1000CROSS
HP

サークルについて

オリジナルのノベルゲームを制作されています。

 

作品

太陽のファントム−夏告雲−

 

概要

ジャンル

オリジナル/ノベルゲーム

発売年月

2006/8

価格

300円

年齢制限

なし

特徴

ジュベナイル、仲間、達成感

プレイ時間は五時間ほど、パッケージはCDケースで選択肢は一つだけ。
バックログ、スキップ、CG閲覧などがあり、セーブは一箇所だけ可能です。

 

あらすじ

中学二年の夏休みを数日後にひかえたある日、俺は、ちょっとしたはずみで、林間学園の実行委員を引き受けることになる。
相方である青海はゆると一緒に走り回るうちに、少しずつ俺は変わっていった。

騒がしい仲間達と、嫌味な同級生、そして、何か裏のありそうな教師達。
それぞれの思惑が入り乱れる中、大きく腕を広げた夏を告げる入道雲の下で、俺たちの夏がはじまる。

(サークルHPより)

 

この作品について

システム面はかなり悪いです。
メニュー画面を出すにもメニュー画面から戻るにも時間がかかりますし、
立ち絵が切り替わる速度も遅いですし、マウスホイールからはバックログ読めませんし、
スキップは既読未読関係なしですし、セーブは一箇所しかできません。
これで選択肢がたくさんあったら序盤で投げ出していたかもしれません。

それに私にとってあまり好みの絵柄ではありませんでした。
原画担当さんによるといつもと違う風に描かれたとのことなのですが、
サイトを見たところ本来の絵の方が好きですね。
でも読み進めていくうちにシナリオと相まって気にならないどころか
その喜怒哀楽にこちらも一喜一憂するようになってしまいました。
特に終盤の一枚絵が良かったです。

そのシナリオですがまず主人公。最初から物事を落ち着いて考えつつも熱いものを持っている性格でしたが、
物語の中で、自分だけで抱え込まずに周りを信頼するようになってより好感が持てました。

シナリオの序盤は実行委員として二人で協力しての事務作業が中心。
ゆったりとした優しい音楽を背景に居心地の良い時間が流れていきます。
作業が全て終わって大きく背伸びをしたときの気持ちも、我が事のように感じられました。

中盤〜終盤はすれ違いとそれを乗り越えての林間学園。
序盤の居心地の良さがなくなってしまったことに胸が締めつけられました。
林間学園の山場はクラス対抗オリエンテーリング。
ここではクラス全員が協力して優勝を目指します。
事前にできることをやり、本番では各々の役割をこなし、アクシデントにも知恵を出し合い、体力を振り絞る。
そうした先に待っていた達成感は、格別でした。
その夜の出来事も、とても嬉しくなるものでした。

二人の関係は甘酸っぱくて切なくて。
みんなが一体になって何かをしているのが楽しくて。
やり遂げた後の爽快感、達成感は心地よくて。

そんな輝いている中学生達の物語を、彼らと同じ場所にいるかのように感じることのできる作品です。

 

「夏告雲」としてはこれで完結していますが、
「太陽のファントム」は同じ時期、舞台で異なる時を過ごした人々による全四回の連作とのことです。
次回は「静かな冬の物語」とのこと。こちらも、期待しています。

 

 

 

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