冬のいもうと
HP
サークルについて
オリジナルのノベルゲームを制作されています。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/ノベルゲーム |
発売年月 |
2016/4 |
価格 |
1404円 |
年齢制限 |
なし(やや女性向け) |
特徴 |
異能バトル、○○ |
選択肢なし、公称プレイ時間は7〜8時間。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読スキップ、CG閲覧、BGM鑑賞などがあり、
セーブデータは20個まで保存可能です。
あらすじ
いばらの中に落ちた種は、いばらに飲まれるより他にない――
四旬節。
復活祭を待ちわびる早春の犬釘市には、あたかもキリストの受難を彷彿とさせる暗雲が立ちこめていた。
受荊者――異能の荊を開花した者達の手による、無軌道な異常犯罪。
悪意のお膳立てに、誰もが喜々として堕落していく中。無法な受荊者を人知れず討ち続ける者達がいた。
ブラザーフッド。鉄槌同盟の野望を阻止するべく集った、囚人を狩る囚人達。
贖罪に人生を捧げた男。
自分の過去に敗れた男。
負い目に苛まれる少女。
灰に還り損ねた迷い猫。
しかし世界は、囚人の足掻きなどものともせずに。至るべき結末へ収束する――
これは、本当の残酷に抗う物語。
(公式サイトあらすじより)
この作品について
記憶を無くした「をろく」が、教会を拠点としている「ブラザーフッド」に保護されます。
そして「ブラザーフッド」は世界を滅茶苦茶にしようとしている鉄槌同盟と戦っているのでした。
システムは途中の演出が、より話に引っ張り込む仕掛けでした。
(※途中でおかしいと思ったらreadmeをしっかり読んでください)
音楽はそれぞれの場面に合っていて緊迫感や盛り上がりがありましたし、OP歌も格好いいです。OPにムービーと歌あり。
絵は絶望や嘲りといった負の感情がよく表れていましたし、
一番最後の切り替わっていく一枚絵も印象的でした。一枚絵は二十一枚+差分。
テキストはさくっと挿入されるユーモアが知的で心地よかったですし、
熱いシーンも、悲しいシーンも、それ以外のシーンも、心情が伝わってくると感じました。
また、ブラザーフッドの面々は過去を経ての在り方が格好良く描かれ、
鉄槌同盟の面々は酷いけれども一理あるという考えを貫く悪役っぷりがしっかりと描かれていました。
ただ、能力「トゥケー」のできること、できないことや、
後半のあれこれにちょっとわかりにくい部分がありました。
しかしそれ以上に舌を巻くのが構成。あまり多くを語ることはできませんが、
目の前に希望というニンジンをぶら下げたかと思えばそれを取り上げ、絶望という壁の死角には突破口がある。
(少々ネタバレのため反転)
それに、全ての制作者に対して喧嘩を売り、プレイヤーに対しても冷や水を浴びせる。
そうした連続に翻弄させられてしまいました。
(少々ネタバレのため反転)
私はプレイヤーなので、「肩たたき」にぞわっとさせられました。
この物語はキャラクターに対して、そして全ての創作者・制作者(と、若干プレイヤー)に対しての呪詛と愛にまみれていて、
同人ゲームに限らず全ての創作者・制作者とプレイヤーに、どんな受け止め方をするかどうかはともかく、読んでほしいと願う作品です。