパクトがあるものの似たような展開の繰り返しで段々ワンパターンに感じてしまう部分がありました。
とはいえそれは結果においてで、ヒロインの性格やシチュエーションで過程の差別化がされていました。
序盤はどうしようもないほど流されていた主人公の成長も感じられます。
それに……純粋に好意を向けられることに悪い気は全然しないですしね!
過去の作品感想:鴉の断音符、アマツキツネは夜空をかける、イミテーションオウガ、神生行路第一話、第二話、第三話、ウルフズエデン
(2019/7/9)
怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜 ver1.01/ときてっと(DL販売2160円)(DL版の購入はこちら)
四つの幻獣に護られたイタルの国の人々は、成長する前は少女で、その後男女それぞれの性別に別れるようになっていた。
幻獣のうち天の凰睛蝶の「夢守」として凰睛蝶の孤独を慰めたり、人の夢患いを治したり家に養子に入ったシズネは久々に里帰りし、かつて自分のせいで傷を負わせた兄と再会する。
兄から一切責められることなく平和な日々を送るが、巷では地の司氣龍を用いて世直しをしようと考える輩が活動していた。
選択肢なし、和風ファンタジー、怪獣決戦、三時間半ほどで読み終わりました。
システムは台詞以外の文章が改行なく表示される(バックログではちゃんと改行されている)のがちょっと読み難かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は体付きに違和感を覚える個所もありましたが華やかでした。
ムービーも縦横無尽に動きます。特に怪獣の目が迫力ありました。怪獣はどこかで見たような……。
夏目漱石「夢十夜」原案・引用とのことで、第一夜から第十夜まであり、三人の視点から話が進んでいきます。
「永遠のメルディラージェ」「リズベルルの魔」「ツチノコ探検隊〜みゅうがいた夏〜」「黄昏の君 ヴォルフィーネ」と同じ
ほんとうの物語シリーズですが、直接の繋がりはありません。
シズネに関わる話は序盤どういう状況なのかわからないま色々な設定が語られるので戸惑う部分がありましたが、
周囲から大切にされていて微笑ましかったですし、後半段々と過去などが明かされていきました。
ラストの怪獣バトルも格好良くて熱かったです。
それから……作家と編集者の話はとても、とてもわかりやすくて面白みがありました。
過去の作品感想:永遠のメルディラージェ、リズベルルの魔、ツチノコ探検隊〜みゅうがいた夏〜、黄昏の君
ヴォルフィーネ
(2019/7/17)
怪獣綺譚 蜘蛛の糸、吊り人形/ときてっと(フリーソフト)
四つの幻獣に護られたイタルの国の人々は、成長する前は少女で、その後男女それぞれの性別に別れるようになっていた。
明けの幻獣、光皇鬼の夢守である皇(すめらぎ)アキヒコは、怪異の相談を受けとある村へと赴く。
そこには死んだはずの妹を生きているという青年がいた。
選択肢なし、和風ファンタジー、怪獣決戦、三十分足らずで読み終わりました。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」の感想はこちら
システムは初回の起動がやや遅めでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」と同様。光皇鬼のムービーは回転して空を飛ぶカメでした。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」と同じ舞台で、別の夢守がメインとなる話。
今回タイトルに「怪奇幻想夢物語」が付いていないですが、
異変が露になる場面は不気味で怪奇な描写でした。
クライマックスは怪獣対怪獣のムービーがふんだんに使用されていて、
そこまでの陰鬱な内容からのギャップが印象的でした。
過去の作品感想:永遠のメルディラージェ、リズベルルの魔、ツチノコ探検隊〜みゅうがいた夏〜、黄昏の君
ヴォルフィーネ、怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚(朧十夜)
(2019/7/19)
怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 桜蛇伝 ver1.00/ときてっと(DL販売2160円)(DL版の購入はこちら)
四つの幻獣に護られたイタルの国の人々は、成長する前は少女で、その後男女それぞれの性別に別れるようになっていた。
母を亡くし一人暮らしとなったアキヒコの元へ、ツユクサという名の女性が訪れる。
身元不明ながら気立てのいい彼女に惹かれていくアキヒコ。しかし近くの村では女性が髪を切られる事件が起こっていた。
選択肢なし、和風ファンタジー、愛、三時間ほどで読み終わりました。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」の感想はこちら
「怪獣綺譚 蜘蛛の糸、吊り人形」の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は重要な場面でそれに相応しい曲調のものが使用されていました。
絵は「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」と同様。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」よりも後、「怪獣綺譚 蜘蛛の糸、吊り人形」よりも前の出来事で、
アキヒコが光皇鬼の夢守になるきっかけの話。
主要な登場人物が少ないこともあってか真相については明かされる前から気付いてしまったものの、
前半部分でのアキヒコとツユクサのやりとりが仲睦まじくて、
それゆえ真相に気付きながらも起こることを変えられないやるせなさを覚えました。
それと同時に、蛇が持つ気味の悪さ、不気味さが伝わってくるテキストやムービーも印象的でした。
過去の作品感想:永遠のメルディラージェ、リズベルルの魔、ツチノコ探検隊〜みゅうがいた夏〜、黄昏の君
ヴォルフィーネ、怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚(朧十夜、蜘蛛の糸、吊り人形)
(2019/7/21)
怪獣綺譚 朧十夜 空狐万華鏡 ver1.00/ときてっと(DL販売2160円)(DL版の購入はこちら)
四つの幻獣に護られたイタルの国の人々は、成長する前は少女で、その後男女それぞれの性別に別れるようになっていた。
天の凰睛蝶の夢守であるレンの義妹、シズネはお手伝いさんのネネと仲良し。
しかし蔵で金色の万華鏡を見つけたことがきっかけで、ネネにとある疑問を抱くようになる。
選択肢なし、和風ファンタジー、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」の感想はこちら
「怪獣綺譚 蜘蛛の糸、吊り人形」の感想はこちら
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 桜蛇伝」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵、ムービーは「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」と同様。
また、女性キャラの一枚絵で周囲がキラキラする演出が入るのですが、
基本的にシズネ視点なので男のレンもキラキラしていてよかったのではと思いました。
「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」の後の話、
今回も十話ありますが、「怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚 朧十夜」のように話ごとにザッピングするわけではなく、
シズネ達が暮らす屋敷を舞台に進んでいきます。
シズネが不安に思うことはいくつかあれど、今回の登場人物みんないい人なので穏やかな気持ちで読み進めることができました。
ただここまでのシリーズを読んで、天と明けの先代夢守二人は優しいけれどかなーり酷い所業をしているんですよね……
今後フォローされることはあるのでしょうか?
過去の作品感想:永遠のメルディラージェ、リズベルルの魔、ツチノコ探検隊〜みゅうがいた夏〜、黄昏の君
ヴォルフィーネ、怪奇幻想夢物語 怪獣綺譚(朧十夜、蜘蛛の糸、吊り人形、桜蛇伝)
(2019/7/23)
TS魔法少女なお!2nd!! 2019年06月05日修正ver(18禁)/CrookedNavel(DL販売2916円)(DL版の購入はこちら)
魔力が存在し、モンスターが襲来し、ごく一部の女性だけアーティギアという道具で「魔法少女」になっていた世界。
天城直は幼馴染の春風舞衣が魔法少女となり、支援しかできない状況を歯がゆく感じていた。
新しいアーティギアの適合試験で直は適合するが、変身すると女の子「アーティ・フレア」になってしまったのだった。
選択肢なし(冒頭のシナリオ選択や戦闘時の選択あり)、性転換、魔法少女、発情、
ヒロイン(主人公性転換時含め)ボイスあり、十時間半ほどで読み終わりました。
「TS魔法少女なお!」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は新キャラも可愛かったです。
あと褐色金髪男が(プレイヤーには)一目で寝取り(恋人以外もいますが)役だとわかる明快でした。
一枚絵は三十六枚+差分たくさん。
また話が進むにつれタイトル画面が変化するだけでなく、
タイトルコールボイスも別のバージョンが流れるのが細かかったです。
「TS魔法少女なお!」の続編で、前回よりもさらにアーティ・フレアへ魔の手が迫っていきます。
Hシーンは褐色、淫語、アヘ顔等々濃い目でメインビジュアルや魔法少女姿からのギャップが大きかったです。
話は過去の思い出や大事な人といった大切なものが粉々になるシーンでは無力感や絶望感を覚えましたし、
最後の最後、絶体絶命の所からの展開は熱くて、ワクワクさせられました。
あと今回アーティ・フレアもかなりエロエロな目に遭ってしまうなか、
(魔法少女でないサポートキャラですが)凛子のそういうシーンがなくてうまいこと焦らされたので、続編ではそれも楽しみです!
(2019/7/25)
#こっち向いて_めごちーv Version1.00/よなき(フリーソフト)
写真部に所属する高校生の主人公は、同じクラスに所属するアイドル、為越千夏(ためごしちなつ)の日常をスマホで撮影し、
毎日一枚ずつSNSに「#こっち向いて_めごちーv」というタグをつけて投稿することになった。
期間は一週間。主人公は「めごちー」こと為越千夏のどんな写真を撮ることができるのだろうか。
選択肢あり、アイドル、写真、四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前入力、性別選択あり。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は解像度の荒いドット絵アニメーションで、
めごちーの仕草や表情が可愛く表現されていました。
主人公のスマホ画面を任意のタイミングでクリックしてめごちーの写真を撮影します。
クリックするタイミングによって「めごちーのイメージ通り」「気を抜いたオフショット」「下手クソ」
のいずれかに分類される写真が撮影され、どの傾向が多いや好感度で四種類のエンディングに分岐します。
エンディングによってガラッと違う展開でした。
良い写真を撮るためにはここぞというタイミングでクリックしなければならないので、
なんで一日一枚しか撮影できないのか……連写機能やムービー機能使いたい……と思いつつも、
(ロードする以外には撮り直しができず、時間制限がある場合も多い)
ああ、いいシーンを逃した! とか、もうちょっと待てばよかった……とか、撮れた! とか一喜一憂できました。
一回エンディングを見るとオート機能(撮りたい傾向の所で勝手に撮影してくれる)があるのも有難かったです。
また、キメ顔したり慌てたり写真に文句言ったりするめごちーも魅力的でしたし、
彼女に振り回されるのも悪い気はしませんでした。
過去の作品感想:僕を殺す瞳
(2019/7/27)
殺人鬼の街 Version.1.0/べ(フリーソフト)
有名な殺人鬼が暮らしていた街。
そこでは、その殺人鬼以外にも、多くの殺人や自殺が起こっていた。
選択肢あり、サスペンス、水平思考問題っぽいゲームとのこと、一時間ほどで読み終わりました。
システムはRPGツクールMV製のため読み返そうとするときメッセージ送りが遅めでした。
音楽は最初の方のちょっと不気味で寂しげな曲のため、
終盤別の曲が流れるところがよりドラマチックに感じられました。
絵は椅子に座る少女が美しくも怖かったです。それ以外に影絵による犯行状況の説明あり。
いくつかの人が死んだ事件について、例えば「自分を殺した」などという端的な文章が表示され、
「○○に関係ある/ない」「計画的/衝動的」などを選択していき、合っていればYES、間違っていればNOと表示され、
全て正解すると次の事件へと進み、だんだんとその街で起きたことの全貌が明らかになっていきます。
少女の性質について、少々都合よく感じてしまった部分はありましたが、
凄惨な事件をプレイヤーの手で暴いていくことが怖ろしいと共に好奇心を掻き立てられ、
全て明かされたときは音楽も相まって達成感を覚えることができました。
(2019/7/31)
滅び朽ちる世界に追憶の花束を/郷愁花屋(DL版900円)
おすすめ
(2019/9/20)
CODA(15推)/Summertime(フリーソフト)
CODAは未来から我々の時代にゲームを送る。
多くの事柄が管理・監視され、密告が推奨されるようになった世界。
1D10C-4711Coda、通称コーダは禁じられている紙の本をこっそり読むことを好む大学生。
ある日、数少ない知り合いの学生、プラチトが公開処刑され、以降コーダの周囲でおかしなことが起こり始める。
選択肢あり、SF、百合、ディストピア、全て合わせて六時間ほどで読み終わりました。
CODA編の2まではすぐにダウンロードでき、以降は前の話の最後などに出るパスワードを公式サイトに入力してダウンロードしたり、
ダウンロードボタンと記載されていない所からダウンロードできたりします。
CODA編1〜6、Riff編1〜4、Placito編1〜2とそれに付随したweb上の関連資料で全て……のはず。
システムはCODA編1でバックログの文字色が背景の白と重なって読みにくかったですが、2以降は白い箇所がなくなっていたので大丈夫でした。
音楽は未来でディストピアというイメージに合った曲が使用されていましたし、話自体にも音楽が深く関わっています。
絵は一部(CODA編2あたりのレガート)荒く感じるものもありましたが、
アニメーションを効果的に交えた一枚絵が多く、特にリフの表情が魅力的でした。
ずっと未来の東京周辺を舞台にコーダが色々な出来事に翻弄され、
またコーダの友人レガート、大学のパートナーのリフ、大学で浮いているプラチトがコーダに振り回されていきます。
それが記憶をもとにしたゲームとなり、未来からプレイヤーの時代送られてきているということになっており、
ゲーム内だけでなく、web上でゲームファイルなどを探すことも含めて作品を体験できるつくりが素晴らしいですが、
それだけに(現時点では)公式サイトにログインして正しいパスワードを入力してもダウンロードできないことがあり、
再ログインを何度か行ってやっとダウンロードできるようになる……という状況なのが残念で、没入感が削がれてしまう部分があります。
それでもなお、テキストはもちろん音からもビジュアルからも公式サイトからもツイッターアカウントからも伝わってくる未来の様子には、
窮屈感や恐ろしさを覚えながらものめり込むことができ、そこで起こる出来事の一つ一つに一喜一憂することができました。
また、記憶をもとにしているため全てが語られているわけではなく、その空白をあれこれ想像していく楽しさもありました。
CODA編は男のように振舞うコーダ君がプレイヤーのことを考えて随所に解説を入れてくれていて、
でもプレイヤーの時代を実際に体験したことがないために所々ずれていて、
そうした可笑しさも交えながら未来のことを知ることができます。
同時にスタンダードから外れたことをしたときに処刑されたり、記憶処理されたりすることや、
怪しげな行動を取る登場人物に薄ら寒い思いをさせられました。
一番印象に残った場面はコーダ君がリフにあるものを渡し間違える所で、
おいおいコーダ君なにしてくれちゃってんのリフ可哀想すぎる!!! と身悶えしました。
Riff編はCODA編とまた違った登場人物の関係性があり、
Placito編もCODA編、Riff編のプラチトとは異なる姿を見ることができて興味深かったですし、
Riff編ラストの海の近くが舞台の場面はどちらも感慨深い思いで読み終えることができました。
過去の作品感想:MINDCIRCUS、真昼の暗黒
(2019/11/3)
キングオブデモンズ ver1.0(12推)/ガキノハウス(フリーソフト)
十五年前、城以外の全てが消えてしまった魔界。
魔界王の子ながらまだ幼かったニュートは人間界で生活することになり、十五年ぶりに魔界へと戻ってきた。
そして数少ない家臣と共に、魔界を再建することになるのだった。
選択肢あり、魔界再建ミニSLGとのこと、一時間ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクール VXACEでバックログやスキップ機能なし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はエンディングのフランコールが美人さんでした。
平日は魔界を開拓したり、居住環境を整えたり、人間界から魔界住人を呼び戻して人口を増やしたりし、
休日は家臣と会って平日仕事の協力を依頼したり、贈り物や会話をしたりして親しくなっていきます。
家臣は人造人間のフランコール、ゾンビのゾービナス、吸血鬼のベーケス2世、人狼のウルハム、
亡霊のスケルナイト、人間だったジャンタンの六人で、エンディングは誰とも仲良くならないものも含め七種類。
一周で全員のエンド条件達成可能とのことですが、贈り物入手しやすい方法や得意な仕事、好きな贈り物など大体わかっていても難しくて、
二周に分けて全エンドを見ることができました。
家臣はほとんどが好意的に接してくれるものの、
魔物だけに愛情の示し方が特殊で、それが好ましく感じました。
お気に入りはベーケス2世。主人公がとても幼い頃にしたことを滅茶苦茶好意的に受け取っていて可笑しかったです。
過去の作品感想:無垢の怪物
Super、少年旗戦エンボイズ、おしばな物語、Spring
Killer
(2019/11/5)
遠い海のアリア ver1.03(12推)/Paper Moon(フリーソフト)
人魚のアリアは人間のセレナに恋をし、海の魔法使いに頼み込んで人間になる薬を飲む。
その代償は、恋をした人間に想いを伝えてはならないというもの。
セレナがいる街を訪れたアリアだったが、そこは彼女以外誰もいない街だった。
選択肢あり、百合、人魚、一時間と少しで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はそれぞれの場面に合った曲が使用されていました。
また、上手くピアノを弾けないシーンでつっかえつっかえのピアノBGMが使用されていました。挿入歌と、EDに歌あり。
絵は一枚絵がまぶしいくらいにとても綺麗で、
立ち絵はセレナのちょっと迷いや後ろめたさを感じる笑みが印象的でした。
声は取られずに人間になったアリアが憧れていたセレナと過ごそうとしますが、セレナからこの街は呪われていると告げられます。
二人が暮らし始めたころの様子がスローライフといった趣きでゆったりと心地良く、
だからこそ余計、終盤の展開に切なさを覚えました。
エンディングは二種類あってハッピーエンドも良いですが、
トゥルーエンドは全員思い通りにはいかなかったけれどもそれでも全員が幸せを感じることができていて、より愛おしい気持ちになれました。
過去の作品感想:霧と太陽の王、ゴッデスリトルラビット!、虚ろ町ののばら、Rot
im Wald
(2019/11/7)
織リシ心ノ果テニ Version1.00/かぷりそふと(フリーソフト)
夏目柊(ナツメシュウ)と妹の美夜は言葉で人を操ることができる力を持っていた。
美夜はその力で頻繁に人を不幸に陥れていたが、柊はその力が人を救うためにあると考えていた。
二人が転入した学校で、柊は半ば公然といじめられている少女、小鳥遊芽依(タカナシメイ)の自殺を止める。
そしていじめをなんとかしようと考えるようになるが……
選択肢なし、異能、サイコサスペンス、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は美夜の無邪気な残酷さや、口だけ描かれた影絵モブの不気味さなど背筋が寒くなる思いがしました。
しかし終盤、ショッキングなシーンの直後にテキスト描写とは異なる通常の立ち絵が使用されていて、話への没入感が途切れてしまいました。
他人を言葉で操ることができる力で不幸をふりまこうとする美夜に翻弄されながら、
酷いいじめを受けている芽依を助けようとしていきます。
主人公が青臭くて未熟なまま人を助けようとしていて、
その結果としてほとんどが胸糞悪い展開の連続となり気が滅入りますが、
だからこそ最後の前向きな決意に、晴れやかな気持ちで読み終えることができます。
(その決意を実際に貫こうとすると、とても大変なことでしょうが)
酷いことをするけれどもお兄ちゃん大好きな美夜も印象的でした。
それだけに、山場でのテキストと異なる立ち絵が残念に感じてしまう作品でした。
過去の作品感想:夕凪のスノードロップ
(2019/11/11)
真性終末症候群-World_end,eve- ver1.00/StarChasers(フリーソフト)
陸奥睦月(みちのくむつき)は幼馴染の星野彼方から生活態度を注意されながらも、気心の知れた関係を築いていた。
そんなとき、二人のクラスに霧生遥という少女が転校してくる。
彼方に懐いた遥や、友人たちと新しい日々が始まるかと思いきや、突然世界の裏側を目の当たりにしてしまうのだった。
選択肢なし、セカイ、決断、四時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
EDの歌と、同じだけれど段々一部が無くなっていく画像と、日常の光景が交互に何度も表示されるのが、
彼女の行く末を雄弁に表していて感慨深いものがありました。
絵は体勢などで違和感を覚えるものもありましたが、
一枚絵が豊富に使用されていてその時の状況がより印象的なものになっていました。
CG鑑賞モードに登録される画像は背景なども含め百九十三枚+差分。
序盤は平穏な学園生活を送っていきますが、非現実的なことが起こり、
後半に真相が明かされてその現状を解決しようとしていきます。
話はいくらでも長くできそうな設定と内容でしたが、
極力重要なことのみに絞って書かれていると感じられました。
睦月が、同じくらい大事だけれどもどちらかしか選べないことを、
両方とも大事だとしっかり認識したうえで片方をあっけなく思えるほどに切り捨てていて、
その異常とさえ感じる割り切った救世主っぷりが際立っていました。
捨てた方が魅力的で、選んだ方はその先に困難が待ち受けているはずなので余計に。私なら絶対前者を選びます!
その分、幼馴染の彼方が気付けないはずのことに睦月の反応で気付いたり、
彼方の思い通りにすることもできたのに睦月を後押ししたり、その後始末をしたり、本当に健気でした。
睦月も、そんな彼方にだけは未練を強く感じていていい関係の幼馴染だなと思えました。
過去の作品感想:檻演人 〜オリエント〜
(2019/11/13)
その赤い瞳 ver.1.1/竜田揚げ(フリーソフト)
体が真っ白で、目だけが血のように紅いウサギを拾った主人公。
その日から、彼の住むアパートでおかしなことが起こるようになっていった。
選択肢あり、ホラー、ウサギ、二十分ほどで読み終わりました。
ウサギの名前入力可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はウサギと背景のみ。ウサギが不気味に描かれていました。
ウサギを拾った日からおかしな出来事が起こり、それが日を追うごとにエスカレートしていきます。
ただこちらを赤い瞳で見てくるウサギや、段々と異変が悪化していく描写が気味悪かったです。
その上で、主人公は特に悪いことをしていたわけではないのにこんな目に遭ってしまい、理不尽さな恐ろしさを覚えた話でした。
ちなみにウサギの名前は「メアリ」にしました。
それがあんなことになってしまうなんて……
過去の作品感想:myちゅ〜部!
(2019/11/16)
サイコアパタイト ver1.00(乙女18禁)/offoffo(DL販売550円)(DL版の購入はこちら)
先輩で彼氏の御崎創(ミサキハジメ)がいるにもかかわらず、幼馴染の友人と過剰に仲が良い主人公。
創はわだかまりを感じながらも、主人公を許容していた。
それをいいことに、主人公は創に色々なことを強要していくのだった。
選択肢あり、女性攻め、SM、三十分ほどで読み終わりました。
「Rotate180°コンバータ」のアナザーストーリー。
主人公と友人の話「サイコカリエス」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は目パチ口パクありで表情も多彩でした。
口がぐにゃぐにゃしてる表情がお気に入りです。一枚絵は五枚+差分たくさん。
主人公が年上の彼氏に恥辱的を強要して、どこまで許してくれるか確かめます。
しっかり本気で嫌がったり慌てたりしつつも、
気の利いたツッコミを入れてどこか余裕を感じさせる先輩がいい男だなあと感じました。
そんな先輩に酷いことをする主人公酷い……でも嫌がる先輩を見ているとゾクゾクします。
最終ルート解放時に冒頭や選択肢直後、
主人公にも事情が、というちょっといい話風な流れがありましたが……やっぱり主人公酷い!
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜、Rotate180°コンバータ、Reset→Move
-Mobius loop-、サイコカリエス、Lovelydoll/Wildmachine、直情径行アルハラゲーム
(2019/11/20)
戦骸少女アクアヴィッテ Route-7 Ver.1.03/FUZZY PYTHON(無料)
巌(イワオ)アヤメは化け物に家族を殺され、自身も瀕死となる。
その街では、クドラクという化け物と、それを狩るクルスーニクという者たちがいた。
アヤメはクルスーニク「アクアヴィッテ」となり、敵を探すこととなる。
選択肢あり、特撮風伝奇バトル&恋愛ADVとのこと、追加部分は二時間ほどで読み終わりました。
Route660の感想はこちら
システムは今回からティラノ製に変更されています。バックログで遡れる文章量が少なめでした。
音楽、絵はRoute660と同様。
Route-7ではオルノイド(ロボットのようなもの)ガフのルートを読むことができます、
エンディングは一種類(Route660ルリヲルートのエンディングは四種類)
Route660時点からガフさんの優しさにメロメロだったのですが、
今回追加分でもアヤメ好きすぎてフリーズしたり暴走したりするガフさんの深い情に、アヤメと幸せになって! と願わざるを得ませんでした。
そして相変わらずアヤメは精神的にも肉体的にも酷い目に遭っていて痛々しいです。
そんな二人の結末は……できることならばもっと他の平穏な可能性も読みたくはありますが、
相思相愛なことがものすごく伝わってくる、悲しい(でも暖かい)ラストでした。
過去の作品感想:千変挽歌百不思議 邂逅編 回向編 遺構編、戦骸少女アクアヴィッテ
Route660
(2019/11/22)
ソラヒカルウミ ver1.00(BL15推)/Monochrome Cat(フリーソフト)
ヨーロッパに留学しているソラは、大学でアベルという超有名な御曹司の青年と出会う。
異邦人であることから様々な苦労に直面するソラに、庶民離れした手助けをしようとするアベル。
それを次々と断っていくうち、二人はお互いにない価値観を実感し、気になる存在となっていくのだった。
選択肢あり、恋愛、三時間十五分ほどで読み終わりました。
「ホシナガルソラ」の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はフリー素材使用で、情感ある曲が多く使用されていました。
絵はアベルの目力の強さがとてもよく伝わってきます。
一枚絵は九十枚+差分。キスマークが付いたり、顔色が悪かったりと立ち絵も豊富でした。
また、エンディングにアニメーションがあって目を引きました。
「ホシナガルソラ」の二年前、ソラとアベルの出会いから始まる話で、
中盤の選択肢でアベルルートと「ホシナガルソラ」へ続くルートへと分岐します。
「ホシナガルソラ」ではいきなりルティシオが転がり込んできたせいもあってかソラが振り回されがちでしたが、
今作ではアベルの手助けをバッサリ拒否するのをはじめ、
物怖じせずに様々な行動をしたり、どうしようもない所はさくっと割り切ったりと、
痛快さや頼もしさを感じることができました。
それに、そんなソラだからこそ感情を制御できない場面がより胸を打ちます。
逆にアベルルートということもあってアベルは弱みや余裕のなさを見せることが多く、
嫌そうな顔でソラ飯を食べる所とか、ソラの頬を拭く所とか、恋人つなぎとか、おにぎり(猫)との対峙とか、可愛い!! と思えました。
「ホシナガルソラ」を読んだ時にはソラとルティシオが両想いで幸せになってほしいと願いたくなりましたが、
今作を読むとソラとアベルが両想いで幸せになってほしいと願いたくなる、嬉しいジレンマを抱いてしまう物語でした。
過去の作品感想:ホシナガルソラ
(2019/11/24)
ドトコイ 1.0.3/黒城ろこ(フリーソフト)
四国から東京へ引っ越してきた高校二年生の主人公は、恋愛もゲームみたいにわかりやすければいいのにと思っていた。
始業式の日、初めて登校した彼女が目にしたのは、何人かの色が付いた■。
その日の夜、夢の中にたぬきが現れ、イケメンの解像度が好感度次第で増減するおまじないをかけたと言ってきたのだった。
選択肢あり、ドット、恋愛、二時間十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更必須。
主人公が男の「どとこい」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は「どとこい」同様荒いドットにインパクトがありましたし(その状態で道具を使われると笑います)
荒いドット状態で動いたり、最高画質は格好良かったりで、
嫌われ状態は多彩な後悔(冷たくするんじゃなかった、という)を生んでくれました。
一番好きなのはピアノを弾く二階堂君の一枚絵。あの厚みはズルいです。
また、一番解像度が高いものの一つがラーメンであるというのもインパクトありました。
最初ドット絵ですらない1ドット(というには面積がありますが)のイケメン(たぶん)の素顔を見るために頑張ります。
エンディングは九種類+ノーマルエンド。
恋愛対象毎に関係する選択肢に色がついていたり、
嫌われる選択肢が結構わかりやすかったりしてメインキャラのエンドを見るのは難しくありませんが、
それ以外ではちょっと難しめのエンディングもあり(pixivFANBOXにヒントがあります)
主人公が選択肢によってあざといことを言ったり、辛辣なことを言ったり、煽ったりで、これは強い……と思いました。
中でも煽りセンスが光っています。狙っているキャラクターの選択肢で煽るとルートに入れませんが。
見た目のインパクトがある上で、それを踏まえたネタも豊富に用意されていましたし、もちろん恋愛も楽しめる作品でした。
特に女友達ルートがとっても仲が良くてお気に入りです!
過去の作品感想:どとこい
(2019/11/26)
AlexiA〜アレクシア〜 ver1.01/Operation:Novelty(フリーソフト)
高校一年生の上條游雅(かみじょうゆうが)は同じアパートに住む東雲穂多留(しののめほたる)と一緒に登下校していた。
そんな中、游雅は眞那彌(まなみ)という一学年先輩の少女と知り合う。
ある日、游雅は穂多留との約束よりも眞那彌との用事を優先してしまい……
選択肢あり、電波障害ノベルADVとのこと、ボイスあり、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
第一章の感想はこちら
システムは初めて読む際には大丈夫でしたが、自動で進むシーンが多めのため特定の場面を読み返そうとするときはやや面倒でした。
音楽はそれぞれの場面に合っていました。OPにムービーと歌あり。
OP歌の力強くも悲壮な叫びを感じさせる歌声がお気に入りです。
絵はバリエーション豊富で、章ごとに雰囲気もがらっと変わりました。
それらを組み合わせたものを始め、字幕のようなテキスト表示やノイズなど演出も多彩です。
それにしてもタイトル画面の何の変哲もないギャルゲーっぽさよ……
三章構成で、一章では穂多留や眞那彌と仲の良い日々が続いた後、それが一変し二章へと続いていきます。
エンディングは二種類。一章で終わるエンディングのスタッフロールがインパクトありました。
二章のやろうとしても上手くいかない歯がゆさ、周囲の無理解、嘲笑、希望の後の絶望といったマイナスな出来事が
重苦しく、胸糞悪く描かれていて読み進めるのがつらくなりました。
そして穂多留と眞那彌の関係を始めとした一章の真相が明かされるところではそういうことだったのかと思えましたし、
真相を知ったうえで一章を読み直すと人生経験の無さがどうしようもなく露呈してしまっていて悲しくなると共に、
若干エンディング後の未来に不安が残りつつ……それでもこれから色々経験してなんとか進んでいけるはず、と信じたくなるお話でした。
過去の作品感想:Spyral-tryaL
(2019/11/28)
ホットサマー・ドリーミング ver1.0(女性向)/spice+(フリーソフト)
オタク趣味でぼっちの夏野ひよりは、なかなか手につかない夏休みの宿題を終わらせようと、
誘惑を断ち自分を追い込むために何故か猛暑の山中へ赴く。
そこで出会ったのは壬森藤丸(みもりふじまる)という同年齢のイケメン。
そんな彼と、何故か一緒に猛暑の中で宿題をすることになるのだった。
選択肢なし、夏、青春、四十分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はテキスト部分では背景のみで、アイキャッチとして一枚絵が九枚。
どれもキラキラしていて青春だなあと感じました。
一週間という期限付きで別の高校に通う男の子と屋外で夏休みの宿題をすることになります。
壬森君の爽やかさにたびたび浄化されそうになる主人公のオタクムーブが可笑しかったです。
主人公視点だけでは最後、もうちょっと進展はないのかな……というもやもやする終わり方でしたが、
それをしっかり補うように壬森君視点の話もあって、すがすがしく読み終えることができました。
あと、話に出てくるだけで登場はしませんが壬森君のことが好きであろう幼馴染がいて、
でも壬森君は一切恋愛感情持っていないのが報われないな……と切ないです。
過去の作品感想:純正優男-ジュンセイヤサオトコ-、999,Victory、999,Victory
-Return-、SweetSpiceSummoner!、SummerSpiceSummoner!、サマーナイトミラクルミッション、シノビハリセンボ、Lovelydoll/Wildmachine
(2019/11/30)
無人島 ver1.1/加藤 匠(フリーソフト)
無人島に漂着した主人公は、ふと「無人島に何か一つ持っていくことができるなら?」というよくある問いを考える。
翌朝、彼の目の前にはそのとき思い浮かべたものが存在していたのだった。
文字入力あり、無人島、サバイバル、一時間ほどで読み終わりました。
システムはセーブ、バックログ、文章速度変更なし。
音楽は効果音のみ、絵は背景のみ。
プロローグ後に入力したもの一つと共に島を探索していきます。
入力できるものは「船」や「スマホ」「水」等定番のものから、人名まで様々。
探索中にも入力可能な単語は【】で括られているため、
あまり入力できる単語を思いつかなくても色々なエンドを見ることができました。
持っていけるものは様々ながら、一部のもの以外はある程度似通った展開になるので少々物足りなさがありました。
とはいえ全部異なる展開にすると膨大なテキスト量になってしまいますが。
お気に入りは人間エンド。
文学の香りを感じるオチがお洒落でした。
過去の作品感想:公衆電話
(2019/12/6)
破落戸どものマリア/ブラジリアン忍術(フリーソフト)
おすすめ
(2019/12/8)
さよセン(さようならセンター試験)/ゴールドレリーフ(フリーソフト)
高校三年のセンター試験で失敗し、以降山あり谷ありの(谷多め)の人生を歩んできた主人公は、
世帯収入が低い場合、東大の授業料が免除になることを知り、センター試験、そして東大受験を決める。
しかしそこまで甘くはなく、数年に渡りセンター試験を受け続けるが、その過程で様々な人と出会っていくのだった。
選択肢あり、センター試験、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は話を進めていくごとに愛着が沸いてきました。
制作者様の実体験をもとにしたフィクションで、
経営する会社のことや、弟が通う学童の女の子のこと、
塾講師として働いていた時の同僚や生徒のことなどのエピソードが語られながら、
毎年センター試験に挑戦していきます。
各年のセンター試験で話題になったことも盛り込まれていたりします。
電話ちゃん関連のエピソードが意味ありげに書かれながらも
重要な箇所がカットされてしまっているのでかなり肩透かしに感じてしまいました。
ですが主人公が出会う様々な立場の人たちはそれぞれに個性豊かで興味深かったですし、
そんな彼らが主人公に与えた刺激が鮮やかに(時には重苦しく)描かれていました。
お気に入りは学童編の神海みさきと塾で主人公が受け持つ小学生の火之元さん。
どちらも奔放で前向きな気持ちになれました。
そしてなにより、世界初の「大学入試センター公認のゲーム」(※公認…名称使用認可)というのが目を引きます。
「#さようならセンター試験」「#さよセン」とTwitterやInstagramで
つぶやくとその内容を大学入試センターに届けてくれるとのことで、
センター試験に思い出や思い描くものがある方はつぶやいてみてはいかがでしょうか?
(2019/12/10)
HUNGRY TEA PARTY ver 1.03(15推)/NUMBER7(フリーソフト)
お茶会に招待された「あなた」
同席しているちょっと変わった友達が何を言っているのかよくわからないけれども、
対応を間違えると恐ろしいことになりそうで……
選択肢あり、お茶会、ホラー、十五分ほどで終わりました。
「グロテスク、残酷な表現、カニバリズムを連想させる表現を含みます。」とのこと。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はレトロな海外のテレビで流れるような曲調で、
同様なグラフィックと共に話に合っていました。
フキダシの中に絵で表示されるちょっと変わった友達の発言に反応を返して生き延びていきます。
エンディングは五種類。
友達三人に好かれすぎても、嫌われすぎてもあまりよろしくないエンディングを迎えます。
最初は相手が何を言っているのか全く分かりませんでしたが、
ほどなくしてなんとなく意味をつかめるようになりました。
そんな抽象的なコミュニケーションを通して、
ほどほどに親しく接していくバランス感覚が重要な作品でした。
過去の作品感想:こわいへや、夢もすがら花嵐
(2019/12/14)
アクマノヨロコビ ver1.00(一般〜女性向け)/ニトイット(フリーソフト)
ロテは魔術学院を欠席した幼馴染の男子学生、ブライを探しに、ブライの自室を訪れた。
ロテのことが大好きなブライの部屋には、色々なものがあって……
部屋探索、召喚、十分ほどで読み終わりました。
システムはRPGツクール2000製
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はドット絵風でもロテが話通りにのんびり毒舌を言いそうなビジュアルでした。
幼馴染の部屋を物色して幼馴染を探していきます。
実質ワンマップ(二マップ目はありますが自動で話が進みます)で、
カギとなる場所のみ調べていけばすぐにクリアできますが、
そうでない場所についてもロテがブライの奇行(ロテ愛ゆえの暴走)に色々コメントしてくれました。
特技欄の使い道のない技もクリア後にニヤリとできます。
さらに召喚された存在の名前や、ブライの気持ち悪さ(愛)、
それになんだかんだずっとブライと一緒にいるロテ自身も含めてコミカルで、
微笑ましく読んでいくことができました。
過去の作品感想:HOLY NIGHT、ケミカルてんたくる!、999、元勇者の憂鬱、ケミカルはろうぃん!、アヴグルグロット
(2019/12/18)
オオカミガールと機械人形の嘘つきレクイエム 1.0/cocotori's soft(フリーソフト)
おばけが見える少女、恵は、アンドロイドのエイミと共に暮らしていた。
ある日、猫がいなくなった少年から見つけてほしいとお願いされる。
エイミと二人で調査していくうち、恵はエイミと共に暮らすようになったきっかけを思い返すのだった。
選択肢なし、嘘、アンドロイド、三十分足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は恵が取り乱す場面が多めで可笑しかったです。
恵とアンドロイドのエイミが一緒に過ごしていきます。
ただし、登場人物は「嘘」を付いているとのこと。
そのことがReadmeに書かれているため、どれが嘘なのだろうとよりしっかり物語を読もうという気持ちになりました。
エイミはアンドロイドゆえに少々融通が利かないところが、
恵は素直になれないところがありますが、
お互いを大切に思っていて「いい話」だなあと心地よく読み終えることができました。
とはいえ作中で明かされること以外にもまだまだ「嘘」はあるのかもしれませんが……
(2019/12/20)
空夜の果てまで連れてって(女性向15推)/露骨/AONEKO(フリーソフト)
裕福な家に生まれながらも友達がおらず、周囲からも疎まれているお嬢様がいた。
彼女は友達となってくれる奴隷を求め、奴隷商の元を訪れる。
そこには数人の奴隷がいたのだった。
選択肢あり、奴隷、友達、四十五分ほどで終わりました。
システムはRPGツクールVXAce製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はどの奴隷も商品として見繕われるだけの魅力があると感じました。
マップを探索してアイテムを入手し、奴隷と会話してどの奴隷を買うか決めていきます。
エンディングは四種類で全てバッドエンド。
また、買えるようになった状態で買わなかった場合はまた別の後日談を読むことができ、
こちらはバッドエンドに比べると幸せなものになっています。
主人公の性格が悪いこともありバッドエンドしかない、とReadmeに記載されていて、
友達がほしくて奴隷を買ったり、各エンドの言動だったり、
確かに人の気持ちを考えずに善意あるいは自分の都合で酷いことをするタイプでした。
お気に入りはそんな主人公の無自覚な酷さが炸裂するNo.108(素直で根が明るい少年奴隷)エンド。
この先もどんどん空回って歪んだ関係になっていってほしいなと思いました!
過去の作品感想:星光少女
(2019/12/24)
アピアトル ver1.00(女性向15禁)/AONEKO(フリーソフト)
生徒会に所属しているルルは、「仕事」のし過ぎで体調を崩し寝込んでいた。
その療養中、親しくしていた生徒三人が大量の血痕を残し行方不明となってしまう。
周囲から恐れられるようになったルルは、親しい生徒を作らないように行動しようとするが……
選択肢あり、寄宿学校、バッドエンド、四時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は登場人物それぞれの性格に合った見た目であると感じました。
また、セーブやコンフィグ画面の背景が、彼女の置かれた状況を表していました。
二周目まではエンディング固定で、三周目から学校の各施設を探索し、八人の生徒と会い、
八つのキャラエンディングに分岐します。
オールバッドエンドですべてのEDで主人公かもしくは登場人物が酷い目に遭っていると注意書きがあり……実際に酷い目に遭っています!
多少の救いはあるかもしれませんが、根本的に解決することはありません!!
世界の仕組みについてはわりと早いうちに気付くことができましたが、
その上で、陰鬱で、しかしどこか美しい学校生活と結末に浸ることができました。
お気に入りは主人公のルル。
自分が悪いわけではない(大元のところで過ちがあるとしても)のに一人で仕事を背負いこみ、
親しい人が死んで周囲から気味悪がられながらも周囲のことを憎まずに心配する強さと善良さがありました。
でも……未来は暗くて抜け出せなさそうなのが悲しいです!
過去の作品感想:星光少女、空夜の果てまで連れてって
(2019/12/26)
うぇーい!予言週間 ver.0.5/The Mysterious Clan(フリーソフト)
呪い研究会が不祥事で無くなってしまい、代わりにもち子の祖母の蔵で儀式を行おうとした中学生のリッちゃん、なゆた、もち子。
そこで古いパソコンが見つかり、電源を入れると謎のメッセージが現れた。
それは予言かもしれなくて……
選択肢あり、予言、中学校、十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できずやや遅めに感じられました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はベタ塗りでポップな印象で、
キャラクターが歩いたり扉を開けたり、車が走ったりといった動きのある演出が多く、読んでいて小気味よかったです。
ver.0.5は前編とのことで、二回目の予言文を解読しようとするところまでを読むことができます。
呪い研究会で顧問をしている先生の駄目っぷりが……
暴力的だったりずる賢かったりするわけでなくただただ駄目教師でした……!
リッちゃん、なゆた、もち子の三人もまさに「うぇーい!」というほぼノリで会話していて、
タイトル通りだ……となんだか嬉しくなってしまいました。
二回目の予言内容がかなり抽象的なものだったので、実際に何が起こるのか気になります。
過去の作品感想:おじいちゃん、お見舞いに来たよ
(2019/2/15)
ランドセルを背負ったねこ ver.2.02(15推)/飴三屋かんろ(フリーソフト)
赤いランドセルを背負った猫耳少年ラクタは登校中、盗賊たちに追われていたヒイラギを助ける。
一旦は別れたヒイラギだったが、なにやらラクタを探していたようで……。
選択肢あり、ファンタジー、バトル、二十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はラクタの元気さがよく表現されていました。
ちなみに敗北時は服がビリッと破けます(15推要素)
事情があっていつも赤いランドセルを背負っているラクタがヒイラギと出会います。
選択肢はありますが一本道。
バトルパートはわざとでないと負けられないくらい簡単で、
その分必殺や敗北スチル、ボーナスチャンスに集中できました。
話は続編制作中とのことでその通りにまだまだこれからといった所で終わります。
道中はバトル同様多少の危機はありますがあまり深刻ではなく、
可愛らしい登場人物たちがわちゃわちゃしているところを見守ることができる作品です。
(2019/2/17)
Redemption ver.1.0(BL18禁)/うにか(フリーソフト)
選択肢なし、「鉄条の囹圄」の二次創作、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はをろく可愛いよをろく。
あと神父や栂野は格好良くて、おまけの女体化は色気あります。
「鉄条の囹圄」中盤を18禁にした話や、本編後の話など五編と二つのおまけシナリオを収録。
続編「Revelation」も制作中とのこと。
どの話も本編の設定をしっかり盛り込んで創られています。
お気に入りはをろくがちっちゃくなる「little guilty - 晩景」
平和でほっとするとともに、神父の嫉妬が、そこまでをろくのこと好きか! と嬉しくなりました。
本編中盤が舞台の「Confession」は痛々しさがこれでもかと描写されていて、
そんななか神父がちょこちょこ栂野の図星突いてしまったルートという感じでした。
「セックスしないと出られない部屋の栂神」」はもうタイトル通りなんですが、
腐女子の心の傷から生まれた能力かと思っていたら童貞のほうだったぜ……
過去の作品感想:恋と罪、舐犢の玉座
(2019/2/24)
貴方の価値を教えてくれ(上) ver1.01/Little氷華(フリーソフト)
※2019/3/8のメールでご紹介いただきました。ありがとうございます!
有名棋士を父に持つも奨励会を退会した士竜悠馬(しりゅうゆうま)は幼馴染の佐川七海と共に高校へ入学する。
時を同じくして連続殺人事件が起こり、悠馬もそれに巻き込まれることになる。
犯人に繋がる可能性がある物を入手した悠馬は、独自に犯人を追っていくが……。
選択肢あり、サスペンス、、パートボイスあり、四時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMV製。バックログなし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はセンスの良さを感じられるもので、要所で一枚絵が使用されていました。
悠馬視点で事件と関わったり、警察視点で聞き込みしたり、
さらにそれ以外の視点もあったりして連続殺人事件の真相を追っていきます。
下巻も現在制作中とのこと。
マップ上を移動して目的地に向かったり、尾行等のミニゲームをしたりといった探索要素あり。
マップ移動時にストーリーを進めるために必要なキャラ以外に会話が設定されていること、
メニューの携帯電話で届いたメールにメッセージを自由入力して返信できる機能があるのに
場面が進むと別の用意されたメッセージになっていることで、
機能がありそうで実際にはないという当てが外れた気持ちを抱いてしまう作りになっていたのがちょっと残念でした。
また、殺人事件と直接関わらない所でもミニゲームに失敗するとゲームオーバーになる場合があるのですが、
失敗後すぐゲームオーバー画面になってしまうのが唐突に感じられ、もう一言二言ほしいと思ってしまいました。
ですが応急処置時の行動や、怪しげな人物がしっかり足跡を残さないようにカバーをしているなど、
ストーリーに関わる内容について真実味が出るように描かれていましたし、
各章ラストにインパクトのある場面を持ってきている構成が良いなと思えました。
いまのところ悠馬の同級生レオ君があからさまに怪しすぎてむしろ怪しくないくらいなのですが、
下巻ではどういう展開になるのでしょうか……?
(2019/4/28)
飛燕妖血録 体験版beta0.02(乙女18禁予定)/泥中花
かつて縁があった魔都、老電梯(ラオディェンティ)を訪れた文燕は懐風という青年と出会う。
化生雑じりの者が多く住む老電梯に不案内な彼を見かねて世話を焼くことになった文燕だったが、
彼女が持っている物を引き渡すよう迫る皇帝直属の特務機関が襲いかかってきたのだった。
選択肢あり、中華、バトル、四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前選択可。
システムは一章バトルパートの動作があんまり安定していないようでした。
音楽は今のところなし。
絵は文燕が陰がありながらも凛とした美人でテキストからのイメージと合っていました。
この体験版では一章(チュートリアルバトルの序章と、一章のもう一戦)まで読むことができます。
バトルパートは力や速さ、耐久などのステータスのうち三つを(自分と敵とランダムでそれぞれ)選び、
その比較にスキルなどを加味して勝ち負けを決めていきます。
味方が二人以上いるときは誰がメインで闘うか決める必要があるのですが、
現時点では決めるときに名前の選択肢しか出ないので、ステータスを見ながら決められたらいいなと思いました。
話はいまのところ文燕や懐風よりもチュートリアルの敵の方が詳細に語られているくらいなのですが、
それが同時に化生雑じりの者が多く住む老電梯のチュートリアルにもなっていました。
また、重要そうなものを所持している文燕も、多少腕が立つものの魔都に不慣れな懐風も
色々なことに巻き込まれそうな予感がたっぷりする体験版でした。
(2019/5/2)
The Adventures of Fei Duanmu 端木斐異聞録(日本語版)/致意(DL販売398円)
※2019/3/8のメールでご紹介いただきました。ありがとうございます!
連海政法大学で刑事事件捜査を専攻している端木斐(ダンムゥ・フェイ)はコーヒー中毒の大学生探偵。
所属する英語クラブの凌霄(リン・シャオ)や想いを寄せる柳菫(リウ・ジン)らと共に大学生活を送っていたが、
奇怪な事件に巻き込まれ、謎を解き明かそうとしていくのだった。
選択肢あり、推理、大学生、中国語のボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に日常シーンのお洒落な曲が良いと思いました。挿入歌あり。
絵は立ち絵がアニメーション付き。演出もスタイリッシュです。
元々中国語の作品で、現在日本語版では「幽霊霊柩車事件」と「転落癖」の二編と、
エクストラストーリーの「廂使幽霊」を読むことができます。
証拠集めや推理パートがあり、たまに間違えつつも何度か挑戦し、
ストアページの「ガイド」にある攻略は見ずに正解することができました。
ガソリンスタンドに霊柩車の幽霊が現れる動画が拡散し、
ガソリンスタンドの関係者が事故に遭ってしまう「幽霊霊柩車事件」は、
プロローグ的な話のためかなりあっさり目で、端木斐の推理も結果オーライじゃないか……ともやもやが残りました。
高い所から突き落とす連続殺人事件が発生する「転落癖」は、
端木斐と柳菫の出会いの話である「廂使幽霊」と併せて、
二人の間にある言葉はなくともお互いを大切に思っている関係が心地良かったです。
もっとも、本編でそんな二人を見ることができるのがノーマル(バッド)エンドルートであるのが悲しいのですが!
(2019/5/12)
キミガシネ -多数決デスゲーム- 第二章/ナンキダイ(フリーソフト)
ストーカーに悩まされているサラは友人のジョーと共に何者かに拉致されてしまう。
目を覚ますと見知らぬ場所におり、同じような境遇の人々と協力しようとするが、
脱出するためには多数決で選んだ一人が殺されてしまうゲームに参加する必要があるのだった。
選択肢あり、多数決、議論、探索、七時間半ほどで終わりました。
第一章の感想はこちら
システムはスキップ速度がやや遅めでした。
音楽はここぞという場面でそれにふさわしい曲が使用されていました。
絵は立ち絵やスチルは違いますが、背景やそこに立つ人物はドッド絵風。
新規立ち絵やスチルもあり、可愛かったり格好良かったり憔悴していたり怖ろしかったりが伝わってきました。
第二章前編はアトラクションと称して九個+αのミニゲームをクリアしつつ、交流や調査をしていきます。
後編は第一章終盤に行われたのと同じ多数決で殺される一人を選ぶメインゲームが行われます。
ミニゲームは種類によっては少々単調なものもありましたが、
「メモリーゲーム」でのサラやレコのポーズが格好良くて見惚れました。
それから一部キャラクターの個人情報を知ることができるものの必須ではなく特定の行動を数回選ばなければならないのですが、
個人情報を知るとよりそのキャラクター関連のイベントに一喜一憂できるので、
必須でないのがもったいないなあと思ってしまいました。
メインゲームや、そこに至るまでの様々なイベントにおいて、
サラに協力的であったり気概を示したりするキャラクターに対しては(たとえそれに裏があったとしても)好ましく思えましたし、
敵対的であったり騙そうとしたりしてくるキャラクターに関しては嫌悪感を抱きました。
そのように好悪どちらであろうともプレイヤーの感情を揺さぶってくるのがとても上手くて、
重要なシーンはもちろん、ちょっとした会話においても「頼りになるなあ」とか、「格好いい」とか、
「第一章と比べてずっと強くなったな……」とか、「嫌いだったけどいい奴かな?」とか、色々と楽しむことができました。
私のお気に入りはシンガーソングライターのレコと野球選手のQタロウ。
レコは前編序盤での言動が特に格好良かったですし、
Qタロウは正義感があり、しかし自分の安全の方をまず優先してしまうという真っ当な一般人的弱さに共感できました。
第二章では誰が死ぬかがサラの行動によって変化し、それが今後に引き継がれるようで、
そうして分岐しながらどのような結末を迎えるのか、最終章がとても楽しみです。
(2019/8/2)
(その他・番外編)
ごちゃまぜヒーロー番外編 Version1.00/がっかり亭(フリーソフト)
赤井潮は巨大変身ヒーローと改造変身ヒーローと戦隊ヒーローを兼任することになってしまう。
珍しく敵が出ない休日、ゴリュウジャーのピンクと共に出掛けた潮は、先日の女子高で起こった闘いを振り返るのだった。
選択肢あり、特撮ヒーロー、二十分ほどで読み終わりました。
「ごちゃまぜヒーロー」の番外編
システムはバックログがないこと、文章表示速度変更ができないことが不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はチョベリバスさんの新立ち絵が「うわあ……」でした。
あとエニシのメカクシでない顔も見てみたかったです!
「ごちゃまぜヒーロー」最終決戦よりも少し前のエピソード。
エンディングは二種類。
今回はギガントマン、仮面ホッパーの敵が出てこないので潮がヘロヘロになっておらず、
ごちゃまぜ感はないですがその分安心感がありました。
ゴリュウジャーサイドも戦闘よりそれまでの過程が中心で、
相変わらずインドネタはそれだけで笑ってしまって卑怯です!
過去の作品感想:ごちゃまぜヒーロー、無理やり主人公、ネームテイカー
(2019/1/8)
みこれくしょん after epilogue1 〜 ver.1.01(18禁)/愚舎(DL販売864円)(DL版の購入はこちら)
紆余曲折の末、付き合うことになった主人公と巫女の少女。
表面上は仲の良い日々を過ごすも、付き合うきっかけが原因でお互いわだかまりを抱えていたのだった。
選択肢なし、巫女、恋愛、盗撮、一時間半ほどで読み終わりました。
「みこれくしょん」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は少女がちょっと成長したものの幼さ、可愛らしさが伝わってきました。一枚絵は四十枚+差分+α。
「みこれくしょん」のあるエンディングの後日談。
主人公のことが好きで色々と世話を焼いたり要求してきたりする少女がとにかく可愛いかったです!
過去に避けては通れない出来事がある二人が探り探り接していくもどかしさや、
それを解消しようとする誠実さに、二人を応援したくなりました。
……という、いい話かと思ったらおまけシナリオで主人公やること(盗撮)やってるじゃないですか!
(2019/6/21-1)
風のリュート 〜恋人未満の戦士たち〜 ver.2.01(15推)/Moon☆Wind(フリーソフト)
ver.2.00では二人(と一匹)で雨宿りをすることになるシナリオ「更なる旅路」が追加されています。
追加部分は四十五分ほど読み終わりました。
ver1.00の感想はこちら
システム、音楽はver1.00と同様。
絵はver1.00よりも肌色多め。一枚絵は九枚+差分。
リュートの過去が垣間見れたり、
本編でも追加シナリオでもあれだけイチャイチャしていながら恋人未満である理由が明確に示されたり、
ゲーム内において(漫画などではすでに語られていることもあるので)ver1.00からより設定の補完がされていました。
あとやっぱりお互いへの好意が言動にも出ているのが微笑ましかったです。
過去の作品感想:空色幻想曲-風のリュートAnotherWorld- Trial3
(2019/6/21-2)
虚実概論LF
トラウマ派生のチートスキルで魔王と幼なじみが変身する話/ClosedCircle(フリーソフト)
「クラウンワークス虚実概論」の短編ゲーム。
選択肢なし、四十分ほどで読み終わりました。
0章・1章の感想はこちら
2章の感想はこちら
3章の感想はこちら
4章の感想はこちら
虚実概論L&F 王座にまつわるセンセーションの感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は本編と同様。
絵は喜びを隠し切れない【御前】の口元とっても可愛いです。
あと濡れている一枚絵が淫靡……一枚絵は三枚。
1章で、もし久世正宗がチートスキルを持っていたらな話。
だいぶ話の展開は異なりますが1章のおさらいもできました。
正宗に次々とやり込められて、強引に誤魔化そうとする【御前】が可愛すぎます……!
私はサイファー派なんですが鞍替えしてしまいそうです……
トラウマをこんな使い方するとチートスキルになるんだなあと正宗のポテンシャルを改めて思い知らされましたが、
同時に2章以降の出来事がなかったことになるかもしれない? と思うと、正宗は本編のままで良かったのかなと思えました。
(2019/6/23-1)
また逢う日を楽しみに-幕間怪奇小噺集- ver1.0(17推)/筍lavoratore(フリーソフト)
「また逢う日を楽しみに」の番外編集。
ver1.0では「番外編 T -宣戦布告」が収録されています。
選択肢なし、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
「また逢う日を楽しみに」の感想はこちら
「続・また逢う日を楽しみに 忘却のリコリス・エンブリオ」の感想はこちら
システム、音楽、絵は本編と同様。
「番外編 T -宣戦布告」は玖礼 ひばね(くらい ひばね)と、妹で妻の「よしの」の馴れ初め話。
ひばねが詠んだ歌が酷評されていて、その通りにヘタクソな歌で可笑しかったです。
それから登場人物みんなめんどくさくて、素直になって!! と叫びたくなることばかりでした。
今後(本編最終章)あまりいい未来が待っていなさそうなだけになおさら……
(2019/6/23-2)
細胞神曲 -Cell of Empireo- DLC 磯井実光の記録<レコード>
ver1.4(17推)/鱶尾工業(フリーソフト)
「細胞神曲 -Cell
of Empireo-」の追加ダウンロードコンテンツ。
プレイするためには本編クリアデータが必要。
選択肢あり、七時間ほどで終わりました。
システムは今回特にテキスト主体なため、バックログ機能がないことが不便でした。
音楽、絵は本編と同様で、今回もドット絵の動きが細かかったです。
磯井実光が自身でまとめた記録等を読み返したりするという形で、
本編よりも過去の出来事がReCord.0〜8として語られていきます。
読み返す様子が完全に掃除中つい過去の新聞などを読んでしまう姿で笑いました。
本編でも思いましたが初鳥さんがかなりやらかしているというか、
特別な力とそれに基づいた志を持っているけれどもそれ以外のことからっきしで
事態が悪化していくのを止めることができず時には助長させているのが普通の人っぽくてかえって愛おしいです。
「麗しく慈しみのある麗慈」紹介の根本とか来ちゃんがグレてたこととかもニヤリとできました。
そして、セオドアが知っていることとか、宇津木と原田の関係とか、
世界の作りや因縁なども語られていて興味深い内容でした。
(2019/7/29)
冒険者4人が挑む愚者の石番外編〜メディク神官体験記〜 ver1.00(やや乙女)/すばら3(フリーソフト)
「冒険者4人が挑む愚者の石」のおまけ番外編。
END1のアーテルルート後日談。
選択肢あり、十分ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
「冒険者4人が挑む愚者の石」の感想はこちら
システム、音楽、絵は本編と同様。
ミトラがアーテルの同僚になります。
なんだかんだ上手くやるミトラ流石ですし、
自然体で恐ろしいことするアーテルも相変わらずで、
出歯亀するギルダインとヘリオンも含めて本編の続きだ……となんだか嬉しくなりました。
ヘリオンクエスト ver1.01(やや乙女)/すばら3(フリーソフト)
「冒険者4人が挑む愚者の石」のおまけ番外編。
END1のヘリオンルート後日談。
選択肢あり、十五分ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
「冒険者4人が挑む愚者の石」の感想はこちら
システム、音楽、絵は本編と同様。
ミトラの世間知らずさとヘリオンの偏執さで行き違いが起こったりします。
それでもミトラとヘリオンがめちゃくちゃ相思相愛でした。
うわぁ、というような生暖かい目をする周囲の反応が可笑しかったです。
今回は本編にある「TRPGリプレイ風ノベルアドベンチャー」という記載がないですが、
もし同じようにTRPG中に行われているやり取りだったとすると、
私ならゲロ甘すぎてやってられるかー! ってなりそうです……。
過去の作品感想:冒険者4人が挑む愚者の石
(2019/11/9)
あいからの鎖SS version 1.0/鳥那狐蘭(フリーソフト)
「あいからの鎖」のサイドストーリーを八つ収録。
選択肢あり、四時間半ほどで読み終わりました。
「あいからの鎖」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は笑顔の浪榎を多め(本編比)に見ることができてうれしかったです。
内容は一番最後のメタ的なサイドストーリーで同じようなことが言われていますが、
どれも本編に入れるとテンポ悪くなりそうですが、本編を気に入った人が知りたくなるような話でした。
綽の話で、綽の父親が関わることは少々都合が良すぎるように感じてしまいましたが、
それ以外の話では葦阿くんの本編ではあまりない年相応だったり慌てたりするような所が見られたり、
浪榎の母が浪榎のことをどう思っているかを母からの視点で知ることができたり、
浪榎の兄が真面目ゆえに浪榎からウザがられるのが可笑しかったり、
浪榎の父はやっぱり酷かったり(というか価値観が違いすぎる)、そんな父と兄で似ている所もあったり、
浪榎を大好きな亜美が可愛かったり、葦阿くんvs亜美が微笑ましかったり、
トゥルーエンドが薄氷の上に存在していると改めて感じたり、
「あいからの鎖」をより深く、あるいは新しい面を知ることができました。
他人の目を気にするのではなく自分のしたいことをする、とか、
他人に深く関わるならば相応の覚悟や配慮が必要、といったような
自分は自分、他人は他人という区分けを明確にさせるような内容が印象に残りましたし、
あまり関連のなさそうな登場人物同士が知り合いであることが多いためか、
ある程度問題が解決しても完全には拭い去れない閉塞感を覚える所も妙にクセになる良さがありました。
そしてどの話も、本編下校時の浪榎と葦阿くんの会話を彷彿とさせるような、
同意できるかはさておき論理だっていて納得できるテキストで興味深かったです。
「あいからの鎖」本編が気に入った方は是非プレイしてほしい内容でしたし、
本編未プレイの方はまず本編を読んで、浪榎と葦阿くんの奇妙な関係を味わってみてほしいなあ、と
この「あいからの鎖SS」をプレイして改めてそう思えるサイドストーリーでした。
(2019/11/18)
炎上厳禁王族SNS/夜は行く(フリーソフト)
オズワルド王子は予算を獲得するため、そして自身の魅力を発信するためSNS「インプトグラム」を始める。
しかし一寸先は炎上、凍結。王子という地位でそれは命取り。
投稿を優秀な側近に任せてみるが……。
選択肢あり、SNS、炎上、十分ほどで読み終わりました。
同じノルブリンカを舞台とした関連作「ある母子の亡命」「オズワルドのドキドキバレンタイン!!」の感想は下記リンクから。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はゆるい「オズっち」バージョンのもの。
SNSの画面もしっかり作られていました。
オズワルドがSNSを始めることになり、フォロワー数やいいね数を増やそうとしていきます。
エンディングは三種類。
ささいなことで炎上したり、悪意を持った投稿で一大事となったり、
SNSの悲哀と闇をたっぷりと味わうことができました。
王族と言いつつおおむねオズっちは関与していないんですけどね!
過去の作品感想:ある母子の亡命、オズワルドのドキドキバレンタイン!!
(2019/12/12)
エクストリーム・スパイ!ソラとピヨちゃん ver1.35_1/フワフワソ(フリーソフト)
容姿が似ていることから、マフィアのお嬢様に扮して潜入捜査をすることになったソラとピヨちゃん。
果たしてマフィアに違和感を抱かせずに情報を得ることができるのだろうか……?
選択肢あり、スパイ、十分ほどで読み終わりました。
「ソラとピヨちゃん」シリーズ
「未来探偵ソラとピヨちゃん」の感想はこちら
「エクストリーム取り調べ!ソラとピヨちゃん
靴下泥棒事件」の感想はこちら
システムは特に不便や合わないような箇所なし。
音楽、絵は過去の「ソラとピヨちゃん」シリーズ(ピヨちゃんが丸っこくない方)と同様。
マフィアたちと久しぶりに顔を合わせるお嬢様に扮して、
事前の情報からお嬢様の言動に合った選択肢を選んでいきます。
三回間違ったら失敗。
情報はいつでも確認することができるので楽勝楽勝、とポンポン選択していったら……
あと一回間違ったら失敗というギリギリのところで何とかクリアすることができました(情報確認を怠ってしまいました)
ともあれ、相変わらず適当なことを言うピヨちゃんとその尻拭いをするソラを見ることができて嬉しかったです。
過去の作品感想:未来探偵ソラとピヨちゃん、エクストリーム取り調べ!ソラとピヨちゃん
靴下泥棒事件、宮本県 ―わがまま三姉妹と地震の島― @
(2019/12/16)