Sinilintu
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

螺旋卵形線チェルアルコ

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2020/2

価格

フリーソフト

年齢制限

乙女15推

特徴

異世界転移、魔法、色

ver1.02時点で選択肢あり、名前入力あり、九時間四十五分ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読スキップ、CGモード、エンディングリストなどがあり、
セーブデータは15個まで保存可能です。

 

あらすじ

目が覚めるとそこは異世界でした。
魔術師に魔法使い、あきれるほどにありふれたファンタジー。
けれど呼び出された私は、ただの女子高生だったのです。
――知ってる知ってる、そういう話。漫画で読んだことある。
(ゲーム紹介文より)

 

この作品について

見知らぬ場所で目を覚ましたモナカ(名前変更可)が、
その場所、世界で一番北にあり、神が降り立ったと言われる国、セルレアで人々と関わっていきます。

システムはセーブスロット数がもう少したくさんほしかったです。いろいろな所を読み返したいので!
音楽はそれぞれの場面に合っていて、特に重要な所で感情を掻き立てられる曲が使用されていました。
絵は一目見ただけで華やかに感じられ、特に顔にできる影などに使われている青系の色が印象的で惹き込まれました。
あとフェルシニーの表情はどれも色気たっぷりでお気に入りです。一枚絵は三十枚。

ルートは五つでエンディングは十四種類。
ルートがあるのは、セルレア魔術研究院で一番偉く、モナカの保護者的な立場のフェルシニー、
フェルシニーの護衛で鳥類型の合成人、カナラール、
王城の地下に閉じ込められている病弱なルーシャ、
人の願いを叶える魔法使いロクスイステ(ロクス)、
宙に浮いて出てきたり消えたりする自称魔法使いクリシュワント(クリス)の五人。

モナカがへこんだり取り乱したりすることはあれど、
しっかり立ち直って前向きで明るく礼儀正しく振舞うところに好感が持てました。
特に「〜でもね」「〜だからね」というような感じで「〜ね」と語り掛けるのが好きで、
相手をササっと救えない歯がゆさと、それゆえの必死さ、そして相手に寄り添おうという気持ちが感じられました。

フェルシニーは最初あまりに親切すぎて絶対裏があるだろうと思い、
登場人物たちも口を揃えて「あいつはやめておけ」と言い、実際裏があるのですが、
それも含めてとても可愛そうで可愛い人でした。
カナラール(カナちゃん)は個別ルートで明かされる真相が、
まさかカナちゃんにそんな過去があったなんて、という物語の根幹に関わるもので、
こんな境遇ならメインヒーローでいいはずなのに某自称魔法使いさんがいるせいでそうなれないのが不憫でした。あとツンデレ。
ルーシャは幼い頃から閉じ込められていて、
解放したとしても外の世界で無事に過ごせるかわからない立場にまずなんとかしたいと思わせられましたし、
心を開いてくれた時の静かな情熱もいじらしかったです。
ロクスは何でもできるわけじゃないのに何でもできそうに余裕たっぷりに振舞うのが格好良くかったですし、
軽々しく、けれどもいたって本気で主人公のことを「俺の運命」と言ってくれてドキドキさせられました。あとスチルがえっち!
クリスは無邪気な言動にほっこりさせられましたし、
ルート制限が掛かっていることもあり最後が美しく、感慨深かったです。
サブキャラですが魔術学院で一番偉いルドヴィカさんの、フェルシニーとは対極のまぶしすぎる強さ正しさ自信、
それをモナカに惜しまず分け与えてくれる優しさや情の深さもお気に入りです。
彼らとモナカの会話は読んでいてとても心地よくて、みんな大好き! と心底思えました。

物語もそれぞれのルートで相手との関係をしっかりと堪能できました。
また、各ルートで明らかになることが他のルートにも関わっていて、
一つ終えるごとにすでに読んだルートを読み直したくなりましたし、
最終ルートでのモナカだけでなくプレイヤーにも向けられた台詞にもドキッとさせられました。

主人公も含め、魅力的な登場人物に囲まれ、美しくもままならない世界を堪能できる作品でした。

 

 

 

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