ibis
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

終ノ刻印

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2006/12

価格

1900円

年齢制限

なし

特徴

伝奇、戦闘、刻印

選択肢あり、ルートは三つ。十四時間半ほどで読み終わりました。
既読スキップ、文章表示速度変更、バックログ、オートモード、シナリオジャンプ、
CG閲覧、音楽鑑賞、エンディングリストなどがあり、
セーブデータは24個まで保存可能です。

 

あらすじ

ある夏の日の夜。
千年を越す眠りから目覚めた。

しかし彼女は自分が何者であったのかすら忘れて、逃げ惑っていた。

そんな彼女のもとに現れる、黒い少女。
誘われたのか、導かれたのか。

目覚めた少女は、やがてその地へと向かう。

『……こんばんは?』



そして一年以上が経って。
初冬。

その少女の到来と共に、巻き起こる殺人事件。

これは人外――つまり異端の仕業と判断され、対異端の出先機関としてあった柴城興信所にアルバイトとして所属していた桐生真斗に、その仕事がまわってくることとなった。

『……まあいいや。受けるぜ、その仕事』



そして真斗は、一人の殺人者と出会う。

『私に付き合ってくれるんだ。―――楽しみ』

そして、その圧倒的な力の前に、彼は命を落とす。

しかし真斗が最期に少女へと刻み込んだもの――刻印咒。

『高くつくぜ……俺の命』



その瞬間、物語が動き出す。
彼の死を契機にして、動き出す者たち。
あるいは己を取り戻し、あるいは己が意思のために。

 ――信じられない今夜の痛手に。
 私はただ――――後悔した……。




その呪いの刻印に苛まれた少女は、次の朝、自分が手にかけたはずの真斗を見つけてしまう。
戸惑いを隠せないながらも、少女は真斗の元へと向かった。

自分が殺されたことも、刻印を刻み込んだことも忘れてしまっている真斗。
真斗自身、突然現れた少女に戸惑いながら――

始まり出す、どこかぎこちない日常。
彼の前で徐々に明らかになっていく、二人の少女の因縁。

『でも……でも……できる……でしょ? あなたなら……』
『……それは気に入ったわ。あなたならいいパートナーになってくれそうね』




少女に刻み込まれた刻印の謎。
真斗の前に現れる、彼の命運を握る銀髪の少女。

そして、

悪魔
氷涙の剣
魔王
千年ドラゴン
刻印咒

………

『そう……同じ。わたしも貴女を、愛しているから』

遥かなかつての過去を巻き込みながら。
繰り返すのか、それとも――――

 

(サークルHPより)

 

この作品について

悠遠ノ絲から二年後が舞台で、それやオリジナル小説「黎明ノ王」などと同じ世界の物語とのこと。
「永遠の氷涙」「愛憎の十字架」の二ルートを読み終わると
一年後を舞台にした最終ルート「終ノ刻印」が読めるようになります。

絵は悠遠ノ絲よりもずっと良くなっていますが、
凛の立ち絵の一部などやや丁寧さに欠けるものもいくつか見受けられました。

また話においても、上記あらすじのように主人公にとっては自身が殺された記憶がないため、
少女(由羅)とそれなり以上に良好な関係が築けていますが、
私にとっては殺した相手にいけしゃあしゃあと接触してくることでかなり印象が悪くなってしまいました。
で、一旦そうなってしまうと袈裟まで憎く、感情に任せて約束を忘れたり、
冒頭で好き勝手暴れる割には実力が伴っていなかったりして、
「永遠の氷涙」ルートはそんな由羅のためにあまり楽しむことができませんでした。
…こんなことを気にする私は、物語の主人公になれないのでしょうけれど。

しかしそれを引きずって読んでいた「愛憎の十字架」ルートですが、
六日目あたりからどんどん面白くなっていき、このルートの最後の闘い、
そして最終ルート「終ノ刻印」の一連の闘いにはとにかく惹き込まれました。
次々と移り変わる展開、登場人物それぞれの想い、
力と力、技と技のぶつかり合いに気分は高揚し、
手に汗握るとても熱い場面の連続でした。
由羅も最終ルートでの活躍は格好良かったです。

また正義感だけでなく現実を見据え、時には非情になったり道徳的な正しさを蹴飛ばしたりと
大事な部分は貫きながらもそれ以外は割り切りることができる主人公には好感が持てました。

一度固定されてしまった印象を覆すほどに熱い闘いが魅力の作品です。

 

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