霊幻樓
HP
サークルについて
オリジナルの健全・BLや三国志の小説で活動されています。
イベントごとに無料コピー本(主にホラー物)を制作されていますので、
読まれてみてはいかがでしょうか?
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/小説 |
発売年月 |
2003/8〜2004/12 |
価格 |
?(完売?) |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
変な生き物、キ印、日誌 |
A4サイズで20ページほど。全3冊です。
あらすじ
樓樓と名づけた変な生き物を飼うことになった「私」の日誌です。
この作品について
平凡なOLから部長になったり、キな人が邪神を復活させたり、幽霊と同居したり。
いろいろと大変なことが起こっているのに淡々と日誌は進んでいきます。
それが中毒性高くて、読み出したら抜け出せない魔力に満ちています。
後書きに書かれていましたが、ホント「私」は理想的な「イイ性格」していてすごく憧れます。
現実にこんな性格なりたくないですが。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/小説 |
発売年月 |
2006/12〜 |
価格 |
1:800円、2:600円、3:600円 |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
異世界、魔導、父娘 |
現在三巻まで発行されています。
あらすじ
異世界からの留学生、ヒイラは事
故によって元の世界に帰れなくな
る。彼女を預かることになった大魔導
師は、行方不明の姉を探しに行かね
ばならいところ。二人は出会って
早々に極限の地へと旅立つはめに。
(サークルHP、帰れずの娘 ヒイラ 1のあらすじより)
この作品について
まずは以前書いた一巻の感想です。
帰れずの娘 ヒイラ(A6/148P/800円)
魔法が存在する異界と行き来できるようになった世界。
しかし同等の存在と交換でなければ行き来できないため、
現時点では少人数が交換留学として五年間それぞれの世界で生活するだけに留まっていた。
孤児の結花もそんな留学生だったが事故で元の世界へ戻れなくなってしまう。
寄る辺のない彼女は半強制的に大魔導師シュリのもとへ預けられ、ヒイラという名で生活することとなった。
五冊以上になりそうな長い話、とのこと。
ただ話の途中で終わっているわけではなく、今回のエピソードは完結しています。
今回は行方不明になったシュリの姉、大神官セイレスを探す旅にヒイラが連行される話。
最初は何事にも警戒していたヒイラですが、
保護者として身を挺して彼女を護るシュリをだんだんと信用していきます。
そうして終盤、シュリの発するたくさんの殺し文句(といっても親愛などの類の)と
それを聞いて胸が詰まるヒイラに、読んでいてじわっと嬉しくなりました。
また、現代科学以上のことができる魔法も出てきますが、
博愛が過ぎて世界全てが善だと心から信じている姉の話題になって、
それが美点だと愛しみつつも人の上に立つ者としてそれだけじゃ政治はできないから現実を見据えてほしいと愚痴るシュリに、
その境遇からひねくれているヒイラがしみじみ同意するシーンや、
姉をすぐに助ける理由のうち大きなものの一つがスポンサーとして研究費を出してくれなくなると困るからなど、
妙に現実的だったりシニカルだったりするところも印象的な作品でした。
続いて二巻の感想
帰れずの娘ヒイラ2 あやかし狩り(A6/94P/600円)
魔法が存在する異界と行き来できるようになった世界。
しかし同等の存在と交換でなければ行き来できないため、
現時点では少人数が交換留学として五年間それぞれの世界で生活するだけに留まっていた。
孤児の結花もそんな留学生だったが事故で元の世界へ戻れなくなってしまう。
寄る辺のない彼女は半強制的に大魔導師シュリのもとへ預けられ、ヒイラという名で生活することとなった。
今回はシュリやその部下の魔導師達と共に妖を狩りに出かけますが、
ヒイラはその周辺にいるという皇帝トドを見てみたいという観光気分。
しかし偶然が重なって思わぬ体験をすることに、という話。
第一話の感想はこちら
人間以外にも魔法(魔導)を使える(むしろ人間より上手の)生物が登場します。
第一話同様、人間側での温かいシーンも良かったですが、
その生物のヒイラとの対話や、種族としての生き方・決まりごとについての話も興味深く読めました。
これから先、ヒイラに起こることの示唆もされていて、
その内容が冒険心を刺激されるもので続きがより気になるようになりました。
ここまででも「面白かった小説」として名前を挙げていた作品なのですが、
今回三巻を読んで、回を追うごとに面白くなっているのでおすすめといたしました。
一巻ではまだヒイラ同様に読んでいる方も魔導世界を手探りで進んでいくしかなかったところを、
段々と政治体系や文化風習、魔導の仕組み、周囲の人々などのことを知っていくにつれ、
このヒイラが元いた世界とは異なる厳しくて、でもそれ以上に優しい世界がとても魅力的になっていきました。
そうした細やかな設定と、そこに生きる人々のことがしっかりと描かれている作品です。
で、三巻の感想です。
帰れずの娘ヒイラ 3 姫死と舞姫(A6/82P/600円)
政敵の部下から毒を盛られてしまったヒイラ。
解毒のため奔走するシュリたち。
当のヒイラは過去に同じ呪いを受けた踊り子バレと、政敵サリア、
二人の体験を夢として見ていたのだった。
上で書いたように魔導世界と周囲の人々の認識が固まってきたこともあり、
シュリとの父娘としての愛情やセイレスと絹の婦人によるヒイラおめかし大作戦、
アガやイダからの好意、毒を盛った当人のローとの問答など、全編に渡って楽しめました。
また、毒というのが媚薬としての効果もあるもので、わざわざそれが選ばれた理由もちゃんとあります。
とはいえヒイラは色気もなく性的な欲求も未成熟で、
媚薬と言われ連想するような反応をほとんどしないのですが、
そんな中にある無自覚な艶が扇情的に描かれていて、それを受けた周囲の反応に説得力を感じました。
今回ヒイラが死にかけるもののほとんど屋敷の中で進み、動きとしてはあまりなかった巻ですが、
ヒイラやシュリの内面に大きな変化があったようで、次巻以降もどうなるのか楽しみです。
(以下帰れずの娘ヒイラ 4 ティンに捧ぐ道の感想です・2009/3/31)
帰れずの娘ヒイラ 4 ティンに捧ぐ道(A6/60P/300円)
今回の季節は夏。ヒイラは魔導世界の「天才」ティンと会い、「唯一」と呼ばれる植物を共に見に行きます。
番外編にして今回の約一年後の予告編「もう一つの支配者と、もう一人の帰れなき者」と、
帰れずの娘ヒイラとは関係ない短編ホラー「骨の中」も収録。
ヒイラとティンの気が合う様子はとても微笑ましく、
ヒイラが(ネタバレ反転)初潮を迎えるシーンの慟哭にはぐっときました。
それをポジティブに解釈するシュリには笑いましたが。
また「唯一」を目にするシーンもとても印象的。
このティンと出会う所から「唯一」を目にする所までが特に面白くて惹き込まれました。
おすすめです。
それにしてもヒイラがどんどん悪女魅力的な女性になっていくのが寂しくもあり嬉しくもあり……
(以下帰れずの娘ヒイラ 5 無慈悲な冬の感想です・2009/8/20)
帰れずの娘ヒイラ 5 無慈悲な冬(A6/88P/300円)
今回は厳しい冬の直前、学校の皆と制作したカードゲームを
販売しようとするヒイラですが、色々と妨害をされてしまいます。
ですが、そんな妨害に対し何十倍返しするヒイラさんが漢前すぎます。
一巻のころからの成長ぶり(悪の策士方向として)には、痛快、かつ末恐ろしく思うと共に、
日々女の子らしくなくなっていくことを嘆くシュリに同情しました。
でも「これ以上、勢いよく自立されてたまるか」という台詞には笑ってしまいましたが。
親心でしょうが、勢いよくって自立ってなかなか言えない台詞です……
ラストのヒイラに対する要求にも吹きました。
笑ったといえば翻訳機能の意訳が意訳しすぎていて面白かったです。スラング使っていい仕事しています。
あとローの暗躍が殺害方面ではなかったのがちょっと気になります。
でも三巻でも二重の策だったので今回のもなにか意味があるのでしょうか?
今回はコメディ成分がいままでと比べて多めでしたが、
イネルとシーラの最後のシーンにはとてもいい余韻があって、印象的でした。
ヒイラが中心になって巻き起こる騒動も、その陰でひっそりと進む人間模様も読み応えがありました。
おすすめです。
(以下帰れずの娘ヒイラ 6 花の因と縁の感想です・2010/1/22)
帰れずの娘ヒイラ 6 花の因と縁(A6/98P/500円)
今回は春になり、桜を見に行った先での思いがけぬ再会と、最強の種族、姫雲雀との出会い、
それから新キャラが登場して、前回ヒイラが売りさばいたカードを使った大会が開催されます。
ヒイラの学校の担任、リリィがメインの番外編も収録。
子供っぽいんだか達観しているんだか色々な面を持ちつつ、
少なくとも大人の女性として見るには残念な言動ばかりのヒイラですが、それがとても魅力的。
シュリとセイレスの家でも、学校でも中心になるだけのことはあります。
うきうきとカードゲームをするサリアと、そう仕向けるヒイラの狡猾さも笑えました。
姫雲雀は、大王烏賊の話から抱いていたのイメージとは違ってこんな性格なのですね。
……最強がコレでは危なっかしいですねぇ。
あと、冬の間何言わせ続けているのですかシュリさん。羨ましすぎます。
おすすめ。
(以下帰れずの娘ヒイラ 7 盛夏の策謀の感想です・2010/9/1)
帰れずの娘ヒイラ 7 盛夏の策謀(A6/70P/500円)
今回は夏、転移システムの修復を依頼されたシュリについていったヒイラですが、
それは敵対する勢力の罠だった、という話。
シュリ達の属する組織ができるきっかけとなる出来事を描いた番外編「神姫のユース」も収録。
孤児で人を頼らなかったヒイラが、頼るようになった話、とこのとで確かにそのシーンは感慨深かったのですが、
それをぶち壊しにするような、立っているものは不世出の天才でも異種族でも使え、なヒイラの計算高さが痛快でした。
あと黒歴史を暴かれる神姫ルードの悲惨さや、それを慮るかに見えて結局売り渡すシュリのドライさに笑いました。
九巻+αで終わりと残りわずかなのが非常に寂しいですが、今回も本当に楽しかったです。おすすめ。
(以下帰れずの娘ヒイラ 8 恋の季節の感想です・2011/3/3)
帰れずの娘ヒイラ 8 恋の季節(A6/70P/500円)
今回は秋、前半はずっとヒイラを殺そうとしてきたロー・エンとの直接対決。後半は色々な恋の話。
ヒイラが元いた世界を舞台にした二つの番外編も収録。
前回で完璧超人になってしまった感のあるヒイラでしたが、今回は色々と弱みとかを見せてくれます。
でも、それでもやっぱり、主にシュリに対して性質悪いというか、
自分が愛されていることをわかった上での言動が小悪魔すぎて可愛いです。
話としてはヒイラが元いた世界(科学世界)と今いる世界(魔導世界)
いままでも予兆はありましたが、よりはっきりどちらを優先するか(というより科学世界の人々を生かすか殺すか)
決断する時が近づいているようなことが示唆されます。
私としては穏便に不干渉を貫きたいところですが、
さてヒイラはどのような行動をとるのか、楽しみです。おすすめ
(以下帰れずの娘ヒイラ 9 途切れぬ絆の感想です・2012/2/7)
帰れずの娘ヒイラ 9 途切れぬ絆(A6/68P/300円)
今回で最終巻。
前回の出来事を受けてある決断をしたヒイラ。
でもそれはとても多くの人々に影響を与えることだったため、
その余波がヒイラへと返っていきますが、魔導世界の人々はそんなヒイラをあたりまえのように守ろうとします。
エピローグ前のラストシーンがヒイラじゃなかったのがちょっとおさまり悪い感じを受けました。
ですがこの巻でもヒイラが格好良くて、強くて、脆くて、
子どもとして愛されるだけじゃなくみんなを虜にする悪女で、とにかく魅力的でした。
それに魔導世界も色々と酷いことを企んではいますが、
今まで読んできて、それでもどちらかを選ぶならば断然魔導世界に肩入れします。
そんなヒイラと、彼女がこれからずっと生きていく魔導世界が私も大好きになった作品でした。
おすすめです。