circumflex
HP
サークルについて
オリジナルのシミュレーションゲームを制作されています。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/シミュレーションゲーム |
発売年月 |
2009/8 |
価格 |
1000円 |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
SF、宇宙戦争、少年少女 |
選択肢なし、シミュレーションパート、アドベンチャーパート合わせて十九時間半ほどで終わりました。
修正パッチあり。バックログ、表示速度変更があり、セーブデータは40個まで保存可能です。
あらすじ
人類が新たな大航海時代を迎え、太陽系全域に住処を広げた時代。
国連が管轄する月は、火星や木星と地球を結ぶ中継貿易地として繁栄していた。
資源産出地であったかつての月の姿はもうなく、
現在の月は、月資本企業が支配する純粋な商業・工業衛星であり、
宇宙に関わるあらゆる産業の中心地として知られている。
何もしなければ空気も水も得られないという厳しい環境のもとで団結し、
太陽系を股にかけるビジネスマンとしての誇りを持って月世界を発展させていった、
月市民たちの努力の結実である。
しかし彼らの運命は、
本格的軌道エレベーターの建造が決定されたことをきっかけに急転する。
大気圏外から地表へと荷物を運ぶエレベーターは、
中継地としての月を無意味なものにしてしまう。
宇宙商業者としての矜持を『水溜りのカエルども』に渡してなるものか。
月の人々は息巻いた。
すぐに大規模な建造反対キャンペーンが月で始まると、
それは地球に対する複雑な感情を巻き込んだ反地球運動へと姿を変え、
やがて流血の惨事を経て、内戦と呼ぶにふさわしい事態を引き起こした。
人類史上初の、星間戦争──月独立戦争である。
……それから二年、月戦争はいまだ終りを迎えていない。
人類の96%を敵に回して始まった戦争は、月の一方的劣勢で進行し、
月独立軍は、正式な名称も決まらぬまま撤退を繰り返していた。
誰もが月の敗北、衰退、荒廃という未来を予想していた。
月に住まう人々の多くが、終りの見えない戦争を始めてしまったことに後悔を覚えている。
そして月の憂鬱な三年目が始まった。
◆ ◆ ◆
ところで、窮地に陥った軍隊は奇策に走る、という歴史的法則をご存知だろうか。
強力で、斬新で、優秀な新鋭部隊による、戦況の一発逆転。
追い詰められた将軍たちは、いつの時代でもそんな夢を見るものだ。
……つまり、その場に集められた若者達は、
中年どもの胡散臭い夢に付き合わされた、
実に不運で憐れむべき者達だったのである。
(サークルHPより)
この作品について
相手の行動を読んであらかじめ戦艦に命令を与えていき、
それをお互い同時に実行して戦っていくシミュレーションゲーム。
他にないゲームシステムなので、詳細はサークルサイト参照。
チュートリアルステージを含むフリープレイモードもあり、
実際に操作を体感して覚えることができます。
ただ、フリープレイモードを全てクリアしてからストーリーモードをプレイするとかなり簡単なので(実体験)
フリープレイモードは半分くらいクリアしたら切り上げてストーリーモードをやったほうがいいかもしれません。
シミュレーションパートはマウスで感覚的にやりたいことを選択できるのが良かったです。
アドベンチャーパートは、さすがにそれ専門のゲームと比べると不便な点がありますが、普通に読む分にはさほど問題なし。
音楽は良い曲が多いですが、特に戦闘曲が何回も繰り返し聞くことになるのですが飽きません。
絵はアーティスティックな印象を受けます。ただ体のバランスにちょっと違和感。
「シミュレーションゲーム」ではありますが、ストーリー部分も非常に充実しています。
月と地球の戦争という舞台で、アルテミスクルー達や月の民衆達の心の動きと、
権力、面子、損得といった集団の力学が上手く絡められて描かれていき読み応えがあります。
特にepisode #7と#12の面白さは特筆モノ。
過去の出来事や現在のうねりに翻弄されながらも活路を見出していく様は熱かったです。
以下シミュレーションパートあれこれ。未プレイの方にはわかならい部分も多いかもです。
小型艦万歳! 小型艦が強すぎます。
コスト、機動力は小型艦が上で、耐久力、攻撃力、装備の自由は中型、大型艦に分があります。
これだけならばそれぞれコストに見合った性能、となるのですが、
小型艦のほうが上回るもう一つの要素、回避能力がかなり重要。
命中+100程度の艦砲ではよっぽど条件が悪くない限り命中率半分以下になるため、なかなか攻撃を受けません。
なのでベイリー級量産が勝利への近道かと。
同じ小型艦のアラゴ級は後述のミニカノン装備で相手の一番脆い艦を一撃で落とせるのはいいですが、
コストが高い上に回避能力に劣るのでやや使いにくいです。
同じようにこちらの攻撃が相手の小型艦に当たりにくいので、艦砲は命中率の高い電磁投射砲。
小型艦にはミニカノンを装備させ、アルテミスなどには片方スコーピオ、もう片方は中性粒子砲のスタンダードNEUG。
威力や範囲よりも攻撃までの時間が重要に感じました。
(さすがに移動や回頭に2以上のラグがある中型艦以上ではミニカノンは使いにくいですが)
オペレーションで使えるのは「混乱と疑心」と「敵の露出」、あと、開始直後や敵援軍出現直後の近軌道砲撃。
「混乱と疑心」は一回だけしか使えないだけあって非常に強力。
使いどころは相手の大型艦と接近する中盤以降でしょうか。
開始直後は敵の行動を読みやすいですし、小型、中型艦に攻撃を受けても耐えられますが
大型艦の攻撃は当たると致命傷なので。
「敵の露出」はコストパフォーマンスが優秀。
相手が攻撃せず移動命令ばかりのときに経路を読んで一方的に攻撃が楽しすぎです。
近軌道砲撃は割合ダメージなので相手のHPが高いときに使ったほうが効果があります。
以上を踏まえて戦い方としては、ベイリー級を買ってミニカノン装備させたものを用意できるだけ用意し、
序盤は相手の直線状に配置し、即接近してミニカノン連打。
(このとき、ストーリー上で防衛戦なら相手もこちらに向かってくることが多く、
こちらが侵攻する側なら相手が動かないことが多いのでそれも考慮します)
そうすれば敵の第一陣はほぼ無傷で倒せるので、優勢になった状況を活かし、
相手大型艦一隻に対しこちら小型艦二〜三隻で集中攻撃を浴びせます。後ろに回り込めればより良し。
慣れてくればオペレーションポイントも溜まりやすいので、
「敵の露出」を大型艦接近直前くらいから使いながら150ポイントになったら「混乱と疑心」を使用します。
アルテミスとかには援護させてもいいですが、一番後方を適当にたくさん動き回らせてポイントを溜めるのも手。
ポイントは移動と攻撃を何回も繰り返すのが一番溜まりやすいですが、
長い命令を出しても攻撃できる場所に敵艦がいないことも多く、攻撃に時間もかかるので地道に溜めるのが確実。
(敵陣に突っ込ませれば敵艦に攻撃を当てやすいですが、まず返り討ちです)
特にアルテミスがやられたら負けなステージでは、最後方をまごまごと右往左往するアルテミスの姿が見られました。
シミュレーションパートは独自のシステムながらわかりやすく、指揮しているという感覚を味わえました。
アドベンチャーパートは読み応えがあり、どちらもとても面白かった作品です。