ヲサカナソフト
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

homeless, the vagabond

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2008/1

価格

フリーソフト

年齢制限

なし

特徴

音楽、おしゃべり、放浪

選択肢あり、ルート終盤まで共通で最後三つのエンドに分岐。四時間半ほどで読み終わりました。
既読/全てスキップ、文章表示速度変更、バックログ、オートモードなどがあり、
セーブデータは90個まで保存可能です。

 

あらすじ

二年四ヶ月、各地を放浪しバーや喫茶店で演奏をしていた津田啓。
しかし、電車の中で財布をなくしてしまう。
途方にくれる彼だったが、小田原塔子という同い年の女の子に声をかけられ、
なりゆきで共に演奏をすることになる。

その演奏で感銘を受けたという塔子の一緒に連れて行ってくれという願いを聞き入れることとなった啓。
その日の夜に同じような経緯でショパンコンクールで準優勝した経歴を持つ六深菜を仲間に加え、
彼らは北へと向かうこととなった。

 

この作品について

(β版)

宿無し放浪青春音楽コメディ。
各地で演奏を披露しながら色々とおしゃべりしたり考えたりしつつ話は進んでいきます。

システム面では画面の切り替えが遅く、またクリックしても
エフェクトを飛ばせないのでスキップが非常に遅いのが気になります。
序盤の選択肢で終盤分岐するので共通部分をスキップすることが多く、上記の点が目立ちました。
絵は上手いとは言えないものの可愛い絵柄。でも表情以外の変化はあまりありません。

話はとても面白いです。
塔子のボケやそれへのツッコミをはじめとした三人のテンポの良い会話が楽しく、
演奏シーンには演奏者同士やギャラリーとの一体感に高揚させられます。
また、そんななか放浪することや同行者に対する真摯な気持ちがしっかりと描かれています。
音楽のことがわからなくても面白かったですがその知識があればもっと楽しめそう。
ただ、終盤の分岐点である公園のシーンがその前の場面との繋がりがなく、
時間が飛んでしまったように感じられ唐突でした。
公園へ行く経緯は主人公に説明させるのではなくちゃんと書いたほうがいいと思います。

エンディングはストーリーとしては塔子エンドが良く、特に歌詞が表示される場面などはぐっときました。
しかし、それまでの心地よい時間を思うと、エンド1になってほしいなぁと強く思いました。

そんな三人のドタバタ演奏行脚に、その場にいるかのように共に放浪して共に一喜一憂できる作品です。

現在この第一章の正式公開版を制作中とのこと。
また第二章があるという話も出ているので、どちらも期待しています。

 

(第一章 正式公開版・2008/2/22)

六時間ほどで読み終わりました。
β版と基本的な流れ、結末は変わりませんが、エピソードの追加、
ルート選定サポート機能(どちらの選択肢がどちらのヒロイン寄りのものかわかる)
TIPS機能(色の違う単語クリックで用語解説)の追加、立ち絵の一新、
システム、演出の強化などがされています。

システム面ではエフェクトが飛ばせるようになりより快適になりました。
演出ではヒロインの立ち絵が小刻みに震える箇所がコミカルな場面をより効果的にしていました。
ただ、文章中で色を変えて強調表示しているところがTIPSと紛らわしかったのがやや気になります。

シナリオはラスト手前の仙台でのシーンがやや改善されたもののまだ唐突に思えましたが、
何回読んでも笑えましたし高揚させられましたしぐっときました。
お気に入りのネタはテント組み立て説明書。好きな土地は新潟。
第二章も楽しみにしています。おすすめ。

 

 

 

 

作品

ブラックオクトウバー

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2009/11

価格

フリーソフト

年齢制限

なし

特徴

チャット、合言葉、仲間

選択肢なし、二時間半足らずで読み終わりました。
プレイにはAdobe Flash Playerが必要。
既読/全てスキップ、文章表示速度変更、バックログ、オートモードなどがあり、
セーブデータは10個まで保存可能です。

 

あらすじ

都内の有名進学校でおきた生徒の自殺――

噂によると、体罰教師による陰湿ないじめがその原因だとか。
ある時、主人公は、思いがけず『野猿生へ告ぐ。体罰教師を許すな!』と
匿名チャットへの誘い込みの書き込みをアングラサイトの奥底で発見する。
そうして集まった5人の生徒たち。

次第に5人は、同じ高校に通う同級生でありながら、誰が誰だか
分らないというミステリアスと、秘密組織というスリル。
そして何より高校生ならではの受験や恋愛などの悩みを匿名で相談できるという魅惑から、
皆、そのチャットに夢中になっていった。

(サークルHPより。実際のあらすじにはさらに続きがありますが、読まずにプレイされることを推奨します)

 

この作品について

匿名で発言できるチャット。そこに参加していたメンバーが実際に顔を合わせたら、
という出来事を中心に、過去の主人公、辻浦 丈とチャットメンバーのやりとりや、
教師によるいじめを受けた生徒の心情が描かれています。

システムではロードすると章のはじめまで戻されることが少し気になりました。
音楽は義理人情を感じさせるちょっと野暮ったい曲がいい味出していました。
また、二十三章の開放感ある曲も場面に合っています。
絵も格好いいとか可愛いとはズレていますが、等身大な感じで好印象。
OPのムービーと曲は逆にスタイリッシュ。

気になったのはシーンごとの繋がり。
基本的に現在の出来事と過去の回想が交互に出てくるのですが、
現在から回想へ移るときに関連性が薄いことがあって、
なんでいまこの回想をするのだろう、と思ってしまいました。
もうちょっとはっきりと前フリをした方がいいような気がします。

本筋とは関係ないですが、冒頭の面白教師&生徒紹介や、
途中に出てくるネタは「homeless, the vagabond」と甲乙付けがたいほど面白く、笑ってしまいました。
本筋では前半に行なわれているチャットが臨場感満点。
相手の発言に対する辻浦のモノローグも的確で、
心地よさや、過激な発言に場の空気が悪くなる様がひしひしと伝わってきます。
中盤は緊迫感のある展開で、それまでのぬるま湯のようなチャットからの緩急の変化で
一気に話が引き締まり、このさきどうなるのか本当にドキドキしました。
後半の、一連の出来事の裏側と、そこに関わる生徒の心の動きも興味深かったですし、
終わり方も綺麗で、色々な面白さが詰め込まれた作品でした。

 

 

 

作品

夏仕舞冬仕度

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2010/10

価格

フリーソフト

年齢制限

なし

特徴

仕事、プライベート、恋愛

選択肢なし、二時間半ほどで読み終わりました。
プレイにはAdobe Flash Playerが必要。
既読/全てスキップ、文章表示速度変更、バックログ、オートモードなどがあり、
セーブデータは90個まで保存可能です。

 

あらすじ

働き始めて一週間のバイトである俺、白洲権兵衛は、店舗業務にしくじった。


その顛末の結果、店長から資材部へ配置換えを言い渡されるハメに。
どうやらそこでの俺の仕事は、付近一帯の同一チェーン店に対する統一倉庫での作業を
一人でこなしている資材部長代理のサポート。


一週間の間、直属の上司であったフロアマネージャーに付き従って倉庫へ行ってみると
資材部長は黒川さやかという同い年の女性だった。


とくに華々しい出来事も、奇抜な設定もない、地味なお話。

(サークルHPより)

 

この作品について

使えないバイトが行き着く先、資材部に配属された権兵衛が、
そこを一人で回しているやり手の資材部長代理に邪険にされつつもへこたれずに関わっていきます。

システムはタイトル画面からロードするとき、カーソルが「いいえ(ロードしない)」に移動するのが少し不便でしたが、
権兵衛が詠む趣味の詩歌が右側に表示されたり、日付表示の出し方などいいなと思えました。
音楽もその場その場に合った選曲で、その上統一されたお洒落さが感じられました。
OPにムービーあり、EDに歌あり。
絵は「ひまわり」でも描かれているたつきちさん。さやかちゃんの表情がとっても可愛いです。

話は後半、権兵衛の語りがかなり長くて、ちょっとくどかったですが、
前半の仕事を覚えていく過程や、さやかちゃんに好きなことをやめるのはおかしいと諭す所が
とても論理的でわかりやすく、納得できました。
また、意固地になっているさやかちゃんを突き放すかと見せかけて、
わざと立ち去ろうとするときの歩みを遅らせ、素直になろうとする時間を作ってあげるなど、
権兵衛の機微を踏まえた心遣いが格好良かったです。

そしてなにより、さやかちゃんが可愛すぎます。
前半のつっけんどんな中でふと見せる弱さ、初めてのデートで見せる笑顔、
後半の権兵衛を好きだということがひしひしと伝わってくる言動、なにもかもが可愛すぎます。

権兵衛とさやかちゃん、タイプは違えど二人とも魅力的で、
そんな二人がお互いを好きでいるのが本当に微笑ましくて嬉しくなる作品でした。

 

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