スタジオ・おま〜じゅ
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サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

雪子の国(DL版の購入はこちら)

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2017/8

価格

初回限定版2500円

年齢制限

なし

特徴

故郷、恋愛、天狗

選択肢なし、十一時間ほどで読み終わりました。修正パッチあり。
バックログ、表示速度変更、オートモード、未読スキップ、CG鑑賞などがあり、
セーブデータは9個まで保存可能です。

 

あらすじ

山陰の怪談って知ってる?
でるんだってね。

キリンの国(2014ふりーむゲーム大賞大賞受賞)、みすずの国(2014ふりーむゲーム大賞ノベル部門金賞受賞)の続編、雪子の国。
舞台は風光明媚な地方城下町。
そこでは不可解な連続怪奇事件がおこっていた。

夜な夜な屋根にのぼる、少女の霊。
神社に灯る、狐火。
人を取り込む、峠の魔。
五十年前の神隠し。

全ての謎は、一つのメッセージへと帰結していく。

「俺たちで謎を解き明かそうぜ!」

東京の少年ハルタと天狗の少女雪子がおくる、青春ハートフルラブコメディ+地方都市ミステリー!

やがてくる冬は、最後の冬になる。
少年と少女でいられる最後の時を、鮮烈に駆ける、今を生きる物語。

(頒布サイトあらすじより)

 

この作品について

故郷留学という制度で本州最西端にある県の歴史ある城下町で過ごすことになった神崎春太が、
同じ家で暮らすことになった天狗の東雲雪子や、知人達と幽霊騒ぎを調査していきます。

システムはセーブスロットがもう少しほしいと思いました。
音楽はそれぞれの場面に合っていました。
立ち絵は会話の発言主が変わるたびに登場人物の立ち絵が切り替わるのは読んでいてちょっと疲れましたが、
ちょっとした表情や体勢、年月の変化まで含めて多彩でした。
一枚絵は背景の自然を含めて描かれているものが、閉塞感だったり長閑さだったりを感じ、舞台となる町が表現されていました。
一枚絵は四十一枚+差分。

フリーゲーム「みすずの国」「キリンの国」から十数年後の話で、
登場人物など関わりがあるため先に「みすずの国」「キリンの国」を読んだほうがいいと思いました。
雪子の融通利かなさや脆さと、悲しい人をほおっておけないハルタの業がとことん描かれていて、
でも最後は(ネタバレのため反転)悲しい人たちをほおって雪子を選ぶようになっていて、
ハルタくん成長したんだな……と嬉しくもあり寂しくもありでした。
誰かと自転車二人乗りをしたり、釣りをしたりしたときのぽつりぽつりと交わす会話や、
山陰の怪談が見せる懐かしさ、一人一人がそこで確りと生きていると感じる登場人物達も魅力的。
特にハルタの故郷留学先でのクラスメイト、猪飼君のキャラクターとエピソードの数々は読みごたえたっぷりでした.
全体を通しても子供がちょっと成長し、けれど大人まではまだまだ、という青さ、活力、瑞々しさがあり、
それが閉塞感を一面では持つ町や、思い通りにいかない世間とのギャップでよりいっそう大切に感じられ、
読んでいくうちに、人とか、時間とか、場所とか、現実の色々なものを大切にしようという気持ちになる作品でした。

あとハルタにおせっかいを焼かれるととても口が悪くなる雪子ちゃんが微笑ましくて可愛くて好きです!

 

作品

ハルカの国

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2018/12

価格

?円(明治越冬編無料、2021年2月まで明治決別編、大正星霜編も無料)

年齢制限

なし

特徴

故郷、恋愛、天狗

選択肢なし、明治越冬編は二時間半、明治決別編は四時間十五分、大正星霜編は六時間ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、オートモード、未読/既読スキップなどがあり、
セーブデータは10個まで保存可能です。

 

あらすじ

「明治越冬編」

剣が好きだった。
剣があれば、寂しくなんてなかった。
強さは、私のものだった。

明治4年

狐の化けであるユキカゼは、新政府に仕えながらも剣の腕を磨いていた。
そこに東北の狼、ハルカの噂が届く。
関東無敵と謳われるハルカに、ユキカゼは修羅を燃やした。
ついに嫉妬の業火に耐えきれず、ハルカ討伐へと旅立つ。

ハルカが住まう国、奥羽の山里には、冬がそこまで迫っていることも知らずに――。

北国の圧倒的な冬の下。
尽きることのない風雪のなかで描かれる、ハルカとユキカゼ、出会いの物語。


「明治決別編」

ユキカゼと共にハルカの凄さを存分に味わえ、
そんなハルカですら恐れる冬山の厳しさもたっぷりと叩き込まれる作品でした。


越冬を終え、里へと下りたハルカとユキカゼ。
二人を待っていたのは、政府再編による大混乱。
官が化けを捨てたことで、二人は行き場を失う。

そこへ五木を名乗る官士が現れ、ユキカゼを言葉巧みに化け物退治へと誘う。

「私は私を取り戻す」
ハルカに挑むため、剣の奪還を目指し、ユキカゼは強大な相手に挑む。


「大正星霜編」

時は巡り、近代化のすすむ大正。
ユキカゼは東京神田の片辺にいた。
かつての同業オトラと、新たに仲間へ加わったクリとの三人、人間達に紛れ暮らす。

「やっとう狐は過去のこと。今では生活狐がいるだけさ」
時代の主流からは離れ、小さな居場所を見つけ暮らす三人。
そんな日々にも、やがて時代の影は伸びる。

時代は移ろい、世は変わる。
それでも人々は春を夢見て、何度も冬を越える。
越冬歌はいつの時代も響き続ける。

(BOOTHあらすじより)

 

この作品について

ハルカの国 明治越冬編

みすずの国」「キリンの国」「雪子の国」よりずっと前の時代の話。

明治越冬編は明治初期、狐の化けで剣術馬鹿のユキカゼがハルカという狼の化けが強いという噂を聞き、
東北の山奥まで勝負を挑みに行きます。
そしてその地で長く狭く寒い一冬を過ごします。

システムは特に不便な箇所なし。
音楽は重要な場面で、そこが重要であるとしっかり伝わる劇的な曲が使用されていました。
絵は里の人々が飾り気なく、そこにただ生きていると感じられましたし、
ハルカは全身から只者ではないということが伝わってきました。

剣のことしか見えていないユキカゼを翻弄し、諭し、導き、
里の人々のことを大事にしているハルカがとても魅力的に描かれていて格好良かったです。
そんなハルカと厳しい冬を過ごすことで様々なことを知り、気付いていくユキカゼを通して、
冬山の厳しさや、それがあるからこそのちょっとした幸せ、美しさ、
懸命に生きる人々の凄さといったことを感じられ、目の前が開ける思いがしました。

また、ここぞというところや、ふとこぼれたけれども核心を突く一文が多くて、感嘆させられます。
特に二人吹雪の中で懸命に進んでいるときの「あの瞬間、私たちは二人であった」は、
ハルカに手玉に取られたり、凄さを見せつけられるばかりだったユキカゼが、
ハルカと同じ立場で同じ困難に共に向かっていくために並び立てたことがわかり、嬉しくなりました。
また、里の人々の言葉にユキカゼか感じた「その言葉は丸い」は、
そこまでに冬の厳しさ、生活の厳しさが描かれているため、
様々な理不尽を天命として受け入れるしかないからある種あきらめが言葉に混じるのだと納得できましたし、
同時にそれが尊いものであるとも感じられました。

ユキカゼと共にハルカの凄さを存分に味わえ、
そんなハルカですら恐れる冬山の厳しさもたっぷりと叩き込まれる作品でした。



ハルカの国 明治決別編

明治決別編はハルカと共に山を下りたユキカゼが、
五木(いつき)という男に乗せられ何故か大猪退治をすることになります。

システム、音楽は明治越冬編と同様。
絵はタイトル画面の、川を進みながら山と入道雲を見上げる場面が美しくて印象的でした。

猪の化けを倒そうとユキカゼが苦悩します。
同行することになった五木が、何度か失敗をしても一筋の活路を見出す折れないところ、
その上で現実を見据えて、成功するために様々な準備をしていく周到なところ、
でも決して完璧な精神を持っているわけではないところ、どれも格好良い、と思えました。
彼を慮ってユキカゼが言った「正しさはね、そこから外れた心には苦しみです。」という台詞がお気に入りで、
大多数であろう、外れた人間には刺さりました。
餅を食べる場面や、餅の思い出を語る場面で垣間見える素の顔も印象的です。

猪退治のため張り切ったりへこんだりしながら、最後は死力を尽くすユキカゼには手に汗握りましたし、
最後の最後はおいしいところを持っていくハルカは相変わらず魅力的でした。
あと俳諧は下手なハルカが可笑しかったです。

猪退治という大一番を通じて、発足したばかりの明治日本という国の危うさを知り、
新たな時代の胎動へ向かう熱と、取り残されるものの虚しさと意地を鮮烈に感じられる作品でした。



ハルカの国 大正星霜編

大正星霜編はユキカゼが昔馴染みの狐の化け、おトラと、
口では立派なことを言いながらも行動が伴なわない狸の化け、クリと寝食を共にしながら日々を過ごしていきます。
ちなみに今回ハルカは一切出てきません!

システム、音楽は明治越冬編と同様。
絵は赤くなった額や頬の変化もしっかりと立ち絵に反映されていました。
微笑むおトラや、憤慨するクリの表情も味があります。

登場人物みんなの言葉に力があり(前半のクリを除く)
日々を懸命に生きているからこそ絞り出された言葉で心にすっと入ってきました。
そうしたユキカゼが深く関わる化けも人間はみんな人情深くて、
共に喜んだり悲しんだりしてくれるのが嬉しかったです。
甘ったれだったクリが成長する話でもあり、
失敗して折れたりしながらも頑張って結果が出たときは格別の思いでした。
また、微笑むおトラが、あまり良い状態ではないながらも風情があり、
終わりを予感しながらもまだこの場にいられる、という停滞の安らぎを感じられました。

人間の世で、化け達が生き難さを感じる物語ですが、
人間もまた、一人一人は同じような思いをしているのかもしれない。
そうした生き難さを感じている人を慰め、背を押すような作品でした。

 

 

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