ガキノハウス
HP
サークルについて
オリジナルのRPG、SLGを制作されています。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/育成SLG |
発表年月 |
2018/7 |
価格 |
フリーソフト |
年齢制限 |
15禁 |
特徴 |
花嫁修業、ファンタジー、恋愛 |
ver2.0時点で選択肢あり、パートボイスあり、十時間半ほどで読み終わりました。
バックログがあり、セーブデータは30個まで保存可能です。
あらすじ
ルカーヒ・ノクウは、元・ノディオ王国一のフラワー・メイヤー。
(※フラワーメイヤー・・・プリンセス候補の教育係)
とある出来事をきっかけに、職を奪われ、階級さえも堕とされる。
すっかりと落ちぶれた彼女のもとに、ある依頼が舞い込んだ。
それは貧民階級出身の少女を、第8王子のプリンセス候補として教育すること。
少女の名は、モリス・スタルウェブ。
兄の出世のためにプリンセス候補になった、物憂げな瞳の卑屈な娘であった。
そんな彼女をプリンセスに育て上げることが、ルカーヒの役目だが・・・?
階級こそがすべてのこの国で、私とあなたはどう生きる?
ともに運命を選択する育成シミュレーションゲーム。
(公式サイトより)
この作品について
約一年後に行われるパーティで王子に見初められることを主な目標に、
平日は運動勉強習い事など花嫁修業、土曜は自由行動、日曜はイベントや次週の計画という流れで
ルカーヒがモリスを教育していきます。
「少年旗戦エンボイズ」のスピンオフで登場人物や世界観は同じもののパラレルストーリーであるとのこと。
エンディングは十一種類。
システムはRPGツクール VXACE製で非アクティブで動かず、文章表示速度も遅いですが、
既に読んだことのあるイベントはスキップ可能なことが有難かったです。
音楽はそれぞれの場面に合っていて、特にここぞという場面で昂揚させられる曲が使用されていました。
OPにムービーと歌、EDに歌二曲あり。
絵はモリスの憂い顔や喜んだ顔、スタルウェブの苦悩など感情がよく伝わってきました。
スタルウェブエンドの演出も印象的です。
また、モリスの服は色々と変えることができ、中にはお色気衣装も。
育成パートは難易度を選べるうえ公式に攻略があるため各エンディングを見ることができましたが、
難易度ノーマルで攻略なしだとかなり歯ごたえがありそうです。
そしてストーリーもとても読みごたえがあります。
ルカーヒは最初自分の思う通り(王族好み)にモリスを強制しようとしますが、
心持ちの変化が大きく二回起こりその上でのスタルウェブエンドの救いに心底良かったと思えました。
あと一緒に暮らしているアーリーンの正体には一杯食わされました!
モリスはとにかくいじらしくて可愛いです。
そのいじらしさは卑屈さでもありましたが、周囲の人々と接することで気持ちを出せるようになっていき、
特にメイサとアルバートエンドで彼らに会った時の台詞から感じられる意思が伝わってきて一番お気に入りの台詞です。
スタルウェブはとにかくもっと素直になって! という気持ちでいっぱいでした。
そんな歯がゆさがあったこともあり、
また彼ら三人を中心に身分制度や過去などを交えて進む物語に、
身分の差が厳然と存在する理不尽さと、高い身分だから幸せなのかという葛藤があることで、
彼のエンディング「おしばな物語」が強く心を打つものになっていました。
「少年旗戦エンボイズ」ではメインだったメイサが妙に女慣れ(でも童貞らしい……)していたり
嫌な奴だったアルバートは格好いいところ(及び痴態)を見ることができたり、
過去作を読んでいなくても問題ありませんが読んでいるとまた違った面白さがありました。
ダイヤの原石を磨いていく楽しみ、読みごたえある物語と結末、魅力的な登場人物……そうした良さがいっぱい詰まった作品でした。