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サークルについて

オリジナルの小説で活動されています。

 

作品

天使のてざわり

 

概要

ジャンル

オリジナル/小説

発売年月

2011/8

価格

300円

年齢制限

なし

特徴

絵、才能、葛藤

A5サイズでページ数は60ページのコピー本です。

 

あらすじ

美大を目指す学生、伊藤一成。
彼は美大受験に備え、画塾に通っていたが、自分の画力の無さに落ち込んでいた。
その日も画塾で講師に酷評を受け、落ち込みながら帰宅の途中に、大きな犬と、小さな少女に出会う。
一成は、『明日香』と名乗るその少女が天才的な画力を持っている事に気づくが、
明日香にはもっと驚くべき秘密があった……。

落ちこぼれだった美大志望の学生、一成と、
後に神の手を持つと言われる天才少女画家、明日香の成長の物語。

(サークルHPより)

 

この作品について

溢れんばかりの才能と、ある境遇を持つ少女、明日香と出会った一成が、
明日香にとって何が最善かということを一生懸命悩みながら接していく話。

このサークルさんは以前は「空の海」など世界観に魅力ある作品が多かったのですが、
最近は「妄想彼女」など登場人物が魅力的な作品が多いように感じています。
そしてこの「天使のてざわり」は後者の最たるものでした。――もちろん、舞台設定も良いのですけれど。

主人公の一成や、明日香の母親も誠実で、たくさんの愛情を持っていて好感が持てましたが、
さらに魅力的なのが明日香と、一成の小学校時代の同級生、河野さんという二人の女の子。
明日香は天真爛漫で、それでいて他人のことを慮れる少女で、
最初の頃の無邪気さも可愛らしかったですし、後半の決意とその後の行動には確かな成長が感じられました。
それに明日香が描く絵のすごさも、しっかりと伝わってきました。
河野さんは焦ったときの口調と行動が可愛すぎます!
最初のドーナツ屋でのやりとりは本当にくすぐったくて、大好きなシーンです。
それだけでなく、芯の強さを感じられる場面も多くて、魅力的でした。

話としては悪者が典型的な悪者然としすぎている所が気にはなりましたが、
明日香が抱えているものについて過剰にクローズアップするのではなく、それでいて真摯に正面から描かれていて、
そうした中、魅力的な四人がそれぞれお互いのことを真剣に考えて行動しているのが胸を打つ、良い作品でした。

 

 

 

 

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