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サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されていました。

 

作品

黄昏の白い靴

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発表年月

2007/3

価格

フリーソフト

年齢制限

なし

特徴

純愛、靴、フィレンツェ

選択肢なし、二時間ほどで読み終わりました。
Yuuki! Novelで作成されていて、ほぼデフォルト(セーブ、スキップ機能などはあり)です。

 

あらすじ

花の都、フィレンツェ――。

仕事に未来を見出せず、日々を無為に送っていた俺は、ある日白いワンピースを着た貴婦人と出会った。
「白い靴を磨いてもらえないかしら」
その言葉に俺は失笑し、無理である事を伝えると彼女はやわらかく笑って去っていった。

……夜、酒場でワインを飲みながら今日の話をマスターに聞かせていると、彼は言葉を詰まらせ、真面目な顔をして言った。
「伝説の靴磨き屋は、白い靴を磨きました」
俺は驚いていると、カウンターの隅で黙っていた老人が遠い目をして、昔話を始めた。
「そう、あれは30歳の時だったから、今から丁度30年前になる……」老人は昔の記憶を、昨日のことのように鮮明に語り出した。

30年前に出会った女性との話を。
白い靴を磨いた話を。
そして、白い女性を、愛した話を。

(Vector詳細ページより)

 

この作品について

現在の話の間に、以前靴磨き屋だったという老人の回想が語られるという形式。
立ち絵、一枚絵はなく、フィレンツェの写真を背景に進んでいきます。

音楽はエンディング曲で大きな音がなる箇所が割れてしまっていて耳に障るのが気になりましたが、
それ以外の曲はどれも穏やかな街という感じの曲調で、その上に陽気さや哀愁が乗せられていて、
作品の雰囲気に非常に良く合っていました。
また逆にミケランジェロ広場のシーンであえて音楽を鳴らさなかったのも効果的に思えました。

システムはYuuki! Novelなのでかなり不便です。
加えて文章が次のページにまでまたがってしまうことがよくあったことは気になりましたし、
起動するたびにフルスクリーンになってしまうのも面倒でした。
ただ、読んでいくうちにそうした点が霞んでしまうほど話に惹きこまれていきました。

フィリポさん(現在の老人)がビアンカさん(白い女性)にメロメロなことがこれでもかと伝わってくる地の文、
フィリポさんに想い人ができたことを祝福し、自分のことのように心から喜ぶ友人や酒場の人たちの言動、
そしてその恋の顛末。
少なくない悲しみと、それ以上にたくさんの輝くような時間が詰まっていて、その中に浸ることがたまらなく心地よかったです。

また、フィレンツェを巡るデートでは現地の写真がふんだんに使用され、
事細かな描写から共にその場所を歩いているような臨場感を味わえました。

本当に楽しくて切なくて綺麗な、素晴らしい恋物語でした。

 

 

 

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