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サークルについて

オリジナルのSRPGを制作されています。

 

作品

久遠の彼方

 

概要

ジャンル

オリジナル/SRPG

発表年月

2024/4

価格

フリーソフト

年齢制限

12推

特徴

魔法、価値観、歴史

version1.08時点で選択肢あり、八十三時間ほどで読み終わりました。
SRPG Studio製で バックログ、スキップなどがあり、セーブは99個まで保存可能です。

 

あらすじ

魔法の才能がある者が偉い世界。
トウガ国の王子、クオンは双子の姉であるカナタが新たな属性である空間魔法を使いこなすのとは裏腹に、
十六歳になっても何の魔法も使うことができなかった。
ある日、クオンはカナタや友人、教育係達と共にドラゴンの討伐を行うことになる。
向かった先で彼らは、魔物を呼び寄せるために生まれてすぐに処分しなければならないとされている「眠り子」に遭遇するのだった。

 

この作品について

誰よりも魔法を使えなければならないはずの王族に生まれながら未だ魔法を使うことができないクオンが、
人間以上に魔法が使えるにも関わらず迫害されている眠り子や、
千年前に勇者が魔王を討伐して以降ひっそりと暮らしている魔族と関わり、大陸の命運を担うようになります。

全三十話で各話につき最大五つのSRPGパートがあり、シナリオパートと交互に進んでいきます。
時折マップ内を自由移動して会話するRPGパートもあり。
SRPGパートは少数で突出しない、弱点属性を考えるなど基本的なところを守れば難易度は低めに感じました。
MP大量消費技が順当に強いので、アイテムでHP回復したりMP自体を回復させたりしやすい平民のストックスキルが大活躍しました。
とはいえストーリー上で厳しい状況の時の難易度は高くなるといった調整がされていました。
登場人物はとても多く、いくつかの陣営に分かれているのですが話によって操作する陣営が変わります。
そのため、各陣営に愛着を抱くことができ、多くの登場人物を好きになれました。

頼りになった登場人物は、中盤以降のクオンは別格として、
防御も魔法防御も高い上に庇ったり移動させたり周囲の防御上げたりアーマーブレイクしたりと色々こなせるトゥルンが、
ちょっと突出させて敵を釣るのがお約束ながら強いですし、終盤買える自動回復の杖ケリュケイオンでさらに堅固になって頼もしすぎました。
ストーリー上でも飄々としつつも思いやりにあふれていて最初から頼りになりましたし、十六話前後の出来事は衝撃的でした。
他には常時弓無効で弓無効バフを撒けて移動力もあって攻撃力も高く、モテないコンプレックス以外は人格者のバグラバ、
移動力があって味方を移動させることもできて連撃で瞬間火力もありムードメーカーのジャレビ、
攻撃、防御、回復となんでもこなすことができ、最初はいけすかない隣国の王子キャラかと思いきや最後まで格好良くて、どのヒロインよりもクオンに愛されているパーキンもお気に入りです。
他のキャラクターも、挙げていけばキリがないほど魅力的でした。

物語は、クオンの親しい人に限っては取り返しのつかないことにはならなかったので、
クオンの掲げる理想が甘すぎるように思え、実際に作中で幾度となく甘すぎると言われています。
けれど、その理想を貫き通したからこそ、
どうやっても禍根が残るという状況から、わだかまりはどうしても残れどしっかりと前を向くことができるラストに辿り着くことができて感慨深かったです。
また、ピルペ編で明らかになるクオンとカナタの真実や、コクトの継承者争い、魔王の出現や反転攻勢など、
印象的な出来事がたくさんあり、それらを味わうごとに久遠の彼方の物語に引き込まれていきました。
中でも過去編と、その繋がりが現代でも判明するエピソードがお気に入り。
魅力的な登場人物たちと変化する時代を駆け抜ける壮大な物語。
読み終えた後、もう彼らと一緒に歩むことはできないのか、と喪失感を覚えるほどに好きになることができました。

 

 

 

 

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