日々雲隠れ
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

鼓草

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2020/10

価格

フリーソフト

年齢制限

女性向15推

特徴

三角関係、戦中戦後、選択

ver1.0時点で選択肢あり、三時間四十五分ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読/未読スキップ、CGモード、音楽鑑賞などがあり、
セーブデータは60個まで保存可能です。

 

あらすじ

昭和十八年・夏
岡山の町に私は嫁いだ
祝言で初めて会った
その人は
優しくて 弟思いで
軍医を志願する人だった

赤紙、空襲、その先の日々
私と彼と、 あの人の
選べなかった、物語
(公式サイトより)

 

この作品について

過去作「らいとらいとらいと」の作中作(乙女ゲーム体験版)をゲーム化した作品。
また、別の過去作「りんかね」とサブキャラが関係しています。
ですがどちらもストーリーには関わっていないため、この作品を先に読んでも問題ありません。

数か月後に軍医として召集されることがほぼ決まっている絹本尚太郎(きぬもとなおたろう)に嫁いだ麻田綿子(あさだわたこ)が、
尚太郎の招集後、彼の親や弟の芳次郎(よしじろう)と共に戦時下の生活を送っていきます。
エンディングは三つ+イフルート二つ。

システムは特に不便な箇所なし。
音楽はピアノの音色が美しくも抑圧を感じられました。EDに歌あり。
絵は派手ではなく朴訥とした絵柄で、しかし感情が露わになる場面ではそれが激しく表現されています。一枚絵は四枚+差分。
また、場面が変わる際にテキストがにじむように消えていく演出に儚さを感じました。

戦時中と終戦直後、綿子が戦争や周囲の人々に翻弄されながらも、嫁いだ先の家で暮らしていきます。
舞台が昭和二十年前後ということで、女性は黙って男に従えという風潮があり、戦時中ということでさらに抑圧されていて、
綿子がそうした不自由さを強いられているのだということがよく伝わってきました。
絹本家は医者ということで当時としてはまだましであろう生活を送れていますが、
そのことがやっかみに繋がることもありますし、綿子の実家との違いに苦悩することもあります。
「お金で、命は買えるんだ」という綿子の言葉が印象的でした。

尚太郎が戦地へ赴くまでの数か月間は、「愛を育む」という言葉がふさわしく、
出征後の寂しさと、それでも帰ってくる場所になるんだという綿子の決意を確かなものとして感じられました。
そこからは芳次郎との日々で、気難しい所がありながらも色々と気を使ってくれる彼に段々と惹かれていく過程が自然に描かれていました。
そうした想いが丁寧に描かれているからこそ、
みんな悪くないのに、一大決心をしたまさにその時に、普段ならおめでたいはずのことが最悪のタイミングで判明する、
それがとてもやるせなく、また物語としてとても「面白かった」です。
ちなみに個人的に推奨のルート順は、三択選択肢でどっちつかずのものを最初に選ぶこと。
「これ最早乙女じゃないだろおおおおお」というような事実を一番残酷に知ることができておすすめですよ(悪い顔)

 

 

 

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