トビウオの夜/hanaco(フリーソフト)
※2017/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
兎追(トオイ)アリスとその従者兎追司が生まれ育った里では、見たものに不幸をもたらすトビウオの夜という呪いが存在していた。
二人は幼い頃にトビウオの夜を目撃して友人を失い、アリスは成長しない体となってしまった。
それから数年後、二人は生徒とその従者二人一組で通う伝統を持つ清山女学園へと転入する。
選択肢あり、主従、学園、葛藤、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
OPムービー、OP歌一曲、ED歌三曲有。
絵は綺麗ですし、登場人物それぞれの性格が表現されていました。一枚絵は十六枚
過去に不思議な出来事と遭遇した兎追アリスとその従者兎追司が、
由緒正しい女学園に転入し、そこに通うお嬢様や従者と交流していきます。
エンディングはバッドエンドを含め四種類。
冒頭から、トビウオの夜という怪現象、生徒とその従者二人一組で通う学園、という二つ特別なことが出てきますが、
どちらも原因が明かされなかったり、終盤は出てこなかったりと若干消化不良に感じてしまいました。
その分、司とアリスや他の従者との関係が中心に描かれています。
お気に入りは従者の一人、横島雅。
明るくて多芸で、司のことがだいぶ好きで、最初から最後まで話を盛り上げてくれました。
(2018/1/16)
レイニートレイン(女性向)/AOL(フリーソフト)
※2017/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
私は雨の日の電車が好きだった。
雨の日にだけ同じ電車に乗っている、名前も知らない彼を見ることができるから。
梅雨のある日、その彼が話しかけてきて……
選択肢あり、雨、恋愛、四十五分ほどで読み終わりました。
システムはLiveMakerデフォルトから文章表示・オート速度変更、画面モード切替等の機能が削られていました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は彼の挙動不審っぷりが伝わってくるものが多くて笑えました。
主人公ちゃんも慌てたり照れたり可愛いです。一枚絵は八枚。
雨の日しか出会えない電車の彼と関わりを持っていきます。
エンディングは三種類で、おまけに前日談や後日談あり。
(ネタバレのため反転)
彼が私のことをそんなに好きなのであれば、
どんなジャンルでも好きな作家の作品くらい読んでほしい……と思ってしまうのは無粋なのでしょうか?
兄の作品だから読みたくないのかなと思いましたがそうだと知らないようですし。
ですが私と彼の初々しいやり取りや、彼を見ることができただけで浮かれる様子が、
瑞々しくて透き通ったテキストで表現されていて、
ニヤニヤするほど微笑ましくて心が洗われるようでした。
私と彼にはいつまでも仲良くいてほしい、と心底思えます……。
(2018/1/17)
恋するイ寺(女性向)/AOL(フリーソフト)
文字が大好きなあまり文字と恋愛したいと考えていた撫子は、
転校初日、道端で怪我をしている「イ」と出会う。
彼は主人公のクラスメイトだった。
選択肢あり、文字と恋愛、、四十五分ほどで読み終わりました。
タイトルは「こいするさむらい」と読みます。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は文字や部首が照れたり落ち込んだりします。
主人公も人間ですがリアクション豊富。一枚絵は八枚。
主人公が文字と恋愛します。あるいはアルパカと恋愛します。
主人公のテンションが昔のベタな少女漫画といった感じなのが特徴的でした。
その上で「イ」のハライに見とれたり、本当に恋愛対象が文字です。
その世界観にくらくらしつつ……作中、歯に青のりを付けて歯医者に連れて行こうとするのは天才の所業かと思いました。
あとマサミ女だったんか……
過去の作品感想:レイニートレイン
(2018/1/18)
夕焼け空の下/AOL(フリーソフト)
小学六年生の少年ケイはお気に入りの秘密基地を自称幽霊のおねえさんに占領されてしまう。
以降、塾へ行く途中に秘密基地を訪れ、そのおねえさん、ヒナノと会話を交わすようになる。
ヒナノは自分が日々減っていくことを恐れていて……
選択肢あり、嘘、おねショタ、二十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度変更がなく遅めなところがやや不便でした。
音楽は穏やかな曲調が話に合っていました。
絵は拗ねたり怒ったり喜んだりなケイくんの表情が魅力的でした。
ちょっとませた少年と自称幽霊なおねえさんが夕焼け空の下、会話を交わします。
エンディングは二種類で、トゥルーエンド(?)に辿りつくために必要な選択肢が物語に沿っていて納得できました。
また、ケイとヒナノの会話には微笑ましくて暖かい気持ちにさせられました。
(ネタバレのため反転)
好きな台詞は「ヒナノさんが僕の大好きの一番上になっちゃったじゃんか…。」です。
ケイくん可愛すぎる……!
オチルチカ/AOL(フリーソフト)
小学六年生の女の子、チカ(近村)はクラスの人気者。
ある日同じクラスの田島恵(タジマケイ)がチカのことを好きだという噂が流れて……
選択肢なし、落ちる、執着、三分ほどで読み終わりました。
千文字喫茶2参加作品。
システムはスキップ以外の機能なし
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はスマホ風の縦長画面にチャット風の文章表示、ピクトグラムのアイキャッチ等のデザインが目を引きます。
チカが落ちます。
田島恵君は「夕焼け空の下」の主人公。
小学校の時とその後で変わるチカの顔グラフィックが、
チカの立場の変化を如実に表していて後味の悪さをより楽しめました。
過去の作品感想:レイニートレイン、恋するイ寺
(2018/1/19)
厨二のセカイ/アンジュ工房(フリーソフト)
そのセカイには“厨二病”という異能を持つ子供がいる学園しか存在していなかった。
ロクが目を覚ますと名前以外を覚えておらず、謎の声から一週間以内に記憶を取り戻せと言われる。
ロクは学園の子供たちとともに日々を過ごしていくが……。
選択肢あり、子供と大人、厨二、三時間半ほどで終わりました。
システムはWOLF RPGエディター。
音楽は若者っぽい(!)曲が多く話に合っていました。足音効果音が複数あるのも良かったです。
絵は色遣いがスタイリッシュで目を引きます。
また、フォントのインストールが必要で、格好良いフォントではありますが
ちょっと「ル」と「ハ」が見分けにくかったです。
ロクが学園で過ごしていくうちに色々なことを知っていきます。
RPG要素もあり、戦闘したり探索したりしていくのですが、
戦闘はレベルを上げて物理で殴っていきました。
探索は難しい所もありましたがサイトに攻略があります。
話は後半一気に謎が明かされるのでプレイ中はちょっと理解しきれない部分があるものの、
クリア後コンテンツ等でフォローはされています。
序盤は厨二な言動をする主人公を生暖かく見守っていましたが、
後半はそんな言動も少なくなり、寂しさを覚えつつも頼もしく進めることができました。
(2018/1/20)
Find〜ファインド〜/アンジュ工房(フリーソフト)
夢を持った人形はそれが叶えられるまで命を与えられるという言い伝えがある街。
ミーシャが目を覚ますと横で寝ていたはずの兄、ハワードの姿が無くなっていた。
ミーシャは動く人形のルイグと共に、家の中を探索するのだった。
選択肢あり、探索、ホラー、四十五分ほどで終わりました。
暴力、流血表現があるので苦手な方は注意。
システムはWOLF RPGエディター。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は突然表示される一枚絵に怖いものがありました。
あとルイグ君が半ズボンで素晴らしいです。
暗号を解いたり襲ってくる何かから逃げたりしつつ兄を探していきます。
エンディングは四種類。
どこが何の部屋か覚えられずに逃げ込めずゲーム―オーバーになることもありましたが、
謎解き部分はちょっと考えれば解けるくらいの程よい難易度でした。
エンディング分岐は難しいですが公式サイトに攻略があります。
話は(ネタバレのため反転)ミーシャとルイグの正体については早い段階で予想できましたが、
全体を通して不穏さが漂っていましたし、エンディングによって印象の変わる物語でした。
(ネタバレのため反転)
ミーシャの身長体重はEND2の縮尺ではなく命がある状態のものですよね。
一瞬、でかっ! と思ってしまいました。
過去の作品感想:厨二のセカイ
(2018/1/21)
メイム/わらび餅ぴざ茶(フリーソフト)
※2017/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
玖村優希(くむらゆうき)が目を覚ますと、見知らぬ世界にいて、何か大事な記憶を失ったという思いがあった。
そこで出会った少女、ホタルからここは優希が妄想していた世界で、鍵を集めて現実世界に戻らなければならないと告げられる。
ホタルと共に鍵を集める旅に出るが、鍵が集まるにつれ、優希は現実でのつらい記憶を思い出していくのだった。
選択肢あり、成長、ファンタジー、二時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないこと、既読スキップがないこと、スキップが遅めなことが不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は綺麗で、特に涙を流す立ち絵が印象的でした。
優希とホタルが四つの国を巡って鍵を集めていく中で、現実の人物をモデルにしたキャラクターと関わっていきます。
エンディングは二種類+バッドエンド。
特に前半、心情の変化が説明的に感じてしまいました。
また、優希がホタルから優しいと言われていますが、あまりそうとは思えませんでした。
ですが、そんな中でも終盤の展開は、優希が多少なりとも前を向けるようになったという成長が描かれていました。
ところで結局ホタルは何者だったのでしょうか……?
(2018/1/24)
廃工場と死とラセツ/物置の中の骸骨(フリーソフト)
※2017/12/24の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
灰市というさびれた街のアパートの一室で目を覚ました主人公は自分のことさえも思い出せなかった。
隣に住む男、秋山に対し、とっさに浮かんだ「ラセツ」と名乗った彼は、
秋山の友人であるレナ、周の二人と知り合い、四人で廃工場へ肝試しに訪れるのだった。
効果音以外のシナリオ、絵、スクリプト、BGM、歌、ボイス(主要人物全員)、ムービーを全て一人で担当されています。
選択肢あり、生と死、廃工場、ボイスあり、六時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はテンポの遅い曲が特に不気味でした。OPにムービーと歌、EDに歌三曲あり。
歌もボイスも抑揚がなく、達者とは言えませんが狂気を感じます。
絵も同様で、背景などは特に遠近感を狂わされますが、
キツネノカミソリとリボンたくさんの場面が怖かったです。一枚絵は三十六枚+差分。
秋山、レナ、周と過ごしていくうちに、彼らの不安定さを味わったり、主人公達の過去が明かされたりします。
エンディングは十一種類。
長台詞が多かったり、ほとんどの登場人物が精神的におかしくなっていったりと、
絵、音楽、ボイスと併せて、付いていくことができないほどでした。
しかし新たなエンディングを見るたびに謎が増えたり明らかになったりしつつ、
最後二つのエンディングでそういうことだったのかと思わせる構成には感心させられました。
最終ルートのスタッフロールで登場人物全員の名前(動物や植物、ぬいぐるみさえも全員!)が表示されるのも圧巻。
シナリオ、絵、音楽、ボイス全てが独特で名状し難い作品でした。
(2018/2/5)
ふたなりアリスとふしぎの国の処女野郎ども(乙女18禁)/グラシアス(DL販売108円)(DL版の購入はこちら)
身に覚えのない罪で女王から魔法をかけられ、ふたなりになってしまったアリス。
魔法を解きたかったら不思議の国の男達を犯せと言われたアリスは、
不思議の国の男達を犯す旅に出るのだった。
選択肢なし、童話、ふたなり主人公総攻め、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は特に軽いノリの表情に味がありました。
不思議の国のア○スをモチーフにしていて、その登場人物をふたなりアリスが犯していきます。
一つ一つのHシーンはあっさりめですが、
突然ふたなりにされて元に戻りたがっていたのに、犯そうとしている時しれっと
「私、実は男になったらフェラされてみたいって思ってたのよね」などとと言い放つアリスや、
最終的にチンポで頭がいっぱいになる三月ウサギなど、その世界観にくらくらさせられました。
過去の作品感想:夏の終わりの殺人鬼
(2018/2/9)
Mistrium-霧の町-/まっちょこ(フリーソフト)
真鍮機関という機械で扱う術「霧術」が生活に組み込まれた町リュトンロッゼでは
霧影、別名虫食いという異常現象が起こっていた。
その町に住む青年フュジは何でも屋を営む傍ら、虫食いの研究と事件の解決を行っていたのだった。
選択肢あり、ファンタジー、霧、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が変更できず遅めなこと、既読スキップがないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は一枚絵や背景で一部ラフっぽい部分はありますが、特に立ち絵はとても綺麗で上手いなあと思いました。
霧が生活を支えてる町で、フュジ達が虫食いに関わることを解決していくうちに町の真実に近づいていきます
ラスト、フュジの幼馴染が大きく関わってくるのですが、
その幼馴染が登場するのが終盤のためか、どこか他人事のように思えてしまいました。
ですが、霧が立ち込める町で、不思議でちょっと残酷な事件が起こるというメルヘンな世界観が絵と併せて魅力的で、
こんな物語、こんな登場人物を描きたいという想いが感じられた作品でした。
(2018/2/19)
幸福の塔(15推)/稲海(フリーソフト)
悪いドラゴンを退治した救世主は神の声を聞き、汚れを知らぬ子供たちの手で神の国まで届く塔を立てることになった。
国中から集まった子供たちは、力仕事をしたり、塔に装飾を施したり、全員のための料理を作ったりして塔を作る。
そこに、ボロ布を纏い言葉を発しない子供が一人やってきた。
選択肢あり、マルチバッドエンド、幸福、一時間と少しで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
音楽は祝福や救いがありそうなクラシック曲中心で、祝福や救いのない物語との対比が、
絵も登場人物が塗りのない線画で、美しい塔やラストシーンとの対比が、それぞれ印象的でした。
新しく塔にやってきた子供が、塔にいる人々の行く末を見て行きます。
エンディングは五種類。
力仕事担当のチネエンドはチネヘの印象が二転三転する所が、
工房担当のイキエンドは凄惨さと周囲の真っ当な冷酷さが、
調理場担当のユクエンドはラストルートの不穏さが特に垣間見える所がそれぞれお気に入り。
全体として俗物が分不相応な試練と分不相応な権力を持ってしまったが故に多くの人々が不幸になる話で、
それを見ることしかできないことにも、主人公が読み手同じ気持ちを抱いていなかったことにも無力感を覚えました。
でも同時に、塔は崩れる。そうでなくちゃならない! とちょっぴりテンションあがったのはナイショです(タイトル画面が既にあの有名な塔ですし)
過去の作品感想:籠の街
(2018/2/21)
マクナ=グラムラとフェアリー・ベル/ALICE IN DISSONANCE(DL販売540円)(DL版の購入はこちら)
10歳までに里親が見つからないと動物にされ売られてしまう孤児院で暮らす少女「マクナ」と、友達の少年「セビア」
ある日二人の元へフェアリー・ベルが現れ、子供たちが永遠に幸せに暮らす場所「エンレス・ランド」へと招待される。
願えばなんでも叶うエンレス・ランド。しかし、オトナになる事だけはできないのだった。
選択肢なし、童話、子供と大人、一時間半ほどで読み終わりました。
システムは演出が豊富なためか私のPCでは頻繁にメモリ不足エラーが出てしまいました。
音楽はエンレス・ランドの楽しげな音楽や、タイトル画面で流れる切ない曲等、それぞれ良い曲でした。
絵も時に可愛らしく、時に恐ろしく、そしてそれが動く演出が随所になされていました。
faultシリーズ世界で登場する童話『フェアリー・ベル』のビジュアルノベルとのこと。
マクナとセビアがエンレス・ランドに居る子供達と出会いながら、幸せとは何なのかを考えるようになります。
固有名詞で独自の単語が出てきたり、時間を三回繰り返すテキスト(例:1年? 10年? 100年?)だったり、
fault世界の童話なのだなということを感じさせるつくりとなっていました。
永遠に幸せになれる楽園と言われているエンレス・ランドですが、その裏にある不穏さがだだ漏れ……
と思いきやそれだけに終わらない山場と、マクナとセビアの行く末に感じ入るものがある作品でした。
過去の作品感想:fault -milestone one- milestone
two 上
(2018/2/22)
TwinEgg 〜狂気の村と二つの神〜/創作同盟くりめいと(フリーソフト)
新聞部でオカルトマニアの葛場礼(かつらばれい)は後輩の堀川真紀と共に怪しげな宗教団体があると噂の村を訪れる。
幼い頃に両親を亡くした三崎来夢(みさきらいむ)はバスジャックされたバスに居合わせてしまう。
十五年前に大きな事件の主犯を逮捕した八代光之助はその残党が起こそうとしているテロを防ごうと奔走する。
そして三つの物語は交差するのだった。
選択肢あり、サスペンス、テロ、伝奇、四時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPに歌とムービーあり。
絵は立ち絵で血が出ている箇所が変わったり描写と合っていない箇所もありましたが、
真紀のふとももがけしからんと思います!
また、スライドイン等の演出が多く使用されていますが
演出中もテキストを読み進められるのでテンポよく読み進めることができました。
最初に選ぶことができる三つの話を全て読むと、それぞれの話の続きである完結編が読めるようになります。
エンディングは二種類+バッドエンド。
十分で大きな屋敷の三つの場所を探索したり、敵を無力化せずに長々と話をしたり、
時間が関わる部分でちょっと引っかかる部分が多かったです。
また、人質が無事生還できた理由は都合の良さを感じてしまいました。
ですがバスジャックが起こってから陰謀が明らかになっていくまでの過程には緊迫感がありました。
それに完結編トゥルーエンドへ至るまでには、
ここでこの選択をしたら結果こうなってノーマルエンドへ行く、という原因が複数あって、
それを一つ一つ取り除いてトゥルーエンドを見ることができたときには達成感を覚えました。
(2018/3/1)
ゆにぱれ!〜Unit of Palette〜/ゆにぱれ製作委員会(フリーソフト)
美大二年生の春、履修登録に失敗してしまった主人公の前に妖精を名乗るクマのぬいぐるみ、クマミが現れる。
クマミは主人公の願いを叶えるかわりにアイドルグループを作り学園祭のステージに立たせるよう言ってきた。
そうして勧誘した十三人の男女学生と共に活動を行っていくのだった。
ルート選択あり、アイドル、悩み、パートボイスあり、四時間四十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更及び性別選択可。
システムはバックログが背景と同化して読み難かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
ED歌「ゆにぱれ!〜Unit of Palette〜」は十三人全員で歌っていて、良い読後感を味わうことができました。
絵は登場人物ごとに表情や髪色、服装等バリエーション豊かでした。
主人公が十三人のアイドルユニットをプロデュースしていきます。
ルートは十三種類ですが、基本的な流れは全ルート共通で、何か所かのエピソードのみ変化します。
ほとんど全員での練習をしていなくて、それで良いステージになるのかなと疑問に感じたり、
クマミの魔法のおかげなのでしょうが色々とスムーズに進み過ぎていると思ったりしてしまいました。
ですが各ルート毎にそれぞれの登場人物の悩みや良いところを知ることができ、
みんなで賑やかに笑っている場面をより大切に思えました。
(2017/3/3)
闇の森の少女ver 1.00/セイナルボンジン(フリーソフト)
マユは弟のユウタの手を引き、闇の森を走っていた。
その森には、恐ろしい魔物が棲んでいた。
選択肢あり、姉弟、ダークファンタジー、十分ほどで読み終わりました。
千文字喫茶2参加作品。
システムはスキップが未読も含めてのもので、選択肢後も継続という設定が、
マユ死亡後、ちょっと前の場面から再開というこの作品の構成では意図せず未読部分を読み飛ばしてしまう事態となってしまいました。
音楽は特に効果音が生々しかったです。
絵は千文字の文章中に百枚ほど一枚絵が使用されているとのことで、
暗い森の中の怖さと魔物の恐ろしさが動きを交えて描かれていました。
ただマユが棒を持って殴りかかろうとするシーンが笑っているように見えてしまいました。
マユが弟と共に魔物から逃げるも捕まって殺されてしまいますが、何故か再び殺される直前に戻ってしまいます。
エンディングは二種類。
最後の選択肢でトゥルーエンドとバッドエンドに分岐しますが、
その前とバッドエンドで表示される一枚絵から、
本人にとってはこの選択がトゥルーなのだと納得させられました。
不幸な女の子は良いですね……それがポニテならなおさら!
過去の作品感想:銀河特装ライジン、霧笛、ドクトルC<ツェー>の診療所
(2018/3/9)
キミガシネ -多数決デスゲーム- 第一章 Version 1.00/ナンキダイ(フリーソフト)
※2018/2/8の拍手でファストライダ様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
ストーカーに悩まされているサラは友人のジョーと共に何者かに拉致されてしまう。
目を覚ますと見知らぬ場所におり、同じような境遇の人々と協力しようとするが、
脱出するためには多数決で選んだ一人が殺されてしまうゲームに参加する必要があるのだった。
選択肢あり、多数決、議論、探索、二時間半ほどで終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は「タスウケツ」が正念場という荘厳さが感じられてお気に入り。
絵は立ち絵は違いますが、背景やそこに立つ人物はドッド絵風。
特にミシマ先生の見た目が好みです。好みなのですが……
複数人が閉じ込められ、多数決で選ばれたデスゲームに参加させられます。
アイテムを探して行ける所を増やしたり、閉じ込められた者同士で議論したのち、多数決を取ったりして話が進んでいきます。
探索、議論共に簡単すぎず、クリアできないほどでもない程よい難易度であると感じました。
第一章とのことで死者は出ますがまだゲームは終わらず続きます。
サラのことを出会って間もないころから多くの人が頼りにすることが都合よく感じてしまいますが理由があるのかどうか……?
どのゲームでもゲーム運営側の意地の悪さがあふれていて、
格好いい行動をする人ほど死にがちなところが良いなと思えました。
(2018/3/11)
かげろうに咲く花 ver1.00/ペットボトルココア(フリーソフト)
昔、母親を病気で亡くし、数年後に妹の陽菜も目の前で交通事故に遭ってしまい、
以来保坂遼平は父親と二人暮らしをしていたが、ほとんど会話をすることもなくなっていた。
そんな彼の前に、事故に遭った時のままの姿で陽菜が現れ、兄妹は失った時間を取り戻すように色々なことをして遊ぶのだった。
選択肢なし、兄妹、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は陽菜の服装やポーズがあざと可愛いかったです。
もう会えないと思っていた妹とゲームしたり出かけたりします。
妹がいるということが普通の状態でないと自覚しつつも妹と遊ぶことを楽しむ主人公が立派に思えて、
それだけに交通事故で妹が運び込まれた病院での鮮明な妹の描写と、主人公の心情が痛々しかったです。
過去の作品感想:夏ゆめ彼方
(2018/3/13)
日廻り 〜HIMAWARI〜 ver1.01/SILK P.O.D.(フリーソフト)
夏休み、母の田舎でヒマワリ畑を見つけた少年「ショウ」はそこで獣の耳と尻尾が生えた女性と出会う。
彼女をヒマワリちゃんと呼ぶようになり、毎日のように二人会っていたが、やがてショウが家に帰る日が訪れる。
そこで二人は、ある約束をした。
選択肢なし、約束、獣耳、ボイスあり、二十分ほどで読み終わりました。
「ノアフェス.1」で、「16時間」という制限時間内で製作したものに、多少の加筆・修正を行ったものとのこと。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はヒマワリちゃんがとても綺麗でした。あとタイトルロゴが16時間で作ったやっつけ感たっぷりでした。
ショウとヒマワリちゃんの出会いと交流、そしてその後が描かれています。
前半の田舎! ヒマワリ! 綺麗なおねえさん! というノスタルジックなシチュエーションからの苦さが印象的。
ただヒマワリちゃんもうちょっと粘って! と言いたくなりました。さすがにショウが可哀想です……
過去の作品感想:孤独ノユリカゴ
(2018/3/15)
木陰で一人、咽び泣く君へ Ver1.00(18禁)/れじぇんどそふと(DL販売756円)(DL版の購入はこちら)
周囲で不幸な出来事が多く起こる体質の谷川和馬は転校し榧木町へとやってきた。
榧木町では世界樹と呼ばれる大樹がシンボルであったが、最近は幽霊が出ると噂され心霊スポットと化していた。
その世界樹の下で、和馬は幽霊の杠 栞奈(ゆずりは かんな)と出会う。
選択肢なし、恋愛、幸せ、ボイスあり、十一時間ほどで読み終わりました。
システムは起動に時間がかかること、文章表示速度が遅く変えられないことが不便でした。
また、最後にスタッフロールがなくタイトル画面に戻らず終了するしかないのは少々読後感の良さを削がれてしまいました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は木造校舎とされている学校がそうでなかったり、世界樹にあまり古さを感じられなかったりしたことが気になりましたが、
女の子皆可愛らしかったです。一枚絵は四十六枚+差分。
和馬が栞奈や転校先の人々と会うことで救われていき、
栞奈もまた和馬や転校先の人々と会うことで救われていきます。
山場直前で新キャラが多く出てくる長めの過去編が入るのでやや流れが途切れてしまったように感じてしまいました。
ですが和馬と栞奈の会話はニヤニヤできましたし、
友人達と賑やかに遊んでいる場面は楽しく読み進めることができました。
特に生徒会長の榊 琴音がちっこくて文武両道で人望あって隠れオタクで可愛らしくてお気に入り。
彼女に学校案内されるのが至福の時間でした。琴音ルート入りたかったです! 入りたかった……
(2018/3/19)
キスの後には 由喜編Ver6.0/此花企画
賀茂由喜(かも ゆき)は親の離婚で離れて暮らす兄の弓削康雄に恋人がいること、その恋人が自分の友人であること、
恋人がいるにもかかわらず他の女とも関係を持っていることを知り、思い悩む。
何故なら、由喜も兄と関係を持っていたからだった。
選択肢あり、インモラル、兄妹、五時間半ほどで読み終わりました。
以前のVerの感想はこちら
システムは既読スキップがないことが不便でした。
音楽はクラシック曲中心。
絵は妹の紫眞が(絵柄的に)だいぶ成長していてあの幼い印象の娘が綺麗になったなあ……と謎の感慨深さがありました。
性的な場面はありますが詳細な描写や一枚絵はなし。
「キスより甘くて深いもの」の後日談で、やっぱり近親相姦したり鬱展開になったりします。
恋愛的にも性的にも八方美人な兄がとにかくクズで、
最初から最後までこのクソ野郎ひどい目に遭わないかな……と願いっぱなしでした。
由喜もたいがいクズで……というかメインの登場人物全員どこかしらダメなところがあって、嫌な所むき出しな人間関係のもと、
複数ある分岐によりそれでもラブラブになるものから修羅場、逃避堕ち等々様々な結末を味わえました。
過去の作品感想:朝の光が待てなくて、キスより甘くて深いもの、退魔夜話 双月の夜
(2018/3/21)
奏られし千の音色 ver1.01/すたじおくるせいる(フリーソフト)
※2018/3/12の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
高機能AI搭載、音声認識・VR対応の音楽プレイヤーで大音量の音楽を聴き続けて数か月。
何故か最近、聴くたびに音量が勝手に小さくなっていった。
訝しむ主人公に、プレイヤー搭載のAI、RIZUが話しかけてきた。
選択肢なし、音楽、AI、ボイスあり、十分ほどで読み終わりました。
千文字喫茶参加作品。
主人公名前変更可。
システムはセーブロードの文字色が背景と同化して見にくい場面がありました。
音楽はシナリオに沿った曲調のものが流れていました。
絵はRIZUの立ち絵が動きますし、途中にイベントアニメーションも挿入されます。
主人公とRIZUが会話していく中で音量が小さくなる理由が明かされます。
RIZUの言葉に応じてどんどん変わる音楽と相まって、テンポよく読んでいくことができました。
でもおまけシナリオが怖かったです……。
(2018/3/25)
少女病的恋愛前 Ver.1.00(女性向15推)/子犬の軍進(フリーソフト)
小川舞子は書道教室の先生、源太のことがとてもすごく滅茶苦茶大好き。
担任で源太先生の元恋人、熱海祐里香から課された夏休みの自由研究で、
「源太先生観察日記〜私をオンナと認識する一瞬(とき)」を付けることにする。
そのために源太先生にスキンシップをしたり、ストーキングしたり、家に侵入して源太先生アイテムを確保したりするのだった。
行動選択あり、恋愛?、一途、一時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は源太先生が真剣な顔をしたり怒ったり恥ずかしがったりする場面が、
(主人公の数億分の一程度の感じ方でしょうが)魅力的……! と思えました。
一日ごとに「接触」「追跡」「侵入」「休憩」を選んで、源太先生観察日記を付けていきます。
エンディングは五種類。
一見完璧な源太先生がイケナイ秘密もりもりでちょっと設定的に痛ましく思ったり思わなかったり……
主人公が母親と一緒にいるときに先生から愛されているねと言われていて、
それ以外の源太先生好き好き暴走している場面でもその通りに愛されて育ったということがにじみ出ているのが好感持てます。
(好きすぎるがあまりとはいえ「追跡」「侵入」あたりで犯罪行為をしますが)
なにより主人公が源太先生のことをどうしようもなく好きだということが本当に伝わってきて、
その主人公の言動を呆れたり楽しんだりする周囲の反応と併せて楽しむことができました。
過去の作品感想:逃獄之記、ラブキャッチャー、君のために咲き君のために散る、ラブコースター、You
Are Soldier
(2018/3/27)
蛇のシンデレラver1.1(乙女18禁)/agony/禁飼育(DL販売1080円)(DL版の購入はこちら)
三十一歳で清掃員の季雪さきはある出来事以降すべてを諦めて生きていた。
通勤途中の満員電車で痴漢冤罪を発見した彼女は勇気を出して相手を助ける。
助けられた男、酸ノ宮怜と親しくなり、一緒に出掛けたりするなかでさきは前向きになっていくが……
選択肢あり、ヤンデレ悪人愛され現代サスペンス風大変面倒乙女ゲームとのこと、八時間半ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。最初のEDに歌あり。
絵はさきさんが色気ある美人でとても魅力的……禁飼育さん作品の中で一番見た目が好みです!
酸ノ宮さんも蛇っぽさ満点でした。一枚絵は百枚+差分。
痴漢冤罪から助けた男性と仲良くなっていきますが、段々とその男性の過剰な束縛が露わになっていきます。
エンディングは三種類。
多少作者からの主張が強すぎるように感じてしまった部分はありましたが、
中盤の告白からの急展開に引きこまれましたし、そこで表示されるさきさんの一枚絵が絶妙でした。
また、ハッピーエンドルートのくすぐったくなるような二人のやりとりもお気に入り。
全体を通しての不穏さとの緩急も効果的で、二人の過去現在未来をたっぷり味わうことができました。
あと酸ノ宮さんのさきさん好き好き好き言動が本当にキモいと思いましたが、
ほぼ同年代の我が身を省みて人のこと言えないなと思いました!
さきさん可愛いよエロいよ綺麗だよ……
過去の作品感想:さくっとパンダ、おじさん、酷罪を受けるべき者、Nと言う名の男、Bと言う名の女、キナナキノ森、この世で最も残酷なキス、この世で最も淫靡なキス、Chiristmas Coffee、乙女の悲劇は残酷なキス、淫靡で残酷な豚、雨想い、君抱く、家畜おじさん、ちぎみちゃん、鬼ノ仮面、処女失格、魔女の処刑日 前編、異端審問官の愛寂、下劣な雄豚、消えうさ、枯れぬ黒薔薇、うさむしり〜別に版〜、クズクズおほしさま、スレガル
おにロリver、SAGO、縛り神父
(2018/3/29)
ラベンダー園にて/ゆらぎの(フリーソフト)
※2018/2/22の拍手でファストライダ様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
ハイセとアトリは白い部屋で朽ち果てようとしていた。
アトリはハイセに、もう一度思い出のラベンダー園に連れて行ってほしいと願い、ハイセはそれを叶えようとした。
選択肢なし、ラベンダー園、愛、三分ほどで読み終わりました。
システムは最低限ですが短いので気になりませんでした。
音楽はなし。
絵は背景のみ。
二人がラベンダー園を目指します。
設定や登場人物の説明がほとんどなく分かりにくい部分もありますが、
美しくも悲しいラストが印象的でした。
(2018/3/31-1)
犬吠埼ケン太と純白の小悪魔/ふあんてぇ村(フリーソフト)
犬吠埼ケン太の死にっぱなし大晦日(12推)/ふあんてぇ村(フリーソフト)
犬吠埼ケン太は愛犬ぐらんぎにょ〜ると共に暮らす独身貴族。
十一月、彼の部屋に一人の少女が現れる。
大晦日、ぐらんぎにょ〜るを散歩に連れて行った犬吠埼ケン太の身に様々な災難が振りかかる。
選択肢あり、ピクチャードラマ、デッドエンド、
「犬吠埼ケン太と純白の小悪魔」は五分、
「犬吠埼ケン太の死にっぱなし大晦日」は三十分ほどで読み終わりました。
システムはRPGツクールMV。エンディング(デッドエンド)が多いので、
クリア後等にエンディングリストがあるといいなと思いましたが、
デッドエンドに辿りついてもすぐ直前の選択肢に戻ることができるのが有難かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は実写。犬吠埼ケン太を始め登場人物のビジュアルがインパクトたっぷりでした。ぐらんぎにょ〜るは癒し。
犬吠埼ケン太が色々な生命の危機に遭いながら切り抜けていきます(切り抜けられないと死にます)
エンディングは「犬吠埼ケン太と純白の小悪魔」が五個、
「犬吠埼ケン太の死にっぱなし大晦日」は十五個。
「犬吠埼ケン太と純白の小悪魔」はほぼ犬吠埼ケン太の自室で完結する話で、スピード感がありました。
「犬吠埼ケン太の死にっぱなし大晦日」はマップ路移動しバトルもあるRPGですが、
各バトル毎に敗北エンドがありながらも難易度が低くてわざと死ぬのが大変に思いましたが、
特に男キャラ皆暑苦しくて画面いっぱいに迫るビジュアルと併せてお腹いっぱいになりました。
(2018/4/2)
ガラス姫/±10(フリーソフト)
図書館司書のベルジオスは「ガラス姫」という題名の光る本を見つけ読んでみた。
ガラスの体のガラス姫は壊れないよう周囲に心配され、ずっと城の中で過ごしていた。
ある日以降、コマドリの少年が窓からやってきて、外の話をガラス姫に聞かせるようになる。
外には美しい花が咲いていると知ったガラス姫は外に出たいと願うようになるが……
選択肢あり、劇中劇、おとぎ話、二十分ほどで読み終わりました。
システムはバックログを読めないことが残念でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はとても可愛らしくて生き生きとした一枚絵が豊富に使用されていました。
特に自分のせいだとおろおろするクマさんがお気に入り。
図書館の司書さんがガラス姫という物語を読んでいきます。
エンディングは二種類。
ノーマルエンドでも幸せそうな終わり方ですが、
トゥルーエンドを見た後ではノーマルエンドの先に良くない展開が待っていそうで悲しい気持ちになりました。
ガラス姫の物語はみんな優しいだけになおさら……
その分トゥルーエンドはみんな幸せで、暖かい気持ちになれる物語でした。
(2018/4/4)
バレンタイン@ビタープラス(女性向18禁)/kaze-t+(フリーソフト)
幼い頃にとても仲が良かったながらも最近ちょっと距離ができていた片桐 有希と兄の秋。
有希は憧れの先輩に渡すため、秋に応援されながらバレンタインのチョコケーキを自作する。
有希はチョコケーキを渡すことができるのだろうか。
選択肢あり、兄妹、バレンタイン、一時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は有希が描写通り目つき悪くて、でも笑った顔はとても魅力的でした。
また、有希が鈍感発言すると兄が切なそうな表情をするのが良いなと思いました。一枚絵は二十九枚+差分。
兄の秋に応援されながらバレンタインの準備をして本番を迎えます。
エンディングは二種類。
本編後に秋視点と後日談を読むことができ、むしろこちらの方が本番といった趣。
秋がなかなかいい性格だったり変態的だったりしますが、
有希がぽんこつちょろくて、それを可愛らしく思う秋に同意するとともに、生殺しな日々に同情させられました。
変態行為へ及ぶのもやむなし!
そんな兄妹以上の感情たっぷりな秋と、純粋に兄として好きな有希のちぐはぐで暖かくてちょっとエロい時間を味わえる作品でした。
(2018/4/6)
はろーウオーン! 1.3ver(女性向18禁)/kaze-t+(フリーソフト)
様々な種族が共存するカボチャタウンに住む魔女メーシィは卑猥な格好のせいで周囲から恐れられ避けられていた。
10月31日はハローウオーンというお菓子をもらったりあげたりするお祭り。
誰も相手をしてくれないメーシィの前に、オミカミ族のオスで半裸のヨミが現れ、おやつを求めてきた。
選択肢なし(バトルの技選択あり)、ハロウィン、魔女、人外、一時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は過去話でのメーシィ様名乗りが滅茶苦茶格好良くて、これは惚れる! と思いました。
普段の百面相メーシィもわんこっぽいヨミも可愛いです。一枚絵は十四枚+差分等。
メーシィとヨミがハローウオーンの一日を過ごしていきます。
クリア後に追加シナリオや登場人物紹介などおまけあり。
偉そうながら所々で抜けまくっているメーシィと、
可愛い顔してキモいストーカー行為をするヨミがお似合いだなあと思えました。
二人の会話もテンポよく楽しむことができました。
でもほんとにヨミの過去行動キモいです!
過去の作品感想:バレンタイン@ビタープラス
(2018/4/8)
はろプチーン! ver1.00(15禁)/kaze-t+(フリーソフト)
カボチャタウンに住むヨミは魔女メーシィのことが大好き。
初対面でプロポーズすると、メーシィから五日間以内に自分の気持ちを変えることができればと言われる。
ヨミは会話したり探索したりプレゼントしたりしながら、メーシィに好かれようとしていくのだった。
選択肢あり。探索RPG、貢ぎ、一時間半ほどで終わりました。
システムはRPGツクールVX Ace。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はテンパるヨミとプレゼントに照れるメーシィが可愛らしかったです。一枚絵は八枚くらい+α。
五日間の期限内で探索して素材やアイテムを採取したり、敵を倒したりしつつお金を貯め、
メーシィにプレゼントをしたりして好感度を上げていきます。
エンディングは三種類。クリア後アイテムやパラメータ等を引き継いで最初から始めることもできます。
通常RPGではMPとなっているパラメータがスタミナになっていて、
アイテム採取したり敵と闘ったりすると減っていき、色々経験を積むと最大値が増加するのですが、
序盤のすぐスタミナが尽きるひ弱さと、終盤の丸一日動き続けても大丈夫なタフネスの差からヨミの成長を感じられました。
また、アイテム採集時にタイムラグがほぼなく、次々とテンポよくアイテムを集めていけるのがいい気分でした。
話は、二人とも人外なので人間目線から見ると残酷な場面もありますが、
二人中心に見るとヨミのメーシィ大好きさといざという時の頼りがい、メーシィのちょろさと露出が微笑ましくてお似合いです。
でも(たぶん)一番好感度の上がるアイテムがおぱんつ……
過去の作品感想:バレンタイン@ビタープラス、はろーウオーン!
(2018/4/10)
きみをあいしている ver1.00/kaze-t+(フリーソフト)
城ヶ崎麗華は名前に反して貧乏な女の子。
ある日、同級生の金有杉沢池面(カネアリスギサワ イケメン)から告白されてしまい……。
選択肢なし、クソゲー、う○こ、五分ほどで終わりました。
システムはRPGツクールVX Ace。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は公式ブログ2018年4月1日配布の主人公立ち絵が冗談の描き下ろしかと思ったら
実際に作中で頻繁に使用されていて笑いました。
あと戦闘背景どこなのかまるでわかりませんでした。
主人公が告白してきたイケメンに戦闘を挑みう○こを投げます。
主人公の変顔と変行動が勢いありましたし、
イケメンも性格までイケメンでなく、主人公に関わった理由がとても可哀想な所がいい味出していました。
過去の作品感想:バレンタイン@ビタープラス、はろーウオーン!、はろプチーン!
(2018/4/12-1)
はろーウオサマー!(女性向18禁)/kaze-t+(DL販売540円)(DL版の購入はこちら)
魔女、メーシィとその夫で半裸のオミカミ族、ヨミはメーシィの師匠からの命令でカボチャ島を訪れる。
その命令とは三十日以内に島に眠る三つのお宝を集めるというもので、失敗するとメーシィがロリババアにされてしまう。
メーシィとヨミは会話したり探索したり戦闘したりプレゼントしたりしながら、お宝を探していくのだった。
選択肢あり、RPG、バカンス、(おそらく)全部のイベントコンプリートまで十時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールVX Ace。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は普段はヨミが発情したりメーシィが呆れた目をしたり色んな交尾をしたりコミカルですが、
ここぞというときに見得を切る二人は格好良かったです。
あと「蛇のシンデレラ」に出てきたキーホルダーの元ネタ、シカククンが大量にいて四角いボディを堪能できました。
三十日間の期限内で探索して素材やアイテムを採取したり、
敵を倒したりしつつお金を貯め、三つのお宝を集めていきます。
エンディングは二種類。バッドエンドではメーシィがロリババアになります。
基本的なシステムは「はろプチーン!」と同様でスタミナ制ですが、
畑で作物を育てたり動物を飼ったりシカククンが要求するアイテムを揃えたり大幅にボリュームアップしています。
Hシーンのシチュエーションも豊富。
話自体は一本道なものの、ほぼアイテム採取のみで雑魚敵戦闘を回避し金にものを言わせて経験値を買ったり、
あまりアイテム採取せずに敵を倒してお金を得たり、やりたいことをしつつ目的を達成していく自由さがありました。
また、メーシィとヨミが登場する他作品と同様メーシィ大好きすぎるヨミと、なんだかんだヨミのことが大好きな二人を見ているのが楽しかったです。
そしてやっぱり一番好感度の上がるアイテムが(たぶん)おぱんつ!
過去の作品感想:バレンタイン@ビタープラス、はろーウオーン!、はろプチーン!、きみをあいしている
(2018/4/14)
実際のところ 2.0(18禁)/アスガル騎士団(DL販売1404円)(DL版の購入はこちら)
※2018/4/3の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!
男子五人と女子五人が七日間の共同生活をする「実際に共同生活を体験してみようの会」略して実際会に参加した日向青。
まだほとんどなにも性知識も経験もない彼らだったが、
共に生活をしていくうちにえっちなイベントが色々と発生していくのだった。
行動選択あり、ロリ、ショタ、探索、五時間ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクールMV。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は男の子も女の子も可愛かったですが、特にクラウディアちゃんが綺麗でお気に入り。
一枚絵は四十五枚+差分。アニメーション演出もあり。
七日間共同生活する家の中を探索し、アイテムを手に入れたり、みんなと遊んだり、えっちなことをしたりします。
カップリングは五人×五人の二十五通りと全ての組み合わせを網羅。カップリング以外のHシーンも豊富にあります。
一周するだけでは全てのイベントを見ることはできず周回する必要がありますが、
イベントを見るためのヒント機能や、日数無制限モードもありイベント回収しやすくなっています。
家の中を探索してイベントに遭遇するという仕様上、
(特に重要な部分ではフラグ管理されているとはいえ)
あるエピソードで親密になった後、次に見るエピソードによってはあまり親密でなかったりといった
食い違いや流れが途切れりということが発生する場面もありました。
ですが無邪気な興味のままにえっちなことをしていく様にはドキドキさせられましたし、
ちょこちょこ可笑しなテキストもあって気楽に読んでいくことができました。
また、Hシーンのシチュエーションも多彩で、最後まで新鮮さがあり興奮しました。
(2018/4/18)
FATAL TWELVE/あいうえおカンパニー(2500円)(DL版の購入はこちら)
獅子舞凛火たち老若男女国籍も様々な十二人は夢の中で女神パルカと名乗る少女から、
自分たちはすでに死んでいて、相手の氏名・死因・未練を特定して脱落させる「女神の選定」の最後の一人になれば生き返ると言われる。
しかし凛火には自分の死因と未練の記憶がなく、また十二人の中には友人の未島海晴がいたのだった。
選択肢あり、サスペンス、百合、ボイスあり、十八時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は緊迫感のある曲、ほっとするような曲、賑やかな曲、切ない曲等豊富でそれぞれの場面に合っていました。
OPにムービーと歌、EDに歌あり。OPムービーは華やかでしたし、OP歌もED歌も話や登場人物を表している良い歌でした。
絵は前のめりになっている立ち絵で首と頭が外れそうに見えてしまい不安になりましたが、
それ以外は人物も背景や小物も本当に綺麗でした。一枚絵は五十六枚+差分。
凛火が十二週間で十二回、夢の中で行われる「女神の選定」で誰かを蹴落とすことに悩みながら、海晴と共に生き残ろうとしていきます。
エンディングは七種類(うちバッドエンド四つ)
最初の「女神の選定」ルール説明がわかりにくく、しばらくもやもやしたまま読み進めてしまったことと、
FATAL TWELVEルートであとちょっとで真相がわかるのに別の行動ばかりしていて歯がゆかったことが気になりました。
ですが前半は早期脱落者たちの一般人らしい迂闊さ、中盤はそれを乗り越えた者達同士の駆け引きや凛火の死因に関わる事、
終盤は「女神の選定」の真相と海晴との関係、とそれぞれに見所があり、特に中盤の入り乱れる思惑が読みごたえありました。
また、海晴が凛火を愛しく思っていることが言葉でも行動でも表情でもこれでもかと伝わってきて、
一周目は海晴が報われるような選択肢を選ばなければ! という気持ちを強く抱くほど、応援したくなる一途さでした。
過去の作品感想:しずくのおと
(2018/4/20)
Rotate180°コンバータ ver1.01(乙女)/offoffo(フリーソフト)
軟派で有名な先輩、御崎創(みさきはじめ)から告白された主人公は付き合うことをOKする。
しかし幼馴染の友人は先輩のことを邪険にしたり、主人公も先輩の前で友人のことばかり話したりするのだった。
選択肢ありですが一本道、超高速三角関係乙女ゲーとのこと、十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はスタイリッシュな曲が使用されていました。
絵は先輩の波型の口が可愛いです。
また、演出も印象的でした。超高速ってそっちか!
幼馴染にしてはとても距離が近い主人公と友人に先輩が振り回されます。
序盤から友人にちょっと疑問を感じる部分がありましたが、
中盤に仕掛けが明かされてやられた! と思いました。
また、先輩もなかなかクズですがそんな先輩が可愛く見えてしまうほど主人公と友人がずれています。
先輩と友人どちらを選ぶかと言ったら断然先輩ですね!
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜
(2018/4/22)
くじらの公式 1.10/Clanote(フリーソフト)
鯨神(げいしん)を祀る神社の夏祭りで行われるイカダレースに参加しようとしていた
海原一海(うなばらかずみ)、磯波勝男(いそなみかつお)、その妹の磯波若音(わかね)は嵐の後に砂浜で記憶喪失の少女を発見する。
長須くじらと名乗るその少女は鼻の穴がなく、頭の天辺から水を吹き出すという人間らしからぬ特徴を持っていたのだった。
選択肢あり、港町、夏、くじら、ボイスあり、三時間半ほどで読み終わりました。
システムは分岐がある構成ながら既読スキップがないことがやや不便でした。
ただ、ファイルサイズが1GB以上あるにもかかわらずこのスクリプトエンジンで起動が速いのは一体どんな魔法を!? とびっくりしました。
音楽は特に合わないような箇所なし。OPにムービーと歌、挿入歌、ED歌あり。
スタッフロールはEDによって異なる画像が使用されています。
絵とボイスはくじらの元気さ、調子の良さ、ひたむきさが良く表現されていて魅力的かつ印象的でした。
記憶喪失の少女くじらを加えた四人でイカダレース優勝を目指していきますが、
その過程でくじらの秘密が明らかになっていきます。
途中TIPSを取得でき、別視点や過去話を読むことができます。
エンディングは三種類で、さらにグッドエンドは序盤の選択肢で三種類のエピローグに変化します。
友人一家は名前や見た目などサザエ○んモチーフ……ですが面影ありすぎて、
話自体を追っていく中でちょっと気を取られてしまう部分がありました。
ですが、肝心な所では格好いい勝男、素直になれない若音、
なにより天真爛漫だけれど自分が何者なのかわからない不安を抱えたくじらと過ごす日々がまぶしいくらいに描かれています。
そして、そんな彼らとの日々に幼いころを思い出すような懐かしくもちょっと寂しい気持ちにさせられました。
(2018/4/24)
あの日のひとこと ver.1.00(女性向15推)/んんんんほりごたつ(フリーソフト)
高校三年生の主人公は四月から同じ電車に乗り合わせるようになった他校生のことが気になり、声を掛けた。
高校一年生だという降西 縁(ふるにし えにし)はいつも傷だらけで哀しそうだった。
二人は会話を交わすようになり、そして一緒に出掛けるようになるが……
選択肢あり、ヤンデレ、いじめ、三十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は各エンドで表示される一枚絵がエンド毎の違いをよく表していました。一枚絵は五枚+α。
明らかにいじめられていそうな少年と関わっていきます。
エンディングはBAD1、BAD2、TRUEの三種類。
降西君の受け答えが卑屈で、いかにもいじめられていそうなだと納得できます。
反対に中盤まで主人公の心情や背景がほとんど語られないため、
分岐後にがらっと異なる結末を味わえました。TRUEでもあまり幸せそうじゃない……
三つのエンディングの中では降西君が生き生きとしているBAD1がお気に入りです。
(2018/5/13)
放課後百合えっち(18禁)/なつこん(DL販売108円)(DL版の購入はこちら)
教師の郷桜やえは受け持っているクラスの生徒、杏川(すもも)あんずと付き合っていた。
あんずから放課後のお誘いを受けたやえは、心を弾ませながら教室へと向かうのだった。
選択肢なし、百合、学園、ボイスあり、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はあんずの表情が可愛らしかったですし、身体も肉感的でエロかったです。
一枚絵にほとんどやえは入ってこないのですが、
百合を眺めて楽しむ勢としてはやえの痴態も見てみたかったです……!!
もう完全に恋人同士になっている状態から始まり、
ただひたすら放課後の教室でえっちします。
二人ともお互いにメロメロで、相手の痴態を見て、
あるいはそれ以前に想像しただけで興奮する状態のため、
安心していちゃいちゃを味わうことができました。
過去の作品感想:Hurtbreak Wonderland、Hurtbreak Wonderland +、とらとら、背徳せんせーしょん、愛しの☆マイマスター、ぷりんせすほりでー、あかねとなずなの、らぶらぶ☆百合性活、百合ねいと!、明日終わる世界、その前夜、さよなら、私の片想い
(2018/5/21)
オズワルドのドキドキバレンタイン!! Version 1.02/夜は行く(フリーソフト)
バレンタインデー、民にチョコレートを配るのも王族の務めと
オズワルドはお世話になった人々のためにチョコレートを制作するのだった。
選択肢あり、バレンタインデー、ホワイトデー、十分ほどで読み終わりました。
システムは短めの話なのであまり気になりませんでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はデフォルメオズっちがメインですがキリっとした立ち絵もあります。
オズワルドがバレンタインに何のチョコレートを制作するかで分岐します。
ホワイトデー編もあり。
いきなりこのゲームをプレイする人にとっては
誰がどのような立場なのかがわかりにくいように感じてしまいました。
「ある母子の亡命」を読んで境遇を知っていると、
オーギュストが意外とずけずけものを言っていて元気になって良かったなあという気持ちに。
あとブロマイド入りウエハースチョコ結構ほしいです……
過去の作品感想:ある母子の亡命
(2018/6/3)
彼女は時のねじを逆向きに回した/羊おじさん倶楽部(フリーソフト)
生きる意味を感じられず、授業をサボり、学校の屋上にいた有街笹斗(ありまちささと)は、
春子と名乗る他校の制服を着た少女に話しかけられる。
彼女は自分が時間を逆行していると告げ、笹斗の未来を語り始めるのだった。
選択肢なし、将来、愛、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は背景とヒロインの影絵。
いきなり見覚えのある屋上背景でムンドゥスの救世主になりそうでした。
笹斗が、屋上で出会った春子から時間逆行の話を聞かされます。
効果音付や顔文字など砕けた文章多め。
時間逆行について矛盾しているのでは? と思った箇所がしっかり後で補足や種明かしされ、
思考が読まれている……! という綺麗に一本取られた気持ちよさを覚えました。
そうやって時間逆行について語る春子がどんどん気になっていった上で、プールの話をした理由がわかる場面が切なく印象的でした。
過去の作品感想:さよなら、うつつ。、等間隔の黒い透明、音無き世界その代わり
(2018/6/11)
好きだ!好きだ!大好きだッッ!! Ver.1.00/稲海(フリーソフト)
意地っ張りの津田月子は、おせっかいで自分を馬鹿にしつつもフォローしてくれる出羽連のことが断じて好きではなかった。
しかし夕日が差す放課後の教室、二人きりになり、妙にいいムードとなってしまう。
一方の出羽連は津田月子のことが……
選択肢あり、恋愛、なれそめ、三十分ほどで読み終わりました。
一週間でゲームを完成させようという「一週間でゲーム制作大会」企画参加作品。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は月子の意地っ張りな性格が表情に出ていましたし、
リボンが猫耳っぽくてそれも性格に合っていると感じました。一枚絵は四枚。
選択肢次第で二人のなれそめが語られたり、進展しないまま終わったりします。
エンディングは四種類。
二人の思っていることが食い違っているところにやきもきしつつも、
なんだかんだ気持ちは同じでキュンキュンさせられました。
それに二人とも多かれ少なかれひねくれていますが、だからこそ照れたときは可愛かったです。
過去の作品感想:籠の街、幸福の塔
(2018/6/12)
大きなのっぽのメイドロボ/武蔵野モーツァルト(フリーソフト)
カレンは祖母のことが大好き。
そして祖母が生まれたときから使えているメイドロボ、リーシャのことが苦手。
祖母の屋敷で暮らすことになったカレンは、リーシャにつらく当たるのだった。
「選択肢」あり、メイドロボ、心、十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
リーシャが動くときに音が鳴ったり、立ち絵がE-moteで動いたりするのがロボットっぽく感じられました。
スタッフロールの二人も印象的。
それまで不遇だった女の子が、祖母に仕えるリーシャと関わっていきます。
選択肢がいくつか出るのですが、二択や三択ではなく、一つしか選択肢ボタンが出ません。
そしてその内容がどれも、リーシャに酷いことを言うカレンの台詞です。
私としてはリーシャを憎くは思っていないのに、
選択肢ボタンを押すことで意に沿わずリーシャを傷付けているという思いで胸が痛く、
またその選択肢がある事でカレンの気持ちと同調することができました。
結末も切なくも良かったと思えるもので、スタッフロールと併せて良い読後感を味わえました。
(2018/6/13)
つばさヘブン ver1.02(15推)/cream△(フリーソフト)
教師の葛木は愛する妻が出産を間近に控え里帰り一人で過ごしていた。
ある日、放課後のコンビニで受け持つクラスの生徒、羽石つばさと出会う。
葛木は親が共働きで一人でご飯を食べるというつばさに同情し、思わず食事に誘ってしまうのだった。
選択肢あり、不倫、ヤンデレ、教師と生徒、四十五分ほどで読み終わりました。
システムはセーブスロットがもっと欲しいと思いました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は普段の表情と切羽詰まったときの表情のギャップが印象的でした。
また、網目状の背景に閉塞感を覚えました。
教え子の境遇に同情し優しくしますが、それがきっかけで過剰に好意を抱かれてしまいます。
葛木がクズであるように描写されていますが、まあクズなのですが、
おおむね対応としてはごく普通のことなかれ対応なのでちょっと同情しました。
葛木先生の立場ではつばさを救えない、救えたとしても他を犠牲にするしかないので運が悪かった……。
全体的に不穏な話ですが、前半はおふざけ選択肢などもあり和みました。
だからこそ後半がより怖く感じるのですが!
(2018/6/18)
I AM ver1.00/人工心象(DL販売432円)(DL版の購入はこちら)
孤独であることを望んでいる伏見誠(ふしみまこと)は幽霊部員ばかりの文芸部で一人過ごすことを好んでいた。
しかし生徒会から活動実績がないと言われ、二人の女子を入部させることと、
彼女たちと三人で英詩を翻訳してコメントを付けたペーパーを作成することになるのだった。
選択肢あり、英詩、孤独、二時間半ほどで読み終わりました。
システムは特定の単語をクリックするとその解説を読むことができますが、
解説一覧に載るのでクリックし忘れても大丈夫なところが有難かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
立ち絵は有償素材使用。
孤独であろうとする主人公ですが、ジョン・クレアのI AMを翻訳したことがきっかけで変化が訪れます。
一度エンディングを迎えた後、選択肢が追加され別のエンディングを見ることができるようになります。
この世界構造の場合、琴美が掲示物を見るシーンを琴美視点で描写するのではなく、
琴美視点なしで手紙が届くべきではないかと思ってしまいました。
また、主人公が序盤から孤独を語ったり気取ったりするものの言い訳っぽさが感じられて薄っぺらさがあり、
イラっとしましたがこちらは物語に合っているように感じました。
全体を通して文学(特に英詩)、や哲学を交えて話が進んでいきますが、
その解説、特に翻訳の解釈に関することが丁寧にされている作品でした。
(2018/6/19)
新説魔法少女 Version 1.020/信じた馬鹿が俺だった。(フリーソフト)
周囲から問題児だと思われている霧島千代子は、フィーという名の喋る猫のような生き物と出会 う。
日本の兵器では太刀打ちできない敵が街を襲うとフィーに言われた千代子は、
敵を倒す力を持ったマジカロイドとなって敵と戦うことを決意する。
そして千代子の幼馴染、日向遥もまた、マジカロイドの適性があるのだった。
選択肢あり、魔法少女、SRPG、六十六時間ほどで読み終わりました。
「魔法少女」の感想はこちら
システムはSRPG Studio製。
音楽は「魔法少女」同様効果音があまり合っていないと感じてしまいました。
絵はみんな中学生(小学生)らしからぬスタイルの良さで、露出も多く、
おまけに瀕死になると傷ができたり服が破れたり……端的に言ってエロいです。
特に光のマジカロイドは淫紋!? と思いました。
新加入のキャラをとりあえず瀕死にするのは基本。
「魔法少女」のリメイクで、基本的なストーリーは同じですが、
新キャラやエピソードが追加されたり、戦闘バランスが変わったりしています。
次々と敵が襲ってくる中で、仲間が増えたりマジカロイドの秘密や敵の目的が明らかになってき たりします。
SRPGパートはユニット数が多いので一つのマップでもかなり時間がかかってしまいましたが、
ちょっと油断するとやられてしまう緊迫感があります。
オートヒール装備して能力アップデートさせた真央を敵陣へ突っ込ませて、
追従させた月菜のカウンターで大ダメージという戦法にお世話になりました。
話は唯がこんな小物だったっけな……? と思ってしまいました。
禁止されていることをあえて繰り返したのに口止めをしようとするところが……
ですが遥、烈が関わる重要シーンは旧作よりもより劇的に描かれていましたし、
仲間たちが仲良さそうにしているところも、ぎくしゃくしているところも一喜一憂できました。
なにより千代子の変化……色々良くないことがあった上で、
みんなから信頼されみんなを頼れるようになるところや、最終技の会得イベントには感慨深いものがありました。
過去の作品感想:魔法少女、Heartium〜ハーチウム〜
(2018/6/20)
MINDCIRCUS ver.1.05〜1.06(15禁)/Summertime(フリーソフト)
※2018/5/10の拍手で がバーベキュー様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
留年目前で酒浸りの医大生、院府は南国旅行に当選し、エリュシウム島を訪れる。
同じホテルに滞在する人々と少しずつ親交を深め、バカンスを送っていたが、
連続殺人事件が発生し、島内に閉じ込められてしまうのだった。
選択肢あり、ミステリーADV風味ノベルゲームとのこと、四時間ほどで終わりました。
音楽は精神的に不安定な場面で流れるBGMが、より酩酊感を煽るものでした。
絵はドット絵でレトロゲーム風。ドット絵ゆえの女の子の可愛さがあると感じました。
時折挿入されるアニメーションも目を引きます。
ただレトロゲーム風なのは絵だけでなくシステムもで、
場所移動や二周目以降のスキップで面倒に感じてしまいました。
あと登場人物の名前がわかりにくかったです。
要領が悪く人付き合いも苦手な主人公が殺人事件が起こったことで
なし崩し的に探偵役となり、真相を探ろうとしていきます。
ver.1.05で一周目を終えた後、ver.1.06をプレイしました。
エンディングはTRUEEND三種類、BADEND六種類とのことですがBADEND6を見ることができませんでした。
主人公の後ろ向きで不安定なところがことあるごとに発揮されていて、
それが時には理路整然と、時には支離滅裂に描写されていてどちらも生々しく、
読んでいて非常に気が滅入りました(褒め言葉)
エンディングの多くはそれに加えて肉体的にも痛々しく、目を背けたくなりつつ目が離せませんでしたし、
それらを読んでいたからこそTRUEEND3はより良い気持ちで読み終えることができました。
でも江州さんの問題は精神的なことではないので
この島に滞在するのは間違っているんじゃないかなあと思ったり思わなかったり……
(2018/6/23)
幽霊少女館 ver1.01/Meim(フリーソフト)
大学生の内井涼(うちい りょう)は山で遭難し、見つけた洋館に避難する。
そこには幽霊の少女、綾月初希(あやつき はつき)がいて、
迂闊な行動をしたら死ぬ脱出ゲームを持ちかけてきた。
選択肢あり、だいたい死ぬADVとのこと、三十分ほどで読み終わりました。
システムはだいたい死ぬので直前の選択肢へ戻るが便利でした。
音楽は特に合わない箇所なし。
絵は立ち絵素材が使用されています。
入手したアイテムを使って幽霊少女が仕掛けたトラップを切り抜けていきます。
たまにトラップ以外でも死にます。
「幽霊少女室」もだいたい死にますが、「幽霊少女館」は死ぬ時の描写がどれも克明に描かれています。
死ぬかどうかはわりと理不尽なものの、
何度も死にエンドを迎えることが前提な上、死に方のバリエーションも多いため、
へこたれずに最後まで読むことができました。
MVPは鍋ですね!
過去の作品感想:Blood Note、幽霊少女室
(2018/6/24)
ニートのゆるい一日 ver1.01/Meim(フリーソフト)
蒼影新花(あおかげにいか)はニートだった。
今日も一人で好き勝手過ごしたり、
隣に住む鈴篠茜(りんじょうあかね)と遊んだりして一日を過ごすのだった。
選択肢あり、ニート、日常、二十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は新花がニートながらも(偏見)表情豊かでした。
朝昼(夕方)晩と部屋の中をクリックして適当に遊んだり、遊ばずに眠ったりします。
エンディングは七種類。「怖いものを見たニート」エンドだけ条件が変則的でちょっと迷いました。
部屋の同じ場所をクリックしても状況によって起こることが変わります。
といっても特に重大なことが起こるわけではなく、
どのように過ごしてもそれなりに楽しそうな新花を、肩の力を抜いて堪能することができました。
過去の作品感想:Blood Note、幽霊少女室、幽霊少女館
(2018/6/25)
終焉ヴァニタス Ver1.10(女性向15禁)/瓶づめ(フリーソフト)
一定範囲の土地が荒廃し、そこに住む人は消え、
モノクロの大地のみとなってしまう「現象」が発生するようになった世界。
まだ現象が起こっていない街であてどなく歩く皆瀬早紀(みなせさき)は、ある人物に出会うのだった。
選択肢あり、終末、関わり、六時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌あり。
絵は立ち絵のみで、みんな整った顔立ちをしていて綺麗でした。
織田君への儀式時に高取が一番いい表情をするのが好きです。
終末を迎えた世界で、序盤にどの場所へ行くのかでルートが分岐し、
ルートによっては終盤の選択肢でさらにエンディングが分岐します。
最初は小中高と学校が一緒だった高取司(たかとりつかさ)と、
モノクロの世界で佇んでいた深山卓(みやますぐる)のルートしか選べませんが、
その後さらに二ルートが追加されます。エンディングは七種類。
お気に入りは追加される二ルート。
年下の少年、篠宮命(しのみやみこと)ルートはより異常な状況になり、
そこで二人しかいないという依存関係が丁寧に描かれた上での結末はどちらも印象的でしたし、
「現象」という作品の世界観で重要なことに一番深く関わるところも興味深かったです。
ED7ルートは笑子さん無双。
とにかく人間が出来ていて頼れますし頼ってもいいと思える包容力があります。
私が早紀なら迷わず笑子さんを選びますね!
過去の作品感想:水平線のファントム
(2018/6/26)
ゆたかな暮らしの屑かごは ver1.00(乙女)/alalaka(フリーソフト)
母子家庭で貧乏な主人公に友人は何かと物をくれた。
そのことに主人公は複雑な思いを抱き、周囲もいい顔をしなかった。
同じバイトをしていて気になる存在、仁科くんともぎくしゃくしてしまい……
選択肢なし、貧乏、二十五分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは短めの作品とはいえセーブ機能がほしかったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は背景のみ。
主人公が、施しのようなことをしてくる友人や、
貧乏談義ができるくらいなのに友達が多く堂々としている仁科くんと接して落ち込んでいきます。
仁科くんが完璧すぎてこれはなにか裏がある……と思ったらいい人でした。
(だっていい人じゃなかったらあの場面で身を引きません!)
主人公も自分のことを散々卑下していますが仕方ないと思えましたし、
人に当たるでもなくバイト頑張っていて良い娘でした。
一番好きな場面はブランコで主人公が仁科くんに言い募るシーン。
特に「ひどくない……!?」あたり、
身を乗り出してまくし立てたり、段々トーンダウンしていったりする様が目に浮かぶようで、
青春だなあと思える上手い台詞回しでした。
過去の作品感想:セレナイトの孤独、シルバーフープ、disenchanter、おとうと:日常系、くるみ、バレンタインの正しいしつけ、ピーピングプール、おべんとゴーゴー
(2018/6/27)
うさみみボウケンタン Ver1.0.6(18禁)/Loser/s(DL販売1620円)(DL版の購入はこちら)
異世界へとやってきた主人公は、ウサ耳の精霊「うなさか」と出会う。
うなさかの話では、世界にアクイが蔓延しており、主人公は勇者として王城を目指す必要があるらしい。
それはそれとして、主人公をマスターとして慕ううなさかにセクハラを仕掛けるのだった。
選択肢あり、セクハラをしながら世界を救うRPGとのこと、六時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMV製。
音楽は戦闘時に歌が流れる事が多く、盛り上がりました。
絵はHシーンで体型に違和感を覚える事がありましたが、うなさかが可愛いので問題なしです!
うなさかと共に世界を回り、アクイが蔓延する原因をどうにかしようとしていきます。
魔法のかわりにセクハラコマンドがあり、うなさかにセクハラすることができます。
拠点ではおねだりすることができ、うなさかに色々なことをしてもらえます。
どちらも好感度によってうなさかの反応が変わります。
アイテムコマンドよりセクハラコマンドの方がよく使用するので、
一番上にセクハラコマンドがあるともっと便利だと感じました。
戦闘はクイズ形式。間違えたらダメージを受け、既定の問題数をこなすまでにHPが0にならなければ勝利。
序盤はメルヘンな世界でウサ耳少女にセクハラ三昧、かと思いきや後半明かされることは重苦しく、
しかしその展開があったからこそラストは良い気持ちで終えることができました。
……と良さげなことを言いましたが、だいたいの場面(セクハラ)において、
恥らいつつも主人公のことが好きでセクハラを甘んじて受けるうなさか可愛い! で頭がいっぱいでした。
現実ではこんなこと、少なくとも私には無理なので、夢が叶った思いがしました!
過去の作品感想:強盗、娼婦のヒモになる↑↓、Sessions!!―――――真実嫌いの探偵は、 〜少女を監禁する事情〜
(2018/6/28)
冥婚(15推)/もさもさ生活(フリーソフト)
※2018/7/2の拍手で がバーベキュー様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
深い霧の中、私は今日も彼に会いに行く。
優しく話を聞いてくれ、懐かしさを覚える彼のことが気になる毎日。
でも、彼は誰なのだろうか。
選択肢あり、死後婚とよもつへぐいをテーマにした作品で、
期間限定(7月末まで)&プレイ回数限定(200回まで)とのこと。三十分ほどで読み終わりました。
システムは文章速度変更ができずに遅めなことがやや不便でした。
音楽は引き摺る効果音に、絵は一瞬だけ表示されるいくつかの絵にぞっとさせられました。
「私」が彼と会話した後、どう行動するかの選択で分岐します。
エンディングは三種類でそれぞれにおまけシナリオあり。
本編は背景や真相があまり明かされず、おまけシナリオが本番といった印象を受けました。
留まるエンドの後日談が予想外の展開でびっくりしつつお気に入りです。
他二つのおまけシナリオもそういうことだったのかと思わせられるもので、
それを読んだ後にまた本編や別のおまけシナリオを読むとより感じ入るものがありました。
(2018/7/4)
HOLY NIGHT ver1.01(気持ち乙女向け)/ニトイット(フリーソフト)
※2018/7/10の拍手で浪岡様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
主人公は過去の友人が「クリスマスを一人で過ごすなんて、世界の終わりだよ」と言ったことを今でも引き摺り、
毎年訪れるクリスマスを何とか希少な知り合い男子を誘い、やり過ごしてきた。
しかし今年のクリスマスは、誘う人も見当たらなくなってしまい……
選択肢あり、クリスマスに一人なんていやだノベルとのこと、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は主人公の表情変化が印象的でした。
クリスマスにバイト先の同僚オリベ アスヤと深夜まで一緒にコンビニで働くか、
突然声を掛けてきた常連客のマナザキ キヨユキと一緒に過ごすか、
あるいは一人でクリスマスを過ごすかで三つのエンディングに分岐します。
主人公の、自分でもおかしいと思っているこだわりを捨てられない心情が丁寧に描かれていました。
また、どの結末もその先にもう一山ありそうなところで終わっていて、
それが彼らの「その後」に思いを馳せることができる効果的な構成になっていると感じました。
主人公をからかったり助け船を出したりして奔放に行動するオリベさんがお気に入りで、
主人公には是非ずっとこのコンビニで一緒に働いていてほしいなあと思います。
(2018/7/11)
ケミカルてんたくる! ver1.10(一般〜女性向け)/ニトイット(フリーソフト)
調合師見習いミィルゥが適当に調合したモノを入れた夕食がきっかけで、博士が触手生物になってしまった。
ミィルゥは博士を元に戻す薬を作ろうと、適当に調合棚からモノを選び、薬を作るのだった。
調合選択肢あり、どったんばったんなんちゃって調合ADVとのこと、十五分ほどで読み終わりました。
一週間でゲームを完成させようという「一週間でゲーム制作大会」企画参加作品。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はミィルゥが表情豊かでしたし、
触手ゆえに顔がなく表情がわからない博士も手書きの顔でしっかり感情表現がされていました。
十個の素材の中から二つを選び、その組み合わせで結末が変わります。
エンディングは六種類+コンプリート後の追加エンド一つ。
ミィルゥは博士のことが大好きで、博士もミィルゥを大事に思っているので、
どの結末も微笑ましく味わうことができました。
残念ながらエロエロな展開はないですけれども! 媚薬的なものはあるのに!
それにしても適当に調合された薬を躊躇なく飲む博士男前すぎます……
過去の作品感想:HOLY NIGHT
(2018/7/12)
999 ver1.00(12推)/ニトイット(フリーソフト)
男は死の山に登る。
頂上までは千歩。
歩を進めるたび、彼は過去を思い出し、死へと近づくのだった。
選択肢なし、人生、十分ほどで読み終わりました。
千文字喫茶2参加作品。
システムは特に合わないような箇所なし。
背景の足場(荒れ地や草場)などに合わせて足音やBGM、立ち絵が変わるのが細かいと思いました。
矢印を一回クリックするごとにおおむね十歩進んで、だいたい百歩ごとに会話がはさまれます。
クリックしつつ、さっき交わした会話はどういうことだったんだろうと思索することができる作品で、
ラストは良かった……という思いと、でも……という引っ掛かりがあって複雑な心境を味わえました。
元勇者の憂鬱 ver1.00/ニトイット(フリーソフト)
魔王が勇者に倒され、最後の力で勇者の体を乗っ取った。
しかし勇者の体には、勇者の力も魔王の力も残されていなかった。
元勇者で元魔王は、ただの人間として生きることとなる。
選択肢なし、余生、三分ほどで読み終わりました。
システムは読み進める以外の機能なし。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は背景のみ。
一人の男の勇者でなくなってからの生涯が描かれています。
男はなんだかんだ幸せそうな一生を送りますが、
それでも完全には満たされないという空虚さと、
本当のことを知っているのは自分だけという密かな悦びが伝わってきました。
それにしても元知り合いも彼のことわからないんでしょうか……?
過去の作品感想:HOLY NIGHT、ケミカルてんたくる!
(2018/7/13)
純正優男-ジュンセイヤサオトコ- ver1.0(女性向)/spice+(フリーソフト)
幼いころから(物理的に)強く、正義感にあふれ、最近は美しさも備えるようになった主人公。
最強のヒロインを目指す彼女にはいま、気になる男の子がいて……
選択肢あり、恋愛、コメディ、一時間足らずで読み終わりました。
主人公名前変更可。
また、NG機能があり苦手な要素をカットできますがルートそのものが無くなる場合もあり、
全部NGにするとエンディング数が六から二へと減ってしまいます。
システムは一通り揃っていて、操作性も良かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は主人公も男の子たちも、どちらも綺麗で可愛かったです。
主人公のビシッと指差すボーズがお気に入り。一枚絵は十五枚+差分。
優秀な生徒会長の先輩、鯉川皐月、幼馴染で世話焼きな優木涼介、
弟で最近ちょっとよそよそしい織人のうち誰が気になるかを選び、
それぞれのルートで二つの結末に分岐します(NG設定している場合は分岐しない場合もあります)
男の子たちは基本的に最初から最後まで優しくて色々と気遣ってくれますが自分からはあまり行動を起こしません。
その分主人公がとても前向きで行動的で格好良くて、話がどんどん進んで退屈する暇もなく楽しめます。
優しさの中にも変わった一面がある男の子達や突っ走る主人公に笑わせられ、
二人の距離が縮まったことに嬉しくなり、いちゃいちゃする様にニヤニヤできる作品でした。
それにしても女性向作品で最初から最後まで優しい男の子は人気がないのめちゃくちゃわかります。
私、そういう男の子の方が好きなのですが人気投票等で低順位になって何度がっかりしたものか……。
(2018/7/15)
Lost Friends2 -Reason of
Tears- ver1.00(やや女性向)/渦女屋本舗(フリーソフト)
過去の記憶がないリカルドは、領主の屋敷で庭師を目指しながら働いていた。
領主の息子コンラッドは対人恐怖症で、何故かリカルドが遊び相手として指名されるが、思わせぶりなことばかり言うコン
ラッドとの時間は苦痛だった。
逆に森に居た妖精ナナシとの時間は興味深いものだったが、ナナシが妖精の国に帰らなくてはならなくなり……
選択肢あり、不毛系ファンタジーADVとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はとても綺麗で、特に傷を負ったコンラッドの痛々しさとか、魔女の屈強さとか、
花売りの性格悪そうな顔とか、ナナシの脚がエロさが印象的でした。一枚絵は十六枚+差分。
リカルドがコンラッドやナナシと関わっていきます。
初回のみルート固定でエンディングは四種類。
例によって大団円はなく、どのエンディングでも誰かが友達をロストしてきますとのこと。
前作「Lost Friends」とは同じ世界の話でちょっとだけ繋がりはありますが、
メインストーリーはそれぞれ独立した話になっています。
物語が始まるよりもずっと前にもう取り返しがつかなくなってしまっていて、
大団円がないというのに心底納得できます。
せめてコンラッドの対人恐怖症がもうちょっとマシだったら……
好きなエンディングはリカルドエンド。取り返しのつかなさが一番身に沁みました。
それ以外のエンディングを含め、友達をロストする話であると同時に、
知らない方が幸せだったかもしれないことに気付いてしまう話でもあり、
ままならなさや歯がゆさをたっぷり味わえました。
過去の作品感想:ENIGMA:、Lost
Friends
(2018/7/16)
秘密の魔法少女パソティちゃん〜正体はオレサマな先輩♂〜 ver1.2(乙女)/へもへも(フリーソフト)
両親が離婚し貧乏生活を送る坂下着梨は、玉の輿を狙って御曹司で性格に難のある生徒会長、高尾陸に接近するが、
彼が女装して魔法少女となり怪人を倒していることを知ってしまう。
着梨はなかば無理矢理その手助けをすることになってしまい……
選択肢あり、魔法少女、女装、パンツ、九十分ほどで読み終わりました。
システムはRPGツクールMV製。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は色々とインパクトありました。特に「みかん」はズルいです。
陸先輩の格好もキツ……印象的。
陸先輩と着梨が魔法少女になり、何かとパンツに執着する怪人たちを倒していきます。
倒す方法は陸先輩を言葉責めするなどして羞恥心を煽り、それをパワーに変えるというもの。
陸先輩の恥じらいを堪能できました。
さりげなく着梨のHPが陸先輩より高いのも可笑しかったです。
それ以外にもコメディシーン満載なうえ、
陸先輩と着梨の家庭環境や、魔法少女の力を授ける生き物の過去などシリアスもあり、色々と濃厚な物語でした。
過去の作品感想:ororor!、モタモタバレンタイン、××をください!、MerryMerry、はしばみ色の瞳の中は、ドライエック、ポチとご主人と、まい、ルーム、問、主人に軟禁されたから家捜しすることにした、ルート
ルート ルート
(2018/7/17)
アスファルトにうだる ver1.00/それからもうひとつ(フリーソフト)
夏の暑いうだるような日。
私の隣で彼は怖い話を始めた。
選択肢なし、ホラー、夏、五分ほどで読み終わりました。
千文字喫茶2参加作品。
システムはバックログ以外の機能なし。
音楽は効果音のみですが生々しさがありました。
絵も思わずびくっとするような演出がありました。
夏の暑い日にアスファルトの上で会話が行われます。
タイトル画面に「ハジメル」しかなく作中分岐もありませんが、二周目は内容が変わります。
内容が変わることに気付かずに読み終えてしまう可能性があるので、
「ハジメル」を別の文言にするなど何かあることを知らせたほうがいいのではと思ってしまいました。
物語は不気味な怪談が語られるなか、事細かには語らずに想像の余地を残すことや、
フォントサイズや色を変えたり伏字にしたりといったことで、より不安を煽る内容となっていました。
(2018/7/19)
あした見るは、眩しい夜。 ver1.00/それからもうひとつ(フリーソフト)
馬鹿で、癇癪持ちで、かわいく、かわいそうな妹。
妹の言うことはなんでも叶えてあげたい。
だって、馬鹿な妹がかわいそうだから。
選択肢なし、兄妹、鬱屈、五分ほどで読み終わりました。
システムはバックログ以外の機能なし。
音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は背景のみで、それゆえに兄や妹がどういう表情をしているのかあれこれ想像できました。
兄が妹の倫理観に欠ける願いを次々に叶えていきます。
罪悪感のない軽薄な兄の語り口調に味があって、
妹の愚かさと兄の愚かさによって起こることを薄気味悪くも軽妙に読み進めることができました。
そんななか、最後、兄妹それぞれの本音が聞ける場面は演出も相まって、
誉められたものではないけれどもほっとする気持ちになれました。
過去の作品感想:アスファルトにうだる
(2018/7/20)
わたしの愛する、壊れたせかい ver1.00/それからもうひとつ(フリーソフト)
マルガレーテは不治の病を患う幼馴染、エリオットを気にかけていた。
しかし素直じゃないエリオットは彼女に対しひねくれたことを言ってばかり。
今日は自分に関わるなと言われてしまい……
選択肢あり、恋愛、発作、三十分ほどで読み終わりました。
「Make Like Music企画」という複数人が同じBGMを使ってゲームを作る企画で制作した作品とのこと。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は二人で走る場面で流れるBGMにもう少し緊迫感がほしいと感じてしまいました。
絵は普段の二人は可愛かったですし、
回想やエンディングで表示されるモノクロの絵も不気味だったり可愛らしかったり印象的でした。
マルガレーテとエリオット、幼馴染二人の一日が描かれています。
エンディングは五種類で、場合によってはさくっと死んでしまったりします。
エリオットが相当のひねくれ具合で、
マルガレーテへの隠れた思いやりを差し引いてもちょっと殴りたくなりました。
死エンドでは「当ててんのよ死」がお約束ではありますがよくやってくれた! という感じ。
死なないエンドでは最初の選択肢で下を選んだエンドが、
可愛らしいイチャイチャを見せつけられてにやにやできました。
過去の作品感想:アスファルトにうだる、あした見るは、眩しい夜。
(2018/7/21)
無垢の怪物 Super ver1.0(15推)/ガキノハウス(フリーソフト)
軍官学校に所属するチェン・カロスとその教官は、人の手で昼と夜を入れ替えている街を訪れる。
しかし入れ替えを担当している一族の末裔が急死してしまい、何とかしようと屋敷を訪れた者達も行方不明になっていることを知る。
二人は屋敷に潜入し、原因を調査するのだった。
選択肢あり、探索、ミステリー、システムボイスあり、二時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールVX製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はレトロなゲーム画面に合っていました。
終盤のアニメーション演出も効果的。
屋敷の中を探索して情報やアイテムを手に入れたり、謎解きをしたりして真相へと迫っていきます。
謎解きは九つあり、四と八は攻略を見てしまいましたがそれ以外はなんとか解けました。
実際に体験している当事者と物語とわかって読んでいる側の違いから仕方のないことだとは思いますが、
わりと最初の頃から真相を想像できてしまったのでチェン達と若干の乖離を感じてしまいました。
ですが薄々想像しているからこその怖さもあって、多くの場所でぞっとさせられました。
またそんな中でも、なんとか面倒事を避けたい教官が突っ走るチェンに振り回されるやりとりは可笑しかったですし、
たまに教官らしいところを見せる台詞には感心させられ、いいコンビだなと思えました。
(2018/7/22)
少年旗戦エンボイズ ver1.1/ガキノハウス(フリーソフト)
所属する軍の七光り上司から目の敵にされているメイサ・グローンは、
その上司が捨て駒と表する軍人見習い、ユウト・ナガを一か月半指導するよう命令される。
指導していくうちにメイサはユウトの良さに気付き、また自分の至らなさにも気付いていくのだった。
選択肢あり、育成SLG、軍隊、システムボイスあり、一時間半ほどで終わりました。
システムはRPGツクール VXACE製。
音楽は育成メイン画面の曲がさわやかでずっと聴いていられました。
トゥルーEDの歌も演出と併せ印象的。
絵は苦悩や卑屈さといった負の感情がとても良く伝わってきました。
平日は勉強や訓練等をしながらユウトの能力値を上げていき、週末にストーリーが進み、
能力値によって六つのエンディングに分岐します。
育成パートは初期の体力気力では休憩してもろくに回復しない一方、体力気力上限が増える際に全回復するため、
極力休憩せずアイテムで体力気力を回復させていくのが効率的でした。
話はクソ野郎の上司がどこまでもクソ野郎に描かれていて、
それに反抗することができない悔しさ、無力感を強く覚えると共に、
ユウトとメイサの良さやさらなる成長をより好ましく感じることができました。この二人が教官と教え子で良かった……!
「無垢の怪物 Super」に登場した教官(魔法兵隊長)にも見せ場がたっぷりあってただの面倒くさがりじゃなかったんだなぁ、って……
また、トゥルーエンドはむしろここからが本編じゃないですか! というような熱い引きで、続きが凄く読みたいです。
過去の作品感想:無垢の怪物
Super
(2018/7/23)
紅く追憶の水葬 version 1.14(12推)/kotonoha*(フリーソフト)
記憶喪失となって名前も思い出せず入院していた「僕」の前に刹那の探偵を自称する紅静莉(くれないしずり)が現れる。
彼女によって「僕」はオセロ・カルディナールロートという名を与えられ、山奥にある紅邸で過ごすこととなる。
しかし、その屋敷はクローズドサークルとなり、事件が起こってしまうのだった。
選択肢あり、ミステリ、血、記憶、三時間半ほどで読み終わりました。
流血表現や残虐表現が一部含まれているため苦手な方はご注意くださいとのこと
システムはRPGツクールMVで分岐ありですが、
既読スキップなし、スキップ遅めというツール環境ながら
ルート回収が簡単にできるように工夫されていて、その配慮がとても有難かったです。
音楽は物語や場面に合った曲が使用されていました。
絵も話に合っていて、ちょっと妖しくも美しかったです。一枚絵は五枚+α。
<刹那の探偵>シリーズであるとのことですが、今回の事件はきちんと一区切りついています。
エンディングは二種類。
作中はもちろん、公式サイトにも様々なトリックが仕掛けられていて、
一部そんなのあり? と思うものもありましたが、
しっかりと手がかりが示されていてアンフェアなものではないので……気付けなかった私が完全に悪いのです!
ミステリの基礎を説明しつつ応用問題が話に含まれていることも多く、
最初から最後までミステリを堪能し、推理が当たったり手玉に取られたりを楽しむことができました。
あとちょくちょくセクハラされるオセロが不憫可愛いです!
(2018/7/26)
おしばな物語 ver2.0(15禁)/ガキノハウス(フリーソフト)
おすすめ
過去の作品感想:無垢の怪物
Super、少年旗戦エンボイズ
(2018/7/29)
Spring Killer ver1.2/ガキノハウス(フリーソフト)
世界で一番かわいいひかるちゃん(自称)は春が来るのを何故か嫌がっていた。
ひかるちゃんは付き従う記憶喪失の青年ウェイバーンと共に、
春を阻止しようとするのだった。
選択肢なし、春、ひかるちゃんが、いちばんかわいい! 三十分ほどで読み終わりました。
システムはRPGツクール VX製。移動がかなり遅めでした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はひかるちゃんの小憎らしさ可愛らしさが描かれていました。
世界で一番かわいいひかるちゃんと記憶喪失のウェイバーンが、
冬が続くように春の妖精や花の妖精を倒したりしていきます。
未公開作品の外伝とのこと。
春を阻止する理由を知ると、そんなことのために妖精達は倒されたのか……とあまりいい気分になれませんでしたが、
同時にひかるちゃんが、いちばんかわいい! から仕方ないかなあとも思えました。
過去の作品感想:無垢の怪物
Super、少年旗戦エンボイズ、おしばな物語
(2018/7/30)
ロイヤルベルを鳴らして ver.1.01(乙女)/HACKMOCK(フリーソフト)
財政難にあえぐ小国ヴィンボーナの王女ユーリは、
父親の王から大国カネモティアの王子二人、アルトとアキバルどちらかと結婚するように言われる。
しかしその方法は大臣セナと共に王子たちが滞在する別荘へ忍び込むというものだった。
選択肢あり、政略結婚、恋愛、コメディ、九十分ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はアキバル様の見た目が不意打ちで笑いました。
あとユーリが表情豊かで可愛いです! 一枚絵は二十枚+差分。
玉の輿目当てで王子様に会いに行くことになりますが、そこで会話を交わすうちに相手の色々な面を知っていきます。
恋愛対象は三人でエンディングは八種類。
アルト様ルートはこれぞ王道の乙女ゲーム! という展開で安心感がありました。
セナルートは肉体的接触(健全)が多くてドキドキさせられました。
アキバル様ルートはつかみがインパクトありましたし、
二人とも慌てて変な行動をする似た者同士で微笑ましくて一番お気に入りです。
そして全ルートを通じて王女様なのに素朴で、すぐに慌てておかしなことをするユーリが魅力的でした。
過去の作品感想:午前0時のマージナル
(2018/7/31)
人身売買デスゲーム/パラレルドリームス(フリーソフト)
海老原大千(エビハラタイチ)が目を覚ますと、見知らぬ人達と共に見知らぬ部屋にいた。
そこは人身売買取引所で、タイチ達は命を抜き取られ、かわりに特殊能力に目覚めているという。
タイチ達は自分の価値を高め、相手の価値を操作するデスゲームを強制されるのだった。
選択肢あり、投資&論破系デスゲームとのこと、四時間半ほどで読み終わりました。
「RPGアツマール」でプレイできます。
システムはRPGツクールMV製。バックログがないことがやや不便でした。
また、オートセーブは最後にセーブした場所を上書きするのではなく、どこか固定のセーブスロットにしてほしいと思いました。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は登場人物ごとに特徴が描かれていました。脱落時ムービーあり。
特殊能力の有用性や立ち回りの上手さで自分の価値を上げていき、
定期的に開催される能力者総会終了時に一番価値のない者が脱落していきます。
価値は彼らを観察している投資家達の判断で上下し、
タイチ達もデスゲーム参加者に投資し、価値が上がった所で売却することで手持ち資金を増やすことができます。
また、参加者の発言の気になる部分に適切な言葉を選択しぶつけて、相手の価値を上下させたりできます。
株式投資を簡略化してゲームに落とし込んでいるため、
デスゲーム主催者が価値が下がりきってから売却するのはとても損なのではないかと思ったり、
下がることもわかるのに空売りできないのは歯がゆいと思ったり、
気になる発言の色で相手の価値が上がるのか下がるのかわかったり、
手数料がなかったり実際の投資との差異に戸惑うこともありました。
ですが主人公のトラウマ克服回で言葉をぶつけるシステムを逆手に取った仕掛けがしてあって、
仕掛け自体も効果的でしたが、それにより主人公がトラウマに向き合えたということがしっかりと実感できました。
また、デスゲーム参加者同士の関わり合いや、理不尽な脱落、胸がすく結末なども読みごたえある作品でした。
(2018/8/1)
夏に溺れる ver1.00/辰砂/鳥。(フリーソフト)
夏休み、一人で祖母が住む田舎を訪れた小学生の~木思紋(かみきしもん)
その地の風習に興味津々になりながら祖母と町を歩いていると、同世代の子供たちと出会う。
翌日、遊ぶ約束をした彼らと共に川へ向かうが……
選択肢あり、夏、田舎、不思議、二十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
基本的に右端に縦書きのテキスト、その左に背景絵という画面で、素朴さを感じる背景が話に合っていました。
広島の田舎を舞台にして、思紋が祖母と話したり、知り合った子供たちと遊んだりします。
エンディングは二種類。
町の子供が五人いて、ちょっと誰が誰だか混乱してしまうことがありました。私の頭のせいですが!
心配する親をちょっとうっとおしく思ったり、おそらく初めての一人旅に興奮したりという思紋の心情や、
暑さ、綺麗な海、その地の風習といった情景がとても鮮やかに描写されていて、
懐かしくも新鮮な気持ちで読み進めることができました。
二種類あるエンディングは左側がお気に入り。
思紋はもちろん、それ以外の人達の気持ちが痛いほど伝わってきました。
夏を感じさせる素晴らしいテキストと背景に浸りつつ、そこで起こる出来事に心が揺さぶられた作品でした。
(2018/8/2)
次元の魔女と疑惑の生徒U/コットンローズワード(フリーソフト)
入学してから一週間後、転校してきた少女、ユウリは自分が次元の魔女で勇者を探していると言い放った。
勇者である主人公はある事情からユウリに見つからないよう息をひそめて学校生活を送る羽目に。
そんな中、クラスの美少女委員長に、勇者であることがバレてしまい……
選択肢なし、学園、異世界転生、四十五分ほどで読み終わりました。
「次元の魔女と疑惑の生徒」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵素材で、服装差分をここぞとばかりにとっかえひっかえ使用していました。
「次元の魔女と疑惑の生徒」の続編で、今回はユウリではなく主人公と委員長の関わりが多め。
勇者の過去語りでどこかのRPGで見たことがあるような設定が語られるところや、
委員長のズレた言動に主人公が振り回される所が可笑しかったです。
また、「次元の魔女と疑惑の生徒」で嫌というほど思い知らされたことがあって警戒していたら、
別方向から酷い目に遭わされて、そうきたか……と思わせられました。
過去の作品感想:ヤンデレ彼女、ゴシックの瞳、次元の魔女と疑惑の生徒
(2018/8/4)
メイジの悲劇嘆/unbreaktell(フリーソフト)
滅亡の運命に支配されし世界。
運命救済者として別世界から招かれた黒のメイジ、リディオは、
仲間を集め世界を救う旅に出ることとなるのだった。
RPG、運命、中二、技ボイスあり、九十分ほどで終わりました。
主人公名前変更可。
システムはRPGツクール2000製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は上手いとは言えませんが何が起こっているのかはわかりますし、印象に残りました。
リディオ達四人が運命に導かれ、そして運命に抗っていきます。
戦闘は適度に苦戦するくらいのよいバランスで、
ワールドマップやダンジョンは狭い分、迷わずに進むことができました。
ただ宿屋に話しかけて泊まらないと舌打ちされるのが心にきます……
台詞回しや、セーブが「運命を刻む」だったり、アイテムが「アーティファクト」だったりと中二的な内容満載ですが、
山場で誤字や不思議な言い回しがあって脱力させられます。
ストーリー展開もとても速く、途中ヒロインと親しくなるイベントもないのでラストが唐突に思える面もありましたが、
勢いのある台詞や印象的な絵から、なんとなく納得させられるパワーがありました。
(2018/8/13)
メイジの因果録 ver.1.1/unbreaktell(フリーソフト)
放たれた刺客を撃退したブラネェドの前に、ブルーと名乗る男が現れる。
彼はかつて、ブラネェドの両親と共に旅をした仲間だという。
その時破ったはずの運命に再び囚われそうになっていることを告げられたブラネェドは、ブルーと共に立ち上がるのだった。
RPG、因果、運命、技ボイスあり、二時間ほどで終わりました。
「メイジの悲劇嘆」の感想はこちら
システムははRPGツクール2000製。歩行速度が「メイジの悲劇嘆」よりちょっと遅くなっていました。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は冒頭、悲劇嘆を思い起こさせ、かつ今作への期待感をあおる演出から
気が抜けたタイトル名が表示され出鼻をくじかれます。さらにタイトルロゴは回る……!
イベントグラフィック等も上手いとはいえませんが、しかし印象に残るものでした。
あとレクセリアの顔グラフィックが美人です。
「メイジの悲劇嘆」から約十年後、リディオが解決しきれなかった因果にリディオの子ブラネェドが挑みます。
十年……? にしてはブラネェドがもっと年齢高い気がしますが……きっと時空の歪みとかそういうやつなのでしょう。
あとブルーさんやけにハードボイルドになっていました。
戦闘は少々大味ながら丁度いいバランスで、謎解きやアクションは一部歯ごたえがあります。
話は「メイジの悲劇嘆」とかなり関連があって、それが窺えるシーンはなんだか嬉しくなりました。
でもそれ以上に独特のテキストセンスが色々とツッコみどころ満載で、同時に魅力でもありました。
過去の作品感想:メイジの悲劇嘆
(2018/8/14)
メイジの転生録/unbreaktell(フリーソフト)
宿命々原を徘徊していた魔黒理人(まこく りひと)の前に突然の稲妻!!!
が起こり絶叫ヶ原 武羅卯(ぜっきょうがはら ぶらう)が襲ってきた。
絶体絶命のところ前世覚醒しメイジとなった理人は、同じくメイジのレイネと出会い、因果運命を背負うことになっていくのだった。
RPG、転生、因果運命、三時間ほどで終わりました。
「メイジの悲劇嘆」の感想はこちら
「メイジの因果録」の感想はこちら
システムははRPGツクール2000製。
音楽は疾走感がありました。OPとEDに歌あり。
絵は章が進むごとに上達していました。
印象的なポージングや、技演出もあり。
「メイジの悲劇嘆」「メイジの因果録」から24億年後が舞台で、
前世の異能や運命を受け継いだキャラクター達が登場します。
戦闘は一人で闘うため単調になりがちですが、
一部ボス戦では援護射撃があり、それを考慮して行動を決めるとより敵を倒しやすくなりました。
話はFAITとかDistiniといった単語や、中二病真っ只中のテキストが目を引きますが、
悲劇嘆や因果録の台詞がセルフオマージュされている場面も随所にある事から
ひょっとしてわざとそういったテキストにしているのではないか……? と思い始めました。
そうした台詞や、それを発する登場人物たちのインパクトに笑いながらも、
終盤は熱く、解決してよかったと思える内容で、心地よく終わることができました(エクストラダンジョンありますが)
過去の作品感想:メイジの悲劇嘆、メイジの因果録
(2018/8/15)
ちっちゃいアイドルDVDのつくりかた(18禁)/sol-fa-soft(DL販売1404円)(DL版の購入はこちら)
小さな女の子がちょっと過激な水着を着るイメージビデオに初出演することになった桐咲あやか(芸名)
しかし一緒についてきた母親は報酬を受け取るとパチンコに行ってしまう。
ロリコンの撮影班三人は、あやかちゃんへの要求をだんだんエスカレートさせていくのだった。
選択肢あり、ロリコン、ビデオ撮影、ボイスあり、四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は特にお風呂で恥らいながらはにかむあやかちゃんが可愛かったです!! 一枚絵は十六枚+差分。
選択肢で撮影内容が変わり、大体は本番までしてしまいますが、そこまで行かないルートや親子丼ルートも。
監督とカメラマンがロリコンなので阿吽の呼吸で撮影が進んでいくのが可笑しかったです。
お気に入りは二回目の撮影シーン。
それまで全然喋らなかったカメラマンが喋る言葉の力強さに、
ああ、本当に生理が来たロリが好きなんだなあという感情がこもっていました。
最初は戸惑ったり恥ずかしがったりしながらもどんどん素質を開花させて積極的になっていくあやかちゃんも可愛くて、
明るくなごやかな気持ちで読み進めることができました。
過去の作品感想:いなかえっち、おんなのこ症候群、うたパコ、今日のアコちゃん
(2018/9/1)
CisLugI-シスラギ-/Next Village(DL販売3240円)(DL版の購入はこちら)
死にたいと口にしただけで自殺できる尊厳維持装置が国民全員に埋め込まれた世界。
死は権利として、安らぎとして人々に受け入れられていた。
しかし反対派の一部はテロリストとして尊厳維持装置を廃止するため活動していたのだった。
シナリオ選択のみ、自殺、革命、群像劇、十三時間ほどで読み終わりました。
システムは起動時毎回ウインドウかフルスクリーンか選択する必要があること、
タイトル画面で初回起動時以外も自動でスタート(最初から)にカーソルが合うこと、
バックログで読むことができる量が少ないこと、
バックログに発言者名がなく誰の発言かわかりにくいことが気になりました。
音楽は良い曲が多いのですが音楽鑑賞モードで複数の曲を聴くとき、
一旦停止ボタンを押して再生ボタンを押さないと次の曲が流れないので曲名ダブルクリックで再生等にしてほしかったです。
OPにムービーと歌あり、挿入歌あり、ED歌三曲あり。
絵は一枚絵の逆光率がかなり高い印象。
立ち絵や背景も含め綺麗でした。一枚絵は二十六枚+差分。
最初に自殺に関してどう思うかが選択肢で提示され、
その選択により同じ舞台で主人公が異なる四編「罪過の兎は手を伸ばす」「道化の電波時計は時を刻むのか」
「不良の少女は愛を知らない」「彼岸の獣は言葉を喰んだ」を読むことができます。
それぞれの話に別の話の登場人物が出演することもあり。
「彼岸の獣は言葉を喰んだ」は記憶喪失の少年、平河行衛(ひらかわゆくえ)が
連続殺人鬼の少女、逢沢遠恩(あいざわとおん)に惹かれていく話。
主要人物全員思い込みが激しくて、特に行衛は才能といえるほど。
それゆえか煙に巻かれるような、つかみどころのない不安感を覚えました。
「不良の少女は愛を知らない」は尊厳維持装置が故障し自殺できない但馬(たじま)すみれが
正義感と過去の出来事から不良退治をする「マフラー小僧」として活動していく話。
すみれの活動はテロリストとして活動する白兎と比較するととてもちっぽけで、
その上挫折してばかりで、ままならなさがたくさん詰まっていました。
「道化の電波時計は時を刻むのか」は世界一の企業阿賀野コーポレーションの社長、金剛寺春人(こんごうじはると)と
幽霊が見える少女、女未子重音(めみこかさね)が出会い、重音が見る幽霊に翻弄されていく話。
金剛寺社長の語る持論が極端でありながらも例え話が上手くて納得させられましたし、
序盤に語られる尊厳維持装置に対するスタンスが一番自分に近かったです。
惜しみなく財力をつぎ込んで行うことの数々も楽しかったです。
終盤明かされる真実や以降の春人のスタンス変化も読みごたえあり、重音の可愛さも併せ一番好きなルートでした。
「罪過の兎は手を伸ばす」はメインルートと言えるもので、母親が自殺した少女、和泉冬伽(いずみ とうか)が
パワードスーツで尊厳維持装置廃止のテロ活動(そのため極力人は殺さない)をする日野原矜次(ひのはら きょうじ)と出会い、
テロ組織の一員となって活動していきます。
最後、冬伽の見た目が綺麗なのが納得いかなかったですが、
危機的状況を切り抜けたり、安心したかと思えば良くないことが起こったりという目まぐるしい展開に引き込まれ、
特に終盤は凄惨な出来事から熱い展開でした。
敵も矜次もおちゃらける余裕があっていい感じに噛み合っているところが面白く、そして格好良かったですし、
テロ組織の面々も人情味たっぷりで肩入れしたくなります。
視点主になることが多い矜次は強くて色々な特技もありますが自殺に対する精神性が未熟で、
それが読んでいて共感につながりましたし、成長も感じられました。
それぞれの話で尊厳維持装置に対するスタンスが語られ、実際にそういう装置があったら、とあれこれ考えさせられました。
「罪過の兎は手を伸ばす」エピローグは四つの話が交わりここからが本番という感じで盛り上がったところで終わってしまい、
かなり気持ちの行き場がなくなってしまったので続編希望です!
(2018/9/12)
檻のビブリオ/±10(フリーソフト)
魔女の本を管理する図書館「檻のビブリオ」に魔法使いの青年オトが迷い込んできた。
司書のベルジオスは彼に図書館を案内し、逃げた文字を捕まえる手伝いをしてもらったりするが、
魔女の本が引き起こす異常事態に巻き込まれてしまうのだった。
選択肢あり、本、魔法、一時間ほどで読み終わりました。
システムはバックログを読めないことが残念でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はベルジオスがとっても可愛いです。
おもちゃのような図書館の住人達も可愛いです。
前作で「ガラス姫」を読んでいた図書館司書ベルジオスが新しく図書館にやってきたオトに関わっていきます。
本の中に入り込んでしまったり、文字が逃げ出したりする魔女の本を管理する図書館という設定にまず興味を抱かせられました。
前半はベルジオスと道具屋さんが色々と振り回されて慌てたりげっそりしたりするところがコミカルで微笑ましかったです。
後半は打って変わって完全にシリアスで、見ていることしかできないのが歯がゆかったですが、
最後はちょっと切なくも、良かったなという気持ちで読み終えることができました。
過去の作品感想:ガラス姫
(2018/9/13)
ぶきあつめ 〜なんでも武器になるRPG〜 ver2.03/kagaya(フリーソフト)
一人前の武器商人を目指すうぇ子。
死んだ父親の「どんな物でも武器にして戦う…それが真の武器商人だ!!」という言葉を胸に秘め、
縁の下の力持ちである妹のぽん美と共に、伝説の武器を探すのだった。
フィールドと戦闘が一体のターン制RPG、十一時間で全武器集めることができました。
システムは贅沢を言えば未鑑定武器をランダムで装備や武器庫から出すボタンがあれば有難かったです。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はうぇ子やぽん美がやや脱力系で可愛らしいです。
「なんでも武器になるRPG」のサブタイトル通りに、剣や斧だけでなく、
タンスや机、木、さらには池や家、穴といったそもそも持てるのかというものですら武器として使うことができます。
定番のチュートリアルスライム戦から様々なものを武器にできて笑えましたし、
その後も、これも拾え……拾えた! という楽しさがありました。
RPGの定番ネタも随所に散りばめられていますし、
武器商人らしく入手した武器を(妹が)売って売り上げ〇万を目指したり、
武器コンプリートを目指したりという目標があってやりこみがいがありました。
使いやすかったのは序盤では強力な遠距離攻撃ができる「一家の母ホクトーマ」、定番の「枯れ木」
中盤以降は敵の攻撃が強くなるのに防御力を上げる手段がないので(一時的にはありますが)
「勇敢デビル」「馬」「毒沼」「巨大な穴」「魔女クレモア」で
なるべくダメージ受けずに倒せる武器を使用していました。
……武器じゃない? 普通の武器は攻撃力があっても追加効果たいしたことないんですもの!
(2018/10/8)
Partiality 1.01/れんたか(フリーソフト)
Deep consという装置を用いて他人の精神に干渉することができる数少ない人間であり、カウンセラーの主人公は、
周囲の人が次々と自殺する事件で容疑者とされる渦中の女性、アリティ・ノーラの犯行の証拠を見つけてほしいと依頼を受ける。
しかしアリティの精神世界は、いままでに見たことがないほど歪んでいたのだった。
選択肢あり、精神世界探索アドベンチャー、二時間十五分ほどで読み終わりました。
システムはバックログがないので読み飛ばしてしまったときにちょっと困りました。
音楽は控えめなBGMか効果音が中心。
絵はアリティがとても美しく、また彼女の精神世界は異常さをありありと感じられました。
ただクリックでの移動では主人公がたまに後ろ向きに歩いてしまうことがあって
ちょっと内容にそぐわないコミカルさを感じてしまいました(隠しエンディングも若干コミカルではありますが)
周囲の人を自殺に追い込んだと疑われている女性の精神世界に入り、事件の真相や彼女の内面を読み取ろうとしていきます。
エンディングは四種類+隠しエンド一つ。
最初全く情報がない中で精神世界を歩くことになったり、事件の詳細や真相が明確には語られないなど、情報量は少なめですが、
その分精神世界に出てくる異形やそれが発する言葉で推測する余地が多分にありました。
とりあえず主人公が薄っぺらなことは明確ですが! ……親しみが持てます。
綺麗でミステリアスなアリティの言動と、奇怪な精神世界に
主人公と共に引きずりこまれてしまいそうになる世界観が魅力的な作品でした。
(2018/10/9)
僕を殺す瞳 Version1.07/よなき(フリーソフト)
美大に通う「僕」は昔から毎日、色のない瞳が見つめてくる夢を見ていた。
ある日トラックに轢かれそうになったところをその瞳を持つ女の子に助けられるが、それが原因で女の子は記憶を失ってしまった。
名前すらも思い出せない彼女に「瞳」と名付けた僕は、瞳を自分の家に住まわせることにする。
選択肢あり、瞳、色、美術、一時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可(というか名前入力必須です)
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は荒いドットでとても可愛らしく瞳が描かれていますし、
まばたきしたり服がひらひらしたりするアニメーションも多く、目を引きました。
髪形や服のバリエーションも多く、自由に着せ替えすることができます。
瞳と一緒に暮らしながら、彼女をモデルに絵を描いたり、一緒に遊んだり、彼女の正体を探ったりしていきます。
エンディングは四種類。エンディングのないエンドレスモードもあり。
一回最後まで読むと各エンディングのヒントを見ることができます。
途中のイベントや各エンディングはあっさりしたもので物語としてはやや物足りなさを感じてしまいましたが、
自分と同じ部屋で色々な髪形や服を着て微笑んでくれ、好いてくれる瞳がいるだけでなんだか幸せな気持ちになりました。
ただヌードモデルをしてもらったり、夜はすぐ横で(裸で?)寝ていたりちょっと「僕」と親密すぎじゃないですかね……うらやましい!!
また、主人公が描く絵や、入手できる服などが様々な色のバリエーションがあり、
ドット絵であることと併せてビジュアルがとても魅力的な作品でした。
(2018/10/10)
鉛の心臓(乙女)/JACK IN THE [BOX](フリーソフト)
かつて神童と言われたピアニスト辻村綾乃を兄に持つ高校二年生の辻村刹那は、
二年間疎遠になっていた江西航平が同じ学校に通っていることを知る。
彼と再び親しく接するようになるが、それがきっかけで兄や周囲との関係が変化していくのだった。
選択肢あり、周囲と兄妹間の関係性模索ノベルゲームとのこと、四時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
システムは長さと選択肢の割にセーブスロット数が五個では少ないと感じてしまいました。
音楽は穏やかで綺麗で、心情描写に寄り添う曲が使用されていると感じました。
兄がピアノ演奏する所でピアノ曲が流れるところも良かったです。
絵は背景のみ。
全てにおいて兄が優先された家庭で育ったせいで自己評価がとても低い主人公が紆余曲折の末に一応の平穏を手にしますが、
それは危ういバランスの上に立つもので、幼馴染の少年と再会したことで色々な変化が起こっていきます。
説明的な文章が少なめなため物語の背景や人間関係を把握して話に集中するまで時間がかかってしまいましたが、
その分、主人公が感じる周囲との齟齬や強迫観念、居心地の良さといった様々な気持ちが丁寧に描かれていました。
また、主人公の気持ちだけでなく周囲との何気ない会話が自然である一方、
会話相手とお互い探り探り接している場面ではぎこちなさが、緊迫した場面では重苦しさが感じられました。
主人公は神様のように思っているけれど実際は……な兄や、
器用に生きることができるけれど主人公兄妹と関わってしまったがために……な幼馴染など登場人物も魅力的で、
穏やかでゆったりとした文章と緊迫感のある文章のメリハリに、時には息をのみ、時には力を抜いて物語に浸ることができました。
(2018/10/14)
虚無、あるいは絆の家/武蔵野モーツァルト(フリーソフト)
ロボット・ドクターの「私」はロボットの修理をするためにとある家を訪れた。
娘を亡くした夫婦が娘の代わりにと作った、娘そっくりのロボットを直してほしいとの依頼だった。
直してからしばらくして、「私」は再び同じ家を訪れた。
選択肢なし、ロボット、家族、五分ほどで読み終わりました。
システムは三回目が出た状態で一回目を読むと三回目が消えるのがちょっと気になりました。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は影絵。
三人家族の元へ、ロボットドクターの「私」が訪問します。
修理が完了するとタイトル画面に戻り、新たな話を読むことができます。
二回目に訪問するあたりからもしかして……という予感がして、三回目でやっぱり! と思え、
最後の最後でももう一捻りある構成が巧みで、
ぞっとしつつも考えさせられる奇妙なSFでした。
過去の作品感想:大きなのっぽのメイドロボ
(2018/10/15)
幼馴染がドスケベカワイイ(BL18禁)/武蔵野モーツァルト(324円)(DL版の購入はこちら)
亮太は幼馴染のスバルが自分を想って自慰しているところを目撃する。
その痴態に亮太は何故か興奮を覚えてしまうのだった。
選択肢あり、ショタBL、幼馴染、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は特に口をへの字にしたスバルがお気に入り。一枚絵は八枚+差分。
幼馴染が発情するとドスケベなことを知ってしまい、しかしそれを可愛いと思ってしまいます。
冒頭からスバルの自慰で始まるというスピーディな展開ですぐにHシーンを味わえました。
そんな感じでHシーンが大部分ではありますが、行為をしているときはお互い興奮しているけれど
我に返ると照れたり、でもお互いを思いやったりする二人も微笑ましかったです。
過去の作品感想:大きなのっぽのメイドロボ、虚無、あるいは絆の家
(2018/10/16)
白いプリンター Version2.00(15推)/ゆめみのやまい(フリーソフト)
一人暮らしを始めた「僕」は金欠となり放置されていたプリンターを持ち帰る。
そのプリンターは驚くほどの高画質で「僕」は様々なものをプリントアウトしてみた。
しかし時折、見覚えのないものが印刷されるようになってしまうのだった。
選択肢あり、プリンター、ホラー、十分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。また、英語版に切り替え可能。
音楽と絵は印刷されるときに画面上から徐々に紙が出てきて、印刷音が鳴る演出が臨場感ありました。
後半表示される絵にはぞっとするものも……
プリンターを拾ったことがきっかけで奇妙な出来事に遭遇してしまいます。
エンディングは二種類。
身近な「印刷する」ことが題材なためもあってか、
実際に起こってもおかしくないと思わせる不気味さを感じました。
また、二つあるエンディングは正反対のもので、
私はバッドエンドっぽいなという方から読んだのでホラーではありますが同時にホッとすることができる読後感がありました。
(2018/10/18)
うら☆くそ 演出強化版/サークルGtM(フリーソフト)
高校生の麗華うららは下宿の室内で花火をして家を燃やしてしまった。
大家から損害賠償を請求され借金持ちになってしまったうららは、
大家の従妹でクラスメイトの流堂アリスを巻き込み、借金返済を目論むのだった。
選択肢あり、コメディ、パロディ、三十分足らずで読み終わりました。
ノアフェスで制作された作品の演出強化版。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はうららもアリスもあられもない(白目を剥いたり虚空を見据えたりするような方向で)表情が多かったです。
あと影絵の大家さんがオーバーリアクションで妙に味がありました。
同人活動したりyout〇berになったりざわ・・ざわ・・したりして借金返済しようとします。
エンディングは六種類。
漫画やインターネット関連のネタ多め……というかほとんどでした。
話もコメディ色が強く、気軽に読むことができましたし、
女の子同士の友情も? 百合? な展開もあってその方面も味わうことができました。
お気に入りはyout〇berエンド。
選んだとたん伏字にすらならなくなる開き直りや正気を疑う配信内容、アリスのデレなど盛りだくさんでした。
(2018/10/19)
公衆電話 ver1.1/加藤 匠(フリーソフト)
佐藤直樹は気が付くと電話ボックス内に閉じ込められていた。
扉は開かず、割ることもできず、緊急通報ボタンも壊れていた。
その上携帯電話もなく、手持ちは十円玉が三枚のみの状態で脱出を図るのだった。
選択肢あり、公衆電話、サスペンス、生き様、一時間ほどで読み終わりました。
システムはバックログとエンディングリストが欲しいと思ってしまいました。
音は効果音のみで絵は公衆電話の背景のみですが、そのことでより現実味を覚えました。
三回電話をかけ、閉じ込められた電話ボックスから脱出しようとしていきます。
最初は何も手掛かりがないので警察や消防にかけるしかないですが、
だんだんと他の電話番号に関する情報を入手できます。脱出の方法は複数あり。
少しずつ情報を集めていくやりがいを感じることができました。
あと携帯電話の電話帳機能の便利さを痛感します。
また、ともすれば説教臭くなる内容も含まれていますが、
脱出できないエンドを読んだ後ではそう感じず、わが身を省みるものになっているところが上手いと思えました。
(2018/10/20)
恋愛漫画DEATH/りんご組(フリーソフト)
高校一年生の村根恋(むらねれん)は同じクラスの森山愛に一目惚れした。
いままで一言も彼女に話しかけられなかったが、
付き合うことができるように行動するのだった。
選択肢あり、死、シュール、十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。主題歌とムービーあり。
絵は正直あまり上手いとは言えません。
同名のweb漫画をノベルゲーム化した作品。
選択肢がとにかく多く、色々な展開となりますがだいたい主人公か愛が死にます。
話自体は短めなためあっさりしていたり、唐突だったりすると感じてしまいましたが、
web漫画ではバッドエンドの続きからさらに続いているので、
web漫画の導入かつ別の可能性として読むことができる作品でした。
(2018/10/21)
虚ろ町ののばら 1.03(12推)/Paper Moon(フリーソフト)
祖母の家に向かおうとしていた少女、境のばらは、気が付くと見知らぬ場所にいた。
そこは影のような姿をした、自分の名前も思い出せない人びとがうろつく「虚ろ町」
のばらは唯一普通の姿と記憶を持った守崎十夜と共に、虚ろ町から脱出しようとするのだった。
選択肢あり、探索、ホラー、おにロリ、パートボイスあり、四時間半ほどで終わりました。
システムは目標が表示されたり、近寄るとイベントのある場所がポップアップするのが有難かったです。
音楽はそれぞれの場面に合っていました。挿入歌あり。
絵はまずタイトル画面からもう美しいです。
作中の絵も綺麗だったり、恐ろしかったり、のばらちゃんが可愛かったり。
ドット絵も細かい動作まで表現されていました。
中でも一番好きなのは○○様初登場。本当に綺麗で目を奪われました。一枚絵は十四枚+差分。
のばらちゃんと、時折十夜くんを操作して虚ろ町から脱出しようとしていきます。
その中で良いことをしたり良くないことをしてしまったりの数などで四つのエンディングに分岐します。おまけシナリオもあり。
前半は恐ろしく、中盤は雑多で活気ある町をうろつく楽しみがあり、終盤は再び怖く、そして悲しくなる話でした。
そんな中をのばらちゃんと十夜くんが二人協力して仲良く行動していくのは微笑ましくて、
ED4にたどり着いた時には心から良かったなと思えました。
そして……とにかくのばらちゃんがいたいけで可愛いです!
臭い臭いを嗅いだり汚部屋を見たりしてドン引きして嫌がるのばらちゃんを愛でるの楽しい……
子供らしい残酷な暴力性が垣間見えるのばらちゃんも素敵ですし、のばらちゃんにビンタしていただくことも可能。
怖がったり嫌がったり照れたり笑ったり、とにかくのばらちゃんが可愛かったです!
過去の作品感想:霧と太陽の王、ゴッデスリトルラビット!
(2018/11/13)
ケミカルはろうぃん! ver1.01(一般〜女性向け)/ニトイット(フリーソフト)
ハロウィンに一人で店番をすることになったミィルゥ。
様々な客が訪れる中、完璧に店番をこなして博士に褒めてもらえるのだろうか……?
選択肢あり、ハロウィン、店番、二十五分ほどで読み終わりました。
前作「ケミカルてんたくる!」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵に表情変化はなく、フキダシで様々な感情表現がなされています。
買い物にくるお客さんが欲しいものを売れるかで三つのエンディングに分岐します。
「ケミカルてんたくる!」の続編ですが、
「ミィルゥは博士のことが大好き」なことさえ押さえておけばこの作品だけでも楽しめます。
というか「ケミカルてんたくる!」に出てこないキャラがたくさん……
新キャラみんな一筋縄ではいかない感じでしたが、
やはり博士一筋が空回りしがちなミィルゥと、なんだかんだミィルゥを気にかける博士のコンビがお気に入りです!
過去の作品感想:HOLY NIGHT、ケミカルてんたくる!、999、元勇者の憂鬱
(2018/11/19)
Reset→Move -Mobius loop- ver1.00(乙女15推)/offoffo(フリーソフト)
春、主人公は先輩の千葉 遙馬(チバハルマ)と同じ委員会になり、仲良くなっていった。それを快く思わない者がいた。
春、主人公は後輩の若槻 倫太(ワカツキリンタ)と同じ委員会になり、仲良くなっていった。それを快く思わない者がいた。
選択肢なし、高校青春を追体験する劇場型恋愛ADVとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
主人公名前変更可。
「Reset→Move」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は、目パチ口パクがあったり映画フィルム風の枠などの演出が効果的でした。
あと千葉先輩一見快活そうなのによく見ると裏がありそうな見た目でお気に入りです。
「Reset→Move」のリメイクで、「Reset→Move」では相手とかなり仲良くなったところから始まりますが、
「Reset→Move -Mobius loop-」では出会いから文化祭、体育祭等を経て仲良くなっていくところも描かれています。
千葉先輩からも若槻くんからもとても大事にされるので非常に気分が良かったですし、
「Reset→Move」と同じシーンもそれまでの積み重ねがあるため、より恋愛的なドキドキを味わえました。
主人公の友人もいいキャラしています。
しかし「Reset→Move」プレイ済みなので恋愛だけで終わらないことは身に染みていて……
タイトル通りの「リセット」「メビウス」「ループ」で恋愛以外のドキドキも味わえました。
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜、Rotate180°コンバータ
(2018/11/20)
想い出のナツハナビ/闇鍋傭兵部隊(フリーソフト)
兄妹は、花火をしていた。
二人の姉、綾子と今年も一緒にまたしようと約束した花火。
しかしそこに綾子の姿はなく……
選択肢なし、花火、姉との想い出、ボイスあり、十分ほどで読み終わりました。
ノアフェスで制作された作品。
システムはセーブや文章速度変更機能なし。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。話の内容をよく表している歌でした。
絵も途中で絵柄が変わるのが話と合っていましたし、セリフと連動した演出も効果的でした
兄妹が花火をしながら、姉の想い出を語っていきます。
ボイスが演技めいた口調で、セリフ自体も説明的で、
兄妹の間で既知のことをこういう風に話すのかな? と疑問を持ちましたが、
最後まで読むとしっかり理由があって、そういうことだったのかと納得させられました。
また、綾子がいないことをほのめかしながらその上でさらに真相がある、といゆ展開も印象的な作品でした。
(2018/11/21)
純情☆スクールデイズ ver1.00/MIS.W(フリーソフト)
人口が増えすぎ、一部の人々は海の中で生活することになった世界。
此々海子は父親の転勤で中学校までの幼馴染、宇合バクチが通う海の中にある「うみなか高校」へと転入する。
しかし再開したバクチは魚になっていて、その他の生徒もみんな魚だった。
選択肢なし、コメディ、学園、二十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は髪形のみ人間でそれ以外は魚という立ち絵がインパクトあります。
画面に魚が二匹表示されると片方が尻尾に食いついているように見えました。
女子高で恋愛に縁のない日々を送っていた海子が幼馴染のいる学校に転入し、
恋の予感かと思いきや登場人物の立ち絵が魚であることに振り回されていきます。
それ以外にも微妙にガタイが良くてゲスい女子高のクラスメイトや、
元凶たる父親などに翻弄される主人公がテンポよく描かれていました。
ただ、締めの一文に「エンドロール」というカタカナがあるのがまぎらわしくて惜しい! と思います……。
(2018/11/22)
冬蟲禍草 ver1.1(女性向15推)/アメシコウ(フリーソフト)
山奥にあるその村は、四季折々の草花に囲まれた美しい村だったが、村人全員、草花が生えやがて死んでいく奇病を患っていた。
ヤドリギサマと呼ばれるその現象の進行が特に早いアオイは、
村で唯一奇病に罹らない青年「あらひとがみ」が作る特別な薬を処方されるため、神社を訪れるのだった。
選択肢あり、寄生される 和風奇譚ADVとのこと、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はあらひとがみ様のひとならざる美しさや、背景を彩る草花の綺麗さに目を引かれました。一枚絵は十三枚+差分。
ただ美しいが故にあらひとがみ様がアニメーションする場面で
顔と髪の毛が連動するところの些細な違和感が引っかかってしまいました。
右目から草が生える病が進行していくアオイが、あらひとがみ様に何故か気に入られ会話を交わすようになっていきます。
エンディングは三種類+バッドエンド。
人から草花が生えるという現象やあらひとがみ様の存在が美しく、恐ろしく、そして淫靡に描かれていました。
どのエンディングにたどり着いてもはっきりとは明示されずにほのめかされるに留められているためあれこれ想像の余地が残ります。
副読本が……副読本がほしい!
(2018/11/23)
カノビッチ〜彼女がビッチになった理由〜 ver1(18禁)/人生通行止め(DL販売1944円)(DL版の購入はこちら)
馬上涼介は幼馴染である片桐舞のことが好きだったが告白できないでいた。
そのうち大学進学を機にダイエットをしオシャレをした舞は見違えるように綺麗になってしまう。
ある日、涼介は舞が男と歩いているところを目撃してしまい……
選択肢なし、寝取られ「風味」とのこと、ボイスあり、五時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は舞の出るとこ出て引き締まったところは引き締まった体も魅力的でしたが、
特に厚ぼったい唇がお気に入りです。一枚絵は三十九枚+差分。
現在編と過去編があり、過去編はさらに主人公視点のみと主人公+舞視点があります。
寝取られ「風味」という通り寝取られ要素は薄め。
私は現在編を少し読んで過去編主人公+舞視点を読んでまた現在編を読むという感じで進めていきました。
現在編はカップリング固定でヒロインの見た目も変化しないので、過去編を挟むことで新鮮さを味わえましたし、
舞が口にする男性遍歴をすぐ確認することができました。(多少前後するのですぐにはできないこともありますが)
そうして確認すると舞がちょこちょこ嘘を付いていて見栄を張っているのがわかるのですが、
主人公によく見られようとしている気持ちがあるのだなと思うといじらしいです。
ただ過去編の舞を見ていると現在編ラストでハッピーエンドになるのかどうか……
らぶらぶえっちになるにしろ今度こそ寝取られるにしろ後日談が読みたくなりました。
現在編と違い過去編は舞が様々な男と関係を持ちます。
様々なシチュエーションが楽しめましたが、
特に二人目、三人目あたりのどんどんエッチにはまっていく場面が舞の心情を交えて描かれているのがエロくて、使えました。
過去の作品感想:ホントノキモチ、イロヨリドリ、僕の大事な姉はあいつのオモチャ、グラショタ、キミノトナリ、キミノオモイ、ヒダマリノキオク
(2018/11/24)
丸呑み(18禁)/ベェーカリィー(DL販売1188円)(DL版の購入はこちら)
二人の少女が異世界に閉じ込められ怪物に襲われ、一人は生還するももう一人は今も行方不明のままという事件が起きた。
十年後、怪物は活動を再開し複数の少女たちを異世界に閉じ込める。
わけがわからず逃げ惑う少女たち。一方怪物の追い求めていた者もいた。
マップ探索&バトルシミュレーション、丸呑み、触手、四時間半ほどで終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はつるぺたロリ多め。丸呑みと触手はありますがそれ以上のグロはなし。一枚絵は十七枚+差分。
見下ろし型のマップを女の子たちが逃げ隠れる中、
怪物を操作して触手トラップを設置したり行動を先読みしたり偶然出会ったりして戦闘パートに移行し、
相手の体力を減らしたところで丸呑みします。
特定キャラを丸呑みしたり、あえて最後まで残したりすると新たに強キャラが出現することも。
周回前提でレベルアップした能力の一部を引き継ぐこともできます。
シミュレーションパートは女の子によって好戦的だったりすぐ逃げようとしたりと行動に差があり、
それを踏まえてこちらの行動を決め、追い詰めていく楽しみがありました。
Hシーンは全て最後は丸呑みでつるぺたロリ多め。
個人的に多少おっぱいがあるほうが好みなのでドリスと麻尋が特に興奮しました。
ストーリーは一人一人の女の子について、主に丸呑み前後に事情が語られ、
微笑ましくなったり可哀想に思えたりすると共に、
そんな女の子を丸呑みしたんだ、という感慨や優越感を覚えます。
また、真ENDはほぼ全員が丸呑みされるのになんだかみんな幸せそうな結末になっていて、
怪物に凌辱される作品ながら暗くなりすぎずに読み終えることができました。
過去の作品感想:強姦獣 〜狙われた11.1学生〜
(2018/11/25)
キメラの繁殖 v3.1(18禁)/ベェーカリィー(DL販売1404円)(DL版の購入はこちら)
突然イバラが蔓延り、滅亡寸前になったイザロ王国。
そこに住む少女たちや、イザロに因縁を持つ少女たちが様々な思惑を持って集まる。
同種以外の生物と交わり子を産ませる複合生物キメラは彼女たちを狙い、人里へとやってきたのだった。
選択肢あり、アクション、獣姦、七時間半ほどで終わりました。
システムはシナリオチャートや難易度変更、チュートリアルなど親切でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は全員ぷにっとしていてで可愛らしいです。
キメラとして三日間を過ごし、女の子と闘って犯していきます。
エンディングは九種類。
アクションは本当に苦手なのでボタン連打のごり押しをしてしまうのですが、
難易度変更でき、周回するごとにキメラが強化されていくのでなんとか全部のエンディングを見ることができました。
Hシーンはそれぞれの女の子に無理矢理強姦するものと女の子も気持ちよくなるものの二種類あり。
現実に近い動物からファンタジーな魔物まで様々にキメラが変化します。
実際にいない魔物の生態もそれっぽく描かれていて勉強になります(使う機会なし)
氷漬けにする魔物が絶望感たっぷりで興奮しました。
話はただ強姦して王国滅亡には無関心といった結末もありますが、
キメラの行動によって共闘したり敵対したり、時にはキメラが翻弄されたりバリエーション豊かでした。
特にエンディングTは元王女イレーネの境遇や、過去から続くキメラとの因縁がある上に女の子全員が絡んできて、
集大成といった感じで盛り上がり、いい話だったと思えるストーリーでした。
過去の作品感想:強姦獣 〜狙われた11.1学生〜、丸呑み
(2018/12/2)
ちいさめ賢者 〜けんじゃ は にんしん している!(18禁)/ベェーカリィー(DL販売972円)(DL版の購入はこちら)
姉がモンスターにさらわれてしまったアネットは、アイテムを使って賢者になり、姉を探す旅に出た。
しかし世間知らずのため無一文となってしまい、スライム達に凌辱されてしまう。
その後なんとか仲間を得るが、アネットの体内ではスライムの子供が育ちつつあった。
選択肢なし、ドラゴンクエスト二次創作、凌辱妊娠、一時間半ほどで読み終わりました。
以前フリーゲームとして公開されていた「ちいさめ賢者 〜カクレンボ〜」を同梱。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はバブルスライムに犯されるときのアングルが好きです。一枚絵は九枚+差分。
姉を救う旅に出た新米賢者が凌辱されたり、冒険したり、凌辱されたりします。
冒険者はVの職業ですが、モンスターは他のシリーズからも多く登場しております。
でもキングレオがすごく弱い……
モンスターに凌辱され妊娠することが中心ではありますが、
女勇者の一生懸命さには胸を打つものがありましたし、
賢者が使える魔法の真相にはそういうことだったのかと感心させられ、いい話だなあと思えました。
それにしても賢者ちゃんの妊娠確率の高さはタイトルに偽りなしですね!
過去の作品感想:強姦獣 〜狙われた11.1学生〜、丸呑み、キメラの繁殖
(2018/12/4)
コミックゲーム『オカルト儀式と幽霊と』 Ver1.00/言ノ葉迷宮(フリーソフト)
旧文化棟を独占しているオカルト部の待遇が適切かどうか確認するためオカルト部室を訪れた生徒会長と霊感持ちの主人公は、
「四所守り」という儀式中に怪奇現象に遭遇する。
それが本当に怪奇現象なのか、トリックなのか、主人公は判断を求められるのだった。
文字入力あり、選択肢なし、推理、幽霊、一周三分ほどで読み終わりました。
第21回3分ゲーコンテスト応募作。
「たんたん 〜単選択肢短編集〜」「七つ下がりの雨」「うず巻く流れのゆきつく先は」「学期末のアウトサイダー」と同様、
コミPo!を使用して作成された漫画。
システムはアドベンチャーゲームのもので、セーブや過去ページを読み返すこともできます。
音楽はシステム音のみ。
絵は上記のとおりコミPo!使用。
オカルト部で起こった怪奇現象がトリックである根拠を推理します。
文字入力が正解するかどうかで二種類の結末に分岐。ヒント機能もあり。
話は主人公の霊感が発揮されながら黒背景をバックにツッコむ場面が、
心底その通りだ! と同意できるツッコミで笑えました。
難易度は、ヒントを使って正解できました。
怪しそうなところの目星はついていたのですが、私の漫画を読む力が不足していたばっかりに解けず……悔しいです。
過去の作品感想:Reason
of Detective、夏、セミ、少女、deep-sea
fishes in gloom、かげろうは涼風にゆれて、幽霊相談室、変調・幽霊相談室、テオとセァラ、わたしには聞こえる、中夜の考察、world
rewinder、正義のキヅナ、たんたん
〜単選択肢短編集〜、七つ下がりの雨、うず巻く流れのゆきつく先は、学期末のアウトサイダー
(2018/12/6)
サイコカリエス ver1.00(乙女18禁)/offoffo(DL販売432円)(DL版の購入はこちら)
彼氏がいるにもかかわらず、幼馴染の友人と過剰に仲が良い主人公。
本気のお願いを友人が断わるわけがないと知っている主人公は、
友人に性的ないたずらをしたり、辱めたりして愉しむのだった。
選択肢あり、女性攻め、共依存、二十分ほどで読み終わりました。
「Rotate180°コンバータ」のアナザーストーリー。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はお洒落な曲が多く使用されていました。
絵は友人の瞳や口角の動きが様々あり、わずかな感情の揺れも表現されていました。
目パチ口パクのアニメーションもあり。一枚絵は七枚+差分たくさん。
選択肢は五択が一か所あり、五種類の方法で友人をおもちゃにします。
嫌がる友人にピアス穴を開ける場面が本当に生々しくて背筋が寒くなりましたし、
注射とか嫌いな友人の体に穴を開けることを嬉々として強制する主人公のガチクズっぷりに震えました。
でもそんなことをされても健気に主人公の言うとおりにする友人もたいがい歪んでいてお似合いです。
他のシーンも含め、友人は悪態をつきながらもやめてもらえるとは思っていなくて、
主人公は酷いことをしても言っても嫌がることをしても嫌われないと確信していて、肉体的な快楽ではなく精神的な快楽(友人虐め)を求めていて、
相手のことを本当によく知っているという繋がりの強さや、二人だけで閉じた世界の危うい完璧さを感じるとともに、
友人を責める嗜虐と主人公に責められる被虐の両方にゾクゾクさせられました。
ただ……DL販売ページの作品内容をよく読んだ上で購入することを推奨いたします!
過去の作品感想:ジンセイ兄イロ、トリック・アニマート、出ない部屋から弟が!・行くよ神社に弟と!、Hello
Trickers、シュクレのとなり、Reset→Move、バレンタインの正しいしつけ、アニジジョウ
〜てんしorくず〜、Rotate180°コンバータ、Reset→Move
-Mobius loop-
(2018/12/9)
鉛の心臓(R18ルート追加版)(乙女18禁)/JACK IN THE [BOX](フリーソフト)
おすすめ
(2018/12/11)
恋と罪 ver 1.1(18禁)/うにか(フリーソフト)
人間になりたいと望むマジョラムは人間を殺し、警察や施設を転々とする。
そこで出会う人間たちに期待し、失望し、セックスし、殺していくのだった。
選択肢なし、人でなし、五十分ほどで読み終わりました。
暴力的描写、同性愛を含む性的描写あり。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はクラシック曲が中心。
絵はマジョラム以外の顔に目鼻がなく模様になっていて
マジョラムの見ている世界を垣間見ることができた気になれました。一枚絵は八枚+差分。
人と人でないものの合いの子であるマジョラムが人間になりたいと望むものの、人間との違いを思い知らされます。
マジョラムの言っていること、望んでいるものは、ないものねだりの子供の癇癪で小賢しさを感じましたが、
同時に人間を殺すことができてしまうがゆえの恐ろしさもあり、得も言われぬ不気味さを味わえました。
相容れない価値観を持ち、無視できない存在がそこにいるというのは嫌なものです……
マジョラムの見た目は愛らしいんですけどね!
(2018/12/13)
舐犢の玉座 ver.1.0(18禁)/うにか(フリーソフト)
人間を家畜として負の感情を搾取している生物達が暮らす城で、
父親で城主の伯爵に支配され、理不尽な命令ばかりされているスカロ。
彼は腹違いの弟マジョラムとの生活を守り、いつか二人自由の身になることを夢見ていた。
不審な行動をする女ヒメノや別の城の城主アルベルと出会いは光明となるのだろうか……
選択肢あり、凌辱、人でなし、九時間ほどで読み終わりました。
暴力的描写、同性愛を含む性的描写あり。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵は一枚絵のスカロがおおむね情けない顔でした……。一枚絵は三十一枚+差分。
プライドが高く周囲を見下しはするものの苦労性なスカロが
必死に努力して今の生活から抜け出そうとしますが、どうやっても酷い目に遭います。
「恋と罪」より少し前が舞台。
エンディングは七種類でルート制限あり。
最初に辿り着いたマジョラムとヒメノのAエンドは(未来でどうなるかはともかく)まずまず幸せそうなエンディングで、
公式サイトでハッピーエンドで終わらないと書かれている割にはそんなに酷くないなと思いましたが、
以降のエンディングはどれもスカロが本当に酷い目に遭っていて痛々しかったです。
アルベルエンドABとトゥルーエンドがお気に入りで、
アルベルAは頑張れという類の綺麗で正しい言葉を放つ第三者が当事者になって頑張れなくて、
それが絶望的であると同時にいっそ痛快にさえ思えました。
アルベルBは希望が描かれている終盤なのに、
それまでの内容から伯爵がスカロを必ず酷い目に遭わせてくれるという信頼感を抱いている自分に笑えました。
トゥルーエンドはそんないままでの伯爵への信頼を上回るほどに
スカロを上げて叩き落して八つ裂きにしてくれて、陰惨ながら目を離せませんでした。
どのエンディングも、死ぬ気でやっても無理なものは無理ということを思い知らされる内容で
無力感と仕方ないと納得する気持ちを覚えましたが、
だからこそスカロのちっぽけな抵抗が美しくて、最後はどこか晴れやかに読み終えることができた作品でした。
過去の作品感想:恋と罪
(2018/12/16)
真昼の暗黒 ver.1.07(15禁)/Summertime(フリーソフト)
小学五年生の昼間ミサは姉のうたげと二人暮らし。
ある日家に帰ると、大量の血痕と共に姉が行方不明になっていた。
警察の捜査が思うように進まない中、ミサはカウンセラーの暮方計(くれがたかず)と出会う。
選択肢あり、サイコサスペンス、七時間ほどで読み終わりました。
システムは古いwindows画面を模したデザインが凝っていました。
音楽もそれぞれの場面に合っています。
絵はシステムデザインに合わせて解像度荒めで味がありましたし、
そんな中でも小学生ミサの可愛さや計のうさん臭さが表現されていました。
アニメーションする場面もあり。一枚絵は三十七枚+差分。
ミサの姉が失踪し、カウンセラーの計と色々関わっていきます。
エンディングは四種類(EP8三種類EP9一種類)
最初の選択肢でミサ視点と第三者視点に分岐し、片方でしか明かされないことがあったりします。
最初ミサ視点から読み始めましたが、姉が失踪し、周囲からの偏見を受け、
与り知らぬところで事態が進んでいく不気味さを覚えました。
その後第三者視点を読み、ミサの知らないところで起きていたことが明かされ、
目の前が開ける思いがしたと共に、計の内面、行動の一貫した在り方に魅力を感じました。
さらに終盤、ミサ視点の真相にも驚くと共に納得させられましたし、
各エンディングを読んでもう終わりか……と思ったところで投入されるEP9も衝撃的で、
「真昼の暗黒」という物語の細部から全体のつくりまで、綿密に作りこまれた作品でした。
それにしても何かを冷めた目で見ている、というのはミサと計の双方に共通することで、
そのおかげで上手くいかなそうな関係を継続できてしまっていたのかな、とも思いました。
過去の作品感想:MINDCIRCUS
(2018/12/17)
アヴグルグロット ver1.01(一般〜女性向け)/ニトイット(フリーソフト)
幼馴染で今は調合師と使い魔という関係のトワネットとシエトロは洞窟の中で明かりを切らしてしまう。
出口まではあと百歩ほど。しかし暗闇が苦手なシエトロが抱き着いてくる。
トワネットは洞窟に生えている魔力苔で魔力を回復しながら出口を目指すのだった。
行動選択あり、幼馴染、脱出、二十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は通常、暗闇で何が起こっているか見えませんが、おまけの設定で見ることができるようになります。
シエトロ(男)の肩〜脇腹丸出しの服はトワネットの趣味……ではないですよね?
洞窟を進むごとに魔力が減っていき、適宜魔力を回復させながら出口を目指します。
途中ランダムで二人が雑談し、話題として「ケミカルはろうぃん!」登場人物の話も出ます。
エンディングは二種類ですが、魔力をあえて使い切ってしまう方が二人の仲が進展するかも……?
調合師トワネットがしっかりしていそうで意外とポンコツで世間知らずだったり、
使い魔シエトロの方は意外と知人の人間関係把握していたりで、
身長も含めまさにデコボココンビで……お似合いでした!
過去の作品感想:HOLY NIGHT、ケミカルてんたくる!、999、元勇者の憂鬱、ケミカルはろうぃん!
(2018/12/20)
むこうがわの礼節 第二話 〜知ることの礼節〜/スタジオ・おま〜じゅ(フリーソフト)
萌佳の友人がおかしな体験をする。
それを地理の教師、文太郎に相談すると、
彼は心当たりがありそうなそぶりを見せるも教えることを渋るのだった。
選択肢なし、民俗学、ミステリー、五十分ほどで読み終わりました。
むこうがわの礼節(第一話)の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は文太郎が第一話よりキリッとしているような……
萌佳もまつ毛のせいか目がパッチリ。
萌佳が地理教師の文太郎に連れられ、おかしな体験の理由を知りに行きます。
迷信を暴きながらも迷信が生じる心理を大切にしていて、
第一話と同様、「礼節」を感じることができました。
ミステリー部分もしっかり興味をそそられつつ、
萌佳と文太郎のコンビが相変わらずいい味出していて楽しめる作品です。
過去の作品感想:みすずの国、キリンの国、むこうがわの礼節、雪子の国
(2018/2/7)
starus -スターラス- Part1 「五月闇」/Scarlet2(フリーソフト)
田舎の学校に通う少年、ゆうは学校にある蔵で幽霊の少女と出会う。
その少女にまた会おうと行動するゆうだったが、
それは周囲の人々をないがしろにする行為だった。
選択肢あり、田舎、幽霊、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は同居している少女杏里のフトマユっぷりが素晴らしかったです。
三部作の一作目とのことで、主人公が忽然と現れたり消えたりするハルに関わろうとしていきます。
主人公を心配する友人たちや大人たちのやさしさを感じられる所がいいなと思いました。
しかし、何をしているのか、誰に話しかけたのか、周囲で何が起こったのかなどが書かれていないことが多く、
情景を想像しづらいテキストだと感じてしまいました。
(2018/2/8)
カミツキ! 体験版ver1(18禁予定)/QuietWell
父親から突然、山中の街、御調にある御調学園に転入しろと言われた七篠智(ななしのとも)
クラスメイトになる予定の少女、三軒茶屋早妃に案内されながら学園に向かう途中、
彼は学園に通う者全員が「カミツキ」という異能を使えることを知る。そして智もカミツキの能力者だった。
選択肢あり(選択肢なし……同じ内容の選択肢が出るため)、学園、異能、四十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は女の子みんな可愛らしかったです。
この体験版では、学園に通う三人の少女と知り合い、
主人公にも異能が宿っているらしいと知るところまでを読むことができます。
カミツキがどういうものなのかや、少女たちにまだ隠し事がありそうなことなども興味を引かれますが……単純に女の子みんな可愛かったです!
特に一番最初に出会う三軒茶屋早妃さんが元気で、気遣いができて、茶目っ気もあって、表情もころころ変わって、とても魅力的でした。
この作品18禁なんですよね? ……滅茶苦茶楽しみです。
(2018/2/10)
MY HOBBY IS 短編版ver.1.02/晴好雨奇一丁目(フリーソフト)
MY HOBBY IS 2話3話(仮)ver.1.01/晴好雨奇一丁目(フリーソフト)
※2018/2/22の拍手でファストライダ様からご紹介いただきました。ありがとうございます!
殺人鬼のジャックは女子高生の襟沢リサを殺そうとしたが、何をしても殺せなかった。
殴ったり刺そうとしたりしても傷一つ付かないリサを殺そうと躍起になるジャックだったが、
そんな二人に様々なトラブルが振りかかるのだった。
選択肢なし、殺人鬼、不死身、短編版は十分、2話3話(仮)は一時間ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。用語解説あり。
音楽は起動時やカットインなど画面と連動した演出がテンポ良かったです。EDに歌あり。
絵はジャックの傷が左右逆になることがあるのが気になりましたが、
カットイン演出がラフ多めながら豊富でした。
あとジャックとリサの身長差がたっぷりでした。
ジャックがリサを殺そうとしますが、トラブルに巻き込まれるリサをなんだかんだで助けてしまったりします。
リサはジャックに殺しはダメと言いますが、その後もジャックは死んでもおかしくないような暴力をリサ以外に振るっていて、
その殺伐としたところにコメディシーンでも素直に笑いきれないものを感じてしまいました。
ですが短編版は背景切り替えやカットインと音楽、テキストが連動していて勢いがあって、
2話3話(仮)はカットイン多めの山場とそれ以外のシーンで緩急があるところが良いなと思いました。
私としては短編版の方が好みですねー。
(2018/3/23)
あかほん! SS 1+1=2でいいのか?編/Chloro(フリーソフト)
あんまり勉強が得意でないシキネは、ものすごく数学ができるスウと物理が得意なシオの理系トークスイッチを押してしまう。
その結果、1+1=2の証明をすることになるのだった。
選択肢なし、勉強、証明、十分ほどで読み終わりました。
あかほん! ベクトル編@の感想はこちら
あかほん! プロトタイプIAの感想はこちら
システムは一部を除きオート進行。
スピード調節やシークバーでシーン移動、ストップやもう一度など色々と読み直したりしやすい機能がありました。
ただそれでも私はクリックで読み進め派なので……
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はシキネくんが誰とは言わないですがかなり似ているように思えました。
受験生が模試後に駄弁ったりしつつ1+1=2の証明をしようとしていきます。
今回は数式たくさん表示されることがないので私のような頭が幸せ勢にも身構えずに読むことができます。
それでももし1+1=2が○○だったら、などで頭を使うことができました。
会話も頭良さと頭悪さがいい塩梅に混ざり合っていて、特にスウとシオが同じ反応や目をする箇所が可笑しかったです。
過去の作品感想:私は女優になりたいの、あかほん!
ベクトル編@
プロトタイプIA、西暦2236年の秘書、西暦2236年
(2018/9/29)
また逢う日を楽しみに ver.1.2(女性向15推)/筍lavoratore(フリーソフト)
大好きな父親違いの姉が死に、代わりに妖怪と人間を繋ぐ現人神となった高天原シズ。
彼女の前に向路 京士郎(むこうじ きょうしろう)という妖怪が現れ、姉の死の真相を調べるかわりに願いを叶えろと言ってきた。
人間嫌いのシズは様々な妖怪たちと出会い、成長していくのだった。
選択肢あり、妖怪、ラブコメ、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
ところで何故チャプター番号が一二参四五六七八と「参」だけ大字なのでしょうか……?
絵はコメディ的な表情が多くて会話がより軽妙に感じられました。一枚絵は六枚+差分。
世間知らずなシズ(十歳)が妖怪と知り合っていき、
トラブルに巻き込まれたり人から悪意を向けられたり妖怪から大切にされたりします。
明かされないことが多いまま数年後が舞台の第二部に続きます。
恋愛成分はかなり薄めで、京士郎がメインの相手のようなのですが特に中盤以降は出番が少なく、
覚の妖怪の方がシズとのふれあいが多い印象でした。
それ以上に冒頭から出てくる猫又スズシロの出番が少なくて泣けます。
序章、一〜三章、終章(番外)とあり、各章はさらにいくつかのチャプターに分かれているのですが、
大体のチャプターにショートコントとでもいうような掛け合いがあって肩の力を抜いて読み進めることができました。
しかし姉の死の真相が時限爆弾さながらの内容で、
今回はシズが知らないままでしたが、いつか知ることになり絶望するのだろうな、と戦々恐々しております。
(2018/11/27)
続・また逢う日を楽しみに 忘却のリコリス・エンブリオ ver.1.0(女性向17推)/筍lavoratore(フリーソフト)
現人神となってから数年、通っていた女学院から家に舞い戻ってきた高天原シズだったが、
早々に婚約者と結婚させられそうになってしまう。
なんとか破談にしようと画策するが、大切な妖怪たちを交渉材料にされてしまうのだった。
選択肢なし、妖怪、結婚、三時間ほどで読み終わりました。
「また逢う日を楽しみに」の感想はこちら
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は痛々しさを感じるものが特に印象的でした。
「また逢う日を楽しみに」の続編。シズがお年頃になり、それ以外の事情も絡んで結婚話が持ち上がってきます。
途中、かなり未来の出来事が語られたりして、ラストも続編があるような終わり方。
早合点が多くて、特に子供の親についてはもうちょっと他の可能性を考えてから行動してほしいと思ってしまいました。
あと京士郎がシズをほっぽっていくの許すまじ……と言いたいところですが、ひとまず京士郎視点を読んで心境を知りたいです。
おおむね暖かかった十歳のころから年月が経ち、今回は望まぬ変化が数多く待ち受けている内容で、
後半は特に色々と期限が来てしまったり、すれ違ってしまったりしていて、
もどかしく、悲しい気持ちを抱く、ままならない物語でした。
過去の作品感想:また逢う日を楽しみに
(2018/11/28)
(その他)
ざくざくアクターズVer1.32/はむすた(フリーソフト)
「セクシー大使危機一髪」「ウェイクアップ・リューオー」「秘密結社をご存じ?」
という三つの水着イベントが追加されています。
追加部分は四十七時間ほどで終わりました。
音楽は水着イベントラスボス戦など追加曲あり。既存曲でも裁判BGMには笑いました。
絵は今までの仲間キャラ全員に水着立ち絵が追加されていて、会話シーンで表示され表情も変わったりします。
ハオ、ルフレ、福ちゃん、ブリギットがエロかったです!!
マリオンちゃんとマオは思っていたより小柄で可愛かったです。
あとかなちゃんのぽっこりお腹とローズマリーの恥じらいが特にお気に入り。
「セクシー大使危機一髪」は水着イベントと言えばまずこれ、というかなちゃん絡みの話。
触手に襲われる場面がエロくて水着イベント全体への期待が高まりました。
「ウェイクアップ・リューオー」は海底にある街を発見する話。
サスペンス調でハラハラさせられましたし、次のシナリオに繋がる内容も多かったです。
「秘密結社をご存じ?」はヘルラージュ率いる秘密結社が人助けをしつつ組織を大きくしていきます。
警備隊長や参謀長など役職に付けると固有能力が発揮されるシステムが攻略の助けになりました。
よく使ったのは参謀長ティーティー様でMP使い放題と参謀長ヤエでTP使い放題(脳筋)
ハグレ王国メンバーをまた一人一人仲間にしていったり、秘密結社会議を開催したり、
今までの登場人物や出来事が絡んできたりと本編の流れを追体験でき、なんだか嬉しくなりました。
「ざくざくアクターズ」本編をプレイ済みであれば、絶対におすすめの追加シナリオです。
(2018/1/2)
煮物シンデレラ(乙女)/agony/禁飼育(フリーソフト)
残業シンデレラ(乙女)/agony/禁飼育(フリーソフト)
「蛇のシンデレラ」のさきと酸ノ宮さんによる番外編。
「煮物シンデレラ」はハロウィンに煮物を食べる話。
「残業シンデレラ」はクリスマスに残業する話。
選択肢なし、それぞれ五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はドット絵風。ちっちゃいニャンのみやさんかわいい。
どちらの話も「蛇のシンデレラ」序盤をさらにコミカルにした話でほのぼのできました。
が、やっぱり酸ノ宮さんがなにやら企んでいるのは「蛇のシンデレラ」通り。
……「残業シンデレラ」は残業ではなく休日出勤なのではないでしょうか!
過去の作品感想:さくっとパンダ、おじさん、酷罪を受けるべき者、Nと言う名の男、Bと言う名の女、キナナキノ森、この世で最も残酷なキス、この世で最も淫靡なキス、Chiristmas Coffee、乙女の悲劇は残酷なキス、淫靡で残酷な豚、雨想い、君抱く、家畜おじさん、ちぎみちゃん、鬼ノ仮面、処女失格、魔女の処刑日 前編、異端審問官の愛寂、下劣な雄豚、消えうさ、枯れぬ黒薔薇、うさむしり〜別に版〜、クズクズおほしさま、スレガル
おにロリver、SAGO、縛り神父、蛇のシンデレラ
(2018/3/31-2)
昭和シンデレラ/agony/禁飼育(フリーソフト)
「蛇のシンデレラ」のさきと酸ノ宮さんによる番外編。
たい焼きを食べながら酸ノ宮さんのちょっと不思議な体験談を聞きます。
選択肢なし、五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はドット絵風。タイトル画面は旭日旗風。
本編はたい焼きを買ってきた酸ノ宮さんがちょっと怖い話をしていて一見昭和要素はないですが、
その話の中に出てくる人物が制作中の「硝子のこんぺいとう」登場人物っぽくて、
「硝子のこんぺいとう」を読んでからもう一度読み返してみようかな、と思いました。
過去の作品感想:さくっとパンダ、おじさん、酷罪を受けるべき者、Nと言う名の男、Bと言う名の女、キナナキノ森、この世で最も残酷なキス、この世で最も淫靡なキス、Chiristmas Coffee、乙女の悲劇は残酷なキス、淫靡で残酷な豚、雨想い、君抱く、家畜おじさん、ちぎみちゃん、鬼ノ仮面、処女失格、魔女の処刑日 前編、異端審問官の愛寂、下劣な雄豚、消えうさ、枯れぬ黒薔薇、うさむしり〜別に版〜、クズクズおほしさま、スレガル
おにロリver、SAGO、縛り神父、蛇のシンデレラ、昭和シンデレラ、残業シンデレラ
(2018/4/12-2)
虚実概論L&F 王座にまつわるセンセーション/ClosedCircle(フリーソフト)
「クラウンワークス虚実概論」の短編ゲーム。
選択肢あり、三十分ほどで読み終わりました。
0章・1章の感想はこちら
2章の感想はこちら
3章の感想はこちら
システムは特に不便な箇所なし。
音楽は本編と同様。
絵は恥ずかしがる御前とっても可愛いです! サイファーも可愛いよ! 一枚絵は二枚。
正宗を拉致して独特なルールのクイズ大会が開催されます。
冒頭は自己紹介などもあり、未読の人向けの作品紹介的な作品なのかなと思ったら、
読み進めていくうちに少なくとも1章、できれば2章まで読んだ上での方がいい内容でした……
作中、御前が冗談でもしそうにないこと、とありましたが、
1章だけ読んだ状態ならいざしらず、
3章まで読んだ今では正宗が絡めば普通にやりそうに思えてしまいます!
そして過去をほじくりかえされる御前良い……
あと3章に引き続き異国の料理が食べたくなってしまいました。
(2018/6/10)
Blazing Soul ―白閃―/Blue Sphere Oratorio(フリーソフト)
かつて地球と呼ばれたオフィー・レイニアの東大陸にある帝国で軍人をしているカミナギ・ヤマトは、
優秀な軍人ながら何故か魄創術識という超能力のみ周囲より劣っていた。
同僚と共に魂喰鬼という怪物を討伐するため赴いた地で、彼は地獄を目の当たりにする。
選択肢なし、異能バトル、三時間半頬で読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。OPにムービーと歌、挿入歌、ED歌あり。
特に挿入歌が格好良くてお気に入りです。
絵は迫力ある構図が多かったです。
戦闘等でのエフェクトも豊富。一枚絵は二十六枚+差分+α。
制作中「Blazing Soul」の前日譚とのこと。「Blazing Soul」のムービーと歌もあり。
「Blazing Soul」の登場人物、カミナギ・ヤマトの過去話。
技名や魄創術識の体系がたくさん出てくるのですが、
予備知識がないままいっぺんに語られる上、エフェクトはあるものの体捌きは一つを除き静止画なので少々わかりにくく感じました。
また、今回のヒロイン、サクヤと関わる場面があまりなく、終盤彼女が重要であるという実感を持てませんでした。
(あるいはヤマトにとっては実際さほどではなく、ライバルであるハヤテにとっては重要であるという示唆なのかもしれませんが)
その分、ライバルであるハヤテとの関わりは多く、
終盤のハヤテとの場面は音楽も絵もエフェクトもテキストも、ただただ熱く描かれていました。
本編「Blazing Soul」では、ヤマトの次世代が主役かつヤマトも現役、
そして東大陸だけでなく世界規模で共闘というこれまた熱い内容のようで、本編も楽しみです。
(2018/12/25)