Paleontology
HP
サークルについて
オリジナルのノベルゲームを制作されています。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/ノベルゲーム |
発売年月 |
2015/11 |
価格 |
600円 |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
百合、ミステリー、ザッピング |
選択肢なし、十六時間ほどで読み終わりました、修正パッチあり。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読スキップ(キーボードからのみ)、チャプター選択、CG閲覧などがあり、
セーブデータは5個まで保存可能です。
あらすじ
過ぎ行く時はとてつもなく深い海の底に沈み続けている。
ときに浮かぶあの日の景色と匂いは揺れて泡のように消える。
心療クリニックの精神科医楢崎は、人がものを忘れる仕組みについて研究していた。人はなぜ忘れるのか、大事なことを忘れない方法はあるのか。彼女はある患者の心の奥深くを探るうちに、深い深い海の底へと辿り着く。
都内に事務所を構えるデザイナー佐知子は、取り憑かれたようにものを作り続ける。同僚の心配も他所に、仕事を続けた彼女は心を病み過去の恋人の幻が見えるようになる。彼女は恋人の跡を追って暗く長いトンネルを見つける。
療養所で暮らしている貴呼は、幼稚園からずっと一緒だった同性の恋人とどのように別れたのか思い出せない。彼女は恋人に似た女性と出会い、徐々に思い出を取り戻していく。記憶の扉を開き続けていく彼女は、最後に冷たく静かな部屋へと足を踏み入れる。
それぞれの目的の元、過去を求めさまよう三人が行きつく場所は何処か。
三つの物語は淡々とした日々の中で静かに進行し、やがて同じ場所へと還っていく。
(パッケージ「ストーリー」より)
この作品について
三人の女性の視点で、出会った幼稚園の頃から学生生活、職場、様々な場所への旅行などの思い出を挟みながら見聞きしたことが語られていきます。
また、ストーリーを進めることで本編を補完するTIPSが解放されていきます。
システムはスキップがキーボードからしかできず、速度も遅めなことがやや不便でしたが、
そのかわりに任意のチャプターから読み始めることができるようになっています。
絵は立ち絵差分も一枚絵も背景とても多く、それぞれの場面でテキスト通りの絵が使用されていました。
一枚絵はおまけ含め九十三枚+差分。
また、BGMも、効果音も、その音量も、立ち絵変化も、一枚絵変化も、
一つ一つがその場面にふさわしくなるよう丁寧に考え込まれたものでした。
話は、ストーリーが動き始めるまで三時間ほど、その後も霧の中を進むように進んだり止まったりで、非常にゆるやかに進み、そして終わります。
登場人物の心情や、建物や家具、自然等の風景も微に入り細に入り徹底的に描写されています。
その急がず、曖昧で、時には穏やかに、時には楽しく、時には寒々とした物語に深く深く浸ることができました。
特に貴呼と佐知子二人で旅行しているシーンが大好きで、
二人が仲良く、心から楽しんで見知らぬ土地を巡っていく様子が美しく、宝物のように思えました。
公式サイトでDL可能な体験版は序盤の南の島へ旅行するエピソードまでは絶対に読んでほしいです。
そこまでで楽しめたり、二人のことを気に入ったりすればきっと最後までこの作品の素晴らしさを味わえるはずですので……!
(2015/12/26時点では完成版入手手段ないですが)
全てが丁寧に、大切に、愛おしく作られていて、
余裕のある生活を送っている方、余裕のある日々を取り戻したい方、余裕ある時間を知りたい方へ、
とても、とても、心底から、おすすめしたい作品です。