2005年夏以前の感想・か行

作品名の後ろは(年齢制限/ページ数/値段/発行年月)をわかる範囲で表示しております。

音沙汰がなくなった同人ソフト体験版はよほど紹介したいもの以外は書きません。

好評価の同人ソフト体験版で、もっと最新のものが出ているのに前の体験版で感想を書いているのは、
「買うことに決めたからもう体験版はプレイしなくてもいいや」と思ったからです。

やっぱり漫画や小説の感想は少ないです。一言くらいしか書くことないのが多いので。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

 

同人ソフト

同人誌
漫画  小説

 

(同人ソフト)

KITTENS

「マイ・スイート・トマト」(1000円/2004.8)

エミはトマトが大嫌い。明日の給食のメニューにあるので前日から憂鬱。
しかしその夜、トマトちゃんと名乗る少女が窓からやってきた。


テンポのよい話と演出が魅力のデジタル漫画。
ただその形態から使用画像が多いわりには話の分量は少なく、
本筋もベジタブル村サイドもとても物足りなく感じます。
とても労力がかかっているのはわかるのですが、どうしても割高に思えてしまいました。

「晴れ、ときどき猫」(体験版ver 0.02)

金髪碧眼で虫カゴを背負った少女と出会った主人公。
神社を探していたので案内すると、そこには学校の女の子達がいた。
しばらく話をしていると、突然スーツの男が現れ…
その閃光は女の子達の体をバラバラにしてしまった。


タイトルや冒頭の展開などからは想像できなかったですが結構ハードなバトルあり。
「自由ルート」という行きたい場所を選択するモードがあるのですが、
このバージョンでは各施設の繋がりがわかりにくく、
誰がどこにいるのかもわからずかなり使いづらいです。
でも新しいものではマップ形式で見やすくなっているようです。

戦闘シーンなどはいきなりという印象が強く、置いてけぼりにされた気がします。
それに敵の強さに関する描写はこれでもかとあって、
主人公たちの無力さもこれでもかと書かれていて、
なのに敵を退けられる理由に説得力を感じられず、
狐につままれたような思いがしました。

でも日常の賑やかさ、心地よさから非日常の殺伐さへの落差が非常に大きく、
非日常に対しては緊迫感がありましたし、
日常に対してもかけがえのないものだと強く感じられました。
(2006/12/25)

 

喜屋Labo

「はるぼく」(BL18禁/1500円?/2001.8)

10日間だけ塾講師のバイトをすることになった主人公。
そこには個性豊かな少年達と、昔の友人がいた。


選択肢あり、プレイ時間は覚えていませんが、五時間は超さなかったと思います。
同い年の友人がいますが彼も見た目若すぎるのでショタゲーといって差し支えないかと。
システム面は足りない所が多かったですが、当時の女性向作品としてはかなりまともな部類。
また複数の方が絵を担当しているので、バラつきがあるのは気になるところです。

Hシーンでは和哉がなかなかエロかったです。
話そのものでは友人の真雪との学校での語りシーンがよかったと思いました。
(2006/12/31)

きんいろツバメの見る夢に(BL18禁/1000円/2003.12)

魔物が蔓延る世界でそれらを狩ることを生業としていたネイトは、最年少のハンター、エリーと出会う。
アイスマンと呼ばれるほど感情を出さないネイトだったが、エリーと共にいることでだんだんと変わっていった。


選択肢あり、ファンタジー、二時間ほどで読み終わりました。
システムは「はるぼく」よりは使いやすくなっていますがそれでもまだ不便なところあり。
絵はバラつきがありますがパッケージ絵やHシーンが良かったです。
話はネイトとエリーのやりとりが暖かかったです。
ネイトが和むのもわかるくらいエリーが可愛い。
ただし話全体としてはちょっと短すぎてあっけなく感じてしまいました。

余談ですが即売会で買ったらきんつば貰いました。おいしかったです。
(2007/1/1)

 

グリーンティミルク。

体験版はほとんど無料配布なのが嬉しいです。
もっとも、最近は体験版を頂いておりません。
だってすでに完成版買うことが決まってますから。

「水の腕」(800円/2002.5)

とある湖のある町の神社の家系に生まれるも別の土地で暮らしていた神凪みなも。
しかし数十年に一度行われるという祭りのため、みなもはその町へ招かれた。

選択肢あり、伝奇。大体二〜四時間くらいで読み終わった記憶があります。
値段は「いっしょにあるこう。」が同梱されたプラスパッケージ版のもの。

時折挿入されるカットイン演出が特徴。
一番印象的だったのは序盤みなもが町に着いてうろうろしていたところ。
話は湖周辺で事件が起こり、それが町の伝説やみなもの過去と絡んでいきます。
水の持つ重苦しい面がよく描かれていると思います。ちょっぴり水が怖くなりました。
それからみなものドジっ娘ぶりが微笑ましかったです。あと玉五郎格好いい。
(2007/7/18)

「Endless Rain」(18歳以上推奨/600円/2004.11)

少女は一人、霧が覆う屋敷で主を待つ。
永遠ともいえる変わらない日々。
だがそこに、少年と侍が現れた。


選択肢あり、伝奇。大体三〜五時間くらいで読み終わった記憶があります。
本編とその過去を舞台にしたtir-nan-og編に分かれていて、
本編でエンディングを見るたびtir-nan-og編が追加されていきます。

カットインは前作より多用されていますが、
「水の腕」のほうが効果的に使われていた気がします。
しっとりとした世界で、少女と少年の拙い交流が暖かくも頼りなく、幻想的です。
ただラストバトルはその流れを引きずってしまい、緊迫感に欠けるよう思いました。
とはいえ主も悪鬼丸も濫童もつばめも良いキャラクターしていて楽しめました。……主人公達は?
(2007/7/19)

 

Grace

コミックヴァルキリーで「正義研究会セレナード」を連載中のよこやまなおきさんの個人サークル。
同人関連では数年前までゲームと漫画を交互に発行されていたのですが、最近は漫画ばかりです。
絵は少々不安定なところがありますが明るくお馬鹿なノリが楽しく、
また既存のベーシックなゲームを上手くアレンジするセンスがあるサークルさんです。
余談ですが花とゆめで「スキップ・ビート!」を連載中の仲村佳樹さんとはご近所だとか。


おせろっと(フリーソフト/1999.7.20)

聖ルラール学園の生徒会長は絶大なる権力を持っていた。
その生徒会長になるためには生徒会の面々と
「おせろっと」というゲームで対決し、勝ち抜かなければならなかった。
主人公、鞠音もそうして生徒会長の座を狙っていたのだった。


選択肢なし、変則オセロ、ほんのりエッチ、ボイスあり。
ストーリーモードはありますがかなり短めです。
そのためかセーブ、バックログなどはなし。
ゲームのルールはオセロと同様自分の石で相手の石をはさんでひっくり返していきますが、
石を置いた側からひっくり返っていき、最後に裏返った石でまた相手の石をはさめる場合、
そのまま続けてひっくり返すことができます。
現在でもダウンロードできるので実際にやってみるのが一番わかりやすいかと。

オセロといえば小学校の頃、年に一度文化祭のような催しがあり、
その中の6
×6マスのミニオセロ(でも盤面は巨大)コーナーで
36対0で完封勝ちし対戦相手を泣かしたことがあります。
その頃が全盛期で、今ではそんなに強いほうではない私ですが、
このゲームの対戦相手は総じてお馬鹿さんなのでクリアするのは簡単です。
それよりも熱いのはスコアアタック。
一回のターンでひっくり返した数と連鎖数を掛けたものが得点になるので、
一気にたくさんひっくり返すよりもたくさん連鎖できるように考えていくのが楽しいです。
Graceさんのゲームではこの作品が一番のお気に入り。
(2007/8/10)


キャロル〜聖なる鐘が響く夜〜(フリーソフト/2000.12.24)

今年のクリスマスが初仕事の見習いサンタ、キャロル。
良い子のみんなにプレゼントを配るために頑張っていたが…


選択肢なし、変則テトリス、ほんのりエッチ、ボイスあり。
ストーリーはありますが五分程度で読み終わります。
そのためかセーブ、バックログなどはなし。
ゲームのルールはテトリスと同じ形のブロックを8
×8のマスにはめこんでいき、
ある程度埋まったら3
×3〜5×5の単位でブロックを任意に消して相手にダメージをあたえます。
ぴったり全部埋めるとその時点で勝ち確定。
相手の思考ルーチンは弱いですが上記のシステムのため運が悪いと簡単に負けるのが少々理不尽。
そんなわけで基本的には大振りせずこまめに消していく方法が
安定して早く勝てるので安全策ですが、そこは即死狙いが漢の浪漫。
カギはこれ以上埋められないところまで来たとき3
×3〜5×5のどれを使って隙間を作るか。
一ゲーム終わるまでの時間が短いので手軽にプレイできる作品です。
(2007/8/11)


夏桜(18禁/1000円だった気が/2001年発表)

受験に四度失敗し放浪の末、死のうかと考えていた主人公は
浜辺で不治の病のためこの夏を越せないと宣告されていた一人の少女と出会う。
紆余曲折の末、少女、葵との一夏の日々が始まった。


選択肢あり、恋愛、感動。
XPだと不具合でゲームが止まります。互換モードを使用しても駄目。
システムはかなり不便。バックログなし、、選択肢でセーブできない、
セーブスロット三つだけ、画面の切り替わりが遅い等々。

話は楽しい日々、しかしある日突然…といった流れ。
葵ちゃんとのやりとりはなかなかに楽しいです。
山場は王道的な展開ですが、感動というにはちょっと弱かったかなという印象を受けました。
ちなみにこの作品、2003年に舞台化されていたりします。
(2007/8/12)


コミケを極めし者(18禁/1000円/2002.8)

一般人の大槻 姫は兄に連れられていったコミケで同人誌に開眼する。
今日もバイトでお金をため、夏冬のコミケに挑むのだった。


選択肢あり、同人誌購入、レズ。
ゲーム起動直後のロゴの表示時間が長いことと非アクティブだと動かないこと、
それにセーブスロット四つだけしかないことが気になります。

ゲームはノベルパート、バイトをするか同人誌を読むパート、
コミケで同人誌を買いあさるパートに分かれています。
バイトをするか同人誌を読むパートは単純にクリック連打で給料や経験値を増やすことができます。
給料はコミケパートで同人誌を買いあさるときに使用します。
経験値は一定までたまるとレベルが上がり、攻撃力が上がったり技を覚えたりして戦闘が楽になります。
コミケパートはRPGっぽく会場内を歩き、各サークルに話しかけて本を買い、その分だけ経験値が入ります。
会場内には参加者がうろついていて、重なると戦闘開始。クリック連打でダメージを与えて倒します。

話はバイト先やコミケで出会う女の子達と仲良くしつつ立派なオタクを目指していきます。
同人が題材らしく様々なパロディ満載。
主人公の兄のはっちゃけぶりが楽しいですが、
ストーリーとしてはラストが投げっぱなしであっけなかったです。
(2007/8/13)


みこたま(パッケージ版1500円、ダウンロード版700円/2003.8)

和藤 成美は突然数百年前の日本に迷い込んでしまう。
そこで出会った巫女の羽生から
知り合いの魔女ならばなんとかできるかもしれないと聞いた成美は
羽生と共に魔女に会いに行くこととなった。


選択肢なし、対戦ブロック崩し、ほんのりエッチ、巫女、ボイスあり。
非アクティブだと動かないどころかウインドウモードにすると
マウスカーソルがウインドウから出てくれもしなくなるので非アクティブにすることすら面倒です。
またバックログが読めません。

ブロック崩しはアイテムブロックを壊すと出てくるアイテムや固有技を使って相手側に弾を入れ、HPを0にした方が勝ち。
ただ、じりじりとした持久戦になりがちで爽快感はありませんし、
得点が表示されますがそれが記録されるわけではないのでやりこみがいもありません。
個人的にブロック崩しの白眉は
BLOCKですね。
パワーアップアイテムの突き抜けっぷりやタイムアタックのおかげですごく爽快感と中毒性があります。

話は魔女に会いに行く道中で勝負を吹っかけられつつ進みます。
肩の力を抜いて読める話ですが、ちょっと短すぎて物足りません。
ダウンロード版の価格は適正かと思いますが、
パッケージ版を買った当時は、これでこの値段?と思ってしまいました。
(2007/8/14)

 

ConEt Soft

雪明りのMelody(1000円/2001.12)

父親の仕事の都合で転校することになった高校は、去年まで女子高だった学校だった。
転校初日の通学途中、主人公は自転車に乗った女の子とぶつかってしまう。


選択肢あり、恋愛、八〜十時間くらいで読み終えた気がします。
データCDと音楽CDの二枚組みでボーカル入りの曲が五つあり当時は豪華だ〜と思いました。
なかでもOP曲「雪明りのMelody」はいまでも聴いていたりします。
またボーカル曲以外の音楽もオーソドックスながら良い曲が多いです。
システム面では「タイトルに戻る」がないことと、スキップが遅めなことがちょっと不便。

プロローグ、本編、最終シナリオに分かれている構成で、
本編は三人のヒロインルートがあります。
ただ読める順番は決まっているので実質一本道。
話は恋愛に不思議な出来事とか能力とかが絡んできます。
ヒロインの一人の扱いが軽すぎることや、
山場の展開が少々突飛なことに納得がいきませんでした。
とはいえ、音楽の良さもあって明るい場面から悲しい場面まで
各々の雰囲気がちゃんと表現できている作品だと感じました。
(2007/8/27)

 

此花

朝の光が待てなくて(18禁/1500円/2004.12)

阿部美香と孝助の姉弟は共にイジメを受けていた。
そんな現実から逃れるために二人は二年前から身体を重ねてきた。
しかし二人へのイジメは悪化するばかりだった。


選択肢あり、イジメ、近親相姦、四時間前後で読み終わったように思います。エンドは八つ。
システム面や絵は特に問題なし。一枚絵は差分含まず二十枚。
音楽は半分くらい有名曲(スカボロー・フェア、アヴェ・マリア等)が使われていますが、
オリジナル曲とどちらも作中の雰囲気と合った使われ方をしていました。
ただ、三つあるボーカル曲はどれも微妙…な歌声でした。

話はイジメを受け、それを内向的な手段で少しだけ解消して、でも耐え切れなくなり、そして…という流れ。
繰り返し描かれるイジメ描写は徹底していて、読んでいてひたすら沈んだ気分にさせてくれます。
そうした過程があるため、タイトルにある朝の光が描かれる絵・場面はより良いものに感じられました。
また、個人的にはアヴェ・マリアエンドが印象的でした。
(以下ネタバレ)

別名飲んだくれエンド。
アヴェ・マリアをバックに未成年の美香が酒に溺れて幕というもので、
それで終わるのかとちょっとした衝撃を受けました。

読むのにかなりのエネルギーがいりますが、それに見合うだけのものを持った作品です。

過去の作品感想:
キスより甘くて深いもの
(2008/6/1)

 

五目御飯

想いノ破片 〜オモイ ノ カケラ〜(18禁/1500円/2004.8)

日下明人と早坂沙夜里は友人達とごく普通の生活を送っていた。
二人は幼馴染として親しくしていたが、だんだんとそれ以外の感情も芽生えていくのだった。


選択肢あり、リハビリ系学園恋愛とのこと、六時間前後で読み終わった気がします。
CD二枚組。ルートはほぼ一本道。
メンバーの方が制作された「ゲシュタルト崩壊」の感想は
こちら
システム面は今からすると物足りない部分もありますが、概ね問題なし。
絵は可愛いですし、コメディ方面のものもインパクトありました。一枚絵は二十六枚+差分。
音楽は懐かしのCD読み込み方式。
昔のノベルゲームはほとんどコレでした。読み込みにやや時間がかかるのも良い思い出。
Disc2が丸々音楽ディスクで三十六曲あります。

話は幼馴染の沙夜里編があり、それを読み終わると少女編を読むことができます。
沙夜里編は日常のコメディシーンメインでまずまず楽しめましたが、
二周目の甘酸っぱいような雰囲気と、一周目を受けての構成が良かったです。
ただ沙夜里は幼馴染の型通りであまり面白みがなかったのが気になりました。
むしろ友人の怜那や百合花のほうがより魅力的で印象に残るイベントもあったのに、
二人のシナリオがなかったのは残念。特に怜那シナリオは入る予定だったとのことでなおさらです。
(2008/6/2)

 

 

(漫画)

海底温泉

シギサワカヤさんの個人サークル。
兄と妹の歪な関係を描いた「九月病」(A5/五巻まで計492P/2005.2完結)
古い家に一人暮らす女とその噂を聞き訪れる男の話「ヴァーチャル・レッド」(A5/三巻まで212P)
など退廃的な印象を受ける作品を描かれています。

ほぼ毎回Hシーンがありますが、直接的な描写は控えめ。
ギャグとシリアスシーンの繋がりがナチュラルで、
ぬるま湯に一日中浸っているようなダメさ加減(褒め言葉)を味わえます。

壊れてしまった、または壊れていく登場人物の表現も良く、
前述の退廃的・ぬるま湯的な所と絡まり作品に独自の雰囲気があるサークルさんです。
(2006/12/21)

 

かなり弧

少年の夢は生きている(A5/86P/2004.12)は表題作他三編収録の三人誌。
「つながる星屑」は色盲の女性とその友人を描いた作品。
意識して強くあろうとする女性、でも本当に強いのはぽやっとしてそうな友人のほう。
そんな関係がとてもはまっています。
「迷い星」とある屋敷で牛飼いの仕事をしている男の話。
展開が唐突で終わりもあっさり。ページ数の割りに設定を詰め込みすぎの感があります。
「少年の夢は生きている」
ハレー彗星を見るために宇宙飛行士になった老人。彼がハレー彗星にこだわる理由とは?
いま過去と現在どっちの話なのかがわかりにくいですが、
ああ、そんな理由があったんだとストンとはまる後味のよさが魅力です。
(2006/12/23)

 

狐塚

歌詞の引用を作品に組み込んでいることが多いのですが、
少なくとも私にとって効果的とは言えません。
詩を理解するのは苦手なのです。それが聞いたことのない歌ならなおさら。

でも、「ちょっとしたやり取りとかをはっとするくらい
鮮やかに描く所がこのサークルさんの良さ」(
2005年11月コミティア感想より)なのです。

純(62P/2004.8)

ある老夫婦の一週間を描いた話。
40歳以下の人間は一人も登場せず、主人公は70代。
イロモノ漫画と作者さんは書いてますが、
積み重ねた日常と、今もなお新鮮な二人の愛情がとても素敵な作品。

両想いになって幕、そんな終わり方もハッピーエンドですが、
これは本当にハッピーエンドと言えるお話です。
(2006/12/24)

 

クリムゾン

「だが巧妙な罠だった」「くやしい、でも感じちゃう」などで有名なサークルさん。
そんな感じでネタ的に使われることが多いですが、
それが通用するのも知名度があるからということでしょうね。
私が始めてクリムゾンさんを知ったのは「褐色の無邪気な鎖」シリーズ(18禁)
ラブひなのスゥ
×素子本で、当時のラブひな本の中で原作っぽい絵柄が目立っていました。

それ以外の作品でも、ガンブレイズウエストや邪馬台幻想記、てんで性悪キューピッド等
それなりに(少なくとも私の中では)18禁方面で需要があれど、
ほとんど供給がない作品の本を描かれているのは非常にありがたいです。
でもやっぱり、特に「ハード」シリーズのワンパターンさは否定できないところではありますけれども。
(2007/8/9)

 

 

(小説)

懐中天幕

つむぎゆうさんの個人サークル。
作品の傾向としてはレトロな世界観を持つものや、少年少女活劇、
あるいはその二つが複合した話を中心に発表されています。

とりあえず初めての方にはサークル名と同名の「懐中天幕」(2006/12現在八巻まで発行済)
が無料配布なのでお試し版として最適。
読みきりや三〜四冊に亘る連作が掲載されています。
私はここに掲載された「まいるど・いんぺりある」がお気に入り。
ごく普通の女子中学生が主人公。
ただ一つ、車に轢かれようが銃で撃たれようが傷一つつかない、無敵であることを除いては。という話。
少年少女活劇でも骨董や奇術などが絡んでくるこのサークルさんには珍しく、現代が舞台のコメディ。
悪役と主人公のひたすら噛み合っていない言動が笑いを誘います。
(2006/12/20)

 

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