7-FIELD
HP
サークルについて
オリジナルのノベルゲームを制作されています。
作品
概要
ジャンル |
オリジナル/ノベルゲーム |
発売年月 |
2015/1 |
価格 |
DL販売1404円 |
年齢制限 |
なし |
特徴 |
群像劇、SF、イミテーションゲーム |
選択肢あり、三十四時間ほどで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、オートモード、既読スキップ、CGモード(背景のみ)、音楽鑑賞、用語辞典などがあり、
セーブデータは100個まで保存可能です。
あらすじ
羽瀬宮エリアシティー。
この街には、人間の[判断]に干渉する特殊な権限が存在する。
名を「UR」。
2045年7月20日。
この権限の行使者を選定するためのテストである
「イミテーションゲーム」が開催された。
期間は11日。
参加者は6名。
形式はその名の通り、ニセモノ探し。
そしてもう一人。
とある研究者がゲームの観測を依頼される。
観測するのはやはり、判断。
企業都市という歪んだ街の環境。
強力な権限の歪みに呑まれた人々。
ニセモノ探しが歪める嘘と真実の境。
歪んだ判断の集積。
その果てで、最後の判断は研究者によって下される。
(DL販売サイト作品紹介より)
この作品について
同じイミテーションゲームに参加する六人の行使者の中から、
半日ごとにランダムに三人が選ばれテキストミーティング(チャット)で会話を行います。
またその前に観測者へはチャットに参加する三人のそれまでの行動が提示されます。
観測者はそれらの内容を踏まえへチャット参加者へ情報提供をし、六人の目的を達成へ導いていきます。
エンディングは五種類。
システムはメニュー画面等の文字フォントが読み難いことと、テキスト表示部分が暗めで立ち絵が見難いことがやや不便でしたが、
自動カーソル移動の場所とタイミングが小気味良くて快適でした。
音楽は特に合わないような箇所なし。
絵は全て斜めや横向きの立ち絵なことが特徴的で、
対話するときや一緒に並んで歩くとき等の位置関係がわかりやすかったです。
登場人物ではほぼ知識ゼロから体当たりインタビューで情報を得ていく礼堂夕端(らいどうゆうは)の行動力に驚かされます。
名倉夫妻は終盤の信頼にぐっときましたが、夫の篝さんの睡眠不足っぷりにハラハラさせられっぱなしでした。
特務機関所属なのにポンコツなスミレさんは終盤格好良くて良かったねという印象。
六人の視点がどんどんと切り替わる群像劇で舞台設定も現実とはかなり違うものですが、
序盤のテキストミーティング参加順(行動が提示される順番)が
行使初心者だったりエリアシティーのことを広く知っている者からだったりと配慮されていて、
段階的にスムーズに情報を知っていくことができます。
以降も行使初心者の夕端が情報を得ていく経緯や、
最初ほとんど関連のなかった六人が互いを知っていって、目的を共有したりサポートしたりしていく流れ、
二年前と今回の消失事件の真相など、そう繋がっていくのか! と唸らされたり感心させられたりの連続でした。
わずか十一日でどんどんと登場人物たちが関与して事態が進んでいきますが、
その都合の良さを、それでも起こり得ると思わせるほど舞台設定や話の進め方が巧みで、
登場人物も過不足なく配置され納得できる行動をしていて、見事というほかありませんでした。
また物語としても自分や周囲と向き合って変わっていく登場人物たちや、
緊迫感たっぷりな場面の数々、かと思えば突如ぶっこまれるユーモアある笑いなど、
惹き込まれ目一杯楽しむことができた作品でした。