幻想魔境奇譚/偽書[香津宮綺譚]（1500円）

新婚旅行で乗った豪華客船が沈没し、妻と二人無人島に流れ着いた男がいた。しかしそこで妻は病に倒れ、ほどなくして亡くなってしまう。
妻が死んだ地で暮らすことに耐えられずに海へと漕ぎ出し、水も食料もなく瀕死になった彼は偶然通りがかった船に拾われる。
その船は人魚を探すという極秘任務のため未開の地へと赴く途中だった。


選択肢なし、伝奇、サスペンス、未開の地、九時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
体験版の感想はこちら
システムはシナリオジャンプがあるのが便利ですが、
文章スキップはなくエンターやスペース押しっぱなしでスキップさせても一部演出が飛ばせないのがやや面倒でした。
音楽は不気味な曲から美しい曲、切ない曲まで多彩で場面に合っています。
ＥＤの歌「幻想魔境奇譚」も芯のある歌声と物語の余韻を感じさせる良い歌です。
絵は一枚絵で登場人物の意思を強く感じられました。
背景を動かしたり、戦闘でのエフェクトなど演出も効果的でした。

漂流していた主人公が救助してもらった探検隊に加わり大西洋のとある島を探索し、
いままでの常識では考えられないような場面に多く遭遇していきます。
途中、似たようなところを行ったり来たりして話の進みが遅く感じられた部分はありましたが、
何が起こるか分からない未開の地を恐る恐る進んでいく様や、
絶体絶命な出来事、目を疑うような景色などにハラハラドキドキさせられました。
また化け物など常識外の存在が出てきますが、各人の行動は至極人間くさくて胸に迫ってくるものがあります。
終盤様々なことが明かされながらもいくつかは闇の中で、
煙に巻かれた！　と思いながらもあれこれと想像する余地が残されていて面白い、と感じた物語でした。
(2014/9/9)

√i(ルートアイ)cmの望遠鏡/Earth Gear（500円）

空小杉高校へ転校してきた相田春臣は、同じクラスの陸生詩央音と親しくなる。
彼女に誘われ天文部へと入部し活動を始めることになるが、
文化祭を間近に控え、天文部もクラスの出し物もなかなか思うように進まないことが発覚するのだった。


選択肢あり、青春、文化祭、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
絵は背景のみ。月のない夜に月が出ている背景だったり、
詩央音ルートで公園のシーン以降、別の場所に移動しても背景が一切変わらなかったりと合っていない箇所がありました。
後者は、どうしても背景を合わせる時間がなければせめて黒など単色背景のほうが、まだ違和感が少なくなると思います。
音楽も公園のシーン以降は無音でした。

文化祭の準備をしていく中で、詩央音やその周囲の人々と関わっていきます。
一つ一つの台詞や、登場人物の行動は良いなと思えるところが多かったです。
しかし、立ち絵がないのに会話中心で登場人物の感情が見えにくかったこと、
場面転換時に「朝。教室」や「通学路。」とテキストで書かれていてそっけなさすぎること、
それさえなく唐突に場面が変わる場合があることなど、
台本のようなテキストで演出がないこの作品では状況がわかりにくかったですし、
また上記背景・音楽や改ページされない等のテキスト表示ミスなども目に付いてしまいました。
(2014/9/12)

ＨＩＪＫ！後編（18禁）/サークルFanta（2000円）

海外で両親が行方不明になり様々な面で困窮していた雨森司は、知り合いで人妻の麗華になにかと助けられていたが、
いつしか肉体関係を結び、対価として金銭を受け取るようになっていた。
しかしある日、そのことがクラスメイトの委員長、神崎あおいにばれてしまう。


選択肢なし、アニメーション、らぶらぶ売春、四時間と少しで読み終わりました。
前編の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵アニメーションに加え、後編ではＨシーンの多くもアニメーション。
場面によって絵柄が異なっていたり、アニメーションで違和感を覚える動きもありましたが、
それ以上に動きが多くて目を奪われました。

前編からの続きで二人の女性と逆援助交際状態になる中、文化祭へ向けて色々と準備をしていきます。
たまにＨシーンで妙な比喩があって笑ってしまってエロさ半減ということがありました。
また、主人公の気持ち次第なのに煮え切らないところにイライラさせられる所もあります。いや三角関係ってそういうものなんでしょうが。
ただ、それも含め心理描写や相手への気配りがしっかりと描かれていました。
特に委員長との初体験直前の言葉少なに通じ合うシーンがお気に入り。ラストも微笑ましかったです。
また、包容力たっぷりだったりノリノリでケツ蹴っ飛ばす麗華さんがとても魅力的で、
おっぱいぷるんぷるん揺れる立ち絵アニメーションと相まって、いいなあと思えた作品でした。

過去の作品感想：めぐみくみっくす
(2014/9/13)

図書館からは出られない/nest kore（300円）

学校から公認されていない部活、ミステリー研究会唯一の女子部員で部長の御太刀透（みたちとおる）先輩と、
唯一の男子部員で後輩の六形静（むつかたせい）は図書館に閉じ込められていた。
窓の外は壁のような闇で、出入り口も開けられない。これはミステリーだ、と透先輩はワクワクを隠しきれずに謎解きを試みるのだった。


選択肢なし、密室、図書館、部活、四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章速度が遅めで変更できないのがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はちょっと頭が大きすぎるように感じますが、先輩の表情が可愛いので問題ナシ。

先輩が図書室から出られない謎をあれこれ考え得意げになったり落ち込んだりし、後輩がその様子を愛でます。
先輩がやることなすことポンコツで、その様子を可愛い可愛いと観察する後輩の気持ちにものすごく同意できました。
最初から最後までどうしようもなくポンコツ可愛い先輩を微笑ましく愛でることができて非常に満足です。
一点だけなにやら不穏なことがありますが、ポンコツな先輩の可愛さからすれば些細なことで、ポンコツっぷりが愛おしかったです。

過去の作品感想：夕焼け戦線ギカダイザー薫編　縁編　千尋編、学校にはたどり着けない、魔王を倒す勇者の話、２／３、ランペイジ −秋祭奮戦記−
(2014/9/14)

砂之時計/ふしぎの国ねこ横町さん番地（無料）

サラリーマンで二人の子供がいる亮之介は、会社では怒鳴られてばかりで家では邪険にされてばかり。
ある日彼は、見知らぬ男から砂時計を渡される。
一番後悔したことを思い浮かべて砂時計を使うと、願いが叶うと男が言うのだった。


選択肢あり、後悔、砂時計、ボイスあり、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。ＥＤに歌あり。
絵は幸薄そうな見た目で話に合っていました。一枚絵は四枚＋差分。

うだつが上がらない男が砂時計を使用して、不思議な体験をすることになります。
砂時計を使用する前に家族へどのように接するかによって結末が変わりますが、
一つを除き主人公の結末は同じで主人公以外のエピローグのみ変化します。
前半の怒られたり邪険にされたりする様は身につまされるものがありましたし、ラストはぞっとするようなものもありました。
ですが、ほぼ台詞のみで進んでいくテキストなのに、
登場人物が目にしたものや指し示したものが何であるのか読み手にはわからないという所がいくつかありました。
そうした本筋以外の些細なところで引っ掛かってしまい話に集中できないのが残念に思えた作品でした。
(2014/9/18)

One step/COWSOFT（100円）

幼馴染の吉川松太と大山藤花はお互いモテたが、告白は全て断っていた。
二人はお互いの好意に薄々気付きながらも彼氏彼女になることなく日々を送っていた。
ある日、同級生の不良が先生から濡れ衣を着せられるという事件が起こり、二人はそれに関わることになる。


選択肢なし、恋愛、学園、四十分ほどで読み終わりました。
システムは場面が変わるときに時間がかかることと、
文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は藤花のみ立ち絵あり。モテるというのも納得の容姿でした。

不良にかけられた容疑を晴らそうとしていく中で、二人の関係が変わったり変わらなかったりします。
これから先も続いていく物語のちょっとした一コマ、という感じではっきりと区切りが付くような終わり方ではなく、
その分これから先の二人に思いを馳せることができた作品でした。
ただどうしてもシステム周りで読みにくさがあったのが残念です。
あと、主人公ここまでお膳立てされておいていくらなんでもチキンすぎるでしょう……
(2014/9/20)

幼馴染の心が読めたらどうするか？（18禁）/夜のひつじ（1300円）(DL版の購入はこちら)

おすすめ

過去の作品感想：孤独に効く百合、親友が美少女になって帰ってきた。、恋妻くずし、義妹ホールと妹ホールド、幼馴染と十年、夏、純情セックスフレンド、女装お嬢様への異常な愛情、妹「お姉ちゃんクソビッチなんで私にしませんか」
(2014/9/21)

好き好き大好き超管理してあげる（18禁）/夜のひつじ（1300円）(DL版の購入はこちら)

おすすめ

過去の作品感想：孤独に効く百合、親友が美少女になって帰ってきた。、恋妻くずし、義妹ホールと妹ホールド、幼馴染と十年、夏、純情セックスフレンド、女装お嬢様への異常な愛情、妹「お姉ちゃんクソビッチなんで私にしませんか」、幼馴染の心が読めたらどうするか？
(2014/9/22)

Limited/CREO（500円）(DL版の購入はこちら)

他の星へと移民するため、移民船「アーク」のトラブル対応部のリーダーに任命された主人公。
何事もなければ低温保存されたまま移民先へと着くはずだったが、次から次へとトラブルが発生する。
主人公は他のトラブル対応部メンバーと協力し、トラブルを解決していくのだった。


選択肢あり、ＳＦ、宇宙船、サスペンス、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは、オートセーブが複数スロットあるので大事には至りませんが少々不安定。
ですが未来っぽさあふれるシステムデザイン・演出でした。音楽も同様。
絵は３Ｄ背景に２Ｄ立ち絵という構成。

宇宙船内のマップを移動したり、メンバーの得意分野によって作業を交代したりしながらトラブルを解決していきます。
基本的には制限時間がないようなので、詰まっても総当たりすればクリア可能ですが、
やるべきことが箇条書きされたTODOLISTが存在するので目的がわかりやすかったです。
……といってもそれだけを指針とするとゲームオーバーになってしまうトラップもありますが。
探索がメインともいえる作品なので登場人物の心情描写がやや不足しているように感じてしまいましたが、
原因不明のトラブルを手さぐりで解決していく事態が一転する終盤まで、常に緊張感がある物語でした。

過去の作品感想：LOOT、BeHindKiller
(2014/9/24)

Memories〜あの日あの場所で〜/CREO（300円）

幼いころに交通事故に遭い、その前後の記憶がなくなってしまった高峰慶介。
その後引っ越して別の街で暮らし、一年前から戻ってきた彼は、
先輩や後輩、同級生たちと共に新しい学年での日々を送るのだった。


選択肢あり、思い出、恋愛、二時間半足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵の遠近を使った演出や、蔑み顔がいいなと思いました。

選択肢によって、過去に関わりがあった三人のヒロインルートへと分岐します。
冒頭に主人公による自己紹介や友人紹介があったりとオーソドックスな内容の箇所多め。
一番重要そうに描かれている幼い頃の交通事故がヒロインのうち一人としか関係なく、
それ以外のルートでは記憶喪失へのフォローがされていないのがやや気になりました。
ですが、どのルートでも山場にピンポイントで重苦しい展開があって、
日常パートからの落差にハラハラさせられるものがありました。

過去の作品感想：LOOT、BeHindKiller、Limited
(2014/9/25)

こちら夕闇町 夕凪高校脇怪談部!!/CREO（300円）

中学時代、屋上から火のついたバレーボールを投げていた水上沙月と知り合った久瀬川解人と友人の鶴田晃。
それから二年後、高校生になってまた奇行を始めた沙月がきっかけで、三人は怪談部を立ち上げることになる。
活動の傍ら勧誘を行い、怪談部に集う面々は増加していくのだった。


選択肢あり、怪談、コメディ、学園、修正パッチあり。五時間と少しで読み終わりました。
システムは文章速度が遅めなこととスキップが時折止まってしまうことがやや不便でした。
音楽は賑やかな印象。ＯＰにムービーあり。
絵はちょっと不安定に感じる部分もありますが、笑顔が魅力的でした。

怪談部として夜の学校を調査していく中で、共に活動する女の子と仲良くなっていきます。
ヒロインは四人。メタネタや漫画、ゲームネタあり。
途中にミニゲーム有。しかし沙月のミニゲーム運ゲーすぎやしませんかね……
話の時系列が前後したり、飛んだりするときに説明があまりない箇所がいくつかあり、ちょっと戸惑いました。
ですが、怪談部の活動は賑やかで、一癖も二癖もある面々との日々を味わえました。
お気に入りは生徒会所属の結ルート。ベタではありますが色々と派手に物事が進み、しっかりと白黒つけられていて良い読後感を味わえました。

過去の作品感想：LOOT、BeHindKiller、Limited、Memories〜あの日あの場所で〜
(2014/9/26)

GreenTale/CREO（500円）

様々な種族が暮らし、皆魔法が使える世界。
幼い頃に行き倒れになっていたところを保護されたリィン・クロードは魔法を使えないかわりに特殊な能力を持っていた。
彼は自身の能力を解明するため、書物が充実している国立魔法学校に入学する。


選択肢なし、ファンタジー、バトル、三時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はほんわかとした印象を受けました。一枚絵は六枚＋差分。

エリート魔法学校で過ごしていく中で、主人公の過去や国で行われていることが明かされて行きます。
慣用句の使い方でおや？　という表現が目についたことと、
中枢の警備体制や、強そうに描かれていたラスボスが実際に戦うとそうでもなかったりと終盤の展開が強引なことが気になりました。
ですが主人公の特性を生かしたバトルシーンは読み応えがありましたし、
登場人物それぞれの行動に信念が感じられる物語でした。

過去の作品感想：LOOT、BeHindKiller、Limited、Memories〜あの日あの場所で〜、こちら夕闇町 夕凪高校脇怪談部!!
(2014/9/27)

恋人役は男の娘っ！（18禁）/こねこねふぁくとりぃ（500円）

いつまでたっても彼女ができないと嘆く北真亮に、友人の琴乃木咲は特訓をしようと持ちかける。
翌日、待ち合わせ場所にやってきたのは女装した咲だった。
一瞬で女装を看破した亮だったが、咲の真剣さにデートの練習をお願いすることになる。


選択肢なし、女装、恋愛、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は咲のにへらとした顔が特に可愛かったです。
画面や立ち絵を動かす演出も多め。

彼女ができた時の練習という名目で友人が女装してデートを繰り返していきます。
二回目のＨシーンが、実際にも二回目なのに快楽漬けとか
その後の騎乗位シーンと順序が逆でちょっとやりすぎなんじゃ……と思わなくもありませんでした。
ですが、青くなったり赤くなったり笑ったりする咲の可愛さと、
二人通じ合う暖かさがたくさんこめられていて微笑ましい作品でした。

過去の作品感想：あなアケぽんち！
(2014/9/28)

春のうらら/ＳＥＡＷＥＳＴ（500円）

十八歳の誕生日に感情を抑える手術をすることで大人となる世界。そこはとてもとても平和だった。
早生まれの仲田春彦は高校三年生になり、クラスメイトが一人、また一人と
大人になっていくのを眺めながら、複雑な感情を抱くのだった。


選択肢なし、大人、子供、一章につき一時間、合わせて四時間ほどで読み終わりました。
春のうらら 第一章 第二章 第三章体験版の感想はこちら
システムは全てのチャプター毎にオートセーブが残されるので読むことに集中できました。
また、登場人物の誕生日入りカレンダー機能が実装されていてわかりやすかったです。
ただ、表示される日付と話中の日付が一致しない場面も。
音楽は時計の音や、2/21の美しさと不安定さを同時に感じるＢＧＭなど、印象的な音が随所にありました。
絵は体が細すぎるように感じましたが、場面によって笑顔の中に様々な感情が込められていました。

一章ごとに春夏秋冬と移り変わっていき、
色々と悩んだりしていた友人達が手術で大人になり、
それまでのことを子供だったから、として大人な振る舞いをするようになっていきます。
多くは語らず、な構成で省略されたエピソードも多く、もやっとすることもあり、
国のシステムを変えるでもなく、素直に従うでもなくでどっちつかずであり、といった感じで、
そうした曖昧さや大人とは、というような悩みに共感できるかで大きく印象が変わる作品ではないかと思いました。
私は……まあ、そこまで繊細でもなくなってしまいましたが、
それでも、大人を前にしてあがく主人公達の生々しい感情に胸を突かれるものがありました。

過去の作品感想：あかね
(2014/9/29)

ラブレターの行方/しらかば（無料）

森田美由は隣のクラスの高橋俊介から借りた教科書に手紙を挟んで返した。
それは仲良しの永井秋と桜田真子からけしかけられて実行したことだった。
しかし手紙が読まれる前に、俊介の教科書は行方不明になってしまう。


選択肢なし、学園、ミステリ、十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はゆったりとしていながらどこか浮ついた曲調。
絵はどこかにいそうな普通の高校生、といった印象を受けました。

事件編と解決編に分かれていて、解決編で教科書がなくなった真相が明かされます。
とはいえ教科書を盗んだのはおまえだ！　というような明かされ方ではなく、
別視点から読むことができてプレイヤーにのみ全貌が明かされるというつくり。
俊介がモテることも納得の気配り。みんないい娘なのによくそんな立ち回りできるなあ、と感心します。
事件については劇的なわけではありませんが、良かったなあ、と、ほっとした気持ちになれる真相でした。

過去の作品感想：しらかば短編集、タイムカプセル、Grandfather's　Horn、下草に消える、リンクサイド物語、オリエンティア！、不完全殺人事件
(2014/9/30-1)

ピエロット/Whisper（300円）

小学校では周囲を笑わせるような人気者だったものの、引っ越した先の中学校でいじめられるようになった僕。
それがきっかけで眠ることができなくなってしまった彼は、笑顔を見れば眠ることができることに気付く。
それ以降、平日はいじめ相手からの嘲りの笑顔で、休日は大道芸を行い道行く人からの笑顔で、眠りにつくようになるのだった。


選択肢なし、笑い、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
立ち絵はなく、背景や、ちょっと不安を煽るような貌が表示されながら進んでいきます。

必要に迫られ大道芸をはじめ、それにやりがいを感じるようになった僕の身に起こったことが描かれています。
笑いを求めるようになった僕の状況、そうさせるだけのいじめのひどさが
心象を表す絵や前半の内容からよく伝わってきました。
ラストが唐突な終わり方で、物語としてはあっけなさを感じますが、
このタイトル、この境遇の話に相応しい数奇な結末であるとも思えました。
(2014/10/1)

After Dead/ぞんびすたいる（無料）

ゾンビが出現し人を襲うようになった世界。
山瀬和彦は友人の貞金夏が建てたゾンビ対策万全の家へと向かう途中、ゾンビに囲まれてしまう。
絶体絶命のその時、会話ができゾンビを従わせることができるカナという名の女ゾンビと出会う。


選択肢なし、ゾンビ、ゾンビのみボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムは特に不便やな箇所なし。
音楽はＥＤがいい歌でした。ＯＰにムービーあり。
絵はカナがグロ可愛いです。

人間の多くがゾンビになってしまった世界で、知り合ったゾンビのカナと
賑やかな日々を過ごしていきますが、あるきっかけでその日常に変化が訪れます。
前半はゾンビ対策万全の家に籠城して快適に過ごしたり、
ゾンビがうろつく街中で我が物顔で遊びほうけたり、非日常の中で平穏に過ごすというの心躍りました。
後半は作中でも語られていますが、主人公たちを含め
合理的な選択ができない人々がもどかしくもあり、仕方ないなと思うこともあり。
終盤は終わった世界でさらに終わって、また始まる、
八つ当たりしたくほどに上手くいかなくて、でも清々しさのある美しい物語でした。

過去の作品感想：いらない子ゲーム、続：いらない子ゲーム reset、女の子の青春な告白を楽しむだけのゲーム・イケメンが甘々に声かけしてくるだけのゲーム
(2014/10/6)

魔法部におまかせ！/黒柴亭（900円）

中高一貫の私立白玉学園には魔法部という部活動があった。
その活動内容は困っている生徒を救うこと。
中学一年生の見習い部員、岩瀬仁美はスケベな部長、川上鋼太郎に手を焼きつつ依頼をこなしていくのだった。


選択肢あり、魔法、部活、依頼、一時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便やな箇所なし。
音楽はＥＤの歌が80年代を思わせる懐かしさ混じり……
絵はふとももがむっちりでした！　立ち絵は大きさや向きのパターン豊富。
あと守護霊がひたすらキモいです。

魔法部にこっくりさん亜種で呼び出された守護霊にエロい事を要求され困っているという依頼が舞い込み、
川上鋼太郎が依頼人にセクハラしつつ岩瀬仁美にそれを阻止されつつ解決を目指していきます。
依頼人＋αの自業自得さや頑なさに、もやっとするところがありました。
ですが鋼太郎や守護霊のゲスい言動は可笑しく、
守護霊の正体を鋼太郎が推測していく過程は真面目かつ魔術的な蘊蓄が込められていて読み応えがありました。

過去の作品感想：鎧装重機アルシオーネ 第1話完結編
(2014/10/7)

学園王カレン!!/Studio Gear（500円）（ＤＬ版の購入はこちら）

黒須灘島王国学園に転入してきた剣光太郎は黒須灘島珂憐（くろすなだしまかれん）たち王族部の面々と出会う。
彼女たちから日本国の中にあって黒須灘島王国学園が広大な領地を統治していることなどを告げられた光太郎は、王族部に仮入部することになる。
しかしその王族部を狙う者がいたのだった。


選択肢なし、王族、学園、三時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は一番最後の一枚絵が躍動感ありました。

王族部に仮入部した主人公が部活メンバーにツッコミを入れたりしつつ日々を過ごしていきますが、
そんななか王族部を潰そうとする勢力が現れます。
終盤に語られる、珂憐が現在の校舎で王族部をしている理由と、日々の活動内容が合っていないように感じられたことと、
ボケもツッコミも解説も長い台詞が多く、読みにくさがあったことが少々気になりました。
ですが、賑やかな王族部での日々は楽しそう、と思わせるもので、各部員達の会話を堪能できる作品でした。

過去の作品感想：八月の化け物たち - 6分の1の奇妙な真夏 -第壱話、第弐話、第参話、第肆話、第伍話、第陸話、第漆話
(2014/10/8)

ユメノツヅキノミカタ/ユメノツヅキノミカタ製作委員会（100円）

転校早々交通事故に遭い入院することになってしまった中村悠一は病院で齋藤晶という女の子と出会う。
同じ高校の一学年上だという彼女に引っ張りまわされる入院生活を送る悠一。
退院後も学校で、夢研という校内サイトに書き込まれた生徒の夢を叶えようとする活動に誘われるのだった。


選択肢なし、夢、過去、恋愛、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は無音の箇所がずっと続いたり、盛り上がる箇所で日常曲が流れたりと合っていないと感じられる箇所がありました。
絵は一枚絵がどれも青春！　という感じでした。

周囲に流されるようにして生きてきた主人公が、
常にいろんなところに顔を出して盛り上げていくような晶と出会い変わっていきます。
ただ変わって、完璧な人がいないと分かった後なのに、そう見える人に酷いことを言う場面があり、
それを言ってしまって反省する以上のフォロー（主人公がなぜそういうことを言ってしまったのか）
がなかったことにもやっとしました。
あと、中盤で晶がほとんど関わってこないのが寂しかったです。
ですがそれ以外の部分では友人の抱えているものをどうにかしようと奔走したり晶が好きだということを貫いたりしていて、
それに紆余曲折の末にでも答えてくれる晶や友人たちと、いい関係だなあと思えました。
(2014/10/9)

風俗島からの脱出（18禁）/劇團近未来（即売会1500円）（DL版の購入はこちら）

出張でＭ県に前日入りした主人公は、景気付けに性風俗施設が集まる通称「風俗島」を訪れる。
しかし本土との唯一の交通手段である船が故障し、帰れなくなってしまう。
主人公は島の施設で遊びながら、帰る方法を模索していくのだった。


選択肢あり、風俗島、脱出、ボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
乃亜の爛爛とした目と関西弁が特にエロかったです。他の娘もエロかったです！
風俗島マップはレトロゲー風味。

ソープランドや買春マッサージ、ビデオ試写等風俗島の各施設を巡ってプレイしつつ情報を集めていきます。
体力切れや一部選択肢でゲームオーバーになりますが、体力は簡単に回復できるため脱出は簡単。
プレイ内容とかけた比喩表現があったり、過去作品のあざとい宣伝があったりと
ちょとちょこネタが挟まれていてニヤリとできました。
メインストーリーは終盤の感動的なやりとりからエピローグのオチという流れが、
なんだかんだあったけど良かったなあと微笑ましくなりました。

それにしても体力をこまめに回復さえすればかなり長い間風俗島に滞在し、
一回一万五千円くらいのプレイを何度も何度もすることができるのですが、
主人公どんだけたくさんお金持っているのでしょうね……？

過去の作品感想：女子校生とごはんですよ！、女子肛校生芸能アナルクラブ〜現役ＪＫアイドル枕営業の実態〜
(2014/10/10)

俺は君の生理用ナプキンを舐めたい（18禁）/PLASTIC LABEL（2000円）（DL版の購入はこちら）

大月経介は女の子の生理用ナプキンを汚物入れから盗み、舐めて興奮する変態だった。
今日も彼は女子トイレに盗撮用カメラを仕掛け、目当ての女の子のナプキンゲットをもくろむのだった。


選択肢あり、生理用ナプキン、妊娠、ボイスあり、十五時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。挿入歌二曲あり。
絵はもっとＨシーンでおっぱいを出していくべきだと「私は」思います。サブヒロインの一人は出てますが。
カットインや感情表現演出多め。ただ表情やボイスがそのシーンと合っていない個所がありました。

女の子を盗聴し、学校のどのトイレをどの時間に利用するか調べ、運が良ければナプキンをゲットすることができます。
入手したナプキンは舐めるかぶっかけることが可能。
女の子のうち三人は、盗聴しようとすると専用ルートに入ります。
専用ルートはどれも大筋の展開がほぼ同じでちょっとマンネリ。
また、心がこもっていない台詞とか、強引な論理とか、同じような過ちを繰り返していたりとか、
数行前と言っていることがころころ変わったりとか、色々と突っ込みどころが多かったです。
ただ、桜ルートのこの作品を象徴するようなラストは綺麗でしたし、
メインヒロイン以外の女の子を盗聴した時の会話パターンが一人360種類あってストーリーもあることや
生理用ナプキンにこだわる主人公のプロ意識など、圧倒されるような執念を感じさせる作品でした。

過去の作品感想：強姦ゲーム、メンヘルメイト、肉奴隷調教ゲーム、恋愛小説物語
(2014/10/12)

サクラメントの十二宮　乱れる仔ひつじと手懐く狼（18禁）/黒彩黄泉路（1000円）（DL版の購入はこちら）

聖リアンヌ女学院に通う母古瀬アリッサは転入生の周防ひつじに一目惚れされ、キスされてしまう。
アリッサもひつじに惹かれ、二人は恋人同士になる。
しかし学院の人気者であるアリッサにひつじはやきもきしてしまい、周囲に敵意を振りまくのだった。


選択肢あり、百合、女学院、ボイスあり、一時間半ほどで読み終わりました。
システムはアリッサとひつじ、任意で視点変更できる機能が特徴的。
ＯＰムービーと歌あり。歌は二人を祝福するような曲でいいなあと思えました。
絵はふんわりやわらかいタッチで話の内容に合っていました。一枚絵は七枚＋差分。

最初からいきなり両想いになった二人が、さらに仲良くなっていきます。
視点変更システムは私の場合、頻繁に切り替えるとテンポが悪くなってしまったので、
ある程度まとめて一方の視点で読み進めたらロードして別視点に切り替えるという読み方をしました。
ひつじちゃんのやきもち焼いている場面が多くて、
もう少しＨシーン以外でもいちゃいちゃを読んでみたくはありました。
でも、視点変更でわかる二人の心情は特に大きなすれ違いがあるわけではなく、
お互いがお互いのことを好きなんだなあということを思い知らされるもので、それがあったかい物語でした。

過去の作品感想：続・日本神話−ねのかみ−
(2014/10/14)

トレイメント-Concerto-/Traumend（700円）

レコード会社に勤める影山星一は偶然訪れた地で車椅子の少女、甘利紗陽（あまり　さよ）と出会う。
紗陽のピアノに聞き惚れた星一。紗陽もまた、星一の誠実さに惹かれるものを感じていた。
二人は再会の約束をする。しかし紗陽は母親からピアノを弾くなと言われていて……


選択肢なし、ピアノ、芸術、二時間半と少しで読み終わりました。
「トレイメント〜Etude〜」の感想はこちら
システム、音楽、絵は「トレイメント〜Etude〜」とほぼ同じですが、
音楽は落ち着いた曲調だけでなく、賑やかな曲もいいなと思いました。ＯＰムービーもポップで可愛いです。
絵は温泉サービスシーンも……！

「トレイメント〜Etude〜」で語られなかった紗陽の大学生活など、
サイドストーリー、アフターストーリー四編を収録。
アフターストーリーで星一の昔馴染み、月乃が登場する「太陽と月のコンチェルト」は
紗陽と月乃がどういう関係になるのか、友人？　恋敵？　と今回のさらにその先を想像したくなる話でした。
「それは桜舞う日のできごと」「Hot Spiring Vacation!」は紗陽と大学の友人はづき、ゆいの三人娘が賑やかで微笑ましかったです。
「記憶の風景、思い出の時間」は紗陽がトラウマを乗り越えていく話。
「トレイメント〜Etude〜」に収録されていてもおかしくないと思えるほど、紗陽が抱えているものが真っ向から描かれていました。
どの話も、登場人物たちそれぞれやりたいことへの想いや、
お互いへの思いやりが丁寧に描かれている、「トレイメント〜Etude〜」と同じく優しい物語でした。
(2014/10/15)

ATOM GRRRL!!（18禁）/Cosmillica（1000円）（DL版の購入はこちら）

ヤマト留学が終わりアメリカへと帰ってきたジェシカ・Ｌ・ハスターは
アンナ・スマイスらストリートギャングの仲間達と久々の再開を楽しんでいた。
しかしハスター家で御法度とされる賭博やクスリに手を出している身内がいると知らされ、ジェシカたちは調査に乗り出すのだった。


選択肢なし、クライムコメディ、百合、ボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は歌も含めアメリカっぽさ満載でした。ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌あり。
ＯＰは実写だったり笑い声や拍手ＳＥが入っていたりします。
絵は一番最初のＨシーンで一瞬にして全裸になるのが、もうちょいじらして！　と思わなくもなかったり。一枚絵は十二枚＋差分

「爆音の世代、沈黙の世界」ヒロインの一人、ジェシカ・Ｌ・ハスターを主人公に、
アメリカ西海岸でマフィアやギャングその他勢力の女の子たちが暴れまわります。
視点変更に加え時系列も前後するのでちょっと混乱してしまったり、
アンナの説教部分だけ浮き気味に感じたりという部分がありました。
ですがスラングや諧謔満載な会話の応酬はニヤリとできましたし、
女の子達によるスカッとする大暴れから見せられないよ、な証拠隠滅まで、
裏社会モノの暗さと、それ以上に明るく華のある物語を堪能できました。
なかでも一番お気に入りなのは最後の最後、ジェシカとアンナの締め。
昔のアニメによくあるような丸窓からのツッコミやそれが小さくなって締め、かと思いきや……で、ごちそうさま、でした。

過去の作品感想：爆音の世代、沈黙の世界、さとりとやまぼうし、恐るべき少女たち
(2014/10/22)

Dahlia-ダーリア-（18禁）/Cosmillica（1000円）（DL版の購入はこちら）

19世紀末、エミリー・ラ・フォンテーヌは家の没落により一時物乞いとなり、さらには娼婦として売られてしまう。
しかし彼女を身請けしたのは処女が添い寝をするだけで、それ以上のことはしない会員制の娼館。
そこでエミリーはダーリアという名の少女のパートナーとなり、日々を過ごしていくのだった。


選択肢なし、耽美、百合、ボイスあり。二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は優雅な曲が多かったです。ＯＰにムービー、ＥＤに歌あり。ＥＤの歌は「Le temps des cerises（さくらんぼの季節）」
絵は逆さまになってのキスが美しかったです。一枚絵は十一枚＋差分。

添い寝をするだけという娼館でエミリーとダーリアが仲睦まじく穏やかな日々を送りますが、
だんだんと綻びが顔を出すようになっていきます。
エミリーとダーリアが過ごす時間は本当に穏やかで、空想の翼を広げる二人が微笑ましかったですし、
娼館の客が二人を褒める歯の浮くような台詞は甘すぎてぞわぞわさせられつつも館の美しい世界に合っていました。
しかしそれでは終わらず、後半はエミリーの悲鳴が酷く痛々しく耳に残るような展開。
謎めいた部分は残りますがそれも含め、平穏から悲劇まで物語に浸れる作品でした。

過去の作品感想：爆音の世代、沈黙の世界、さとりとやまぼうし、恐るべき少女たち、ATOM GRRRL!!
(2014/10/23)

この祈りが届くように/サークル出雲（100円）（DL版の購入はこちら）

両親が車に轢かれ死ぬ所を目の前で見てしまった里見遼は自殺未遂を起こし病院へと担ぎ込まれる。
目覚めたとき、秋月命生（めい）という少女が傍らにおり、友達になってほしいと言ってきた。
彼女は重い心臓の病気で、いつ発作が起こり死んでもおかしくない状態だった。


選択肢なし、幸せ、祈り、一時間十五分ほどで読み終わりました。
システムはメニュー画面を消す際に文章が一ページ進んでしまうのがやや不便でした。
また、画面切り替えやエンドロール等があまりに素っ気ないので、
ほんの少しでも溜めとか演出がほしいなと思いました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は笑ったり涙したりする命生の表情や仕草が魅力的でした。

両親を亡くし絶望した少年と不治の病に侵された少女が仲良くなったものの、
残された時間は刻一刻と少なくなっていきます。
遼も命生も喜び、愚かさ、恐怖、慈しみ等様々な感情を知り、それを発露する物語なのですが、
心情が論理的に事細かに説明されすぎていて、感情の勢いがちょっと削がれているように思ってしまいました。
ただそれでも、近い将来の死を感じながら生きる命生と、
何度も無様に絶望したり取り乱したりしながらも命生のことを考える遼、二人の想いが胸を打つ作品でした。

過去の作品感想：空白の音色
(2014/10/24)

ブラインドプリズム〜First Love〜（乙女）/花*空（パッケージ版700円）（DL版の購入はこちら）

黒凪美琴は高校の入学式当日に自分を助けてくれた、クラスメイトの雨宮ヒカルに惹かれていた。
文化祭を控えて接する機会が増えた二人は段々と親しくなっていく。
反面、美琴の幼馴染である筒井隆久は以前と打って変わって美琴にそっけなく接してくるのだった。


選択肢あり、恋愛、学園、二時間半足らずで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。ＥＤに歌あり。
絵は立ち絵の差分が多くて表情がとても豊かでした。
また、一枚絵での光の演出も印象的。一枚絵は差分含め五十三枚。

選択肢や展開によってプリズムというものを入手し、その種類や数によって結末が変化します。
エンディングは三種類。
ヒカルが、自分が嫌っている行為を隆久にはするように薦めるのがちょっともやっとしました。
ですが、ヒカルの苦悩によって主人公も傷ついていく様は読んでいてざらざらとした気持ちにさせられましたし、
そうしたことがあった分、仲の良いシーンでは良かったなあと嬉しくなった物語でした。
(2014/10/31)

さよなら、うつつ。（18禁）/羊おじさん倶楽部（1円/フリー版有）

幼馴染の天河沙希（アマカワサキ）と仲の良い学園生活を送る間宮夏月（マミヤカズキ）はしかし、その日々をどうしようもなく疎ま
しく感じていた。
そんな時に転校してきた鏡水夜（カガミミヨ）は、夏月に「世界を救ってほしい」という言葉と共に注射器を手渡してきたのだった。


選択肢なし、世界に失望するヒーロー式薬物ADVとのこと。六時間足らずで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は憂鬱な曲を中心に話にとても合っていました。
絵はもっさりとした部分はありますが感情が良く伝わってきます。
また、トリップしてる時など演出が多彩かつサイケデリックでした。

現実生活で満たされていない夏月が水夜に導かれ、自分が特別になれる世界に浸るようになっていきます。
序盤の幼馴染と仲良く過ごすシーンは全然心がこもっていなくて、
夏月が水夜のひどく怪しげな誘いに乗ってしまうだけの理由があると納得させられました。
私としてはそんなことしてまで特別がいいのかなー夏月とは相容れないなー、と思いますがそれはそれ。
中盤以降は夢かうつつか本当か嘘か、メタも含んで混ぜこぜに話が進んでいきます。
そんなぐちゃぐちゃとした展開に翻弄されるような面白さがありつつ、
順序立てたテキストや出過ぎない主張など読みやすい配慮もされている作品でした。
(2014/11/1)

バカは死ななきゃ治らないっ！（18禁）/integral（空想科学研究所）（1500円）（DL版の購入はこちら）

大場和彦はトラックに轢かれて死んでしまうが、神様に生き返らされ、いままでも何度も死んで生き返っていたことを知らされ、
さらにバカすぎて留年してしまった大場和彦は、最後のチャンスである進級テストに向けて幼馴染の芹沢奏と勉強会を始める。
そんな時、ロシアからエレーナという少女が留学してきて、何故か和彦は命を狙われる羽目になるのだった。


選択肢あり、バカ、恋愛、コメディ、ボイスあり。二時間半と少しで読み終わりました。
システムはメニュー全般が右下ボタンをクリックしないと出てこないのがやや不便でした。
音楽はＯＰ歌とそのアレンジが明るく勢いがあります。ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌あり。
絵はヒロイン二人とも可愛らしいですが、エレーナの笑顔が魅力的でした。特に一枚絵は十五枚＋差分。

死んでも何故か神様に生き返らせてもらえる和彦がバカすぎて何度も死んだり、
エレーナに殺されたり、奏とバカを治そうと勉強したりします。
選択肢を間違えると死にますが、すぐに生き返って直前の選択肢に戻るためエレーナと奏ルートに分岐する以外は一本道。
ネットスラングなどのネタが多めだったり、他の同人ソフトからのゲスト出演などがあったりします。
ちょっとしたことで見事に死ぬ主人公のハチャメチャさや、
エレーナに殺される日々が可笑しくてテンポ良くて、読みやすく、
終盤のなんだかんだ頑張る主人公も格好よく感じた作品でした。
しかしバカは死んでも治っていないですよね……それ以外の方法で治ったりしますが。
(2014/11/2)

アコニタム（ＢＬ傾向17禁）/SGMJ（1500円）（DL版の購入はこちら）

男子校への転入初日、偶然在学生バンド「SHTK」の映像を見てその虜になった藤本。
学校生活への期待に胸を膨らませる彼だったが、
待っていたのは不穏な出来事ばかりが起こる日々だった。


選択肢あり、学園、欝、七時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便な所や合わない箇所なし。挿入歌あり。
絵は格好いい場面からしっとりとした場面、激情まで
それぞれの場面、心情をとてもよく表わしていて引き込まれました。一枚絵は百六十二枚＋α。

ＢＬ傾向ではありますが男女の恋愛もあり。ただし基本的に主人公との恋愛ではなく、周囲の人同士の恋愛。
四章構成で、各章毎にいくつかの結末があるものの
次の章ではまた共通ルートに戻ってそこから分岐する、というつくりになっています（例外はありますが）
そうした構成のため特定の結末でしか起こっていないことが
共通ルートで話題になるなど整合性を取り切れていない部分がありました。
テキストは行動や心情描写が控えめで、
それが個々の場面、特に殴ったりといった動きのある場面ではどういう状況なのかわかりにくく思えます。
しかし場面ごとの繋がりや登場人物の心の動きといった面では想像の余地を残していて、
舞台の裏側や各々の関係に想いを馳せるじんわりとした良さを感じられました。
お気に入りなのは一章Ａエンド。
印象的な一枚絵に、それまでの選択をもっと善いものにしておけば……と悔やむ気持ちにさせられました。
(2014/11/8)

ラブだくしょんっ！〜銀河の恋愛ガイドブック〜（18禁）/US8（1500円）（DL版の購入はこちら）

恋にトラウマを持つ七星奏のもとへ宇宙船が降ってきて、
乗っていた銀河帝国大統領アニー・ゴールドハートから、自分と恋をするようにと迫られてしまう。
おまけに次期大統領候補のヨシア・ニーナ・ベテルギウスからも同様に言われてしまうのだった。


選択肢あり、宇宙人、恋愛、ボイスあり、七時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便な所や合わない箇所なし。ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌二曲あり。
また選挙演説ムービーが二つあって、ネタ満載で笑えました。
絵は女の子がやわらかそうでいいなあと思いました。一枚絵は十九枚＋差分。

宇宙人の女の子達に恋するように迫られ、同じ学園に通ったり同居したりします。
外交・政治ネタや教育ネタぶっこんできたりドタバタだったりコメディ多めですが、
恋愛指南をしてくれる「銀河恋愛ガイドブック」シリーの語り掛けや
別の時間空間での出来事が関係しあって物語が動いていく作品の構成にも、うならされるものがありました。
場面場面でのアニーやヨシアをはじめとした面々との掛け合いも面白かったです。
それにしても大統領秘書官のメルが表情も台詞もボイスもやたらめったら可愛いんですが
かろうじてジャブ程度のＨシーンがあるのみでルートがないのが非常に残念です……

過去の作品感想：Re;world episode1、episode2、R-10爆弾カノジョ。
(2014/11/10)

スノー・ドロップ/Neoぷろじぇくと（1000円）

両親を殺された上、その罪を被さられた小池和哉は、犯罪者が犯罪者を処罰する贖罪所という組織に所属することになる。
同じ大学に在籍し贖罪所の一員だった羽鳥ユリアから人を殺す術を教わる和哉。
しかし人を殺す覚悟が持てないまま、犯罪者達と相対することになってしまうのだった。


選択肢ありですが一本道、葛藤、アクション、ボイスあり、三時間と少しで読み終わりました。修正パッチあり。
システムは普通に読み進める分には大丈夫でしたが、
読み返すときはキーボードではできるもののメニューからはスキップできなくてやや不便でした。
音楽はＯＰの歌が力強くてお気に入り。ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌あり。
ボイスは登場人物によって違和感を覚えるものもありました。
絵はすっきりとした絵柄で綺麗だなと感じました。一枚絵は十八枚＋差分＋α。

贖罪所という組織で犯罪者と闘いながら親を殺した犯人を探していくうちに
色々なことに巻き込まれ、色々な人と関わりを持っていきます。
そうした話の流れが優先されて、あやのなど修羅場をくぐっている登場人物が（普段と違う精神状態だったとしても）
あまりにも油断した行動を取って窮地に陥ってしまうことや、
物語の最初から最後まで主人公に対し執拗に関わってくる謎の女の過去語りがあっさりしすぎていることが気になりました。
ですが中ボスの過去と、その上で発せられる血を吐くような台詞には胸を突くものがありましたし、
ひどく後味の悪いラストも主人公が招いたものとして、こうなってしまうよなあと納得させられた作品でした。
(2014/11/15)

しずくのおと/あいうえおカンパニー（1200円）（DL版の購入はこちら）

五年前に満天水族館で妹が行方不明になってしまった中延真弓（まゆ）。
それ以降、満天水族館には色々な都市伝説が囁かれるようになった。
親友でそうした話が大好きな多摩川姫乃はある日満天水族館へ行こうと言いだし、真弓は断りきれずに同行することになる。

選択肢あり、アクアリウムホラー、三時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
猟奇的な描写があるため苦手な方は注意。
システムは特に不便な箇所なし。メニュー画面に現在の場所の情報・小ネタ等が表示される仕様になっています。
音楽は不気味な曲や悲しげな曲など話に合っていました。
絵は可愛い女の子達が苦しむ様にゾクゾクしました。
立ち絵・背景移動などによる演出も豊富。一枚絵は十四枚＋差分＋α。

親友と訪れた水族館で色々と恐ろしい目に遭ってしまいます。
最初に出てくる日吉さんはいったい何があってあんなことになってしまったのでしょうか……？
頼りになると見せかけて中盤以降出番なしなのが泣けます。
ランダムに状況が変わり次に何が起こるのか読めない恐ろしさと、
普段は綺麗な魚たちや水が襲ってくる恐ろしさの両方を味わうことができました。
また、まゆと姫乃の色々ありながらも仲の良い関係も堪能できる作品でした。
(2014/11/19)

CyberRebeat/E.N.Nach（1000円）

いくつかのアルバイトを掛け持ちしているヒロは、そのうちの一つであるフリーライターとして過去に起こったハッキング事件を調べ ていた。
しかしその情報をくれた出版社で火事が起こり、面識のある社員が死亡してしまう。
不可解なものを感じたヒロはバイト先の一つ、ネットカフェに常駐しているハッカー、ミサと共に事件を解明しようとするのだった。


選択肢なし、次世代ハッキングADVとのこと、十二時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムはセーブスロット数が少ないこと、ロードするとき二手間ほど動作が余計にかかること、
非アクティブでは動かないこと、キーボードからでしかスキップできないことなどちょっと不便でした。
音楽は盛り上がるところでそれをより加速させる曲が使用されていると感じました。
ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌あり。ＯＰの歌がお気に入りで、全部終わった後に歌詞を見るとさらに感慨深いものが。
絵は香奈の笑顔にほんわかできました。

ヒロとミサが事件を追っていく中で、ヒロの過去が明かされたり、ミサのその後が語られたりと
時間が前後しつつハッキングを中心とした物語が進んでいきます。
序盤の主人公がふざけ過ぎていてあんまりいい気分になれなかったです。
あと、絶体絶命の危機からどうやって助かったかが明かされないことが多くてもやっとします。特にNess。
ですが、ハッキングやＣＴＦ（模擬ハッキング大会）の様子は、
何をしているかわけがわからないけど何だかすごい、という観客目線でとても興奮させられましたし、
「敵」にやられていく場面にはどうしようもない無力感、絶望感を覚えました。
香奈や葵を中心とした日常寄りのやりとりも楽しかったです。
それに一度音信不通になった人々がまた集まって、協力していく様は熱くて、ぐいぐいと引っ張られる魅力ある作品でした。
(2014/11/24)

色染のカドルエイク/キャスティングプラネット（500円）

弓月翔は家庭の事情で幼いころから父と姉と一緒に暮らせず、親戚に預けられていた。
仲の良かった姉の鈴と会えずに寂しがっていた彼は、天川ひなのと仲良くなることで前向きになっていく。
そして親戚の家を離れ一人暮らしをするようになったある秋の日、父と姉が同じ街にやってくることを知らされるのだった。


選択肢あり、人格、自立、秋、四時間半足らずで読み終わりました。修正・シナリオ追加パッチ有。
システムは起動時に時間がかかること、スキップが遅めなこと、
非アクティブでは動かないことがやや不便でした。
音楽は特に合わない箇所なし。
絵は特に笑顔が魅力的に感じました。一枚絵は三枚。

父と姉が同じ街にやってきて、一緒に暮らさないかと言われますがそうしていいのか悩み、
その過程で三人のヒロインルートに分岐します。
特に共通ルート部分で文章表現に違和感を覚える箇所がありました。
また、ひなのルートでは（ネタバレのため反転）
手術すれば良くなると言われているのにその前に学校へ通ってまで記憶を戻す意味があるのかと感じてしまいます。
ですが終盤思い通りにいかなくてもそれを受け入れ、先を見据えていく主人公は格好良くて、いいラストでした。
姉の鈴ルートは父親が意志弱くてクズいですが他の二ルートと比べ
主人公とヒロインの悩みなどがやや物足りなく思えてしまいました。
クラスメイトの紫苑ルートは不器用なデレが可愛い！！！　と思ったら
そこからさらに変な方向に暴走していて、主人公が参ってしまうだけの説得力がありました。
また、ラストの微笑ましくも澄んだやりとりに、心地よく読み終えることができるルートでした。
(2014/11/29)

ぷりんせすほりでー（18禁）/なつこん（1000円）（DL版の購入はこちら）

仕事がうまくいかずに悩んでいるＯＬ、芝桜 久遠（しばざくら くおん）が夜遅くに自宅へ帰ると、
突然サイネリア王国第一皇女リナリア＝カンパニュラと名乗る少女が現れた。
魔法が使える異世界からやってきたという彼女を、久遠は自宅に泊めることになるのだった。


選択肢あり、百合、ＯＬ×皇女様、ボイスあり、三時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。ＥＤに歌有。
絵は泣き顔にぐっときました。一枚絵は十三枚＋差分。


ＯＬと皇女様が同居生活を送るうちに仲良くなっていきます。実際には初日からかなり仲良いですが。
初めて見るものにはしゃぐリナリアと、楽しそうなリナリアを見て嬉しくなる久遠という関係が微笑ましくて、
本当にお似合いな二人だなあとしか言えないくらい、幸せな様子を堪能できる作品でした。
ところでリナリアにあやしい知識を仕込んでいる侍女さんってもしやナース服だったりメイド服だったりしませんよね……？

過去の作品感想：Hurtbreak Wonderland、Hurtbreak Wonderland +、とらとら、背徳せんせーしょん、愛しの☆マイマスター
(2014/12/3)

天照花嫁日記・終/根無し草（800円）（DL版の購入はこちら）

月上螢一の婚約者、朝顔小春陽命はもっと素晴らしいお嫁さんになるため、花嫁修業と称し全国を旅していた。
高校生になったばかりの八重山倫子はそんな彼女に同行することに。
これはそんな旅の中での一幕。


選択肢あり、花嫁修業、バトル、一時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムはいままでと同様。
音楽はやっぱり変身曲「Morning Glory」が前向きな良い曲で、アレンジ曲もそれぞれに場面に合っていました。
また、特にバトルシーンで演出が多彩になっていました。

「天照花嫁日記・肆」と最終話「天照花嫁日記・終」を収録。
「天照花嫁日記・肆」はやや「夢の絆」寄りの話で螢一さんの出番多め。
「天照花嫁日記・終」は不穏な展開から一気にスケールが大きくなってのバトル。
そのくらい強大な力を敵が持っているのだったら、
ただの人間がいくら覚悟決めても一撃だって持たないんじゃないかな、と無粋ながら引っかかってしまう部分はありましたが、
ノリ良くテンポ良く、かつ密度の濃い花嫁修業もこれでひとまず終わりか……と感慨深いものがありました。
まあ、彼女たちは「夢の絆」の方でも活躍してくれるでしょうけれど！

過去の作品感想：月神探偵譚、月神ふぁんでぃすく、わびさびブロードキャスター総集編、２０１２夏！、夢の絆（第一話、第二話、第三話、第四話）、天照花嫁日記（第一話、第二話、外、前編）、勇者が魔王を倒した話、天笑花嫁日記
(2014/12/5)

Paradise File-罪状認可-/Fire Clock Works（500円）

魍魎怪奇という名の異能を持つ者が多く集まる街で、
正道正義（マサミチマサヨシ）は刑事として魍魎怪奇が起こす事件に当たっていた。
しかし事件の数は異常と言えるほどに増え、彼だけでなく街全体を飲み込んでいくのだった。


選択肢なし、哲学伝奇ノベルとのこと、九時間十五分ほどで読み終わりました。
流血・過激な描写があるので苦手な方は注意。
「Paradice File 首切少女」の感想はこちら
システムは文章速度が変えられないことと、アイキャッチ演出が長くてスキップできないこと、
バックログで読める文章量が少なめなことがちょっと不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。ＯＰにムービーと歌、ＥＤに歌あり。
絵は冷徹な表情に凄みを感じました。

主人公を含め魍魎怪奇という異能を持った人たちが闘っていきます。
哲学ということもあって台詞がかなりくどいと感じられる部分はありました。特に終盤……
また、強力な異能を持つ登場人物が簡単に動揺したり、負けたりしますが、
そうなるだけの納得できる理由があるところが良かったなと思いました。
それに、様々な異能をぶっ放す闘いには、高揚させられるものがある作品でした。
(2014/12/12)

蜉蝣/鴨mile（1500円）（DL版の購入はこちら）

おすすめ
(2014/12/23)

さくら色のアムール-妹アムール編-（18禁）/Findup!（2500円※夏コミ(C86)1500円）（DL版の購入はこちら）

優柔不断で変態的な性癖を隠し切れていない宮瀬和樹は母を亡くし妹の彩乃と二人暮らし。
夏休み直前、和樹は彩乃から告白される。
しかし同じ日、先に憧れていたクラスメイトと付き合うことになっていたのだった。


選択肢あり、恋愛、コメディ、ボイスあり、六時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。ＯＰにムービーと歌あり。
絵はむっちりしていてエロかったです。一枚絵は二十枚＋差分。

妹への好意を持ちながらもなかなか彼女と別れることができず色々なイベントに遭遇していきます。
妹編と言いつつ最後まで妹との本番がないまま終わってしまったこと、
地の文が安定していなくて読みにくさがあったこと、
同級生の女の子二人が自分のせいで主人公を酷い目に遭わせても悪びれないことなど、
あまりいい気分になれない所が多かったです。
ですが、彩乃とその友人二人の可愛さや、寸止めが多いながらも様々な変態プレイが読めるところがいいなと思えた作品でした。
(2015/1/3)

マヨイヒツジの果樹園/Namaage（1000円）（DL版の購入はこちら）

孤島にある女学園に新任教師としてやってきた山田一郎は、新入生キャセロールの担当となる。
学園の生徒全員が入学前の記憶を持っていないその場所で、彼女たちと穏やかな日々を過ごす一郎。
しかし彼女たちには「卒業」が待ち受けていた。


選択肢あり、罪と罰、楽園、三時間十五分ほどで読み終わりました。パッチあり。
体験版の感想はこちら
システムはスキップ時に章タイトル画面で止まるのがやや不便。
前半部分は登場人物の感情を擬音にして文字で立ち絵横に表示させる演出多め。
音楽は特に合わないような箇所なし。ＯＰにムービーと歌あり。ＯＰムービーは可愛くてインパクトもあります。
絵は繊細さと可愛らしさがありました。絵は一枚絵は十一枚＋差分。

人々がより（我々の世界よりも）管理されているらしい世界で、
幸せを義務とされた少女たちと一郎との日々が描かれています。
物語の本筋のさらに核心部分以外は語られないことが多くて、
登場人物や世界のことを深く知るまえに終わってしまうあっけなさがありました。
しかし逆に語りきれないほどの背景がしっかりと設定されていて、色々と想像の余地が残るとも言えます。
また、特にピーラー卒業からマツリの秘密判明までの展開は息をつく暇もないものがあった作品でした。
（以下ネタバレ反転：スタッフロール情報の推測）
キャセロール→神様への不敬罪、社会転覆（未遂）
ミンサー→シリアルキラー（食人）
ピーラー→代理母役でのクローン作製関与？ この社会だとクローン重罪なんでしょうか？
オロスゼスター→自殺、自殺教唆、神様への不敬罪（ということはカルト宗教の教祖？）

過去の作品感想：Blue* 体験版
(2015/1/13)

（同人ソフト体験版・連作）

Pandemic Love　体験版（女性向）/G.Addict

大学二年生の泉ひかりは幼馴染や同級生など五人の男とともに肝試しに参加するが、不注意で途中にあった祠を壊してしまう。
それがきっかけか一人、また一人と行方不明になっていき、残された主人公の前にも得体のしれない何かがやってきたのだった。


選択肢あり、ホラー、恋愛、四十分ほどで読み終わりました。
システムは現時点ではセーブなし。
音楽は効果音が鳴り終わるまでクリックしても進められないのがやや不便でした。
絵はみんな格好良い＆可愛らしいですし、服の質感が伝わる塗りも良いなと思いました。
ただ立ち絵が変わるたび微妙に立ち位置が動くのが気になります。

この体験版では五人の男性それぞれとのエピソードのあと、
肝試しをしてその後行方不明になってしまうところまで読むことができます。
恋愛部分は三人が主人公にあからさまに好意を持っているも主人公気付かず、
二人はそういう態度でなく一筋縄ではいかない印象。
怖いシーンは最後だけでどんなホラージャンルかはわかりませんでしたが、
続きどうなっちゃうの？　という引きになっていると感じました。
(2014/8/17)

北九州人狼怪記録　体験版　ver1.0/ムサシノ大世界

小倉で弟と大学の友人と三人でルームシェアをしている高津はパート先のおもちゃ屋で人狼カードを手に入れる。
それを使用し同居人やゲーム仲間十三人で人狼ゲームをした後、夢の中で弟が死んだと告げられる。
その通りに現実でも死亡していた弟。高津たちは人狼カードの効果による死のゲームに巻き込まれてしまったのだった。

選択肢あり、人狼、推理、死、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは脱落者情報や誰が人狼か話し合ったログなど人狼の特定に重要な情報が参照できるようになっています。
ですが参照することが多い機能なので右クリックで抜けられたり等、情報アクセスとキャンセルがもっとし易ければいいなと思いました。
音楽は仲間とぐだぐだするちょっと退廃的な場面からシリアスまで、場面に合ったものが使用されていました。
絵は人狼参加者それぞれ個性が感じられる見た目をしていました。

人狼ゲームとほぼ同じルールで、人狼に襲われたり、人狼が吊られたりするとその役職の人が実際に死んでしまうなか、
各々が生き残るために虚実織り交ぜた会話・行動を起こしていきます。
この体験版では一つのルートを最後まで読むことができます。
登場人物の立ち絵はそれぞれ特徴的ですが、それでも十二人いる上に
話の中では身の上説明がほとんどないまま死のゲームに突入するので混乱してしまう部分がありました。
ですが体験版の段階でも誰がどの役職か、どの発言を信じて良いのか考える楽しみを感じられました。

……私は人狼ゲーム未体験なのですがこの作品を読むとプレイすることが怖くなります！
でも眠っている間に死んじゃうので苦しくないなら……うーん……

過去の作品感想：Angel L.I.O.T.　−天使聖裁−　体験版
(2014/8/18)

ハピサマ！　体験版ver0.1/きゃろっとたうん

浦森光樹は生徒会からよろず屋扱いされ色々な仕事を依頼されていた。
ある日、ハチの巣駆除を依頼され友人の拓田と共に巣の場所へ赴くが、そこにあったのはスズメバチの巣。
その上拓田がスズメバチを挑発し、二人は刺され保健室送りになってしまうのだった。


選択肢なし、学園、十分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はスズメバチの羽音効果音にとてもぞわぞわさせられました。
絵は友人のゲス顔がインパクトありました。

この体験版ではスズメバチに返り討ちにされ、対策立ててもう一回挑むことを決めたところまでを読むことができます。
今回は友人の奇行とスズメバチ退治に話のほとんどが費やされていましたが、
副題が「Happy Summer Memories」なので夏の青春・恋愛中心になるような気もします。ただ実際のところどうなのかは不明。
そうしたこれから先の展開は兎も角、友人のおバカさと保健の先生の足技がエロい、ということが印象に残る体験版でした。
(2014/8/19)

黒汁ＣＤ vol.9 「暴食のクラウナー　Stage.1"Hello New World"」/ローズ倶楽部（500円）

葛葉市にある一条院高校へ転入してきた宇賀峰十夏（うかみね　とおか）は２級退魔官。
転入初日の放課後、同じく２級退魔官の大月南紅（おおつき　なこ）と笠木大夢（かさぎ　だいむ）と知り合い、三人はパーティーを組み魔物退治へと赴く。
しかし十夏は人並み外れて大喰らいだった。その理由とは……


選択肢なし、退魔、暴食、一時間足らずで読み終わりました。修正パッチあり。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は一部を除き黒汁ＣＤシリーズでおなじみのＢＧＭ。ＯＰに歌あり。歌は疾走感あります。
絵は背景のみ。

いままでの黒汁ＣＤシリーズと同じ場所ですが、ちょっと未来で魔物が大量発生し結構殺伐としてしまっている時代が舞台。
Stage.1では三人でパーティを組み、初めて魔物を倒すまでが収録されています。
まだまだ導入といった感じで十夏が大喰らいの理由や葛葉市に起こっていることなどは
ほのめかされる程度でまだ完全には明かされないまま終わってしまいますが、
三人の息が合わなそうでなんだかんだ噛み合っている会話や闘いっぷりが微笑ましかったです。
あと今回黒汁が出てこなかったですね……それとも最後のアレが原料だったり……？

過去の作品感想：放課後は鬼退治！、H.B.DetectiveFile 01、File 02、File 03、File 04
(2014/8/20)

カクリカ -CASE:証明写真-/半端マニアソフト（500円）

女子大生の硯子は質屋で手に入れたライカのカメラを手に、廃墟巡りへと赴く。
しかしそこで、あまりにも鮮明な心霊写真を撮影してしまう。
混乱する彼女に、話しかけてくる男がいた。


選択肢なし、幽霊、カメラ、ボイスあり、四十分ほどで読み終わりました。
「冬は幻の鏡」のスピンオフ作品とのこと。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はタイトル画面でいきなり「冬は幻の鏡」メインテーマアレンジが流れて高まります。
絵は背景で、素敵な廃墟と言いつつ落書きがしてあったり、
インディゴな空の時間なのに真昼間だったり文章と合っていない個所がありました。一枚絵は八枚＋差分。

「-CASE:証明写真-」では硯子が雫や月之という幽霊関係の人物と出会うまでが描かれています。
物語は始まったばかり、というところでお終いになってしまうので物足りなくはありますが、
知らず知らずのうちに幽霊に関わってしまい、
その常識はずれさに全力で混乱する硯子が哀れに感じつつも空回りっぷりを楽しめました。

過去の作品感想：冬は幻の鏡、空の上のおもちゃ、男土下座地獄、コミックデイズH、ツツジと夏の坂道、スミレと冬の駅舎、Indigo
(2014/8/22)

レミングの町 体験版 for C86/circleそらのみやこ

結城一哉、神山京子、古川武の三人は同じ街で、特に接点のない生活を送っていた。
しかしある日から、知らず知らずのうちに偶然、互いの運命に影響を及ぼしていくのだった。


選択肢あり、ザッピング、選択、十五分ほどで読み終わりました。、修正パッチあり。
システムは「チュ○ソ○トの『○〜運命の○差点〜』『4○8〜封○された○谷で〜』を模倣したもの」とのこと。
音楽はシナリオ選択時の効果音が軽快で無意味に連続で鳴らしたくなります。
絵はのっぺりとした絵ではありますが、京子シナリオの放課後屋上シーンの演出が印象的でした。

あるシナリオのバッドエンドを回避する為に別のシナリオで特定の選択をする必要があったりと、
主人公の選択が別の主人公に影響を及ぼすシステムになっており、三人のシナリオをザッピングしながら並行して読み進めていきます。
この体験版では最初の一日を読むことができます。
京子シナリオ以外ではまだほとんど話が動かないまま終わってしまいますが、
一哉がある女の子をやたらと気に掛ける理由や、一哉シナリオと京子シナリオの女の子が同一人物なのか、
といった続きがどうなるのだろうと思わせる部分がある体験版でした。
(2014/8/23)

童話（ラノベ）の中の物語　体験版/笹葉音

ラノベやアニメが好きな高校生の天野朔也は本屋で「剣と魔法のプリムローズ」というラノベを入手する。
読み進めていくと声が聞こえ視界が真っ暗になり、気が付くと見知らぬ森の中に立っていた。
そこで彼は「剣と魔法のプリムローズ」の主人公とそっくりなプリムという名の金髪美幼女と出会う。


選択肢あり、ファンタジー、ラノベ、十五分ほどで読み終わりました。
システムは場面転換時に二回クリックしないと次の場面に移らないのがやや不便でした。
いまのところ音楽はなし。
絵は女の子が恥ずかしがったりびっくりしたり表情豊かでした。

この体験版では森の中でプリムと行動を共にすることになり、
他に仲間もできて街へ向かおう、という所までを読むことができます。
現時点ではプリムが一緒に行動することを許可してくれたり、
とんとん拍子に仲間が増えたりと物語の「ライト」さが全面に押し出されている印象。
ですがラノベ世界に飛ばされる原因となった黒幕がいたり、
童話をラノベと読ませるタイトル名などからこれから先の不穏さを感じさせる部分もある体験版でした。
(2014/8/24)

リビドー戦争　体験版（18禁）/古：時計

男子生徒の減少と女子生徒の増加により、「七王子学園」を女子校としようという計画が持ち上がった。
手始めに行うとされたのは、男子寮の廃止。男子寮の面々はその一方的な決定に反発し、団結して撤回させようと動き始める。
面倒事が嫌いな阿久津美琴は、なぜかその運動のリーダーに担ぎ出されてしまうのだった。


選択肢なし、「まじこいみたいなギャグノベルゲー」とのこと。ボイスあり。一時間足らずで読み終わりました。
システムはスキップが途中で止まるのがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。挿入歌あり。
絵は立ち絵を左右に移動させたり、遠近表示させたりと距離感が表現されていました。
あと今のところ女キャラで脱いだのは一人だけですが男キャラは全裸祭り。

この体験版では男子生徒が連名で生徒会に男子寮廃止撤回を突き付けるところまでを読むことができます。
まだまだ戦争というには様子見といった感じであまりハチャメチャな感じではありませんでしたが、
読みやすい文章と立ち絵の動きが相まってさくさくと読み進めることができました。
ラストシーンでの男子寮側の要求を受けて、生徒会がどういう条件を出してくるのか、気になるところです。
(2014/8/25)

大交際時代　体験版/鮪WORKS

男よりも女の方が圧倒的に多い世界。
十五年前に施行された「交際法」により、女性と交際するためには交際免許が必要になっていた。
交際免許取得のために予備校に通う学生の乃木山健斗は、ある日ニュースで皇女の娘と交際するための免許試験が行われることを知る。
その共通一次試験の日、試験直前に健斗は皇女の娘、凜奈と鉢合わせしてしまうのだった。


選択肢あり、恋愛、交際免許、四十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし
絵はヒロインそれぞれ異なった良さが伝わってきました。

この体験版では共通一次試験の日までを読むことができます。
選択肢によっては会っていない人物が会ったことになっていたり、
説明なく選択肢通りの行動を取らなかったり（「友人と飲みに行く」を選ぶ→飲みを断ってヒロインを探しに行く）
人称が不安定なところがあったりと気になるところが多かったです。
ですが、思わず夏コミで手に取ってしまった交際法という設定には興味を引かれるものがある作品でした。
(2014/8/26)

＊あなる＊なめる＊はめる＊C86特別先行号（18禁）/茶葉☆姫D

黒井阿尚（くろいあなお）は同じクラスになった平板肛門（ひらいたあなる）に一目惚れし、告白して付き合うことになる。
しかし肛門は好きな男の子の肛門を舐めることが何よりも好きな女の子だった。
今日も肛門は阿尚の肛門を舐めまくる日々。でも肛門は肛門以外のことに対しては全くの初心だった。


選択肢なし、肛門舐め、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はヒロインがふわふわしていて可愛らしいです。が、嬉々として肛門舐めるんですよね……

この先行版では付き合ってから三ヶ月後の一幕とそれまでの経緯を読むことができます。完成版は九月発表予定とのこと。
主人公の肛門はひたすら舐められますが、それ以外は肛門が恥ずかしがってしまい進展がないという状況。
そもそもの名前から肛門の肛門舐め好きまでくらくらするような肛門推し。
はたして完成版では主人公は肛門舐められ以外の色々な行為をすることができるのか！？　といったところですが、
二人はこれでもかと両想いなので、なんだかんだ幸せになるんだろうなーと思えた先行版でした。
(2014/8/27)

REVIVAL RESET 特別体験版/楽想目

高校生の瀧瀬結真（たきせゆうま）は人付き合いが苦手で、つまらない学校生活を送っていた。
夏休み目前、彼はベルブと名乗る生き物を召喚してしまう。
宙に浮いたり物を動かしたり、不思議な力を持つベルブは、あるゲームソフトを探してほしいと持ちかけてきた。


選択肢なし、ゲーム、改造、二時間半ほどで読み終わりました。
システムはツッコミなどで使用されている太字部分がバックログでは消えてしまうのがちょっと残念。
音楽はタイトル画面の曲が聞いていて不快になるような曲で、初っ端から一筋縄ではいかない物語を想起させられます。
絵はシンプルな絵柄ですが、ベルブの造形はベルブの性格がよく出たものになっていると思いました。

この体験版では、ゲームソフトを見つけた後、そのゲームをプレイしはじめたところまで読むことができます。
今後の展開で意味を持ってくるのかもしれませんが、
現時点では話の展開が遅めで多少だれ気味に感じる部分も。
ですが、主人公の人見知り具合がこれでもかと描かれていていたたまれない気持ちになりました。
それに泣きっ面に蜂とでもいうような事態が一気に押し寄せたところでお終いになるので、
どうやってこの状態を収拾付けるのか興味を引かれるものがある作品でした。
(2014/8/30)

おとなになったらただしくくらしたい体験版（女性向15禁）/pm3:00

男子校から共学になったばかりの学校に転入することになった蝶野若菜。
趣味の絵を描こうと美術部の部室を訪れるが、美術部は何故か漫研になっていた。
おまけに人数不足で廃部の危機。それでも彼女は入部し、新たな生活をスタートさせたのだった。


選択肢あり、学園、おたく、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
出かけるときに着るもの（ボーイッシュや普段通り、セクシー系等）や化粧の仕方を選べるのが特徴的。

ＯＰムービーはまだ未完成とのことですが、
この体験版に収録されているムービー・歌はテンポ良くて遊び心もあって見ていて楽しかったです。
ボイスは主人公名前変更可なので仕方ないところもありますが、
テキストでは名前で呼んでくれるもののボイスではその部分が、キミやあんた、あだ名呼びで、
仲良し四人組で話していて主人公だけ名前を呼ばれず疎外感があります。
絵はややもっさりとした印象を受けますが、多くの登場人物に立ち絵や表情差分がありました。

この体験版では主人公が美術部改め漫研に入部して、それ以外の生徒とも出会う四月が収録されています。
それ以降の出来事もダイジェストで紹介あり。
wwとか（苦笑）とかネットスラングネタ多め。
主人公のリアクションが少なめで、何考えているのかわからないままに行動されて混乱する箇所がありました。
あとせっかく相手がボケたのに主人公一切反応無しでツッコめよ！　とこっちがツッコミ入れてしまいました。
また、色々なイベントや登場人物をとにかく詰め込んだかのような雑多さがあって、
まとまりのなさや都合のよさを感じる部分もありますが、反面とにかくにぎやかで勢いにあふれてもいる作品でした。

なお、タイトル名は本来改行が必要です。

おとなになったら
ただしく
くらしたい

が正式タイトルの模様。おたく。
(2014/8/31)

天使の黒い涙の理由は 導入部体験版（18禁予定）/空想スタジオバックブリーカー

美空島という島にある学園に幼馴染の瀬戸彩夏らと共に通う石蕗稔。その学園では悪魔学という授業があった。
学園の図書館にある悪魔学の専門書のうち一部は専用の場所に所蔵されており、
そこは一般の生徒が立ち入れないようになっているのだった。


選択肢なし、悪魔、学園、一時間足らずで読み終わりました。
システムは場面切り替えに時間がかかるのでスキップが遅めなことがやや気になりました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は女の子が屈む姿勢があんまり美しくないなあと感じましたが、紗衣さんだけはセクシー。

この体験版では学園での日常から、ヒロインの身になにかが……というところまでを読むことができます。
いまのところ悪魔関連はまだ抽象的なことしか明かされておらず今後どうなるのかわかりませんでしたが、
それ以外の部分は王道学園ものといった感じでヒロインみんな可愛らしく、
ラッキースケベもありな学園生活を過ごすことができました。
(2014/9/2)

セカイの果ての均衡者〜BALANCER〜　体験版ver.1.0/LEVEL PLUS

何度も転校をしてきた沢津拓真（さわづたくま）が現在通っている学園は女子生徒が圧倒的に多く、男子生徒は冷遇されていた。
ある日、角が生えたサラサという名の女の子が空から降ってくる。
彼女は多次元因果律管制機構（バランサー）見習いだと名乗り、沢津拓真に協力を要請するのだった。


選択肢なし、因果律、異能、一時間と少しで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。演出のショートムービーが格好良かったです。
絵はセクハラに赤面するサラサがやたら可愛いです。

この体験版では主人公とサラサが出会い、学校内で怪しげな場所を見つけるところまでを読むことができます。
半分くらい（というと言い過ぎでしょうが）主人公がサラサにセクハラ言動を仕掛けている場面で、ウブな反応を見せるサラサが可愛かったです。
逆にあとがきで触れられている通りメイン（？）ヒロインは今のところ１００％嫌な奴言動で今後どんな関係になるのでしょうか……？
また、サラサが主人公のいる学園を訪れた理由やセカイの構造などが
わかりやすく興味深く説明されていてわくわくさせられる導入になっていました。
(2014/9/10)

夕焼けメロディア　-体験版-/IDP

廃駅でギターを弾いていた一之瀬透は歌声を耳にし、聞こえてくる方へと赴くと一人の少女と出会った。
少女から自分が抱えているものをずばり指摘され、動揺する透。
その上、翌日にはその少女、水澄夕菜（みすみゆうな）が同じクラスに転校してきたのだった。


選択肢なし、音楽、青春、ボイスあり、三十分足らずで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はまだまだ日常曲中心といったところ。
絵は素朴な感じで私好み！

この体験版では夕菜が転校してきたところまでを読むことができます。
主人公が過去の出来事からくる痛いところを突かれた時の取り乱しようが尋常じゃないので、
生半可な過去だと納得できないぞ……と完成版へのハードルが上がってしまった気がします。
あと現時点では主人公の幼馴染さんが不憫で可愛かったです！
(2014/9/15)

耳憑鬼　体験版ver0.03（18禁予定）/おもむろに

高校一年生の和泉新夜はある出来事をきっかけに、都市伝説の一つ「耳憑鬼（ミミツキ）」の情報を集めていた。
獣の耳が生えた耳憑鬼は超常の力を使い、時には人を襲うという。
夜の街を歩いていた新夜は、廃ビルで二人の耳憑鬼と遭遇してしまう。


選択肢なし、伝奇、獣耳、五十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はほっぺたがやわらかそうだなあとおもいました。

この体験版では探していた耳憑鬼に遭遇して会話をするところまでを読むことができます。
主人公の境遇含めほとんどのことがまだまだ語られていない状態ではありますが、
テキストは読みやすく、登場人物もそれぞれいいキャラクターをしていて（あとHシーンは色気がありそうで）
どういう展開になるにしろ楽しめそうな予感がする作品でした。
(2014/9/17)

Alice in Dreamworld［体験版］/ふしぎの国ねこ横町さん番地

引っ越した初日の夜、愛梨の部屋に白の騎士と名乗る兄そっくりの男が現れる。
彼は愛梨のことをアリスと呼んできた。そんな彼に連れられ、転校先の学校を訪れたアリス。
そこには奇妙な格好をした者たちがたくさんいたのだった。


選択肢あり、不思議の国のアリス、ボイスあり、三十分ほどで読み終わりました。
システムはタイトル画面からワンクリックでロードできないことと、
ボイス再生中は二回クリックしないと次のページへ移らないところがやや不便。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は登場人物みんな華やかでした。

この体験版では色々な者たちと出会った後、
なにやら女王と命を懸けてゲームしなければならない、と知らされるところまでを読むことができます。
現時点では一通りの顔見せが終わったところで話はこれからという感じですが、
登場人物達との会話がことごとくかみ合わなくて、
不思議の国のアリスをモチーフにした話らしいなあと思いました。

過去の作品感想：砂之時計
(2014/9/19)

戌七き峠で、丑三つ時に オープニング/Clan☆Ti

享一郎とその父親は、ある事情により全員が親戚で十数人のみが暮らす戌七き村の出入り禁止を言い渡されていた。
それが解かれ、三年ぶりに戌七き村を訪れた享一郎達。
享一郎の目的は、出入り禁止の原因となった怪談話を当時と同じメンバーで行うことだった。

選択肢あり、怪談、村、十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは体験版ということもあり制約多め。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は不気味さとか下品さとかそれぞれのキャラクターが感じられました。

この体験版では村に帰ってきてすぐのところまでを読むことができます。
おどろおどろしい感じが出ているところがいいなと思いました。
体験版で得られる情報のみでは、主人公がいわくつきの怪談という余計なことを意地張ってやろうとしているように見えるため、
今後どうして怪談をやらなければならないのか納得できる理由が明かされるといいなと思いました。
(2014/9/23)

はぴとら！　happy tri x tribe x trouble! 体験版ver 0.01（18禁）/PinkyEdge

物書きを生業としている大和は、七月の雨の日に段ボールに入った少女を拾う。
自らを人狼だという獣耳が生えた少女、真神桜花は
しきたりにより子種がほしいと大和を誘惑してきたのだった。


選択肢なし、人外、同居、二十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は後ろ向きの体勢の一枚絵で違和感を覚えましたが、立ち絵などはとても可愛らしいです。

この体験版では桜花の誘惑にいきなり負けてしまう一回目のＨシーンまでを読むことができます。
マイペースにボケたり恥じらったりする桜花は可愛らしかったですし、
今回の体験版本編には登場しなかったサキュバスさんが後書きで言うには、絞りつくしてあげる、とのことでのぞむところであります。
あとサークルサイトのキャラクター紹介に出てくる編集さんが大変魅力的なのに絶対攻略不可とのことで非常に残念です……
そんな感じで、ヒロイン（＋編集さん）と過ごす日々は楽しそうだなあ、という予感がしました。
(2014/10/2)

次元旅紅紀ver0.70/ＥＧＧ（500円）

超時空旅団の一員、アヤメ・ブランディスは団長ディーネ・グノーモンからの指令で
シュネコロンという鉱物を探しにとある世界を訪れる。
世界への転送時に気を失ってしまったアヤメは亜人の少女、アデラに死体と勘違いされ魔術の材料にされかけてしまうのだった。


選択肢なし、ＳＦ超時空百合バトルＡＤＶとのこと、一時間足らずで読み終わりました。修正パッチあり。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵の上移動で絵の切れ目が見えてしまうことが気になりましたが、
大技を出す場面でアニメーションしたり、背景が一部実写動画になっていたりと目を引く演出が随所にありました。

ver0.70では色々な世界を渡り歩くアヤメが新たな世界へ向かい、
そこで出会った亜人と、近くの街の屋敷に住み着く人ならざる者に何やら関係が……という、
ちょっとずつ話が動き出した？　というところまでを読むことができます。
「装天のグライガー」にも登場したアヤメ・ブランディスが主人公。
登場人物達は知っているけれど読み手は知らない、という単語が
ほとんど説明なく出てきたりしてちょっと引っかかるところはありました。
ですが、アヤメやディーネの信念を感じられるプロローグからの平和な日々でのやりとり、アデラいじりなど、
真剣な場面とゆるい場面のメリハリがしっかりしていてその落差の妙を味わえる物語でした。

過去の作品感想：装天のグライガー
(2014/10/3)

スレイブ　〜エルフ母娘陵辱〜C86体験版（18禁）/ぼーだーSTOP

様々な種族が暮らす剣と魔法の世界。
結界を張り、森の奥深くで暮らすエルフ母娘だったが、
偶然やってきた人間たちに凌辱されてしまうのだった。

選択肢なし、エルフ母娘凌辱、十五分ほどで読み終わりました。
完成版ではボイスあり予定とのこと。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことや、
スキップが遅めなことががやや不便。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はタイトル画面の物憂げな表情がぐっときました。

この体験版では三つのＨシーンを読むことができます。
最初に世界観の説明があった後は即凌辱。
エルフ娘の表示名と地の文で名前が食い違っていることなど誤字がちょっと多かったです。
最初のＨシーンでも恐怖や快楽に屈したりしてしまっているので
わりとちょろ……素質があるなあという印象を受けたエルフ母娘さんでした。
(2014/10/4)

Electron World 　現実世界編/Milky（無料）

仮想ゲームと呼ばれる五感で体験することができるゲームが流行している22世紀の日本。
緑瓦仮想ゲーム専門学校に入学した天井稔（てんじょうみのる）はさっそく友人たちとゲーム制作に取り掛かっていた。
しかし巷ではゲームクリエイターの失踪事件が相次いでいた。


選択肢なし、ゲーム、仮想現実、三時間半ほどで読み終わりました。
システムは体験版のせいか不安定な動作をするところが多め。
また、二回クリックしないと次の場面に移らないことがあるのがやや面倒でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。挿入歌二曲あり。
エフェクトノベルとのことで、戦闘のエフェクトや背景の雲が移動したり、演出が多彩でした。

現実世界編はゲームを完成させるまでで、今後は電子世界編になるとのこと。
ラストの決断をする理由が22世紀日本の世相としては語られるものの、
主人公の心境としてはあまり描写がなく、そちらを選ぶ根拠としてちょっと納得いかないものがありました。
……もっと言うと楽しそうな毎日送ってるくせにあっさりそういう決断するのか！　と。
また、現実世界編では登場人物個々に主人公と絡むエピソードがかなり多く、
なかなかメインのストーリーが進まないな、と感じるほどでした。
しかしながら女性キャラはみんなそれぞれに可愛らしく、男性陣は友人・ライバルの二人とも有能なのに色々と残念で、
そうしたキャラクターやエピソードを電子世界編でしっかりと生かして登場人物みんなに見せ場があるといいなと思いました。
(2014/10/5)

第24TOKYO区 EP1【PILOT VERSION】/STUDIO BUSK（2000円）

今はスラム街となってしまった東京の24区で探偵を営む那図アカネ。
彼女の元へ23区に住む土鈴ハク（どりんはく）という男が訪れ、
行方不明になった婚約者の弟と婚約指輪を探してほしいと依頼してくるのだった。


選択肢なし、推理アクション、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは普通に読む分には問題ないですが、読み返すときに演出が飛ばせないのがやや面倒でした。
音楽は作品の雰囲気に合った格好いい曲が使用されています。
絵は色々な体勢、アングルの立ち絵があってそれぞれの場面でどんなことがあったのかわかりやすかったです。
また、背景写真も雑多な明るさ暗さがある24区の印象通りのものが使用されていました。

三章構成の第一章とのことで、ハクからの依頼である婚約者の弟捜索の一部始終が収録されています。
スラム街でハードボイルドど真ん中ところに、
24区に慣れていないハクのずれた言動がアクセントという感じで進んでいきます。
大部分は聞き込みでちょっと退屈さを覚えてしまう部分がありましたが、
退廃的な雰囲気満載でしたし、ラストの引きは今後どうなるのだろうと思わせられました。
(2014/10/13)

ボクはともだち。〜I am not sweetheart.〜　夏の体験版（18禁）/はとのす式製作所

友近達也は数多くいる「主人公」を「ヒロイン」とくっつけるよう陰ながら奔走する友達キャラクター。
いくつかあるルールに従い行動しなければ、自分や周囲が酷い目に遭うしっぺ返しが待っていた。
そんな日々に嫌気がさしていたとき、突然現れた楠本命という少女から、「ヒロイン」を寝取ってしまえと提案される。


場所選択あり、友達キャラクター、学園恋愛、ボイスあり、四時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムは文章表示でほんの少しウエイトが入る所があって、それが必要な場面でのみ使われていて効果的でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。ＯＰにムービーあり。
絵は命の小柄な体や隣子のきゃしゃな体にぐっときました。

「主人公」の名前欄が「無駄にスカした少年 mannered boy」や「両親が海外出張中の少年 fancy-free boy」だったり、
「ヒロイン」が「一身上の都合で義理の妹 class:sister」や「カマトト生徒会長少女 head girl」だったり
そんな「主人公」や「ヒロイン」達30人ほどと幼馴染だったり、
友近達也が友達キャラクターを兼任しているという設定にまず興味を引かれました。
周囲の「主人公」にないがしろにされ、「ヒロイン」には暴力を振るわれたり相手にされない、
そんな友達キャラクターにもちゃんとした意思があるんだよ、という所から始まり、
じゃあ「ヒロイン」を寝取れ、と誰にする？　と命に言われ決断しようとする所までが体験版に収録されています。
漫画やゲームのネタ多め。

「主人公」にないがしろにされ、「ヒロイン」には暴力を振るわれたり相手にされない状態を友達の立場からみると、
いくらなんでもこれは酷すぎるなあ、と実感させられましたし、
そんな目に遭った友達の立場から冷めた目で見るいちゃいちゃは面白くないなあ、と思わせられました。
ただ、そういう構成の作品であるにしても、そんな面白くないシーンを何度も何度も繰り返され思い知らされた状態で、
達也の相手をしてくれる命、隣子、那波（量産型「ヒロイン」ではなくこの作品のヒロイン）
とのやりとりを心底楽しめるかというとそういうわけにもいかず、
それが両方合わせて約四時間続くのはちょっとキツいものがありました。

とはいえ設定や序盤のつかみ、それに命が提案するヒロインを寝取ろう、という案などは文句なく面白そう！　と思えるものなので、
反旗を翻した友達キャラクターはどういう結末を迎えるのか、気になる作品です。
(2014/10/17)

黄金舞う蒼き都でver 2014_8/StudioKOGANE（無料）

2073年、親族が経営する製薬会社の社員として中国の海軍基地へ納品に訪れた瑞樹青（みずきせい）は、
そこで最新鋭の戦闘空母強奪事件に巻き込まれてしまう。
それは大国同士が戦争へと突入する引き金だった。


選択肢あり、異能、バトル、六時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は違和感を覚えるものもありますが、笑顔が綺麗でした。

幼いころに中国で暮らしていた主人公が、中国、アメリカ、オセアニア等が関わる紛争に巻き込まれ、
その中で何人かの女性と親しくなったりしていきます。
ver 2014_8では呂飛（ルー・フェイ）と麗華、二人のヒロインルートを最後まで読むことができます。
主人公の主観が強い文章で、当の主人公すら把握できないような事態が次から次へと襲ってくるため、
今どのような状態なのかや誰が何をしているのかが、かなりわかりにくいと感じてしまいました。
逆に、主人公がヒロインを想っていることがひしひしと伝わってくる文章でもありました。ちょとちょこのろけられます。
また、ルートごとに各登場人物の立ち位置がガラリと変わって色々な一面を知ることができる作品で、
枷のないフェイの強さや、麗華のへたれっぷりが印象に残りました。
(2014/10/18)

雨鈴 体験版/StudioKOGANE

船を浮かべるために巫力というものが必要な世界。
山中にある緋ノ宮集落の姫巫女、麗華は妹の春華が惨殺されていることを知らされる。
一方彼女の幼馴染、青は帝都で民俗学を学ぶ学生の永山による緋ノ宮集落の調査に協力し、春華の死の謎を解き明かそうとするのだっ
た。


選択肢なし、因習、伝奇、四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章が一ページ分一気に表示されてしまうのがやや気になりました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は背景に陰鬱さがありました。

春華の死が獣によるものか私刑によるものかそれとも……ということを麗華、青、永山の三人で調査していきます。
体験版では解決編の前まで収録。タイトル名の読みは「うれい」
視点が頻繁に変わるのにどこから変わっているのがわかりにくく、読みにくさを覚えました。
ですが、良くないことが起こっているのに正体がつかめない不安感が全体に漂っている物語でした。

過去の作品感想：黄金舞う蒼き都で
(2014/10/19)

私に咲く華を見て彼は笑った【かたりつぎ≒『私』】/NeOres（500円）

民に神からの言葉を告げるかたりつぎが崇められているクニがあった。
かたりつぎに指名された羽衣（はごろも）は執務を取り仕切る騙継の古都葉（ことば）と親密な仲になる。
しかし、重要な役割である「かたりつぎの儀」は失敗が続いていたのだった。


選択肢なし、古代、真実、四時間十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽、絵は【精神≠現実】【常識≠真実】と同様。

【精神≠現実】【常識≠真実】で出てきた「かたりつぎ」が実在した昔々の出来事。
最初は羽衣の視点で、読み終わると別視点で読むことができるようになります。
【精神≠現実】【常識≠真実】と同様に「真理を追うゲーム」とされていますが、
今回の話は真理追求よりも物語性メインという印象。
羽衣のお付きの杏粉（あんこ）やクニのに住む子供の江唯（えい）など、脇役の言動に信念が感じられましたし、
羽衣（はごろも）の聡明さや覚悟にも、ぐっときました。
それにひきかえ古都葉様の駄目っぷりときたら……！！　まあ可哀想ではありますが。
話は迷信がより幅を利かせていた時代の悲劇といった感じでもどかしかったです。
また、【精神≠現実】や【常識≠真実】では漠然としたまま話題に上がったかたりつぎでしたが、
今回の話を読んだ後にもう一度【精神≠現実】や【常識≠真実】を読むと、
ここはこのことを言っていたのだな、というような感慨深いものがありました。

過去の作品感想：私に咲く華を見て彼は笑った【精神≠現実】、【常識≠真実】
(2014/10/20)

ガランサス　お披露目版（18禁）/EGGLUCK

椎名真は双子の妹のことを何よりも大切に思っていた。
病弱で入院している妹のもとへ足繁く見舞いに通いながら、友人たちと他愛もない話をする日々。
しかし街では行方不明になる人が大量に発生していた。


選択肢あり、心霊活劇、フォークロア、三時間十五分ほどで読み終わりました。
グロテスクな描写があるので苦手な方は注意。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなこととがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は完成版ではないためかラフ絵っぽい感じだったり、描写と合っていなかったりします。
女の子が全裸というシーンなのに服を着た立ち絵が表示されるのは許しがたい……！！！　ちくしょう。
でも一目で妖狐だとわかるヨウコさんの髪型が良いなと思いました。

お披露目版は山場でこれからどうなる？　というところでおしまい。
前半は青春的な友人たちと馬鹿やったり悩んだりという感じで、
そんな中、妹のことになると変態極まりない執着を見せる主人公にドン引きでした。
（例：妹の部屋を勝手に掃除し、パンツの種類・枚数を完璧に把握）
中盤以降は一転、ひたすら猟奇的な描写が続いたり、なんとか逃れかけたと思ったらまた絶望的な状況に陥ったりと、
これでもかというほど酷い目の連続で目が離せませんでした。
説明的すぎるテキストや上記システム、絵など、読んでいて引っかかる部分も多かったですが、
前半後半の落差や、絶体絶命のところでおしまいになるので続きが気になる作品でした。
(2014/10/21)

Lych 〜リッチ〜　体験版/月うさぎプロジェクト

月にある荒廃した街に住む元プログラマーの宮下 洋介は元技師の高坂 明と共に犯罪に手を染めようとしていた。
それは高坂の娘で、洋介の姪でもある千春の心臓病を治す費用を稼ぐため。
決行前夜、洋介のもとへLychと名乗るものからそんな犯罪より自分の計画に協力しないかというメールが届く。


選択肢あり、月面、サスペンス、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は描写と立ち絵で服装等が合っていないところがありましたが、
リッチのうさんくさい容姿や恵のぽやっとした表情などは性格と合っているように感じました。

この体験版は洋介編の全て（続きがあるのかもしれませんがとりあえず一区切り）と、
月にある研究所の所員である恵編の途中までを読むことができます。
洋介編は極秘任務なのにリッチだけでなく洋介も色々悠長にしていてちょっと緊張感に欠ける部分はありましたが、
ラストがあまり葛藤なく、さくっと行動していてそれが逆に薄ら寒さを増幅していました。
恵編は人畜無害そうな恵の過去が波乱万丈で、恵の苦しみがひしひしと伝わってくる話でした。

過去の作品感想：子守唄を貴方に・・・
(2014/10/25)

虚構英雄ジンガイア Vol.1/ばかすか（500円）

神原英雄は愛する妻の鳴海と二人の子供と共に、裕福ではないながらも幸せな家庭を築いていた。
しかし休日に皆で出かけた先で、世界は一変してしまう。
消えた家族、崩れた建物、突如現れた化け物。そして化け物を倒すロボットまでもやってきたのだった。


選択肢なし、ロボット、家族、四時間足らずで読み終わりました、修正パッチあり。
体験版の感想はこちら
システムはバックログが消えることがあるのがやや不便。
音楽は不穏さをひしひしと感じました。
絵は姉妹が可愛かったりぞくっとしたり……。

Vol.1では鳴海の妹、美波（あだ名：ナンシー）を中心に英雄や鳴海との関係が語られていきます。
そこここに何故世界が変わってしまったのかという示唆がありますが、まだまだ実際どうなのかということはわからないまま。
英雄が家族を守ろうとして取る行動が力不足すぎて、余計なことを……と感じてしまいますが、
そういった無力さが今後の話に関わってくるような流れになりそう。
今回はナンシーの過去にあった出来事と感情が明かされ、それだけでも切なくなるような話でしたが、
それを踏まえたうえでの現在起こっていることの残酷さに惹き込まれました。
ナンシーが本当にいじらしくて可愛い！　です。
目まぐるしく事態が動きながらこの先どうなるのか、と興味を持たせる終わり方で、Vol.2も楽しみです。
(2014/10/26)

こいあい＜序章、一章＞/まよいせん（1000円/Android版序章無料）

幼馴染の橘俊也と藤宮加奈は仲の良い日々を送るもいまだ付き合ってはいなかったが、紆余曲折の末、二人の気持ちは通じ合う。
しかしその前後、見知らぬ少女が彼らの周囲に現れ、敵意を向けてくるのだった。


選択肢あり、恋愛、学園、ボイスあり。序章、一章合わせて一時間半ほどで読み終わりました。
システムは文章速度変更ができないこと、スキップできないこと、セーブが一か所にしかできないことと不便な個所がありました。
音楽は序章のＥＤ歌が明るさ美しさ切なさを感じさせる歌でお気に入り。
序章、一章にＥＤムービーと歌が一つずつあり。
絵はそれぞれのキャラクターによく合っているように感じられました。

序章で俊也と加奈は付き合うことになりますが、そこから不思議な出来事に巻き込まれてしまいます。
一章では二人と同じ学園に通う本間修一と義妹の千穂が中心の話。
全体的に誰も彼も情けない行動が多かったり、
一章前半で俊也がほとんど何もしていなかったりしていて歯がゆい部分があります。
でも、一章ラストはなんとかなって良かったなあと思うとともに、
解決したっぽいのにまだ二章と最終章があるなんてどうなるんだ……と気になりました。
(2014/11/4)

LOST:SMILE -Pre First Edition-/Tears Of Mermaid

幼いころに死んだ父親がかつて住んでいた星美島。
十四年前に一度だけ訪れたことがあるその島へとやってきた樋口有紀は、
ある民宿に滞在しながら八月の日々を過ごしていくのだった。


選択肢あり、南国、恋愛、ボイスあり、四時間半ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な所はないですが、強いて言えば選択肢が多めなので選択肢後もスキップ継続ができるといいなと思いました。
音楽は特に合わない箇所なし。ＯＰムービーと歌あり。
絵は先行ラフ開発版とのことで、立ち絵や一枚絵が色なしの線画だったりします。

この-Pre First Edition-では全ヒロインのうち（おそらく）二人のヒロインルートを途中まで読むことができます。
共通ルートでは各ヒロインとのシーンが続けて発生して、
一週間ほどの間サクサクかつ賑やかな日々を過ごすことができました。
……もっとも全てのフラグを折っていくスタイルだとやがて誰とも出会わず島を徘徊するだけになりますが。
個別ルートはこれから盛り上がりそう、というところでお終いになってしまうのでおあずけを喰らった気分でした！
(2014/11/12)

Pacifista The First Fragment/BAMBOO（1500円）

未成年は街の外に出ることができない決まりがある海神市。
そこで昨年末に起こり、未解決のままになっている二つの事件があった。
ある日の夜、忘れ物を取りに高校へ侵入した主人公はメイドと魔法少女が闘っているところにはち合わせてしまう。


推理モード以外では選択肢なし、ハイスピードガンシューティング・ミステリーノベルとのこと、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
ver0.3xの感想はこちら
Side Scenario "BLACK BOX"の感想はこちら
システムは文章速度が遅めなのがやや不便。また、いくつか演出ミスなどが見受けられました。
演出や音楽、システムデザイン等スタイリッシュ。
絵は立ち絵の他にメッセージウインドウ左にデフォルメキャラが表示されます。

今回は一学期に起こった「第一高校篭城事件」「七番街少女変死事件」
それにSide Scenario "BLACK BOX"を加筆修正した「BLACK/WHITE」が収録されています。
今後もう一つのシナリオ「Counter PaciFesta!」も追加予定とのこと。
解決パートのジェイルブレイクモードは、正しい推理を選択肢から選ぶのですが、
その前に制限時間内に移動するターゲットをクリックしたりする攻防があり、
それに負けていると選択肢が虫食い文字列になったりと難易度が上がります。
推理の難易度としては、前提開示やヒント部分では解けなくても選択肢の内容でだいたい察することができてしまったりします。
ただ単語入力しなければならない箇所ではそうはいきませんが。
話はどの事件も真相は穏当なところに落ち着いていてほっとしましたが、今後もそうなるのかどうなのか……
また、テキスト量以上に色々なことが起こるように感じられる盛りだくさんな内容でした。

過去の作品感想：首無公 体験版
(2014/11/16)

ナイルの花嫁　第一話/ラマダン・ソフト（2000円）（DL版の購入はこちら）

紀元前よりナイル川へ美しい娘を生贄に捧げる儀式が続く西暦600年代のエジプト。
村一番の美貌であるメアリーは母の言いつけで顔を隠して日々を送っていたが、
エジプトを支配するビザンツ帝国の貴族の息子ダニエルに見染められ求婚される。しかしダニエルの母はそれを許さなかった。

選択肢なし、エジプト、生贄、三十分ほどで読み終わりました。
システムは全画面テキスト表示になるとオートやスキップボタンが消えることや、
メニューから左クリックで抜けられないことなど細々としたところでやや不便な箇所がありました。
音楽は特に合わない箇所なし。
ボイスや絵は素朴さや悲痛さ、粗野さなどがそれぞれ良く出ていると感じました。背景に動きのある演出多め。

第一話ではメアリーとダニエルがお互いに好意を抱くも、そのまま順調にはいかず……という流れ。
アクション要素もありますが、難易度はかなり低め。
メアリー側の登場人物がみんな迂闊な行動で危機を招いていて、悲劇といった部分はちょっと薄く感じられてしまいましたが、
迷信や宗教による理不尽さがしっかりと描かれていると思えた作品でした。
(2014/11/17)

WAS 〜レピドプテラの砂時計〜 Rchronicle/S.R.L （時空調査研究所）（1000円）（DL版の購入はこちら）

黒川財閥の次期当主、黒川忠芳は見知らぬ教会で目を覚ます。話を聞くと、自分が死んで葬儀が行われるという。黒川家へ確認しに行くと、死んだ男は明らかに別人なのに誰もが忠芳であると疑っていなかった。
途方に暮れた彼は、教会に住まわせてもらい、修道女、ロザリオのお世話になることになる。


選択肢あり、ディストピア、蝶、異能、一部ボイスあり。四時間十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。ＯＰにムービーと歌あり。ＥＤに歌有。
絵はリンのお腹や脚に健康的な色気あってグッときます。一枚絵は三十九枚＋差分。

スラムに住む少女、リンと親しくなっていくうちに周囲で不審な事件が起き、それを調べていきます。
今後別のヒロインが中心となる話があるような引きで締められます。
一区切りはつきますが忠芳が別人になっていた理由など多くのことが明かされないままで、
物語の核心部分はまだまだこれからといった感じ。
中盤までの主人公の言動は実力と釣り合っていなくてイラッとする部分もありました。
ですがそうやって時には間違えながらもだんだんと着実に頼もしくなっていく過程が
しっかりと描かれていて終盤は格好よく思えました。
また、そうして成長していく主人公がリンや教会の住人、スラムの人々と
打ち解けていく様にも暖かいものを感じられた話でした。
(2014/12/11)

Statice/DEEP SEA（200円）

政府によって改造され人ならざる力を獲得した能力者によって第三次世界大戦は終結へと導かれる。
しかし平和になった後、能力者達は迫害されるようになってしまう。
深海翔真は東京へと上京する途中、マスクをした少女、日向留美と出会う。彼女は能力者の特徴である発達した犬歯を持っていた。


選択肢なし、近未来、差別、ボイスあり、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは時折文章がメッセージウインドウに入りきっていない箇所があるのが少し気になりました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は留美の不安や笑顔などの表情が良かったですが、
口を開けた時にも犬歯が見えなかったので、一つくらいはそういう絵があってもいいかなと思いました。
また、銃の発射演出ムービーが何度も挿入されるのがちょっとテンポ悪いかなと感じました。

周囲から差別を受ける能力者で、かつ記憶喪失の留美のことが気になり、不審がられながらも彼女の手助けをしていきます。
第一部となっていて一区切りは付きますが、これから先の大きな目的ができたところで終了。
若干テキストに言葉足らずな所があって、その文章が何を指しているのかちょっとわかりにくいと感じてしまいました。
あと、能力者が迫害される理由が人を超えた化け物のような力を持っているからと序盤で書かれていて納得していたものの、
終盤そうではないという可能性が示唆されます。ただ序盤の理由を覆すほどの根拠が明かされなくて、もやっとしました。
ですが、主人公と留美の距離が段々と縮まっていくのは微笑ましいものがありましたし、
能力者への迫害の酷さもしっかりと伝わってくるように描かれていた作品でした。
(2014/12/16)

デイグラシアの羅針盤　本編α/カタリスト（500円）（DL版の購入はこちら）

2033年8月1日、多くの乗客を乗せた深海遊覧船SHEEP�Vは沈没し半分近くの区画に水が入り込んでしまった。
生き残ったのは、わずかに数人。加えて機器が動かなくなり、外部との連絡も取れなくなってしまう。
事故の理由とは？　深海に潜むものとは？　彼らは無事に生還することができるのだろうか？


選択肢なし、深海サスペンスADVとのこと、十時間足らずで読み終わりました。名前入力あり。
システムは場所表示や時刻表示など、いつどこでの出来事なのかがわかりやすかったです。
……意図的にか表示されないシーンもありますが！
音楽は特に合わないような箇所なし。ＯＰにムービーあり。
絵は場面ごとの感情に合った表情になっていました。

本編αは特定ルートを最終日までプレイ可能とのこと。一区切りつきますが明かされない事もたくさん残っています。
深海で動かなくなった潜水艦内でなんとかして生還しようとしていきますが、
機器のトラブルや人同士の諍い、怪しげな深海生物など様々な困難が襲いかかってきます。
主人公？　が添乗員がすぐそばにいるときでも独断で行動したり、
タイムリミットと言われた時間を過ぎても当面問題なさそうだったり、
他にもいくつか本筋とは関係なさそうな部分で腑に落ちない箇所がありました。
ですが、深海で身動きとれない閉塞感や、次に何が起こるか分からない緊迫感にはドキドキさせられましたし、
深海豆知識や進化の話にはわくわくさせられました。
なにより今回語られていない部分で何が起こっていたのか興味をそそられ、続編を読みたくなる作品でした。
あと、ときわが絡むコメディシーンが結構な割合で後々致命的な要因になっていて、
こんなのんきな空気のまま追いつめられる主人公が不憫になります……が、
もしそのコメディもときわが意図的に作ったものだったら…………ときわ、恐ろしい子！
(2014/12/25)

魔族性態観察リポート - 魔物編 - ver1.00（18禁）/うげ屋（300円）

「性」をテーマに魔族の生態に迫るドキュメンタリー。
第四回は魔物編。辺境都市周辺で蠢く彼らにスポットが当たります。


選択肢なし、リポート、魔物、三十分ほどで読み終わりました。
ゴブリン編の感想はこちら
ワーム編の感想はこちら
インプ編の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はなし。
絵は解説陣の仕草がコミカルで豊富でした。

司会のお姉さん、コルチンと解説のゴブ吉さんが、魔物たちに犯される女の子の様子を実況していきます。
魔物の種類はミミズ型、カエル型、植物型の三種類。
いつもながらゆるくてナチュラルに鬼畜が実況解説が楽しかったです。
また、今回魔物ごとに凌辱される娘が変わりますが皆可愛くてエロかったです。
恒例のコルチンＨシーンもしっかりありますが終始余裕なのでエロさはやや控えめな印象。
シーン追加パッチも予定されているとのことで早く味わってみたいと思いました。

過去の作品感想：stray witch /hito no tane、魔族性態観察リポートゴブリン編、ワーム編、インプ編、ておくれリセット　ver2.00
(2014/12/31)

喪失の少年少女　第二部：死/nostalgia（500円）

第三次世界大戦に敗れ、東京周辺以外が荒廃した日本。
幼いころに両親と妹をテロ事件で失った宮内愁吾は復讐心を隠しながら探偵となっていた。
ある日舞い込んできた人探しの依頼。それが過去のテロ事件と繋がる可能性が出てきたのだった。


選択肢あり、日常崩壊系ビジュアルノベルゲームとのこと、五時間ほどで読み終わりました。
流血・過激な描写があるので苦手な方は注意。
第一部：殺の感想はこちら
システムはセーブロード画面などから右クリックで戻れないこと、バックログ量が少ないこと、
既読スキップがないこと、文章速度を変更しても初期設定に戻るときがあることなど細々としたところで気になる部分が。
ＯＰにムービーと歌あり。ふわふわ華やかな第一部とは一転、格好良かったです。
絵は特に疲弊した様子がよく伝わってくる表情がいいなと感じました。一枚絵は二十三枚。

第二部はあまり難しくなさそうだった依頼が実はとても危険であることが判明し、
それを思い知ったのちどうするか、というところで第三部へ続く。
第一部と同じ時期で違う人物視点の話なため、その時の思惑など新たに明かされる部分はありますが、
一番大きな問題についてはまだほとんど謎のままでした。
愁吾たちの保護者的な探偵事務所の所長が危険に対し逃げ腰ではありますが、
むしろ必死で大切なものを守ろうという姿勢が好感持てました。
しかしそれでは話が進まないわけで……第三部では第一部と第二部の主要人物が
どのように関わって危険なことと対峙していくのかが気になるところです。

過去の作品感想：カミサマの好きな色、ここのえこころ
(2015/1/1)

（同人ソフト番外編・その他）

1001回目の蒼い月 〜THE INTRODUCTION〜/チェーン荘

「1001回目の蒼い月」本編の舞台紹介。
選択肢あり、ファンタジー？　ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。最後にムービーと歌あり。
絵はみんな可愛かったり格好良かったりでした。

預言屋のリンネと共に舞台となるフォルモーントの城塞都市を巡ります。
ファンタジーな世界観ではありますが、ムービー中に現実世界の単語が出てくるので
本編ではなにか繋がりがあるかも？　と思いました。
今回は城塞都市のいくつかの施設を回って、登場人物たちとちょっと会話したりでおしまい。
平和な国、と強調されていますが不穏さも潜んでいる内容でした。

過去の作品感想：静寂に電気鋸、オフライン少女
(2014/9/16-1)

ALL ABOUT THE MAN CALLED CRIMSON/因果堂Type-I.G.（無料）

THE MAN CALLED CRIMSON-Episode I〜Episode Finalまでの全シナリオを収録。
また、Episode Finalには新たにBEGINNINGシナリオが収録されています。
BEGINNINGシナリオはEpisode Iへと繋がる前日譚。
選択肢なし、三十分足らずで読み終わりました。一枚絵は五枚。

ラストには、これから物語がはじまるんだ、という感慨を覚えました。
あととりあえず失禁が印象に残ります。
本編の戦闘では量子コンピューターシュアルは色々と制約が多くて活躍しきれない場面もありましたが、
戦闘以外の場面での底知れなさにハッとさせられるものがある今回の前日譚でした。

過去の作品感想：夢剣、THE MAN CALLED CRIMSON、TWADの物語 Vol.1　Vol.2　Vol.3、自殺者専門 エンマ様vol.1 vol.2、しんきょく！
(2014/9/30-2)

渡り鳥の門は遠く sing again（12推）/Studio F#（1800円/フリー版あり）（DL版の購入はこちら）
鍵のない箱（15推）/Studio F#

「渡り鳥の門は遠く sing again」は「渡り鳥の門は遠く」から立ち絵・イベント絵を一新し、
後述の「鍵のない箱」や他作品に繋がるいくつかのエピソードを追加したリメイク版。
「渡り鳥の門は遠く」の感想はこちら
「シュガードロップ・ブレイクアウト」や「紫灰の日時計」でエウロの事情を知ってから読み直すと、
このシーンはこういう背景があってこういう行動になったんだ、というような新しい発見がありました。


「鍵のない箱」は「渡り鳥の門は遠く sing again」に同梱されている後日談。
本編で暗躍していた集団のその後が中心。

選択肢あり、四時間半ほどで読み終わりました。
システム面では育成ゲーム風味で、何度も選択をするのですが画面切り替えが遅めでやや面倒に感じました。
音楽はＥＤの歌がすがすがしくも寂しい曲でいいなと思いました。あとネオポリスの曲が懐かしい！
絵はミミの細さが彼女の生活を良く表わしていると思いました。一枚絵は差分含め百二十八枚。

本編の後に残された二人が一応の目的を持ちつつも寄り道したりし、選択肢によって十三のエンディングに分岐します。
「渡り鳥の門は遠く」の主人公サイドの後日談もあり。
ラフィータ何やらせても成功してて育てがいがあります。……悠長にしてるとだめですが。
スタッフロールが流れるエンディングは二つで、どちらもミミが軽率ながら最後の一線では慎ましやかで、
そんな彼女が幸せになるところを見れて良かったなあと思いました。

過去の作品感想：メルクリウスの青い砂、渡り鳥の門は遠く、シュガードロップ・ブレイクアウト、リ・エンゲイジ、天使の証、姫君のトアル一日、
雨の小鳥は祈りの空を見る、紫灰の日時計
(2014/10/27)

シュガードロップ・ブレイクアウト SPECIAL EDITION（乙女15推）/Studio F#（1200円/フリー版あり）（DL版の購入はこちら）

「シュガードロップ・ブレイクアウト」から新規ルートやエピソードを追加、ＣＧ修正した新装版。
「シュガードロップ・ブレイクアウト」の感想はこちら

新しく追加された影の剣ルートは選択肢あり、一時間半ほどで読み終わりました。
本編中盤から分岐するエリン先生ルートで、ネタバレ多すぎるため話の内容については伏せます。
が、私はゲオルグとニムロデを一生許さない！　と決めているので、
（もちろん「シュガードロップ・ブレイクアウト」及び「メルクリウスの青い砂」での所業のため）
むしろ影の剣ルートが正史でいいんじゃ？　と思わなくもなかったりしました（ちなみにベネディクトはわりと好き）
ジェラルドは可哀想ですけどね……

過去の作品感想：メルクリウスの青い砂、渡り鳥の門は遠く、シュガードロップ・ブレイクアウト、リ・エンゲイジ、天使の証、姫君のトアル一日、
雨の小鳥は祈りの空を見る、紫灰の日時計
(2014/10/28-1)

Ｃ86シールラリー　ドウジン　夏のゲーム祭り　景品ディスク

Ｃ86シールラリーでシールを全て集めると貰える景品ディスク。
このゲーム内でもシールを集めていくという趣向になっていて、凝っているなあと思いました。
また、ゲームの他に壁紙も収録。

「 消えたライジング・パープル」の感想はこちら

M男さんとS男さん！？（乙女）/プリンセスクラウン

主人公が二人の男の言動に巻き込まれる話。選択肢あり、十五分ほどで読み終わりました。二つのルートに分岐します。
有馬さんの恍惚とした表情が破壊力ありました。
話も有馬さんルートが、もう一つのルートのことを強引に巻き込んでまとめていて、
なんだかんだ幸せそうだなあと思いました。

深夜のドライブ（乙女）/KUMYS

深夜、好きな人に車で家まで送ってもらっている途中に怪談話が始まります。
選択肢あり、十五分ほどで読み終わりました。エンディングは三つ。
バッドエンド１でなんで主人公があんなにお笑い方向へ乱心するのか……いや序盤でそのケはありましたが。
それ以外はぞわぞわしました！

過去の作品感想：カランコエ、Kiitos!、君に捧げるモノトニア、Kiitos?体験版

ショタに至る病（乙女）/Ray

ショタ欠乏症を患ってしまった財閥のお嬢様が二人のショタと別荘で一週間過ごす話。
選択肢あり、一時間半ほどで読み終わりました。エンディングは九種類。
十五歳以上の男を受け付けず、ショタ成分が切れると様々な症状が現れるという
（過剰摂取しても拒絶反応が）アホらしい深刻な病に苦しみつつショタに悶えるお嬢様が笑えます。
また不治の病という様相でベッドから起き上がれない状態から、
ショタのいる別荘へ行くことが決まり完治したかのごとくいそいそと準備したり、
最終日の儀式、ショタ替え歌など、くらくらする世界観な作品でした。

過去の作品感想：魔歌使い、時函 -Time Capsule-、虚実ゲーム　または時函予告編・解答編付、月夜に処女は恋文を濡らす、ときたま！〜時函玉手箱〜、千の祈りのパラドクス

FRAGILE（ＢＬ）/銀灯

二年前に起こった、ある人が死んだ出来事を思い返していきます。
選択肢あり、五分ほどで読み終わりました。
ノイズ交じりの背景が印象的で、
心に引っ掛かるものを残す話でした。

過去の作品感想：アンダーブルー

閉塞空間（ＢＬ）/a.m.

気が付いたらとても狭い場所にもう一人の男と共に閉じ込められ記憶を失っていた、という所から始まる話。
選択肢あり、十分ほどで読み終わりました。
体勢を背中合わせにしよう、というところから表示される一枚絵、という流れになんだか笑ってしまいました。
あと最初から薄々そんな感じではありましたがやっぱり「囲 -カコイ-」や「犯犯衝動」の如く……！！！

過去の作品感想：僕の就活日記、マスター×マスター　〜××を極めし者〜、pure blue、ウラデラ、就活ＤＸ、私と、そして誰かの記録。、摩天大楼的恋愛、マスター×マスターＳ、ここだけの話２０１０、囲 -カコイ-、犯犯衝動

カルツェ王立士官学校　-夏季特別実習編-（ＢＬ）/三毛猫らぼらとりー

「輪舞曲」の番外編。カルツェ編でバルトが通う士官学校の夏季特別実習の話。
選択肢あり、五分ほどで読み終わりました。
バルトがいつの間にそんな二人を手玉に取るように……！　と思いました。
本編は殺伐としていましたが、この番外編は平和でのんびり生暖かくカルツェ陣営を眺められる話です。

過去の作品感想：SMOKING CHOCOLATE.、無伴奏組曲、輪舞曲

Ｍ・Ａ・Ｉ・Ｌ/TEAM HATSUSHIBA

一人だけ違う所にいる主人公が三人の友達とメールをしていきます。
選択肢なし、十五分ほどで読み終わりました。
九月中に行われたやり取りを、完全な時系列順ではなく
一人のメールを九月末まで読んでから別の一人のメールを最後まで……と読んでいきます。
ラストの一枚絵が綺麗で印象に残りました。
（ネタバレのため以下反転）
最初死後の世界から三人にメールして、三人もそこへ向かうようなことを予想していましたが、
思っていたよりは救いがあって良かったです。
あと150光年先とどうやってメールのやり取りしてるんだと思いましたが、
きっと謎のワープ技術があるんでしょうね……

過去の作品感想：Knight of Trust、真夏の青、銀色の君、fall、摩天大楼的恋愛
(2014/10/29)

ひぐらしのなく頃に奉/07th Expansion（2500円）(購入はこちら)

「ひぐらしのなく頃に」、「ひぐらしのなく頃に 解」、「ひぐらしのなく頃に 礼」のメインシナリオ全てと、
「ひぐらしのなく頃に」の元となった「雛見沢停留所」
「ひぐらしデイブレイク」発表時の書き下ろし外伝「ひぐらしアウトブレイク」
今回書き下ろしの続編「ひぐらしアウトブレイク〜神姦し編〜」を収録。

選択肢なし、三時間半足らずで読み終わりました。修正パッチあり。
システム、音楽、絵は「ひぐらしのなく頃に」と同様。ＥＤに歌二曲あり。

「雛見沢停留所」は脚本が元とのことで台詞とト書きで話が進んでいきます。
配役やほぼ停留所で進行しますがおおまかな真相は「ひぐらしのなく頃に」の一部と近いです。
その道のプロがなんでそんな挑発して事態を悪化させようとするの……と思ってしまう部分はありましたが、
手に汗握る緊迫感がある話でした。

「ひぐらしアウトブレイク」「ひぐらしアウトブレイク〜神姦し編〜」は
雛見沢村が突然ウイルスの蔓延で隔離されてしまうという話。
かなり強引な展開に感じてしまうところが結構ありましたが、
一番最後はなんだかんだほっとさせられる締めで、圭一やレナ達はそうでなくちゃ、と思えました。

過去の作品感想：ひぐらしのなく頃に、ひぐらしのなく頃に礼、うみねこのなく頃に、彼岸花の咲く夜に、Rose Guns Days -season1-
(2015/1/4)

異端審問官の愛寂（乙女15禁）/agony/禁飼育（700円）

底なし沼にはまっていた修道女、こぼねは沼地の城の主、クルイヌに助けられる。
偶然、こぼねは沼地の城へ半年間の奉仕に行く途中だった。
最初は失敗しながらもだんだんと城に馴染んでいくこぼね。そして半年が過ぎていった。


選択肢なし、「魔女の処刑日」の序章、三時間十五分ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システムは「魔女の処刑日」と同様。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はこぼねのあわあわした表情が微笑ましかったです。一枚絵は二十九枚＋差分。

こぼねも合わせて四人しかいないお城での日々が描かれています。
前半はとても平和な城での生活で安らげましたが、
終盤、クルイヌの思考にこぼねが出てこなくなってしまうのが寂しかったです。
また、いつもの禁飼育さんの作品とは異なる展開これはこれで……
というか主役二人どちらも悪くないのでより悲しくなる作品でした。

過去の作品感想：さくっとパンダ、おじさん、酷罪を受けるべき者、Ｎと言う名の男、Ｂと言う名の女、キナナキノ森、この世で最も残酷なキス、この世で最も淫靡なキス、Chiristmas Coffee、乙女の悲劇は残酷なキス、淫靡で残酷な豚、雨想い、君抱く、家畜おじさん、ちぎみちゃん、鬼ノ仮面、処女失格、魔女の処刑日　前編
(2015/1/12)

（漫画）

一行感想

オタサーの姫がクズ男に孕ませられてオタク男子にヤラレまくり!?（18禁）/とらいあんぐる！　美少女とまではいかない姫のビジュアルに巨乳とか、企画の勝利としか言えない…… 結局姫はヤラれてもなんだかんだスキモノでしたが、もっと凌辱されてほしかったという思いも。うん、でもやっぱりオタサーの姫、いいよね！

「ゆきだるまじけん。」「さよなら、るさんちまん。」/東山神兵　2年3組の女子高生全員がゾンビになってしまった「2年3組・オブ・ザ・デッド」の番外編。ゾンビ同士のダウナーな会話、あるいはゾンビ娘と普通の女の子のテンションの違いから浮き彫りになる、理性はあるけど感情が希薄なゾンビ娘の希薄ゆえの悩みが切ないです。

ユフコク７/冒険野郎のトムソーヤ　四本の漫画とガルパン大洗巡礼レポを収録。戦車に乗った神様が願いを叶えようと社から突き出た砲塔で撃ちまくる「神車戦社」は……恐竜戦車かよ！　という突っ込み待ちでしょうか？　目次がウルトラマンパロだけに。でもジャックはネタにされてませんが。
(2014/8/28)

（小説）

暗中模索/Chain of Being（A6/264Ｐ/500円）

短編小説集。
面白かったのは「主従関係!?」と「フジムラパンデミック」
「主従関係!?」は魔女に貰った不思議アイテムを変な使い方してしまったせいで、
お互いの命令に強制的に絶対服従させられることになってしまった従兄妹の話。
ただし昼間は従兄→従妹の命令のみ有効で夜はその逆。
おかげで理不尽な命令をすると昼夜入れ替わった途端に仕返しされるという状態に。

理不尽な命令に復讐することばかり考えて衆人環視の状況で命令→恋人同士のプレイと思われ変態扱い→我に返って二人してぐぬぬ
という流れるようなドツボ展開にニヤニヤさせられました。
四六時中険悪になっている二人で、昼か夜限定とはいえなんでも命令できるのに、
なんだかんだ犯罪的な命令はしない関係も微笑ましくなる話でした。


「フジムラパンデミック」は女性そのものではなく、女性の持ち物に執着しているために腫れもの扱いされている藤村巌が、
未知の菌を自分の口腔から発見したことから大騒ぎになってしまう話。
様々な、レベルが高いフェティシズムのオンパレードで、
気持ちはわからなくもないですが堂々と口に出したり行動したりする様子は変態の一言。
主人公の幼馴染の佐和子が変態行為にあきれて、主人公がそのフェチの良さを語って、
さらに佐和子がドン引きという会話のテンポも良かったです。
あと、主人公は基本女性の持ち物やそれを身に付けた状態が好きなのに、
佐和子が対象のときは持ち物を身につけて恥じらう様に興奮したりという生身の反応込みであることが、
ほのかに特別扱いで、いいなあと思えました。
(2014/8/29)

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