シニカルとレトリック
ＨＰ

サークルについて

オリジナルのシミュレーションＲＰＧやＡＤＶゲームを制作されています。

作品

グレイメルカ

概要

選択肢あり、ストーリーパート・ＳＬＧパート併せてVer1.2は五十時間ほどで読み終わりました。
バックログ、チャプター選択、ＢＧＭモードなどがあり、
セーブデータは10個まで保存可能です。

あらすじ

80年前　ウォレア帝は
隣国を滅ぼす為に
グレイメルカ作戦を実行した。

一つの国を地獄に叩き落とし
帝国は怨嗟の的となる

膨張を続ける帝国で
皇子と同じ屋根の下、ハルカは生まれた。

（公式サイトより）

この作品について

群雄割拠の大陸で、ロマテア帝国が他国を併呑し始めた時代が舞台。
ストーリーパートとＳＬＧパートを交互に挟みながら、第一章はハルカの親世代が中心で、
二章以降はロマテア人でない両親を持ちながらもロマテアの皇子と同じ扱いで育てられたハルカを軸にして話が進んでいきます。

システムは特に不便な箇所なし。
用語事典的な人物情報や各地域の情報が充実していました。
音楽は様々な曲が使用されていて、雄大な曲からコミカルな曲、悲しい曲等それぞれの場面に合っていました。
特に「メインテーマ」「デト家・バトル」「マテル・バトル」「譲れぬ想いを守るためＡ」がお気に入り。
絵はドット絵キャラが可愛すぎて非道な場面でもなごんでしまう所がありましたが、
顔グラフィックはそれぞれ特徴を表わしているなと感じました。

ＳＲＰＧパートは大体のマップでターン制限がないせいか、私が慎重に進め過ぎたせいか
ストーリー上は急いでいても経験値稼ぎとかマップ探索とか、ボスの攻撃範囲一歩前にみんな集合させたりとか、緊張感が薄れてしまった部分がありました。
……うん、私のせいですね。
ですがスキルや装備、ステータスとにらめっこして勝ち筋を見つけるのは達成感がありました。
また、味方や敵との会話が様々な豊富にあって、ストーリーを補完したり、全然関係ないことを話したりと面白かったです。

話は、数世代に渡る数多くの国を股にかけた歴史が壮大に繰り広げられつつ、
同時に登場人物一人一人の心情や関係も丁寧に描かれていて読み応えがありました。
第９話や第２９話をはじめとして因果を感じさせる物語で、
こうすれば全て上手くいくというような解決方法はなく、少しでも良い結果を得られるように行動するしかない。
そうして頑張っても全員が幸せにはなれない、という残酷さがあり、だからこそ重みがありました。

また、登場人物たちはみんな魅力的で、特にスポポンドの心意気は顔と口臭が酷いのに格好良すぎです。
作中一有能なのに髪の毛で人を評価するクレンフゥと、戦争中にどんどん肥えていくメラもお気に入り。

この世界に生きる人々と、彼らによって紡がれる歴史が愛おしくなる物語でした。

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