ココローレス
HP
サークルについて
オリジナルのノベルゲームを制作されています。
作品
夜泳グ魚 A Tree is Known by its Fruit. (DL版の購入はこちら)
概要
ジャンル |
オリジナル/ノベルゲーム |
発売年月 |
2018/12 |
価格 |
DL版972円 |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
伝奇、魔女、儀式 |
選択肢あり、七時間ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、既読スキップ、オートモードなどがあり、
セーブデータは5個まで保存可能です。
あらすじ
「今年もまた、富が渡る――」
御杵嶋町で古くから伝わる祭事「富渡り」。
今年、富渡りの「渡役」に選ばれた転校生・葛宮佑樹は、同級生であり御杵嶋神社の巫女でもある百月蓮香との出会いを通じて、
彼女と御杵嶋の土地に隠された秘密に迫っていく。
一方、夜な夜な怪しげな儀式を試みるオカルト好きな少年・高屋義一が目を覚ますと昨夜の記憶を失っていた。
そんな時、「魔女」を自称する謎の転校生・朝比那夜と出会い、魔女と悪魔の世界に踏み込んでいく。
時を同じくして、御杵嶋町を訪れる異邦の魔術師――。
富渡りと御杵嶋町の土地に潜む因縁に導かれ、二人の少年は策謀渦巻く魔術と幻想の世界に巻き込まれていく――。
(ストーリーより)
この作品について
半年前に御杵嶋町の学校に転入し、その町で行われる祭りの重要な役に指名された葛宮祐樹(クズミヤユウキ)が、
祭を取り仕切る巫女、百月蓮香(ドウヅキレンカ)と関わり、祭までの準備や魔術の世界に巻き込まれていく「夜泳魚」編と、
御杵嶋町で十年間オカルト儀式に没頭してきた高屋儀一(タカヤヨシカズ)が
魔女と名乗る朝比那夜(アサヒナヨル)と出会い、彼女の目的に協力することになる「夜刀神」編の
二つの物語が並行して、時には交わって進んでいきます。
システムは特に不便な箇所なし。
音楽はタイトル画面で流れる曲が綺麗でちょっと物悲しくて印象に残りますし、
戦闘で流れる三味線のような音が入った曲も緊迫感と高揚を感じてお気に入りです。
絵は一枚絵がなく立ち絵とエフェクトで進みます。
夜の武器を構えた立ち絵が一種類だけだったり、水垢離で白装束が透ける蓮香の立ち絵がなかったり! 文章と合っていない個所もありますが、
夜のくるくる変わる表情や、蓮香のたまに見せる照れ顔が可愛かったです。
2018年に私がプレイした同人ソフトで伝奇(と感想に記載した作品)は完成版1作品、連作2作品でした。
2008年は完成版7作品、連作4作品、体験版9作品でした。
あくまで私がプレイし、私が判断した限りにおいてですが、このように伝奇作品は少なくなっています。
そんな中、この「夜泳グ魚 A Tree is Known by its Fruit.」は伝奇ど真ん中です。
土着の儀式、無尽蔵の魔力、異形の刀と格闘の複合戦闘スタイル、魔女、悪魔召喚、主人公が得た力、
立ちはだかる歴戦の魔術師(というにはコメディ要員にされていますが)といった伝奇好きにとってワクワクする要素が満載です。
その上で、複数勢力が敵対し、時には協力して目的を果たそうとするストーリーは読みごたえたっぷりで、
特に「夜泳魚Y」での主要登場人物全ての想いが一つの方向となって行われる闘いが熱く、盛り上がりました。
登場人物もそれぞれ常人と異なる執念、執着を持っていて、強くて不器用なヒロインがそれぞれ魅力的でしたし、
黒幕の身勝手で傍から見ると矛盾しているけれど当人にとってはこの上なく筋が通った動機も、いい悪役だなと思えました。
あと外来の魔術師ゼビュレンタ・ファティウスさんの実力は(たぶん)あるのに
貧乏くじ引いたり余計な苦労を背負い込んだり部下に適当にあしらわれたりするのが癒しでした!
伝奇要素にワクワクし、バトルに熱くなり、登場人物が愛おしくなる作品でした。