活動漫画屋
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームや小説を制作されています。

 

作品

犬神使いと少年

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2008/12

価格

1000円

年齢制限

なし

特徴

妖怪、無知、友人

選択肢なし。六時間足らずで読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、既読/全てスキップ、オートモード、
CG閲覧、音楽鑑賞、PV鑑賞などがあり、一枚絵は十八枚、背景二十七枚。
セーブデータは48個まで保存可能です。

 

あらすじ

──花見、しとんのか。
──数を数えてるんだ。八重桜の花弁を。

始業式の最中。
少年は櫻の樹の下で不思議な少年に出会った。

──僕にだけ見えるんだね。
──首を吊った女の子が。

彼が見たのは夢か幻か。
或いは──真実か。

少年達は紅葉という風変わりな女性の導きで、
現代に息づく妖怪・犬神を目の当たりにする。


「あなた──イヌガミスジの恨みを買ったわ」

(サークルHPより)

 

この作品について

周囲の不興を買わないように「面白い奴」を演じていた杉山覚が、
一度見た本は全て記憶してしまうけれど
人の機微がわからなかったり突飛な行動を取ってしまう白沢道草と出会い、
犬神が関わる事件に関わっていきます。

システム面は一通り揃っていて問題なし。文章表示は縦書き。
絵は水彩のタッチで描かれた人物や背景が美しいです。
特に冒頭の桜の花びらが舞う中振り返る白沢の一枚絵は印象的で、
読み始めてすぐにこの物語に惹き込まれました。
ただ、ごく一部にショッキングな画像があるため苦手な方は注意。
音楽は「昼の学園生活」と「奔放な美術室」ののどかな感じがお気に入り。
挿入歌とEDの歌もあり、どちらも良い曲でした。

細やかな描写と流麗な文体ながら読みやすい文章に加え、
豊富な文献を持ってして語られる物語は非常に読み応えがあります。
ただ他のエピソードは互いにパズルのピースのように関連していたのに、
西大寺のエピソードだけやや浮いているように感じられてしまいました。

印象に残ったことは、妖怪の存在を否定しながら妖怪というものを認めていること。
作中で犬神の仕業とされていた不思議な出来事を知識と論理でそうではないと解き明かし、
しかし犬神が存在するようになった原因、経緯を切り捨てることなく、
その存在に意味を持たせていることに目の前が開ける思いでした。
妖怪に関わらず似非科学や思い込みをぶった切っているのも痛快。
また、男同士、女同士の友情や関わり合いも興味深かったです。
特に杉山と白沢の二人は、雨に濡れた白沢の頭をタオルで拭いたりする身体的なことも、
お互いにお互いが持っていない部分を尊敬していたりする精神的なことも、
二人の繋がりを感じさせて良いなと思いました。

不思議を暴きながらも不思議を肯定する、味わい深い作品でした。

……誰にでもおすすめできますが、
女性の方がより楽しめる部分もあるのではないかなぁと思ったり思わなかったり。

 

 

作品

片輪車と雪女(DL版の購入はこちら)

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2009/12

価格

1000円

年齢制限

なし

特徴

障害者、同性愛、妖怪

選択肢なし。四時間ほど読み終わりました。
バックログ、表示速度変更、全てスキップ、オートモード、
CG閲覧などがあり、一枚絵は二十二枚。
セーブデータは48個まで保存可能です。

 

あらすじ

「冷たい女──雪女だってさ」
「それなら私は──片輪車ね」

 男性障害者向けのデリヘル嬢が戸惑う。
 あどけない車椅子の少女が客だと云う。

 身体は一般的な女という性<せい>。
 なのに女が好きだという性<さが>。


「棄<き>──棄<す>てるという字は──
子供を捨てるさまから生まれた象形文字なの」

 雪女が子を預け。
 片輪車が子を奪う。

「その子は海に……棄<す>てられちゃったの」

(サークルHPより)

 

この作品について

デリヘル嬢とその客として知り合った難波 深雪と大江 麻子が、
お互いに惹かれあっていくも、様々な困難が降りかかってきます。

システム面は一通り揃っていて問題なし。文章表示は縦書き。
絵はあまり好みではないかなと思っていましたが、実際に読んでいくと話によく合っていました。
あと深雪の腰つきが色気あります。
背景の写真も鮮やかで、赤い傘などはぞくっとしました。
音楽は良くないことが起きた場面の曲が印象的でした。タイトル画面に歌あり。

今回妖怪や特殊能力は出てきませんが、それらに匹敵するくらいの妖しい雰囲気がありました。
自虐の詩や犬神使いと少年との関わりがさりげなく示唆されるのもそれらを読んだ身としては嬉しいところ。

中盤は多くの行動が裏目に出てばかりで痛々しく、
しかしそれに振り回されながらも何度も立ち上がる様が胸を打ちました。
ただ、一番最後の終わり方が唐突で、あともう少し余韻があっても良かったかなと思いましたが、
終盤全体では、紆余曲折あった末の二人の関係が穏やかに描かれていて、ほっとしました。

一番いいと思ったのは心情の表現。
心のこもった台詞、心がこもっていない台詞どちらも、そうだということがはっきりと伝わってきましたし、
音楽や人物絵、背景を使った表現も巧みでした。

幻想的な美しさと現実的な強さが同居した、素晴らしい作品でした。

 

トップへ戻る      一つ前に戻る