2025年同人ソフト感想リスト

プレイ順です。

女性向の作品は、乙女=女主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男、
BL=男主人公で相手キャラの全員もしくは多くが男(年齢不問)、としています。作品が女性向かどうかは基本的にサークルさんの自己申告です。

値段は入手時のものです。場合によっては異なる可能性があります。

完成版  体験版  その他

 

 

(完成版)

ネタバレが激しすぎるRPG2―親友の真の姿は大魔王― 先行プレイ版Version1.10/KSBゲームス(DL販売880円)

二十年に一度、神と大魔王が闘い、大魔王が勝利し続けている世界。
記憶を失った剣士は魔導士シンと呪術師ゼータと出会う。
彼らとパーティを組み悪魔を退治していく中、大魔王配下の四天王も活動を始めるのだった。


選択肢あり、ネタバレ、RPG、ボイスあり、十二時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMZ製。
音楽は特に合わないような箇所なし。
OPにムービーと歌あり。EDに歌あり。
絵は綺麗でしたし、ゼータの情けない顔も可愛かったです。
ボイスもネタバレするときのわざとらしい言い方が可笑しかったです。

大魔王や四天王、悪魔が存在する世界で闘っていきますが、誰がリタイアするかや大魔王の正体など、
様々なネタバレがされます(ゲーム中の登場人物はネタバレに気付いていません)
RPGパートでも、特定の技を使ってくる敵の対策アイテムが直前で手に入ったり、
戦闘中に技の効果と対処法を教えてくれたりするネタバレがあるので、ほとんど苦戦する場面はありませんでした。
(難易度はノーマルとエンジョイの二種類+クリア後に選べるハードモードがあり、私はノーマルでプレイ)
ファストトラベル機能がないためマップの行き来はやや不便でした。
ストーリーではゼータを好きな剣士レーダがウザい奴なまま終わってしまうので、彼の成長も見たいと思ってしまいます。
また、ボリュームたっぷりな分、ネタバレでお腹いっぱいになってしまう部分もありました。
ですが前作同様、出オチ的なネタバレが可笑しかったのと同時に、どこで回収されるかわからないネタバレもあって、
ネタバレされていても読めない展開、そして後になってネタバレ通りだった……と翻弄される作品でした。

過去の作品感想:無駄が多すぎるRPG虚無すぎるRPGネタバレが激しすぎるRPG―最後の敵の正体は勇者の父―
(2025/1/10)

 

神狩りの魔女ロシカ ver1.1(17推)/筍lavoratore(フリーソフト)

人ならざるものを導くことを教義とする宗教の神子ロシカと、その護衛の人狼ギデオンは、
神子を束ねる聖女の死と、人ならざるものの奴隷化を教団が認めたことを知らされる。
なぜそうなったのかを知るため、ロシカとギデオンは各地の神子を訪ねるのだった。


選択肢なし、RPG、ファンタジー、二時間ほどで読み終わりました。
システムはガチャを一枚一枚引く必要があることがやや面倒でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は敵がデフォルメな絵ながら死体とか流血とか多め。

ノンフィールドRPGで神子に会うためにダンジョン等を進んでいきます。
ガチャでマナトリガーというカードを引き、セットすることで特殊能力使用可能。
カードには過去作の登場人物が描かれています。
また、ストーリーでも「また逢う日を楽しみに」シリーズのキャラが登場します。
ガチャをするたびにステータスがアップするのですが、
ちょっと強化されただけでほとんどの敵を一回か二回の通常攻撃で倒せるようになってしまうので、
マナトリガーの出番はほとんどありませんでした。
もう少し通常攻撃の威力を下げて、マナトリガーの威力を上げたほうがいいように思えました。
また、集めなくてもストーリークリアは可能ですが、
ver1.1では各神子の思念集めが発見率低くて大変でした(ver1.11では見つかりやすくなっています)

登場人物の会話はコミカルなものが多いですが、
それで覆い隠せないほどに神子の過去や結末など生々しく重苦しいものでした。
途中で敵から忖度というものを教えられたギデオンですが、
忖度する前の行動のほうが正しかったとか残酷ですね……。

過去の作品感想:また逢う日を楽しみに続・また逢う日を楽しみに 忘却のリコリス・エンブリオまた逢う日を楽しみに-幕間怪奇小噺集-骸の丘狂愛イノセンスAfter
(2025/1/12)

 

鏡のマジョリティア Ver.1.08a(12推)/パルソニック(フリーソフト)
※2024/11/28にご紹介いただきました。ありがとうございます!

マジョリティア(魔女の布陣)というカードゲームが流行していた。
しかしTAIGAはマジョリティアのことを何一つ知らない。
けれど周囲は自分のことを熟練者であるかのように扱ってくるのだった。


選択肢あり、暗中模索カードゲームとのこと、十時間ほどで終わりました。
システムはオートセーブ。
ステージセレクトでカードバトルができ、フィルターで全てのバックログを確認できますが、
演出も含めたストーリーを読み返すためには最初からやり直さなければならないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はイベント自体もそうですが幼女やショタの表情が曇る場面が多かったです。一枚絵は十五枚+差分。

負けたらその対戦を最初からやり直す能力を持った主人公が、
ルールを知らないカードゲームを何度もやり直し、
少しずつルールを理解したり、相手の戦法を潰す立ち回りを考えたりして勝利していきます。
カードゲームに対する経験不足か、年齢による衰えのせいか、
反則何度でもOKの対戦は何とか勝てましたが反則五回までの真剣勝負はほとんど上手くいかず、
最終的に攻略記事のお世話になってしまいました。
なので試行錯誤した末に正解にたどり着くという面白さを堪能できたとは言い難いです……。

ですがストーリーはマジョリティアと友情で問題を解決したり、大会を勝ち進んだり、妙に重い展開もあったりと
王道ホビーアニメといった感じで、問題が解決したときは感慨深かったです。
また、「オリジンはマナパワーが半分(小数点以下切り捨て)になるまでデスマナし、オリジンの場に出ているジェムが4枚になるまでコレクトする」
のようにゲームの専門用語が次から次へと出てきて主人公が困惑する冒頭が可笑しくて、
同時にプレイヤーも同じ気持ち過ぎる! と共感するにもほどがありました。
(2025/1/14)

 

HEREMITA ver.1.01(乙女18禁)/JUNKorSKY(DL販売1650円)(DL版の購入はこちら)
※2024/12/5の拍手でとら様よりご紹介いただきました。ありがとうございます!

名家に生まれ、魔法大学校に通うリディ・ベデリグントは自分の才能の無さを感じながらも立派な後継者になるために日々を過ごしていた。
ある日、彼女が住む魔法使いの里で魔法使いが殺される事件が起こる。
魔法協会から派遣されてきた事件の調査団の中には、幼い頃に仲良くしていたギルヴェルス・アベスグントがいたのだった。


選択肢あり、ファンタジー、恋愛、十九時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は男らしさを感じられました。一枚絵は八十九枚+差分+α

事件が発生するも他人事だと考えていたリディが、事件から派生した事柄に巻き込まれていきます。
ルートは大学の薬草博士ライモンド・イクセピネ、同級生で魔法が達者でなにかとリディに突っかかってくるウォーデス・テニエ、
リディの友人ガロシュ・ララント、幼馴染ギルヴェルス・アベスグント、
リディの父親キリオン・ベデリグント、大学の学長デウス・イグニエの六人ですが、
ガロシュは未解決エンドしかなく可哀想でした。
エンディングは九種類。キリオンとデウスはルート制限あり。

リディが見た目は威厳あるものの内心は劣等感にまみれていて、
特に父親の立派さに比べて自分はと卑屈になり父親の言うことに流されていて、つまりは「普通」でした。あと鈍感!
なので、どこかしら自分を重ねて読み進められました。
恋愛対象もみんな抱えているものがあり暗めのトーンで進みますが、
そんな中にシリアスな笑いもあって緩急がつけられていました。
ライモンドとウォーデスルートは個々の問題は解決するものの、事件は闇の中。
ギルヴェルスとその派生のキリオンとデウスルートで真相が明らかになります。
真相を知ると、共通ルートやライモンド、ウォーデスルートの出来事の裏にはこんなことがあったのか、と思えて読みごたえがありました。
お気に入りはライモンドとキリオンルート、どちらも、お互いからお互いへの愛の深さを感じられました。
あと、あそこまで急展開が起こらないとガロシュとは一緒にならないのか、とガロシュが本当に可哀想でした。

過去の作品感想:Kuchen LoschenKuchen Loschen+ドルンベルクの首斬り人Memory Connection
(2025/2/3)

 

バトルポーカー・ハイスクール/アクアポラリス(フリーソフト)

青木光介(あおき こうすけ)が滑り止めで通うことになった私立紡花(ぼうか)高校は、ポーカーバトルで全てが決まるというルールがあった。
入学初日。一枚のカードを手にした光介は謎の存在に体を乗っ取られてしまう。
乗っ取った彼は、ポーカーバトルで理事長を倒すと言うのだった。


ポーカー、学園、能力、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は生徒会書記の湊(みなと)あおいの百面相が見ごたえありました。

ポーカーで学園の四天王や理事長を倒していきます。
パロディ多め。
ポーカーは手札を操作したりダメージを0にしたりするスキルを使って有利にすることができますが、
相手の技を獲得できる都合上、持ち技の少ない第一戦がかなり苦戦します。
逆に大体四天王最後に戦うことになるであろう生徒会長戦が、スキルが充実していて一番楽勝でした。
スキルは書記ちゃんの手札入れ替えスキルが、自分が使うときはブタを押し付けつつ相手の必殺技を潰せて、
相手に使われるときは被害が少ない時に使わせてクールタイム中に押し切ろうと最大限警戒する羽目になり一番強く感じました。
逆に主人公が最初から持っている引き直しスキルが使えなくはないものの確定で役を作れるわけでもないので真っ先にリストラ対象でした。
話は理事長戦やラストは王道バトルものという展開でしたし、
チュートリアル後にいきなり四天王や理事長に挑めるスピーディな展開が可笑しかったです。
(2025/2/7)

 

僕の最愛の ver1.2(BL15推)/てどぽよ(フリーソフト)

医学生の「さら」はさらが大好きな「ゆら」と同居していた。
さらもゆらのことが大好き。
今日は休日。何をしようか。


選択肢あり、恋愛、依存、二時間半ほどで読み終わりました。
システムはスキップが遅めなことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はほんわかと可愛らしい絵柄で好感が持てましたし、そんな顔がゆがむのもぞくっとしました。
一枚絵は十五枚+差分+α。

休日に何をするかで、平穏だったり不穏だったり、二人の過去が関わってきたりします。
エンディングは九種類。
文章表示時に効果音が入り、ウエイト多めのレトロゲー風でややテンポは遅めですが、
それがさらとゆらが大切な日々を噛みしめているようにも感じます。
お互いのことを好きだとそこかしこから伝わってくるため、
一人になる、あるいは別の人物が出てくるだけで不安な気持ちにさせられました。
二人が離れ離れにならない共依存エンドもそれはそれで……ですが、
やっぱりエンド9の幸せそうな二人に、良かった……と思えました。
(2025/2/9)

 

暗黒SNSしりとり2/がっかり亭(フリーソフト)

真っ暗な場所で目を覚ました主人公。
傍にはアプリが一つしか入っていないスマホが落ちていた。
そこにマチコという人物からメッセージが送られてくるのだった。


選択肢あり、しりとり、SNS、都市伝説、十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵はスマホ画面や黒い背景がメイン。

真っ暗な空間に閉じ込められ、SNSアプリでしりとりをして脱出を目指します。
エンディングはバッドエンド含め三種類。
語尾が「し」か「く」かで生死が分かれるの理不尽……!
ですがそんな状況でも、主人公がしりとりの語句だけから相手がどういう存在なのかを考えて、
脱出する糸口にしていくという内容が読み応えありました。

過去の作品感想:ごちゃまぜヒーロー 番外編無理やり主人公ネームテイカー暗黒SNSしりとりごちゃまぜヒロイン、三色団子布団幽霊博士ガール FILE1
(2025/2/15)

 

Like a Lilac Ver1.1(15推)/Aster(フリーソフト)

記憶を無くして目覚めた主人公。
会社の後輩だというはるかとひまりは、そんな主人公に親切に接してきた。
けれど、記憶はなかなか戻らなかった。


選択肢あり、記憶、恋愛、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
名前変更可。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵ははるかの目を見開いた表情が怖かったです。
ボイスは通常シーンはともかく感情が乗るシーンでは違和感を覚えました。

記憶喪失の主人公が三週間中、一週間に一回、どこに行くか、誰に会うか、そしてどんな選択をするかで結末が変化します。
エンディングは七種類。
冒頭からはるかに怪しさしかなくて、
初回は助けてひまり! とばかりにひまりにばっかり会いに行きました。
それがあんなことになるなんて……。
あとラストの仕掛けは回避不能なのに詰られるの納得いきません!
私は誰もいない場所を散歩するとかで三週間を過ごしたかったのに!

過去の作品感想:蝋燭の照らす先は
(2025/2/23)

 

君と彼女のリリィヴァガンザ/めうちゃんねる(フリーソフト/DL販売550円)(DL版の購入はこちら)

東雲一花(しののめ いちか)は親友の蓼原仁美(たではら ひとみ)の自殺を目の当たりにし、失意に暮れる。
しかしある日、仁美は何も無かったかのように話しかけてきて、周囲もそれを当然のことと思っていた。
以降、一花の周囲でおかしなことが多発するようになる。


選択肢あり、ヤンデレ百合ホラービジュアルノベルとのこと、パートボイスあり、二時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は立ち絵アニメーションで、違和感を覚える動きもあるのですがそれが最後に意味のあるものになっていました。
また、豹変する表情はもちろん、ファンシーな背景も不気味でした。
一枚絵アニメーションは十五枚+差分。

自殺したはずの仁美が話しかけてきて、一花が取り乱したり、周囲で不穏な出来事が起こったりします。
有料版にはボイスドラマやミニゲームなどが付属。
エンディングは三種類。
「メインチャプター」と過去編「仁美の思い出」が一話ずつ解放されていきます。
「メインチャプター」では事あるごとに一花が追い詰められていてびくびくさせられました。
「仁美の思い出」では仲良くなっていく女の子二人が微笑ましいです……が、一花の「プレイ」はインパクトあります。
ラストはそれまでの一花の葛藤すら意味がないと思い知らされるもので、あきらめや無力感を覚えました。
でも作中では一花にもかなり悪い部分がありましたが、本当はそうではなかったんですね! ……余計可哀想ですが!
(2025/2/25)

 

隣の世界の私のクラス/ライジング斉藤(フリーソフト)

オカルト好きの小池美里(こいけみさと)は、深夜の鏡に平行世界の自分が映る。
それぞれの世界で何が異なるのかを知るために、二人は怪談話を始めるのだった。


選択肢あり、ホラー、オムニバス、一時間ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は「隙間女」のラストが、古き良き犬猿の男女という感じでお気に入りです。

鏡に映る自分から、平行世界での怪談を聞きます。
怪談は「怪人アンサー」「NNN臨時放送」「猿夢」「隙間女」「人面疽」の五種類+全て読んだ後の追加一つ。
エンディングは最後の話のみ二種類。
お気に入りは「怪人アンサー」
鏡の中のいじめっこが酷い目に遭う流れが、良くないことながら痛快でした。
おおむね自分の世界の話はハッピーエンドで安心できますが、
そうではない鏡の中の世界との落差が悲しかったです。そりゃ最後の展開にもなりますね……。

過去の作品感想:暴走族夜怪デイ・アンド・ナイト僕らの都市伝説トンネル31最強の漫画ができちまったぜ!
(2025/2/27)

 

永遠と長閑 ver.2.00/晴好雨奇一丁目(フリーソフト)

妹が生まれてから親に無視されているという陽(あきら)は、夏に家族で祖母が暮らしていた村を訪れる。
そこで長閑(のどか)という着物の少女と出会うのだった。


選択肢あり、夏、田舎、言い伝え、三時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵はお人形さんのような長閑のビジュアルが印象的でした。
また、田舎の背景が動画で動く演出もあり。

序盤の選択肢によって、異なる性格の長閑と出会い、一緒に遊んだりします。
ルートは基本三つですが、隠しルートや真相シナリオもあり。
夏の田舎で謎の少女と仲良くする、という話ではありますが、
陽の状況があからさまに不穏なことや、十歳らしい自分勝手さが頻繁に出ていることで、
終始どこか居心地の悪さを感じながら読み進めていました。
真相は、ほんのさわりくらいまでしか自力ではたどり着けませんでした。おまけの登場人物説明で明かされます。
みんな思いやりがありつつも、自分の望みもある程度通していて、聖人でも悪人でもない人間臭さがあるがゆえに起こった話でした。

過去の作品感想:MY HOBBY ISカッテナキミヘ七月革命、未来エイゴウ昔のことは夜の路地裏案内、アフターワーク
(2025/3/1)

 

藍円寺昼威のカルテ〜縁〜/(フリーソフト)

閑古鳥が鳴いている精神科クリニックを営んている藍円寺昼威(あいえんじ ひるい)は、
救命救急の夜勤医バイトで頼りにされ、実家が寺ゆえに霊が見えて追い払えるものの非科学的で霊はいないと言い聞かせていた。
彼のもとへは時折、高校の後輩で神主で神様が付いている御遼侑眞(ごりょう ゆうま)が、厄介事を持ち込んでくるのだった。


選択肢あり、オカルト、縁、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はなし。
縦長の画面に背景のみ。

精神科医の主人公が神様や霊、それらを生業をする人々が持ち込むトラブルに巻き込まれていきます。
エンディングは九種類。
選択肢次第であっさり死にます。
トゥルーエンドも、会話で解決していてあっさりめな印象。
ですが、主人公の、文句を言いながらも困っている人がいたら助けずにはいられない善性に好感が持てました。
また、外科医としても、祓い屋としても才能を持ちながらも将来的に仕事がなくなってしまうだろうと予想し、
結果現在ろくに仕事が来ない精神科医をやっているちぐはぐさも可笑しかったです。
せめて開業せずに雇われ精神科医でいたらもっと好きな精神医学の文献も買い漁れるはずかもしれないのに……。
(2025/3/3)

 

煙客堂の蒐集録 ver241019(12推)/Paper Moon(フリーソフト)
※2024/12/23の拍手でご紹介いただきました。ありがとうございます!

資産家の一条明は偶然訪れた煙客堂という骨董品店で、
店主の煙玲(えんれい)から、まるで生きているかのように意思をもって動く美しい人形、翠蓮(すいれん)を紹介される。
翠蓮に惹かれ購入した明は、無表情な彼女の笑顔を見ようと手を尽くすが……。


選択肢あり、サスペンス、人形、一部ボイスあり、一時間四十五分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は翠蓮が描写通りに美しかったです。煙玲は骨董品店店主らしく胡散臭かったです。

美しくて心を持った人形と、彼女に魅了されてしまった男の話。
「煙客堂の蒐集録」という今回の出来事ではなく店が焦点のタイトルなので今後も別の骨董品と客にまつわる話が出るのかもしれません。
今回のエンディングは二種類。
終始翠蓮が美しくて、明が惹かれる説得力があります。
翠蓮甘やかしルートでは、明が翠蓮と分かり合えていると思い込むというあからさまに目が曇った状態になるので、
ラストは心底「ですよねー」という気持ちになりました。
一線を越えないルートの結末を含め、因果応報を感じられます。
あと、資産家なら植物園に翠蓮を連れていくのではなく自分で同等の施設作ってしまえ! と無責任に思いましたが、
今回の場合だとそれでも結末は変わらなさそうですね……。

過去の作品感想:霧と太陽の王ゴッデスリトルラビット!虚ろ町ののばらRot im Wald遠い海のアリア砂上のメモリア白結異婚目覚めたら知らない男が枕元にいた
(2025/3/5)

 

夜明けを待つ、星たちへ。(18禁)/ふじきの(DL販売2090円)(DL版の購入はこちら)

テロ事件で兄を亡くした主人公は、幼馴染で兄と結婚した諸星茜音(もろぼし あかね)と共に故郷の村に帰る。
茜音の妹で同じく幼馴染の李緒(りお)とも同居し、新生活を始めるが、
テロ事件には故郷で信じられている宗教が関わっているという噂を耳にするのだった。


選択肢なし、因習、寝取られ、ボイスあり、二時間半ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は毛や体形、血管などにこだわりを感じられました。

テロ事件の一年後である1996年を舞台に、
因習が残る村で美人姉妹と暮らしていきます。
終盤の展開がかなりびっくりするものでした。
宗教組織の一番偉い人と過去どのような関わりがあったのかも読んでみたかったです。
包容力のある、あるいは凛とした幼馴染の姉妹が裏では、ということを知る場面は
信じたくないという気持ちと絶望が伝わってきましたし、
そうした行為については主人公がことごとく止められなくて無力感を覚えました。
……だからこそ興奮するのですが。

過去の作品感想:デリヘル呼んだら女友達だったんだが!? 〜あるいは、ハルを売る少女について〜ひとりぼっちの、灰色仔猫。その女性は、父の愛人だった。夏の照明。
(2025/3/7)

 

もんむす・くえすと!〜負ければ妖女に犯される〜 v1.00(18禁)/とろとろレジスタンス(DL販売前章2750円、中章2750円、終章2860円)(DL版の購入はこちら)
もんむす・くえすと! ぱらどっくすRPG v3.05(18禁)/とろとろレジスタンス(DL販売前章3080円、中章3080円、終章3520円)(DL版の購入はこちら)

おすすめ
(2025/3/15)

 

ニューロン・エクリプス Ver1.2(18禁)/虚数神域(DL販売880円)(DL版の購入はこちら)

義肢や遺伝子改変技術がありながら、それらを使用した者は差別される法律がある世界。
治安維持隊に所属するベアトリスは、命令無視が原因で危機に陥り、四肢と眼を失ってしまう。
リンファと名乗る技師に拾われ、サイボーグ化されたベアトリスは、リンファの目的に協力することになるのだった。


ノンフィールド・サイバーパンクRPGとのこと、十二時間ほどで終わりました。
システムはRPGツクールMV製。
音楽は盛り上がる曲が使用されていました。挿入歌あり。
絵は亜人の宗教家ミアの立ち絵とゲームオーバー画面のベアトリスが綺麗でした。
Hシーンはアヘ顔や巨乳、散らばる陰毛にこだわりが感じられます。

技術はあるものの荒廃し、身分の差が大きい世界で、陰謀に立ち向かっていきます。
過去作全般との繋がりあり。
カードバトルをスキップしてストーリーのみ読むことができるモードもあり。
難易度は時折初見では負けることがありましたが、それを踏まえてデッキを組みなおせば突破できました。
よく使ったのはミア。捨て札からカードを復活させるミア専用カードのリフレインと、
コスト半減の倍速実行、邪魔カードを攻防一体カードに変換できる必殺技ノイズディフュージョンが相性よかったです。

ストーリーはベアトリスがいきなり脚を斬られてならず者の慰み者にされるというショッキングな展開から、
リンファに協力して大企業の陰謀、それより偉い支配者、そして最後は……とどんどん事態が大きくなっていって勢いがありました。
主人公も含めてみんな貞操観念低めな世界観で、
下世話な話もしつつ修羅場も切り抜けて信頼しあえるようになっていく女の子たちが微笑ましかったです。
とはいえ凄惨な場面やままならない場面も多く、特に儒教的な価値観に縛られる女サイボーグの境遇がもどかしかったです。
お気に入りはミア。最初から最後までぶれない信仰を貫いていて、ラスボス相手にもベアトリスと初めて会ったときと同じことを言うのが格好良かったです。

過去の作品感想(Hollow_Perception):Acassia∞ReloadReIn∽AlterChoir::Nobody剣閃神姫誅伐伝対象She-11に関する記録ある日、天使が楽園から落ちてきた。HollowSky
過去の作品感想(虚数神域):破天鬼姫永羅伝
(2025/3/19)

 

つばめの世代/PECOLIEN(DL販売490円)

文明が崩壊した世界。死線を潜り抜けてきたがゆえに他人を信じない主人公は、負傷してシェルターへと避難する。
そこには子守り用アンドロイドの少女、つばめがたった一体で暮らしていた。
平和ボケしたつばめの言動に翻弄されながらも、主人公は怪我が治るまでシェルターに滞在するのだった。


選択肢なし、近未来、アンドロイド、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はつばめが可愛らしかったです。

シェルターの中でつばめに食べ物を押し付けられたり、遊んだり、つばめをメンテナンスしたりします。
「幸福な王子」を始めとして、童話や子供の遊具が多く出てきます。
終始つばめに翻弄されながらも、つばめに感化されていく主人公が微笑ましかったです。
また最後、自分が書いた物語の通りに生きようと決意する主人公に、
この世界でそう生きるのは困難そうながら、それでも良かった、と暖かい気持ちで読み終えることができました。
(2025/3/25)

 

魔王拳姫デビルメリー!! ver1.15(18禁)/ornament(DL販売2200円)(DL版の購入はこちら)

千姫芽里(せんひめ めいり)が異世界から帰還して三か月後、周囲の者たちが次々と襲撃される事件が起こる。
襲撃者はまた別の異世界からやってきた三人組。
現実世界を支配するという彼らを倒すため、芽里は立ち上がるのだった。


選択肢あり、ファンタジー、暴力、一部ボイスあり、四時間半ほどで終わりました。
Mary↑GO→LAND!!」の感想はこちら
システムはRPGツクールMV製。
音楽は特に合わないような箇所なし。OPにムービーあり、主題歌あり。
絵は暗めの展開なため、晴れやかな終盤の一枚絵が印象的でした。
SD絵も可愛らしかったです。

「Mary↑GO→LAND!!」よりも後の現実世界が舞台。
RPGパートは前作同様レベル(格)を上げるためには食べ物を食べる必要があり、その際に全回復します。
一対一のためやや単調でしたが、通常戦闘は敵が結構強め。
状態異常が強いので敵が状態異常になるように祈ってました。
逆にボス戦は芽里もパワーアップするため難易度は低め。火力で押し切れました。
エロイベントは凌辱多めですが、芽里が敏感なので痛々しさは控えめ。
前作同様、普段は自信満々な芽里をわからせるのが興奮しました。
ストーリーは一日の間の話だけあってシンプルですが、
前作の好敵手と認め合って協力していく流れがなんだか嬉しかったです。

過去の作品感想:Mary↑GO→LAND!!
(2025/3/27)

 

 

虚子 ver1.02(乙女15推)/めがねの天ぷら(フリーソフト)

とある漁村で民宿を営む主人公は、夜の砂浜で記憶喪失だという青年、沙依(さより)と出会う。
行くあてのない彼を民宿に住まわせることにした主人公。
共同生活を送るうちに、時折不思議な言動をする彼のことが気になっていくのだった。


選択肢あり、ホラー、恋愛、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は沙依さんの服の腰の隙間がえっちでした。
一枚絵は十六枚+差分。

謎の青年と同居生活を送る中、村の因習が関わってきます。
エンディングは五種類。
主人公と沙依の生活は、沙依がどこかにいなくなってしまいそうな危うさがありながらも安らげるものでした。
けれどその日々も長くは続かず……。
終盤の選択では、いったん期待を持たせてからそれを裏切る方がより酷いことになります。
関わるならとことん関わらないとダメですね。
他の結末を全て読むと解放されるエンドEはそれ以前の悲劇でしたが……おまけシナリオで浄化されました。

過去の作品感想:俺と僕のプリマドンナ霖-ながあめ-Ha110ween callヤンデレ落ちなんてサイテー!?
(2025/3/29)

 

ポンコツホラゲのおばけちゃん 2.04/ももいろブレイン(フリーソフト)

ライターのアラタは特定の時間に検索すると遊ぶことができるホラー(?)ゲーム「わたしのゆめ」という都市伝説に遭遇する。
しかしそのゲームは全く怖くなく、さらに何故か登場人物のおばけ少女と意思疎通ができた。
アラタはおばけちゃんと名付けたその少女にアドバイスをして、怖いゲームを作っていくのだった。


選択肢あり、創作、ホラーコメディ、ボイスあり、四十五分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないこと、バックログ機能がないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。EDに歌あり。
絵はドレスや冒険服で機嫌よくなるおばけちゃんが可愛かったです。

ゲーム中の服装、ジャンル、舞台などを選択し、
特定の組み合わせになると話が進展していきます。
エンディングは一種類。
いくつかの組み合わせはゲーム中にヒントを見ることができますが、終盤はヒントなし(web上にはヒントあり)。
けれどもそれまでのやりとりでおばけちゃんのことを知れたので、さほど悩むことなく希望を叶えることができました。
的外れな組み合わせでもそれはそれでぶーたれたり嫌がったりするおばけちゃんを見ることができてご褒美です!
中盤まではポンコツで可笑しかったですし、終盤はいい話だなあと思える作品でした。

過去の作品感想(桃 実女子):ナニシテモイイコせんせはアタシのxxx
(2025/3/31)

 

 

(体験版・連作)

桃尻の匣 Ver1.2(BL)/あんでぱんだ(フリーソフト)

都の貴族、筐鏡水(かたみのきょうすい)は寺で「桃尻」呼ばれ慰みものにされていた稚児、桃を保護する。
しかし都の人々は鏡水と桃に対して下卑た視線を向けたり、噂を流したりしはじめる。
辟易した鏡水は桃と共に都を離れ、伊勢へと向かおうとするが……。


選択肢あり、ほんのりホラー文学クイズBLノベルゲームとのこと、ボイスあり、一時間ほどで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵は終盤の一枚絵が華やかゆえにぞっとしました。一枚絵は十八枚+α

鏡水と桃が逃避行をします。
エンディングは一種類+クイズ不正解のバッドエンド三つ。
平安時代あたり? の舞台、美少年と貴族の関係、というところから耽美な内容を想像し、
実際にそういう部分も多分にあるのですが、
鏡水が人の話を聞かないうえにだいぶズレた性格で……
公式サイトに真面目な男と書かれていて、嘘ではないですが奇行も多くて可笑しかったです。

墓守の鬼 Ver0.1(BL)/あんでぱんだ(フリーソフト)

筐鏡水(かたみのきょうすい)の友人、六道杏里(ろくどうのあんり)は鏡水の妻から妙な噂を聞く。
確かめるために調査をしていると、腹をすかせた小鬼が食べ物を要求してきたのだった。


選択肢あり、ほんのりホラーBLノベルゲームとのこと、ボイスあり、三十分ほどで読み終わりました。
システム、音楽は「桃尻の匣」と同様。
絵は一枚絵が豊富でしたし、みんな表情豊かでした。一枚絵は十八枚+α

「桃尻の匣」の三年後の話。
序破急の破のお話とのことで、事態が大きく動くというよりは仲間集めが主といった内容。
「桃尻の匣」では桃に原因がありそうな感じでしたが、
本作を読むと「匣」がかなりいわくありげな印象になりました。
ところで「おいなりさん」を巨大にする必然性はあるんですかね……?

過去の作品感想:ツギハギ城の絲の庭天海のメッセージボトル希亡のブラック・レイン
(2025/2/5)

 

三色団子布団幽霊博士ガール FILE1/がっかり亭(フリーソフト)

柳谷雄介(やなぎや ゆうすけ)は不眠の悩みを抱えていた。
ある日、クラスメイトで三色団子髪で布団を羽織った幽々亭霊子(ゆうゆうてい りょうこ)から、
幽霊の捕獲に協力してほしいと持ち掛けられるのだった。


選択肢あり、オカルト、超科学、三十分ほどで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は三色団子布団のタイトル通りの三色団子布団でした。

今回はFILE1「首なしライダー編」とのことで、首なしライダーを捕獲しに行きます。
エンディングはバッドエンド含め三種類。
三色団子布団で幽霊を研究しようとしていて発明品のネーミングセンスが個性的な霊子がインパクトありました。
また、幽霊の説明になんだか説得力があります。
主人公の悩みはちょっとだけ解決したもののまだ完璧ではなくFILE2に続くという終わりで、
まだ主人公は霊子に振り回されるのですね……。

過去の作品感想:ごちゃまぜヒーロー 番外編無理やり主人公ネームテイカー暗黒SNSしりとりごちゃまぜヒロイン
(2025/2/13)

 

欠損の杯(18禁)/Echo/Juliett(DL販売1430円)(DL版の購入はこちら)

四肢欠損した雛南姫子と同棲している主人公は、
我儘を言う姫子を甲斐甲斐しく世話していた。
……異常すぎるほどに、甲斐甲斐しく。


選択肢あり、四肢欠損、同棲、一時間足らずで読み終わりました。
システムは文章表示速度が遅めで変更できないことがやや不便でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は外出しているときの姫子が綺麗でした。

主人公と姫子が同棲生活を送ります。
Pieace Antiquities」のリメイクとのことですが大幅に変わっていて、
姫子が五体満足な学生時代のエピソードも読むことができます。
「歪んだ鏡像」を読み終えてから「欠損の杯」を読むと、
主人公が結構思い悩んでいて、このころはまだ可愛かったのになあと思いました。
それでも姫子のために全てを投げうっているのは一貫していました。
姫子も面倒くさい性格ではありますが、相手が悪かったですね……。

歪んだ鏡像(18禁)/Echo/Juliett(DL販売990円)(DL版の購入はこちら)

選択肢あり、四肢欠損、同棲、一時間足らずで読み終わりました。
システム、音楽は特に不便や合わないような箇所なし。
絵はタイトル画面のようなシーンいつ読めるかな……と思っていたら!

「歪んだ鏡像」ラストシーンからの続き。
隣に引っ越してきた多倉沙希という女性と主人公が関わることになります。
やきもちを焼く姫子が可愛かったのですが、
それ以上に姫子最優先でそれ以外は一切考慮しない主人公の在り方が異常で、同時にそこまで貫ける生き方がうらやましかったです。
そんな主人公に一顧だにされない沙希が可哀想……と思っていたら彼女も最後にヤバい言動してくれて一気に盛り上がりました。
主人公と姫子の主治医兼カウンセラーは主人公のせいと糾弾するのですが(主人公が意図的にやったかもしれないことも示唆されますが)、
沙希がヤバい奴すぎて主人公に同情しそうになりました。
主人公も大概ヤバすぎる奴だぞ忘れるな!!

過去の作品感想:Pieace Antiquities
(2025/3/17)

 

 

 

その他・番外編)

 


 

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